JP4434035B2 - レベルシフト回路、それを用いた電気光学装置、および、電子機器 - Google Patents

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Description

本発明は、論理信号を異なる振幅の論理信号に変換するレベルシフト回路に関し、例えば、電気光学装置および電子機器に用いられる。
近年、液晶や有機EL(エレクトロ・ルミネッセンス)などの電気光学物質の電気光学的な変化により表示を行う電気光学装置が、陰極線管(CRT)に代わるディスプレイデバイスとして、各種情報処理機器やテレビジョンなどに広く用いられつつある。
このような電気光学装置を駆動方式等により分類すると、トランジスタやダイオードなどの非線形素子により画素を駆動するアクティブ・マトリクス型と、非線形素子を用いないで画素を駆動するパッシブ・マトリクス型とに大別することができる。このうち、アクティブ・マトリクス型の電気光学装置の方が、各画素を独立して駆動できるので、表示品位の高い表示が可能であるとされている。
ここで、アクティブ・マトリクス型の電気光学装置は、次のような構成となっている。アクティブ・マトリクス型の電気光学装置においては、行方向に延在する走査線と、列方向に延在するデータ線との交差に対応して画素電極が形成される。また、当該交差部分にあって画素電極とデータ線との間に、走査線に供給される走査信号に従ってオンオフする薄膜トランジスタ(以下、TFTという。)などの非線形素子が介挿される一方、画素電極には対向電極が電気光学物質を介して対向する構成となっている。
さて、電気光学物質や非線形素子を駆動するためには、比較的高い電圧が要求される。一方、電気光学装置に駆動の基準となるクロック信号や制御信号などを供給する外部制御回路は、通常CMOS回路で構成されるため、その論理入力信号の振幅は3〜5V程度である。したがって、電気光学装置には、走査線およびデータ線を駆動する駆動回路の出力部分や、クロック信号等の入力部分に、低振幅の論理入力信号を高振幅の論理出力信号に変換する振幅変換回路(以下、単に「レベルシフト回路」という。)が備えられる構成が一般的である。
ここで、レベルシフト回路の構成として、一端に信号を入力する第1および第2の容量素子と、これら容量素子の他端の電圧をオフセットするオフセット回路と、これら容量素子の他端に接続された第1および第2のスイッチング素子とを備えたものが知られている(例えば、特許文献1参照。)この構成によれば、簡易な構成で高速動作が可能となる。
特開2003−110419号公報
このような構成のレベルシフト回路は、容量素子に欠陥が生ずると、正常に動作することができなくなる。レベルシフト回路の中でも占有面積が大きい容量素子は製造過程で欠陥が生じやすい。電気光学装置は通常多くのレベルシフト回路で構成されているが、このうちの1個でも動作しない場合、電気光学装置は不良となってしまう。また容量素子の占有面積は感度に影響するため、小面積化には限度がある。
本発明は、容量素子に欠陥が生じた場合にも動作可能で、入力感度の変動が小さいレベルシフト回路を提供することを目的とする。また、このレベルシフトを用いた電気光学装置、および電子機器を提供することを目的とする。
本発明のレベルシフト回路は、論理入力信号が入力される入力端子と、複数の容量素子と、前記容量素子のうち少なくとも1つを選択する選択手段と、入力の一端が、前記選択手段により選択された容量素子を介して前記入力端子と接続される論理反転回路と、前記論理反転回路と当該論理反転回路が出力する論理振幅に対応する電源とを接続し、前記論理反転回路が入力に対して有する論理反転レベルを設定する論理反転レベル設定手段と、
を備えている。
本発明によれば、レベルシフト回路は複数の容量素子を備え、選択手段は入力端子と論理反転回路とを接続する容量素子を選択する。したがって、製造工程において、容量素子に欠陥が生じた場合に、欠陥が生じない容量素子を選択することによりレベルシフト回路としての変換動作を行わせることができる。
また、本発明のレベルシフト回路では、論理反転回路とこの論理反転回路が出力する論理振幅に対応する電源とを接続する論理反転レベル設定手段により、論理反転レベルを変化させることができる。ここで、論理反転レベルとは、論理反転回路が出力信号の論理レベルを反転させるための入力信号に対する論理しきい値電圧である。論理反転回路は、入力信号の電圧が論理反転回路が有する論理反転レベルより低いときは、入力信号の論理レベルをLレベルであるとして出力信号をHレベルに駆動する。この一方で、入力信号の電圧が論理反転回路が有する論理反転レベルより高いときは、入力信号の論理レベルをHレベルであるとして出力信号をLレベルに駆動する。
ここで、レベルシフト回路の入力感度は、論理反転レベル設定手段が設定する論理反転レベルに基づいて定められる。したがって、論理レベル設定手段の設定により、容量素子の選択によって変動した入力感度を、論理反転レベル設定手段が補完することが可能となる。よって、一部の容量素子に欠陥が生じた場合に、欠陥のない容量素子のみを選択しても、入力感度の変動を抑えることができる。結果として、容量素子の一部に欠陥が生じても、レベルシフト回路の入力感度を定められた仕様の範囲内に調整することができ、製造歩留まりを向上させることができる。
また、本発明の別の形態のレベルシフト回路は、論理入力信号が入力される入力端子と、複数の容量素子と、前記複数の容量素子のうち少なくとも1つを選択する選択手段と、前記選択手段により選択された容量素子を介して前記入力端子と接続されるノードと、前記ノードに接続された入力に対して、第1の論理反転レベルを有する第1の論理反転回路、および、前記ノードに接続された入力に対して第2の論理反転レベルを有する第2の論理反転回路を含み、前記第1の論理反転回路と前記第2の論理反転回路の出力極性が一致することで第2の論理振幅を有する論理出力信号を反転する論理出力回路と、前記ノードに入力の一端と出力が接続され、前記ノードに接続された入力に対して前記第1の論理反転レベルよりも低く且つ前記第2の論理反転レベルよりも高い第3の論理反転レベルを有する第3の論理反転回路と、前記第1の論理反転回路および前記第2の論理反転回路のうちの少なくとも一つと前記第2の論理振幅に対応する電源とを接続し、前記少なくとも一つの論理反転回路が有する論理反転レベルを設定する論理反転レベル設定手段と、を備える。
このレベルシフト回路では、選択された容量素子の一端に論理入力信号が入力され、他端に第1および第2の論理反転回路の入力が接続され、さらに、この他端には第3の論理反転回路の入力および出力が接続されている。論理出力回路は、この第1と第2の論理反転回路の出力極性が一致することで論理出力信号を反転する。ここで、第1の論理反転回路での第1の論理反転レベルは、第3の論理反転レベルよりも高く、第2の論理反転回路での第2の論理反転レベルは、より低く設定されているので、容量素子の一端に論理入力信号が入力されて、他端の電圧が第1の論理反転レベルを超えると第1と第2の論理反転回路の出力極性が一致して、論理出力信号が反転する。次に、他端の電圧が第2の論理反転レベルを下回ると第1と第2の論理反転回路の出力極性が一致して、論理出力信号がさらに反転する。このようにして、入力信号と異なる振幅を有する論理出力信号を出力する。
この発明によれば、前記第1の論理反転回路および前記第2の論理反転回路のうちの少なくとも一つと前記第2の論理振幅に対応する電源とを接続する論理反転レベル設定手段が、接続の抵抗値を変えることにより、第1の論理反転レベルおよび/または第2の論理反転レベルを変化させることができる。したがって、レベルシフト回路の感度を変化させることができる。また、レベルシフト回路は複数の容量素子を備え、選択手段は入力端子と論理反転回路とを接続する容量素子を選択する。したがって、製造工程において容量素子に欠陥が生じた場合に、欠陥が生じない容量素子を選択することによりレベルシフト回路としての動作を行わせることができる。
ここで、論理レベル設定手段は、容量素子の選択によって変動した入力感度を補完することができるので一部の容量素子に欠陥が生じた場合に、欠陥のない容量素子のみを選択しても、入力感度の変動を抑えることができる。結果として、一部の容量素子に欠陥が生じたレベルシフト回路であっても、欠陥のない容量素子のみを選択して、入力感度を定められた仕様の範囲内に調整することができ、製造歩留まりを向上させることができる。
また、本発明の別の形態のレベルシフト回路は、論理入力信号が入力する入力端子と、第1の複数の容量素子と、前記第1の複数の容量素子のうち少なくとも1つを選択する第1の選択手段と、第2の複数の容量素子と、前記第2の複数の容量素子のうち少なくとも1つを選択する第2の選択手段と、前記第1の選択手段が選択した容量素子を介して入力端子と接続される第1のノードと、前記第2の選択手段が選択した容量素子を介して入力端子と接続される第2のノードと、前記第1のノードに接続された入力に対して、第1の論理反転レベルを有する第1の論理反転回路、および、前記第2のノードに接続された入力に対して第2の論理反転レベルを有する第2の論理反転回路を含み、前記第1の論理反転回路と前記第2の論理反転回路の出力極性が一致することで第2の論理振幅を有する論理出力信号を反転する論理出力回路と、前記第1のノードに入力の一端と出力が接続され、前記第1のノードに接続された入力に対して、第1の論理反転レベルよりも低い第3の論理反転レベルを有する第3の論理反転回路と、前記第2のノードに入力の一端と出力が接続され、前記第2のノードに接続された入力に対して、第2の論理反転レベルよりも高い第4の論理反転レベルを有する第4の論理反転回路と、前記第1の論理反転回路、前記第2の論理反転回路、前記第3の論理反転回路、前記第4の論理反転回路のうちの少なくとも一つと前記第2の論理振幅に対応する電源とを接続し、前記論理反転回路が有する論理反転レベルを設定する論理反転レベル設定手段と、を備える。
この発明によれば、レベルシフト回路の感度は、第1の論理反転レベルと第3の論理反転レベルとの差、および、第2の論理反転レベルと第4の論理反転レベルとの差により決定されるので感度を独立に設定することができる。ここで、第1から第4の論理反転回路のうちの少なくとも一つと、第2の論理振幅に対応する電源とを接続する論理反転レベル設定手段により、論理反転レベルを設定することができる。また、第1の複数の容量素子と、前記第1の複数の容量素子のうち少なくとも1つを選択する第1の選択手段と、第2の複数の容量素子と、前記第2の複数の容量素子のうち少なくとも1つを選択する第2の選択手段とを有するので、製造工程において、第1または第2の一部の容量素子に欠陥が生じた場合でも、欠陥が生じない容量素子を選択することによりレベルシフト回路としての動作を行わせることができる。
ここで、論理レベル設定手段が、容量素子の選択によって変動した入力感度を補完できるので、一部の容量素子に欠陥が生じた場合に、欠陥のない容量素子のみを選択しても、入力感度の変動を抑えることができる。結果として、一部の容量素子に欠陥が生じたレベルシフト回路であっても、入力感度を定められた仕様の範囲内に調整することができ、製造歩留まりを向上させることができる。
また、本発明の別の形態のレベルシフト回路は、前記選択手段の選択ならびに論理反転レベル設定手段の設定を制御する制御手段を備え、前記制御手段は、前記選択手段の選択による入力感度の変動を補完するように前記論理反転レベル設定手段を制御する。
また、本発明の別の形態のレベルシフト回路は、論理レベル設定手段が、抵抗値を有する複数の回路素子と、この複数の回路素子のうち有効となる回路素子を選択する回路素子選択手段とを備える。
ここで、前記レベルシフト回路は、前記論理反転レベル設定手段が、抵抗値を有する複数の回路素子と、当該複数の回路素子のうち有効となる回路素子を選択する回路素子選択手段とを備えることが好ましい。
また、前記レベルシフト回路は、前記回路素子が、トランジスタであることが好ましい。
これらの発明によれば、複数の容量素子があるので欠陥が生じていない容量素子を選択手段で選択ができ、選択によって変化した入力感度を、回路素子の選択を行うことにより容易に補完することができる。したがって、製造工程中で容量素子に欠陥が生じた場合にも後の工程または製品化後も補完により利用することができる。したがって製品の歩留まりを向上することができる。
また、例えば、液晶表示装置といった電気光学装置に、前記レベルシフト回路を備えることにより、表示のばらつきが少ない、電気光学装置を提供することができる。
また、電子機器に、前記電気光学装置を備えることにより、ばらつきが少ない、電子機器を提供することができる。
<1.第1実施形態>
まず、本発明の第1実施形態であるレベルシフト回路100の構成について図を参照して説明する。
<1−1:構成>
図1は、レベルシフト回路100の構成を示す回路図である。
この図において、入力端INは、変換前における第1の論理振幅としての低振幅の論理入力信号を入力するものであり、出力端OUTは、変換後における第2の論理振幅としての高振幅の論理出力信号を出力するものである。ここで、高振幅の論理出力信号の振幅に対応する電源として、負側(基準)の電源の電位をVSSと、正側の電源の電位をVDDと、それぞれ表記することにする。したがって、この電源から供給される電圧の下で動作するレベルシフト回路100から出力される高振幅の論理出力信号は、Lレベルに相当する低位側(基準)電位が略VSSとなり、Hレベルに相当する高位側電位が略VDDとなる。また、論理反転回路の例として、Pチャネル型トランジスタおよびNチャネル型トランジスタによる相補型トランジスタ回路を有するインバータ回路を図示して説明し、Pチャネル型トランジスタおよびNチャネル型トランジスタとして、Pチャネル型TFTおよびNチャネル型TFTの例で説明する。
図1において、レベルシフト回路100は、入力信号の交流成分のみを通過させる複数の容量素子と複数の容量素子のうち少なくとも一つを選択する選択手段とで構成されたブロック(以下「コンデンサブロック」という。)110、このコンデンサブロック110の他端にバイアス電圧Vを供給するバイアス回路である第3の論理反転回路としての論理反転回路120、および、論理出力回路130を備えている。
コンデンサブロック110は、コンデンサ112、コンデンサ114、コンデンサ116、と選択手段112S、選択手段114S、選択手段116Sを備える。選択手段112S、選択手段114S、選択手段116Sは、例えば、アナログスイッチといったスイッチである。図の例では、選択手段112Sは、コンデンサ112に欠陥がある場合に欠陥のあるコンデンサを選択しないようにOFFとなる。
なお、選択手段112S、選択手段114S、選択手段116Sとして、アナログスイッチの代わりに、製造工程にてレーザカット可能な配線パターンとすることもできる。
選択手段114S並びに選択手段116Sも選択手段112Sと同様の構成を有する。選択手段112S、選択手段114S、選択手段116Sは入力端INとノードN110とを接続するコンデンサを選択する。
論理出力回路130は、入力に対して第1の論理反転レベルを有する第1の論理反転回路としての論理反転回路140と、論理反転レベル設定手段144、146、154、156と、入力に対して第2の論理反転レベルを有する第2の論理反転回路としての論理反転回路150と、論理出力部135とを含んでいる。
論理反転回路140は、バイアス電圧Vより高く設定された第1の論理反転レベルVを基準としてコンデンサブロック110の他端の電圧を判定し、この他端の電圧の論理レベルを反転した出力信号を出力する。
論理反転回路150は、バイアス電圧Vより低く設定された第2の論理反転レベルVを基準としてコンデンサブロック110の他端の電圧を判定し、この他端の電圧の論理レベルを反転した出力信号を出力する。
論理反転レベル設定手段144、146、154、156は、論理反転回路140、150と、電源とを接続する。具体的には、論理反転レベル設定手段144は、論理反転回路140と正側の電源とを接続し、論理反転レベル設定手段146は、論理反転回路140と負側の電源とを接続している。また、論理反転レベル設定手段154は、論理反転回路150と正側の電源とを接続し、論理反転レベル設定手段156は、論理反転回路150と負側の電源とを接続している。各論理反転レベル設定手段144、146、154、156は、接続の抵抗を変化する可変抵抗手段であり、この接続の抵抗を変化させることにより、第1の論理反転レベルVおよび第2の論理反転レベルVを設定する。
論理出力部135は、論理反転回路140と論理反転回路150の出力極性が一致することで第2の論理振幅を有する論理出力信号を反転する。この論理出力部135は、ナンド回路160、ノア回路170、論理反転回路180、および論理反転回路190を備えている。
論理反転回路120は、入力に対して、第1の論理反転レベルVより低く且つ第2の論理反転レベルVより高い第3の論理反転レベルを有する。論理反転回路120の入力と出力とは、ノードN110に共通に接続されているため、論理反転回路120の出力の電圧は第3の論理反転レベルとなり、この第3の論理反転レベルがバイアス電圧Vとなる。
レベルシフト回路100の各要素は、同一基板上に、同一の半導体製造プロセスにより形成されている。また、上述の各回路を構成するスイッチング素子としてのTFTが近接して配置されるよう形成される。
ここで、レベルシフト回路100の入力端INは、コンデンサブロック110の一端に接続されており、コンデンサブロック110には、この一端にて入力端INからの論理入力信号が入力される。一方、コンデンサブロック110の他端には、論理反転回路120の入力および出力が接続され、さらに、論理反転回路140および論理反転回路150の入力も接続されている。論理反転回路140の出力は、ナンド回路160の入力に接続され、論理反転回路150の出力は、ノア回路170の入力に接続されている。
ナンド回路160の出力は、レベルシフト回路100の出力端OUTとなるとともに、論理反転回路180に接続され、論理反転回路180の出力は、ノア回路170の入力に接続されている。また、ノア回路170の出力は、論理反転回路190の入力に接続され、論理反転回路190の出力はナンド回路160の入力に接続されている。
論理出力部135は、ナンド回路160、ノア回路170、論理反転回路180、および、論理反転回路190により、論理反転回路140の判定結果および論理反転回路150の判定結果を保持する保持回路となっている。この保持回路は、論理反転回路140のLレベル信号によりセットされ、論理反転回路150のHレベル信号によりリセットされるRSフリップフロップである。
なお、本実施形態の論理反転回路はすべて電源に接続されているが、図1の回路図では、論理反転レベル設定手段144、146、154、156を介して接続される論理反転回路140および論理反転回路150についてのみ、電源を図示している。
図2は、レベルシフト回路100の論理反転回路140および論理反転レベル設定手段144、146の構造を示す回路図である。なお、他の論理反転回路である論理反転回路150も同様の構成であり、説明および図示を省略する。
論理反転回路140は、相補型トランジスタ回路からなるインバータ回路であり、Pチャネル型TFT141およびNチャネル型TFT142を有する。
論理反転回路140の入力は、Pチャネル型TFT141およびNチャネル型TFT142のゲートに共通に接続される。Pチャネル型TFT141およびNチャネル型TFT142のドレイン同士も接続され、論理反転回路140の出力となる。
論理反転回路140の正側の電源端であるPチャネル型TFT141のソースは、論理反転レベル設定手段144を介してVDDレベルである正側の電源に接続されている。また、論理反転回路140の負側の電源端であるNチャネル型TFT142のソースは、論理反転レベル設定手段146を介してVSSレベルである負側の電源に接続されている。
論理反転レベル設定手段144は、抵抗値を有する複数の回路素子としての抵抗144R1と抵抗144R2と、抵抗144R1と抵抗144R2のうち、有効となる抵抗を選択する回路素子選択手段としてのスイッチ144S1、スイッチ144S2とを備えている。抵抗144R1、144R2は、それぞれ、スイッチ144S1、144S2と並列に接続され、並列に接続された抵抗とスイッチの組が直列に接続された回路を構成している。論理反転レベル設定手段144は、論理反転回路140とVDDレベルである正側の電源を接続し、スイッチ144S1、144S2の状態により接続の抵抗を可変にしている。例えば、スイッチ144S1が開きスイッチ144S2が閉じると、それぞれに並列に接続された抵抗144R1は有効となり、抵抗144R2は無効となる。よって、論理反転レベル設定手段144の全体としての接続の抵抗は抵抗144R1の抵抗値となる。
論理反転レベル設定手段146も、論理反転レベル設定手段144と同様に構成される。
ここで、論理反転回路140が有する第1の論理反転レベルVは、論理反転回路140を構成するPチャネル型TFT141およびNチャネル型TFT142の特性、ならびに論理反転レベル設定手段144、146の接続の抵抗により設定される。電圧の設定について、以下に説明する。
図3は、レベルシフト回路100の論理反転回路140、および論理反転レベル設定手段144、146による接続抵抗の構成を示す回路図である。図3の例では、論理反転レベル設定手段144が、論理反転回路140とVDDである正側の電源とを接続する抵抗値をRpとし、論理反転レベル設定手段146が、論理反転回路140とVSSレベルである負側の電源とを接続する抵抗値をRnとしている。
ここで、仮に、論理反転回路140の入力と出力とを接続したとすると、入力の電圧Viと出力の電圧Voとは等しく、第1の論理反転レベルVの値となる。Pチャネル型TFT141およびNチャネル型TFT142は、このとき、飽和動作となる。(それぞれのTFTのドレイン−ソース間電圧Vds、ゲート−ソース間電圧Vgs、および、しきい値電圧Vtpとの間に、Vds>Vgs−Vtpの関係が成立する。)
ここで、VDDである正側の電源から、論理反転レベル設定手段144、Pチャネル型TFT141、Nチャネル型TFT142、および、論理反転レベル設定手段146を通過し、Vssである負側の電源に流れる電流をIdsとする。また、Vssレベルを基準として、論理反転レベル設定手段144と論理反転回路140との接続点の電圧をVdとし、論理反転回路140と論理反転レベル設定手段146との接続点の電圧をVsとすると、Pチャネル型TFT141のIdsについて次の近似式が成立する。
Figure 0004434035
ここで、係数βは、Pチャネル型TFT141のゲート長Lp、ゲート幅Wp、製造プロセスに依存するゲート容量Cop、および、移動度μpにより、次式のように決定されるものである。
Figure 0004434035
また、Nチャネル型TFT142のIdsについて次の近似式が成立する。
Figure 0004434035
ここで、論理反転レベル設定手段144、146の接続抵抗による電圧降下を考慮した、見かけ上のしきい値Vtp’、Vtn’を、Vtp’=Ttp+(Vdd−Vd), Vtn’=Vtn+Vsとし、上記の式を置き換える。
Figure 0004434035
すると、論理反転回路140の論理反転レベルVとなる出力の電圧Voは、次式のように求められる。
Figure 0004434035
ここで係数αは、次式に示すとおりである。
Figure 0004434035
この一方で、論理反転レベル設定手段144、146について次の式が成立している。
Figure 0004434035
したがって、Rpが増大するほど、Pチャネル型TFT141の見かけのしきい値電圧Vtp’が大きくなる。また、Rnが増大するほど、Nチャネル型TFT142の見かけのしきい値電圧Vtn’が大きくなる。したがって、Rpが増加するとVoが低くなり、Rnが増加するとVoは大きくなる。
このようにして、論理反転レベル設定手段144、146は、論理反転回路140とVDDレベルまたはVSSレベルである電源との接続抵抗Rp、Rnを変化させることにより、論理反転回路140が有する第1の論理反転レベルVを所定の値に設定する。
以上、論理反転回路140および論理反転レベル設定手段144、146について説明したが、このことは、論理反転回路150および論理反転レベル設定手段154、156についても同様である。論理反転レベルVは、以下の式で求めることができる。
Figure 0004434035
ここで、α’は、論理反転回路140のαと同様であるが、TFTのゲート長および幅が論理反転回路140のTFTと異なるため、αとは異なる。
さらに、論理反転回路120のバイアス電圧Vについても同様に求めることができる。本実施形態の論理反転回路120は、論理反転レベル設定手段を介さず、電源に直接に接続されるため、TFTのしきい値として、Vtp’、Vtn’ではなく、Vtp、Vtnを用い以下の式で求めることができる。
Figure 0004434035
ここで、α”は、論理反転回路140のαと同様であるが、TFTのゲート長および幅が論理反転回路140のTFTと異なるため、異なるものとしている。
本実施形態のレベルシフト回路100において、論理反転回路120、140と150とでは、それぞれを構成するTFTのゲート幅Wpとゲート長Lpとの比、または、ゲート幅Wnとゲート長Lnとの比が互いに異なっているため、互いに異なる係数α、α’およびα”が設定される。
具体的には、例えば、論理反転回路140、120、150のPチャネル型TFT141、121、151において、この順にゲート長を大きくし、他の寸法を同一にすることにより、係数を次式の関係に設定する。
Figure 0004434035
この場合、論理反転レベル設定手段144、146、154、156の接続の抵抗Rp、Rnがすべて0であっても、バイアス電圧V、および第1の論理反転レベルVおよび第2の論理反転レベルVは、具体的には、次式の関係を有するよう設定されることとなる。
Figure 0004434035
すなわち、論理反転回路120のバイアス電圧Vは、論理反転回路140の第1の論理反転レベルVがより低く設定され、論理反転回路150の第2の論理反転レベルVより高く設定されている。
図4は、論理反転回路120、140、150の入出力特性を示すグラフである。
論理反転回路120については、出力と入力とが接続されているため、図4において、論理反転回路120単体としての入出力特性の曲線と、VIN=VOUTの直線との交点により、バイアス電圧Vが示される。
また、論理反転回路140については、仮に、論理反転回路140および論理反転レベル設定手段144、146を単独で取出し入出力を接続した場合の、論理反転回路140の入出力特性の曲線と、VIN=VOUTの直線との交点により、第1の論理反転レベルVが示される。論理反転回路140については、論理反転レベル設定手段144、146の接続抵抗Rp、Rnが0の場合の入出力特性が実線で示されている。ここで、論理反転レベル設定手段144の接続抵抗Rpを増加すると、入出力特性は、例えば実線の左側の破線のようになり、したがって、VIN=VOUTの直線との交点である、第1の論理反転レベルVが小さくなる。この一方で、論理反転レベル設定手段146の接続抵抗Rnを増加すると、入出力特性は、例えば実線の右側の破線のようになり、したがって、VIN=VOUTの直線との交点である、第1の論理反転レベルVは大きくなる。このように、論理反転レベル設定手段144、146の接続抵抗を変化させることにより、第1の論理反転レベルVを変化させ、入力信号の状態に適した値に設定することができる。
論理反転回路150についても同様に、図4での論理反転回路150の入出力特性の曲線と、VIN=VOUTの直線との交点により、第2の論理反転レベルVが示される。ここで、論理反転回路150の入出力特性および第2の論理反転レベルVについても、論理反転回路140と同様、論理反転レベル設定手段154、156の接続抵抗を変化させることにより、第2の論理反転レベルVを変化させ、入力信号の状態に適した値に設定することができる。変化した入出力特性の曲線は、論理反転回路140と同様に変化するものであり、図示を省略する。
なお、図4のグラフにおいて、V < V < Vの関係が示されている。
<1−2:動作>
次に、レベルシフト回路100の動作について説明する。
図5は、この動作を説明するための図であって、レベルシフト回路100の各部における電圧波形を示す図である。
まず、入力端INに、低振幅の論理入力信号VINが供給されると、ノードN110すなわちコンデンサブロック110の他端に表れる電圧波形Voutは、論理入力信号VINの微分波形に、バイアス電圧Vが加算(オフセット)されたものとなる。なお、コンデンサブロック110の容量が変化した場合は図4の点線のように微分波形が変化する。
ここで、ノードN110における電圧が第1の論理反転レベルVを超えると、論理反転回路140は入力信号のレベルがHであると判定し、出力信号VoutをLレベルにする。ここで、論理反転回路150は、出力信号VoutをLレベルのまま維持しているので、論理反転回路140と論理反転回路150との出力極性が一致する。またこのとき、出力端OUTに接続されるナンド回路160の出力の信号はHレベルとなり、論理反転回路180の出力の信号はLレベルとなる。この結果、ノア回路170の出力の信号はHレベルとなり、論理反転回路190の出力の信号はLレベルとなる。これにより、ナンド回路160の入力はLレベルとなり、この状態が保持される。このように、ナンド回路160、ノア回路170、論理反転回路180、および論理反転回路190により構成される論理出力部135は、論理反転回路140と論理反転回路150との出力極性が一致することで、出力端OUTから出力される論理出力信号を反転する。ここで、論理出力部135は、ノードN110の電圧が第1の論理反転レベルVを越えたとする論理反転回路140の判定結果を、ノードN110の電圧が第1の論理反転レベルVを下回った後も保持する。
一方、ノードN110における電圧が第2の論理反転レベルVを下回ると、論理反転回路150は入力信号のレベルがLであるとして、出力信号VoutをHレベルにする。ここで、論理反転回路140は、出力信号VoutをHレベルとなっているので、論理反転回路140と論理反転回路150との出力極性が一致する。また、ノア回路170の出力の信号はLレベルとなり、ナンド回路160の入力に接続される論理反転回路190の出力の信号はHレベルとなる。このとき、ナンド回路160の他の入力はHであるので、出力端OUTに接続されるナンド回路160の出力の信号はLレベルとなり、この結果、論理反転回路180の出力はHレベルとなり、この状態が保持される。このように、論理出力部135は、論理反転回路140と論理反転回路150との出力極性が一致することで、出力端OUTから出力される論理出力信号を再び反転する。ここで、論理出力部135は、ノードN110における電圧が第2の論理反転レベルVを下回ったとする論理反転回路150の判定結果を、ノードN110における電圧が第2の論理反転レベルVを超えた後も保持する。
レベルシフト回路100の入力端INに供給される低振幅の論理入力信号VINがHレベルとなると、出力端OUTから出力される高振幅の論理出力信号VOUTはHレベルとなる。この逆に、論理入力信号VINがLレベルとなると、出力端OUTから出力される高振幅の論理出力信号VOUTはLレベルとなる。したがって、レベルシフト回路100の入力端INに供給された低振幅の論理入力信号に対応する高振幅の論理出力信号が出力端OUTから出力される。なお、論理出力信号VOUTがHレベルの状態は、論理入力信号VINがLレベルとなるまで保持され、また、論理出力信号VOUTがLレベルの状態は、論理入力信号VINがHレベルとなるまで保持される。
論理出力部135は、論理反転回路140と論理反転回路150との出力極性が一致することで、出力端OUTから出力される論理出力信号を反転するので、コンデンサブロック110の他端の電圧が、時とともにバイアス電圧V近傍に戻ることにより、第1の論理反転レベルVを下回ったり、逆に第2の論理反転レベルVを超えたりしても、論理出力信号の出力が変化しない。したがって、変化の周期が長い入力信号に対しても、論理出力信号の出力を適切に追従させることができる。
<1−3:効果>
レベルシフト回路100を含む回路を基板上に形成することにより製造する際、一部回路素子、特にコンデンサに欠陥が生じる場合がある。例えば、コンデンサ112の電極間が短絡した場合は、コンデンサブロック110全体が短絡するため、レベルシフト回路100が動作しなくなる。レベルシフト回路100では、選択手段112Sによって欠陥となったコンデンサ112を切り離すことによりレベルシフト回路100の動作は回復する。
ここで、選択手段112Sによって、欠陥のあるコンデンサ112を切り離した場合、コンデンサブロック110の容量が変わり、その結果、入力信号によるノードN110の電圧が、切り離しを行わない場合に比べ変動する。入力信号ViによるノードN110の信号電圧Vpは、コンデンサブロック110の容量Ciと、論理反転回路120、論理反転回路140、論理反転回路150を構成するTFTのうち、論理反転回路120、論理反転回路140、論理反転回路150の入力に接続されるもののゲート寄生容量Csとから次式のように変動する。
Figure 0004434035
この一方でレベルシフト回路100においては、論理反転回路140および論理反転回路150と、VDDレベルおよびVSSレベルである電源とを接続する論理反転レベル設定手段144、146、154、156が、接続の抵抗値Rp、Rnを変化させることにより、論理反転レベルVおよび/またはVを変化させることができる。V−Vは入力感度であり、このV−Vの値を、上述のVpの変動を補完するように設定することにより、レベルシフト回路の入力感度の低下を抑えることができる。したがって、レベルシフト回路100の入力感度を変化させることができ、論理入力信号やノイズのレベルに適した入力感度を設定することができる。
ここで、論理反転レベル設定手段144、146、154、156が、複数の抵抗144R1、144R2、146R1、146R2と、この複数の抵抗のうち有効となる抵抗を選択するスイッチ144S1、144S2、146S1、146S2とを備えるので、スイッチにより有効となる抵抗の選択を行うことにより、レベルシフト回路100の入力感度の変動を補完することができる。すなわち、論理レベル設定手段の設定により、容量素子の選択によって変動した入力感度を、論理反転レベル設定手段が補完することが可能となる。よって、一部の容量素子に欠陥が生じた場合に、欠陥のない容量素子のみを選択しても、入力感度の変動を抑えることができる。結果として、容量素子の一部に欠陥が生じてもレベルシフト回路の入力感度を、定められた仕様の範囲内に調整することができ、製造歩留まりを向上させることができる。
また、レベルシフト回路100において、第1の論理反転レベルVとバイアス電圧Vとの差、および、第2の論理反転レベルVとバイアス電圧Vとの差は入力感度となる。つまり、入力端INに供給される論理入力信号の変化が、論理反転回路140および論理反転回路150によって正常に判定されるのは、第1の論理反転レベルVがバイアス電圧Vより高く、第2の論理反転レベルVがバイアス電圧Vより低く設定され、さらに、論理反転レベルVおよびVと、バイアス電圧Vとの差がバランスよく維持されているときである。
ところが、従来、レベルシフト回路を集積化して基板上に形成する場合において、容量素子の他端にPチャネル型TFTおよびNチャネル型TFTといったスイッチング素子を接続し、TFTのしきい値電圧を基準として論理入力信号の電圧を判定させる構成では、両チャネル型のTFTの特性、およびバイアス回路の特性を互いに理想的にバランスがとれているように形成することは、製造上のばらつきなどにより困難であった。また、TFTは、シリコン基板上に形成するMOSトランジスタと異なり、ガラス基板の上に形成されている。ガラス基板は絶縁体であるため、ガラス基板の上に形成されるTFTのしきい値電圧は、ゲートのON、OFFの度に蓄積される電荷により、動作中に変動し、したがって、入力感度も変動してしまう。
これに対して、本実施形態によれば、バイアス電圧Vと第1の論理反転レベルVと、第2の論理反転レベルVとの相対的なばらつきを低減できる。以下、この動作について説明する。
レベルシフト回路100の入力信号の立ち上がりに対する感度、すなわち高電位側での入力感度は、論理反転レベル設定手段144、146、154、156の接続抵抗が0であると仮定した場合、次式のようになる。
Figure 0004434035
上式に示すように、入力感度は、αとα”との差異に依存する。ここで、論理反転回路140の係数αは、次式に示すように設定されている。
Figure 0004434035
ここで、Wn/LnおよびWp/LpはTFTのゲートの形状寸法の比である。
この一方、論理反転回路120については、α”が設定されている。
レベルシフト回路100では、論理反転レベル設定手段によるだけでなく、αとα”とを異ならせることにより入力感度を調整している。
Figure 0004434035
ここで、α/α”は、論理反転回路140および論理反転回路120が備えるTFTの形状寸法の比に依存するため、レベルシフト回路100の入力感度を、TFTの形状寸法比の設計により調整することができる。
また、論理反転回路120が備えるPチャネル型TFT、および論理反転回路140が備えるPチャネル型TFT141は、同一の基板上に形成されているため、両者の特性のうち、しきい値電圧Vtp、Vtnは、基板間相互の製造プロセスのばらつきによる変動が大きい。しかし、同一基板上に近接して配置される論理反転回路120と140が備えるTFT同士では、それぞれのVtpの差、およびVtnの差は極めて小さい。このため、δ<<1の場合には、V−Vの、VtpおよびVtnに対する依存度が極めて小さい。
したがって、αとα”との差は、TFTのゲートの形状寸法比に依存し、製造プロセスのばらつきによる影響が少なく、この結果、αとα”との差異に依存するレベルシフト回路100の入力感度もまた、製造プロセスのばらつきによる影響が小さい。
このように、電圧を判定する論理反転回路140、150が、それぞれ、バイアス電圧を供給する論理反転回路120と同様に相補型トランジスタであり、論理反転回路140、150および論理反転回路120が同一基板上に同じ製造プロセスで形成されるので、基板相互間の製造プロセスのばらつきに起因する、相補型トランジスタ回路である論理反転回路120の供給バイアス電圧のずれと、同様に相補型トランジスタ回路である論理反転回路140、および論理反転回路150における論理反転レベルのずれが相殺される。このことにより、レベルシフト回路100の入力感度に対する、製造プロセスのばらつきの影響を低減し、入力感度を安定させることができる。
また、それぞれの論理反転回路120、140、150は、絶縁体上に形成されるTFTで構成されるが、これらの回路はいずれも相補型TFTを備えるため、オンオフを繰り返すうちにTFTに蓄積される電荷の量も、それぞれの相補型TFTに対して同様の傾向になる。したがって、論理反転回路120が備えるTFTのしきい値電圧の変動によるバイアス電圧のずれと、論理反転回路140および論理反転回路150が備えるTFTのしきい値電圧の変動による論理反転レベルとのずれが相殺され、レベルシフト回路100の入力感度の変動を低減できる。
また、レベルシフト回路100では、論理反転回路140および論理反転回路150が、論理反転回路120ともに論理反転回路であるため、製造プロセスのばらつき等による電圧変動が相殺され易い。したがって、製造プロセスのばらつきによる、入力感度への影響を低減することができる。
<2.第2実施形態>
<2−1:構成>
図6は、本発明の第2実施形態のレベルシフト回路200の構成を示す回路図である。
本実施形態のレベルシフト回路200は、第1実施形態のレベルシフト回路100(図1参照)の構成に対し、低振幅の論理入力信号が入力されるコンデンサブロックを2個備えている点が異なる。
詳細には、レベルシフト回路200は、一端にて共通の論理入力信号が入力される、第1のコンデンサブロック210および第2のコンデンサブロック211と、コンデンサブロック210の他端に、第1のバイアス電圧VB1を供給する第1のバイアス回路としての3の論理反転回路としての論理反転回路220と、コンデンサブロック211の他端に、第1のバイアス電圧VB1と異なる第2のバイアス電圧VB2を供給する第2のバイアス回路となる第4の論理反転回路としての論理反転回路222と、第1の論理反転レベルVを有する第1の論理反転回路としての論理反転回路240と、第2の論理反転レベルVを有する第2の論理反転回路としての論理反転回路250と、論理反転回路240と電源とを接続する論理反転レベル設定手段244、246と、論理反転回路250と電源とを接続する論理反転レベル設定手段254、256と、を備えている。ここで、論理反転回路220、240、222、250は、それぞれ、相補型トランジスタ回路である。
コンデンサブロック210は、コンデンサ212、コンデンサ214、コンデンサ216、と選択手段212S、選択手段214S、選択手段216Sによって構成される。選択手段は例えばアナログスイッチである。例えば、図の例では選択手段212Sはコンデンサ212に欠陥がある場合にレベルシフト回路200にて使用しないようにOFFする。選択手段214S並びに選択手段216Sも選択手段212Sと同様に構成される。コンデンサ212、コンデンサ214、コンデンサ216は並列に接続されている。なお、コンデンサブロック211もコンデンサブロック210と同様に構成されている。
この他の構成については、第1実施形態と同一であり、説明を省略する。
レベルシフト回路200では、論理反転回路220が供給するバイアス電圧VB1は、論理反転回路240の第1の論理反転レベルVより低く設定され、論理反転回路250の論理反転回路222が供給する第4の論理反転レベルであるバイアス電圧VB2は、第2の論理反転レベルVより高く設定されている。この設定は、論理反転回路240を構成するトランジスタ素子の論理反転回路220を構成するトランジスタ素子に対する形状寸法または直並列段数の比を調整し、論理反転回路250を構成するトランジスタ素子の論理反転回路222を構成するトランジスタ素子に対する形状寸法または直並列段数の比を調整することによって行うことができる。調整は、例えば、論理反転回路240、220、222、250が有するPチャネル型TFTのゲート長を、論理反転回路240、220、222、250の順に大きくし、他の仕様を同一とすることにより行う。
レベルシフト回路200の論理反転回路240、および、論理反転回路240と電源とを接続する論理反転レベル設定手段244、246の構成は、第1実施形態のレベルシフト回路100における論理反転回路140、および、論理反転レベル設定手段144、146と同様である。また、レベルシフト回路200の論理反転回路250、および、論理反転回路250と電源とを接続する論理反転レベル設定手段254、256の構成についても同様である。
図7は、論理反転回路220、240、222、250の入出力特性を示すグラフである。
論理反転回路220、222の出力はそれぞれの入力に接続されているため、論理反転回路220、222の入出力特性の曲線とVIN=VOUTの直線との交点の電圧により、それぞれのバイアス電圧VB1、VB2が示される。論理反転回路240、250の第1の論理反転レベルVおよび第2の論理反転レベルVについても、仮に、別個に取出して入出力を接続したと仮定すると、論理反転回路120と同様に、入出力特性の曲線と、VIN=VOUTの直線との交点により示される。ここで、論理反転回路240については、論理反転レベル設定手段244、246の接続抵抗Rp、Rnが0の場合の入出力特性が示されている。ここで、論理反転レベル設定手段244の接続抵抗Rpを増加すると、入出力特性の曲線は、図の左側の方へ移動し、したがって、VIN=VOUTの直線との交点である、第1の論理反転レベルVが小さくなる。この一方で、論理反転レベル設定手段246の接続抵抗Rnを増加すると、入出力特性の曲線は、図の右側の方へ移動し、したがって、VIN=VOUTの直線との交点である、第1の論理反転レベルVは大きくなる。このように、論理反転レベル設定手段244、246の接続抵抗を変化させることにより、第1の論理反転レベルVを変化させ、入力信号の状態に適した値に設定することができる。
論理反転回路250についても同様に、図7での論理反転回路250の入出力特性の曲線と、VIN=VOUTの直線との交点により、第2の論理反転レベルVが示される。ここで、論理反転回路250の入出力特性および、第2の論理反転レベルVについても、論理反転回路240についてと同様に、論理反転レベル設定手段254、256の接続抵抗を変化させることにより、第2の論理反転レベルVを変化させ、入力信号の状態に適した値に設定することができる。
なお、図7のグラフにおいて、V < VB2、そしてVB1 < Vの関係が示されている。
<2−2:動作>
次に、レベルシフト回路200の動作について説明する。
図8は、この動作を説明するための図であって、レベルシフト回路200の各部における電圧波形を示す図である。
コンデンサブロック210の一端に、入力端INから低振幅の論理入力信号が供給され、他端であるノードN210における電圧が第1の論理反転レベルVを超えると、論理反転回路240の出力の信号はLレベルとなる。よって、ナンド回路260の出力信号はHレベルとなり、ノア回路270の出力信号もHレベルとなる。
一方で、ノードN211における電圧が第2の論理反転レベルVを下回ると、論理反転回路250の出力の信号はHレベルとなる。よって、ノア回路270の出力の信号はLレベルとなり、ナンド回路260の出力の信号もLレベルとなる。
この結果、レベルシフト回路200の入力端INに供給された低振幅の論理入力信号に対応する高振幅の論理出力信号が出力端OUTから出力される。
<2−3:効果>
レベルシフト回路200またはこれを含む回路を基板上に形成することにより製造する際、一部回路素子、特にコンデンサに欠陥が生じる場合がある。例えば、コンデンサ212の電極間が短絡した場合は、コンデンサブロック210全体が短絡するため、レベルシフト回路200全体が動作しなくなる。レベルシフト回路200では、選択手段212Sによって欠陥となったコンデンサ212を切り離す。その結果コンデンサブロック210はコンデンサとしての機能を回復し、レベルシフト回路200の動作は回復する。
ここで、選択手段212Sによって欠陥となったコンデンサ212を切り離した場合に、コンデンサブロック210の容量が変わり、その結果と入力信号によるノードN210の電圧が、切り離しを行わない場合に比べ変動する。入力信号ViによるノードN210の信号電圧Vpは、コンデンサブロック210の容量Ciと、論理反転回路220、論理反転回路240を構成するTFTのうち、論理反転回路220、論理反転回路240の入力に接続されるもののゲート寄生容量Csとから変動する。
この一方でレベルシフト回路200においては、論理反転回路240と、VDDレベルおよびVSSレベルである電源とを接続する論理反転レベル設定手段244、246が、接続の抵抗値Rp、Rnを変化させることにより、論理反転レベルVおよび/またはVを変化させることができる。V−Vは入力感度であり、このV−Vの値を、上述のVpの変動を補完するように設定することにより、レベルシフト回路の入力感度の低下を抑えることができる。したがって、レベルシフト回路200の入力感度を変化させることができ、論理入力信号やノイズのレベルに適した入力感度を設定することができる。
ここで、論理反転レベル設定手段244、246が、複数の抵抗244R1、244R2と、この複数の抵抗のうち有効となる抵抗を選択するスイッチ244S1、244S2、とを備えるので、スイッチにより有効となる抵抗の選択を行うことにより、レベルシフト回路200の入力感度の変動を補完することができる。
本実施形態によれば、論理反転回路240および論理反転回路250と、VDDレベルおよびVSSレベルである電源とを接続する論理反転レベル設定手段244、246、254、256が、接続の抵抗値Rp、Rnを変化させることにより、論理反転レベルVおよび/またはVを変化させることができる。したがって、論理入力信号やノイズのレベルに適したレベルシフト回路200の入力感度を、異なるコンデンサブロック210、211ごとに、独立に設定することができる。したがって、欠陥となったコンデンサを切り離したことによるレベルシフト回路200の入力感度の変動を補完することができる。
レベルシフト回路200は、共通の論理入力信号が入力されるコンデンサブロック210、211を複数備え、コンデンサブロック210、211のそれぞれが、互いに独立したバイアス電圧および論理反転レベルの組み合わせに対応付けられる。すなわち、コンデンサブロック210をバイアス電圧VB1および第1の論理反転レベルVの組み合わせに、そして、コンデンサブロック211をバイアス電圧VB2および第2の論理反転レベルVの組み合わせに対応付けることができる。したがって、論理反転回路220、222、および論理反転回路240、250を構成する素子の特性を、それぞれのコンデンサブロック210、211ごとに独立に調整して、最適な論理反転レベルを設定することができる。例えば、バイアス電圧VB1とVB2とを独立に調節して、それぞれの第1の論理反転レベルVおよびVの近傍に設定することにより、入力感度を高感度とすることができる。
また、例えば、論理反転回路240が論理反転回路250と異なる回路構成の場合、論理反転回路220に、論理反転回路240と同様の回路構成を用いることにより、両者に同様の傾向で発生する製造プロセスのばらつきや、経時的な変化を相殺して、入力感度の変化を低減することができる。また、異なるコンデンサブロック210、211ごとに、独立に入力感度を調整することができる。
<3.第3実施形態>
<3−1:構成>
図9は、本発明の第3実施形態のレベルシフト回路300の構成を示す回路図である。
本実施形態のレベルシフト回路300は、第1実施形態のレベルシフト回路100(図1参照)の構成に対し、制御手段310を備えている点が異なる。
この他の構成については、第1実施形態と同一であり、説明を省略する。
<3−2:動作、効果>
制御手段310は、コンデンサブロック110に含まれるコンデンサの欠陥に対応して選択手段112S、114S、116Sの選択を制御するとともに、論理反転レベル設定手段144、146、154、156を制御する。つまりコンデンサの選択と入力感度の変動の補完とを連動して制御する。
したがって、レベルシフト回路300は、制御手段310を備えることにより、コンデンサの欠陥への対応を容易に行うことができる。
<4.第4実施形態>
<4−1:構成>
図10は、本発明の第4実施形態のレベルシフト回路の論理反転回路440および論理反転レベル設定手段444、446の構成を示す回路図である。
本実施形態のレベルシフト回路は、第1実施形態のレベルシフト回路100(図1および図2参照)の構成に対し、論理反転レベル設定手段444、446の抵抗値を生成する素子が抵抗素子の代わりにTFTである点が異なる。
この他の構成については、第1実施形態と同一であり、説明を省略する。
<4−2:動作・効果>
本実施形態によれば、論理反転レベル設定手段444、446の抵抗値を生成する素子としてTFTを用いることができる。
また、レベルシフト回路400では、論理反転レベル設定手段444、446を含む論理反転回路440が、バイアス電圧Vを供給する論理反転回路420と同様、TFTによる回路となるため、製造プロセスのばらつき等による電圧変動の傾向がより近似する。したがって、製造プロセスのばらつきによる、入力感度への影響を低減することができる。
ここで、仮に、論理反転レベル設定手段444を構成するTFT444R1が有効として選択された場合、このTFT444R1は不飽和動作となり、このとき論理反転レベル設定手段444の接続抵抗Rpは、次式に示すとおり求められる。
Figure 0004434035
接続抵抗Rpはβpに反比例する。ここで、係数βpは、次式のとおりである。
Figure 0004434035
よって、本実施形態によれば、TFTを用いているため、接続抵抗Rpを、TFTの形状寸法比を変更することによって可変とすることができる。例えば、TFT444R1のW/Lの値を大きくするとRpは小さくなり、逆にW/Lの値を小さくするとRpは大きくなる。相補型トランジスタを用いる論理反転レベル設定手段446も同様に考えることができる。
<5.第5実施形態>
<5−1:構成>
図11は、本発明の第5実施形態のレベルシフト回路の論理反転回路540および論理反転レベル設定手段544、546の構成を示す回路図である。
本実施形態のレベルシフト回路は、第1実施形態のレベルシフト回路100(図1および図2参照)の構成に対し、論理反転レベル設定手段544、546の抵抗値を生成する素子が、抵抗素子の代わりにダイオードである点が異なる。
この他の構成については、第1実施形態と同一であり、説明を省略する。
<5−2:効果>
本実施形態によれば、論理反転レベル設定手段の抵抗値を生成する素子としてダイオードを用いることができる。
<10:変形例、改良例>
なお、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
例えば、前記実施形態のそれぞれに限られず、前記実施形態の特徴点を組み合わせた実施形態も本発明に含まれる。
また、前記実施形態では、各論理反転回路が備えるTFTのゲートの形状寸法の比またはTFTの接続段数を異ならせることにより、論理反転レベル設定手段の接続抵抗がすべて0となる(すなわち、すべての回路素子が有効でない)場合でも、各論理反転回路の論理反転レベルが異なるものとして説明したが、本発明はこれに限らない。例えば、論理反転レベル設定手段の接続抵抗がすべて0の場合には、各論理反転回路の論理反転レベルは等しいものとし、論理反転レベル設定手段が接続抵抗の抵抗値を変化させることにより、各論理反転回路の論理反転レベルが異なるように設定されるものとしてもよい。
また、前記実施形態では、論理反転レベル設定手段が、論理反転回路の正側および負側の両側の電源端に接続されているものとして説明したが、本発明はこれに限らず、論理反転レベル設定手段が、論理反転回路の正側または負側のいずれかと電源とを接続するものでよい。ただし、論理反転レベル設定手段が、論理反転回路の正側および負側の両側の電源端に接続されていることにより、論理反転レベルをより大きくする方向とより小さくする方向の両方向に変化させて設定することが容易となる。
また、前記実施形態では、論理反転レベル設定手段が、2個の論理反転回路に接続されているものとして説明したが、本発明はこれに限らず、例えば、1個の論理反転回路に接続されていたり、3個の論理反転回路に接続されていたりするものでもよい。
また、前記実施形態では、選択手段・回路素子選択手段をスイッチとしたが、本発明はこれに限られない。選択手段は有効となる容量素子を選択するものであればよく、回路素子選択手段は有効となる回路素子を選択するものであればよい。例えば、外部端子から電流を流すことにより溶断するヒューズとすることにより、基板上に製造を行った後、ヒューズに電流を供給して焼切ることによりオフ状態とする。これにより、基板の製造後の段階で、用途や使用環境に合わせた入力感度の設定を行うことができる。選択手段・回路素子選択手段をアナログスイッチとした場合には、外部から入力される選択制御信号に基づいて選択を行うことができる。
また、前記実施形態では、例えば、論理反転レベル設定手段144の複数の抵抗144R2、144R1は、それぞれ、スイッチ144S1、144S2と並列に接続され、並列に接続された抵抗とスイッチの組が直列に接続された回路を構成しているとして説明したが、本発明はこの接続構成に限らない。本発明の論理反転レベル設定手段では、例えば、複数の抵抗のそれぞれが対応するスイッチと直列に接続され、これらの接続された組が並列に接続された構成でもよい。
また、前記実施形態では、論理反転レベル設定手段が備える回路素子の数として2個の抵抗、TFTまたはダイオード例で説明したが、本発明の回路素子の数はこれに限らず、1個または3個以上の数であってよい。
また、前記実施形態では、スイッチング素子をPチャネル型TFTおよびNチャネル型TFTとして説明したが、本発明はこれに限らず、相補型トランジスタを構成するスイッチング素子であればよい。例えば、Pチャネル型MOSトランジスタまたはNチャネル型MOSトランジスタであってよく、PNP型トランジスタまたはNPN型トランジスタであってもよい。
また、前記実施形態では、主な論理反転回路をインバータ回路として説明したが、本発明はこれに限らず、入力信号の論理レベルを反転して出力する回路であればよく、例えば、ナンド回路、ノア回路、排他論理和回路といった回路であってよい。
また、前記実施形態では、論理出力回路が備える論理出力部が、前記第1の論理反転回路の判定結果および前記第2の論理反転回路の判定結果を保持する、フリップフロップといった保持回路であるとして説明したが、本発明はこれに限らず、保持回路でない構成も含まれる。例えば、前記第1の論理反転回路の判定結果および前記第2の論理反転回路の判定結果を、電流バッファを構成する相補型トランジスタのP型およびN型のスイッチング素子に入力する構成でもよい。ただし、隣接する変化点同士の間隔が長い信号に適切に追従する点からは、保持回路であることが好ましい。
また、前記実施形態では、相補回路駆動信号を、内蔵する出力バッファに出力するとして説明したが、本発明はこれに限らず、レベルシフト回路の外部に設ける出力バッファに供給することとしてもよく、この場合相補回路駆動信号はレベルシフト回路自身の論理出力信号となる。
<11.液晶パネルの構成例>
次に、上述した電気的構成に係る電気光学装置1の全体構成について図12および図13を参照して説明する。ここで、図12は、電気光学装置1の構成を示す斜視図であり、図13は、図12におけるA−A断面図である。液晶パネルは、画素電極等が形成されたガラスや半導体等の素子基板1151と、共通電極1158等が形成されたガラス等の透明な対向基板1152とを備え、これら素子基板1151および対向基板1152の間隙に液晶1155が封入されている。
対向基板1152の外周部には、素子基板1151および対向基板1152の間隙を封止するシール部材1154が設けられている。このシール部材1154は、素子基板1151および対向基板1152とともに、液晶1155が封入される空間を形成する。シール部材1154には、素子基板1151および対向基板1152の間隔を保持するため、スペーサ1153が混入されている。なお、シール部材1154には、液晶1155を封入するための開口部が形成されており、この開口部は、液晶1155の封入後に封止材1156で封止されている。
ここで、素子基板1151の対向面であって、シール部材1154の外側一辺においては、データ線駆動回路1200が形成されて、Y方向に延在するデータ線を駆動する構成となっている。さらに、この一辺には複数の接続電極1157が形成されて、タイミング発生回路からの各種信号や画像信号を入力する構成となっている。また、この一辺に隣接する一辺には、走査線駆動回路1500が形成されて、X方向に延在する走査線をそれぞれ両側から駆動する構成となっている。一方、対向基板1152の共通電極1158は、素子基板1151との貼合部分における4隅のうち、少なくとも1箇所において設けられた導通材によって、素子基板1151との電気的導通が図られている。ほかに、対向基板1152には、液晶パネルAAの用途に応じて、例えば、第1に、ストライプ状や、モザイク状、トライアングル状等に配列したカラーフィルタが設けられ、第2に、例えば、クロムやニッケルなどの金属材料や、カーボンやチタンなどをフォトレジストに分散した樹脂ブラックなどのブラックマトリクスが設けられ、第3に、液晶パネルに光を照射するバックライトが設けられ、特に色光変調の用途の場合には、カラーフィルタは形成されずにブラックマトリクスが対向基板1152に設けられる。
くわえて、素子基板1151および対向基板1152の対向面には、それぞれ所定の方向にラビング処理された配向膜などが設けられる一方、その各背面側には配向方向に応じた偏光板がそれぞれ設けられる。ただし、液晶1155として、高分子中に微小粒として分散させた高分子分散型液晶を用いれば、前述の配向膜、偏光板等が不要となる結果、光利用効率が高まるので、高輝度化や低消費電力化などの点において有利である。なお、データ線駆動回路1200、走査線駆動回路1500等の周辺回路の一部または全部を、素子基板1151に形成する替わりに、例えば、TAB(Tape Automated Bonding)技術を用いてフィルムに実装された駆動用ICチップを、素子基板1151の所定位置に設けられる異方性導電フィルムを介して電気的および機械的に接続する構成としても良いし、駆動用ICチップ自体を、COG(Chip On Grass)技術を用いて、素子基板1151の所定位置に異方性導電フィルムを介して電気的および機械的に接続する構成としても良い。
<12.応用例>
上述した実施形態においては液晶を備えた電気光学装置を例示したが、液晶以外の電気光学物質を用いた電気光学装置にも本発明は適用される。電気光学物質とは、電気信号(電流信号または電圧信号)の供給によって透過率や輝度といった光学的特性が変化する物質である。例えば、有機EL(Electro Luminescent)や発光ポリマーなどのOLED素子を電気光学物質として用いた表示パネルや、着色された液体と当該液体に分散された白色の粒子とを含むマイクロカプセルを電気光学物質として用いた電気泳動表示パネル、極性が相違する領域ごとに異なる色に塗り分けられたツイストボールを電気光学物質として用いたツイストボールディスプレイパネル、黒色トナーを電気光学物質として用いたトナーディスプレイパネル、あるいはヘリウムやネオンなどの高圧ガスを電気光学物資として用いたプラズマディスプレイパネルなど各種の電気光学装置に対しても上記実施形態と同様に本発明が適用され得る。
<13.電子機器>
次に、上述した実施形態および応用例に係る電気光学装置1を適用した電子機器について説明する。図14に、電気光学装置1を適用したモバイル型のパーソナルコンピュータの構成を示す。パーソナルコンピュータ2000は、表示ユニットとしての電気光学装置1と本体部2010を備える。本体部2010には、電源スイッチ2001およびキーボード2002が設けられている。この電気光学装置1は、製造工程においてコンデンサの欠陥が生じた場合にも適切に対応することが可能なレベルシフト回路を備えるので、製造歩留まりを向上することができる。
図15に、電気光学装置1を適用した携帯電話機の構成を示す。携帯電話機3000は、複数の操作ボタン3001およびスクロールボタン3002、ならびに表示ユニットとしての電気光学装置1を備える。スクロールボタン3002を操作することによって、電気光学装置1に表示される画面がスクロールされる。図16に、電気光学装置1を適用した情報携帯端末(PDA:Personal Digital Assistants)の構成を示す。情報携帯端末4000は、複数の操作ボタン4001および電源スイッチ4002、ならびに表示ユニットとしての電気光学装置1を備える。電源スイッチ4002を操作すると、住所録やスケジュール帳といった各種の情報が電気光学装置1に表示される。
なお、電気光学装置1が適用される電子機器としては、図14〜図16に示すものの他、デジタルスチルカメラ、液晶テレビ、ビューファインダ型、モニタ直視型のビデオテープレコーダ、カーナビゲーション装置、ページャ、電子手帳、電卓、ワードプロセッサ、ワークステーション、テレビ電話、POS端末、タッチパネルを備えた機器等が挙げられる。そして、これらの各種電子機器の表示部として、前述した電気光学装置1が適用可能である。
レベルシフト回路100の構成を示す回路図である。 レベルシフト回路100の論理反転回路140および論理反転レベル設定手段144、146の構成を示す回路図である。 レベルシフト回路100の論理反転回路140、および論理反転レベル設定手段144、146による接続抵抗の構成を示す回路図である。 論理反転回路120、140、150の入出力特性を示すグラフである。 レベルシフト回路100の各部における電圧波形を示す図である。 本発明の第2実施形態のレベルシフト回路200の構成を示す回路図である。 論理反転回路220、論理反転回路240、論理反転回路222、論理反転回路250の入出力特性を示すグラフである。 レベルシフト回路200の各部における電圧波形を示す図である。 本発明の第3実施形態のレベルシフト回路300の構成を示す回路図である。 本発明の第4実施形態のレベルシフト回路の論理反転回路440および論理反転レベル設定手段444、446の構成を示す回路図である。 本発明の第5実施形態のレベルシフト回路の論理反転回路540および論理反転レベル設定手段544、546の構成を示す回路図である。 前記レベルシフト回路が適用された電気光学装置の構造を説明するための斜視図である。 前記電気光学装置の構造を説明するためのA−A断面図である。 前記した電気光学装置を適用したモバイル型のパーソナルコンピュータの構成を示す斜視図である。 前記した電気光学装置を適用した携帯電話機の構成を示す斜視図である。 前記した電気光学装置を適用した情報携帯端末の構成を示す斜視図である。
符号の説明
100,200,300…レベルシフト回路、 110,210,211…コンデンサブロック、130,230…論理出力回路、 120,220…論理反転回路(第3の論理反転回路)、 222…論理反転回路(第4の論理反転回路)、 140,240…論理反転回路(第1の論理反転回路)、 150,250…論理反転回路(第2の論理反転回路)、 144,146,154,156,244,246,254,256,…論理反転レベル設定手段、 135,235…論理出力部(保持回路)、310…制御手段、 1…電気光学装置、2000…パーソナルコンピュータ、3000…携帯電話機、4000…情報携帯端末

Claims (8)

  1. 論理入力信号が入力される入力端子と、
    複数の容量素子と、
    前記容量素子のうち少なくとも1つを選択する選択手段と、
    入力の一端が、前記選択手段により選択された容量素子を介して前記入力端子と接続される論理反転回路と、
    前記論理反転回路と当該論理反転回路が出力する論理振幅に対応する電源とを接続し、前記論理反転回路が入力に対して有する論理反転レベルを設定する論理反転レベル設定手段と、
    を備えることを特徴とするレベルシフト回路。
  2. 論理入力信号が入力される入力端子と、
    複数の容量素子と、
    前記複数の容量素子のうち少なくとも1つを選択する選択手段と、
    前記選択手段により選択された容量素子を介して前記入力端子と接続されるノードと、
    前記ノードに接続された入力に対して、第1の論理反転レベルを有する第1の論理反転回路、および、前記ノードに接続された入力に対して第2の論理反転レベルを有する第2の論理反転回路を含み、前記第1の論理反転回路と前記第2の論理反転回路の出力極性が一致することで第2の論理振幅を有する論理出力信号を反転する論理出力回路と、
    前記ノードに入力の一端と出力が接続され、前記ノードに接続された入力に対して前記第1の論理反転レベルよりも低く且つ前記第2の論理反転レベルよりも高い第3の論理反転レベルを有する第3の論理反転回路と、
    前記第1の論理反転回路および前記第2の論理反転回路のうちの少なくとも一つと前記第2の論理振幅に対応する電源とを接続し、前記少なくとも一つの論理反転回路が有する論理反転レベルを設定する論理反転レベル設定手段と、
    を備えることを特徴とするレベルシフト回路。
  3. 論理入力信号が入力する入力端子と、
    第1の複数の容量素子と、
    前記第1の複数の容量素子のうち少なくとも1つを選択する第1の選択手段と、
    第2の複数の容量素子と、
    前記第2の複数の容量素子のうち少なくとも1つを選択する第2の選択手段と、
    前記第1の選択手段が選択した容量素子を介して入力端子と接続される第1のノードと、
    前記第2の選択手段が選択した容量素子を介して入力端子と接続される第2のノードと、
    前記第1のノードに接続された入力に対して、第1の論理反転レベルを有する第1の論理反転回路、および、前記第2のノードに接続された入力に対して第2の論理反転レベルを有する第2の論理反転回路を含み、前記第1の論理反転回路と前記第2の論理反転回路の出力極性が一致することで第2の論理振幅を有する論理出力信号を反転する論理出力回路と、
    前記第1のノードに入力の一端と出力が接続され、前記第1のノードに接続された入力に対して、第1の論理反転レベルよりも低い第3の論理反転レベルを有する第3の論理反転回路と、
    前記第2のノードに入力の一端と出力が接続され、前記第2のノードに接続された入力に対して、第2の論理反転レベルよりも高い第4の論理反転レベルを有する第4の論理反転回路と、
    前記第1の論理反転回路、前記第2の論理反転回路、前記第3の論理反転回路、前記第4の論理反転回路のうちの少なくとも一つと前記第2の論理振幅に対応する電源とを接続し、前記論理反転回路が有する論理反転レベルを設定する論理反転レベル設定手段と、
    を備えることを特徴とするレベルシフト回路。
  4. 請求項1から請求項3のいずれかのレベルシフト回路であって、前記選択手段の選択ならびに前記論理反転レベル設定手段の設定を制御する制御手段を備え、
    前記制御手段は、前記選択手段の選択による入力感度の変動を補完するように前記論理反転レベル設定手段を制御する、
    ことを特徴とするレベルシフト回路。
  5. 請求項1から4に記載のレベルシフト回路であって、
    前記論理レベル設定手段が、抵抗値を有する複数の回路素子と、
    当該複数の回路素子のうち有効となる回路素子を選択する回路素子選択手段と、
    を備えたことを特徴とするレベルシフト回路。
  6. 請求項5に記載のレベルシフト回路であって、
    前記回路素子が、トランジスタであることを特徴とするレベルシフト回路。
  7. 請求項1から6のいずれかに記載のレベルシフト回路を備える電気光学装置。
  8. 請求項7記載の電気光学装置を備える電子機器。
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