JP4438604B2 - モータ及び記録媒体駆動装置 - Google Patents
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Description
スピンドルモータを小型化及び薄型化する方法としては、従来より様々な方法や構成が提案されている。例えば、超薄型の電磁鋼板やアモルファス鋼板を積層することでステータコアの薄型化を図るモータの積層コアが知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、ステータコアの塗装方法を改良することで、モータの小型化及び薄型化を図るモータ用ステータが知られている(例えば、特許文献2参照)。
また、ステータコアを所定位置に位置決めさせる径方向位置決め部及び軸方向位置決め部を設けることで、ステータコアを高精度に位置決めさせることができると共に、径方向位置決め部及び軸方向位置決め部を有する固定部材の剛性を高めることができるモータが知られている(例えば、特許文献4参照)。これにより、機械的剛性の低下を抑えることができるので、モータの小型化を図ることができる。
即ち、情報記録再生装置をより小型及び薄型にして、形態性や利便性等をさらに高めるためには、スピンドルモータ等のモータも同様に、より小型化及び薄型化を図る必要がある。そのためには、ステータコアのさらなる薄型化が不可欠となり、ステータコアの単層化も視野に入れる必要がある。ところが、ステータコアをより薄型、例えば、単層化した場合には、反りや撓みが生じてしまい、その結果、モータの回転特性に影響を与えてしまう恐れがあった。
特に、コイルが巻回される歯極部は、基端部が環状の連結部に支持された片持ち状態であるので、反りや撓みが顕著に発生し易い。その結果、ステータコア全体に反りや撓みが生じる恐れがある。
また、特許文献3及び4に記載されているモータは、モータの剛性低下を抑えることで、モータの小型化を図るものであり、やはり同様にステータコア自身の、例えば、単層化した場合における反りや撓みを解消することは困難なものであった。また、これらモータも、ステータコアは積層型を前提としている。
モータ及び該モータを有する記録媒体駆動装置を提供することである。
本発明のモータは、軸線回りに回転可能に支持された軸体と、該軸体に保持された環状の永久磁石と、該永久磁石の周囲を囲むように配された環状部と、該環状部に基端が固定されると共に前記永久磁石側に向かう半径方向に延出するよう形成され、前記軸線を中心として所定角度毎に複数設けられた歯極部と、該複数の歯極部の先端にそれぞれ略直角に折り曲げられて形成され、前記永久磁石の外周面に対向する面を有する折曲部とを有するステータコアと、複数の前記歯極部にそれぞれ巻回された励磁可能なコイルと、非磁性体材料により形成され、少なくとも隣り合う前記折曲部を連結して隣接する歯極部同士を一体的に固定する連結部とを備えていることを特徴とするものである。
従って、ステータコアを極力薄く形成したとしても、環状部に片持ち状態で固定されている歯極部の機械的強度を向上させることができ、歯極部の反りや撓み等の変形を極力抑えることができる。その結果、ステータコア全体の反りや撓み等の変形をなくして剛性を高めることができる。よって、モータ全体の薄型化を図ることができると共に回転特性の向上化を図ることができる。
また、連結部は、非磁性体材料なので、磁束に影響、即ち、回転効率に影響を与えることはない。
また、補強板は、シート状であるので、折曲部の高さ以内に納めることができ、該補強板を取り付けることで厚みが増すことはない。更に、補強板は、非磁性体材料により形成されているので、コイルに隣接配置したとしても、磁束に影響、即ち、回転効率に影響を与えることはない。
また、補強板は、シート状であるので、折曲部の高さ以内に納めることができ、該補強板を取り付けることで厚みが増すことはない。更に、補強板は、非磁性体材料により形成されているので、コイルに隣接配置したとしても、磁束に影響、即ち、回転効率に影響を与えることはない。
また、本発明の記録媒体駆動装置によれば、薄型及び回転特性の良いモータを有しているので、装置全体の薄型化、小型化を図ることができると共に、軸体及び保持部を介して記録媒体を高精度に回転させることができ、信頼性を向上することができる。
本実施形態の記録媒体駆動装置1は、図1に示すように、各種情報を記録可能なハードディスク(記録媒体)HDを軸線L回りに回転駆動するスピンドルモータ(モータ)2と、該スピンドルモータ2の後述するロータ(軸体)10に設けられ、上記ハードディスクHDを嵌合保持する嵌合部(保持部)3と、ロータ10を軸線L回りに回転可能に支持する流体動圧軸受部(軸受部)4とを備えている。
上記ロータ10は、カップ状に形成されており、外周面から半径方向外方に延びて形成されたフランジ部14と、該フランジ部14と共に上記永久磁石11を保持するヨーク部15と、ロータ10の上面に軸線Lを中心として形成され、後述するシャフト40が嵌合可能な嵌合孔16とを備えている。また、上記嵌合部3は、ロータ10の外周面に設けられている。
上記ステータコア12は、図1及び図2に示すように、永久磁石11の周囲を囲むように配されたコアバック(環状部)20と、該コアバック20に基端が固定されると共に永久磁石11側に向かう半径方向に延出するよう形成され、軸線Lを中心として所定角度毎に複数設けられた歯極部21と、該複数の歯極部21の先端にそれぞれ略直角(L字状)に折り曲げられて形成され、永久磁石11の外周面11aに対向する対向面22aを有する折曲部22とを有している。
上記折曲部22は、歯極部21の幅より幅広に形成された状態で上記ハードディスクHD側に向けて直角に折り曲げられている。また、折曲部22は、対向面22aと永久磁石11の外周面11aとの距離が一定となるように上面視円弧状に形成されている。
また、支持体25は、折曲部22に嵌め込まれた時に、上面が折曲部22の上面より突出しないようになっている。つまり、支持体25の厚みは、スピンドルモータ2全体の厚みに影響しないようになっている。
このシャフト40は、上記軸線Lを中心として略円柱状に形成された軸体42と、該軸体42の外周面に半径方向外方に延びて形成された円板状のスラスト軸受板43とで一体的に構成されている。このスラスト軸受板43は、軸体42の軸線L方向の略中間部分に形成されている。
また、軸体42の下端(紙面に対して下側)側の外周面には、へリングボーン溝と呼ばれるラジアル動圧発生溝が複数形成されている。また、スラスト軸受板43の外周面には、へリングボーン溝と呼ばれるスラスト動圧発生溝が複数形成されている。
また、ハウジング本体45には、ラジアル動圧発生溝が形成された軸体42の下端側を収容するラジアル収容部47と、スラスト軸受板43を収容するスラスト収容部48とが形成されている。
アッパープレート46は、略中央に軸体42を貫通する貫通孔46aを有するリング状に形成されている。また、貫通孔46aは、スラスト軸受板43側に向かって漸次径が小さくなるテーパ状に形成されている。これにより、貫通孔46a内に通された軸体42の外周面と貫通孔46aとの間に、外側に向かって間隔の広がる円環状のキャピラリーシールが形成される。このキャピラリーシールは、その形状とオイルWの表面張力とにより、ハウジング41とシャフト40との間に充填されたオイルWを外部に漏れないように保持するようになっている。
まず、コイル13に三相交流電流を供給してコイル13に磁界(交番磁界)を発生させる。この磁界は、歯極部21及び折曲部22を介して永久磁石11に作用して、ロータ10を軸線L回りに回転させる。また、ハードディスクHDは、嵌合部3を介してロータ10に嵌合保持されているので、ハードディスクHDがロータ10の回転に伴って軸線L回りを一方向に向けて回転する。
特に、歯極部21には、永久磁石11の外周面11aに対向する対向面22aを有する折曲部22を備えているので、磁束を受け渡す面積が大きい。そのため、スピンドルモータ2の回転トルクに寄与する磁束を増加させることができ、回転効率を向上させることができる。
また、スラスト軸受板43の両端面に発生する動圧は、それぞれが略同一の動圧によってスラスト軸受板43を厚さ方向に押圧するので、スラスト軸受板43が、ハウジング41とアッパープレート46との間の軸線L方向における略中央位置にバランスして保持される。
このように、流体動圧軸受部4によってロータ10を最適な状態で回転可能に支持できるので、ハードディスクHDを円滑且つ高精度に軸線L回りに回転させることができ、回転効率の向上化を図れる。
また、支持体25は、非磁性体材料であるので、磁束に影響がなく、回転効率に影響を与えることはない。また、支持体25は、折曲部22の上面より上方に突出しないように嵌め込まれているので、支持体25の厚みがスピンドルモータ2の厚さに影響を与えることはない。
特に、1インチ未満のHDD用スピンドルモータで要求されるモータ高さを満足しつつ、機械的強度、回転特性に優れたスピンドルモータ2を得ることができる。
また、本実施形態の記録媒体駆動装置1は、上述した薄型のスピンドルモータ2を有しているので、装置全体の薄型化及び小型化を図ることができる。また、回転特性の良いスピンドルモータ2であるので、ハードディスクHDを高精度に回転させることができ、信頼性を向上することができる。
こうすることで、コアバック20に片持ち状態で固定された歯極部21を少なくとも2つ連結できるので、歯極部21の機械的強度が増加し(剛性が高まり)、反りや撓みを防止することができる。
また、支持体25は、4つ以上の歯極部21を連結するように構成しても構わない。好ましくは、上記第1実施形態の支持体25のように環状に形成されて全ての歯極部21を連結するのが良い。
第2実施形態と第1実施形態との異なる点は、第1実施形態のスピンドルモータ2は、支持体25により全ての歯極部21を一体的に固定したが、第2実施形態のスピンドルモータ50は、補強板51により全ての歯極部21を一体的に固定する点である。
この補強板51は、嵌合溝52を介して複数の折曲部22を周囲から囲むように連結し、全ての歯極部21を一体的に固定するようになっている。
また、この補強板51は、コイル13側に強磁性体の磁気膜53を有しており、少なくともコイル13及びステータコア12からの磁束を遮断してハードディスクHD側に漏洩しないようになっている。即ち、磁気膜53は、第1実施形態のシールド板35と同様の効果を有するものである。この磁気膜53としては、例えば、金属性のフィルムを貼り付けたり、スパッタリングで形成したり、磁気を帯びた粉を混入した膜を貼り付けたりして形成される。
なお、磁気膜53は、嵌合溝52から所定距離L1離間した位置から半径方向外方に向けて形成されており、折曲部22に直接的に接触しないようになっている。
また、補強板51は、シート状であるので、折曲部22の高さ以内に納めることができ、該補強板51を取り付けることで厚みが増すことはない。更に、補強板51は、非磁性体材料により形成されているので、磁束に影響はなく、回転効率に影響を与えることはない。
更に、補強板51は磁気膜53を有しているので、コイル13及びステータコア12から発生した磁束がハードディスクHDに漏洩することを防止でき、ハードディスクHDへの磁気的影響を極力なくすことができる。
第3実施形態と第1実施形態との異なる点は、第1実施形態のスピンドルモータ2は、支持体25により全ての歯極部21を一体的に固定したが、第3実施形態のスピンドルモータ60は、支持体25に加え、第2実施形態の補強板51により歯極部21を一体的に固定する点である。
このように構成されたスピンドルモータ60は、支持体25及び補強板51により、より確実に全ての歯極部21を一体的に固定できるので、さらに確実にステータコア12全体の反りや撓み等の変形を防止することができる。よって、ステータコア12をさらに極力薄くしたとしても、機械的強度や回転特性を確保でき、スピンドルモータ60の薄型化及び小型化を図ることができる。
また、上記各実施形態では、ステータコアを1枚のプレートで構成したが、1枚に限られず、例えば、先端を略直角に折り曲げた折曲部を有する厚さの薄いプレートを2枚重ねて構成しても構わない。この場合は、折曲部の折り曲げ方向が互いに逆向きになるように、プレートを重ねれば良い。
また、ロータを流体動圧軸受部により回転可能に支持したが、動圧を利用せずに、単に回転可能に支持する軸受部でも構わない。
HD ハードディスク(記録媒体)
1 記録媒体駆動装置
2、50、60 スピンドルモータ(モータ)
3 嵌合部(保持部)
4 流体動圧軸受部(軸受部)
10 ロータ(軸体)
11 永久磁石
12 ステータコア
13 コイル
20 コアバック(環状部)
21 歯極部
22 折曲部
25 支持体(連結部)
51 補強板
52 嵌合溝
53 磁気膜
Claims (5)
- 軸線回りに回転可能に支持された軸体と、
該軸体に保持された環状の永久磁石と、
該永久磁石の周囲を囲むように配された環状部と、該環状部に基端が固定されると共に前記永久磁石側に向かう半径方向に延出するよう形成され、前記軸線を中心として所定角度毎に複数設けられた歯極部と、該複数の歯極部の先端にそれぞれ略直角に折り曲げられて形成され、前記永久磁石の外周面に対向する面を有する折曲部とを有するステータコアと、
複数の前記歯極部にそれぞれ巻回された励磁可能なコイルと、
非磁性体材料により形成され、少なくとも隣り合う前記折曲部を連結して隣接する歯極部同士を一体的に固定する連結部と、
非磁性体材料により環状に形成されると共に前記コイルに隣接配置され、複数の前記折曲部にそれぞれ嵌合可能な嵌合溝を内周面に有しているシート状の補強板とを備え、
前記補強板は、前記コイル側に強磁性体の磁気膜を有しており、少なくとも前記コイル及び前記ステータコアからの磁束を遮断することを特徴とするモータ。 - 請求項1記載のモータにおいて、
前記連結部は、複数の前記折曲部を周囲から囲んで連結するよう環状に形成され、全ての前記歯極部を一体的に固定することを特徴とするモータ。 - 請求項1又は2記載のモータにおいて、
前記補強板と前記連結部とが、一体的に構成されていることを特徴とするモータ。 - 軸線回りに回転可能に支持された軸体と、
該軸体に保持された環状の永久磁石と、
該永久磁石の周囲を囲むように配された環状部と、該環状部に基端が固定されると共に前記永久磁石側に向かう半径方向に延出するよう形成され、前記軸線を中心として所定角度毎に複数設けられた歯極部と、該複数の歯極部の先端にそれぞれ略直角に折り曲げられて形成され、前記永久磁石の外周面に対向する面を有する折曲部とを有するステータコアと、
複数の前記歯極部にそれぞれ巻回された励磁可能なコイルと、
非磁性体材料により環状に形成されると共に前記コイルに隣接配置され、複数の前記折曲部にそれぞれ嵌合可能な嵌合溝を内周面に有しているシート状の補強板とを備え、
該補強板は、前記嵌合溝を介して複数の前記折曲部を周囲から囲むように連結し、全ての前記歯極部を一体的に固定するものであり、
前記補強板は、前記コイル側に強磁性体の磁気膜を有しており、少なくとも前記コイル及び前記ステータコアからの磁束を遮断することを特徴とするモータ。 - 請求項1から4のいずれか1項に記載のモータと、
前記軸体に設けられ、各種情報を記録可能な記録媒体を保持する保持部と、
前記軸体を前記軸線回りに回転可能に支持する軸受部とを備えることを特徴とする記録媒体駆動装置。
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