JP4434611B2 - テトラヒメナにおける組換えヒトタンパク質の発現方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、テトラヒメナでのヒトタンパク質の組換え発現方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
異種タンパク質発現による組換え(リコンビナント)タンパク質の生産は、天然資源からタンパク質を回収する選択肢の1つである。例えば、医薬品としてのタンパク質の天然資源は、しばしば非常に限定されていて、精製するのに非常に費用が掛かったり、または単に入手できない場合もある。また、かかる天然資源は、毒性があったりまたは特に感染性を有する物質が混入しているために、非常に問題がある場合もしばしばありうる。他方、現在では、バイオテクノロジーや遺伝子工学は、異種発現によって、一連のタンパク質を満足できる量を経済的にかつ安全に生産して、広範囲に適用することができるようになっている。かかるタンパク質としては、例えば、抗体(診断用、受動免疫用、研究用など)、ホルモン(治療用途のインスリン、エリスロポエチン(EPO)、インターロイキン類など)、酵素(例えば、食品技術、診断、研究用など)、血液因子(血友病処置用など)、ワクチンなどが挙げられる(Glick & Pasternak 1998, Molecular Biotechnology, ASM Press, Washing DC, Chapter 10: 227-252)(非特許文献1)。
【0003】
医薬処方用ヒトタンパク質は、生化学的、生物物理的ならびに機能的性質が天然タンパク質と同一でなければならない。更に、異種遺伝子発現によってかかるタンパク質を組換え生産しているときには、細菌とは対照的に、真核細胞中においては、例えば、ジスルフィド架橋形成、前駆タンパク質のタンパク質分解的切断、リン酸化、アセチル化、アシル化、硫酸化、カルボン酸化、ミリスチル化、パルミチル化、特にグリコシル化などのアミノ酸残基修飾などの一連の翻訳後タンパク質修飾が発生することを留意する必要がある。加えて、真核細胞中のタンパク質は、しばしば、シャペロン(chaperones)が関与する複雑な機構によって正しい三次元的構造に導かれる。これらの修飾は、タンパク質の特定の構造的かつ機能的性質に関して、例えば、タンパク質の酵素活性、特異性(レセプター結合、細胞認識など)、折れ曲がり、溶解性などに関して非常に重要な役割を果たしている(Ashford & Platt 1998, in: Post-translational Processing - A Practical Approach Ed. Higgins & Hames, Oxford University Press, Chapter 4: 135-174)(非特許文献2)、(Glick & Pasternak 1998, Molecular Biotechnology, ASM Press, Washington DC, Chapter 7: 145-169)(非特許文献3)。
【0004】
タンパク質の修飾がその自然構造から逸脱すると、そのタンパク質は不活性化したり、高いアレルギーポテンシャルを持ったりする。
したがって、細菌中でヒト血清アルブミン(HSA)を生産すると、要求されたシャペロンが欠如したり、ジスルフィド架橋が正確には形成されなかったりして、タンパク質がしばしば不正に折り曲がったり、不溶性になったりする。したがって、ヒトドナー血液から天然HSAを生産する選択肢の1つとして、組換えHSAを生産するために種々の真核産生システムが開発されつつある。その領域は、植物から、カビや、トランスジェニック動物や哺乳動物細胞にまで広がっている。
【0005】
一連の細菌ならびに真核発現システムは組換えタンパク質の産生のためには確立しているけれども、(特に真核タンパク質において)起こりうるタンパク質修飾の全ての領域をカバーし、普遍的に使用することができるユニバーサルシステムは存在していない(Castillo 1995, Bioprocess Technology 21: 13-45; Geise et al. 1996, Prot. Expr. Purif. 8: 271-282; Verma et al. 1998 J. Immunological Methods 216: 165-181; Glick & Pasternak 1998, Molecular Biotechnology ASM Press, Washing DC, Chapter 7: 145-169)(非特許文献4)。しかしながら、また、いくつかの繁用されているシステムが、異常な、時には望ましくない翻訳後タンパク質修飾を起こすことは極めて問題である。酵母から組換え発現されたタンパク質は、時には、マンノース残基によって極めて強力にグリコシル化される(図1参照、タンパク質のグルコシル化)。酵母からのこれらのいわゆる「高マンノース」構造は、約8〜50個のマンノース残基から構成されているので、最大で5〜9個のマンノース残基を有する哺乳動物細胞からのマンノースに富む(リッチ)グリコプロテインとは著しく異なっている(Moreman et al. 1994, Glycobiology 4(2): 113-125)(非特許文献5)。これらの酵母に典型的なマンノース構造は強力なアレルゲンであるので、これらを治療用途のための組換えグリコプロテイン生産に使用することは非常に問題である(Tuite et al. 1999, in Protein Expression - A Practical Approach, Ed. Higgins & Hames, Oxford University Press, Chapter 3: especially page 76)(非特許文献6)。また、酵母には、ハイブリッドもしくは複雑なグリコプロテイン構造が形成されないので、酵母を発現システムとして使用することは制限されている。他方、最近、植物が組換えタンパク質の産生システムとして論議されることが多くなってきて、その産生システムとして実際に使用されている。かかる植物は、哺乳動物に典型的なシアル酸に代わって、グリコプロテイン構造上にキシロースを有している(Ashford & Platt)(非特許文献2)。しかしながら、植物中に検出されるキシロースおよびα−1,3結合フコース類は、アレルギーの危険性を示しているので、問題でもある(Jenkins et al. 1996, Nature Biotech. 14: 975-981)(非特許文献7)。
【0006】
その結果、特に、哺乳動物培養細胞による組換えタンパク質の非常に低価でかつ必要とされている生産方法の選択肢として、新規な真核発現システムを開発することが大きく要請されている。
【0007】
かかるシステムは、下記の要求を充足しているのが理想的である。
(1)選択マーカーおよび調節的DNA要素(例えば、転写ならびに翻訳シグナルなど)が入手できること。
(2)発現システムは、重要な真核翻訳後タンパク質修飾を有すべきであるが、ヒトに対するアレルゲンを産生しないこと。
(3)組換えタンパク質の生産は、例えば、単純な培地を用いた製造規模(数千リットルにもなりうる)での細胞または生物の発酵や、生産物の単純な処理などによって行うことができるように、できるだけ簡単でかつ経済的であること。細胞が発現タンパク質を細胞外に分泌できれば生産物の後処理が極めて有利でなると考えられる。このようになれば、生産物を含有している培養上清から細胞を簡単に分離することができ、かつ、細胞消化が完全に必要なくなれば、生産物の後処理中に分離すべき混入物の程度を実質的に減少することができることになる。
【0008】
原生動物、つまり原生生物(定義については、Henderson's Dictionary of Biological Terms, 10th Edition 1989, Eleanor Lawrence, Longman Scientific & Technical, England or Margulis et al. (Editors) 1990; Handbook of Protoctista, Jones & Bartlett, Boston; van den Hoek et al. 1995, Algae - An Introduction to Phycology, Cambridge University Press参照)(非特許文献8)は、酵母、哺乳動物もしくは昆虫の培養細胞のようなすでに確立した真核発現システムに対する発現システムとして興味ある選択肢の1つとなるかもしれない。これらの生物は、真核で、一般的な単細胞微生物の非常に異種なグループである。これらは真核細胞の典型的な区分と分化とを有している。そのいくつかは、高等真核生物に比較的密接に関連しているが、他方では、酵母または細菌とさえあるときには培養と生育においては同様であり、大規模に単純な培地で高細胞密度で比較的簡単に発酵することができる。
【0009】
原生生物または原生動物についての形質転換および異種タンパク質発現の方法は、わずか2、3種について文献に記載されているだけである。組換えタンパク質の形質転換ならびに発現に対する異なる試みが、トリパノソーム(Trypanosoma)、レイシュマニア(Leishmania)、プラスモジウム(Plasmodium)などのような特に寄生原生動物についてなされている(Beverly 2000, WO 00/58483)(特許文献1)。またそれらについての論評もなされている(Kelly, 1997, Adv. in Parasitol., Vol. 39, 227-270)(非特許文献9)。また、異種タンパク質発現の可能性は、その他多数の原生生物(真核微生物)、例えば、粘菌Dictyostelium discoideum (Manstein et al. 1995, Gene 162: 129-134, Jung and Williams 1997, Biotechnol. Appl. Biochem. 25: 3-8)(非特許文献10)、鞭毛生物、例えば、ゾウリムシ(Paramecium)(Boileau et al. 1999, J. Eukaryot. Microbiol. 46: 55-65)(非特許文献11)およびテトラヒメナ(Tetrahymena)(Gaertig et al. 1999, Nature Biotech. 17: 462-465)(非特許文献12)および(WO 00/46381)(特許文献2)について示されている。また、タンパク質は、光合成独立栄養原生生物、ミクロ藻類などに異種的に発現することができる。かかる生物としては、例えば、クラミドモナス(Chlamydomonas)(Hall et al. 1993, Gene 124: 75-81)(非特許文献13)、ボルボックス(Volvox)(Schiedlmeier et al. 1994, PNAS 91: 5080-5084)(非特許文献14)、デイノフラゲラ(dinoflagellates)(ten Lohuis & Miller 1998, Plant Journal 13: 427-435)(非特許文献15)およびダイアトーム(diatoms)(Dunahay et al. 1995, J. Phycol. 31: 1004-1012)(非特許文献16)などが挙げられる。しかしながら、ほとんどの場合、単純な耐性マーカーまたは非ヒト選択マーカーだけか発現されただけである。一方、例えばEPOなどのように特にグリコシル化されたタンパク質が関与している場合、非哺乳動物細胞の自然タンパク質にできるだけ等しいヒトタンパク質の生産に対して特別な挑戦が必要である。
【0010】
鞭毛生物のうち、テララヒメナは、高等真核生物に比較的密接に関連し、それらに典型的な細胞分化を有する非病原性の単細胞真核微生物である。テララヒメナは、真正な、完全に分化した真核生物であるけれども、単純な酵母または細菌にその培養ならびに生育特性がより一層類似していて、比較的低価なスキムミルク培地を用いて大規模に容易に培養することができる。最適条件下では、世代時間は約1.5〜3時間であり、非常に高い細胞密度(48 g/L 乾燥重量に相当する2.2×107 個/mL)を達成することができる(Kiy and Tiedke 1992, Appl. Microbiol. Biotechnol. 37: 576-579; Kiy and Tiedke 1992, Appl. Microbiol. Biotechnol. 38: 141-146)(非特許文献17)。このために、テトラヒメナは、大規模組換えタンパク質の発酵製造にとって非常に興味があり、哺乳動物細胞よりもより一層有利である。
【0011】
テトラヒメナによって産生されるタンパク質のグリコシル化パターンに関する結論を引き出すために、テトラヒメナ培養培地からのタンパク質サンプルを、ペプチド:N−グルコシダーゼF(PNGaseF)による消化前もしくは消化後に、レクチンブロットによって文献記載の方法に従って調べた(非特許文献2)。また、N−グリカン類が次々とFACE技術(Glyko Inc.)によって単離された。
【0012】
レクチンブロットによる検査で、ミクロソームまたは培地画分のいくつかのタンパク質がN−グリコシル化されていることが示された。末端マンノジサッカライドを有するN−グリカン類は、両画分(レクチンGNAのPNGaseF感受性結合)中で検出された。これらは、マンノースリッチ型のN−グリカン類である。その他のPNGaseF感受性レクチン結合は検出されなかったので、末端フコース残基(レクチンAAA)、ガラクトース残基(RCA,DSA)およびN−アセチルグルコサミン残基(DSA,GWA)の発生は、N−グリカン類中とは異なって起こりそうにない。媒体タンパク質が強力にグルコシル化されていることが検出されたことは、対応する対照がレクチン結合を示していないことから、使用した媒体による混入が関与していなく、テトラヒメナによって分泌されたタンパク質が関与していることになる。
【0013】
4種のN−グリコシドオリゴサッカライドが次々と単離された。それらの構造は、Man5GleNAc2、Man4GlcNAc2、Man3GlcNAc2およびMan2GlcNAc2である。また、これらは、タニグチらによってTetrahymena pyriformisにおいて検出されたような、マンノースリッチN−グリコシド鎖の部分構造である(J. Biol. Chem. 260, 13941-13946 (1985)(非特許文献18)。また、複雑なもしくはハイブリッドN−グリコシド糖鎖が検出されなかったので、レクチンブロットの結果が確認された。
【0014】
したがって、テトラヒメナは、単純な塩基型のグリコシル化を示している(図1参照)。分泌タンパク質上にO−グリコシドを示す兆候は全くなかった。したがって、テトラヒメナは、他の発現システムに比べて非常に有利である。つまり、その糖構造が、酵母(より多くのマンノース残基と通常でない構造とを有するマンノースリッチ)ならびに昆虫や植物(キシロース発生)よりも哺乳動物細胞により一層類似している。また、テトラヒメナの単純なグリコシル化型は、タンパク質の生物学的活性(例えば、清澄化率など)にしばしば強力に影響し、産生を阻害する(例えば、エリスロポエチン産生、80%偽グリコシル化)ところの複雑なN−グリコシド糖構造を一般的に産生する哺乳動物細胞に比べて、ある適用に対しては有利である。したがつて、テトラヒメナは、グリコシル化されたタンパク質、例えばエリスロポエチン(EPO)などの発現に特に適している。
【0015】
テトラヒメナの形質転換は、ミクロ注入法、エレクトロポレーション法またはミクロ粒子衝撃法によって行うことができる。このために数多くのベクター、プロモーターなどを入手することができる。形質転換体は、耐性マーカーによって選択することができる。例えば、テトラヒメナは、rDNAベクター(rRNAのパロマイシン耐性突然変異の選択)で有効に形質転換することができる(Tondravi et al. 1986, PNAS 83:4396; Yu et al. 1989, PNAS 86: 8487-8491)(非特許文献19)。その後の形質転換実験において、シクロヘキシミドまたはネオマイシン耐性はテトラヒメナにおいて発現された(Yao et al. 1991, PNAS 88:9493-9497; Kahn et al. 1993, PNAS 90: 9295-9299)(非特許文献20)。これらのマーカー遺伝子に加えて、(鞭毛生物からの)組換え魚寄生虫抗原がテトラヒメナで発現された。また、部分ニワトリオバルブミンがテトラヒメナで発現された(Gaertig et al., WO 00/46381)(特許文献2)。いずれの場合にも、選択は、パクリタクセル(Paclitaxel (Taxol))で行われた。このシステムはガエルテイックら(Gaertig et al.)によって開発され、特許出願中である(特許文献2)。
【0016】
相同DNA組換えによる異種遺伝子の組込みはテトラヒメナで可能である。これによって有糸分裂的に安定した形質転換体を発生させることができる。また、標的遺伝子ノックアウトも相同DNA組換えによって可能である(Bruns & Cassidy-Hanley in: Methods in Cell Biology, Volume 62, Ed. Asai & Forney, Academic Press (1999) 501-512; Hai et al. in: Methods in Cell Biology, Volume 62, Ed. Asai & Forney, Academic Press (1999) 514-531; Gaertig et al. (1999) Nature Biotech. 17: 462-465 or Cassidy-Hanley et al. 1997 Genetics 146: 135-147)(非特許文献21)。これらに加えて、体細胞大核または生殖小核も互いに形質転換することができる。大核形質転換の間、安全性もしくは受容問題に関して有利となりうる無菌の形質転換体が得られる。
【0017】
【特許文献1】
Beverly 2000, WO 00/58483
【特許文献2】
Gaertig et al., WO 00/46381
【非特許文献1】
Glick & Pasternak 1998, Molecular Biotechnology, ASM Press, Washington, DC, Chapter 10: 227-252
【非特許文献2】
Ashford & Platt 1998, in: Post-translational Processing - A Practical Approach Ed. Higgins & Hames, Oxford University Press, Chapter 4: 135-174
【非特許文献3】
Glick & Pasternak 1998, Molecular Biotechnology, ASM Press, Washington DC, Chapter 7: 145-169
【非特許文献4】
Castillo 1995, Bioprocess Technology 21: 13-45: Geise et al. 1996, Prot. Expr. Purif. 8: 271-282: Verma et al. 1998 J. Immunological Methods 216: 165-181; Glick & Pasternak 1998, Molecular Biotechnology ASM Press, Washing DC, Chapter 7: 145-169
【非特許文献5】
Moreman et al. 1994, Glycobiology 4(2): 113-125
【非特許文献6】
Tuite et al. 1999, in Protein Expression - A Practical Approach, Ed. Higgins & Hames, Oxford University Press, Chapter 3: especially page 76
【非特許文献7】
Jenkins et al. 1996, Nature Biotech. 14: 975-981
【非特許文献8】
Henderson’s Dictionary of Biological Terms, 10th Edition 1989, Eleanor Lawrence, Longman Scientific & Technical, England or Margulis et al. (Editors) 1990; Handbook of Protoctista, Jones & Bartlett, Boston; van den Hoek et al. 1995, Algae - An Introduction to Phycology, Cambridge University Press
【非特許文献9】
Kelly, 1997, Adv. in Parasitol., Vol. 39, 227-270
【非特許文献10】
Manstein et al. 1995, Gene 162: 129-134, Jung and Williams 1997, Biotechnol. Appl. Biochem. 25: 3-8
【非特許文献11】
(Boileau et al. 1999, J. Eukaryot. Microbiol. 46: 55-65
【非特許文献12】
Gaertig et al. 1999, Nature Biotech. 17: 462-465
【非特許文献13】
Hall et al. 1993, Gene 124: 75-81
【非特許文献14】
Schiedlmeier et al. 1994, PNAS 91: 5080-5084
【非特許文献15】
ten Lohuis & Miller 1998, Plant Journal 13: 427-435
【非特許文献16】
Dunahay et al. 1995, J. Phycol. 31: 1004-1012)
【非特許文献17】
Kiy and Tiedke 1992, Appl. Microbiol. Biotechnol. 37: 576-579; Kiy and Tiedke 1992, Appl. Microbiol. Biotechnol. 38: 141-146
【非特許文献18】
J. Biol. Chem. 260, 13941-13946 (1985)
【非特許文献19】
Tondravi et al. 1986, PNAS 83:4396; Yu et al. 1989, PNAS 86: 8487-8491
【非特許文献20】
Yao et al. 1991, PNAS 88:9493-9497; Kahn et al. 1993, PNAS 90: 9295-9299
【非特許文献21】
Bruns & Cassidy-Hanley in: Methods in Cell Biology, Volume 62, Ed. Asai & Forney, Academic Press (1999) 501-512); Hai et al. in: Methods in Cell Biology, Volume 62, Ed. Asai & Forney, Academic Press (1999) 514-531; Gaertig et al. (1999) Nature Biotech. 17: 462-465 or Cassidy-Hanley et al. 1997 Genetics 146: 135-147
【非特許文献22】
Wuitschick & Karrer, J. Eukaryot. Microbiol. (1999)
【非特許文献23】
Benson, D. A. et al., Nuc. Acid Res., 28 (1), 15-18 (2000)
【非特許文献24】
Stryer, L., Biochemie, 4th Edition, Spektrum Akademischer Verlag, 1996, pages 802-3、Alberts, B. et al., Molecular Biology of the Cell, 3rd Edition, Garland Publishing, New York and London, 1994, Chapter 12、Lodish, H. et al., Molecular Cell Biology, 4th Edition, W H Freeman & Co. New York, 1999, Chapter 17
【非特許文献25】
Gaertig et al. (1994) PNAS 91: 4549-4553)
【非特許文献26】
Sambrook et al. (1989) Molecular Cloning: A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Laboratory, Cold Spring, New York
【非特許文献27】
Gaertig & Kapler (1999)
【非特許文献28】
Jacek Gaertig et al. (1994) PNAS 91: 4549-4553
【非特許文献29】
Gaertig & Kapler (1999)
【非特許文献30】
Burns & Cassidy-Hanley: Methods in Cell Biology, Volume 62 (1999) 501-512); Gaertig et al. (1999) Nature Biotech. 17: 462-465; Cassidy-Hanley et al. (1997 Genetics 146: 135-147)
【非特許文献31】
Sanford et al. (1991) Biotechniques 3:3-16; Bruns & Cassidy-Hanley (1999) Methods in Cell Biology, Volume 62: 501-512
【0018】
【発明が解決しようとする課題】
先行技術に鑑みて、この発明は、異なるヒトタンパク質修飾の塩基型にできるだけ相当する翻訳後タンパク質修飾できる簡便でかつ経済的なヒトタンパク質の新規生産方法を提供することを目的としている。また、好ましくは、この発明は、組換えタンパク質の分泌を可能にし、より好ましくは非ヒト分泌シグナル(分泌配列)の使用を必要としないヒトタンパク質の新規な産生方法を提供することを目的とする。
この目的ならびに上記記載で説明した関係から容易に推察でき、またはそれらから結論づけることができる明示していないその他の目的も、特許請求の範囲に記載するこの発明の変法によって解決することができる。
【0019】
【課題を解決するための手段】
この発明に従って、組換えヒトタンパク質の生産方法は、テトラヒメナ細胞を、ヒトタンパク質をコードする少なくとも1個の機能遺伝子を含む組換えDNAで形質転換し、該ヒトタンパク質をコードする遺伝子を発現する該組換えテトラヒメナ細胞を培養した後、該タンパク質を単離することによって、驚くほど簡単に行うことができる。この方法で生産した組換えヒトタンパク質は、その構造は、酵母よりも哺乳動物細胞の構造とより一層類似している、簡単なグルコシル化パターンを有している。他方、その培養ならびに生育的性質は、酵母のそれにより一層類似していて、したがつて低価な媒体で迅速な生育ができ、かつ過度な技術的要求なしに達成することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
前述したように、この発明に係る組換えヒトタンパク質の生産方法は、テトラヒメナ細胞を、ヒトタンパク質をコードする少なくとも1個の機能遺伝子を含む組換えDNAを用いて形質転換し、該ヒトタンパク質をコードする遺伝子を発現する該組換えテトラヒメナ細胞を培養した後、該タンパク質を単離することからなっている。
この発明に係るテトラヒメナ属の好ましい種は、テトラヒメナ・テルモフィラ(Tetrahymena thermophila)である。
【0021】
この発明において、ヒトタンパク質とは、対応するコードDNA配列がヒトから単離することができるタンパク質を意味するものと理解される。組換え発現に最終的に使用されるDNA配列は、ヒト細胞から単離される必要はなく、修飾された形態で存在していてもよく、または人工的に作成されていてもよい。更に、産生されたタンパク質は、ヒト細胞から単離できるタンパク質に関して、例えば、ある種のアミノ酸が欠失、置換などしたりした変異を有していてもよい。特に、この発明によるヒトタンパク質としては、治療使用目的のヒトタンパク質、例えば、サイトカイン(例えば、インターフェロン、インターロイキン等)、酵素、ホルモン(インスリン、EPO、成長ホルモン等)、血液因子(第VIII因子、第IX因子等)などを挙げることができる。
【0022】
この発明による単純なグリコシル化パターンとは、塩基構造GlcNAc2Man2−5のグリコシル化パターンがほとんどであることを意味しているものと理解される。
【0023】
この発明による機能遺伝子とは、標的生物において発現することができる遺伝子を意味するものと理解される。したがって、特に、機能遺伝子は、コード配列に加えて、該コード配列の転写を導く標的生物において機能的であるプロモーターを含んでいる。この型の機能性プロモーターは、その中でも、1個もしくはそれ以上のTATAボックス、CCAATボックス、GCボックスもしくはエンハンサー配列を有していてもよい。また、機能遺伝子は、転写において中断を導き、mRNAのボリアデニル化を導くシグナル配列を含む標的生物において機能的であるターミネーターを含んでいてもよい。更に、機能遺伝子のコード配列は、標的生物における翻訳に必要な全ての性質(例えば、開始コドン(例えば、ATG)、停止コドン(TGA)開始前のAリッチ領域(翻訳開始部位)、コザック配列、ポリA部位など)を有している。その上、該遺伝子は、テトラヒメナに特異的なコドン用途を有することもできる(Wuitschick & Karrer, J. Eukaryot. Microbiol. (1999))(非特許文献22)。
【0024】
この発明の好ましい変法においては、発現される遺伝子は、ヒト血清アルブミン(HSA)に対する遺伝子であり、特にGenBank accessionNo.8392890の遺伝子またはその変異体である。GenBankの主体については、Benson, D. A. et al., Nuc. Acid Res., 28 (1), 15-18 (2000)(非特許文献23)を参照のこと。したがって、産生されたタンパク質はヒト血清アルブミンであることが好ましい。
【0025】
この発明によれば、組換えHSAの変異体とは、GenBank accessionNo.8392890の遺伝子の配列と、少なくとも70%、好ましくは80%、より好ましくは90%、特に好ましくは95%以上相同する遺伝子を有しているものを意味するものと理解される。特に、GenBank accessionNo.8392890の遺伝子の配列から選択された、好ましくは100bpないし300bpのプローブは、この遺伝子の変異体上で標準ハイブリダイゼーション条件下でハイブリダイゼーションすることができる。
【0026】
この発明において、テトラヒメナにおいて組換えHSAが有効に発現されたことが始めて記載されるので、始めてヒトタンパク質がテトラヒメナにおいて有効に発現できたことになる。
【0027】
この目的のために、リーダー配列を含むHSAの完全コード配列は、PCRで増幅され、テトラヒメナ発現ベクター中に結合された(実施例2参照)。この構成体でテトラヒメナを形質転換し、タキソール(taxol)耐性に対する形質転換体を選択した(実施例3参照)後、プロテアーゼインヒビターを添加したスキムミルク培地で培養した(実施例5参照)。テトラヒメナによって培地内に分泌されたタンパク質は、SDS−PAGEによって分離され、HSAはHSA特異的抗体を用いたウエスタンブロットで検出された(図2参照)。驚いたことに、組換えHSAが産生されたばかりではなく、それを培地中に分泌したことである。
【0028】
全ての期待とは反対に、ヒトリーダー配列はテトラヒメナ中で完全に機能的であることが判明した。
発現したタンパク質を分泌するテトラヒメナ細胞は、この発明の好ましい変法を形成する。この変法においては、タンパク質は培養上清から単離することができる。
【0029】
したがって、この発明の特に好ましい変法は、ヒトタンパク質をコードする遺伝子が、テトラヒメナによって発現されたタンパク質の分泌を惹起するヒトリーダー配列を含んでいることからなる組換えヒトタンパク質の生産方法に関するものである。リーダー配列(シグナル配列の同義語)またはリーダーペプチド(またはシグナルペプチド)についての記載は、例えば、次を参照するとよい(Stryer, L., Biochemie, 4th Edition, Spektrum Akademischer Verlag, 1996, pages 802-3、Alberts, B. et al., Molecular Biology of the Cell, 3rd Edition, Garland Publishing, New York and London, 1994, Chapter 12、Lodish, H. et al., Molecular Cell Biology, 4th Edition, W H Freeman & Co. New York, 1999, Chapter 17)(非特許文献24)。特に好ましいリーダー配列としては、ヌクレオチド配列 atgaagtggg taacctttat ttcccttctt tttctcttta gctcggctta ttcc (配列番号5)を含むか、またはアミノ酸配列 Met Lys Trp Val Thr Phe Ile Ser Leu Leu Phe Leu Phe Ser Ser Ala (配列番号6)を含むリーダーペプチドをコードしている。別の好ましい変法においては、リーダー配列は、プロペプチド配列 aggggtgtg ttcgtcga (配列番号7)を含むか、またはアミノ酸配列 Arg Gly Val Phe Arg Arg (配列番号8)をコードしている。
【0030】
この発明の別の変法においては、ヒトタンパク質は組換えテトラヒメナ細胞の表面上で発現される。
また、この発明の別の変法は、ヒトタンパク質をコードしているDNAを含む組換えテトラヒメナ細胞に関する。組換えテトラヒメナ細胞は組換えヒト遺伝子を発現するのが好ましい。発現遺伝子はヒトリーダー配列を含んでいるのが特に好ましい。上記ヒトリーダー配列は、好ましくは、配列番号5を含むか、または配列番号6を含むリーダーペプチドをコードしている。また、別の好ましい変法においては、プロペプチド配列(配列番号7)に相当する配列を含むか、または配列番号7を含むプロペプチドをコードしている。
【0031】
特に好ましくは、組換えテトラヒメナ細胞は、組換えヒトタンパク質を分泌する。好ましい変法においては、この方法において発現され分泌されたタンパク質は、ヒト血清アルブミン、特にGenBank accessionNo.8392890の遺伝子またはその変異体の発現生産物である。
【0032】
この発明の別の変法は、テトラヒメナに典型的なグリコシル化パターンを有することによって特徴付けられる組換えヒトタンパク質に関する。また、この発明の別の変法は、ヒトリーダー配列を含むテトラヒメナでのヒトタンパク質の発現のための発現ベクターに関するものである。この発明において、発現ベクターとは、環状もしくは線状のDNAまたはRNAのような核酸分子、例えば、プラスミド、コスミド、もしくはホスト細胞中に組換え遺伝子を組み込み、細胞中に遺伝子を発現することができる人工クロモソームなどを意味するものと理解される。ベクターは、細胞中にエピソーム的に存在することができ、つまり、ホスト細胞のゲノム中で自己複製もしくは該ゲノム中へ組込まれることができるものである。組込みは、無作為にまたは相同組換えによっても発生させることができる。また、発現されている組換え遺伝子に加えて、この発明に係るかかる発現ベクターは、オリE.coli(ori E. coli)特異的マーカーなどのようなクローニング目的のためにE.coliにおいて複製することができるために、多重クローニング部位、自律複製配列、ホストに対するマーカー遺伝子ならびに全ての必要な配列などのようなこの目的に有用な別の配列を含んでいてもよい。
テトラヒメナにおけるヒトタンパク質の発現の成功例はこの発明において始めて記載されている。
【0033】
【実施例】
下記実施例は、この発明を説明するのに資するものであって、この発明をこれら実施例に限定するものではない。
実施例1:生物および培養条件
テトラヒメナ・テルモフィラ(Tetrahymena thermophila)(菌株:B1868VIII、B2086II、B*VI、CU428、CU427、CU522;J. Gaertig, University of Georgia, Athens, GA, USAから入手)を、改良SPP培地(2%プロテオスペプトン、0.1%酵母抽出物、0.2%グルコース、0.003%Fe−EDTA)(Gaertig et al. (1994) PNAS 91: 4549-4553))(非特許文献25)と、スキムミルク培地(2%スキムミルク粉末、0.5%酵母抽出物、1%グルコース、0.003%Fe−EDTA)もしくはMYD(2%スキムミルク粉末、0.1%酵母抽出物、0.2%グルコース、0.003%Fe−EDTA)に、抗生物質溶液(100U/mLペニシリン、100μg/mLストレプトマイシンおよび0.25μg/mLアンフォテリシンB(SPPA培地))を添加して、250mL容アーレンマイヤーフラスコ中で、30℃で振とう(150rpm)培養した。
プラスミドとファージはE.coliXL1-Blue、MRF’、TOP10F’もしくはJM109 (Stratagene, Invitrogen, GibcoBRL Life Technologies)で増殖し選択した。細菌の培養は、標準濃度の抗生物質を添加したLB培地もしくはNZY培地を用いて標準条件下で培養した(Sambrook et al. (1989) Molecular Cloning: A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Laboratory, Cold Spring, New York))(非特許文献26)。
【0034】
実施例2:発現構成体pBHSAの作成
ベクターpBICH3(Gaertig et al. 1999 Nature Biotech. 17: 462-465, WO 00/45381)(非特許文献27)は、テトラヒメナ・テルモフィラBTU1遺伝子の非コード調節配列によってフランキングされたイチチオフィトラス(Ichthyophthrius)I抗原(G1)プレプロテインのコード配列を含んでいる。ヒト血清アルブミン(HSA;GenBank accessionNo.8392890)発現構成体pBHSAを産生するために、開始部位にNsiI切断部位を有する改変プラスミド(pBICH3−Nsi)(J. Gaertig, University of Georgia, Athens, GA, USAより提供)を使用した。この目的のために、NsiIおよびBamHI切断部位を、コードHSA配列の開始と停止部位にPCRによって挿入した。HSAの完全cDNA配列を含む単離されたプラスミド(ATCC323324)は、テンプレートとしてPCRに使用した。プライマーの配列は下記の通りである。
HSA-Nsi-1:5’-GGCACAATGCATTGGGTAACCTTTATTAGC-3’
(配列番号1)および
HSA-Bam-R:5’-AAATGGGATCCTCATAAGCCTAAGGCAGCTTGAC-3’
(配列番号2)
上記プライマーを使用して、NsiIおよびBamHI切断部位によってフランキングされたHSAの完全コード配列を含むPCR生産物が得られた。得られたPCR生産物とプラスミドpBICH3N−Nsiは、制限酵素NsiIとBamHIで切断され、アガロースゲルで精製した後、結合された。そのようにして生成された発現構成体pBHSAは、BTU1遺伝子の調節配列中の正確な読み取りフレーム(reading frame)に挿入された完全HSAコード配列を含んでいる。テトラヒメナの形質転換のために、得られた構成体は、制限酵素SacIIとXhoIで消化して線状化した。
この形質転換中に、BTU1遺伝子は、相同組換えによってこの構成体で置換されたので、細胞のパクリタクセル(Paclitaxel)に対する細胞耐性が付与された。
【0035】
実施例3:pBHSAによるテトラヒメナの大核形質転換
テトラヒメナ・テルモフィラ細胞(CU522)5×106個を形質転換に使用した。細胞をSPPA培地50mLに播種し、揺とう装置に取り付けた250mL容アーレンマイヤーフラスコを用いて150rpmで振とうしながら30℃で約3〜5×105個/mLの細胞濃度になるまで培養した。5分間遠心分離(1200g)した後、細胞をペレット化し、得られた細胞ペレットを10mMTri−HCl(pH7.5)50mLに再懸濁し、前と同様に遠心分離した。この洗浄工程を繰り返し、細胞濃度3×105個/mLの細胞を10mMTri−HCl(pH7.5、抗生物質添加)に再懸濁し、250mL容アーレンマイヤーフラスコに移し、振とうすることなく30℃で16〜10時間培養した(飢餓相)。この飢餓相後、細胞数を再度決定して、上記同様に遠心分離し、細胞を10mMTri−HCl(pH7.5)で細胞濃度5×106個/mLに調節した。このうち、細胞懸濁液1mLを形質転換に使用した。形質転換は大核衝撃法(下記に説明する)にて行った。再生のために、細胞をSPPA培地に取り、アーレンマイヤーフラスコ中で振とうすることなしに30℃で培養した。3時間培養した後、最終濃度20μmのパクリタクセルを添加し、アリコート100μLの細胞を96ウエルマイクロタイタープレートの各ウエルに移した。ついで、細胞を湿らせて暗くしたボックス中て30℃で培養した。2〜3日後、パクリタクセル耐性クローンが同定された。陽性のクローンを25μmパクリタクセルを添加した新規培地で再培養した。パクリタクセル濃度を増加して(80μmまで)培養することによって、完全「フェノタイプ・アソートメント」(phenotypic assortment))に達した(Gaertig & Kapler (1999))(非特許文献27)。
【0036】
クローンの分析のために、SPPA培養液約4mLをパクリタクセルと培養し、DNAを単離し(Jacek Gaertig et al. (1994) PNAS 91: 4549-4553)(非特許文献28)、DNAをBTU1遺伝子座に組込み、PCRで増幅した。下記配列を有するBTU1特異的プライマーは、開始コドンの約50bp前および停止コドンの3bp後にそれぞれあるプライマーとして使用した。
BTU1-5’F (AAAAATAAAAAAGTTTGAAAAAAAACCTTC
(配列番号3)
BTU1-3R’ (GTTTAGCTGACCGATTCAGTTC
(配列番号4)
得られたPCR生産物は、制限酵素HindIII、SacIまたはPstIを用いて切断されるかまたは切断されないかを分析した。完全「フェノタイプ・アソートメント」を、BTU1特異的プライマーを用いてRT−PCRによってチェックした(Gaertig & Kapler (1999))(非特許文献29)。
【0037】
実施例4:バイオリステイック(biolistic)形質転換(マイクロ粒子衝撃法)
テトラヒメナ・テルモフィラの形質転換は、文献に記載されているようなバイオリステイック(biolistic)形質転換によって行った(Burns & Cassidy-Hanley: Methods in Cell Biology, Volume 62 (1999) 501-512); Gaertig et al. (1999) Nature Biotech. 17: 462-465; Cassidy-Hanley et al. (1997 Genetics 146: 135-147))(非特許文献30)。バイオリステイックPDS1000/Heパーテイクルデリバリーシステム(Biolistic(登録商標)PDS-1000/He Particle Delivery System (BIO-RAD))の取り扱いは対応するハンドブックに詳細に記載されている。
形質転換には、金粒子(0.6μm;BIO−RAD)6mgに線状化したプラスミドDNA(Sanford et al. (1991) Biotechniques 3:3-16; Bruns & Cassidy-Hanley (1999) Methods in Cell Biology, Volume 62: 501-512)(非特許文献31)を挿入した。
金粒子の製造:0.6μmの金粒子(BIO−RAD)60mgをエタノール1mL中に再懸濁した。この目的のために、粒子を3度それぞれ1〜2分間渦巻き状に激しく混合した。次いで、粒子を1分間遠心分離(10000rpm)し、その上清をピペットで注意深く除去した。得られた金粒子を殺菌水1mL中に再懸濁し、上記と同様に遠心分離した。この洗浄工程を1度繰り返して、得られた粒子を50%グリセロール1mLに再懸濁し、そのアリコート100μLを20℃で保存した。
形質転換体の作成:マクロキャリアーホルダー、マクロキャリアーおよびストップスクリーンを100%エタノール中に数時間放置し、破裂デイスクをイソプロパノール中に放置した。次いで、マクロキャリアーをマクロキャリアーホルダー中に挿入した後、空気乾燥した。
DNAの金粒子への組込み:全ての作業は4℃で行なった。金粒子、生産ベクター、2.5MCaCl2、1Mスパーミジン、70%と100%エタノールを氷冷した。線状化ベクターDNA(1μg/ mL)10μLを作成した金粒子100μLに添加し、10秒間注意深く渦巻き状に振とうした。2.5MCaCl2100μLをまず添加して、10秒間渦巻き状に振とうした後、1Mスパーミジン40μLを添加して10秒間注意深く渦巻き状に振とうした。70%エタノール200μLを添加して、得られた粒子を1分間渦巻き状に振とうした後、10000rpmで1分間遠心分離した。得られたペレットを100%エタノール20μLに再懸濁し、遠心分離した後、100%エタノール35μLに再懸濁した。
上記のように製造した粒子をピペットでマクロキャリアーの中心に注意深く導入した。次いで、形質転換のために、マクロキャリアーを吸湿性のシリカゲルを詰めたボックス中に配置した。
形質転換:作成した細胞(上記参照)1mLを円形フイルターの中心に導入し、10mMtris−HCl(pH7.5)でペトリ皿中で湿らせて、バイオリステイックPDS−1000/Heパーテイクルデリバリシステムの形質転換チェンバーの最下層の挿入ストリップ中に導入した。作成した金粒子による形質転換は、圧力900psi(450psi破裂デイスク2個)、真空度27インチHgで形質転換チェンバー中で行なった。次いで、得られた細胞をSPPA培地50mLを入れたアーレンマイヤーフラスコに直ちに移し、振とうすることなく30℃で培養した。
【0038】
実施例5:テトラヒメナ中でのHSAの発現
陽性形質転換体からと、コントロールとして非形質転換テトラヒメナ野生株細胞からのプロテアーゼインヒビター(完全EDTA欠如プロテアーゼインヒビター・カクテルタブレット、Roche Diagnostics GmbH)を添加したスキムミルク培地20mLを入れたアーレンマイヤーフラスコを用いて培養した。24時間および48時間(約1×106個/mLの細胞密度)後、細胞を遠心分離し、その上清の残りに10分の1容量の氷冷TCAを混合し、氷上で30分間培養した後、4℃で30分間最大rpmで遠心分離した。得られたペレットを氷冷アセトン300μLで洗浄し、4℃で5分間最大rpmで遠心分離した。得られた上清を取り除いて、ペレットを真空乾燥し、サンプルバッファー150μLに再懸濁し、95℃で10分間培養した。このように培養画分から回収したタンパク質と、テトラヒメナによって培地中に分泌されたタンパク質とを、SDS−PAGEによる標準方法によって分離し、HSA特異的抗体(Sigma)を用いてウエスタンブロット(図2参照)で検出した。自然HSA(Sigma)を陽性コントロールとして使用した。
【0039】
【図面の簡単な説明】
【図1】N―結合タンパク質グリコシル化を示す図。マンノースリッチ型:5〜9個のマンノースと2個のGlcNAc残基単純塩基型:2〜5個のマンノースと2個のGlcNAc残基複雑型:ガラクトース、フコース、シアル酸残基(N−アセチルノイラミン酸)酵母N−グリカン類は、8〜50個のマンノース残基を有するマンノースリッチ型だけから構成されている。植物の複雑型は、シアル酸を有していないが、キシロース残基(アレルギーポテンシャル)を有している。
【図2】テトラヒメナにおけるHSA発現を示す図。1列と2列:pBHSAによって形質転換された24時間後と48時間後のテトラヒメナの培地画分K列:対照としての自然HSA。クーマシーブルーで染色したSDS−PAGEと、HSA抗体と二次抗体(アルカリホスファターゼに結合した)でウエスタンブロット。
Claims (13)
- テトラヒメナの組換えヒト糖タンパク質の発現方法において、該方法が、
(a)テトラヒメナ細胞を、ヒト糖タンパク質をコードする少なくとも1個の機能性遺伝子を有する組換えDNAで形質転換する工程と、
(b)該組換えテトラヒメナ細胞を培養して該遺伝子を発現させる工程と、
(c)該糖タンパク質を単離する工程と、
からなることを特徴とするテトラヒメナの組換えヒト糖タンパク質の発現方法。 - 請求項1に記載するテトラヒメナの組換えヒト糖タンパク質の発現方法において、該テトラヒメナ細胞が該糖タンパク質を分泌することを特徴とするテトラヒメナの組換えヒト糖タンパク質の発現方法。
- 請求項1に記載するテトラヒメナの組換えヒト糖タンパク質の発現方法において、該テトラヒメナ細胞が該糖タンパク質をその表面で発現することを特徴とするテトラヒメナの組換えヒト糖タンパク質の発現方法。
- 請求項2に記載するテトラヒメナの組換えヒト糖タンパク質の発現方法において、該糖タンパク質が培養上清から単離されることを特徴とするテトラヒメナの組換えヒト糖タンパク質の発現方法。
- 請求項1ないし4のいずれか1項に記載するテトラヒメナの組換えヒト糖タンパク質の発現方法において、該ヒト糖タンパク質をコードする該遺伝子がヒトリーダー配列からなることを特徴とするテトラヒメナの組換えヒト糖タンパク質の発現方法。
- 請求項5に記載するテトラヒメナの組換えヒト糖タンパク質の発現方法において、該ヒトリーダー配列が、テトラヒメナ細胞による発現糖タンパク質の分泌を導くことからなることを特徴とするテトラヒメナの組換えヒト糖タンパク質の発現方法。
- ヒト糖タンパク質をコードするDNAを含有することを特徴とする組換えテトラヒメナ細胞。
- 糖タンパク質をコードする組換えヒト遺伝子を発現することを特徴とする組換えテトラヒメナ細胞。
- 請求項8に記載する組換えテトラヒメナ細胞において、該発現遺伝子がヒトリーダー配列を含有していることを特徴とする組換えテトラヒメナ細胞。
- 組換えヒト糖タンパク質を分泌することを特徴とする組換えテトラヒメナ細胞。
- 塩基構造GlcNAc2-Man2-5のグリコシル化パターンを有することを特徴とする組換えヒト糖タンパク質。
- ヒトリーダー配列を含むヒト糖タンパク質をテトラヒメナ細胞で発現するための発現ベクター。
- 医薬の製造のためのヒト組換え糖タンパク質の使用において、該糖タンパク質がテトラヒメナ細胞で発現され、そこから単離されることを特徴とする使用。
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