JP4433237B2 - ソフトテニスボール - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はソフトテニスボールに関し、詳しくはこのボールにエアを注入するための機構に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のソフトテニスボールにおけるエア注入機構は、ボール球殻の内面にいわゆる「臍」と称される柱状のゴムを固着し、エア注入時には図11に示すエア注入用の先端の尖った注射針型エア注入治具7の針701をこの臍を貫通するようにボール外側から刺してゴムポンプ702の圧縮でエア注入を行い、注入後は針701を抜いて臍のゴム自体の収縮力でエア漏れがないようにした構造のものが普通である。
【0003】
しかし、このようなソフトテニスボールのエア注入機構では、臍以外の部分に誤って針701を刺すと、ボール自体には針を抜いた後の収縮によるエア漏れ機能がないためこの針刺しによってボールが使用不能になるという致命的な欠陥を招くという問題がある。また、注射針方式のエア注入用治具は、誤って人の手等を刺すという問題もあるので、このような虞れのないエア注入用治具を採用することが望まれていた。
【0004】
この様な観点から、バスケットボールやサッカーボール等で採用されている弁型のエア注入機構をソフトテニスボールに転用した提案(特開平11−164913号公報)もある。
【0005】
上記バスケットボール等で採用されている一般的なエア注入機構は、ゴム栓に内外に連通するスリットを設けて先端の丸いエア注入用治具の挿通を可能としたものであるが、同ボール等は内圧が40〜100kPaと高いのでこのスリット部分からのエア漏れ防止を充分に図る必要があり、通常は、このゴム栓のボール内側部分にスリットを強く締め付けるリング等を組み付けるのが普通であり、上記提案のソフトテニスボールのエア注入機構も基本的に同じ構成を採用している。
【0006】
この方式によれば、先端が丸い棒状のエア注入用治具を用いて作業を行うことができるので上述した針方式のエア注入の不具合は解消される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、本発明者の検討によれば、上記のバスケットボール等のエア注入機構の構成をソフトテニスボールに応用する方式には次のような問題のあることを知見した。第一に、バスケットボール,サッカーボール等は直径が大きくかつ球殻も厚く、全体として殆ど変形しない高い保形性を有しているものであり、強い締め付け力でゴム栓のスリットを締め付けている状態でも、先端の丸いエア注入用治具をゴム栓のスリットに嵌挿させる作業はそれほど無理なく行えるが、直径も小さく、球殻が軟質であるソフトテニスボールでは、強い力で締め付けられているゴム栓に対して上記エア注入用治具を嵌挿させる作業は必ずしも簡単ではない。第二に、ソフトテニスボールの内圧は3.0〜6.0kPaというごく低圧なものであるから、バスケットボール等に比べればエア漏れ防止のための締め付け力は小さくともよいと一見みえるが、実際には、ソフトテニスボールは打撃によって大きく変形するものであり、スリットの締め付け力が弱いと密栓が不十分となって、ボール変形時にスリット部分からのエア漏れが生ずる虞れがある。第三に、ソフトテニスボールは軽量なものであり、ゴム栓部分の重量が増すとボールの重心に偏りが生じ、飛翔するボールにぶれを招く虞れがあるので、ゴム栓部分はできるだけ簡単な構造で軽量化することが望まれる。
【0008】
以上のような種々の問題点に鑑み、先端の丸いエア注入用治具の差し込みのためにボールの内外に通ずるスリット等の挿通孔を有するが、エア漏れ防止のためにこのスリット等を強く締め付けることはせずに、一方向通気性の軽量な機構によりエア漏れ防止を図ることを目的として検討を重ね、本発明のソフトテニスボールの構造を開発するに至ったのである。
【0009】
すなわち、本発明の目的は、先端の丸い冶具を用いてエア注入を行えるようにするエア注入弁機構を備え、容易に製造できるように工夫した新規な構造のソフトテニスボールを提供すると共に、エア注入作業の際にはその臍の部分を簡単に見つけることができるようにした新規な構造のソフトテニスボールを提供するところにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成する本発明のソフトテニスボールは、ボール球殻の一部にボール内部へのエア注入を行うためのエア注入弁機構が設けられたソフトテニスボールであって、前記エア注入弁機構は、一端がボール球殻の表面に露出しかつ他端がボール内に突出した状態で該ボール球殻に固定されると共に、ボール外側からボール内まで棒状のエア注入用治具が嵌挿できるように前記両端に渡る挿通孔を有するゴム栓と、前記挿通孔の他端孔口を覆うようにこのゴム栓に被嵌されて、前記挿通孔に嵌挿されたエア注入用治具により注入されたエアのボール内への通気は許すが、ボール内のエアが前記ゴム栓の他端の孔口に通気することは阻止する一方向通気性の弁部材とを備え、前記ゴム栓は、前記一端に向かって先端が先細り形状に設けられていることを特徴とする。
【0012】
上記構成においてエア注入弁機構の一部を構成するゴム栓は、挿通孔を形成するための部材としての役割を有するものであり、ボール外側からボール内部に渡る挿通孔の少なくとも一部はスリット形の挿通孔とすることがよいが、好ましくは、請求項5の発明のように、ボール表面に露出して開口するように設けられた一端側(先端側)の筒状部と、ボール内部の他端側(後端側)に設けられたスリットとが連続する構成とすることがよい。挿通孔をこのように構成することで、ボール表面の筒状部の開口は先端の丸いエア注入用治具を差し込む際の目印となり、また筒状部は治具差し込みのガイドの役割をなし、スリット部はエア漏れ防止の作用に貢献するからである。
【0013】
また上記ゴム栓は、一端(ボール表面に露出する側の端部)に向かって先端が先細り形状(円錐形状,楔状等)に設けられている。このように設けることで、ソフトテニスボールのボール球殻形成のために準備された未加硫状態の球殻形成部材に対して、先端が楔状等に先細り形状に設けられているゴム栓をその先端が球殻の内面側から外面に至るように押し込むことで未加硫の球殻形成部材に組み込むことができ、接着固定した後、ボール球殻を成形・加硫し、その後従前と同様の球殻外面の磨き加工をして先端を削り落とすことでゴム栓先端をボール外面(表面)に露出させることができ、このゴム栓の組み付け作業の簡単化、ボール製造作業の容易化を図ることができる。
【0014】
また、弁機構の他の一部を構成する一方向通気性の弁部材としては、例えば請求項2の発明のように、ボール内圧により容易に潰れて前記ゴム栓の他端に密着し、かつ挿通孔に嵌挿されたエア注入用治具によりエアが注入されたときには該他端近傍に空間を形成するように膨らむ柔軟なフィルム製の袋体を用い、この袋体の一部に通気用の開口が設けてこの袋体の潰れにより前記ゴム栓の他端の孔口と袋体の開口との間を封止するようにしたものを例示できる。また請求項4の発明のように、一端がゴム栓他端に被嵌される円形開口状(スリーブ状)に設けられ、他端はエア流出用のスリットを有する扁平な短冊状に設けたものを用いることもできる。
【0015】
これらの弁部材のうち、前者の柔軟なフィルム製の袋体の場合は、この袋体に設けた開口以外の部分をゴム栓との間で封止することで、袋体がボール内圧で潰れた場合にはゴム栓に密着してスリットからのエア漏れを防ぐことができる。なお、ゴム栓の他端の孔口と袋体の開口とは、潰れ時に重ならない位置関係に設けることが、エア漏れ防止をより確実にするために好ましい。
【0016】
このような袋体の材質としては、例えば、ボール球殻のゴムを加硫する際の熱に耐えられる耐熱性を有するプラスチックフィルム、ゴム製ラテックスフィルム等を挙げることができる。
【0017】
上記後者の一端側がスリーブ状で他端側がスリットを有する扁平な短冊状をなす弁部材の場合は、この弁部材の構造それ自体により一方向通気性を有する弁(逆止弁)が構成される。このような弁部材の好ましい形状としては、例えば、スリット両側の扁平な短冊夫々の面及び該短冊の両側縁から、それぞれ外方に対して凹型の弧状面を介してスリーブ状部分に連らなるものを挙げることができる。なおこの弁部材も上記と同様の耐熱性を有するプラスチック、ゴム等により構成することができる。
【0018】
上記ゴム栓は、限定されるものではないが、一般的には天然ゴムが好ましく用いられ、また楔状をなす先端部、後端の柱状部及びフランジ部を一体に成形してもよいし、一部又は全部を別に成形してこれらを接着により一体化してもよい。具体的には先端部とフランジ部を一体に成形した第一部とし、これを別に成形した柱状の第二部に接着して一体化することも好ましい。また、先端部の形状は、例えば円錐形の形状,円錐形と円錐台形を組み合わせた形状、あるいは円錐形と柱状形を組み合わせた形状等々、上記の押し込みに適した形状であればよい。
【0019】
【発明の実施の形態】
実施形態1
図1〜6は本発明の一実施形態を示したものであり、本例からなるソフトテニスボール1は図6に示すようにゴム製のボール本体をなすボール球殻2と、その一部の表面(外面)に先端が露出されるゴム栓3とからなっている。なおこれらの図においては説明の便宜上ゴム栓の高さを誇張して描いている。
【0020】
本例のゴム栓3の構造は、図1に示すように、斜面途中の角度変更点3012で傾斜角度が先端に向かって緩やかになるように変化して全体としては略円錐形をなす先端部3011、及びその円錐形の裾部から径外方に延出した円盤状のフランジ部3013が一体に成形された加硫済の第一部301と、中実柱状をなしている加硫済の第二部302と、逆止弁303とからなっていて(図1,図2参照)、該第二部302が、上記フランジ部3013と同心に接着剤を介して接着固定され、更に逆止弁303がその胴部3031において第二部302に被嵌して接着固定されることで構成される。なお、3014は盲孔であり、上記第一部301の先端近傍で閉塞されかつフランジ部3013の底部で開口するように設けられている。なお、盲孔3014の先端側端部と円錐形の先端頂部との位置関係(距離t)は、ソフトテニスボール1の成形・加硫後の表面磨き工程でその先端部が削り落とされて(通常削り寸法は0.5mm程度)、盲孔3014がボール外側に開口する寸法関係になるように設定される。なお、上記の略円錐形をなす先端部3011の傾斜角度を途中で変化させているのは、後述する未加硫球殻形成部材4に対して該ゴム栓3を押し込む作業をスムースに行わせることを確保しながら、盲孔3014の該先端部を円錐形の先端頂部にできるだけ近づけて配置できるようにするためである。
【0021】
上記中実柱状の第二部302には、スリット3021が設けられ、その一端は上記盲孔3014に臨み、他端は該中実柱状の後端に開口している。3022はこのスリット後端の孔口である。
【0022】
また、弁部材である逆止弁303は、図3に示すように、断面円形の上記柱状部302の外周に被嵌するスリーブ状の胴部3031と、スリット3034を形成する短冊状のリップ3032とを有し、このリップ3032が外方に凹の四つの弧状面3033(短冊の幅広面及び該短冊の両側縁に連なる面)を介して胴部3031に連なるように設けられていて、胴部3031が上記柱状部302に被嵌して接着固定されることでゴム栓と一体化される。
【0023】
以上のように構成されるゴム栓3の好ましい構成例を挙げると以下の通りである。
【0024】
エア注入弁機構3
総重量:0.8g以下
ゴム栓第一部301
天然ゴム加硫品 硬さ:40〜70、重量:0.1〜0.2g
第一部301 全高:2.0〜2.5mm
先端部3011 裾直径:9〜12mmφ、先端角度:100〜150゜
角度変更点以下(先端から0.3〜0.7mm以下)の角 度:90未満〜60゜
盲孔3014 直径:0.6〜1.2mmφ、高さ:1.7〜2.3mm
ゴム栓第二部302
天然ゴム加硫品 硬さ:20〜35、重量:0.2〜0.3g
直径:6〜8mmφ、高さ:6〜7mm
中央部に上下端に渡るスリット
逆止弁303
天然ゴム加硫品 硬さ:20〜50、重量:0.2〜0.3g
全長:20〜25mm
上記のように構成されたエア注入弁機構3(但しゴム栓の色調はボール球殻とは異なるものとする)は、図4に示すように、未加硫球殻形成部材4に対し、ボール1を形成した時の裏面(球殻内面)側から尖鋭先端を押し込む作業を行うことで、該尖鋭先端が未加硫球殻形成部材4の表面(球殻外面)に至るように埋設される。なおこの際、ゴム栓の先端部3011の表面及びフランジ部3013の球殻形成部材4に接する面には接着剤が塗布され、ボール球殻の形成・加硫時に強固に接着固定されるようにしている。この際に使用する接着剤としては、従来の臍部材を接着する際に使用しているものを好ましく用いることができるが、特にこれに限定されるものではない。なお、上記の未加硫球殻形成部材4というのは、例えば一例的に挙げれば、従前から行われているボール成形のための筒状部片とその開口を閉塞する一対の蓋状部片の組合せ(図示せず)のそれぞれをいい、エア注入弁機構3を組み込むのはその三つの部片のいずれであってもよい。
【0025】
この後、上記三つの部片の未加硫球殻形成部材4を所定の状態で金型内に入れ、ソフトテニスボール1を形成・加硫する加工を行う。この加工作業は従前と同様に行うことができる。
【0026】
以上のようにして形成・加硫加工されたものは、ボール表面(外面)に割型のスジ等が現れている他、ソフトテニスボール1に適した表面を呈していないために通常の方法に従って表面を研磨する磨き加工が施される。そしてこの磨き加工による表面研磨により、ボール球殻の全体表面が研磨される他、その表面の一部に至るように組み込まれているエア注入弁機構のゴム栓の先端部が削り落とされる。すなわち、研磨前には閉塞されている盲孔3014(図4参照)の先端側の閉塞端部を、図5に示したように開口がボール表面に露出するようにされる。
【0027】
以上のようにして製造された本例のソフトテニスボール1は、図6に示すように、ソフトテニスボール1の表面の一部に、ボール本体の球殻2とは色調が異なるゴム栓が露出するか、あるいは少なくとも当該ゴム栓の加工により開口された盲孔3014が目につくので、使用者において容易に臍である第二部(柱状部)302の位置を知ることができ、当該ボールの製造工程における作業負担を殆ど増すことなく、従来の臍部分を示すための記号を記す手作業を省略できるという利点が得られる。
【0028】
次に以上のように構成されたエア注入弁機構3を通じてエア注入を行う操作について説明する。
【0029】
この例のエア注入弁機構3は、ボール表面に露出している第一部301先端の盲孔(筒状部)3014に、図10に示した先端の丸い差込棒501を有するエア注入治具5を図7に示すように差込んでゴム栓第二部302の後端の孔口3022から逆止弁303内に突出させる。これにより差込棒501先端のエア流出孔502が、逆止弁303内の空間に位置して該治具5のゴムポンプ503を、これに形成されている孔を指で塞いで圧縮することで圧力エアが上記エア流出孔502から逆止弁303内に圧送され、ボール内圧よりも高い圧となったこの逆止弁303内のエアは、逆止弁303のスリット3034を開いてボール内に圧入される。1回の操作でボール内へのエア注入が不足する場合には、上記治具5のゴムポンプ503の孔を塞いでいる指を離してゴムポンプを復元させ、再度指で塞いで圧縮しエアを注入する操作を行えばよい。なおこのゴムポンプ503が復元する際、逆止弁303は逆方向のエア通気は阻止するのでボール内エアが外部に漏れることはない。所定の圧となるようにエアを注入した後、上記治具5を引抜いてエア注入操作を終了する。
【0030】
以上のようにしてボール内に注入されたエアは、逆止弁303によりボール外部から内部への通気は行われるが、反対方向の通気は阻止されるので、該エア注入弁機構3を通してのエア漏れは確実に防止される。
【0031】
しかもこのような構成のエア注入弁機構3は、強い締め付け力等を必要とするものではなく、ゴム栓に対して逆止弁を嵌せて接着固定するという作業だけでよいため、製造作業は簡単であり、また同機構を軽量に作ることができるという利点がある。また逆止弁を被嵌した弁機構3は、未加硫状態のボール球殻形成部材4に押し込むだけでゴム栓をボール球殻の所定の位置に組み込むことができるので、この点からも作業性に優れ、優れた生産性を確保することができる。
【0032】
実施形態2
図8,図9に示した本例は、上記の逆止弁303に代えて、通気開口601を有する柔軟なフィルム状の袋体6を、そのフィルムの柔軟な性質とボール内圧の関係で実質的に一方向通気性の弁部材として利用した例を示している。
【0033】
即ち、本例のフィルム状の袋体6は、指サック型の袋状をなしていて、開放端602がゴム栓第二部302の柱状外周に接着固定されることで、閉塞端が同柱状部の後端を被嵌(図8参照)するようになっている。そして通気開口601は、ゴム栓第二部302に対して偏心した位置となるように該袋体6に形成されている。
【0034】
この様な構成の袋体6を有するエア注入弁機構3を通じてエア注入を行う操作について説明する。
【0035】
この例において図10に示したエア注入治具5の差込棒501を差し込む操作は上記実施形態1と同じである。そしてこの治具5を差し込んだ状態で、同様にエア注入の操作を行うと、注入された高圧エアにより袋体6が膨らみ(図9参照)、通気開口601を通して、注入されたエアはボール内に通気される。
【0036】
一方、エア注入治具5の差込棒501を差し込んでいないとき、あるいは該治具を抜出す際に、該袋体6はボールの内圧で容易に潰れ、通気開口601部分はゴム栓第二部302の後端に密着するのでこの開口を通した通気は実質的に阻止される。従って本例においても、実質的に一方向通気性の弁機構が構成されることになり、ボール内圧が外部に漏れるという問題は防止される。
【0037】
なお、本例の場合には、フィルム状の袋体は、上述した所定の耐熱性と、機械的に破損しない程度の強度を有するものであれば足り、それ自体の構造に基づく弁機能を備えている必要がないので、実施形態1のものよりもより軽量のものとすることができる利点がある。
【0038】
【発明の効果】
本願の請求項1の発明によれば、先端の丸いエア注入用治具の差し込みのためにボールの内外に通ずるスリット等の挿通孔を有するが、エア漏れ防止のためにこのスリット等を強く締め付けることはせずに、一方向通気性の軽量な弁機構によりエア漏れ防止を図ることができるので、エア漏れ防止が確実に行われ、また締め付けリングを用いないので製造が容易であるという効果が奏される。
【0039】
また、先端の丸い治具を用いてエア注入が行えるので、ソフトテニスボールの致命的な欠陥を招くような、臍以外の部分に針刺しするという虞れがなく、また指を針で刺す虞れもない。
特に、ゴム栓として例えば先端部を楔状に形成することにより、このゴム栓を、球殻に孔開け加工することなく未加硫状態の球殻形成部材に内面側から押し込む作業だけで所定の位置に該ゴム栓を組み込むことができ、他は従前のソフトテニスボールの製造における成形・加硫・研磨の各工程と同様にして製造することができるので、臍部分を探して記付けをする従来の手作業工程が不要となり、生産性が向上する。
また、ボール表面に露出した筒状部の開口は先端の丸いエア注入用治具を差し込む際の目印となるのでエア注入作業が容易となる。更にゴム栓は、ソフトテニスボール本体の球殻と同色であってもよいが、色調が異なるものを用いれば使用者にエア注入位置を明瞭に示すことができるのでより好ましい。
【0040】
また柔軟なフィルム製の袋体を用いる請求項2の発明によれば、ボール内圧により容易に潰れてゴム栓の他端に密着してエア漏れを防ぎ、エア注入用治具によりエアが注入されたときには膨らむことで実施的に弁機構として働き、極めて軽量な一方向通気性の作用を満足することができる。また一端がゴム栓他端に被嵌される円形開口状(スリーブ状)に設けられ、他端はエア流出用のスリットを有する扁平な短冊状に設けた請求項4の発明によれば、この弁部材の構造それ自体により一方向通気性を有する弁(逆止弁)が構成される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1のソフトテニスボールのエア注入部を構成する弁の構造を説明するための図。
【図2】図1のゴム栓を構成する部材の展開図。
【図3】ゴム栓に組み付けられる逆止弁の構造を説明するための図であり、(a)はその正面図、(b)は底面図。
【図4】図1の弁を組み込んでソフトテニスボールを成形・加硫した研磨加工前の状態を示したボールの一部断面図。
【図5】図4のボールの表面(外面)を研磨加工した後の状態を示したボールの一部断面図。
【図6】本発明のソフトテニスボールの斜視図。
【図7】実施形態1のエア注入部に図10のエア注入治具を差し込んだ状態を示した図。
【図8】本発明の実施形態2のソフトテニスボールのエア注入部を構成する弁の構造を説明するための図。
【図9】実施形態2のエア注入部に図10のエア注入治具を差し込んだ状態を示した図。
【図10】本発明のソフトテニスボールのエア注入に用いる治具の正面図。
【図11】従来のソフトテニスボールのエア注入に用いる治具の正面図。
【符号の説明】
1・・・ソフトテニスボール
2・・・ボール球殻
3・・・エア注入弁機構
301・・・第一部
3011・・・先端部
3012・・・斜面の角度変更点
3013・・・フランジ部
3014・・・盲孔
302・・・第二部
3021・・・スリット
3022・・・孔口
303・・・逆止弁
3031・・・胴部
3032・・・リップ
3033・・・弧状面
3034・・・スリット
4・・・未加硫球殻形成部材
5・・・エア注入治具
501・・・差込棒
502・・・エア流出孔
503・・・ゴムポンプ
6・・・袋体
601・・・通気開口
602・・・開放端
7・・・注射針型のエア注入治具
701・・・針
702・・・ゴムポンプ
Claims (5)
- ボール球殻の一部にボール内部へのエア注入を行うためのエア注入弁機構が設けられたソフトテニスボールであって、前記エア注入弁機構は、一端がボール球殻の表面に露出しかつ他端がボール内に突出した状態で該ボール球殻に固定されると共に、ボール外側からボール内まで棒状のエア注入用治具が嵌挿できるように前記両端に渡る挿通孔を有するゴム栓と、前記挿通孔の他端孔口を覆うようにこのゴム栓に被嵌されて、前記挿通孔に嵌挿されたエア注入用治具により注入されたエアのボール内への通気は許すが、ボール内のエアが前記ゴム栓の他端の孔口に通気することは阻止する一方向通気性の弁部材とを備え、
前記ゴム栓は、前記一端に向かって先端が先細り形状に設けられていることを特徴とするソフトテニスボール。 - 前記弁部材は、ボール内圧により容易に潰れて前記ゴム栓の他端に密着し、かつ挿通孔に嵌挿されたエア注入用治具によりエアが注入されたときには該他端近傍に空間を形成するように膨らむ柔軟なフィルム製の袋体からなり、該袋体の一部に通気用の開口が設けられていて、この袋体の前記潰れにより前記ゴム栓の他端の孔口と袋体の開口との間を封止することを特徴とする請求項1に記載のソフトテニスボール。
- 前記袋体の開口は、該袋体の潰れ時に前記ゴム栓の他端の孔口と重ならないように位置がずれて設けられていることを特徴とする請求項2に記載のソフトテニスボール。
- 前記弁部材は、一端が前記ゴム栓の他端に被嵌される円形開口状に設けられ、他端はエア流出用のスリットを有する扁平な短冊状に設けられていることを特徴とする請求項1に記載のソフトテニスボール。
- 前記ゴム栓の挿通孔は、ボール球殻表面に開口するように設けられた前記一端側の筒状孔と、前記他端側に設けられたスリットとが連続することで構成されていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載のソフトテニスボール。
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