JP4433633B2 - ヘッドアクチュエータとディスク記憶装置 - Google Patents

ヘッドアクチュエータとディスク記憶装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、大容量のリムーバブルハードディスクドライブ等に適用するのに好適なヘッドアクチュエータとディスク記憶装置の技術分野に属するものである。
【0002】
【従来の技術】
まず、図48〜図70によって、従来の大型のリムーバブルハードディスクドライブ及びリムーバブルハードディスクカートリッジについて、以下の順序で説明する。
(A1) ・・・ 従来の大型のリムーバブルハードディスクドライブの概要説明(図48〜図63)
(A2) ・・・ 従来大型のリムーバブルハードディスクドライブのダイナミックロード/アンロード機構の説明(図53〜図63)
(A3) ・・・ 従来の大型のリムーバブルハードディスクドライブの屈曲型ヘッドアクチュエータを回転駆動する大型のボイスコイルモータの説明(図56〜図59)
(A4) ・・・ 従来の大型のリムーバブルハードディスクドライブのダイナミックロード/アンロード用ランプのヘッドを開閉するカム面の説明(図60〜図63)
(A5) ・・・ 従来の大型のリムーバブルハードディスクドライブによる従来の大型のリムーバブルハードディスクカートリッジの記録、再生操作の説明(図48〜図63)
(A6) ・・・ 従来の大型のリムーバブルハードディスクドライブのスピンドルモータの駆動制御方法に関する説明(図1の(B))
(A7) ・・・ 従来の大型のリムーバブルハードディスクドライブによる従来の大型のリムーバブルハードディスクカートリッジのイジェクト操作の説明(図48〜図63)
(A8) ・・・ 従来の大型のボイスコイルモータの駆動トルクに関する説明(図57〜図59)
(A9) ・・・ 従来の大型のリムーバブルハードディスクドライブの屈曲型ヘッドアクチュエータのヘッドの配線構造の説明(図64及び図65)
(A10) ・・・ 従来の大型のリムーバブルハードディスクカートリッジの説明(図66〜図70)
【0003】
(A1) ・・・ 従来の大型のリムーバブルハードディスクドライブの概要説明 まず、図48〜図63によって、従来のリムーバブルディスクドライブ等のディスク記憶装置の一例である従来の大容量で大型のリムーバブルハードディスクドライブ(Removable−Hard Disk Driveであって、以下、単にR−HDD(大)と記載する)であって、コンタクト・スタート/ストップ(contact stort/stop)方式のR−HDD(大)101の概要について説明する。
【0004】
この従来のR−HDD(大)101は上面が開放されたドライブ本体102を有していて、そのドライブ本体102の上部には上カバー103が水平状に配置されている。なお、これらドライブ本体102及び上カバー103はアルミニウム合金等の金属材料や合成樹脂材料等によって構成されている。そして、ドライブ本体102内の前側位置に板金部材等で構成されたカートリッジホルダー104が水平状に配置されていて、このカートリッジホルダー104の前端部には水平状の前端部開口104aが形成されている。そして、ドライブ本体102の前面102aは後述するようにカートリッジホルダー104が上昇位置へ上昇された時に、カートリッジホルダー104の前端部開口104aが露出されて、後述するR−HDC(大)121を前後方向である矢印a、b方向から挿入、排出するためのカートリッジ挿入口105が水平状に開口されている。
【0005】
そして、カートリッジホルダー104の上部に上カバ−103が一体に結合されていて、このカートリッジホルダー104は上カバ−103と一体にドライブ本体102内に配置された昇降機構106によって上下方向である矢印c、d方向に昇降自在に構成されていて、その昇降機構106はドライブ本体102の底部に水平状に配置されてる。そして、前後方向である矢印a、b方向にスライドされるスライド板107と、そのスライド板107によって駆動されて、カートリッジ挿入口ーカートリッジホルダー104を矢印c、d方向に昇降駆動する左右一対、合計4つのスライドカム機構108とによって構成されている。なお、ドライブ本体102の前面102aにはイジェクト釦109が設けられている。
【0006】
そして、ドライブ本体102内で、カートリッジホルダー104の下部には、例えば、扁平ブラシレスモータ等によって構成されたスピンドルモータ110が配置され、そのスピンドルモータ110のスピンドル110a及びロータと一体に回転されるディスクテーブル111にはチャッキングマグネット112が埋設されている。そして、ドライブ本体102内でカートリッジホルダー104の後方位置には大型の回動型ヘッドアクチュエータである屈曲型ヘッドアクチュエータ113が配置されていて、この屈曲型ヘッドアクチュエータ113はヘッドアーム114の先端114aの上下両面に板ばねで構成されている上下一対のサスペンション115をほぼ直角等の所定角度に屈曲させて取り付け、これら上下一対のサスペンション115の先端にヘッドである上下一対の浮上ヘッドスライダー116を上下に対向させてジンバル等を介して取り付けたものである。なお、上下一対のサスペンション115は上下一対の浮上ヘッドスライダー116側である先端側に至るほど、ヘッドアーム114の先端114aの厚み方向の中心側に近づくように上下対称状に傾斜されている。
【0007】
そして、この屈曲型ヘッドアクチュエータ113はヘッドアーム114のほぼ中間部分をドライブ本体102の底部上に取り付けられている垂直状の回転中心軸117の外周にベアリング117aを介して回転自在に取り付けられている。そして、この屈曲型ヘッドアクチュエータ113を図52に示す後述するR−HDC(大)121に対する外部ポジションであるアームロックポジションP11と、図55に示す後述するR−HDC(大)121に対する内部ポジションであるディスク125の記録エリア内ポジションP14の最内周位置P16との間の全往復動領域内で矢印g、h方向に往復運動させるヘッドアクチュエータ駆動機構が、後述するように、このR−HDD(大)101に装着されたR−HDC(大)121の後方位置におけるドライブ本体102の底部上に取り付けられている。そして、このヘッドアクチュエータ駆動機構は、ダイナミックロード/アンロード用ランプ169が付設されたカム機構118と、ボイスコイルモータ(voice coil motorであって、以下、単に、VCMと記載する)119との2つの駆動機構によって構成されている。
【0008】
そして、カム機構118とダイナミックロード/アンロード用ランプ169が屈曲型ヘッドアクチュエータ113を図52に示すアームロックポジションP11と図53に示すR−HDC(大)121内でディスク125の外周近傍位置に設定されたアームロード/アンロードポジションP12との間で矢印g、h方向に機械的に回転駆動するように構成されている。そして、VCM119が屈曲型ヘッドアクチュエータ113を図53に示すR−HDC(大)121内でアームロード/アンロードポジションP12と、図54に示すディスク125の最外周のランディングポジションP13と、図55に示す記録エリア内ポジションP14の最内周位置P16との間で矢印g、h方向に回転駆動するように構成されている。
【0009】
(A2) ・・・ 従来の大型のリムーバブルハードディスクドライブのダイナミックロード/アンロード機構の説明
ここで、図53〜図65によって、従来のR−HDD(大)101に採用されているダイナミックロード/アンロード機構について説明すると、このダイナミックロード/アンロード機構には、カム機構118とダイナミックロード/アンロード用ランプ(dynamic load/anload rampであって、以下、単に、ランプと記載する)169とが使用されている。
まず、屈曲型ヘッドアクチュエータ113を矢印g、h方向に回転駆動するカム機構118は、駆動モータ161によって正逆回転駆動されるウォーム162とウォームホイール163とによって構成された減速機構兼用のセルフロック機構と、そのウォームホイール163によって複数の減速ギア164を介して矢印i、j方向に正逆回転駆動されるカムギア165とによって構成されている。そして、このカムギア165等には屈曲型ヘッドアクチュエータ113の矢印g、h方向における現在位置を順次検出するモードセンサー(図示せず)が付設されている。
【0010】
そして、カムギア165の上面にはほぼ同心円形状のカム166が一体成形されていて、このカム166が屈曲型ヘッドアクチュエータ113におけるヘッドアーム114の下面で、先端114aと回転中心軸117とのほぼ中間部分に一体に設けられたカム従動部167を駆動するように構成されている。なお、このカム166にはカム従動部167に向って矢印j方向に突出された凸部166aと、その凸部166aから矢印i方向に延びる外周面116bと、その凸部166aの矢印j方向側に形成された切欠き部166cとが形成されていて、その凸部166aと外周面166bがカム従動部167の駆動部に構成され、切欠き部166cはカム従動部167に対する逃げ用空間に構成されている。そして、屈曲型ヘッドアクチュエータ113をアームロックポジションP11で位置決めするためのストッパー168がヘッドアーム114の下面に垂直状に固着されたストッパーピン168aと、ドライブ本体102の底部に円弧状に形成されていて、ストッパーピン168aを案内するガイド穴186bの矢印h方向側の端部168cとによって構成されている。なお、ガイド穴168bは回転中心軸117を中心とした円弧状に形成されている。
【0011】
そして、ランプ169はドライブ本体102の底部上に取り付けられた一対のスライドガイド170で案内されて上下一対の浮上ヘッドスライダー116の移動機構にほぼ沿った方向である矢印k、m方向において図52に示す待避ポジションP21と図53に示す動作ポジションP22との間でスライド自在に構成されている。そして、このランプ169とドライブ本体102との間にはスライド付勢手段である引張りコイルばね171が架設されていて、この引張りコイルばね171によってランプ169が待避ポジションP21から動作ポジションP22へ矢印k方向にスライド付勢されている。
【0012】
そして、このランプ169は合成樹脂等にて成形されていて、このランプ169の矢印k方向側の端部の上部には、屈曲型ヘッドアクチュエータ113の上下一対の浮上ヘッドスライダー116を上下一対のサスペンション115のばね力との協同作用によって上下方向に開閉するためのランプアーム169aが一体成型されている。そして、このランプアーム169aはランプ169から矢印g方向側に延出されていて、このランプアーム169aが屈曲型ヘッドアクチュエータ113の上下一対のサスペンション115の先端側の間に水平状に挿入されて配置されている。そして、このランプアーム169aは上下一対の浮上ヘッドスライダー116の矢印g、h方向の回動軌跡にほぼ沿うように円弧状に形成されてい、このランプアーム169aの回転中心軸117の周りの回転半径r1は上下一対の浮上ヘッドスライダー116の回転中心軸117の周りの回転半径r2より小さく構成されている。
【0013】
そして、このランプ169の矢印m方向側の端部の上部に一体成形されたヘッドアクチュエータ押圧部169bが屈曲型ヘッドアクチュエータ113におけるヘッドアーム114の外側面114eに矢印k方向から当接されていて、引張りコイルばね171によるランプ169の矢印k方向へのスライド付勢力がこのヘッドアクチュエータ押圧部169bを介して屈曲型ヘッドアクチュエータ113に伝達されて、この屈曲型ヘッドアクチュエータ113が引張りコイルばね171のばね力によって矢印g方向に回転付勢されるように構成されている。なお、ドライブ本体102の底部上にはランプ169を動作ポジションP22で停止するストッパー169cが固定されている。
【0014】
これらのカム機構118、ランプ169及び引張りコイルばね171は以上のように構成されていて、まず、屈曲型ヘッドアクチュエータ113をアームロックポジションP11まで矢印h方向に回転駆動してロックする際には、カム機構118における駆動モータ161によってウォーム162−ウォームホイール163−複数の減速ギア164を介してカムギア165が図55に示す位置から図52に示す位置まで矢印j方向に回転駆動されて停止される。すると、そのカム166の凸部166aによって屈曲型ヘッドアクチュエータ113のカム従動部167が矢印j方向に押されて、この屈曲型ヘッドアクチュエータ113が回転中心軸117を中心にしてアームロード/アンロードポジションP12からアームロックポジションP11まで矢印h方向に回動されて、ストッパー168によって停止される。そして、屈曲型ヘッドアクチュエータ113がストッパー168で停止されるのとほぼ同時に、カム166の凸部166aがカム従動部167に対して矢印j方向に逃げて、カム従動部167がカム166の外周面166bで位置規制されることになり、屈曲型ヘッドアクチュエータ113がストッパー168とカム166の外周面166bとの間で機械的に挟まれるようにして、アームロックポジションP11でそのままロックされることになる。
【0015】
そして、屈曲型ヘッドアクチュエータ113がアームロード/アンロードポジションP12からアームロックポジションP11まで矢印h方向に回動される際に、ランプ169のヘッドアクチュエータ押圧部169bがその屈曲型ヘッドアクチュエータ113によって矢印m方向に押されて、ランプ169が屈曲型ヘッドアクチュエータ113に追従して一対のスライドガイド170に沿って動作ポジションP22から待避ポジションP21まで矢印m方向にスライドされる。そして、このランプ169によって引張りコイルばね171が矢印m方向に引っ張られて、この引張りコイルばね171に屈曲型ヘッドアクチュエータ113を矢印g方向に回転駆動するための駆動力がチャージされる。そして、このアームロックポジションP11及び待避ポジションP21では、図53及び図61に示すように、屈曲型ヘッドアクチュエータ113の上下一対のサスペンション115の先端部分及び上下一対の浮上ヘッドスライダー116と、ランプアーム169aとが後述するR−HDC(大)121のヘッド挿入穴127の外部に引き出される。
【0016】
次に、屈曲型ヘッドアクチュエータ113を図52に示すアームロックポジションP11から図54に示すアームロード/アンロードポジションP12まで矢印g方向に回転駆動する際には、カム機構118における駆動モータ161によってウォーム162−ウォームホイール163−複数の減速ギア164を介してカムギア165が図52に示す位置から図53に示す位置まで矢印i方向に回転駆動されて停止される。すると、図53に示すように、最初に、屈曲型ヘッドアクチュエータ113のカム従動部167がカム166の外周面166bから凸部166a上に相対的に乗り上げる。そして、引き続きのカム166の矢印i方向への回転に伴い、引張りコイルばね171にチャージされている駆動力によって、ランプ169が待避ポジションP21から矢印k方向にスライド開始され、そのランプ169のヘッドアクチュエータ押圧部169bを介して屈曲型ヘッドアクチュエータ113が矢印g方向へ回転駆動される。
【0017】
従って、駆動モータ161によってカムギア165が図52に示す位置から図53に示す位置まで矢印i方向に回転駆動されることによって、引張りコイルばね171にチャージされている駆動力によって屈曲型ヘッドアクチュエータ113が回転中心軸117を中心にして図52に示すアームロックポジションP11から図53に示すR−HDC(大)121内で、ディスク125の外周近傍位置に設定されているアームロード/アンロードポジションP12まで矢印g方向に回転駆動される。そして、この屈曲型ヘッドアクチュエータ113に追従するようにして、ランプ169が図52に示す待避ポジションP21から図53に示す動作ポジションP22まで矢印k方向にスライド駆動されて、このランプ169は動作ポジションP22でストッパー169cに当接されて停止される。そして、ランプ169と一体のヘッドアクチュエータ押圧部169bも図53に示す位置で停止されて、後述するヘッドロード時には、屈曲型ヘッドアクチュエータ113がヘッドアクチュエータ押圧部169bから切り離されて矢印g方向に回転駆動されることになる。
そして、図53及び図62に示すように、屈曲型ヘッドアクチュエータ113及びランプ169がアームロード/アンロードポジションP12及び動作ポジションP22に到達した時に、上下一対のサスペンション115の先端部分及び上下一対の浮上ヘッドスライダー116と、ランプアーム169aの先端部分が後述するR−HDC(大)121のヘッド挿入穴127に挿入されて、ディスク125の外周近傍位置で停止される。
【0018】
つまり、屈曲型ヘッドアクチュエータ113は引張りコイルばね171によってアームロックポジションP11からアームロード/アンロードポジションP12まで矢印g方向に回転駆動されるが、屈曲型ヘッドアクチュエータ113がアームロード/アンロードポジションP12に到達した瞬間に、引張りコイルばね171が屈曲型ヘッドアクチュエータ113から切り離されることになる。そして、この後、カムギア165は駆動モータ161によって引き続き図55に示す位置まで矢印i方向に回転駆動されて停止され、屈曲型ヘッドアクチュエータ113のカム従動部167がカム166の切欠き部166cからカム166の前方側外部である矢印g、h方向に出入り可能となる。
【0019】
(A3) ・・・ 従来の大型のリムーバブルハードディスクドライブの屈曲型ヘッドアクチュエータを駆動する大型のボイスコイルモータの説明
ここで、図56〜図59によって、従来の大型のR−HDD(大)101に採用されている大型の屈曲型ヘッドアクチュエータ113を回動駆動する大型のVCM119について説明する。
このVCM119は、ヘッドアーム114のサスペンション115側とは反対側の端部に固着されたコイル181と、ドライブ本体102の底部上に水平状に取り付けられたマグネット182と、上下ヨーク183、184とによって構成されている。そして、コイル181は回転中心軸117側の端部である内側端が小幅で、その反対側の外側端が次第に大幅となるほぼ扇型で扁平な空芯コイル形状に構成されている。そして、このコイル181がヘッドアーム114に一体に成形されたほぼV形の左右一対の外側ウイング114d間に水平状(回転中心軸117に対する直角状)に嵌合され、このコイル181の空芯部内に樹脂層185がアウトサート成形等にて充填されることによって、このコイル181がヘッドアーム114に水平状に固着されている。
【0020】
そして、マグネット182は平板状で、かつ、ヘッドアーム114の回転中心軸117を中心とした扇型に形成されていて、このマグネット182は上ヨーク183の下面(又は下ヨーク184の上面)に接着等にて固着されている。そして、上下ヨーク183、184は板金等の強磁性部材で構成されていて、上ヨーク183はほぼL型板形状に形成されている。そして、この上ヨーク183の直交する2辺には2つの位置決め用凹部183aが形成され、この上ヨーク183の回転中心軸117側へのの突出端と1つのコーナ部分には回転中心軸嵌合穴183bとネジ挿通穴183cが形成されている。また、下ヨーク184には直交する2辺に垂直状に立ち上げられた2つの垂直壁184aが設けられていて、これらの垂直壁184aの上端部分のほぼ中央部には位置決め用凸部184bが形成されている。そして、この下ヨーク184の2つのコーナ部分には位置決めピン嵌合穴184cとネジ挿通穴184dが形成されている。
【0021】
そして、ドライブ本体102の底部上には位置決めピン186が垂直状に固着されていて、その位置決めピン186の上端の中心にはネジ締結用穴186aが形成されている。そして、下ヨーク184が位置決めピン嵌合穴184cによって位置決めピン186に上方から挿通されて嵌合され、この下ヨーク184がネジ挿通穴184dに上方から挿入された止ネジ187によってドライブ本体102の底部上に水平状に固着されている。そして、上ヨーク183がマグネット182を下向きにした状態で、下ヨーク184の2つの垂直壁184a上に水平状に載置されて、2つの位置決め用凹部183aを2つの位置決め用凸部184bに上方から嵌合させることによって、この上ヨーク183が下ヨーク184上に水平状に位置決めされる。そして、この上ヨーク183の突出端の回転中心軸嵌合穴183bをヘッドアーム114の回転中心軸117の上端に上方から嵌合させ、ネジ挿通穴183cに上方から挿通させた止ネジ188を位置決めピン186の上端の中心のネジ締結用穴186aに締結することによって、VCM119がドライブ本体102の底部上に水平状の枠型に組み立てられている。そして、マグネット182の下面と水平状のコイル181の上面との間と、そのコイル181の下面と下ヨーク184の上面との間にはそれぞれギャップ189が形成されている。
【0022】
そして、このようにして組み立てられたVCM119は、コイル181に正方向(矢印A1方向)又は逆方向(矢印A2方向)への通電を行うことによって屈曲型ヘッドアクチュエータ113を回転中心軸117の周りで、図53に示したアームロード/アンロードポジションP12と、図55に示した記録エリア内ポジションP14の最内周位置P16との間の駆動領域内において矢印g、h方向に一定の駆動トルクによって回動駆動することができるように構成されている。
【0023】
(A4) ・・・ 従来の大型のリムーバブルハードディスクドライブのダイナミックロード/アンロード用ランプのヘッドを開閉するカム面の説明
ここで、図62及び図63よって、ランプ169におけるランプアーム169aの上下両面に一体成型されている上下対称形状のカム面について説明する。
まず、ランプ169の水平状のランプアーム169aの厚み方向のセンターの高さが、後述するように、R−HDD(大)101に装着されたR−HDC(大)121内にあって、スピンドルモータ110のディスクテーブル111上に水平状にマグネットチャッキングされて、カートリッジ本体124内の上下方向のほぼ中間位置まで上昇されたディスク125の厚み方向のセンターの高さと同じ高さに配置されている。つまり、ランプアーム169aの厚み方向のセンターは、スピンドルモータ110のディスクテーブル111上にマグネットチャッキングされたディスク125の厚み方向のセンターと水平基準線POで一致している。
【0024】
そして、このランプアーム169aの上下両面には、水平基準線POに対して上下対称状に形成された低い水平面172と、矢印k方向に向って上り傾斜に形成された上り斜面173と、高い水平面174と、矢印k方向に向って下り傾斜に形成された下り斜面175とからなるほぼ台形状で、上下対称形状のカム面176が形成されている。
【0025】
一方、大型の屈曲型ヘッドアクチュエータ113の上下一対のサスペンション115のやや先端側に偏位された位置で、これら上下一対のサスペンション115の上下対向面にはランプアーム169aの上下一対のカム面176に対するカム従動部である上下一対のスライド用凸部177が上下対称状に形成されている。なお、これら上下一対のスライド用凸部177は例えば打出し加工や合成樹脂のアウトサート成形等にて形成されたほぼ半球面形状の突起に形成されている。そして、これら上下一対のスライド用凸部177が上下一対のサスペンション115のばね力によって、ランプアーム169aの上下両面に矢印n方向から上下対称状に弾性的に押圧されていて、後述するように、屈曲型ヘッドアクチュエータ113がアームロード/アンロードポジションP12とランディングポジションP13との間で矢印g、h方向に回転駆動する際に、上下一対のスライド用凸部117が上下一対のカム面177上で矢印g、h方向にスライドされて、上下一対の浮上ヘッドスライダー116が上下方向に開閉されるように構成されている。
【0026】
(A5) ・・・ 従来の大型のリムーバブルハードディスクドライブによる大型のリムーバブルハードディスクカートリッジの記録、再生操作の説明
ここで、図48〜図65によって、R−HDD(大)101によるR−HDC(大)121の記録、再生操作を説明する。
まず、ディスクローディング時には、図48に示されたR−HDD(大)101のイジェクト釦109を押すと、昇降機構106によってカートリッジホルダー104が上カバー103と一体に図50に示す上昇位置へ矢印d方向に上昇駆動されて、カートリッジホルダー104の前端部開口104aがドライブ本体102の前面102aに形成されているカートリッジ挿入口105と同一高さ位置へ上昇されて、このカートリッジ挿入口105が開状態となる。
【0027】
そこで、図49及び図50に1点鎖線で示すように、R−HDC(大)121をカートリッジ挿入口105から、前端部開口104aを通してカートリッジホルダー104内に矢印a方向から水平に挿入すると、後述するR−HDC(大)121のシャッター135が捩りコイルばね147に抗して図69に示す閉位置から図70に示す開位置まで矢印m方向に開かれる。そして、この後、図51に示すように、昇降機構106のスライド板107が矢印e方向にスライド駆動されて、合計4つのスライドカム108によってカートリッジホルダー104が上カバー103と一体に示す下降位置へ矢印c方向に下降駆動されて、R−HDC(大)121がドライブ本体102内の左右一対の位置決めピン及び高さ基準ピン(何れも図示せず)上に水平状に装着される。この時、図61に示すように、スピンドルモータ110のディスクテーブル108がカートリッジ本体124のディスクテーブル挿入穴128内に下方から相対的に挿入され、ディスク125のセンターコア126の中心穴126aにスピンドルモータ110のスピンドル110aの上端が挿入されると共に、そのセンターコア126がディスクテーブル108上にチャッキングマグネット112によって水平状にマグネットチャッキングされる。そして、ディスク125がR−HDC(大)121内で水平基準線POまで水平状に上昇されて、R−HDD(大)101内へのR−HDC(大)121の装着が完了する。そして、このR−HDC(大)121の装着完了により、カートリッジホルダー104の前端部開口104aがドライブ本体102のカートリッジ挿入口105から下方へ偏位されて、そのカートリッジ挿入口105が閉状態となる。
【0028】
次に、ヘッドロード時には、このR−HDC(大)121の装着完了後に、ホストコンピュータ等からの記録、再生の指令信号によって、前述したカム機構118とランプ169の引張りコイルバネ171とによって、屈曲型ヘッドアクチュエータ113を回転中心軸117の周りに図52及び図61に示すR−HDC(大)121外のアームロックポジションP11から図53及び図62に示すアームロード/アンロードポジションP12まで矢印g方向に回動駆動する。この時、前述したように、ランプ169が屈曲型ヘッドアクチュエータ113に追従するようにして図52及び図61に示す待避ポジションP21から図53及び図62に示す動作ポジションP22まで矢印k方向にスライド駆動され、ランプ169はストッパー169cに当接されて、その動作ポジションP22でそのまま停止される。
そして、屈曲型ヘッドアクチュエータ113がアームロード/アンロードポジションP12に到達し、ランプ169が動作ポジションP22に到達して停止した時に、上下一対の浮上ヘッドスライダー116及び上下一対のサスペンション115の先端部分とランプアーム169aとがR−HDC(大)121のヘッド挿入穴127内で、ディスク125の外周近傍位置に挿入される。
【0029】
(A6) ・・・ 従来の大型のリムーバブルハードディスクドライブによるスピンドルモータの駆動制御方法の説明
この際、図1の(B)に示した、スピンドルモータ110の駆動制御方法によって明らかなように、従来のR−HDD(大)101では、屈曲型ヘッドアクチュエータ113がアームロックポジションP11からアームロード/アンロードポジションP12に向けて、矢印g方向に回転開始された瞬間に、カムギア165等に付設されているモードセンサー(図示せず)による屈曲型ヘッドアクチュエータ113の現在位置の検出情報に基づいて、スピンドルモータ110を直ちに回転開始して、立ち上り時間Tsuを経てスピンドルモータ110を定常回転数(=定常回転速度)に立ち上げている。
【0030】
従って、従来のR−HDD(大)101では、屈曲型ヘッドアクチュエータ113がアームロックポジションP11から矢印g方向に移動開始された瞬間から、スピンドルモータ110の回転数が立ち上げられて、スピンドルモータ110によってディスク125が矢印D1方向に高速で回転駆動されるように設計されていて、ディスク125が高速で回転駆動されている状態で、上下一対の浮上ヘッドスライダー116及び上下一対のサスペンション115の先端部分とランプアーム169aとをR−HDC(大)121のヘッド挿入穴127からそのR−HDC(大)121内のアームロード/アンロードポジションP12に矢印g方向から挿入させていた。
【0031】
そして、この後、ランプ169が動作ポジションP22で停止されたまま、屈曲型ヘッドアクチュエータ113だけが、VCM119によって図53及び図63の(A)に示すアームロード/アンロードポジションP12から図54及び図63の(C)に示すディスク125の最外周位置であるランディングポジションP13まで矢印g方向に回転駆動されて、この時に、上下一対の浮上ヘッドスライダー116がランプアーム169aの上下一対のカム面176によって上下方向に開閉されながら、ディスク125のランディングポジションP13に上下からランディングされる。
【0032】
即ち、このヘッド開閉時には、まず、図63の(A)に示すように、屈曲型ヘッドアクチュエータ113がアームロード/アンロードポジションP12にある時には、上下一対のサスペンション115のスライド用凸部177がランプアーム169aの上下両面の低い水平面172上に乗り上げている。そして、この時には、上下一対のサスペンション115の先端の上下一対の浮上ヘッドスライダー116が上下一対のサスペンション115の矢印n方向のばね力に抗して矢印o方向に少し開かれていて、これら上下一対の浮上ヘッドスライダー116の上下間隔がディスク125の厚みT1より若干大きな中間隔G1に開かれている。
【0033】
そして、図63の(B)及び(C)に示すように、ランプ169が動作ポジションP22に停止された状態で、屈曲型ヘッドアクチュエータ113がVCM119によってアームロード/アンロードポジションP12からディスク125上のランディングポジションP13まで矢印g方向に回転駆動されると、上下一対のスライド用凸部177が上下一対のサスペンション115の矢印n方向のばね力に抗してランプアーム169aの上下一対のカム面176を上り斜面173から高い水平面174まですべり上った後、下り斜面175をすべり下るようにしてほぼ台形状の移動軌跡g1に沿って矢印g方向へ移動する。
【0034】
この結果、上下一対の浮上ヘッドスライダー116の上下間隔が当初の中間隔G1からディスク125の厚みT1より十分に大きな大間隔T2に拡大されながらディスク125の上下に矢印g方向から挿入された後、上下一対のサスペンション115の矢印n方向のばね力によって、これら上下一対の浮上ヘッドスライダー116の上下間隔が縮小されながら、これら上下一対の浮上ヘッドスライダー116がディスク125のランディングポジションP13に上下からランディングされるヘッドロードが行われる。
そして、このヘッドロードの完了とほぼ同時に、上下一対のスライド用凸部177がランプアーム169aの先端から矢印g方向に外される。
【0035】
一方、前述したように、ディスク125が既に定常回転数に回転されている状態で、上下一対の浮上ヘッドスライダー116及び上下一対のサスペンション115の先端部分とランプアーム169aとをR−HDC(大)121のヘッド挿入穴127からそのR−HDC(大)121内のアームロード/アンロードポジションP12に矢印g方向から挿入させているので、図63の(C)に示すように、上下一対の浮上ヘッドアクチュエータ116がディスク125のランディングポジションP13に上下からランディングされる時点では、既に、定常回転数に達しているディスク125の上下両面にはその回転方向である矢印D1方向に沿った空気流AFが形成されている。
従って、上下一対の浮上ヘッドスライダー116はそのディスク125の上下両面の空気流AF上にソフトランディングされ、これら浮上ヘッドスライダー116はディスク125の上下両面に対して非接触状態に浮上されることになる。
【0036】
そして、この後に、図55に示すように、屈曲型ヘッドアクチュエータ113がVCM119によって矢印g方向に回転駆動されて、上下一対の浮上ヘッドスライダー116がランディングポジションP13からディスク125の記録エリア内ポジションP14内へ移動され、更に、その記録エリア内ポジションP14内における最外周位置P15と最内周位置P16との間で屈曲型ヘッドアクチュエータ113がVCM119によって矢印g、h方向にシークされて、ディスク125の上下両面の記録エリア内ポジションP14にて情報の記録、再生が行われることになる。そして、このディスク125の記録、再生中には、上下一対の浮上ヘッドスライダー116はディスク125の矢印D1方向の高速回転によってその上下両面に発生している空気流AFによって浮上され、非接触状態で情報の記録、再生を行っている。
【0037】
なお、回動型ヘッドアクチュエータとして屈曲型ヘッドアクチュエータ113を使用すると、R−HDC(大)121のヘッド挿入穴127の横幅の最小化及び上下一対の浮上ヘッドスライダー116を上下に開閉するためのランプ169を用いたダイナミックロード/アンロード機構の簡素化、高信頼性が可能になり、高品質のR−HDD(大)101を構成できる。
【0038】
(A7) ・・・ 従来の大型のリムーバブルハードディスクドライブによる大型のリムーバブルハードディスクカートリッジのイジェクト操作の説明
なお、ディスク125の記録、再生後のディスクイジェクト時には、まず、屈曲型ヘッドアクチュエータ113がVCM119によって、図55に示すディスク125の記録エリア内ポジションP14から図54及び図63の(C)に示すランディングポジションP13まで一度矢印h方向に戻された後、そのランディングポジションP13から図63の(B)(A)に示すようにアームロード/アンロードポジションP12まで矢印h方向に戻される。
【0039】
すると、この時には、前述したヘッドロード時の逆動作で、上下一対のサスペンション115の上下一対のスライド用凸部177がランプアーム169aの上下一対のカム面176を下り斜面175から高い水平面174上にすべり上った後、上り斜面173をすべり下りて、上下一対の低い水平面172まで到達するようにほぼ台形状の移動軌跡h1に沿って矢印h方向に移動する。
この結果、上下一対の浮上ヘッドスライダー116がディスク125のランディングポジションP13上からディスク125の厚みT1より十分に大きな間隔G2まで上下方向に引き離されながらディスク125の外方へ矢印h方向に排出された後、これら上下一対の浮上ヘッドスライダー116の上下間隔が当初の中間隔G1に縮小されてヘッドアンロードが行われる。
【0040】
そして、このヘッドアンロード後に、屈曲型ヘッドアクチュエータ113がカム機構118によって引張りコイルばね171に抗して図53及び図62に示すアームロード/アンロードポジションP12から図52及び図61に示すアームロックポジションP11まで矢印h方向に引き戻されて、そのアームロード/アンロードポジションP12にて機械的にロックされる。
【0041】
即ち、図52〜図55に示したカム機構118における駆動モータ161によってウォーム162−ウォームホイール163−複数の減速ギア164を介してカムギア165が図55に示す位置から矢印j方向に回転駆動されて、図52に示す位置で停止される。そして、この際、図54に示すように、カム166の凸部166aが屈曲型ヘッドアクチュエータ113のカム従動部167に当接して、そのカム従動部16矢印j方向に回動されて、屈曲型ヘッドアクチュエータ113がアームロード/アンロードポジションP12からアームロックポジションP11まで矢印h方向に押し戻される。そして、図52に示すように、屈曲型ヘッドアクチュエータ113がストッパー168によってアームロックポジションP11で停止され、これとほぼ同時に、カム166の凸部166aがカム従動部167から矢印j方向にすり抜けて、そのカム166の外周面166bとストッパー168との間で屈曲型ヘッドアクチュエータ113が挟み込まれて機械的にロックされる。
【0042】
そして、屈曲型ヘッドアクチュエータ113がカム機構118によってアームロード/アンロードポジションP12からアームロックポジションP11まで矢印h方向に戻される時に、その屈曲型ヘッドアクチュエータ113がランプ169のヘッドアクチュエータ押圧部169bを矢印h方向に押す。すると、ランプ169が屈曲型ヘッドアクチュエータ113に追従されながら一対のガイドレール170に沿って図53に示す動作ポジションP22から図52に示す待避ポジションP21まで引張りコイルばね171に抗して矢印m方向に押し戻される。そして、この時に、引張りコイルばね171に、次回のヘッドロード時において屈曲型ヘッドアクチュエータ113を矢印g方向に駆動するための駆動力がチャージされることになる。
【0043】
そして、このようにして、屈曲型ヘッドアクチュエータ113がアームロックポジションP11まで矢印h方向に押し戻されると共に、これに追従して、ランプ169が待避ポジションP21まで矢印m方向に引き戻されることによって、図52及び図61に示すように、屈曲型ヘッドアクチュエータ113の上下一対の浮上ヘッドスライダー116及びランプアーム169aが後述するR−HDC(大)のヘッド挿入口127外へそれぞれ抜き取られることになり、R−HDC(大)121をR−HDD(大)101外へイジェクトすることが可能になる。
【0044】
そこで、この後に、図48に示したR−HDD(大)101のイジェクト釦109を押すと、図50に示すように、昇降機構106のスライド板107が矢印f方向にスライド駆動されて、合計4つのスライドカム108によってカートリッジホルダー104を図50に示す上昇位置へ上昇すると、R−HDC(大)121がスピンドルモータ110から上方に離脱された後、カートリッジホルダー104の押出し機構(図示せず)によってR−HDC(大)121がカートリッジホルダー104の前端部開口104aを通してドライブ本体102のカートリッジ挿入口105から前方である矢印b方向へ一定長さだけ押し出される。そこで、そのR−HDC(大)121のカートリッジ本体124の後端部124bを摘んで、そのR−HDC(大)121をカートリッジ挿入口105から矢印b方向に抜き取ることができる。
【0045】
(A8) ・・・ 従来の大型のボイスコイルモータの駆動トルクに関する説明
ここで、図57〜図59によって、従来の大型のボイスコイルモータの駆動トルクに関して説明する。
前述したように、従来の大型のVCM119では屈曲型ヘッドアクチュエータ113に固着されているコイル181のマグネット182に対する有効長部分に相当する半径方向のオーバーラップ部分である半径方向部分181aを有している。そして、マグネット182によってその半径方向部分181aを上下方向に貫くようにして上下ヨーク183、184間に形成されている磁束Φを有する磁気回路が形成されている。そして、その磁気回路の磁束Φ中にてコイル181の半径方向部分181aに正方向の電流A1又は逆方向の電流A2を流すことによって、コイル181の半径方向部分181aにおいて矢印g方向又は矢印h方向の推力を発生させる。そして、コイル181の半径方向部分181aの長さ方向の中間位置と、回転中心軸117の中心との半径r11に上記推力を乗算した値が屈曲型ヘッドアクチュエータ113の駆動トルクとなり、この駆動トルクによって屈曲型ヘッドアクチュエータ113が矢印g、h方向に回動駆動されるように構成されている。
【0046】
また、屈曲型ヘッドアクチュエータ113がVCM119によって矢印g、h方向に回動駆動される際に、上下一対の浮上ヘッドスライダー116に発生するイナーシャは、回転中心軸117の中心と浮上ヘッドスライダー116の中心との間の半径r12の2乗に比例している。
【0047】
そして、従来のR−HDD(大)101に採用されているヘッド開閉機構は、前述したように、ランプ169に一体成型されたランプアーム169aの上下両面に上下対称状に形成したカム面176と、屈曲型ヘッドアクチュエータ113の上下一対のサスペンション115に形成されたスライド用凸部117とによるスライドカム方式である。
つまり、VCM119による屈曲型ヘッドアクチュエータ113の矢印g方向又は矢印h方向のロード/アンロード時において、上下一対のサスペンション115のスライド用凸部177をランプアーム169aの上下一対のカム面176の低い水平面172、上り斜面173、高い水平面174及び下り斜面175上で矢印g1方向又は矢印h1方向にほぼ台形状にスライドさせることによって、上下一対の浮上ヘッドスライダー116を上下方向に開閉させている。
【0048】
従って、その屈曲型ヘッドアクチュエータ113のロード/アンロード時には、ランプアーム169aのカム面176に対する上下一対のスライド用凸部177のスライド抵抗である摩擦駆動トルクが発生することになる。そして、この摩擦駆動トルクは、上下一対のサスペンション115の荷重と摩擦係数とヘッドアーム114の回転中心からスライド用凸部177までの半径の積に比例する。
【0049】
また、この種、R−HDD(大)101では、ディスク125の記録、再生の中断時等の非使用時における耐衝撃性を図る目的で、例えば、屈曲型ヘッドアクチュエータ113を図55に示す記録エリア内ポジションP14から図53に示すアームロード/アンロードポジションP12まで矢印h方向に戻して、VCM119のコイル181への通電を切断し、その後は、マグネット182によるコイル181の吸着力によって屈曲型ヘッドアクチュエータ113をラッチするようにした、マグネットラッチ方式が採用されている。
【0050】
(A9) ・・・ 従来の大型のリムーバブルハードディスクドライブの大型の屈曲型ヘッドアクチュエータのヘッドの配線構造の説明
ここで、図64及び図65によって、従来の大型のR−HDD(大)101に採用されている大型の屈曲型ヘッドアクチュエータ113の上下一対の浮上ヘッドスライダー116に対する配線構造191について説明する。
まず、ドライブ本体104の後端部104bから後方に突出されて取り付けられている外部インターフェース192に接続された信号基板193をドライブ本体104の後端部104bの内側に水平状に取り付け、その信号基板193と、屈曲型ヘッドアクチュエータ113のヘッドアーム114の外側面(ドライブ本体104の後端部104b側の面)114bの長さ方向のほぼ中間部に設けられた中継点194との間をフレキシブルプリント基板195によってほぼU字状に湾曲させるようにして長さに余裕のある状態に接続している。次に、その中継点194とVCM119のコイル181との間を電線等の配線部材(図示せず)によって接続すると共に、その中継点194と屈曲型ヘッドアクチュエータ113の上下一対の浮上ヘッドスライダー116との間を電線や細長いフレキシブルプリント基板等の上下一対の配線部材196によって接続している。
【0051】
そして、外部インターフェース192に外部から入出力される信号を信号基板193、フレキシブルプリント基板195、中継点194及び上下一対の配線部材196を通して上下一対の浮上ヘッドスライダー116に対して授受すると共に、VCM119のコイル182への通電を行っている。
【0052】
ところで、従来の大型のR−HDD(大)101では、図65に示したように、上下一対の浮上ヘッドスライダー116に対して信号の授受を行う上下一対の配線部材196を、大型の屈曲型ヘッドアクチュエータ113におけるヘッドアーム114に対する上下一対のサスペンション115との屈曲部113aの外側を迂回させるように、これら上下一対の配線部材196を上下一対のサスペンション115の外側面115b(回転中心軸117側とは反対側)から外側へ引き出し、屈曲部113aの外側を経由して、ヘッドアーム114の外側面114aの外側へ引き回していた。
【0053】
(A10) ・・・ 従来の大型のリムーバブルハードディスクカートリッジの説明
ここで、図66〜図70によって、R−HDD(大)101に使用される従来の大容量のリムーバブルディスクカートリッジである従来の大型のリムーバブルハードディスクカートリッジ(Removable−Hard Disk Cartridgeであって、以下、単にR−HDC(大)と記載する)121について説明する。
【0054】
このR−HDC(大)121はABS等の合成樹脂成形品で構成された上下シェル(上下ハーフとも言う)122、123を上下からビス止めや溶着等にて一体に結合させた扁平な箱形のカートリッジ本体124と、そのカートリッジ本体124内に回転自在に収納されたリムーバブルハードディスクである情報記録用ディスク(以下、単にディスクと記載する)125を有している。また、ディスク125の中央には強磁性体で構成されたセンターコア126が固着されていて、そのセンターコア126の中心には中心穴126aが形成されている。そして、カートリッジ本体124の円弧状に形成された前端部124aの一側方へ偏位された位置には横長の開口であるヘッド挿入穴127が上下シェル122、123間に跨がる状態に形成されていて、下シェル123のほぼ中央部にはディスク125のセンターコア126が遊びを有して嵌合されている円形のディスクテーブル挿入穴128が開口されている。
【0055】
そして、このR−HDC(大)121は、カートリッジ本体124の前端部124aを除く3面である後端部124b及び左右両側部124c、124dに沿わせるようにして円弧状に形成され、かつ、周方向に分割された複数のリブ状の上側隔壁129及び下側隔壁130を上下シェル122、123の上下対向面である内面122a、123aに垂直状で、かつ、上下対称状に一体成形し、上下シェル122、123を上下から一体に結合させることによって、これら複数の上側隔壁129及び下側隔壁130を上下から突き合わせて、これら複数の上側隔壁129及び下側隔壁130の内側にほぼ円形状のディスク収納室131を形成している。そして、そのディスク収納室131内にディスク125を回転自在で水平状に挿入し、そのディスク収納室131のほぼ中央相当位置で、下シェル123に円形のディスクテーブル挿入穴128を形成(開口)している。この際、下シェル123の内面123a上で、ディスクテーブル挿入穴128の外周に複数個、例えば3個のダボ132が一体成形されていて、ディスク125のセンターコア126がこれらのダボ132上に載置されて位置決めされ、そのディスク125が下シェル123の内面123aに対して上方に浮かされた状態で水平に支持されている。
【0056】
そして、ステンレス板等の薄い金属板で構成されたシャッター135がディスク収納室131内を前後方向に横断する状態で、ディスク125の下部で下シェル123の内面123a上に水平状に配置されている。このシャッター135には、幅の狭いほぼ扇形の水平板に形成されているディスクテーブル挿入穴開閉部136と、そのディスクテーブル挿入穴開閉部136の前端側(カートリッジ本体124の前端部124a側を言う)に合成樹脂によってアウトサート成形されて、上方に垂直状に起立され、かつ、カートリッジ本体124の前端部124aの内側に沿って円弧状に形成されたヘッド挿入穴開閉部137と、ディスクテーブル挿入穴開閉部136の後端側(カートリッジ本体124の後端部124b側を言う)に形成された回動支点側端部である基端部138と、ディスクテーブル挿入穴開閉部136の一方の側面136aで基端部138の近傍位置に形成されたばね係止部139と、ディスクテーブル挿入穴開閉部136の一方の側面136aで、基端部138から前端側へ大きな距離分偏位された位置から一側方へ延出され、基端部138の後述する支点ピン145を中心とする円弧状に形成された開閉アーム部140とが一体にプレス加工されている。なお、ディスクテーブル挿入穴開閉部136の他方の側面136bのほぼ中央部にはディスクテーブル挿入穴128に対する逃げ用の切欠き141が形成され、一方の側面136aの前端近傍位置にも後述するフィルター収納部159に対する逃げ用の切欠き142が形成されている。
【0057】
そして、ディスク収納室131の後端で、カートリッジ本体124のセンターから一側方へオフセットされた位置に、そのディスク収納室131の外周壁を構成している上下シェル122、123の上側及び下側隔壁129、130の一部を後方側(外側であること)へ凹ませることによって形成されて、そのディスク収納室131と連通されたばね収納室144を設けている。そして、そのばね収納室144内の一側部で下シェル123の内面123a上に垂直状に一体成形された回動支点である支点ピン145にシャッター135の基端部138を回動自在に挿入して、シャッター135をその支点ピン145を中心に左右方向である矢印p、q方向に回動自在に構成している。そして、シャッターばねとして、ばね力(ばね定数)の大きな捩りコイルばね147を使用していて、ばね収納室144内の他側部で下シェル123の内面123a上に垂直状に一体成形されたボス形状のばね係止部146の外周に捩りコイルばね147のコイル部148を上方から挿入して取り付けている。そして、その捩りコイルばね147のほぼハの字状に形成されている作用端149と固定端150のうちの作用端149の先端をシャッター135のばね係止部139に係止し、固定端150の先端を下シェル123の下側隔壁130の凹状部の内側に当接させて、その作用端149のばね力によってシャッター135を図70に示すシャッターの開位置から図69に示す閉位置へ矢印p方向に回動付勢している。
【0058】
そして、シャッター135のディスクテーブル挿入穴開閉部136に支点ピン145を中心とする円弧状に形成された一対の逃げ用溝151を下シェル123の内面123aでディスクテーブル挿入穴128の周辺に一体成形されている3つのダボ132のうちの2つを逃げるように係合させている。ちなみに、カートリッジ本体125の前端部125a及びその内側のシャッター135のヘッド挿入穴開閉部137は支点ピン145を中心とした円弧状に形成されている。そして、支点ピン145がカートリッジ本体124のセンターから一側方(一方の側部124c側)へオフセットされて配置されていることから、そのカートリッジ本体125の前端部125a及びシャッター135のヘッド挿入穴開閉部137は他側方(他方の側部124d側へ少し傾いた円弧状に形成されている。
【0059】
そして、シャッター135の開閉アーム部140は下シェル123の下側隔壁130の一部に形成された切欠きである凹部152を挿通して、ディスク収納室131の外部でカートリッジ本体124の後端部124b側の一側方へ突出されていて、更に、その開閉アーム部140の先端140aがカートリッジ本体124の一方の側部124cの後端側で、上下シェル122、123間に水平状に形成されたスリット153から外方へ突出されている。なお、開閉アーム部140の先端140aはほぼクランク状の屈曲部140bによってその開閉アーム部140から上方に屈曲された後に、スリット153から横外方へ水平状に突出されている。また、140bはシャッター閉状態の時(p方向に付勢中)、シェルの内壁152に押し付けられ、外からのダスト混入を防止する働きがある。そして、図50及び図51で説明したように、R−HDC(大)121をR−HDD(大)101のカートリッジホルダー104内に矢印a方向から挿入した時に、カートリッジホルダー104内の一側部に設けられているシャッター開手段(図示せず)によって開閉アーム部140の先端140aが図69に示す閉位置から図70に示す開位置まで矢印b方向に相対的に駆動される。すると、シャッター135が捩りコイルばね147の作用端149のばね力に抗して図69に示す閉位置から図70に示す開位置まで支点ピン145を中心に矢印q方向に回動されて、カートリッジ本体124のヘッド挿入穴127とディスクテーブル挿入穴128が同時に開かれるように構成されている。
【0060】
なお、図49で説明したように、ディスク125の記録、再生後に、R−HDC(大)121をR−HDD(大)101のカートリッジホルダー104から矢印b方向に抜き取ると、シャッター135が捩りコイルばね147の作用端49のばね力によって図70に示す開位置から図69に示す閉位置まで支点ピン145を中心に矢印p方向に自動的に回動されて、カートリッジ本体124のヘッド挿入穴127とディスクテーブル挿入穴128がそのシャッター135のヘッド挿入穴開閉部137とディスクテーブル挿入穴開閉部136によって自動的に同時に閉じられる。また、この時、シャッター135の屈曲部140bによってカートリッジ本体124との凹部152も同時に閉じられるように構成されている。
【0061】
また、カートリッジ本体124の後端部124b側で下シェル123の左右両コーナー近傍位置には、真円形状と長円形状の左右一対の位置決め用穴154、155が内部に開口されている左右一対の位置決め用ボス部156、157が一体成形されていて、図51で説明したように、R−HDC(大)121をカートリッジホルダー104によってドライブ本体102内に矢印c方向に装着した時に、R−HDD(大)101のドライブ本体102内に設けられている左右一対の位置決めピン(図示せず)にR−HDC(大)121の左右一対の位置決め用穴154、155が上方から嵌合されて、R−HDC(大)121がドライブ本体102内に水平状に位置決めされるように構成されている。また、その下シェル123で一方の位置決め用凸部156より内側の位置にはディスク125の誤消去防止用のライトプロテクタ158が左右方向にスライド自在に組み込まれている。
【0062】
また、カートリッジ本体124の前端部124a側で、ヘッド挿入穴127とは反対側のコーナー部分で、ディスク収納室131の外側位置にはほぼ円弧状のフィルター収納室159が上下シェル122、123の上側及び下側隔壁129、130の一部で仕切られた状態に形成されている。そして、そのフィルター収納室159の円弧方向の両端部がディスク収納室131に連通されていて、そのフィルター収納室159内には循環フィルター160が収納されている。そして、ディスク125の記録、再生時に、そのディスク125がディスク収納室131内で高速回転されることによって発生する空気流をディスク収納室131内、ばね収納室144内及びフィルター収納室159内で繰り返し循環させるようにして、R−HDC(大)121の内部のダストを循環フィルター160に吸着させて集塵することによって、R−HDC(大)121の内部の空気の清浄化を図るように構成されている。
【0063】
ところで、従来のR−HDC(大)121は、図35及び図36に1点鎖線で示すように、ディスク125の直径D11=65mm(2.5インチ)に構成されていた。そして、R−HDC(大)121の外径寸法は、左右両側部124c、124d間の最大寸法である最大横幅W11=69mmに構成され、前後両端部124a、124b間の最大寸法である最大奥行D12=72mmに構成されていた。また、カートリッジ本体124の前端部124aの支点ピン145を中心とする円弧形状の半径R11=69.75mmに構成され、その支点ピン145のカートリッジ本体124のセンターに対する一側方へのオフセット量OS11=5mmに構成され、ディスクテーブル挿入穴128の支点ピン145に対する奥行D14=34.25mmに構成されていた。
【0064】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、図57〜図59で説明したように、従来の大型のVCM119では屈曲型ヘッドアクチュエータ113に固着されているコイル181のマグネット182に対する有効長部分に相当する半径方向のオーバーラップ部分である半径方向部分181aを有している。そして、マグネット182によってその半径方向部分181aを上下方向に貫くようにして上下ヨーク183、184間に形成されている磁束Φを有する磁気回路が形成されている。そして、その磁気回路の磁束Φ中にてコイル181の半径方向部分181aに正方向の電流A1又は逆方向の電流A2を流すことによって、コイル181の半径方向部分181aにおいて矢印g方向又は矢印h方向の推力を発生させる。そして、コイル181の半径方向部分181aの長さ方向の中間位置と、回転中心軸117の中心との半径r11に上記推力を乗算した値が屈曲型ヘッドアクチュエータ113の駆動トルクとなり、この駆動トルクによって屈曲型ヘッドアクチュエータ113が矢印g、h方向に回動駆動されるように構成されている。
また、屈曲型ヘッドアクチュエータ113がVCM119によって矢印g、h方向に回動駆動される際に、上下一対の浮上ヘッドスライダー116に発生するイナーシャは、回転中心軸117の中心と浮上ヘッドスライダー116の中心との間の半径r12の2乗に比例している。
【0065】
そして、従来のR−HDD(大)101に採用されているヘッド開閉機構は、前述したように、ランプ169に一体成型されたランプアーム169aの上下両面に上下対称状に形成したカム面176と、屈曲型ヘッドアクチュエータ113の上下一対のサスペンション115に形成されたスライド用凸部117とによるスライドカム方式である。
つまり、VCM119による屈曲型ヘッドアクチュエータ113の矢印g方向又は矢印h方向のロード/アンロード時において、上下一対のサスペンション115のスライド用凸部177をランプアーム169aの上下一対のカム面176の低い水平面172、上り斜面173、高い水平面174及び下り斜面175上で矢印g1方向又は矢印h1方向にほぼ台形状にスライドさせることによって、上下一対の浮上ヘッドスライダー116を上下方向に開閉させている。
従って、その屈曲型ヘッドアクチュエータ113のロード/アンロード時には、ランプアーム169aのカム面176に対する上下一対のスライド用凸部177のスライド抵抗である摩擦駆動トルクが発生することになる。そして、この摩擦駆動トルクは、上下一対のサスペンション115の荷重と摩擦係数とヘッドアーム114の回転中心からスライド用凸部177までの半径の積に比例する。
また、この種、R−HDD(大)101では、ディスク125の記録、再生の中断時等の非使用時における耐衝撃性を図る目的で、例えば、屈曲型ヘッドアクチュエータ113を図55に示す記録エリア内ポジションP14から図53に示すアームロード/アンロードポジションP12まで矢印h方向に戻して、VCM119のコイル181への通電を切断し、その後は、マグネット182によるコイル181の吸着力によって屈曲型ヘッドアクチュエータ113をラッチするようにしたマグネットラッチ方式が採用されている。
【0066】
ここで、本発明の発明者は、R−HDD101の小型化を図るため、小型の屈曲型ヘッドアクチュエータ113の開発に成功した。そして、屈曲アクチュエータ113の小型化が達成されれば、その屈曲型ヘッドアクチュエータ113のイナーシャも前述した半径r2の2乗に比例して極端に小さくなることから、VCM118で必要な駆動トルクも極端に小さくすることが可能であり、R−HDD101の小型化には大いに歓迎されることになる。
一方、R−HDD101の小型化達成のためには、屈曲型ヘッドアクチュエータ113がランプ169を乗り越えるために、屈曲型ヘッドアクチュエータ113をロックポジションP11とアームロード/アンロードポジションP12との間で矢印g、h方向に駆動するカム機構を廃止して、ロックポジションP11と記録エリアP13の最内周位置P14との間の全領域において、屈曲型ヘッドアクチュエータ113をVCM118で矢印g、h方向に駆動することが好ましい。
しかし、ランプ169に対する上下一対のサスペンション115のスライド用凸部177の摩擦駆動トルクは大型のR−HDD101の前述した半径r2の一乗にほぼ比例するので、単に、VCM118を小型にしただけでは、屈曲型ヘッドアクチュエータ113のロード/アンロード時に、その摩擦駆動トルクに打ち勝つだけの屈曲型ヘッドアクチュエータ113の駆動トルクを得られなくなると言う問題が新たに発生してしまう。
また、VCM118の駆動トルクが小さくなれば、非使用時における屈曲型ヘッドアクチュエータ113のマグネットラッチ力も弱くなってしまい、十分な耐衝撃性を得られなくなる。つまり、そのマグネットラッチ力を発生するためのマグネット182によるコイル181の吸着力の上限は、VCM118の駆動トルクに規定されることから、そのマグネットラッチ力を十分に上げることが困難になると言う新たな問題も発生してしまう。
そして、特に、リムーバブル方式のR−HDD101では、L−HDC121によってディスク125が装着される関係で、ドライブ本体102内でのVCM118の設置スペースに関して、ハードディスク固定方式のHDDに比べて、VCM118の設置スペースが大きく制限される。
しかも、リムーバブル方式のR−HDD101では必然的にRNPローディング方式を採用しなければならないことから、このR−HDD101の小型化に伴い、VCM118による屈曲型ヘッドアクチュエータ113のローディング/アンローディング時の駆動トルク不足を招いてしまうと言う問題があった。
【0067】
本発明は、上記の問題を解決するためになされたものであって、ヘッドアクチュエータの小型化に伴うボイスコイルモータの小型化を図っても、十分な駆動トルクが得られるようにしたヘッドアクチュエータとディスク記憶装置を提供することを目的としている。
【0068】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するための本発明のヘッドアクチュエータは、回転中心軸の周りに回動されるヘッドアームの先端にサスペンションを介して浮上ヘッドスライダーを支持させ、ヘッドアームのサスペンション側とは反対側の端部に取り付けられたコイル、そのコイルの上又は下に配置されたマグネット、これらコイル及びマグネットの上下に配置された上下ヨークによってボイスコイルモータを構成し、浮上ヘッドスライダーをボイスコイルモータによってディスク外からディスク上にロード/アンロードするように構成されたヘッドアクチュエータにおいて、ボイスコイルモータにおけるコイルの回転中心軸の周りの回動駆動範囲内で、浮上ヘッドスライダーのアンロード側の端部相当位置に部分的な駆動トルク増大部分を設けたものである。
この際、ボイスコイルモータの部分的な駆動トルク増大部分をマグネットの端部の半径方向の幅を部分的に増大する凸部によって構成したり、マグネット又は一方のヨークの端部の板厚を部分的に増大する凸部によって構成することが好ましい。
また、上記の目的を達成するための本発明のディスク記憶装置は、回転中心軸の周りに回動されるヘッドアームの先端にサスペンションを介して浮上ヘッドスライダーを支持させ、ヘッドアームのサスペンション側とは反対側の端部に取り付けられたコイル、そのコイルの上又は下に配置されたマグネット、これらコイル及びマグネットの上下に配置された上下ヨークによって構成されたボイスコイルモータとからなるヘッドアクチュエータと、浮上ヘッドスライダーをボイスコイルモータによってディスク外からディスク上にロード/アンロードする際に、浮上ヘッドスライダーをディスクに対して昇降させるためのダイナミックロード/アンロード用ランプとを備えたディスク記憶装置において、ボイスコイルモータにおけるコイルの回転中心軸周りの回動駆動範囲内で、浮上ヘッドスライダーのランプ通過範囲内相当位置の駆動トルクを部分的に増大させる駆動トルク増大部分を設けたものである。
この際、ボイスコイルモータの部分的な駆動トルク増大部分をマグネットの端部の半径方向の幅を部分的に増大する凸部によって構成したり、マグネット又は一方のヨークの端部の板厚を増大する凸部によって構成することが好ましい。また、浮上ヘッドスライダーがディスクに対してコンタクト・スタート/ストップされるように構成したり、ディスクがリムーバブルディスクに構成されていることが好ましい。
【0069】
上記のように構成された本発明のヘッドアクチュエータは、浮上ヘッドスライダーをボイスコイルモータによってディスク外からディスク上にロード/アンロードする際、そのボイスコイルモータに設けられた部分的な駆動トルク増大部分によってロード時の初期範囲とアンロード時の終期範囲において駆動トルクを一時的に増大させることができる。
また、上記のように構成された本発明のディスク記憶装置は、ヘッドアクチュエータの浮上ヘッドスライダーをボイスコイルモータによってディスク外からディスク上にロード/アンロードする際、サスペンションをダイナミックロード/アンロード用ランプ上でスライドさせて浮上ヘッドスライダーをディスクに対して昇降させる際に、ボイスコイルモータに設けられた部分的な駆動トルク増大部分によってロード時の初期範囲とアンロード時の終期範囲であるサスペンションのラップ通過範囲内にて駆動トルクを一時的に増大させることができる。
【0070】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を適用した小型のリムーバブルハードディスクドライブとそれに適用される小型のリムーバブルハードディスクカートリッジの実施の形態を図1〜図47を参照して以下の順序で説明する。
(B1) ・・・ スピンドルモータの駆動制御方法に関する説明(図1〜図5)
(B2) ・・・ ダイナミックロード/アンロード機構の説明(図4〜図12)
(B3) ・・・ 小型のボイスコイルモータの駆動トルクに関する第1の実施の形態の説明(図13〜図20)
(B4) ・・・ 小型のボイスコイルモータの駆動トルクに関する第2の実施の形態の説明(図21)
(B5) ・・・ 小型のボイスコイルモータの駆動トルクに関する第3の実施の形態の説明(図22)
(B6) ・・・ 小型のボイスコイルモータの駆動トルクに関する第4の実施の形態の説明(図23)
(B7) ・・・ 小型の屈曲型ヘッドアクチュエータのヘッド配線構造の第1の実施の形態の説明(図24〜図31)
(B8) ・・・ 小型の屈曲型ヘッドアクチュエータのヘッドの配線構造の第2の実施の形態の説明(図32〜図34)
(B9) ・・・ 小型のリムーバブルハードディスクカートリッジと小型のリムーバブルハードディスクドライブの説明(図35〜図47)
【0071】
(B1) ・・・ スピンドルモータの駆動制御方法に関する説明
最初に、図1〜図5によって、本発明のディスク記憶装置である後述するR−HDD(小)のスピンドルモータの駆動制御方法に関して説明する。
まず、図2は、スピンドルモータ駆動制御手段であるスピンドルモータ駆動制御回路SCCを示したものであって、ホストコンピュータCPUからモータドライバC1に出力される回転指令信号によってスピンドルモータ10を回転駆動開始する際に、後述するカム機構18のカムギア65等に付設されているモードセンサーC2によって順次検出される後述する屈曲型ヘッドアクチュエータ13の現在位置情報に基づきスピンドルモータ10を回転開始するタイミングを制御し、かつ、モードセンサーC2によって順次検出される屈曲型ヘッドアクチュエータ13の現在位置情報によってスピンドルモータ10を停止するタイミングを制御するように構成されたものである。
【0072】
そして、このスピンドルモータ駆動制御回路SCCによれば、図1の(A)に示したスピンドルモータ10の駆動制御を行うことができる。
即ち、後述するように、ヘッドロード時に、カム機構18及びランプ69の引張りコイルばね71によって、屈曲型ヘッドアクチュエータ13を図8に示すアームロックポジションP11から図9に示すアームロード/アンロードポジションP12まで矢印g方向に回転駆動開始する際に、モードセンサーC2によって検出される屈曲型ヘッドアクチュエータ13の現在位置の情報に基づき、屈曲型ヘッドアクチュエータ13がアームロックポジションP11から矢印g方向に回転開始された瞬間から所定の待機時間Tdの経過後にスピンドルモータ10を回転開始し、所定の立ち上り時間Tsuを経て、スピンドルモータ10を定常回転数(=定常回転速度)に立ち上げている。但し、本発明のR−HDD(小)1のスピンドルモータ10の定常回転数は従来のR−HDD(大)101のスピンドルモータ110の定常回転数より高く構成されている。
そして、スピンドルモータ10の回転数が定常回転数にほぼ立ち上げられた時に、屈曲型ヘッドアクチュエータ13がアームロード/アンロードポジションP12に到達されるように構成されている。
【0073】
そして、このスピンドルモータ10の駆動制御方法を採用することにより、このR−HDD(小)1では、屈曲型ヘッドアクチュエータ13が図4及び図9に示すアームロックポジションP11から図5及び図10に示すアームロード/アンロードポジションP12まで矢印g方向に回転駆動されて、上下一対の浮上ヘッドスライダー16及び上下一対のサスペンション15の先端部分と、後述するランプアーム69aが後述するR−HDC(小)21のヘッド挿入穴27内に挿入されることにより、これらの浮上ヘッドスライダー16及びサスペンション15の先端部分と、ランプアーム69aとによってそのヘッド挿入穴27の一部が効率良く閉塞された後に、ディスク25が定常回転数に立ち上げられることになる。
【0074】
そして、図5に示すように、ヘッド挿入穴27の一部を閉塞した状態で、ディスク25を高速で回転駆動すれば、ディスク25の上下両面に発生して、ヘッド挿入穴27外の矢印D2方向に排気されようとする空気流AFが、ヘッド挿入穴27を閉塞している障害物となる上下一対の浮上ヘッドスライダー16及び上下一対のサスペンション15の先端部分と、ランプアーム69bにぶつかって、その空気流AFのR−HDC(小)21外への排出量が大幅に抑えられる。
この結果、ヘッド挿入穴27外への空気流AFの排出によってR−HDC(小)21の内部が負圧になって、ディスクテーブル挿入穴28等からR−HDC(小)21内に外部空気と一緒に吸い込まれるダストの侵入量を大幅に抑えることができる。
【0075】
従って、本発明のR−HDD(小)1によれば、R−HDC(小)21内に吸い込まれたダストがカートリッジ本体24の内壁、ディスク25の上下一対の記録面である上下両面及び上下一対の浮上ヘッドスライダー16等に付着する現象を大幅に少なくすることができて、ダストがディスク25と上下一対の浮上ヘッドスライダー16との間に付着することによって、ディスク25に対する上下一対の浮上ヘッドスライダー16の浮上量が高くなり、ヘッドの再生出力信号が小さくなって、情報の再生が不能に陥ることを未然に防止することができる。
また、ダストが上側の浮上ヘッドスライダー16の上面側に付着したために、その浮上ヘッドスライダー16のディスク25に対する浮上量が低くなって、その浮上ヘッドスライダー16が高速で回転中のディスク25に接触する事故を未然に防止することができる。そして、浮上ヘッドスライダー16がディスク25に接触されることによって、ヘッドの再生出力信号にサーマルアスペリティーと呼ばれる異常信号が検出されて、やはり、情報の再生が不能に陥ることも未然に防止することができる。
また、上下一対の浮上ヘッドスライダー16は上下一対のサスペンション15の先端にジンバル等を介して弾性的に支持されている関係で、これらの浮上ヘッドスライダー16が高速で回転中のディスク25に接触されることによって、これらの浮上ヘッドスライダー16に振動が励起されて、トラッキングがかからなくなり、情報の記録、再生が不能に陥ることも未然に防止することができる。
そして、R−HDC(小)21内に吸い込まれるダスト量が多くなることによって、上下一対の浮上ヘッドスライダー16がディスク25に連続的に接触されることによって、ヘッドクラッシュに達することも未然に防止することができて、R−HDD(小)1の耐久性を大幅に向上させることができ、信頼性の高いR−HDD(小)1を実現することができる。
【0076】
なお、図3は、R−HDD(小)1によってR−HDC(小)21内のディスク25を高速で回転駆動している時に、屈曲型ヘッドアクチュエータ13がアームロックポジションP11に待機している場合と、屈曲型ヘッドアクチュエータ13がアームロード/アンロードポジションP12に待機している場合のダスト量を測定した結果を示したものである。なお、R−HDC(小)21内のダスト量は、R−HDD(小)1の外部のダスト量と、R−HDC(小)21の内部のダスト量の比率で表した。
そして、この図3により、屈曲型ヘッドアクチュエータ13がアームロックポジションP11に待機している時のR−HDC(小)21内へのダスト侵入量が大きく屈曲型ヘッドアクチュエータ13がアームロード/アンロードポジションP12に待機している時のR−HDC(小)21内へのダスト侵入量が小さいことが判る。なお、図3に示したように、このダスト侵入量はディスク25の回転数が高くなる程多くなる。
【0077】
また、このスピンドルモータ10の駆動制御方法によれば、前述したように、スピンドルモータ10が定常回転数にほぼ立ち上げられた時に、屈曲型ヘッドアクチュエータ13が図5に示すアームロード/アンロードポジションP12に到達されるように構成されているので、屈曲型ヘッドアクチュエータ13がアームロード/アンロードポジションP12で待機している時には、ディスク25が既に定常回転数に立ち上げられている状態になる。
従って、屈曲型ヘッドアクチュエータ13がアームロード/アンロードポジションP12で待機中の時に、万一、R−HDD(小)1に落下等による大きな外部衝撃が加えられて、屈曲型ヘッドアクチュエータ13が図6(A)に示すアームロード/アンロードポジションP12から図6の(C)に示すランディングポジションP13まで矢印g方向に不用意に回転されるヘッドロードが行われたとしても、上下一対の浮上ヘッドスライダー16をディスク25の上下両面に発生している空気流AF上に安全にソフトランディングさせることができ、ディスク25上に浮上ヘッドスライダー16が衝撃的に落下されて、これらディスク25や浮上ヘッドスライダー16が破損されることを未然に防止することができる。また、ディスク25が既に回転されていることから、ヘッドロードされた上下一対の浮上ヘッドスライダー16がディスク25の上下両面に貼り付くようなスティクション現象も未然に防止することができる。
以上述べたように、R−HDC(小)21内へのダスト侵入防止の観点及びスティクション現象の防止の観点から、図2に示したスピンドルモータ駆動制御回路SCCを用いて、図1の(A)に示したスピンドルモータ10の駆動制御方法を行うのが好ましい。
【0078】
(B2) ・・・ ダイナミックロード/アンロード機構の説明
次に、図4〜図12によって、このR−HDD(小)1に使用されているダイナミックロード/アンロード機構について説明すると、このダイナミックロード/アンロード機構には、従来のR−HDD(大)101に使用されている屈曲型ヘッドアクチュエータ113、カム機構118、VCM119及びダイナミックロード/アンロード用ランプ169と同じ構造で、且つ、小型化された屈曲型ヘッドアクチュエータ13、カム機構18、VCM19及びダイナミックロード/アンロード用ランプ69が使用されている。但し、従来の大型の屈曲型ヘッドアクチュエータ113のヘッドアーム114に対する上下一対のサスペンション115の屈曲角度がほぼ直角であったのに対して、小型の屈曲型ヘッドアクチュエータ13のヘッドアーム14に対する上下一対のサスペンション15の屈曲角度は鈍角に構成されている。
【0079】
まず、後述するように、屈曲型ヘッドアクチュエータ13を回転中心軸17の周りに図9に示すアームロックポジションP11と図10に示すアームロード/アンロードポジションP12との間で矢印g、h方向に回転駆動するカム機構18は、駆動モータ61によって正逆回転駆動されるウォーム62とウォームホイール63とによって構成された減速機構兼用のセルフロック機構と、そのウォームホイール63によって複数の減速ギア64を介して矢印i、j方向に正逆回転駆動されるカムギア65とによって構成されている。そして、このカムギア65等には屈曲型ヘッドアクチュエータ13の矢印g、h方向における現在位置を順次検出するモードセンサー(図示せず)が付設されている。
【0080】
そして、カムギア65の上面にはほぼ同心円形状のカム16が一体成形されていて、このカム66が屈曲型ヘッドアクチュエータ13におけるヘッドアーム114の下面で、先端14aと回転中心軸17とのほぼ中間部分に一体に設けられたカム従動部67を駆動するように構成されている。なお、このカム66にはカム従動部67に向って矢印j方向に突出された凸部66aと、その凸部66aから矢印i方向に延びる外周面66bと、その凸部66aの矢印j方向側に形成された切欠き部66cとが形成されていて、その凸部66aと外周面66bがカム従動部67の駆動部に構成され、切欠き部66cはカム従動部67に対する逃げ用空間に構成されている。そして、屈曲型ヘッドアクチュエータ13を図9に示すアームロックポジションP11で位置決めするためのストッパー68がヘッドアーム14の下面に垂直状に固着されたストッパーピン68aと、ドライブ本体2の底部に円弧状に形成されていて、ストッパーピン68aを案内するガイド穴86bの矢印h方向側の端部68cとによって構成されている。なお、ガイド穴68bは回転中心軸17を中心とした円弧状に形成されている。
【0081】
そして、ランプ69はドライブ本体2の底部上に取り付けられた一対のスライドガイド70で案内されて上下一対の浮上ヘッドスライダー16の移動機構にほぼ沿った方向である矢印k、m方向において図9に示す待避ポジションP21と図10に示す動作ポジションP22との間でスライド自在に構成されている。そして、このランプ69とドライブ本体2との間にはスライド付勢手段である引張りコイルばね71が架設されていて、この引張りコイルばね71によってランプ69が待避ポジションP21から動作ポジションP22へ矢印k方向にスライド付勢されている。
【0082】
そして、このランプ69は合成樹脂等にて成形されていて、このランプ69の矢印k方向側の端部の上部には、屈曲型ヘッドアクチュエータ13の上下一対の浮上ヘッドスライダー16を上下一対のサスペンション15のばね力との協同作用によって上下方向に開閉するためのランプアーム69aが一体成型されている。そして、このランプアーム69aはランプ69から矢印g方向側に延出されていて、このランプアーム69aが屈曲型ヘッドアクチュエータ13の上下一対のサスペンション15の先端側の間に水平状に挿入されて配置されている。そして、このランプアーム69aは上下一対の浮上ヘッドスライダー16の矢印g、h方向の回動軌跡にほぼ沿うように円弧状に形成されてい、このランプアーム69aの回転中心軸17の周りの回転半径r1は上下一対の浮上ヘッドスライダー16の回転中心軸17の周りの回転半径r2より小さく構成されている。
【0083】
そして、このランプ69の矢印m方向側の端部の上部に一体成形されたヘッドアクチュエータ押圧部69bが屈曲型ヘッドアクチュエータ13におけるヘッドアーム14の外側面14eに矢印k方向から当接されていて、引張りコイルばね71によるランプ69の矢印k方向へのスライド付勢力がこのヘッドアクチュエータ押圧部69bを介して屈曲型ヘッドアクチュエータ13に伝達されて、この屈曲型ヘッドアクチュエータ13が引張りコイルばね71のばね力によって矢印g方向に回転付勢されるように構成されている。なお、ドライブ本体2の底部上にはランプ69を動作ポジションP22で停止するストッパー69cが固定されている。
【0084】
これらのカム機構18、ランプ69及び引張りコイルばね71は以上のように構成されていて、まず、屈曲型ヘッドアクチュエータ13を図9に示すアームロックポジションP11まで矢印h方向に回転駆動してロックする際には、カム機構18における駆動モータ61によってウォーム62−ウォームホイール63−複数の減速ギア64を介してカムギア65が図11に示す位置から図9に示す位置まで矢印j方向に回転駆動されて停止される。すると、そのカム66の凸部66aによって屈曲型ヘッドアクチュエータ13のカム従動部67が矢印j方向に押されて、この屈曲型ヘッドアクチュエータ13が回転中心軸17を中心にして図10に示すアームロード/アンロードポジションP12から図9に示すアームロックポジションP11まで矢印h方向に回動されて、ストッパー68によって停止される。そして、屈曲型ヘッドアクチュエータ13がストッパー68で停止されるのとほぼ同時に、カム66の凸部66aがカム従動部67に対して矢印j方向に逃げて、カム従動部67がカム66の外周面66bで位置規制されることになり、屈曲型ヘッドアクチュエータ13がストッパー68とカム66の外周面66bとの間で機械的に挟まれるようにして、アームロックポジションP11でそのままロックされることになる。
【0085】
そして、屈曲型ヘッドアクチュエータ13がアームロード/アンロードポジションP12からアームロックポジションP11まで矢印h方向に回動される際に、ランプ69のヘッドアクチュエータ押圧部69bがその屈曲型ヘッドアクチュエータ13によって矢印m方向に押されて、ランプ69が屈曲型ヘッドアクチュエータ13に追従して一対のスライドガイド70に沿って図10に示す動作ポジションP22から図9に示す待避ポジションP21まで矢印m方向にスライドされる。そして、このランプ69によって引張りコイルばね71が矢印m方向に引っ張られて、この引張りコイルばね71に屈曲型ヘッドアクチュエータ13を矢印g方向に回転駆動するための駆動力がチャージされる。そして、このアームロックポジションP11及び待避ポジションP21では、図4及び図9に示すように、屈曲型ヘッドアクチュエータ13の上下一対のサスペンション15の先端部分及び上下一対の浮上ヘッドスライダー16と、ランプアーム69aとが後述するR−HDC(小)21のヘッド挿入穴27の外部に引き出される。
【0086】
次に、屈曲型ヘッドアクチュエータ13を図9に示すアームロックポジションP11から図10に示すアームロード/アンロードポジションP12まで矢印g方向に回転駆動する際には、カム機構18における駆動モータ61によってウォーム62−ウォームホイール63−複数の減速ギア64を介してカムギア65が図9に示す位置から図10に示す位置まで矢印i方向に回転駆動されて停止される。すると、図10に示すように、最初に、屈曲型ヘッドアクチュエータ13のカム従動部67がカム66の外周面66bから凸部66a上に相対的に乗り上げる。そして、引き続きのカム66の矢印i方向への回転に伴い、引張りコイルばね71にチャージされている駆動力によって、ランプ69が待避ポジションP21から矢印k方向にスライド開始され、そのランプ69のヘッドアクチュエータ押圧部69bを介して屈曲型ヘッドアクチュエータ13が矢印g方向へ回転駆動される。
【0087】
従って、駆動モータ61によってカムギア65が図9に示す位置から図10に示す位置まで矢印i方向に回転駆動されることによって、引張りコイルばね71にチャージされている駆動力によって屈曲型ヘッドアクチュエータ13が回転中心軸17を中心にして図9に示すアームロックポジションP11から図10に示すR−HDC(小)21内で、ディスク25の外周近傍位置に設定されているアームロード/アンロードポジションP12まで矢印g方向に回転駆動される。そして、この屈曲型ヘッドアクチュエータ13に追従するようにして、ランプ69が図9に示す待避ポジションP21から図10に示す動作ポジションP22まで矢印k方向にスライド駆動されて、このランプ69は動作ポジションP22でストッパー69cに当接されて停止される。そして、ランプ69と一体のヘッドアクチュエータ押圧部69bも図10に示す位置で停止されて、後述するヘッドロード時には、屈曲型ヘッドアクチュエータ13がヘッドアクチュエータ押圧部69bから切り離されて矢印g方向に回転駆動されることになる。
そして、図5及び図10に示すように、屈曲型ヘッドアクチュエータ13及びランプ69がアームロード/アンロードポジションP12及び動作ポジションP22に到達した時に、上下一対のサスペンション15の先端部分及び上下一対の浮上ヘッドスライダー16と、ランプアーム69aの先端部分が後述するR−HDC(小)21のヘッド挿入穴27に挿入されて、ディスク25の外周近傍位置で停止される。
【0088】
つまり、屈曲型ヘッドアクチュエータ13は引張りコイルばね71によってアームロックポジションP11からアームロード/アンロードポジションP12まで矢印g方向に回転駆動されるが、屈曲型ヘッドアクチュエータ13がアームロード/アンロードポジションP12に到達した瞬間に、引張りコイルばね71が屈曲型ヘッドアクチュエータ13から切り離されることになる。そして、この後、カムギア65は駆動モータ61によって引き続き図11に示す位置まで矢印i方向に回転駆動されて停止され、屈曲型ヘッドアクチュエータ13のカム従動部67がカム66の切欠き部66cからカム66の前方側外部である矢印g、h方向に出入り可能となる。
【0089】
なお、カム機構18における駆動モータ61によってウォーム62−ウォームホイール63−複数の減速ギア64を介してカムギア65が図11に示す位置から矢印j方向に回転駆動されて、図9に示す位置で停止されると、図10に示すように、カム66の凸部66aが屈曲型ヘッドアクチュエータ13のカム従動部67に当接して、そのカム従動部67が矢印j方向に回動されて、屈曲型ヘッドアクチュエータ13がアームロード/アンロードポジションP12からアームロックポジションP11まで矢印h方向に押し戻される。そして、図9に示すように、屈曲型ヘッドアクチュエータ13がストッパー68によってアームロックポジションP11で停止され、これとほぼ同時に、カム66の凸部66aがカム従動部67から矢印j方向にすり抜けて、そのカム66の外周面66bとストッパー68との間で屈曲型ヘッドアクチュエータ13が挟み込まれて機械的にロックされる。
【0090】
次に、このダイナミックロード/アンロード機構によるヘッドロード/アンロードの動作について説明する。
【0091】
まず、ヘッドロード時には、R−HDD(小)1へのR−HDC(小)21の装着完了後に、ホストコンピュータ等からの記録、再生の指令信号によって、カム機構18とランプ69の引張りコイルバネ71とによって、屈曲型ヘッドアクチュエータ13を回転中心軸17の周りに図4及び図9に示すR−HDC(小)21外のアームロックポジションP11から図5及び図10に示すアームロード/アンロードポジションP12まで矢印g方向に回動駆動する。この時、前述したように、ランプ69が屈曲型ヘッドアクチュエータ13に追従するようにして図4及び図9に示す待避ポジションP21から図5及び図11に示す動作ポジションP22まで矢印k方向にスライド駆動され、ランプ69はストッパー69cに当接されて、その動作ポジションP22でそのまま停止される。
そして、屈曲型ヘッドアクチュエータ13がアームロード/アンロードポジションP12に到達し、ランプ69が動作ポジションP22に到達して停止した時に、上下一対の浮上ヘッドスライダー16及び上下一対のサスペンション15の先端部分とランプアーム69aとがR−HDC(小)21のヘッド挿入穴27内で、ディスク25の外周近傍位置に挿入される。
【0092】
そして、この後、ランプ69が動作ポジションP22で停止されたまま、屈曲型ヘッドアクチュエータ13だけが、VCM19によって図5及び図6の(A)に示すアームロード/アンロードポジションP12から図6の(B)及び図10に示すディスク25の最外周位置であるランディングポジションP13まで矢印g方向に回転駆動されて、この時に、上下一対の浮上ヘッドスライダー16がランプアーム69aの上下一対のカム面76によって上下方向に開閉されながら、ディスク25のランディングポジションP13に上下からランディングされる。
【0093】
即ち、このヘッド開閉時には、まず、図6の(A)に示すように、屈曲型ヘッドアクチュエータ13がアームロード/アンロードポジションP12にある時には、上下一対のサスペンション15のスライド用凸部77がランプアーム69aの上下両面の低い水平面72上に乗り上げている。そして、この時には、上下一対のサスペンション15の先端の上下一対の浮上ヘッドスライダー16が上下一対のサスペンション15の矢印n方向のばね力に抗して矢印o方向に少し開かれていて、これら上下一対の浮上ヘッドスライダー16の上下間隔がディスク25の厚みT1より若干大きな中間隔G1に開かれている。
【0094】
そして、図6の(B)及び(C)に示すように、ランプ69が動作ポジションP22に停止された状態で、屈曲型ヘッドアクチュエータ13がVCM19によってアームロード/アンロードポジションP12からディスク25上のランディングポジションP13まで矢印g方向に回転駆動されると、上下一対のスライド用凸部77が上下一対のサスペンション15の矢印n方向のばね力に抗してランプアーム69aの上下一対のカム面76を上り斜面73から高い水平面74まですべり上った後、下り斜面175をすべり下るようにしてほぼ台形状の移動軌跡g1に沿って矢印g方向へ移動する。
【0095】
この結果、上下一対の浮上ヘッドスライダー16の上下間隔が当初の中間隔G1からディスク25の厚みT1より十分に大きな大間隔T2に拡大されながらディスク25の上下に矢印g方向から挿入された後、上下一対のサスペンション15の矢印n方向のばね力によって、これら上下一対の浮上ヘッドスライダー16の上下間隔が縮小されながら、これら上下一対の浮上ヘッドスライダー16がディスク25のランディングポジションP13に上下からランディングされるヘッドロードが行われる。
そして、このヘッドロードの完了とほぼ同時に、上下一対のスライド用凸部77がランプアーム69aの先端から矢印g方向に外される。
【0096】
一方、前述したように、ディスク25が既に定常回転数に回転されている状態で、上下一対の浮上ヘッドスライダー16及び上下一対のサスペンション15の先端部分とランプアーム69aとをR−HDC(小)21のヘッド挿入穴27からそのR−HDC(小)21内のアームロード/アンロードポジションP12に矢印g方向から挿入させているので、図6の(C)に示すように、上下一対の浮上ヘッドアクチュエータ16がディスク25のランディングポジションP13に上下からランディングされる時点では、既に、定常回転数に達しているディスク25の上下両面にはその回転方向である矢印D1方向に沿った空気流AFが形成されている。
従って、上下一対の浮上ヘッドスライダー16はそのディスク25の上下両面の空気流AF上にソフトランディングされ、これら浮上ヘッドスライダー16はディスク25の上下両面に対して非接触状態に浮上されることになる。
【0097】
そして、この後に、図7及び図12に示すように、屈曲型ヘッドアクチュエータ13がVCM19によって矢印g方向に回転駆動されて、上下一対の浮上ヘッドスライダー16がランディングポジションP13からディスク25の記録エリア内ポジションP14内へ移動され、更に、その記録エリア内ポジションP14内における最外周位置P15と最内周位置P16との間で屈曲型ヘッドアクチュエータ13がVCM19によって矢印g、h方向にシークされて、ディスク25の上下両面の記録エリア内ポジションP14にて情報の記録、再生が行われることになる。そして、このディスク25の記録、再生中には、上下一対の浮上ヘッドスライダー16はディスク25の矢印D1方向の高速回転によってその上下両面に発生している空気流AFによって浮上され、非接触状態で情報の記録、再生を行っている。
【0098】
次に、ディスク25の記録、再生後のヘッドアンロード時には、まず、屈曲型ヘッドアクチュエータ13がVCM19によって、図12に示すディスク25の記録エリア内ポジションP14から図6の(C)及び図11に示すランディングポジションP13まで一度矢印h方向に戻された後、そのランディングポジションP13から図6の(B)(A)に示すようにアームロード/アンロードポジションP12まで矢印h方向に戻される。
【0099】
すると、この時には、前述したヘッドロード時の逆動作で、上下一対のサスペンション15の上下一対のスライド用凸部77がランプアーム69aの上下一対のカム面76を下り斜面75から高い水平面74上にすべり上った後、上り斜面73をすべり下りて、上下一対の低い水平面72まで到達するようにほぼ台形状の移動軌跡h1に沿って矢印h方向に移動する。
この結果、上下一対の浮上ヘッドスライダー16がディスク25のランディングポジションP13上からディスク25の厚みT1より十分に大きな間隔G2まで上下方向に引き離されながらディスク25の外方へ矢印h方向に排出された後、これら上下一対の浮上ヘッドスライダー16の上下間隔が当初の中間隔G1に縮小されてヘッドアンロードが行われる。
【0100】
そして、このヘッドアンロード後に、屈曲型ヘッドアクチュエータ13がカム機構18によって引張りコイルばね71に抗して図5及び図6に示すアームロード/アンロードポジションP12から図4及び図8に示すアームロックポジションP11まで矢印h方向に引き戻されて、そのアームロード/アンロードポジションP12にて機械的にロックされる。
【0101】
(B3) ・・・ 小型のボイスコイルモータの駆動トルクに関する第1の実施の形態の説明
次に、図13〜図20によって、小型のVCM19の駆動トルクに関する第1の実施の形態について説明する。
【0102】
まず、後述するR−HDD(小)に使用されている小型の屈曲型ヘッドアクチュエータ13は前述した従来の大型のR−HDD(大)101に使用されていた大型の屈曲型ヘッドアクチュエータ113に対してほぼ相似形状で、かつ、小型化されたものであって、ヘッドアーム14と、そのヘッドアーム14の先端14aの上下に所定角度(鈍角)に屈曲されて上下対称状に固着された上下一対のサスペンション15と、その上下一対のサスペンション15の先端に上下に対向されて取り付けられた上下一対の浮上ヘッドスライダー16とを有し、回転中心軸17の周りにボイスコイルモータであるVCM19によって矢印g、h方向に回転駆動されるように構成されている。
【0103】
また、VCM19は、ヘッドアーム14のサスペンション15側とは反対側の端部に固着されたコイル81と、後述するR−HDD(小)1のドライブ本体2の底部上に水平状に取り付けられたマグネット82と、上下ヨーク83、84とによって構成されている。そして、コイル81は回転中心軸17側の端部である内側端が小幅で、その反対側の外側端が次第に大幅となるほぼ扇型で扁平な空芯コイル形状に構成されている。そして、このコイル81がヘッドアーム14の先端14aとは反対側の端部14cに一体に成形されたほぼV形の左右一対の内側ウイング14d間に水平状(回転中心軸17に対する直角状)に嵌合され、このコイル81の空芯部内は樹脂層85がアウトサート成形等にて充填されることによって、このコイル81がヘッドアーム14に水平状に固着されている。
【0104】
そして、マグネット82が平板で、かつ、ヘッドアーム14の回転中心軸17を中心とした円弧状に形成されていて、上下ヨーク83、84は板金等の強磁性部材で構成されている。そして、マグネット82が上ヨーク83の下面に水平状に固着されている。そして、ほぼT型に形成されている上ヨーク83の直交する2辺には2つの位置決め用凹部83aが形成され、その上ヨーク83の中央突出端と1つのコーナ部分には回転中心軸嵌合穴83bとネジ挿通穴83cが形成されている。また、下ヨーク84には直交する2辺に垂直状に立ち上げられた2つの垂直壁84aが設けられていて、これらの垂直壁84aの上端部分のほぼ中央部には位置決め用凸部84bが形成されている。そして、この下ヨーク84の2つのコーナ部分には位置決めピン嵌合穴84cとネジ挿通穴84dが形成されている。
【0105】
そして、ドライブ本体2の底部上には位置決めピン86が垂直状に固着されていて、その位置決めピン86の上端の中心にはネジ締結用穴86aが形成されている。そして、下ヨーク84が位置決めピン嵌合穴84cによって位置決めピン86に上方から挿通されて嵌合され、この下ヨーク84がネジ挿通穴84dに上方から挿入された止ネジ87によってドライブ本体2の底部上に水平状に固着されている。そして、上ヨーク83がマグネット82を下向きにした状態で、下ヨーク84の2つの垂直壁84a上に水平状に載置されて、2つの位置決め用凹部84aを2つの位置決め用凸部84bに上方から嵌合させることによって、この上ヨーク83が下ヨーク84上に水平状に位置決めされる。そして、この上ヨーク83の回転中心軸嵌合穴83bをヘッドアーム14の回転中心軸17の上端に上方から嵌合させ、ネジ挿通穴83cに上方から挿通させた止ネジ88を位置決めピン86の上端の中心のネジ締結用穴86aに締結することによって、VCM19がドライブ本体2の底部上に水平状に組み立てられている。
【0106】
そして、このようにして組み立てられたVCM19は、上ヨーク83の下面に水平状に固着されているマグネット82の下面と水平状のコイル81の上面との間と、そのコイル81の下面と下ヨーク84の上面との間にそれぞれ僅かな隙間であるギャップ89が形成されている。そして、コイル81は矢印h方向の端部にあって、マグネット82に対する有効長部分に相当する半径方向のオーバーラップ部分である半径方向部分81aを有している。そして、マグネット82によってコイル81の半径方向部分81aを上下方向に貫くようにして上下ヨーク83、84間に形成されている磁束Φを有する磁気回路が形成されている。そして、その磁気回路の磁束Φ中にてコイル81の半径方向部分81aに正方向の電流A1又は逆方向の電流A2を印加することによって、コイル81の半径方向部分81aにおいて屈曲型ヘッドアクチュエータ13を回転中心軸17の周りに矢印g方向又は矢印h方向に回動駆動する推力を発生させている。
【0107】
そして、図14及び図16に示すように、屈曲型ヘッドアクチュエータ13がカム機構18によってアームロックポジションP11まで矢印h方向に戻された時には、VCM19におけるコイル81の矢印h方向側の端部の半径方向部分81aはマグネット82の矢印h方向の端部82aから矢印h方向に外される。
従って、屈曲型ヘッドアクチュエータ13がアームロックポジションP11に待機されている状態では、このVCM19による屈曲型ヘッドアクチュエータ13の矢印g方向への推力は殆ど発生せず、屈曲型ヘッドアクチュエータ13がカム機構18によってアームロックポジションP11からアームロード/アンロードポジションP12まで矢印g方向に機械的に回転駆動されて、屈曲型ヘッドアクチュエータ13がアームロード/アンロードポジションP12に到達した時に、図17及び図18に示すように、VCM19におけるコイル81の半径方向部分81aがマグネット82の矢印h方向の端部82aに始めてオーバーラップされて、VCM19による屈曲型ヘッドアクチュエータ13の駆動が可能になる。
【0108】
従って、屈曲型ヘッドアクチュエータ13がアームロード/アンロードポジションP12に到達、待機されている状態で、VCM19のコイル81の半径方向部分81aに電流A1又は電流A2を印加することによって、屈曲型ヘッドアクチュエータ13に矢印g方向又は矢印h方向の推力を発生させて、この屈曲型ヘッドアクチュエータ13をアームロード/アンロードポジションP12と記録エリア内ポジションP14の最内周位置P16との間で矢印g方向又は矢印h方向に回転駆動することができるように構成されている。
【0109】
なお、図14に示すように、コイル81の半径方向部分81aの長さ方向の中間位置と、回転中心軸17の中心との半径r11に上記推力を乗算した値が屈曲型ヘッドアクチュエータ13の駆動トルクとなり、この駆動トルクによって屈曲型ヘッドアクチュエータ13が矢印g、h方向に回動駆動されるように構成されている。
更に、屈曲型ヘッドアクチュエータ13がVCM19によって矢印g、h方向に回動駆動される際に、上下一対の浮上ヘッドスライダー16に発生するイナーシャは、回転中心軸17の中心と浮上ヘッドスライダー16の中心との間の半径r12の2乗に比例している。
【0110】
ところで、屈曲型ヘッドアクチュエータ13、VCM19及びランプ69を有するヘッドロード/アンロード機構を小型にしたR−HDD(小)1では、VCM19の小型化に伴う駆動トルクの減少により、屈曲型ヘッドアクチュエータ13のヘッドロード/アンロード時に、ランプアーム69aの上下一対のカム面76に対する上下一対のサスペンション15のスライド用凸部77のスライド抵抗である摩擦駆動トルクに、VCM19の駆動トルクが打ち勝つことができなくなることが懸念される。
そこで、このVCM19の第1の実施の形態では、VCM19を小型化した上で、上記の摩擦トルクに十分打ち勝つことができる駆動トルクが得られるようにしたVCM19に構成されている。
【0111】
即ち、この第1の実施の形態における小型化されたVCM19は、屈曲型ヘッドアクチュエータ13のアームロード/アンロードポジションP12と記録エリア内ポジションP14の最内周位置P16との間での矢印g、h方向の移動領域内で、特に、屈曲型ヘッドアクチュエータ13のアームロード/アンロードポジションP12とランディングポジションP13との移動領域内でのみ駆動トルクを部分的に増大させるための駆動トルク増大部分90を設けたものである。
そして、この第1の実施の形態における駆動トルク増大部分90は、回転中心軸19を中心としたほぼ扇型に形成されているマグネット82の矢印h方向の端部82aの外周部分に凸部82bを部分的に一体成形して、そのマグネット82の端部82aの回転中心軸19を中心とする半径方向の幅を部分的に拡大したものである。
【0112】
このように構成されたVCM19によれば、図17及び図18に示すように、マグネット82の矢印h方向の端部82aに、その端部82aと、その端部82aの外側に連続された凸部82bとからなる半径方向における有効幅部分を構成する幅の広い有効幅部分82cを部分的に形成することができた。
そして、屈曲型ヘッドアクチュエータ13がアームロード/アンロードポジションP12に待機された時には、図16に点線の斜線で示すように、コイル81の矢印h方向の端部が、半径方向部分81aと、その半径方向部分81aの外側に連続された外側コーナ部分81bとからなる半径方向における有効長部分を構成する長さが長い有効長部分81cをマグネット82の有効幅部分82cにオーバーラップさせることができる。
【0113】
この結果、図16に示すように、屈曲型ヘッドアクチュエータ13がアームロード/アンロードポジションP12に待機された時には、コイル81の半径方向部分81aに電流A1又は電流A2を印加して矢印g方向又は矢印h方向の推力を発生するためのコイル81のマグネット82に対する半径方向における有効長L11を、従来の半径方向部分81aの長さL12から、その半径方向部分81aの長さL12に外側コーナ部分の長さL13を加算した長さであるL11=L12+L13に拡大することができた。
そして、コイル81の有効長L11の拡大量に比例して、屈曲型ヘッドアクチュエータ13の矢印g方向又は矢印h方向の推力である駆動トルクを増大することができる。
【0114】
従って、この小型のVCM19によれば、図16及び図17に示すように、屈曲型ヘッドアクチュエータ13をアームロード/アンロードポジションP12とランディングポジションP13とのまで矢印g、h方向に回転駆動して、前述したヘッドロード/アンロードを行う際には、ランプアーム69aの上下一対のカム面76に対する上下一対のサスペンション15のスライド用凸部77のスライド抵抗である摩擦駆動トルクに十分に打ち勝つことができるトルクを得ることができる。
つまり、図16及び図17に示すように、アームロード/アンロードポジションP12とランディングポジションP13との間では、駆動トルク増大部分90によって部分的に増大され、上下一対のカム面76に対する上下一対のスライド用凸部77の摩擦駆動トルクに打ち勝つだけの大きな駆動トルクによって屈曲型ヘッドアクチュエータ13をアームロード/アンロードポジションP12とランディングポジションP13との間で矢印g、h方向に回転駆動することができる。
【0115】
そして、ヘッドロード時には、屈曲型ヘッドアクチュエータ13がアームロード/アンロードポジションP12からランディングポジションP13に到達した時点で、図6の(C)で説明したように、上下一対のスライド用凸部77が上下一対のカム面76から矢印g方向に離脱されて、屈曲型ヘッドアクチュエータ13に負荷されていた摩擦駆動トルクが除去され、屈曲型ヘッドアクチュエータ13はイナーシャのみで回転されることになる。
一方、そのヘッドロード時には、屈曲型ヘッドアクチュエータ13がアームロード/アンロードポジションP12からランディングポジションP13に到達した時点で、図19に示すように、コイル81の有効長部分81cにおける外側コーナ部分81bがマグネット82の有効幅部分82cにおける凸部82bから矢印h方向に外され、そのランディングポジションP13と記録エリア内ポジションP14の最内周位置P16との間での屈曲型ヘッドアクチュエータ13の矢印g、h方向の駆動トルクが、コイル81の有効長部分81cにおける半径方向部分81aのみによって発生される推力のみの小さな駆動トルクに減衰されることになる。
【0116】
しかし、屈曲型ヘッドアクチュエータ13のランディングポジションP13と記録エリア内ポジションP14の最内周位置P16との間の回動範囲内では、その屈曲型ヘッドアクチュエータ13はイナーシャのみで回転されるので、その屈曲型ヘッドアクチュエータ13を小さな駆動トルクによって矢印g、h方向へ軽快に回転駆動することができる。
これにより、VCM19の小型、軽量化を図りながら、上下一対のカム面76に対する上下一対のスライド用凸部77のスライド抵抗による摩擦駆動トルクが発生するアームロード/アンロードポジションP12とランディングポジションP14との間は、その摩擦駆動トルクに打ち勝つだけの大きな駆動トルクを発生することができる有効なVCM19を実現することができる。
【0117】
また、屈曲型ヘッドアクチュエータ13がアームロード/アンロードポジションP12で待機される時のコイル81のマグネット82に対する有効長L11を増大(L11=L12+L13)することができるので、ディスク25の記録、再生後の待機中等におけるR−HDD(小)1のその待機中の耐衝撃性を図るべく、屈曲型ヘッドアクチュエータ13をアームロード/アンロードポジションP12に待機している時に、コイル81への通電を切断し、マグネット82によるコイル81の吸着力によって屈曲型ヘッドアクチュエータ13をラッチするマグネットラッチ方式を採用することにより、小型のVCM19で、屈曲型ヘッドアクチュエータ13の大きなマグネットラッチ力を得ることができる。
【0118】
なお、図20は、本発明の第1の実施の形態で説明した小型のVCM19の駆動トルクに対する屈曲型ヘッドアクチュエータの回動角線図を従来のVCMと比較して示したものであって、横軸がコイルの回動角を示し、縦軸が駆動トルク定数を示している。また、図20の下部には、ランプ69に対するスライド用凸部77の乗り越え領域及び浮上ヘッドスライダー16のディスク25に対する位置を判別し易いように、ランプ69及びディスク25の記録、再生領域を模式的に示している。
【0119】
そして、この図20から明らかなように、従来のVCMでは、ランプ69を乗り越える回動角線内での駆動トルクが著しく落ち込んでいるのに対して、本発明の小型のVCM19はランプ69を乗り越える回動角線内での駆動トルクの落ち込みがなく、ランプ69を乗り越える回動角線内で駆動トルクが最大となることが判る。
【0120】
(B4) ・・・ 小型のボイスコイルモータの駆動トルクに関する第2の実施の形態の説明
次に、図21によって、小型の屈曲型ヘッドアクチュエータ13のVCM19の第2の実施の形態について説明すると、この場合の部分的な駆動トルク増大部分90は、回転中心軸17を中心とした扇型に形成されているマグネット82の矢印h方向の端部82aの内側に一体成形した内側の凸部82(斜線部分)によって構成したものである。そして、コイル81がアームロード/アンロードポジションP12で待機された時に、コイル81の半径方向部分81aの内側コーナ部分81dが凸部82d上にオーバーラップされるように構成したものである。
【0121】
従って、この第2の実施の形態においても、前述した第1の実施の形態と同様に、屈曲型ヘッドアクチュエータ13がアームロード/アンロードポジションP12で待機されている時に、VCM19におけるマグネット82に対するコイル81の有効長L11を半径方向部分81aの長さL12に内側コーナ部分81cの長さL14を加算したL11=L12+L14に拡大することができて、屈曲型ヘッドアクチュエータ13をロックポジションP1から矢印g方向側へ回動駆動する初期範囲である小ストロークS12内での矢印g方向の駆動トルクを一時的に増大させることができる。なお、この際、マグネット82の端部82aの外側と内側との2箇所に、図16に示した外側凸部82bと、図21に示した内側凸部82dとをほぼT型に一体成形することもできる。
【0122】
(B5) ・・・ 小型のボイスコイルモータの駆動トルクに関する第3の実施の形態の説明
次に、図22によって、小型のVCM19の第3の実施の形態について説明すると、この場合の部分的な駆動トルク増大部分90は、回転中心軸17を中心とした扇型に形成されているマグネット82の矢印h方向側の端部82cの下面に、斜線で示したような板厚方向の凸部82eを形成して、屈曲型ヘッドアクチュエータ13のアームロード/アンロードポジションP12と記録エリア内ポジションP14の最内周位置P16との間の回動ストロークS11内におけるアームロード/アンロードポジションP12とランディングポジションP13との間の小ストロークS12の範囲内におけるマグネット82とコイル81との間のギャップ89の幅G11をストロークS11内のランディングポジションP13と記録エリア内ポジションP14の最内周位置P16との間の大ストロークS13の範囲内におけるギャップ89の幅G12より小さく構成したものである。
【0123】
そして、この第3の実施の形態では、小ストロークS12内のギャップ89の幅G11がストロークS13内のギャップ89の幅G12より小さく構成されていることから、その小ストロークS12内における磁束Φの漏洩磁束が大ストロークS13内における磁束Φの漏洩磁束より小さいことを利用して、屈曲型ヘッドアクチュエータ13をアームロード/アンロードポジションP12とランディングポジションP13との間で矢印g、h方向に回転駆動する時の駆動トルクを部分的に増大させることができる。
なお、この場合、図22に1点鎖線で示すように、マグネット82の下面をフラットに形成し、下ヨーク84の上面に凸部84fを形成して、コイル81と下ヨーク84との間の小ストロークS12の範囲内のギャップ89の幅G11′を他のストロークS13の範囲内のギャップG12′より小さくしても良い。
【0124】
(B6) ・・・ 小型のボイスコイルモータの駆動トルクに関する第4の実施の形態の説明
次に、図23によって、小型のVCM19の第4の実施の形態について説明すると、この場合の部分的な駆動トルク増大部分90は、コイル81の半径部分81aの中間部分等に湾曲部分81eを形成して、その半径部分81aの有効長L11を増大させたものであり、マグネット82のストロークS11中における矢印g方向側の大ストロークS13の範囲でコイル81の湾曲部分81eに対向する部分に沿って円弧状のスリット82gを形成するか、或いは、図23に1点鎖線で示すように、マグネット82の矢印h方向側の小ストロークS12内の半径方向の幅MW1より矢印g方向側の大ストロークS13内の半径方向の幅MW2を小さくしたものである。
【0125】
従って、この第4の実施の形態においても、前述した第1〜第3の実施の形態と同様に、屈曲型ヘッドアクチュエータ13をアームロード/アンロードポジションP12とランディングポジションP13との間の小ストロークS12内における駆動トルクを部分的に増大させることができる。
【0126】
(B7) ・・・ 小型の屈曲型ヘッドアクチュエータのヘッド配線構造の第1の実施の形態の説明
次に、図24〜図31によって、小型の屈曲型ヘッドアクチュエータのヘッド配線構造の第1の実施の形態について説明する。
【0127】
まず、この小型の屈曲型ヘッドアクチュエータ13は、上下一対のサスペンション15の基端15aの上下対向面に板厚が厚い上下一対のベースプレート15bをそれぞれ加締め等にて固着し、その上下一対のベースプレート15bをヘッドアーム14の先端14aの上下に所定角度に屈曲させて上下平行状に固着している。なお、この際、上下一対のベースプレート15bの上下対向面に一体に加工されている加締め用ボス15cをヘッドアーム14の先端14aの上下に貫通されて形成されている加締穴14bの上下両端部内に上下から圧入させて固着することによって、これら上下一対のサスペンション15をヘッドアーム14の先端14aに上下対称状に固着し、屈曲型ヘッドアクチュエータ13の屈曲部13aを形成している。
【0128】
そして、上下一対のサスペンション15の先端には二股形状のフレクシャー15dが一体に加工されていて、そのフレクシャー15dの先端部分の内側にはジンバル15eが支持され、そのジンバル15eの上下対向面に上下一対の浮上ヘッドスライダー16が接着等にて上下対称状に固着されている。なお、上下一対のサスペンション15は基端15aから先端であるフレクシャー15dに至るに従ってヘッドアーム14の板厚方向の中心に向うように上下対称状に屈曲されている。
【0129】
そして、このヘッド配線構造91の第1の実施形態では、図24に示すように、屈曲型ヘッドアクチュエータ13がアームロックポジションP11まで矢印h方向に戻されてロックされた状態で、その屈曲型ヘッドアクチュエータ13の後方側である矢印a方向側で、回転中心軸17の近傍位置における屈曲型ヘッドアクチュエータ13より低い位置に図49で説明した従来のR−HDD(大)101における外部インターフェース192と同様で、小型である外部インターフェース(図示せず)に接続された信号基板92を水平状に配置している。
【0130】
そして、屈曲型ヘッドアクチュエータ13におけるヘッドアーム14の先端14aと回転中心軸17との間のヘッドアーム14の外側面(矢印a方向側の面)14eに設定された中継点93と信号基板92との間が広幅のフレキシブルプリント基板94をほぼU字状に湾曲させて、長さに余裕のある状態に接続されている。なお、そのフレキシブルプリント基板94のヘッドアーム14側の可動端94aはヘッドアーム14の外側面14eに接着等にて固着されていて、そのフレキシブルプリント基板94の可動端94aの近くから分岐された配線部94bがVCM18のコイル81に接続されている。そして、その中継点94と屈曲型ヘッドアクチュエータ13の上下一対の浮上ヘッドスライダー16との間が上下一対の配線部材である上下一対の細長いフレキシブルプリント基板95によって接続されている。
【0131】
そして、これら上下一対のフレキシブルプリント基板95の上下一対の浮上ヘッドスライダー16側が左右に二股状に分岐された二股部95aに形成されている。そこで、まず、これら上下一対のフレキシブルプリント基板95の二股部95aを上下一対のサスペンション15の上下対向面15dに沿って接着する等して、これら上下一対の二股部95aを上下一対のサスペンション15の先端側へ配線して、これらの二股部95aのそれぞれの先端95bを二股状のフレクシャー15dに沿って上下一対の浮上ヘッドスライダー16の外側を迂回させて、その浮上ヘッドスライダー16のヘッドチップ16a側の端部に配置されている接続用端子16bにフレキシブルプリント基板95の二股部95aの先端95bを半田付け等にて接続している。なお、この際、その二股部95aは後述する上下一対のサスペンション16のほぼ中間部分における上下対向面に形成されている上下一対のスライド用凸部77の左右両側を通るように配線される。
【0132】
そして、これら上下一対のフレキシブルプリント基板95の二股部95aとは反対側の端部である基端部95cを屈曲型ヘッドアクチュエータ13の屈曲部13a部分において上下一対のサスペンション15の内側面15f及びヘッドアーム14の先端14aの内側面14fの内側へ引き出し、更に、この基端部95cをヘッドアーム14の先端14aの上下に固着されている上下一対のベースプレート15bの厚みによる上下一対の隙間96を利用して、屈曲型ヘッドアクチュエータ13の屈曲部13aの内側を短絡(ショートカット)させるようにしてヘッドアーム14を幅方向に横断させて、そのヘッドアーム14の外側面14eの外側に引き出している。そして、その上下一対のフレキシブルプリント基板95の基端部95cの先端95dを中継点93にてフレキシブルプリント基板94に接続している。
【0133】
なお、この際、図5に示すように、上下一対のフレキシブルプリント基板95の二股部95aの先端95bは上下一対のサスペンション15における上下一対の二股状のフレクシャー15cの上下対向面に絶縁層97を介してプリント配線されている。従って、これらの先端95bを上下一対の浮上ヘッドスライダー16の接続用端子16bに容易に半田付け等にて接続することができる。
また、図14に示すように、上下一対のフレキシブルプリント基板95の基端部95cの先端95dは、ヘッドアーム14の外側面14eに接着等にて固着されているフレキシブルプリント基板94の可動端94aの外側に半田付け又は金ボール接続等によって接続されている。
【0134】
本発明のR−HDD(小)1におけるヘッド配線構造91の第1の実施の形態は、以上のように構成されていて、配線部材であるフレキシブルプリント基板95の基端部95cを屈曲型ヘッドアクチュエータ13の屈曲部13aの内側を短絡(ショートカット)させるようにして、ヘッドアーム14の外側の中継点93へ引き出したものである。
従って、図30に示した従来のフレキシブルプリント基板95の配線長に比べて著しく短縮させることができた。
【0135】
即ち、図7は、本発明の小型の屈曲型ヘッドアクチュエータ13に対するフレキシブルプリント基板95の配線に関して、図65で説明した従来の設計手法を用いて、その屈曲型ヘッドアクチュエータ13の屈曲部13aの外側を迂回させるように配線した例を示したものであり、この場合には、屈曲型ヘッドアクチュエータ13の回転中心軸17の中心と浮上ヘッドスライダー16の中心との間の距離L3=31.4mmに対して、フレキシブルプリント基板95の平均配線長L4=33.95mmとなり、そのフレキシブルプリント基板95の重量が重くなることから、フレキシブルプリント基板95の板厚=20μmの場合に、屈曲型ヘッドアクチュエータ13の回転中心軸17周りのイナーシャ=3.29×10gmmであった。
【0136】
これに対して、図29に示す本発明の小型の屈曲型ヘッドアクチュエータ13に対するフレキシブルプリント基板95の本発明の配線の設計手法を採用すれば、屈曲型ヘッドアクチュエータ13の回転中心軸17の中心と浮上ヘッドスライダー16の中心との間の距離L3=31.4mmが同じであれば、フレキシブルプリント基板95の平均配線長L4=31.65mmにまで大幅に短縮することができ、そのフレキシブルプリント基板95の重量を大幅に軽減することができて、フレキシブルプリント基板95の板厚=20μmが同じであれば、屈曲型ヘッドアクチュエータ13の回転中心軸17周りのイナーシャ=2.9×10gmmにまで大幅に軽減させることができた。
【0137】
この結果、本発明の配線手法を用いた小型の屈曲型ヘッドアクチュエータ13は、後述するディスク25に対する上下一対の浮上ヘッドスライダー16のシーク時のイナーシャを大幅に軽減させることができて、トラッキング性能が向上し、高速トラッキングが可能となる。
【0138】
その上に、本発明の配線手法を用いた小型の屈曲型ヘッドアクチュエータ13によれば、フレキシブルプリント基板95の基端部95cを屈曲型ヘッドアクチュエータ13の屈曲部13aの内側で短絡(ショートカット)させていて、屈曲部13aの外側を迂回させていないので、図65で説明したようなデッドスペースDSがその屈曲部13aの外側に全く発生しない。
この結果、図24に示すように、前述したカム機構18の駆動モータ61等をアームロックポジションP11位置まで矢印h方向に戻された屈曲型ヘッドアクチュエータ13の屈曲部13aの後方位置に極く僅かに接近距離L5まで接近させることができる。このことは、前述したR−HDD(小)1内に装着される後述するR−HDC(小)21と、最後部位置に配線されるカム機構18の駆動モータ61等との間の距離を短縮することができて、R−HDD(小)1のより一層の小型化が可能になる。
【0139】
なお、このヘッド配線構造の第1の実施形態では、上下一対のフレキシブルプリント基板95を上下一対のサスペンション15の上下対向面である内側面に沿って配線したものについて説明したが、この第1の実施形態では、上下一対のサスペンション15の上下対向面とは反対側の外側面(上側サスペンション15の上面と下側サスペンションの下面)に沿ってフレキシブルプリント基板95を配線することもできる。
【0140】
(B8) ・・・ 小型の屈曲型ヘッドアクチュエータのヘッド配線構造の第2の実施の形態の説明
次に、図32〜図34によって、小型の屈曲型ヘッドアクチュエータのヘッド配線構造の第2の実施の形態について説明すると、この小型の屈曲型ヘッドアクチュエータ13は、上下一対のサスペンション15の基端15aをヘッドアーム14の先端14aの上下に所定の角度に屈曲させて上下対称状に固着する際に、これら上下一対のサスペンション15の基端15aの外側面(上側サスペンション15の上面と下側サスペンション15の下面)に上下一対のベースプレート15bを加締め等にて平行に固着し、これら上下一対のベースプレート15の上下対向面に一体に加工されている加締め用ボス15cを、前述同様に、ヘッドアーム14の先端14aの上下に貫通されて形成されている加締め穴14bの上下両端部内に上下から圧入させて固着している。
【0141】
そして、このヘッド配線構造の第2の実施の形態では、上下一対のフレキシブルプリント基板95の二股部95aを小型の屈曲型ヘッドアクチュエータ13の上下一対のサスペンション15の上下対向面に沿って配線して、これらの先端95bを上下一対の浮上ヘッドスライダー16に接続した後、これら上下一対のフレキシブルプリント基板95の基端部95cを上下一対のサスペンション15の内側面15eから内側へ突出させることなく、上下一対の基端部95cを圧入軸14bの外周の内側に沿ってほぼ円弧状に湾曲させるようにして、ヘッドアーム14の外側面14eの外側へ引き出して中継点93のフレキシブルプリント基板94の可動端94aに接続したものである。
【0142】
従って、この配線構造の第2の実施の形態によれば、フレキシブルプリント基板95を浮上ヘッドスライダー16と中継点93との間で、最短距離に配線することが可能であり、そのフレキシブルプリント基板95の配線長を第1の実施の形態におけるフレキシブルプリント基板95の配線長より更に短縮することができる。
これにより、上下一対のフレキシブルプリント基板95の重量をより一層軽くすることができて、屈曲型ヘッドアクチュエータ13の回転中心軸17を中心とする矢印g、h方向の回動時のイナーシャをより一層小さく抑えることができる。
なお、その他の構成は第1の実施の形態と同様である。
【0143】
(B9) ・・・ 小型のリムーバブルハードディスクカートリッジと小型のリムーバブルハードディスクドライブの説明
次に、図35〜図45によって、小型のリムーバブルハードディスクカートリッジと、小型の屈曲型ヘッドアクチュエータ13が使用された小型のリムーバブルハードディスクドライブについて説明すると、まず、図35〜図43等に示すように、小型のリムーバブルディスクカートリッジである小型のリムーバブルハードディスクカートリッジ(以下、単にR−HDC(小)と記載する)21は、従来の大型のリムーバブルハードディスクカートリッジであるR−HDC(大)121とほぼ相似形状であって、かつ、従来のR−HDC(大)121に比べて大幅に小型化されたものである。従って、このR−HDC(小)21は、従来のR−HDC(大)121の上下シェル122、123、カートリッジ本体124、ディスク125、センターコア126、ヘッド挿入穴127、ディスクテーブル挿入穴128、上下両隔壁129、130、ディスク収納室131及び3つのダボ132にそれぞれ対応する上下シェル22、23、カートリッジ本体24、ディスク25、センターコア26、ヘッド挿入穴27、ディスクテーブル挿入穴28、上下両隔壁29、30及びダボ32等を備えている。
【0144】
また、このR−HDC(小)21は、従来のR−HDC(大)121のシャッター135、ディスクテーブル挿入穴開閉部136、ヘッド挿入穴開閉部137、基端部138、ばね係止部139、開閉アーム部140、切欠き141、142、ばね収容室144、支点ピン145、ばね係止部146、捩りコイルばね147、逃げ用溝151、凹部152、スリット153、位置決め用穴154、155、位置決め用凸部156、157、ライトプロテクタ158、フィルタ−収納室159及び循環フィルタ−160にそれぞれ対応するシャッター35、ディスクテーブル挿入穴開閉部36、ヘッド挿入穴開閉部37、基端部38、ばね係止部39、開閉アーム部40、切欠き41、42、ばね収納室44、支点ピン45、ばね係止部46、捩りコイルばね47、ガイド溝51、凹部52、スリット53、位置決め用穴54、55、位置決め用ボス部56、57、ライトプロテクタ58、フィルタ−収納室59及び循環フィルター60等も備えている。
【0145】
そして、このR−HDC(小)21は、図35〜図40及び図44等に示すように、ディスク25の直径D1が約50mm以下、好ましくは、直径D1=48mm(1.89インチ)に構成され、そのディスク25の厚みT1が約0.7mm以下、好ましくはT1=0.508mm(図44参照)に構成されている。そして、R−HDC(小)21のカートリッジ本体24の外径寸法は、左右両側部24c、24d間の最大横幅寸法である最大横幅W1が約53mm以下、好ましくは最大横幅W1=51.6mmに構成され、前後両端部24a、24b間の最大寸法である最大奥行D2が約56mm以下、好ましくは最大横幅W1=54mmに構成され、最大厚さT2が約6mm以下、好ましくは最大厚さT2=4mmに構成されていた。そして、カートリッジ本体24の円弧状の前端部24aのシャッター35の支点ピン45を中心とする半径R1が約53mm以下、好ましくは半径R1=51.7mmに構成され、横長形状のヘッド挿入穴27の長さL1が約18mm以下、好ましくは長さL1=16.35mmに構成され、円形のディスクテーブル挿入穴28の直径D3が約12mm以下、好ましくは直径D3=10mmに構成されている。なお、カートリッジ本体24のセンターに対する支点ピン45の一側方へのオフセット量OS1=約3.6mmに構成され、ディスクテーブル挿入穴28の支点ピン45に対する奥行D4=約25.2mmに構成され、ヘッド挿入穴27の長さL1=約16.35mmに構成され、カートリッジ本体24の一方の側部24dに対するヘッド挿入穴27の他方の側部24c側の端部までの距離L2=約18mmに構成されている。
【0146】
以上のように構成されたR−HDC(小)21によれば、特に、直径D1が約50mm以下(好ましくはD1=48mm)の小型のディスク25を採用したことにより、カートリッジ本体24の最大横幅W1を約53mm以下(好ましくはW1=51.6mm)に縮小し、最大奥行D1を約72mm以下(好ましくはW1=54mm)に縮小することができて、このR−HDC(小)21を従来の大型のR−HDC(大)121に比べて数10%以下に縮小することができた。従って、このR−HDC(小)21は従来の大型のR−HDC(大)121に比べて相似形状で、かつ、大幅に小型化されていることから、携帯性や収納性等を格段に向上させることができ、それでいて、高容量(高密度)の情報記録、再生が可能であると言う特徴を備えている。
【0147】
なお、図41は、従来のR−HDC(大)121を記録、再生する大型の屈曲型ヘッドアクチュエータ113を用いた従来の大型のディスク記憶装置であるR−HDD(大)101と、R−HDC(小)21を記録、再生する小型の屈曲型ヘッドアクチュエータ13を用いることができる小型のディスク記憶装置であるR−HDD(小)1との大きさを比較するために示した図面であり、従来のR−HDC(大)121と、大型の屈曲型ヘッドアクチュエータ113及び大型のR−HDD(大)101の外径を1点鎖線で示していて、R−HDC(小)21と、小型の屈曲型ヘッドアクチュエータ13及びR−HDD(小)1の外径を実線で示している。
【0148】
そして、前述したように、R−HDC(小)21を従来のR−HDC(大)121に比べて大幅に小型化することができたことから、図41で明らかなように、R−HDC(小)21を記録、再生する屈曲型ヘッドアクチュエータ13もそれに比例して従来の大型の屈曲型ヘッドアクチュエータ113に比べて大幅に小型化することができることから、その小型の屈曲型ヘッドアクチュエータ13を使用することができるR−HDD(小)1も従来の大型のR−HDD(大)101に比べて大幅に小型化することが可能になる。
【0149】
つまり、R−HDC(小)21を記録、再生するR−HDD(小)1の横幅寸法W3及び奥行寸法D5を従来のR−HDC(大)121を記録、再生するR−HDD(大)101の横幅寸法W13及び奥行寸法D15に比べて大幅に縮小することができる。従って、このR−HDD(小)1はR−HDC(小)21と同様に、携帯性及び収納性等を格段と向上することができるものである。
【0150】
ところで、前述したように、R−HDD(小)1に使用される小型の屈曲型ヘッドアクチュエータ13は従来の大型のR−HDD(大)101に使用されていた大型の屈曲型ヘッドアクチュエータ113に対してほぼ相似形で、かつ、小型化されたものであって、前述したように、ヘッドアーム14と、そのヘッドアーム14の先端14aに所定角度に屈曲されて取り付けられた上下一対のサスペンション15と、その上下一対のサスペンション15の先端に上下に対向されて取り付けられた上下一対の浮上ヘッドスライダー16とを有し、回転中心軸17の周りにリニアモータである小型のボイスコイルモータ18によって矢印g、h方向に回転駆動されるように構成されている。なお、前述した小型のVCM19が図41に実線で示した小型のR−HDD(小)1のドライブ本体2の底部上に取り付けられている。また、この屈曲型ヘッドアクチュエータ13には、図41では図示を省略したが、従来の大型のR−HDD(大)101内に組み込まれているカートリッジホルダー104、昇降機構106、スピンドルモータ110等をほぼ相似形状の小型にしたものが組み込まれることになる。
【0151】
そして、この小型の屈曲型ヘッドアクチュエータ13は、前述したように、従来の大型の屈曲型ヘッドアクチュエータ113と同様の動作でR−HDC(小)21のディスク25に情報の記録、再生を行うことができる。
つまり、前述したR−HDD(大)101によるR−HDC(大)121の記録、再生と同様に、R−HDC(小)21はR−HDD(小)1内に挿入されて、シャッター35が図41に示した閉位置から図42に示した開位置まで捩りコイルバネ47に抗して矢印m方向に回動されて、ヘッド挿入穴27とディスクテーブル挿入穴28が同時に開かれた後、このR−HDC(小)21がスピンドルモータ10上に装着されて、スピンドル10aがセンターコア26の中心穴26a内に挿入されると共に、センターコア26がディスクテーブル11上にマグネットチャッキングされる。
【0152】
そして、このR−HDC(小)21の装着後に、前述したように、屈曲型ヘッドアクチュエータ13をカム機構18ランプ69とによって回転中心軸17の周りに図47に実線で示すR−HDC(小)21外のアームロックポジションP11から1点鎖線で示すアームロード/アンロードポジションP12まで矢印g方向に回転駆動し、屈曲型ヘッドアクチュエータ13がアームロード/アンロードポジションP12に到達するのとほぼ同時にスピンドルモータ10を定常回転数に立ち上げてディスク25を高速で回転駆動する。そして、この後に、屈曲型ヘッドアクチュエータ13をVCM19によって図42に1点鎖線で示すアームロード/アンロードポジションP12から図43に実線で示すランディングポジションP13まで矢印g方向に回転駆動して、上下一対の浮上ヘッドスライダー16をディスク25のランディングポジションP13にヘッドロードする。なお、この際、上下一対の浮上ヘッドスライダー16をディスク25の上下両面に発生している空気流AF上にソフトランディングさせる。そして、この後、引き続き、VCM19によって屈曲型ヘッドアクチュエータ13を図43に1点鎖線で示すディスク25の記録エリア内ポジションP14の最内周位置15と最外周位置P16との間でディスク25に対して非接触状態で矢印g、h方向にシークして、ディスク25の情報の記録、再生を行う。
【0153】
なお、このディスク25の記録、再生の終了後には、ヘッドロード時の逆動作で、屈曲型ヘッドアクチュエータ13をVCM19によってディスク25上の記録エリア内ポジションP14からランディングポジションP13を経てアームロード/アンロードポジションP12まで矢印h方向にアンロードした後、屈曲型ヘッドアクチュエータ13をカム機構18によってアームロード/アンロードポジションP12からアームロックポジションP11まで矢印h方向に戻してロックする。
そして、この後に、R−HDD(小)1のイジェクト釦を押せば、R−HDC(小)21がスピンドルモータ11から上方に離脱された後、R−HDD(小)1のカートリッジ挿入口外へ排出され、その際に、シャッター35が開位置から閉位置へ捩りコイルバネ47によって回動されることになる。そして、R−HDC(小)21をR−HDD(小)1のカートリッジ挿入口外へ抜き取ることになる。
【0154】
次に、R−HDC(小)21の各部の詳細を説明する。
まず、図44〜図46に示すように、カートリッジ本体24のばね収納部46が上下シェル22、23の隔壁29、30の外側に配置されていて、このばね収納部46がディスク収納室31の外側に独立されて設けられている。そして、シャッター35の円弧状の開閉アーム部40が下シェル23に形成されている凹部52を通してばね収納部46内に挿入されていて、このばね収納部46内のばね係止部46の外周にコイル部48が挿入されて係止された捩りコイルばね47の作用端49の先端がシャッター35の開閉アーム部40の先端部40aの付根部分に形成されている屈曲部40bに当接されている。
【0155】
このように構成すれば、支点ピン45と、捩りコイルバネ47の作用端49のシャッター35に対する作用点との間の半径を大きくとることができるので、捩りコイルばね47のばね力を小さく設定しても、シャッター35の閉方向である矢印k方向への回動付勢力を十分に大きく設定することができて、シャッター35の矢印k、m方向の開閉動作をスムーズに行える上に、ばね収納部46をディスク収納室31の外側に独立させて配置したことによって、このばね収納部46内の特に捩りコイルばね47のコイル部48等に付着、堆積され易いダスト等がディスク収納室31内へ侵入して、ディスク25の上下記録面に付着し、ドロップアウト等の不都合を招くことを未然に防止できる。
【0156】
次に、図44、図45及び図47は、R−HDC(小)21の非使用時における要部の拡大断面を示したものであって、図44は図35のE−E矢視で、一部を展開した拡大断面を示していて、図45は図35のF−F矢視での拡大断面を示している。
そして、前述したように、ディスク25の厚みT1=0.508mmであり、R−HDC(小)21の最大厚さT2=4mmに構成されていて、上下シェル22、23の内面22a、23a間に形成されているディスク収納室31の上下方向の高さT3=2.2mmに構成され、シャッター35の厚みT4=0.2mmに構成されている。
【0157】
そして、センターコア26はディスク25の中央部分に形成された円形穴25bの上下に接着等にて固着された円板形の板金等の強磁性部材で構成されている下側部材26bと、板ばね部材と絶縁部材等からなる上下2層状態の上側部材26cとによって構成されていて、板厚が厚く構成されている下側部材26bの中央に中心穴26aが形成されている。なお、上側部材26cの中央には上方に向って膨出加工された中心筒部26dが形成されている。
【0158】
そして、下シェル23の内面23aで、ディスクテーブル挿入穴28の外周の3箇所に一体成形された3つのダボ32の高さT5=0.25mmに構成されていて、このダボ32の高さT5はシャッター35の厚みT4=0.2mmより0.05mm高く構成されている。従って、図44及び図45に示すように、非使用時等において、ディスク25がセンターコア26の下側部材26bの外周部分の下面で3つのダボ32の上部に水平状に載置された時には、その下側部材26bとシャッター35との間には0.05mmの隙間33が形成されることになり、その状態でシャッター35の開閉が可能となるように構成されている。
なお、シャッター35の前端側に合成樹脂によってアウトサート成形された垂直状に起立され、かつ、円弧状に形成されたヘッド開閉部37は上下シェル22、23の内面22a、23aに円弧状に形成された上下一対のガイド溝34内で前述した矢印k、m方向にスライドされるように構成されている。
【0159】
次に、図44及び図45に示すように、R−HDC(小)21のカートリッジ本体24における上シェル22の内面22aの中心位置には中心ピン22bが下向きの垂直状に一体成形されていて、この中心ピン22aの外径寸法D3はセンターコア26の上側部材26bの中心上部に形成されている中心円筒部26dの内径寸法D4より小さく構成されている。そして、図44及び図45に示すように、ディスク25がセンターコア26によって3つのダボ32上に水平状に載置された状態で、センターコア26の中心円筒部26dの上端部分が中心ピン22bの下端部分の外周に環状の隙間22cを有する状態で浅く挿入されるように構成されている。
【0160】
従って、R−HDC(小)21の非使用状態の時でも、センターコア26の中心円筒部26dが上シェル22の中心ピン22bの下端部分の外周に浅く挿入されていることから、図45に示すように、この非使用状態で、カートリッジ本体24に水平方向である矢印n方向の外部衝撃等が加えられても、中心円筒部26dが中心ピン22bの側面に衝突して、カートリッジ本体24内でのディスク25の矢印n方向の大きな位置ずれを未然に防止することができる。従って、ディスク25のセンターコア26を3つのダボ32上に常に安定良く水平状に載置しておくことができ、センターコア26が3つのダボ32の1つから矢印n方向にすべり落ちて、ディスク25の下側記録面25dが下シェル23の内面23aやシャッター35に接触されて記録データが損傷されることを未然に防止できる。
【0161】
そして、前述したように、R−HDC(小)21の使用時には、R−HDC(小)21がR−HDD(小)1内に挿入されて、図46に示すように、ディスク25のセンターコア26の中心穴26aにスピンドルモータ10のスピンドル10aが下方から相対的に挿入され、そのセンターコア26の強磁性部材で構成されている下側部材26bがディスクテーブル11上に、そのディスクテーブル11内に挿入されているチャッキングマグネット12によって水平状にマグネットチャッキングされた時に、センターコア26の下側部材26bが3つのダボ32から上方に水平状に浮上されて、ディスク25がディスク収納室31内の上下方向のほぼ中央位置に浮上されて、ディスク25の上下記録面25c、25dへの情報の記録、再生が可能になるように構成されている。そして、この時に、センターコア26の中心円筒部26dが上シェル22の中心ピン22bの外周にクリアランス(遊び)を有する状態に深く挿入されるように構成されている。
【0162】
また、センターコア26の板ばね部材で構成されている上側部材26cの外周部分の上面には中心円筒部26dと同心円形状で、かつ、剪断面形状が浅いほぼ円弧状に形成された上向きの環状凹部26eが中心円筒部26dと同心円形状に形成されていて、その環状凹部26eに対向されるように剪断面形状がやや深いほぼ円弧状に形成された下向きの環状凸部22dが上シェル22における内面22aに中心ピン22bの同心円形状に形成されている。
【0163】
そして、図46に示すように、R−HDC(小)21の非使用状態の時で、カートリッジ本体24に加えられた外部衝撃等によって、ディスク収納室31内のディスク25に上シェル22側である矢印o方向へのスラスト力が加えられたり、カートリッジ本体24の上下シェル22、23の上下(天地)が反転された時には、センターコア26の中心円筒部26dの上端が上シェル22の内面22aで中心ピン22bの外周部分に矢印o方向から当接されて、その上シェル22の内面22aとディスク25の上側記録面25cとの間にT6=0.142mm程度の隙間22eを確保されるように構成されている。従って、この時に、ディスク25の上側記録面25cが上シェル22の内面22aに接触されて記録データが損傷されることを未然に防止できる。
【0164】
なお、この時、センターコア26のばね部材で構成されている上側部材26cの環状凹部26eが上シェル22の内面22aの環状凸部22dに矢印o方向から当接されて、ディスク25の大まかなセンターリングを行うと共に、ディスク25の上下方向である矢印p方向の傾きも防止するので、ディスク25の矢印p方向の傾きによる上側記録面25cの上シェル22の内面22aへの接触も未然に防止することができる。
【0165】
また、R−HDC(小)21の非使用状態において、カートリッジ本体24の傾きや外部衝撃等によって、ディスク25がディスク収納室31内で、図44に1点鎖線で示したように矢印q方向に傾いた時には、そのディスク25の上下両面の最外周部分のエッジ25e、25fが上下シェル22、23の内面22a、23aに接触されるので、この時にも、ディスク25の上下記録面25b、25cが上下シェル22、23の内面22a、23aに接触して記録データが損傷されることを未然に防止することができる。
【0166】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上記した実施の形態に限定されることなく、本発明の技術的思想に基づいて各種の変更が可能である。
【0167】
【発明の効果】
以上のように構成された本発明のヘッドアクチュエータとディスク記憶装置は、次のような効果を奏することができる。
【0168】
請求項1のヘッドアクチュエータは、浮上ヘッドスライダーをボイスコイルモータによってロード/アンロードする際、そのボイスコイルモータに設けられた部分的な駆動トルク増大部分によってロード時の初期範囲とアンロード時の終期範囲において駆動トルクを一時的に増大させることができるようにしたので、ボイスコイルモータの十分な小型化を図りながら、浮上ヘッドスライダーのロード時の初期範囲とアンロード時の終期範囲において浮上ヘッドスライダーを強い駆動トルクで強力に駆動することができる。
【0169】
請求項2及び請求項3は、ボイスコイルモータの部分的な駆動トルク増大部分をマグネットの端部の半径を部分的に増大する凸部によって構成したり、マグネット又は一方のヨークの端部の板厚を増大する凸部によって構成したので、構造が簡単で、製造が容易であり、ボイスコイルモータの小型化をより確実に実現できる。
【0170】
請求項4のディスク記憶装置は、ヘッドアクチュエータの浮上ヘッドスライダーをボイスコイルモータによってロード/アンロードする際、サスペンションをダイナミックロード/アンロード用ランプ上でスライドさせて浮上ヘッドスライダーをディスクに対して昇降させる際に、ボイスコイルモータに設けられた部分的な駆動トルク増大部分によってロード時の初期範囲とアンロード時の終期範囲であるサスペンションのラップ通過範囲内にて駆動トルクを一時的に増大させることができるようにしたので、ボイスコイルモータの小型化によるディスク装置の小型化を実現しながら、浮上ヘッドスライダーのロード時の初期範囲とアンロード時の終期範囲において、サスペンションがダイナミックロード/アンロード用ランプを乗り越えながら浮上ヘッドスライダーが開閉される際の摩擦トルクに十分に打ち勝つことができる大きな駆動トルクを得ることができる。そして、非使用時の耐衝撃性を向上するための屈曲型ヘッドアクチュエータのマグネットラッチも確実に行える。従って、小型のボイスコイルモータを用いながら、ダイナミックロード/アンロード用ランプによって浮上ヘッドスライダーをスムーズに開閉することができる高性能、高品質のディスク記憶装置を実現できる。
【0171】
請求項5又は請求項6のディスク記憶装置は、ボイスコイルモータの部分的な駆動トルク増大部分をマグネットの端部の半径を部分的に増大する凸部によって構成したり、マグネット又は一方のヨークの端部の板厚を増大する凸部によって構成したので、構造が簡単で、製造が容易であり、ボイスコイルモータの小型化によるディスク記憶装置の小型化を容易に実現できる。
【0172】
請求項7に記載されているように本発明はディスクがリムーバルクディスクに適応することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明を適用したR−HDD(小)のスピンドルモータの駆動制御方法を従来のR−HDD(大)のスピンドルモータの制御方法と比較して示した図面である。
【図2】 同上のR−HDD(小)のスピンドルモータ駆動制御回路のブロック図である。
【図3】 同上のR−HDD(小)で記録、再生されるR−HDC(小)内へのダスト侵入量の測定結果を示した図面である。
【図4】 屈曲型ヘッドアクチュエータのアームロックポジションと、R−HDC(小)の位置関係を説明する断面側面図である。
【図5】 R−HDD(小)の屈曲型ヘッドアクチュエータのアームロード/アンロードポジションと、R−HDC(小)の位置関係を説明する断面側面図である。
【図6】 同上の屈曲型ヘッドアクチュエータのダイナミックロード/アンロードの動作を説明する断面側面図である。
【図7】 同上の屈曲型ヘッドアクチュエータの浮上ヘッドスライダーのヘッドロード/アンロード動作を説明する断面側面図である。
【図8】 同上のR−HDD(小)のダイナミックロード/アンロード機構を説明する一部切欠き平面図である。
【図9】 同上のダイナミックロード/アンロード機構によって回転駆動される屈曲型ヘッドアクチュエータのアームロックポジションを説明する一部切欠き平面図である。
【図10】 同上の屈曲型ヘッドアクチュエータのアームロード/アンロードポジションを説明する一部切欠き平面図である。
【図11】 同上の屈曲型ヘッドアクチュエータのランディングポジションを説明する一部切欠き平面図である。
【図12】 同上の屈曲型ヘッドアクチュエータの記録エリア内ポジションを説明する一部切欠き平面図である。
【図13】 同上のR−HDD(小)の小型の屈曲型ヘッドアクチュエータを駆動するVCMの駆動トルクに関する第1の実施の形態を説明する分解斜視図である。
【図14】 同上の屈曲型ヘッドアクチュエータとVCMの平面図である。
【図15】 図14のI−I矢視の一部切欠き側面図である。
【図16】 屈曲型ヘッドアクチュエータがアームロックポジションに待機されている時のVCMの一部切欠き平面図である。
【図17】 同上の屈曲型ヘッドアクチュエータがアームロード/アンロードポジションに待機されている時のVCMの一部切欠き平面図である。
【図18】 図17のH−H矢視の一部切欠き側面図である。
【図19】 同上の屈曲型ヘッドアクチュエータが記録エリア内ポジションの最内周位置まで回動された時のVCMの一部切欠き平面図である。
【図20】 同上の駆動トルクに関する第1の実施の形態における駆動トルクとコイルの回動角線図とを説明する図面である。
【図21】 同上の屈曲型ヘッドアクチュエータを駆動するVCMの駆動トルクに関する第2の実施の形態を説明する平面図である。
【図22】 同上の屈曲型ヘッドアクチュエータを駆動するVCMの駆動トルクに関する第3の実施の形態を説明する一部切欠き側面図である。
【図23】 同上の屈曲型ヘッドアクチュエータを駆動するVCMの駆動トルクに関する第4の実施の形態を説明する平面図である。
【図24】 同上の屈曲型ヘッドアクチュエータにおけるヘッド配線構造の第1の実施の形態を説明する平面図である。
【図25】 図24のJ−J矢視での側面図である。
【図26】 同上の屈曲型ヘッドアクチュエータの上側サスペンションの上面、側面及び下端を示した3面図である。
【図27】 同上の屈曲型ヘッドアクチュエータのヘッドアームと上下一対のサスペンションの分解斜視図である。
【図28】 同上の屈曲型ヘッドアクチュエータのフレクシャー、ジンバル、浮上ヘッドスライダー及び配線部材を示した斜視図である。
【図29】 同上の屈曲型ヘッドアクチュエータの配線部材の配線長とイナーシャを説明する平面図である。
【図30】 同上の屈曲型ヘッドアクチュエータに従来の配線手法によって配線部材を配線した時の配線長とイナーシャを説明する平面図である。
【図31】 同上の屈曲型ヘッドアクチュエータの配線部材とボイスコイルモータの分解斜視図である。
【図32】 本発明の屈曲型ヘッドアクチュエータにおけるヘッド配線構造の第2の実施の形態を説明する平面図である。
【図33】 図32のK−K矢視での側面図である。
【図34】 同上の屈曲型ヘッドアクチュエータの上側サスペンションの上面、側面及び下面を示した3面図である。
【図35】 本発明のR−HDD(小)に適用されるR−HDC(小)を従来のR−HDC(大)と比較して示した平面図である。
【図36】 本発明のR−HDD(小)に適用されるR−HDC(小)を従来のR−HDC(大)と比較して示した底面図である。
【図37】 図35のA−A矢視での正面図である。
【図38】 図35のB−B矢視での背面図である。
【図39】 図35のC−C矢視での側面図である。
【図40】 図35のD−D矢視での側面図である。
【図41】 本発明の小型の屈曲型ヘッドアクチュエータが採用されるR−HDD(小)とそれに適用されるR−HDC(小)とを、従来の大型の屈曲型ヘッドアクチュエータが採用されているR−HDD(大)とそれに適用されるR−HDC(大)とを比較して示した一部切欠き平面図である。
【図42】 本発明のR−HDD(小)の屈曲型ヘッドアクチュエータのR−HDC(小)に対するアームロックポジションとアームロード/アンロードポジションとを示した一部切欠き平面図である。
【図43】 図42の屈曲型ヘッドアクチュエータのR−HDC(小)内のランディングポジションと記録エリア内ポジションの最内周位置とを示した一部切欠き平面図である。
【図44】 同上のR−HDC(小)の図35のE−E矢視で一部を展開して示した拡大断面図である。
【図45】 図44に示したR−HDC(小)内のディスクの水平方向の摺動の規制を説明する断面図である。
【図46】 図44に示したR−HDC(小)のディスクをスピンドルモータ上にチャッキングした様子を示した図35のF−F矢視での拡大断面図である。
【図47】 図45に示したR−HDC(小)内のディスクの上シェル側への移動の規制を説明する断面図である。
【図48】 従来のR−HDC(大)とR−HDD(大)を示した斜視図である。
【図49】 従来のR−HDD(大)の上カバーを外した状態の平面図である。
【図50】 従来のR−HDD(大)のカートリッジホルダー、昇降機構及びスピンドルモータ等を説明する一部切欠き側面図であって、カートリッジホルダーの上昇状態を示した一部切欠き側面図である。
【図51】 図50のカートリッジホルダーの下降状態を示した一部切欠き側面図である。
【図52】 従来のR−HDD(大)における大型の屈曲型ヘッドアクチュエータのダイナミックロード/アンロード機構における屈曲型ヘッドアクチュエータのR−HDC(大)に対するアームロックポジションを説明する一部切欠き平面図である。
【図53】 同上の屈曲型ヘッドアクチュエータのR−HDC(大)に対するアームロード/アンロードポジションを説明する一部切欠き平面図である。
【図54】 同上の屈曲型ヘッドアクチュエータのR−HDC(大)に対するランディングポジションを説明する一部切欠き平面図である。
【図55】 同上の屈曲型ヘッドアクチュエータのR−HDC(大)に対する記録エリア内ポジションを説明する一部切欠き平面図である。
【図56】 従来のR−HDD(大)に使用される大型の屈曲型ヘッドアクチュエータの分解斜視図である。
【図57】 従来の大型の屈曲型ヘッドアクチュエータのVCMとランプとを説明する平面図である。
【図58】 従来の大型のVCMの駆動トルクを説明する上ヨークを外した平面図である。
【図59】 図58のK−K矢視での一部切欠き側面図である。
【図60】 図57のL−L矢視での側面図である。
【図61】 従来のR−HDC(大)に対する大型の屈曲型ヘッドアクチュエータのアームロックポジションを説明する断面側面図である。
【図62】 従来のR−HDC(大)に対する大型の屈曲型ヘッドアクチュエータのアームロード/アンロードポジションを説明する断面側面図である。
【図63】 従来のR−HDC(大)に対する大型の屈曲型ヘッドアクチュエータのヘッドロード/アンロード動作を説明する断面側面図である。
【図64】 従来の大型の屈曲型ヘッドアクチュエータのヘッド配線構造を説明する分解斜視図である。
【図65】 従来の大型の屈曲型ヘッドアクチュエータのヘッド配線構造を説明する平面図である。
【図66】 従来のR−HDC(大)の斜視図である。
【図67】 従来のR−HDC(大)の上下シェルの分解斜視図である。
【図68】 従来のR−HDC(大)の内部全体の分解斜視図である。
【図69】 従来のR−HDC(大)のシャッター閉状態を示した一部切欠き平面図である。
【図70】 従来のR−HDC(大)のシャッター開状態を示した一部切欠き平面図である。
【符号の説明】
1はディスク記憶装置であるR−HDD(小)、13はヘッドアクチュエータである屈曲型ヘッドアクチュエータ、14はヘッドアーム、15はサスペンション、16は浮上ヘッドスライダー、17は回転中心軸、18、19及び69はダイナミックロード/アンロード機構を構成しているカム機構、VCM及びダイナミックロード/アンロード用ランプ、81はVCMのコイル、81aはコイルの半径方向部分、81bはコイルの外側コーナ部分、81cはコイルの有効長部分、81dはコイルの内側コーナ部分、81eはコイルの湾曲部分、82はマグネット、82aはマグネットの端部、82bはマグネットの外側凸部、82cはマグネットの有効幅部分、82dはマグネットの内側凸部、82eはマグネットの下側凸部、83はVCMの上ヨーク、84はVCMの下ヨーク、90はVCMの駆動トルク増大部分である。

Claims (7)

  1. 回転中心軸の周りに回動されるヘッドアームと、
    上記ヘッドアームの先端に一対のサスペンションを介して支持された一対の浮上ヘッドスライダーと、
    上記ヘッドアームの上記一対のサスペンション側とは反対側の端部に取り付けられたコイル、そのコイルの上又は下に配置されたマグネット、これらコイル及びマグネットの上下に配置された上下ヨークによって構成されたボイスコイルモータとを備え、
    上記一対の浮上ヘッドスライダーを上記ボイスコイルモータによってディスク外からディスク上にロード/アンロードするように構成されたヘッドアクチュエータにおいて、
    上記一対の浮上ヘッドスライダーをディスクに対して昇降させるため、
    上記一対のサスペンションの内面に突出している一対のスライド用凸部と、
    該一対のスライド用凸部に対応して、一部がほぼ台形状の外表面に形成された一対のランプアームが摺動するように配置されているダイナミックロード/アンロード用ランプとを備えると共に
    上記ダイナミックロード/アンロード用ランプを待避ポジションから動作ポジション間で駆動するためのカム機構を設け、
    上記ボイスコイルモータにより、上記ヘッドアームを前記回転中心軸の周りに回動する際に、少なくとも上記一対のスライド用凸部が、台形状に形成されている上記一対のランプアームの高い上表面と摺動し、上記ヘッドアームがアームロード/アンロードポジションからランディングポジションに移動する範囲内で、上記ボイスコイルモータ駆動トルクを部分的に増大させる駆動トルク増大部分を設けた
    ことを特徴とするヘッドアクチュエータ。
  2. 上記ボイスコイルモータの上記部分的な駆動トルク増大部分を上記マグネットの端部の半径方向の幅を部分的に増大する凸部によって構成したことを特徴とする請求項1に記載のヘッドアクチュエータ。
  3. 上記ボイスコイルモータの上記部分的な駆動トルク増大部分を上記マグネット又は一方のヨークの端部の板厚を部分的に増大する凸部によって構成した
    ことを特徴とする請求項1に記載のヘッドアクチュエータ。
  4. 回転中心軸の周りに回動されるヘッドアームと、
    上記ヘッドアームの先端に一対のサスペンションを介して支持された一対の浮上ヘッドスライダーと、
    上記ヘッドアームの上記サスペンション側とは反対側の端部に取り付けられたコイル、そのコイルの上又は下に配置されたマグネット、これらコイル及びマグネットの上下に配置された上下ヨークによって構成されたボイスコイルモータとからなる屈曲型ヘッドアクチュエータと、
    上記一対の浮上ヘッドスライダーを上記ボイスコイルモータによってディスク外からディスク上にロード/アンロードする際に、上記一対の浮上ヘッドスライダーをディスクに対して昇降させるため、
    上記一対のサスペンションの内面に突出している一対のスライド用凸部と、
    該一対のスライド用凸部に対応して、一部がほぼ台形状の外表面に形成された一対のランプアームが摺動するように配置されているダイナミックロード/アンロード用ランプと
    上記ダイナミックロード/アンロード用ランプを待避ポジションから動作ポジション間で駆動するためのカム機構を設け、
    上記ボイスコイルモータにより、上記屈曲型ヘッドアクチュエータを前記回転中心軸の周りに回動する際に、少なくとも上記一対のスライド用凸部が、台形状に形成されている上記一対のランプアームの高い上表面と摺動し、上記屈曲型ヘッドアクチュエータがアームロード/アンロードポジションからランディングポジションに移動する範囲内で、上記ボイスコイルモータ駆動トルクを部分的に増大させる駆動トルク増大部分を設けた
    ことを特徴とするディスク記憶装置。
  5. 上記ボイスコイルモータの上記部分的な駆動トルク増大部分を上記マグネットの端部の半径方向の幅を部分的に増大する凸部によって構成した
    ことを特徴とする請求項4に記載のディスク記憶装置。
  6. 上記ボイスコイルモータの上記部分的な駆動トルク増大部分を上記マグネット又は一方のヨークの端部の板厚を増大する凸部によって構成した
    ことを特徴とする請求項4に記載のディスク記憶装置。
  7. 上記ディスクがリムーバブルディスクに構成されている
    ことを特徴とする請求項4に記載のディスク記憶装置。
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