JP4435174B2 - 重亜硫酸塩処理の改良された方法 - Google Patents

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Description

本発明は、グアニジニウムイオンおよび亜硫酸イオンを含有する溶液の調製ならびにそれに続く核酸の修飾に亜硫酸水素グアニジニウムを用いる、核酸中のメチル化シトシンの検出に関する。これによって、非メチル化シトシンがウラシルに変換される。本発明はさらに、亜硫酸水素グアニジニウムおよびそれを含むキットの使用を開示する。
遺伝子は、全哺乳動物ゲノムのごく一部を構成し、非コードデキシリボ核酸(DNA)の圧倒的なバックグラウンドの存在下でのその発現の正確な制御は、その調節の重要な問題を呈する。非コードDNAは、イントロン、反復要素および潜在的に活性のある転移因子を含み、その長期サイレンシングには、効果的な機構を要する。哺乳動物はシトシンのメチル化によって与えられる、DNA−タンパク質相互作用を変化させてかかるサイレンシングを助けるための遺伝性の機構を提供する可能性を利用してきたようである。DNAメチル化は、哺乳動物の発生に重要であり、老化および癌の間に潜在的な役割を果たす。遺伝子発現の調節における、および刷り込み遺伝子を標識する後成的修飾としてのメチル化の関与は、十分確立されている。哺乳動物において、メチル化はシトシン残基においてのみ起こり、より具体的にはグアノシン残基に隣接するシトシン残基、すなわちCG配列においてのみ起こる。DNAメチル化部位の検出およびマッピングは、所定の配列がメチル化されているかどうかを示す分子シグナルを理解するための重要な工程である。
これは目下、Frommer, M.ら、Proc. Natl. Acad. Sci. USA 89 (1992) 1827-1831)によって記載された、5-メチル-シトシンの検出のための、いわゆる重亜硫酸塩法によって達成される。5-メチルシトシンのマッピングの重亜硫酸塩法は、亜硫酸水素ナトリウムはシトシンと反応するが、5-メチル-シトシンとは反応しないか、わずかにしか反応しないという効果を用いる。シトシンは重亜硫酸塩と反応して、脱アミノ化してスルホン化ウラシルを生じやすいスルホン化シトシン反応中間体を形成する。スルホン化ウラシルは、アルカリ性条件下で脱スルホン化されてウラシルになり得る。遊離シトシンと異なりウラシルがチミンの塩基対形成の性質を有し、一方5-メチルシトシンがシトシンの塩基対形成の性質を有することは、一般的な知識である。このため、メチル化または非メチル化シトシンの区別が、例えば重亜硫酸塩ゲノム配列決定(Grigg, G.およびClark, S., Bioessays 16 (1994) 431-436; Grigg, G.W., DNA Seq. 6 (1996) 189-198)またはUS 5,786,146に開示されるメチル化特異的PCR(MSP)によって、可能になる。
重亜硫酸塩反応の特定の側面を扱った種々の文書があり、(Benyajati, C.ら、Nucleic Acids Res. 8 (1980) 5649-5667)は5-メチル-デオキシシトシンおよびデオキシシトシンの重亜硫酸塩修飾に対する一般的な調査を行い、(Olek, A.ら、Nucleic Acids Res. 24 (1996) 5064-5066)は、重亜硫酸塩処理およびそれに続くPCR工程がアガロースビーズに包埋された物質において行われる、重亜硫酸塩塩基配列決定のための方法を開示している。Clark, S.J.ら、Nucleic Acids Res. 22 (1994) 2990-2997に開示されるような重亜硫酸塩法において、試料は脱アミノ化の後に脱塩される。
Raizis, A.M.ら、Anal. Biochem. 226 (1995) 161-166は、鋳型の分解を最小限にする5-メチルシトシンマッピングの重亜硫酸塩法を開示している。彼らは、反応のpH、温度および時間の影響を調べている。同様の調査は、Grunau, C.ら、Nucleic Acids Res. 29 (2001) E65-5またはWarnecke, P.M.ら、Methods 27 (2002) 101-107によってなされている。重亜硫酸塩混合物中の異なるさらなる成分は、WO 01/98528によって、またはPaulin, R.ら、Nucleic Acids Res. 26 (1998) 5009-5010によって開示されている。重亜硫酸塩処理およびPCRの後のさらなる重亜硫酸塩工程は、WO 02/31186に開示されている。Komiyama, M.およびOshima, S., Tetrahedron Letters 35 (1994) 8185-8188)は、オリゴデオキシリボヌクレオチド中のシトシンの重亜硫酸塩誘導性脱アミノ化の触媒作用を調べている。
重亜硫酸塩処理を行うためのキットはIntergenから市販されており、Serologicals Corporation, Norcross, GA, USAによって販売されており、例えばCpGenomeTM DNA修飾キットである。
重亜硫酸塩ゲノム配列決定法の変形は、Feil, R.ら、Nucleic Acids Res. 22 (1994) 695-696に開示されており、それによって、脱アミノ化の後、ゲノムDNAはグラスビーズに結合し洗浄される。溶出後、核酸は脱スルホン化される。核酸が、ガラス表面に対するその結合特性、例えばカオトロピックな条件下でのシリカゲルまたは珪藻土への吸着、磁性ガラス粒子(MGP)または有機シラン粒子への吸着を用いることによって単離され得ることは公知である。固相を用いた抽出は、通常、目的の物質が固相に結合できる条件下で核酸を含む溶液を固相に加える工程、固相に結合した核酸から溶液の残りを除去する工程、およびそれに続く、固相から液体溶出液へ核酸を放出する工程(溶出と呼ばれることもある)を含む。かかる過程の結果は、通常、目的の物質を溶解状態で含む溶液である。
亜硫酸水素グアニジニウムは、種々の文書から公知である。US 2,437,965は、亜硫酸水素グアニジニウムを用いてケラチン線維を弛緩させる方法を開示している。US 2,654,678は、グアニジニウム塩を用いた、成形品の静電防止処理を開示している。US 4,246,285は、グアニジン無機塩を含むスキンコンディショニング組成物を開示している。DE19527313は、グアニジン誘導体およびそれを含む化粧品を開示している。
従来技術の重亜硫酸塩処理の方法は全て欠点を有する。したがって、本発明の解決すべき課題は、亜硫酸水素グアニジニウムを用いた方法を提供することであった。
(発明の概要)
本発明は、
a)核酸を含有する溶液を提供する工程、
b)亜硫酸水素グアニジニウムを提供する工程ならびにグアニジニウムおよび亜硫酸イオンを含有する溶液を調製する工程、
c)工程a)およびb)の溶液を混合する工程、
d)核酸ならびにグアニジニウムおよび亜硫酸イオンを含有する、工程c)で得られた溶液をインキュベートし、それによって核酸を脱アミノ化する工程、
e)脱アミノ化された核酸をアルカリ性条件下でインキュベートし、それによって脱アミノ化された核酸を脱スルホン化する工程、
f)脱アミノ化された核酸を単離する工程
を含む、核酸中のシトシン塩基をウラシル塩基に変換する方法に関する。
本発明のさらなる態様において、亜硫酸水素グアニジニウムは、核酸の化学的修飾に、特に核酸中のシトシン塩基をウラシル塩基に変換する方法において、用いられる。本発明の別の態様において、亜硫酸水素グアニジニウムは、グアニジニウムおよび亜硫酸イオンを含有する溶液の調製に用いられ、特に、該溶液は核酸中のシトシン塩基のウラシル塩基への変換に用いられる。
本発明の別の態様において、亜硫酸水素グアニジニウムを含むキットが提供され、核酸中のシトシン塩基が重亜硫酸イオン存在下でウラシル塩基に変換される反応に本発明のキットが使用される。
本発明によれば、用語「重亜硫酸塩反応」、「重亜硫酸塩処理」または「重亜硫酸塩法」は、核酸中のシトシン塩基、特に複数のシトシン塩基の、一つまたは複数のウラシル塩基への、好ましくは重亜硫酸イオン存在下での変換の反応を意味し、ここで好ましくは5-メチル-シトシン塩基は実質的に変換されない。メチル化シトシンの検出のためのこの反応は、Frommerら、上掲、およびGriggおよびClark、上掲に詳細に記載されている。重亜硫酸塩反応は、別々または同時に行われ得る、脱アミノ化工程および脱スルホン化工程を含む(図1;GriggおよびClark、上掲参照)。5-メチル-シトシン塩基が実質的に変換されないという記載は、(非メチル化)シトシン塩基のみを排他的に変換しようとしてもごく一部の5-メチル-シトシン塩基がウラシルに変換されることは無視できないということを考慮に入れただけである(Frommerら、上掲)。
(発明の詳細な説明)
本発明は、
a)核酸を含有する、溶液、好ましくは試料を提供する工程、
b)亜硫酸水素グアニジニウムを提供する工程ならびにグアニジニウムおよび亜硫酸イオンを含有する溶液を調製する工程、
c)工程a)とb)の溶液とを、または好ましくは工程a)の試料と工程b)の溶液とを混合する工程、
d)核酸ならびにグアニジニウムおよび亜硫酸イオンを含有する工程c)で得られた溶液をインキュベートし、それによって核酸を脱アミノ化する工程、
e)脱アミノ化された核酸をアルカリ性条件下でインキュベートし、それによって脱アミノ化した核酸を脱スルホン化する工程、
f)脱アミノ化された核酸を単離する工程
を含む、核酸中のシトシン塩基をウラシル塩基に変換する方法に関する。
亜硫酸水素グアニジニウムは塩であり、固体の形態で用いられる。すなわち、主として乾燥形態であり、結晶水を含む少量の水が存在し得るが、水を含有しない。亜硫酸水素グアニジニウムは、本発明に記載されるように(実施例1参照)、またはUS 2,437,965、US 2,654,678、US 4,246,285もしくはDE 19527313に記載されるように生成され得る。
グアニジニウムおよび亜硫酸イオンを含有する溶液の調製は、当業者に公知の方法によって、特に水または緩衝液と亜硫酸水素グアニジニウムとを組み合わせて機械的に、例えば振とう、攪拌(stirring)、溶液の上下のピペッティング、または当業者に公知の任意の他の適切な手段によって攪拌(agitation)することによって達成される。前述のように、亜硫酸水素グアニジニウムはまた、水性緩衝剤であり得、有機性物質、塩およびリン酸塩、Tris、HEPESまたは他の適切な緩衝剤等の当業者に公知の緩衝成分等のさらなる物質を含有し得る緩衝液に溶解し得る。
当業者は、重亜硫酸塩反応の行い方を、例えば、重亜硫酸塩反応の主なパラメータを開示している、Frommerら、上掲またはGriggおよびClark、上掲を参照することによって知っている。Grunauら、上掲より、重亜硫酸塩法のどの変形が可能かは当業者に公知である。脱アミノ化効率およびDNA分解に影響するパラメータに対するインキュベーション時間および温度の影響が開示されている。要約すると、脱アミノ化工程において、重亜硫酸イオンおよびカオトロピック剤ならびに任意にアルコール等のさらなる試薬またはヒドロキノン等の安定化剤を含有する緩衝液が用いられ、pHは酸性の範囲である。重亜硫酸塩の濃度は、0.1〜6 M重亜硫酸塩、好ましくは1 M〜5.5 Mであり、カオトロピック剤の濃度は1〜8 Mであり、ここで、一般的に、好ましくは本明細書中に記載される本発明の亜硫酸水素グアニジニウムではないグアニジニウム塩が用いられ、pHは酸性の範囲、好ましくは4.5〜6.5であり、温度は0℃〜90℃、好ましくは室温(25℃)〜90℃であり、反応時間は30分〜24時間もしくは48時間、またはさらに長いが、好ましくは1時間〜24時間である。脱スルホン化工程は、例えば水酸化物、例えば水酸化ナトリウムのみを含有する溶液、もしくはエタノール、塩化ナトリウムおよび水酸化ナトリウムを含有する溶液(例えば38% EtOH、100 mM NaCl、200 mM NaOH)等の、アルカリ性溶液または緩衝液を加え、室温または高温で数分、好ましくは5分〜60分インキュベートすることによって行われる。
したがって、本発明のある態様において、本発明の方法において、グアニジニウムイオンおよび亜硫酸イオンの濃度は0,1〜8 M、好ましくは2〜8 Mである。本発明のある態様において、本発明の方法の工程b)およびc)における溶液のpHは酸性の範囲、好ましくは4.5〜6.5である。本発明の方法のある態様において、本発明の方法の工程d)およびe)におけるインキュベーション温度は0℃〜90℃、好ましくは18℃〜90℃である。本発明の方法のある態様において、工程d)におけるインキュベーション時間は、30分〜48時間、好ましくは24時間である。本発明のある態様において、本発明の方法の工程e)は、アルカリ性溶液または緩衝液、好ましくは、水酸化物、好ましくは水酸化ナトリウムを含有する溶液、またはエタノール、塩化ナトリウムおよび水酸化ナトリウムを含有する溶液、好ましくは38%(容積/容積)エタノール、100 mM NaCl、200 mM NaOHを含有する溶液を加えることによって行われる。本発明のある態様において、本発明の方法において、工程e)におけるインキュベーション温度は0℃〜90℃、好ましくは18℃〜90℃である。本発明の方法の工程e)におけるインキュベーション時間は5分〜60分である。本発明の別の態様において、EP03001854.3に記載されるようなインキュベーションパラメータが用いられ得、ここで核酸は溶液中、1.5〜3.5時間の時間、70〜90℃の温度でインキュベートされ、溶液中の重亜硫酸塩の濃度は3 M〜6.25 Mであり、溶液のpH値は5.0〜6.0であり、それによって核酸は脱アミノ化される。
核酸の脱塩は、WO96/41811に記載されるように磁性ガラス粒子を用いて行われ得、または脱スルホン化および/または脱塩は、EP 1 394 172に記載されるように行われ得る。
一般に、本発明の方法は、EP 1 394 172に記載されるように固体表面上で、またはEP 1 443 052に記載されるように特別な条件下で行われ得る。
本発明のある態様において、核酸は、デキシリボ核酸(DNA)、特にゲノムDNAまたは核酸、すなわち生物のゲノムに見られ、生存に必要な情報として子孫に受け継がれるDNAまたは核酸である。この用語は、プラスミドに見られるような他のタイプのDNAを区別するために用いられる。核酸の供給源は真核性または原核性(prokarytic)であり得、好ましくは脊椎動物由来、特に哺乳動物由来、最も好ましくは動物またはヒト由来であり得る。
核酸を含有する溶液は、好ましくは核酸を含有する試料である。他の化合物が存在し得るが、核酸を含有する溶液は、できるだけ純粋であることが好ましい。別の態様において、溶液は、他の不溶性成分を含有し、すなわち、好ましくは、例えばEP 1 394 172に記載されるような磁性ガラス粒子等のガラスを含む物質を含有する懸濁液である。本発明のある態様において、核酸を含有する溶液または試料は、生物試料から、例えば固相(例えば、WO96/41811もしくはWO01/37291またはRoche Diagnostics, Mannheim Germanyから入手可能なMagNAPure(登録商標)システム参照)または当業者に公知の他の方法を用いて得られる(例えば、Sambrookら:Molecular Cloning, A Laboratory Manual, 第2版(2nd Addition)、Cold Spring Harbour Laboratory Press, Cold Spring Harbour, NYおよびAusubelら:Current Protocols in Molecular Biology 1987、J. Wiley and Sons, NYまたは、例えばQiagen, Hilden Germanyから入手可能な市販のDNA単離キット参照)。生物試料は、例えば白血球等のヒトおよび動物の細胞のような多細胞生物由来の細胞、ならびにハプテン等の免疫学的に活性のある低分子および高分子化学化合物、抗原、抗体ならびに核酸、血漿、脳脊髄液、痰、便、生検標本、骨髄、口腔すすぎ液、血清、組織、尿またはこれらの混合物を含む。本発明の好ましい態様において、生物試料は、ヒトまたは動物の体由来の体液である。生物試料は、血液、血漿、血清または尿であり得る。核酸を含む生物試料は溶解され、核酸および他の成分を含有する生体化合物の混合物を生じる。生物試料を溶解する手順は当業者に公知であり、性質において化学的、酵素的または物理的であり得る。これらの手順の組み合わせもまた、適用することができる。例えば、溶解は、超音波、高圧、剪断力、アルカリ、ディタージェントまたはカオトロピック塩溶液またはプロテアーゼもしくはリパーゼを用いて行われ得る。核酸を得るための溶解手順については、Sambrookら:Molecular Cloning, A Laboratory Manual, 第2版(2nd Addition)、Cold Spring Harbour Laboratory Press, Cold Spring Harbour, NYおよびAusubelら:Current Protocols in Molecular Biology 1987, J. Wiley and Sons, NYが特に参照される。次いで核酸は、本発明の方法および固相を用いて溶解混合物から単離され、次いで本発明の方法、すなわち本発明の重亜硫酸塩処理に供され得る。カオトロピック剤を用いて細胞を溶解し、核酸と他の生物学的物質との混合物を調製することもできる(例えば、Sambrookら(1989)またはEP 0 389 063参照)。その後、ガラスまたはシリカを含む物質を添加し得、DNAまたはRNAがかかる条件下、すなわちある濃度のカオトロピック剤、より高濃度の有機溶媒の存在下、または酸性条件下で、ガラス表面を有する物質に結合する性質から、精製効果が生じる。代替的な方法もまた、用いられ得る。
本発明の別の態様において、核酸中のシトシン塩基をウラシル塩基に変換するために、
a)亜硫酸水素グアニジニウムを提供する工程ならびにグアニジニウムおよび亜硫酸イオンを含有する溶液を調製する工程、
b)工程a)の溶液を、核酸を含有する溶液、好ましくは試料と混合する工程、
c)核酸ならびにグアニジニウムおよび亜硫酸イオンを含有する、工程b)で得られた溶液をインキュベートし、それによって核酸を脱アミノ化する工程、
d)脱アミノ化された核酸をアルカリ性条件下でインキュベートし、それによって脱アミノ化された核酸を脱スルホン化する工程、
e)脱アミノ化された核酸を単離する工程
を含む方法が提供される。
本発明の方法の工程の後で、さらなる工程が行われ得る。本発明の好ましい態様において、核酸はポリメラーゼ連鎖反応(PCR;EP 0 201 184、EP-A-0 200 362、US 4,683,202)を用いて増幅される。増幅方法は、リガーゼ連鎖反応(LCR、Wu, D.Y.およびWallace, R.B.、Genomics 4 (1989) 560-569およびBarany, F.、Proc. Natl. Acad. Sci. USA 88 (1991) 189-193;ポリメラーゼリガーゼ連鎖反応(Barany, F., PCR Methods Appl. 1 (1991) 5-16);Gap-LCR(PCT特許公報第WO 90/01069号);修復連鎖反応(欧州特許公報第EP 439,182 A2号)、3SR(Kwoh, D.Y.ら、Proc. Natl. Acad. Sci. USA 86 (1989) 1173-1177;Guatelli, J.C.ら、Proc. Natl. Acad. Sci. USA 87 (1990) 1874-1878;PCT特許公報第WO 92/0880A号)およびNASBA(米国特許第US 5,130,238号)でもあり得る。さらに、鎖置換増幅(SDA)、転写(transciption)媒介増幅(TMA)およびQβ増幅(総説については、例えばWhelen, A.C.およびPersing, D.H.、Annu. Rev. Microbiol. 50 (1996) 349-373;Abramson, R.D.およびMyers, T.W.、Curr. Opin. Biotechnol. 4 (1993) 41-47参照)がある。本発明の特に好ましい増幅方法は、重亜硫酸塩処理と対立遺伝子特異的PCR(例えば、US 5,137,806、US 5,595,890、US 5,639,611参照)とを組み合わせた、US 5,786,146に開示されているメチル化特異的PCR法(MSP)である。重亜硫酸塩処理は、本発明にしたがって行われ得る。
好ましい態様において、該方法は、増幅された核酸を検出する工程をさらに含み得る。増幅された核酸は、当業者に公知であり、例えばSambrookら、Molecular Cloning, Cold Spring Harbor University Press (1989)中, LottspeichおよびZorbas、「Bioanalytik」(1998)、L.a. Zorbas編、Spektrum Akademischer Verlag, Heidelberg, Berlin, Germany中、またはAusubel, F.ら、「Current protocols in molecular biology」(1994)、F. Ausubel, R. BrentおよびK.R.E.編, Wiley & Sons Verlag, New York中に記載される、標準的な解析方法によって測定または検出され得る。標的核酸が検出される前に、さらなる精製工程、例えば沈殿工程もまたあり得る。検出方法としては、二本鎖DNAにインターカレーションしてその後その蛍光を変化するエチジウムブロマイド等の特定の色素の結合またはインターカレーションが挙げられ得るが、これらに限定されない。精製された核酸はまた、制限消化の後に、任意に電気泳動法によって分離され得、その後可視化され得る。また、特定の配列に対するオリゴヌクレオチドハイブリダイゼーションおよびそれに続くハイブリッドの検出を利用するプローブベースのアッセイもある。当業者に公知のさらなる工程の後に、標的核酸の配列決定をすることも可能である。他の方法は、多様な核酸配列を、特異的なプローブが結合したシリコンチップにアプライし、相補配列が結合するとシグナルを生じる。
本発明の特に好ましい態様において、核酸は、増幅の間に蛍光の強度を測定することによって検出される。この方法は、リアルタイムの蛍光のモニタリングを要する。増幅と蛍光強度を測定することによる検出とを同時に利用する特に好ましい方法は、WO 92/02638および対応する米国特許US 5,210,015、US 5,804,375、US 5,487,972に開示されているTaqMan(登録商標)法である。この方法は、ポリメラーゼのエキソヌクレアーゼ活性を利用してシグナルを発生させる。詳細には、核酸は、試料を標的核酸の領域に相補的な配列を含むオリゴヌクレオチドおよび同じ標的核酸鎖の第二の領域に相補的な配列を含むが第一のオリゴヌクレオチドによって示される核酸配列を含まない標識オリゴヌクレオチドに接触させて、ハイブリダイゼーション条件の間に二本鎖分子の混合物を生成する工程であって、ここで該二本鎖分子は第一のオリゴヌクレオチドに対しておよび標識オリゴヌクレオチドに対して、第一のオリゴヌクレオチドの3'末端が標識オリゴヌクレオチドの5'末端に近接するようにアニーリングした標的核酸を含む工程を含むプロセスによって検出される。次いでこの混合物は、ポリメラーゼの5'から3'のヌクレアーゼ活性にアニーリングした標識オリゴヌクレオチドを切断させて標識断片を放出させるのに十分な条件下で、5'から3'のヌクレアーゼ活性を有する鋳型依存的核酸ポリメラーゼで処理される。標識オリゴヌクレオチドの加水分解によって生じるシグナルが検出および/または測定される。TaqMan(登録商標)技術は、固相結合反応複合体が形成されて検出可能にされる必要性を排除する。より一般的な表現では、本発明の方法の増幅および/または検出反応は、均一な溶液相アッセイである。さらに好ましい方法は、LightCycler(登録商標)装置(例えばUS 6,174,670参照)において用いられる形式である。重亜硫酸塩処理、メチル化特異的プローブ存在下でのメチル化特異的プライマーありまたはなしでの増幅、およびUS 6,331,393に記載されるようなリアルタイムの蛍光検出の使用が特に好ましい。
本発明の好ましい態様において、該方法は自動化されており、すなわち、該方法は、例えばWO 99/16781に記載されるような自動化可能なプロセスを行う。自動化可能なプロセスは、該プロセスの工程が、外部制御またはヒトの影響が殆どなしで、または全くなしで稼動できる装置または機械を用いて行うのに適していることを意味する。自動化された方法は、該自動化可能な方法の工程が、外部制御またはヒトの影響が殆どなしで、または全くなしで稼動できる装置または機械を用いて行われることを意味する。該方法のための調製工程のみが手で行われる必要があり得、例えば保存容器が満たされ、および配置される必要があり、試料の選択はヒト、および当業者に公知のさらなる工程、例えば制御するコンピュータの操作によってなされる必要がある。装置または機械は、例えば液体を自動的に加え得るか、試料を混合し得るか、または特定の温度でインキュベーション工程を行い得る。典型的には、かかる機械または装置は単一の工程および指令が特定されたプログラムを実行するコンピュータによって制御されるロボットである。本発明の好ましい態様において、該方法は高スループット形式であり、すなわち、自動化された方法は、方法および用いられる機械または装置が短時間での試料の高スループットについて最適化されることを意味する高スループット形式で行われる。
好ましくは、本発明の方法は診断法において、診断解析のためにまたは生物学的解析のために、またはヒトもしくはさらに動物の体由来の組織もしくは体液の、あるメチル化パターンの存在についてのスクリーニングのために用いられる。さらに、本発明の方法は、核酸中のメチル化部位の検出の速度、精度または感度を増強するために、用いられる。
本発明のある態様において、亜硫酸水素グアニジニウムは、核酸を化学的に修飾するために用いられ、好ましくは、ここで核酸中のシトシン塩基がウラシル塩基に変換される。本発明の別の態様において、亜硫酸水素グアニジニウムは、グアニジニウムおよび亜硫酸イオンを含有する溶液の調製に用いられる。好ましくは、該溶液は、核酸中のシトシン塩基をウラシル塩基に変換するために用いられる。
別の好ましい態様において、本発明は、亜硫酸水素グアニジニウムまたは亜硫酸水素グアニジニウムから調製された重亜硫酸イオンおよびグアニジニウムを含有する溶液を含む、重亜硫酸塩反応を行うためのキットに関する。一般的に、当該分野で公知のキットは、重亜硫酸塩手順の間に用いられ得るプラスチック容器、例えば96もしくは384ウェル形式のマイクロタイタープレートまたは例えばEppendorf、Hamburg、Germanyによって製造された反応チューブをさらに含む。さらに、本発明における使用に適切な緩衝剤、プライマー、プローブ、DNAポリメラーゼ、好ましくは熱安定性DNAポリメラーゼおよび場合によってはヌクレオチドを含む、さらなる試薬が存在し得る。したがって、本発明のある態様において、亜硫酸水素グアニジニウム、プライマー、プローブ、DNAポリメラーゼおよびヌクレオチドを含むキットが提供される。好ましくは、本発明のキットは、重亜硫酸イオン存在下で核酸中のシトシン塩基、好ましくは複数のシトシン塩基がウラシル塩基、好ましくは複数のウラシル塩基に変換され、ここで好ましくは5-メチル-シトシン塩基は実質的に変換されない反応に用いられる。
以下の実施例、参考文献および図面は、本発明の理解を助けるために提供され、その真の範囲は添付の特許請求の範囲に示される。本発明の趣旨を逸脱することなく示される手順に変更がなされ得ることが理解されよう。
(実施例)
1 亜硫酸水素グアニジニウムの生成
130 g(722 mmol)のグアニジン・炭酸塩(Fluka 50930)を、室温で700 mlの水に溶解させた。pH2〜3が測定されるまで数時間、SO2の流れをこの溶液にバブリングした。黄色の溶液を凍結乾燥した。無色の産物の収量は184 gであった。
1H-NMR([D6]DMSO、300 MHz):δ=7.12(s, 6H)。
13C-NMR([D6]DMSO、75 MHz):δ=158.3。
基本的な解析は、期待されるデータを生じた。
2 オリゴヌクレオチドを用いた脱アミノ化反応
2.1.1 実験計画:
2つのオリゴヌクレオチドから形成された二本鎖核酸(「GSTP1 ds」)を、種々のモル濃度で、二亜硫酸ナトリウムまたは亜硫酸水素グアニジニウムで処理する。この手順の後、GSTP1 dsを脱スルホン化および脱塩する。精製されたGSTP1 dsをHPLCによって解析する(図2〜4参照)。二本鎖核酸(「GSTP1 ds」)を形成している2つのオリゴヌクレオチドは以下に記載されており、配列番号:1および2の配列を有する。
2.1.2 方法
2.1.2.1 オリゴヌクレオチド
オリゴ1:5’-GGG ACT CCA GGG CGC CCC TC-3’(配列番号:1)
分子量=6079,97 Da
1OD=5,04 nmol
オリゴ2:5'-GAG GGG CGC CCT GGA GTC CC-3’(配列番号:2)
分子量=6159,99 Da
1OD=4,83 nmol
2.1.2.2 二亜硫酸ナトリウムを用いたGSTP1 dsの脱アミノ化:
5 nmol(分子量12239.96 Da)のGSTP1 dsを、200μlの重亜硫酸塩試薬(1〜2 M、pH 5.5)と混合し、数分間(30分〜60分)、80℃でインキュベートする。
2.1.2.3 亜硫酸水素グアニジニウムを用いたGSTP1 dsの脱アミノ化:
5 nmol(分子量12239.96 Da)のGSTP1 dsを200 ulの重亜硫酸塩試薬(1〜2 M、pH 5.5)と混合し、数分間(30分〜60分)、80℃でインキュベートする。
2.1.2.4 脱スルホン化および脱塩:
200μlの脱アミノ化GSTP1 dsを、500μlの2 N KOHと混合し、30分室温で放置する。その後、Sephadex G-25M(Pharmacia、コード番号17-0851-01、ロット番号QG 11018、ベッド容積9 ml)上で、水でゲル濾過を行う。溶媒を除去し、残渣を200μlの水に溶解する。40μlをHPLCに用いる。
2.1.2.5 HPLC:
カラム:プレカラムを有するDionex DNAPac PA-100SEL、4x250mm
製品番号SP3816 通し番号0440
溶媒A:0.01 M NaOH中に0.2 M NaCl
溶媒B:0.01 M NaOH中に1 M NaCl
勾配: 0分:50% A/50% B
25分:100% B、1 ml/分
重亜硫酸塩反応の反応速度を、HPLCで解析する。同じ条件下で、脱アミノ化プロセスの反応速度は、標準的な試薬亜硫酸水素ナトリウムと比較して、相対的に低濃度(2 M)の亜硫酸水素グアニジニウムでかなりより速いことが示される(図2〜4参照)。これは、相対的に低い重亜硫酸塩濃度でカオトロピックなグアニジニウム陽イオンの、ナトリウムに勝る利点を明らかに示している。1 M重亜硫酸塩反応のクロマトグラムは、重亜硫酸塩反応の開始のすぐ後の状態の例である。溶出が後になるほど、脱アミノ化反応はより完了する。
3 重亜硫酸塩処理DNAに特異的なLC-PCRの確立
全般
重亜硫酸塩反応が作用し、非メチル化シトシンをウラシルに変換したという事実は、非メチル化シトシンがウラシルに変換された、すなわちプライマー中の塩基アデニンが非メチル化シトシンからの重亜硫酸塩反応の産物であるウラシルの反対側にある核酸配列の領域に特異的なプライマーが用いられるポリメラーゼ連鎖反応によって証明され得る。不完全な変換の場合、プライマー中のアデニン塩基に対応しないシトシンがあることになるので、プライマーはこの領域にハイブリダイズすることができないであろう。これは、PCR産物が得られないという効果を有するであろう。
迅速なポリメラーゼ連鎖反応を行う改良された方法は、例えばUS 6,174,670に開示されており、LightCycler(登録商標)装置(Roche, Mannheim, Germany)において用いられる。この方法において、2つの標識プローブが増幅産物依存的に接近して、2つの標識が蛍光エネルギー転移(FRET)を行い得る。そのため増幅産物の量は、ある波長の発せられた光の強度と相関する。したがって、この特定のPCR法を用いて、例えば、適切なプローブおよびプライマーを用いてグルタチオン-S-トランスフェラーゼπ遺伝子(例えば、この遺伝子およびプロモーターの全長配列については配列番号:3、US 5,552,277、Genbank受託番号M24485およびMorrow, C.S.ら、Gene 75 (1989) 3-11参照)のプロモーター領域を解析することによって、非メチル化シトシンの完全な変換が得られたかどうかを解析し得る。しかしながら、当業者は、この評価に他の方法も用い得ることを知っている。蛍光測定値は、サイクル間の蛍光測定値が比較的一定に見える間に反応の初期のサイクルで得られる初期蛍光測定値、すなわちバックグラウンド蛍光で除することによって正規化される。初期蛍光測定のために選択されるサイクル数は、比較される全ての反応について同じであり、全ての測定値は同じ反応サイクルに対する増加を表す。ポリメラーゼ連鎖反応増幅の初期のサイクルにおいて、標的分子の数は、幾何学的等式Ni=N0 x (1+E)i(式中N0=反応の開始時における標的分子の数、Ni=第iサイクルの完了時における標的分子の数、E=増幅の効率(0=<E=<1))によって記載され得る。増幅のこの幾何学的増殖期の間に、特定の閾値(CT値または交差点(crossing point))に達するのに必要なサイクル数は、(1+E)の対数に対して逆比例である。したがって、CT値は、反応間の比較を可能にする、反応効率の尺度を表す。CT値の減少は、反応がより少ないサイクルで閾値に達したことを意味し、反応効率の増大を示す。増幅産物の増加が、反応蛍光の増大を測定することによってモニタリングされるとき、CTは本明細書中では、蛍光が任意の蛍光レベル(AFL)を超えるまでに行われる増幅サイクルの数として定義される。AFLは、ベースライン蛍光レベルに近いが測定された蛍光における不規則変動の範囲の上で選択され、そのため反応速度は、増幅の幾何学的増殖期の間に測定された。後のサイクルにおける増幅産物の蓄積は反応を阻害し、結局は反応プラトーをもたらす。全ての反応について、1.5のAFLが選択された。PCR増幅は別々のサイクルからなり、蛍光測定は1サイクルあたり1回行われるので、測定される蛍光は、典型的には1回のサイクルでAFLより下からAFLより上まで増大する。測定の精度を向上させるために、本明細書中でCT値または交差点と呼ばれる、AFL閾値に達するサイクルの「正確な」数が、蛍光測定値をサイクル間に補間することによって計算された。
一般的な方法
以下の実験は、LightCycler(登録商標)装置上での記載されたPCRが、重亜硫酸塩処理DNAについての評価ツールとして用いられ得ることを証明する。これは、設計されたプライマー/プローブの組み合わせが、重亜硫酸塩処理後のDNAでのみ陽性の結果をもたらすことを示す。重亜硫酸塩処理DNA(この場合重亜硫酸塩DNAは、実施例2に記載されるプロトコールに従って処理された)および未処理DNAは、同じ鋳型濃度(1回のPCRあたり20ngおよび1ng)を用いて、並行して増幅された。LightCycler(登録商標)装置上でのPCR解析
3.1.1 マスターミックスの組成:
LCファストスタートDNAマスターハイブリダイゼーションプローブ1x、2mM MgCl2、順方向プライマー0.5μM、逆方向プライマー0.5μM、ドナープローブ250nM、アクセプタープローブ250nM、鋳型10μl、総PCR体積20μl。
3.1.2 PCR条件:
変性10分/95℃
55サイクル 95℃/10秒
65℃/10秒−シグナル取得
72℃/10秒 ランプタイム20℃/秒
結果は、重亜硫酸塩処理DNAについてのみ交差点を示す。したがって、このPCRは、重亜硫酸塩法の評価に適切である。当業者にとって、プライマー/プローブの組み合わせが重亜硫酸塩処理の前にDNAと反応しないことが保証されれば任意のPCRが評価ツールとして用いられ得ることは明らかである。
4 亜硫酸水素グアニジニウムはDNAメチル化の分析時における標準的脱アミノ化試薬重亜硫酸ナトリウムに代用し得る
実験計画:
メチル化DNAを非メチル化DNAにスパイクし、変性させ、次に並行して重亜硫酸ナトリウムまたは亜硫酸水素グアニジニウムで処理する。その後、該DNAを磁性ガラス粒子を用いて脱塩し、脱スルホン化し、再度脱塩する。精製したDNAは重亜硫酸塩処理されたメチル化DNAだけを検出するリアルタイム速度論的PCRプロトコルを用いて分析する。
4.1.1 DNAの変性:
100μlのメチル化DNA(Serologicals Corporation, Norcross, GA, USA; Cat S7821)希釈液(50 ng/アッセイを1000ngのhDNAバックグラウンドにスパイク, Rocheカタログ1691112; 1つの方法につき5回反復)と11μlの2M NaOHを混合し、37℃で10分間インキュベートする。
4.1.2 DNAの脱アミノ化: 方法1(標準的試薬重亜硫酸ナトリウムを用いる)
111μlの変性したDNAを200μlの重亜硫酸塩試薬(2.5M重亜硫酸ナトリウム=5M亜硫酸塩溶液、125 mMヒドロキノン、pH5.5)と混合し、80℃で2時間インキュベートする。
4.1.3 DNAの脱アミノ化: 方法2(試薬亜硫酸水素グアニジニウムを用いる)
111μlの変性したDNAを200μlの重亜硫酸塩試薬(5M亜硫酸水素グアニジニウム、pH5.5)と混合し、80℃で2時間インキュベートする。
4.1.4 MGPを用いた処理
311μlの脱アミノ化したDNAを600μlの結合バッファー(MagNAPure DNA単離キットI Rocheカタログ番号 3 003 990)および75μlの磁性ガラス粒子溶液(MagNAPure DNA単離キットI)と混合し、15分/室温で、継続的に混合しながらインキュベートする。その後、磁性ガラス粒子を1 mlの70%エタノールで3回洗浄する。結合遊離分離を磁気分離器(Rocheカタログ1641794)で行う。その後、250μlの90% EtOH/20mM NaOHをMGPに結合したDNAに加えることにより、脱スルホン化が起こる;混合物は10分間室温で混合しながらインキュベートする。その後MGPを90%エタノールで2回洗浄する。エタノール残部を除去するために、MGPをサーモミキサーで、ふたを開けて、15分/60℃で加熱する。その後、DNAを50μlの10mM Tris/0.1mM EDTA pH7.5(15分/60℃)で溶出する。10μlの溶出したDNAを、次のPCR分析に用いる。
LightCycler(登録商標)装置による脱アミノ化DNAの分析
4.1.5 マスターミックスの組成
LightCycler(登録商標)ファストスタートDNAマスターハイブリダイゼーションプローブ 1x(Roche 2239272)、3 mM MgCl2、順方向プライマー0.4μM、逆方向プライマー0.4μM、ドナープローブ200 nM、アクセプタープローブ200 nM、鋳型10μl、総PCR容積20μl。
4.1.6 PCR条件
変性 10分/95℃
55サイクル 95℃/10秒
62℃/10秒−シグナル取得
72℃/10秒 ランプタイム20℃/秒
リアルタイムPCRの間に計算されたCT値または交差点は、使用した双方の亜硫酸塩試薬についてほとんど同一であり、亜硫酸水素グアニジニウムについては、平均値はいっそう低い、すなわち亜硫酸水素グアニジニウムは、ややより優れた性能を示し、該標準的脱アミノ化試薬の代わりとなり得る。
5 メチル化分析のためのDNAの前変性なしでの亜硫酸水素グアニジニウムの使用
実験計画:
メチル化DNAを非メチル化DNAにスパイクし、変性させ、または変性させず、次に並行して重亜硫酸ナトリウムまたは亜硫酸水素グアニジニウムで処理する。その後、該DNAを磁性ガラス粒子を用いて脱塩し、脱スルホン化し、再度脱塩する。精製したDNAは重亜硫酸塩処理されたメチル化DNAだけを検出するリアルタイム速度論的PCRプロトコルを用いて分析する。
5.1.1 DNAの変性:
100μlのメチル化DNA(Serologicals Corporation, Norcross, GA, USA; Cat S7821)希釈液(50 ng/アッセイを1000ngのhDNAバックグラウンドにスパイク, Rocheカタログ1691112; 1つの方法につき4回反復)と11μlの2M NaOHを混合し、37℃で10分間インキュベートする。
5.1.2 DNAの脱アミノ化:方法1(標準的試薬重亜硫酸ナトリウムを用いる)
111μlの変性したDNA、または100μlの変性していないDNAを200μlの重亜硫酸塩試薬(2.5M重亜硫酸ナトリウム、125 mMヒドロキノン、pH5.5)と混合し、80℃で2時間インキュベートする。
5.1.3 DNAの脱アミノ化:方法2(試薬亜硫酸水素グアニジニウムを用いる)
111μlの変性したDNA、または100μlの変性していないDNAを200μlの重亜硫酸塩試薬(5M亜硫酸水素グアニジニウム、pH5.5)と混合し、80℃で2時間インキュベートする。
5.1.4 MGPを用いた処理
311μlの脱アミノ化したDNAを600μlの結合バッファー(MagNAPure DNA単離キットI、Rocheカタログ番号 3 003 990)および75μlの磁性ガラス粒子溶液(MagNAPure DNA単離キットI)と混合し、15分/室温で、継続的に混合しながらインキュベートする。その後、磁性ガラス粒子を1 mlの70%エタノールで3回洗浄する。結合遊離分離を磁気分離器(Rocheカタログ1641794)で行う。その後、250μlの90% EtOH/20mM NaOHをMGPに結合したDNAに加えることにより、脱スルホン化が起こる;混合物は10分間室温で混合しながらインキュベートする。その後MGPを90%エタノールで2回洗浄する。残留エタノールを除去するために、MGPをサーモミキサーで、ふたを開けて、15分/60℃で加熱する。その後、DNAを50μlの10mM Tris/0.1mM EDTA pH7.5(15分/60℃)で溶出する。10μlの溶出したDNAを、次のPCR分析に用いる。
LightCycler(登録商標)装置による脱アミノ化処理したDNAの分析
5.1.5 マスターミックスの組成
LightCycler(登録商標)ファストスタートDNAマスターハイブリダイゼーションプローブ 1x(Roche 2239272)、3 mM MgCl2、順方向プライマー0.4μM、逆方向プライマー0.4μM、ドナープローブ200 nM、アクセプタープローブ200 nM、鋳型10μl、総PCR容積20μl。
5.1.6 PCR条件
変性 10分/95℃
55サイクル 95℃/10秒
62℃/10秒−シグナル取得
72℃/10秒 ランプタイム20℃/秒
結果は、重亜硫酸塩反応が、DNAの前変性なしで、まさにうまくいくことを示している;新規な試薬亜硫酸水素グアニジニウムは、交差点のメジアンが標準的重亜硫酸塩試薬のそれよりも低いため、より効率的である。
6 亜硫酸水素グアニジニウムは、メチル化分析のためにより低いモル濃度で使用し得る
実験計画:
メチル化DNAを非メチル化DNAにスパイクし、変性させ、次に並行して二亜硫酸ナトリウムまたは亜硫酸水素グアニジニウムで種々のモル濃度で処理する。その後、該DNAを磁性ガラス粒子を用いて脱塩し、脱スルホン化し、再度脱塩する。精製したDNAは重亜硫酸塩処理されたメチル化DNAだけを検出するリアルタイム速度論的PCRプロトコルを用いて分析する。
6.1.1 DNAの変性:
100μlのメチル化DNA(Serologicals Corporation, Norcross, GA, USA; Cat S7821)希釈液(50 ng/アッセイを1000ngのhDNAバックグラウンドにスパイク, Rocheカタログ1691112; 1つの方法につき4回反復)と11μlの2M NaOHを混合し、37℃で10分間インキュベートする。
6.1.2 DNAの脱アミノ化:方法1(標準的試薬重亜硫酸ナトリウムを用いる)
111μlの変性したDNA、または100μlの変性していないDNAを200μlの重亜硫酸塩試薬(2.5M−1.5M−0.5M二亜硫酸ナトリウム、125 mMヒドロキノン、pH5.5)と混合し、80℃で2時間インキュベートする。(注釈:2.5Mの二亜硫酸ナトリウムの溶液は亜硫酸イオンに関しては5Mである)
6.1.3 DNAの脱アミノ化:方法2(試薬亜硫酸水素グアニジニウムを用いる)
111μlの変性したDNA、または100μlの変性していないDNAを200μlの重亜硫酸塩試薬(5M−3M−1M亜硫酸水素グアニジニウム、pH5.5)と混合し、80℃で2時間インキュベートする。
6.1.4 MGPを用いた処理
311μlの脱アミノ化したDNAを600μlの結合バッファー(MagNAPure DNA単離キットI、Rocheカタログ番号 3 003 990)および75μlの磁性ガラス粒子溶液(MagNAPure DNA単離キットI)と混合し、15分/室温で、継続的に混合しながらインキュベートする。その後、磁性ガラス粒子を1 mlの70%エタノールで3回洗浄する。結合遊離分離を磁気分離器(Rocheカタログ1641794)で行う。その後、250μlの90% EtOH/20mM NaOHをMGPに結合したDNAに加えることにより、脱スルホン化が起こる;混合物は10分間室温で混合しながらインキュベートする。その後MGPを90%エタノールで2回洗浄する。エタノール残部を除去するために、MGPをサーモミキサーで、ふたを開けて、15分/60℃で加熱した。その後、DNAを50μlの10mM Tris/0.1mM EDTA pH7.5(15分/60℃)で溶出する。10μlの溶出したDNAを、次のPCR分析に用いる。
LightCycler(登録商標)装置による脱アミノ化処理したDNAの分析
6.1.5 マスターミックスの組成
LightCycler(登録商標)ファストスタートDNAマスターハイブリダイゼーションプローブ 1x(Roche 2239272)、3 mM MgCl2、順方向プライマー0.4μM、逆方向プライマー0.4μM、ドナープローブ200 nM、アクセプタープローブ200 nM、鋳型10μl、総PCR容積20μl。
6.1.6 PCR条件
変性 10分/95℃
55サイクル 95℃/10秒
62℃/10秒−シグナル取得
72℃/10秒 ランプタイム20℃/秒
結果は、脱アミノ化はまた、より低いモル濃度の亜硫酸イオンで可能であるが、感度は低下することを示している;1Mの濃度は低すぎる。新規な試薬は、5Mと3Mの交差点の差が1.21であるが、標準的試薬の場合それが1.3であるため、ややより有効である。
7 亜硫酸水素グアニジニウムはDNAメチル化分析における固相脱アミノ化に用い得る
実験計画
メチル化DNAを非メチル化DNAにスパイクし、溶液中で変性させ、シリカ固相(カラム)に移す(transferre)。脱アミノ化を並行して二亜硫酸ナトリウムまたは亜硫酸水素グアニジニウムで行う。その後、該DNAを脱塩し、脱スルホン化し、再度脱塩する。精製したDNAは重亜硫酸塩処理されたメチル化DNAだけを検出するリアルタイム速度論的PCRプロトコルを用いて分析する。
7.1.1 DNAの変性:
100μlのメチル化DNA(Serologicals Corporation, Norcross, GA, USA; Cat S7821)希釈液(50 ng/アッセイを1000ngのhDNAバックグラウンドにスパイク, Rocheカタログ1691112; 1つの方法につき3回反復)と11μlの2M NaOHを混合し、37℃で15分間インキュベートする。
7.1.2 DNAの固相脱アミノ化: 方法1(標準的試薬重亜硫酸ナトリウムを用いる)
111μlの変性したDNAを300μlの重亜硫酸塩試薬(2.5M重亜硫酸ナトリウム=溶液内で5Mの亜硫酸塩、pH5.5)および100μlのエタノールと混合し、シリカカラム(ハイピュアテンプレートプレパレーションキットより, Roche, 1796828)に載せる;インキュベーションは50℃で一晩とする。
7.1.3 DNAの固相脱アミノ化: 方法2(試薬亜硫酸水素グアニジニウムを用いる)
111μlの変性したDNAを300μlの重亜硫酸塩試薬(5M亜硫酸水素グアニジニウム、pH5.5)および100μlのエタノールと混合し、シリカカラム(ハイピュアテンプレートプレパレーションキットより, Roche, 1796828)に載せる;インキュベーションは50℃で一晩とする。
7.1.4 シリカカラムにおける処理
一晩のインキュベーションの後、カラムを1分/8000rpmで遠心分離し(Eppendorf卓上遠心機)、500μlの70%エタノールで2回洗浄する。500μlの試薬(38% エタノール/100mM EDTA/200mM NaOH)を加え、インキュベーションを20分間、室温で行うことにより、脱スルホン化を行う。短時間遠心分離した後、カラムをそれぞれ500μlの90%エタノールで2回洗浄する。全てのエタノールを除去するために、カラムを20秒間14000rpmで遠心分離する。100μlの前もって加温した(70℃)PCRグレードの水を加えることにより、結合したDNAを溶出する。カラムを再度遠心分離し、上清を次のPCR分析に用いる。
LightCycler(登録商標)装置による脱アミノ化処理されたDNAの分析
7.1.5 マスターミックスの組成
LightCycler(登録商標)ファストスタートDNAマスターハイブリダイゼーションプローブ 1x(Roche 2239272)、3 mM MgCl2、順方向プライマー0.4μM、逆方向プライマー0.4μM、ドナープローブ200 nM、アクセプタープローブ200 nM、鋳型10μl、総PCR容積20μl。
7.1.6 PCR条件
変性 10分/95℃
55サイクル 95℃/10秒
62℃/10秒−シグナル取得
72℃/10秒 ランプタイム20℃/秒
結果は、固相脱アミノ化は双方の亜硫酸塩試薬で可能であるが、新規な試薬の効率は有意により高いことを示している:生じた交差点は1サイクル早く、重亜硫酸塩処理されたDNAの収率が2倍良好であることに相当する。
8 亜硫酸水素グアニジニウムは併用処理SP+BISに用いられ得る
実験計画
臨床試料をDNAの前精製なしで、直接重亜硫酸塩試薬(亜硫酸水素グアニジニウムまたは重亜硫酸ナトリウム)と接触させる。インキュベーションの後、変換されたDNAの処理をいつもどおり磁性ガラス粒子を用いて行なう。精製したDNAは重亜硫酸塩処理されたDNAだけを検出するリアルタイム速度論的PCRプロトコルを用いて分析する。
8.1.1 SPとBISとを併用した処理:
200μlの通常のヒト血清または0.2μgのヌクレオソームDNAでスパイクした通常のヒト血清(それぞれ3回反復)を50μlのプロテイナーゼK(Roche)および600μlのBIS試薬(6M亜硫酸水素グアニジニウムまたは5M重亜硫酸ナトリウムのいずれか)と混合する;pHを5M NaOHで5.5に調節する。ついで混合物をサーモミキサーで2時間、80℃でインキュベートする。
8.1.2 MGPを用いた処理
その後6mgの磁性ガラス粒子((MagNAPure DNA単離キットI Rocheカタログ番号 3 003 990)の入った600μlのイソプロパノールを加え、溶液を完全に混合し、15分/室温で継続的に混合しながらインキュベートする。その後、磁性ガラス粒子を1mlの70%エタノールで3回洗浄する。結合遊離分離を磁気分離器(Rocheカタログ1641794)で行う。その後、250μlの90% EtOH/20mM NaOHをMGPに結合したDNAに加えることにより、脱スルホン化が起こる;混合物は10分間室温で混合しながらインキュベートする。その後MGPを90%エタノールで2回洗浄する。エタノール残部を除去するために、MGPをサーモミキサーで、ふたを開けて、15分/60℃で加熱した。その後、DNAを50μlの10mM Tris/0.1mM EDTA pH7.5で溶出する(15分/60℃)。10μlの溶出したDNAを、次のPCR分析に用いる。
LightCycler(登録商標)装置による脱アミノ化処理されたDNAの分析
8.1.3 マスターミックスの組成
LightCycler(登録商標)ファストスタートDNAマスターハイブリダイゼーションプローブ 1x(Roche 2239272)、2 mM MgCl2、順方向プライマー0.5μM、逆方向プライマー0.5μM、ドナープローブ300 nM、アクセプタープローブ300 nM、鋳型10μl、総PCR容積20μl。
8.1.4 PCR条件
変性 10分/95℃
55サイクル 95℃/10秒
62℃/10秒−シグナル取得
72℃/10秒 ランプタイム20℃/秒
結果は、新しい形式「試料調製とBIS処理との組合せ」で、変換され、増幅し得るDNAがもたらされることを示している。標準的BIS試薬については、肯定的な結果はスパイクした試料にだけ見られる;これは、該処理の総合的効率がまだかなり制限されていることを意味する。しかし対照的に新規なBIS試薬を用いた場合、スパイクしていない血清ならびにスパイクした血清について肯定的な結果が生じており、新規なBIS試薬はSP-BIS併用形式に関しては標準的試薬よりも、より効率的に用いられ得ることを示している。
9 亜硫酸水素グアニジニウムはシリカ表面におけるDNA分離のための結合試薬として用いられ得る
実験計画
50ngのヒトゲノムDNA Roche 1691112を200μlの通常の、陰性の(negative)血清にスパイクする。ついでハイピュアテンプレートプレパレーションキット(Roche 1796828)を用い、推奨された結合バッファーか、または結合バッファーとして5M亜硫酸水素グアニジニウム(pH5.5)もしくは5M重亜硫酸ナトリウム(pH5.5)のいずれかでDNAを単離する(それぞれ3回反復)。ついで精製したDNAをβグロビンDNAを検出するLCコントロールキット(Roche 2015102)を用い、リアルタイム速度論的PCRにて定量する。
結果はキット中のもとの結合バッファーが最良の性能を与えるが、双方の亜硫酸塩試薬は結合バッファーとしても用いられ得ることを示している;新規な試薬はやや効率が低く、もう少し最適化が必要であろう。

重亜硫酸塩法の工程 実施例に示されるような、ある時間後の反応混合物のHPLCプロフィール 図2a)1 M亜硫酸水素ナトリウム、30分 図2b)1 M亜硫酸水素グアニジニウム、30分 実施例に示されるような、ある時間後の反応混合物のHPLCプロフィール 図3a)2 M亜硫酸水素ナトリウム、30分 図3b)2 M亜硫酸水素グアニジニウム、30分 実施例に示されるような、ある時間後の反応混合物のHPLCプロフィール 図4a)2 M亜硫酸水素ナトリウム、60分 図4b)2 M亜硫酸水素グアニジニウム、60分

Claims (12)

  1. a)核酸を含有する溶液を提供する工程、
    b)亜硫酸水素グアニジニウムを提供する工程ならびにグアニジニウムイオンおよび亜硫酸イオンを含有する溶液を調製する工程、
    c)工程a)およびb)の溶液を混合する工程、
    d)核酸ならびにグアニジニウムイオンおよび亜硫酸イオンを含有する工程c)で得られた溶液をインキュベートし、それによって核酸を脱アミノ化する工程、
    e)脱アミノ化された核酸をアルカリ性条件下でインキュベートし、それによって脱アミノ化した核酸を脱スルホン化する工程、
    f)脱アミノ化された核酸を単離する工程
    を含む、核酸中のシトシン塩基をウラシル塩基に変換する方法。
  2. グアニジニウムイオンおよび亜硫酸イオンの濃度が0.1〜8 M、好ましくは2〜8 Mであることを特徴とする、請求項1記載の方法。
  3. 工程b)およびc)における溶液のpHが酸性の範囲、好ましくは4.5〜6.5であることを特徴とする、請求項1または2記載の方法。
  4. 工程d)およびe)におけるインキュベーション温度が0℃〜90℃、好ましくは18℃〜90℃であることを特徴とする、請求項1〜3いずれか記載の方法。
  5. 工程d)におけるインキュベーション時間が30分〜48時間、好ましくは24時間であることを特徴とする、請求項1〜4いずれか記載の方法。
  6. 工程e)が、アルカリ性溶液または緩衝液、好ましくは、水酸化物、好ましくは水酸化ナトリウムを含有する溶液、またはエタノール、塩化ナトリウムおよび水酸化ナトリウムを含有する溶液、好ましくは38%(容積/容積)エタノール、100 mM NaCl、200 mM NaOHを含有する溶液を加えることによって行われることを特徴とする、請求項1〜5いずれか記載の方法。
  7. 工程e)におけるインキュベーション温度が0℃〜90℃、好ましくは18℃〜90℃であることを特徴とする、請求項1〜6いずれか記載の方法。
  8. 工程e)におけるインキュベーション時間が5分〜60分であることを特徴とする、請求項1〜7いずれか記載の方法。
  9. 核酸中のシトシン塩基がウラシル塩基に変換される反応を行なうための亜硫酸水素グアニジニウムの使用。
  10. グアニジニウムイオンおよび亜硫酸イオンを含有する溶液を調製するための、亜硫酸水素グアニジニウムの使用であって、該溶液が核酸中のシトシン塩基をウラシル塩基に変換するために用いられる、使用。
  11. 核酸中のシトシン塩基がウラシル塩基に変換される反応を行なうための、亜硫酸水素グアニジニウムおよびプラスチック容器を含むキット。
  12. 重亜硫酸イオン存在下で核酸中のシトシン塩基がウラシル塩基に変換される反応のための、請求項11記載のキットの使用。
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