JP4432403B2 - 静電荷像現像用トナー - Google Patents

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本発明は、電子写真法、静電記録法等によって形成される静電潜像を現像するための静電荷像現像用トナーに関する。
電子写真法は、感光体に形成された静電荷像を、着色粒子(トナー粒子)と外添剤とからなるトナー(現像剤)により現像して可視像とし、必要に応じて紙又はOHP等の転写材にトナー画像を転写した後、転写材上にトナー画像を定着して複写物又は印刷物を得る方法である。
近年、この電子写真法において、銀塩写真なみの高画質化(階調性、解像度、再現性)への要求が高くなっている。トナーとして、この要求を達成する為には、粒径を小粒径化することが考えられるが、単にトナーを小粒径化するのみでは、転写性や流動性が低下する。トナーを球形にすることで、これらの問題を改善することができるが、その反面、感光体とクリーニングブレードとの間をトナーがすり抜けやすく、クリーニング不良が生じ易くなるという問題がある。そのために、感光体に対するクリーニングブレードの接触圧力を大きくする、クリーニングブレードの材質を変更して感光体との摩擦を大きくするなどの方法が検討されている。しかし、これらの方法では、クリーニングブレードが磨耗し易い、クリーニングブレードが感光体の回転方向に対向して配置された場合は、ブレードが捲れ易いなどの問題があった。
また、小粒径で球形のトナーは、感光体への付着力が大きく現像ブレードや感光体へのフィルミングが発生し易いという問題があった。
一方、画像形成装置におけるランニングコストの削減や高速化への要求が高くなっており、低温で定着するトナーの開発が望まれている。このことを解決するために、トナー中の結着樹脂を改良する検討が行われている。
例えば、特許文献1には、懸濁重合によって得られる体積基準のメジアン径が3乃至20μmの範囲にあり、分子量分布が複数のピークを有し、最小分子量のピークが5万以下に、最大の分子量ピークが20万以上である球形トナーが開示されている。しかしながら、このトナーは、耐久時のトナー強度が十分でなく、フィルミングが発生しやすいという問題がある。特許文献2には、少なくとも結着樹脂、着色剤及び離型剤を含有している静電荷像現像用トナーにおいて、トナーのゲルパーミエイションクロマトグラフィー(以下、「GPC」ということがある。)による分子量分布において、分子量1000乃至2000未満の領域及び2000乃至30万領域にそれぞれ少なくとも1つピークを有しており、9万乃至200万の重量平均分子量を有しており、分子量800以上の領域の分子量積分値と、分子量2000乃至5000の領域の分子量積分値と、分子量30万以上の領域の分子量積分値とが特定の関係を満たしている静電荷像現像用トナーが開示されている。しかしながら、このトナーは、高温で保存した場合にトナーが凝集し易いという問題がある。
特許文献3には、少なくとも結着樹脂、着色剤及びワックスを含有するトナーにおいて、THF溶解成分のGPCによる分子量に関し、積分分子量分布における5×10以上の割合{W(5×10)}が1重量%以下、3×10以下の割合{W(3×10)}が30重量%以下であり、かつこれらの比{W(3×10)/W(5×10)}が15〜50である静電荷像現像用トナーが開示されている。しかしながら、開示されたトナーを非磁性一成分現像方式の画像形成装置を用いて長時間印刷を行うと、トナーが割れてフィルミングが発生したり、耐久性が低下したりする。特許文献4には、樹脂と着色剤を含有するトナーにおいて、トナーのTHF溶解成分のGPC測定から、6万〜100万の分子量領域におけるクロマト曲線の面積Aのクロマト曲線全体の面積Bに占める割合(A/B)が0.5%〜20%であり、且つ、5000〜2万の分子量領域にピークまたはショルダーを有する静電荷像現像用トナーが開示されている。しかしながら、このトナーは、高温で保存した場合にトナーが凝集し易いという問題がある。
特開平3−251853号公報 特開平10−333359号公報 特開2001−201887号公報 特開2003−122050号公報
本発明の目的は、低温で定着できるにもかかわらず、高温での保存性に優れ、フィルミングが発生し難く、且つクリーニング性に優れる静電荷像現像用トナーを提供することにある。
本発明者は、この目的を達成すべく鋭意研究を行った結果、超音波処理によって分子鎖の絡み合い等の構造が変化するトナー、即ち前後のGPC測定において、特定領域の分子量を有する重合体の割合が、超音波処理によって一定量の範囲で変化するトナーで、上記目的を達成できるものであることを見出し、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
かくして、本発明によれば、少なくとも結着樹脂、着色剤及び離型剤を含有し、体積平均粒径が3〜10μmであり、且つ平均円形度が0.95〜0.995である着色粒子と、外添剤とからなる静電荷像現像用トナーであって、
トナー0.1gにテトラヒドロフラン49.9gを加えて、室温で1時間攪拌してトナーを溶解させて分散液を得、それをフィルターで濾過して得られたテトラヒドロフラン可溶分Aを、ゲルパーミエイションクロマトグラフィーで測定した分子量500〜500万の分子量分布において、50万〜500万領域のピーク面積の全領域のピーク面積に対する割合aが1〜15%であり、該分散液を更に10分間超音波処理して得られた分散液を、フィルターで濾過して得られたテトラヒドロフラン可溶分Bを、同様にして測定した分子量分布において、50万〜500万領域のピーク面積の全領域のピーク面積に対する割合bが5〜30%であり、かつ≦b−a≦28である静電荷像現像用トナーが提供される。
本発明によれば、低温で定着できるにもかかわらず、高温での保存性に優れ、フィルミングが発生し難く、且つクリーニング性に優れる静電荷像現像用トナーが提供される。
以下、本発明について詳述する。
本発明の静電荷像現像用トナーは、着色粒子と外添剤とからなる。
着色粒子は、結着樹脂及び着色剤を含有しており、更に離型剤、帯電制御剤を含有していることが好ましく、必要に応じて磁性材料等を含有していてもよい。
結着樹脂の具体例としては、ポリスチレン、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、環化イソプレンゴム等の従来からトナーに広く用いられている樹脂を挙げることができる。結着樹脂の数平均分子量は、特に限定されないが、通常、5,000〜50,000、好ましくは、7,000〜30,000である。
着色剤としては、カーボンブラックやチタンホワイトなどのトナー分野で用いられている各種顔料及び染料を使用することができる。黒色着色剤としては、カーボンブラック、ニグロシンベースの染顔料類;コバルト、ニッケル、四三酸化鉄、酸化鉄マンガン、酸化鉄亜鉛、酸化鉄ニッケル等の磁性粉;等を挙げることができる。
フルカラートナーを得る場合、通常、イエロー着色剤、マゼンタ着色剤およびシアン着色剤を使用する。
イエロー着色剤としては、アゾ系顔料、縮合多環系顔料等の化合物が用いられる。具体的にはC.I.ピグメントイエロー3、12、13、14、15、17、62、65、73、74、83、90、93、97、120、138、155、180、181、185および186等が挙げられる。これらの中でも、C.I.ピグメントイエロー74、180および185が好ましい。
マゼンタ着色剤としては、アゾ系顔料、縮合多環系顔料等の化合物が用いられる。具体的にはC.I.ピグメントレッド31、48、57、58、60、63、64、68、81、83、87、88、89、90、112、114、122、123、144、146、149、150、163、170、184、185、187、202、206、207、209、251、C.I.ピグメントバイオレット19等が挙げられる。これらの中でも、C.I.ピグメントレッド122、185、C.I.ピグメントバイオレット19及びこれらの混合物が好ましい。
シアン着色剤としては、銅フタロシアニン化合物およびその誘導体、アントラキノン化合物等が利用できる。具体的にはC.I.ピグメントブルー2、3、6、15、15:1、15:2、15:3、15:4、16、17、および60等が挙げられる。これらの中でも、C.I.ピグメントブルー15:3および15:4が好ましい。
こうした着色剤の量は、結着樹脂100重量部に対して、通常、0.1〜50重量部、好ましくは1〜20重量部である。
離型剤としては、例えば、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、低分子量ポリブチレンなどのポリオレフィンワックス類;キャンデリラ、カルナウバ、ライス、木ロウ、ホホバなどの植物系天然ワックス;パラフィン、マイクロクリスタリン、ペトロラクタムなどの石油系ワックスおよびその変性ワックス;フィッシャートロプシュワックスなどの合成ワックス;ペンタエリスリトールテトラミリステート、ペンタエリスリトールテトラパルミテート、ジペンタエリスリトールヘキサミリステートなどの多官能エステル化合物;などが挙げられる。これらは1種あるいは2種以上を組み合わせて使用することができる。
これらの離型剤のうち、多官能エステル化合物が好ましい。中でも、示差走査熱量計により測定されるDSC曲線において、昇温時の吸熱ピーク温度が30〜150℃、好ましくは40〜100℃、更に好ましくは50〜80℃の範囲にある多官能エステル化合物は、定着時の定着−剥離性バランスに優れるトナーが得られるので好適である。特に、分子量が1000以上であり、25℃でスチレン100重量部に対し5重量部以上溶解し、酸価が10mgKOH/g以下であるものは定着温度低下に顕著な効果を示すので更に好ましい。吸熱ピーク温度は、ASTM D3418−82によって測定される値である。
離型剤の量は、結着樹脂100重量部に対して、通常0.5〜50重量部、好ましくは1〜20重量部である。
帯電制御剤としては、従来からトナーに使用されている帯電制御剤を用いることができる。帯電制御剤の中でも、結着樹脂との相溶性が高く、無色であり高速でのカラー連続印刷においても帯電性が安定したトナーを得ることができるので帯電制御樹脂が好ましい。帯電制御樹脂は、特開昭63−60458号公報、特開平3−175456号公報、特開平3−243954号公報、特開平11−15192号公報などの記載に準じて製造される4級アンモニウム(塩)基含有共重合体や、特開平1−217464号公報、特開平3−15858号公報などの記載に準じて製造されるスルホン酸(塩)基含有共重合体を用いることができる。
この共重合体に含有される4級アンモニウム(塩)基またはスルホン酸(塩)基を有する単量体単位は、共重合体中に0.5〜15重量%、好ましくは1〜10重量%である。含有量がこの範囲にあると、トナーの帯電量が制御し易く、カブリの発生を少なくすることができる。
帯電制御樹脂の重量平均分子量は、通常2,000〜50,000、好ましくは4,000〜40,000、さらに好ましくは6,000〜30,000である。重量平均分子量がこの範囲にあることにより、トナーの彩度や透明性を維持することができる。
帯電制御樹脂のガラス転移温度は、通常40〜80℃、好ましくは45〜75℃、さらに好ましくは45〜70℃である。ガラス転移温度がこの範囲にあることにより、トナーの保存性と定着性をバランスよく向上させることができる。
帯電制御剤の量は、結着樹脂100重量部に対して、通常0.01〜20重量部、好ましくは0.1〜10重量部である。
また、磁性材料としては、例えば、マグネタイト、γ−酸化鉄、フェライト、鉄過剰型フェライト等の酸化鉄;鉄、コバルト、ニッケルのような金属あるいはこれらの金属とアルミニウム、コバルト、銅、鉛、マグネシウム、錫、亜鉛、アンチモン、ベリリウム、ビスマス、カドミウム、カルシウム、マンガン、セレン、チタン、タングステン、バナジウムのような金属との合金およびその混合物等が挙げられる。
着色粒子は、体積平均粒径(dv)が通常3〜10μmであり、好ましくは4〜9μm、更に好ましくは5〜8μmである。粒径が小さいと流動性が低下して、転写性が低下したり、カスレが発生したりし、また印字濃度が低下する。逆に大きいとカブリやトナー飛散が発生し、画像の解像度が低下する。
体積平均粒径(dv)と個数平均粒径(dp)の比である粒径分布(dv/dp)が1.0〜1.3であり、1.0〜1.2であると更に好ましい。粒径分布が大きいとカスレが発生したり、転写性、印字濃度及び解像度の低下を起こしたりすることがある。
上記の体積平均粒径及び粒径分布は、例えば、分級することによって上記範囲とすることができる。
着色粒子は、フロー式粒子像分析装置で測定される平均円形度が0.95〜0.995であり、好ましくは0.96〜0.99である。平均円形度が0.95より小さくなると、転写性が低下する。
本発明において、円形度は、粒子像と同じ投影面積を有する円の周囲長を、粒子の投影像の周囲長で除した値として定義される。本発明における平均円形度は、粒子の形状を定量的に表現する簡便な方法として用いたものであり、トナーの凹凸の度合いを示す指標である。この平均円形度は、トナーが完全な球形の場合に1を示し、トナー粒子の表面形状が複雑になるほど小さな値となる。平均円形度(Ca)は、次式により求められた値である。
により算出される値を、以下の式(1)により平均した値である。
Figure 0004432403
上記式において、nは円形度(Ci)を求めた粒子の数であり、fiは円形度Ciの粒子の頻度であり、Ciは0.6〜400μmの円相当径の粒子群の各粒子について測定された周囲長を元に、次式より算出された各粒子の円形度である。
円形度(Ci)=粒子の投影面積に等しい円の周囲長/粒子投影像の周囲長
この平均円形度は、例えば、転相乳化法、溶解懸濁法及び重合法等を用いることにより比較的容易に上記範囲とすることができる。
上記、体積平均粒径、粒径分布、円形度及び平均円形度は、シスメックス株式会社製フロー式粒子像分析装置「FPIA−2000」または「FPIA−2100」を用いて測定することができる。
本発明の静電荷像現像用トナーを構成する着色粒子は、粒子の内部(コア層)と外部(シェル層)に異なる二つの重合体を組み合わせて得られる、所謂コアシェル型(または、「カプセル型」ともいう。)の粒子とすることができる。
本発明のトナーを構成する外添剤は、一次粒子の個数平均粒径が5〜18nm、好ましくは7〜16nmのシリカ微粒子(A)を含有する。好ましい外添剤は、一次粒子の個数平均粒径が20〜120nm、さらに好ましくは40〜80nmのシリカ微粒子(B)を含有するものである。着色粒子の表面に外添剤を付着または一部埋め込ませることによって、粒子の帯電性、流動性、保存性などを調整することができる。
シリカ微粒子(A)は、平均粒径が小さいと感光体がフィルミングを起し易く、逆に大きいと流動性が低下してカスレ易くなることがある。シリカ微粒子(B)は、平均粒径が小さいと感光体がフィルミングを起し易く、逆に大きいと流動性が低下してカスレ易くなることがある。
これらのシリカ微粒子(A)あるいはシリカ微粒子(B)は、特に限定されないが、疎水化処理されていることが好ましい。疎水化処理されたシリカ微粒子は一般にも市販されているが、その他シランカップリング剤やシリコーンオイルなどで疎水化処理して得ることもできる。
疎水化処理の方法としては、この微粒子を高速で攪拌しながら、処理剤であるシリコーンオイル等を滴下又は噴霧する方法、処理剤を溶解して攪拌している有機溶媒中に微粒子を添加混合後、熱処理する方法等が挙げられる。前者の場合、処理剤は有機溶媒等で希釈しても構わない。
疎水化の程度はメタノール法で測定される疎水化度が20〜90%、好ましくは40〜80%である。疎水化度が小さいと高湿度下で吸湿し易く、疎水化度が高すぎると充分な研磨性が得られなくなりフィルミングが発生することがある。
シリカ微粒子(A)の添加量は特に限定されないが、着色粒子100重量部に対して、通常0.1〜1.5重量部、好ましくは0.2〜1重量部である。この量が少ないと流動性が低下しカスレが発生することがあり、逆に多くなると流動性が高くなって、カブリ易くなることがある。
シリカ微粒子(B)の添加量は特に限定されないが、着色粒子100重量部に対して、通常0.1〜3重量部、好ましくは0.2〜2重量部である。この量が少ないと研磨性が低下しフィルミングが発生することがあり、逆に多くなると流動性が低下して、カスレ易くなることがある。
本発明の静電荷像現像用トナーは、トナー0.1gにTHF49.9gを加えて、室温で1時間攪拌してトナーを溶解させて分散液を得、それをフィルターで濾過して得られたTHF可溶分Aを、GPCで測定した分子量500〜500万の分子量分布において、50万〜500万領域のピーク面積の全領域のピーク面積に対する割合aが1〜15%、好ましくは3〜12%、更に好ましくは5〜10%である。この値が小さいと耐オフセット性が低下し、逆に大きいと低温での定着性が低下する。
また、トナー0.1gにTHF49.9gを加えて、室温で1時間攪拌してトナーを溶解させて分散液を得、更に10分間超音波処理した分散液を、フィルターで濾過して得られたTHF可溶分Bを、GPCで測定した分子量500〜500万の分子量分布において、50万〜500万領域のピーク面積の全領域のピーク面積に対する割合bが5〜30%、好ましくは7〜25%、更に好ましくは10〜20%である。この値が小さいと耐オフセット性が低下し、逆に大きいと低温での定着性が低下する。
更に、上記50万〜500万領域のピーク面積の全領域のピーク面積に対する割合aとbとの差(b−a)[単位:%]が、≦b−a≦28、好ましくは5≦b−a≦24、更に好ましくは≦b−a≦20である。(b−a)が小さいと耐久時にトナー割れてフィルミングが発生し易く、クリーニング性が低下する。逆に(b−a)が大きくなると低温での定着性が低下する。
本発明の静電荷像現像用トナーは、上述したTHF可溶分Aを、GPCで測定した分子量500〜500万の分子量分布において、500〜5000領域のピーク面積全領域のピーク面積に対する割合cが3〜20%であることが好ましく、5〜17%であることが更に好ましい。この値が小さいと低温での定着性が低下することがあり、逆に大きいと高温での保存性が悪化し、フィルミングも発生しやすい。これらのピーク面積は、後述の方法で測定することができる。
本発明の静電荷像現像用トナーは、トナー中に含有される揮発性有機化合物量が500ppm以下であることが好ましく、300ppm以下であると更に好ましい。この量が500ppmより多いとトナーの保存性が低下することがあり、トナー定着時に臭気が発生することがある。
この揮発性有機化合物量は、後述の方法で測定することができる。
本発明に使用することのできる着色粒子は、好ましくは重合法によって得ることができ、得られた着色粒子は更に会合させることもできる。重合法により、架橋性単量体の量、連鎖移動剤の量、重合開始剤の種類及び量、重合温度等を制御して着色粒子を得ることにより、実質的に球状となり、離型剤などを粒子内部に存在させることができ、上述したピーク面積を有するトナーが得られる。
以下、重合法による着色粒子の製造方法について説明する。
本発明のトナーを構成する着色粒子は、分散安定剤を含有する水分散媒体中に、結着樹脂成分となる重合性単量体、着色剤及び離型剤とを含有する重合性単量体組成物を分散させ、重合開始剤を添加した後、所定温度に昇温して重合し、洗浄・脱水を行い、そして乾燥することによって得られる。
結着樹脂を得るための重合性単量体として、モノビニル単量体、架橋性単量体、マクロモノマー等を挙げることができる。この重合性単量体が重合され、結着樹脂成分となる。
モノビニル単量体としては、具体的にはスチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン等の芳香族ビニル単量体;(メタ)アクリル酸;(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸イソボニル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリルアミド等の(メタ)アクリル系単量体;エチレン、プロピレン、ブチレン等のモノオレフィン単量体;等が挙げられる。
モノビニル単量体は、単独で用いても、複数の単量体を組み合わせて用いても良い。これらモノビニル単量体のうち、芳香族ビニル単量体単独、芳香族ビニル単量体と(メタ)アクリル系単量体との併用などが好適に用いられる。
モノビニル単量体と共に、架橋性単量体を用いるとホットオフセットが有効に改善される。架橋性単量体は、2個以上のビニル基を有する単量体である。具体的には、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン、およびこれらの誘導体等の芳香族ジビニル化合物;エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート等のジエチレン性不飽和カルボン酸エステル;N,N−ジビニルアニリン、ジビニルエーテル等のビニル基を2個有する化合物、ペンタエリスリトールトリアリルエーテルやトリメチロールプロパントリアクリレート等のビニル基を3個以上有する化合物等を挙げることができる。これらの架橋性単量体は、単独で用いても、あるいは2種以上組み合わせて用いても良い。
使用量は、モノビニル単量体100重量部に対して、通常、2重量部以下、好ましくは、0.1〜1.5重量部である。
また、モノビニル単量体と共に、マクロモノマーを用いると、保存性と低温での定着性とのバランスが良好になるので好ましい。マクロモノマーは、分子鎖の末端に重合可能な炭素−炭素不飽和二重結合を有するもので、数平均分子量が、通常、1,000〜30,000のオリゴマーまたはポリマーである。
また、マクロモノマーは、前記モノビニル単量体を重合して得られる重合体のガラス転移温度よりも、高いガラス転移温度を有する重合体を与えるものが好ましい。
マクロモノマーの使用量は、モノビニル単量体100重量部に対して、通常、0.01〜10重量部、好適には0.03〜5重量部、さらに好適には0.05〜1重量部である。
分散安定剤としては、例えば、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、リン酸カルシウム等の無機塩、酸化アルミニウム、酸化チタン等の無機酸化物、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化第二鉄等の無機水酸化物;ポリビニルアルコール、メチルセルロース、ゼラチン等水溶性高分子;アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、両性界面活性剤等を挙げることができ、これらは、単独で用いても、2種類以上を組み合わせても良い。
これらのうち、特に難水溶性の無機水酸化物のコロイドを含有する分散安定剤は、重合体粒子の粒径分布を狭くすることができ、また分散安定剤の洗浄後の残存性が少なく、画像を鮮明に再現できるので好ましい。
分散安定剤は、重合性単量体100重量部に対して、通常、0.1〜20重量部の割合で使用する。この割合が上記範囲にあることで、充分な重合安定性が得られ、重合凝集物の生成が抑制され、所望の粒径のトナーを得ることができるので好ましい。
重合開始剤としては、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩;4,4’−アゾビス(4−シアノ吉草酸)、2,2’−アゾビス(2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド)、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)ジヒドロクロライド、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ化合物;ジ−t−ブチルパーオキシド、ジクミルパーオキシド、ラウロイルパーオキシド、ベンゾイルパーオキシド、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ヘキシルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシピバレート、ジ−イソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−t−ブチルパーオキシイソフタレート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシイソブチレート等の過酸化物類などを例示することができる。また、これら重合開始剤と還元剤とを組み合わせたレドックス開始剤を挙げることができる。
こうした中でも特に、使用される重合性単量体に可溶な油溶性の重合開始剤を選択することが好ましく、必要に応じて水溶性の重合開始剤をこれと併用することもできる。上記重合開始剤は、重合性単量体100重量部に対して、0.1〜20重量部、好ましくは0.3〜15重量部、更に好ましくは0.5〜10重量部用いる。
また、重合に際して、分子量調整剤を使用することが好ましい。分子量調整剤としては、例えば、t−ドデシルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、n−オクチルメルカプタン、2,2,4,6,6−ペンタメチルヘプタン−4−チオール等のメルカプタン類;四塩化炭素、四臭化炭素等のハロゲン化炭化水素類;などを挙げることができる。これらの分子量調整剤は、重合開始前、あるいは重合途中に添加することができる。分子量調整剤は、重合性単量体100重量部に対して、通常、0.01〜5重量部、好ましくは0.1〜2重量部の割合で用いられる。
着色粒子の好ましい製造方法としては、重合性単量体、着色剤、離型剤及び帯電制御剤をビーズミルなどのメディア型分散機を用いて均一に混合して、重合性単量体組成物を得、分散安定剤を含有する水分散媒体中に該組成物を添加した後、攪拌して液滴を形成し、次いで重合開始剤を添加した後、高速回転する攪拌機を用いて、所望の着色粒子の粒径となるように攪拌速度及び時間を調整して、更に小さな液滴を形成する。液滴を形成するときの水分散媒体の温度は、通常10〜40℃、好ましくは20〜30℃の範囲内に調整する。
次に、分散した液滴が沈降しない程度の攪拌を維持しながら、所定の温度に昇温して重合を開始し、一定時間重合を継続した後、反応を停止して着色粒子の水分散液を得る。その後、必要に応じて水分散液からトナー定着時に臭気の問題となる未反応の重合性単量体及び開始剤由来の副生成物である揮発性有機化合物を除去し、更に重合時に使用した分散安定剤を着色粒子から除去するために、酸洗浄を行い、更に水洗浄と脱水を繰り返し行い、そして乾燥することによって、着色粒子を得る。重合性単量体組成物の重合温度は、通常、40〜100℃、好ましくは50〜90℃であり、重合時間は、1〜20時間、好ましくは2〜10時間である。また、乾燥温度は、通常、20〜60℃、好ましくは30〜50℃である。
本発明のトナーは、上記した着色粒子と外添剤とを、ヘンシェルミキサーなどの混合機に入れて撹拌することによって、着色粒子の表面に外添剤を付着または一部埋め込ませて製造することができる。
以下に、実施例および比較例を挙げて、本発明を更に具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例のみに限定されるものではない。なお、部および%は、特に断りのない限り重量基準である。
本実施例では、以下の方法で評価した。
1.着色粒子特性
(1)体積平均粒径と粒径分布
着色粒子の体積平均粒径(dv)及び粒径分布即ち体積平均粒径と個数平均粒径(dp)との比(dv/dp)は、マルチサイザー(ベックマン・コールター社製)により測定した。このマルチサイザーによる測定は、アパーチャー径:100μm、媒体:イソトンII、濃度10%、測定粒子個数:100000個の条件で行った。
(2)平均円形度
容器中に、予めイオン交換水10mlを入れ、その中に分散剤としての界面活性剤(アルキルベンゼンスルホン酸)0.02gを加え、更に測定試料0.02gを加え、超音波分散機で60W、3分間分散処理を行った。測定時のトナー濃度を3,000〜10,000個/μLとなるように調整し、1μm以上の円相当径のトナー粒子1,000〜10,000個についてシスメックス社製フロー式粒子像分析装置「FPIA−2100」を用いて測定した。測定値から平均円形度を求めた。
2.トナー特性
(1)ピーク面積
分子量は、以下の条件にて測定した。
1)精秤したトナー0.1gを100mlガラス製サンプル瓶に入れた後、THF49.9gを加える。
2)次いでスターラーチップを入れ、マグネティックスターラーを用いて室温で1時間攪拌して結着樹脂等を溶解して分散液を得た。
3)分散液を0.2μmPTFE製フィルターで濾過して、THF可溶分Aを得る。
4)上記1)、2)と同様にして得た分散液を出力20W、周波数20kHzで10分間超音波処理した後、0.2μmPTFE製フィルターで濾過して、THF可溶分Bを得る。
5)THF可溶分A及びTHF可溶分Bのそれぞれ100μlをGPC測定装置に注入して測定する。分子量は、得られたGPCの溶出曲線を市販単分散標準ポリスチレンによる検量線から換算した。GPC溶出曲線として得られた分子量分布のうち、50万〜500万領域のピーク面積及び500〜5000領域のピーク面積を、GPC溶出曲線の分子量500〜500万領域における全ピーク面積に対する百分率として算出した。
(測定条件)
GPC:HLC−8220(東ソー社製)
カラム:TSK−GEL MULTIPORE HXL−M 2本直結(東ソー社製)
溶離液:THF
流量:1.0ml/min
温度:40℃
(2)揮発性有機化合物量
揮発性有機化合物量は、以下の条件で測定した。
1)精秤したトナー3gを100mlねじ口付きガラス瓶に入れた後、ジメチルホルムアミド 27gを加え、スターラーにて1時間攪拌してトナーを溶解させた。
2)この溶液にメタノール13gを添加し、引き続き10分間攪拌して高分子成分を析出させた後、攪拌を停止し、析出物を沈殿させた。
3)上澄み液を注射筒で抜き取り、フィルター(アドバンテック社製、商品名「メンブランフィルター25JP020AN」)を注射筒に装着して上澄み液を濾過した後、その濾液をガスクロマトグラフィー装置にて測定した。
4)ジメチルホルムアミドとメタノール以外の検出ピークを揮発性有機化合物とし、スチレンで予め作成した検量線を用いて、スチレン換算値として、トナー単位重量あたりの揮発性有機化合物量(ppm)を求めた。
(測定条件)
装置:GC−2010(株式会社島津製作所製)
カラム:TC−WAX(ジーエルサイエンス株式会社製)df=0.5μm 0.25mmI.D.×60m
検出器:FID
キャリアーガス:ヘリウム(線速度 21.3cm/sec)
注入口温度:200℃
検出器温度:200℃
オーブン温度:100℃で2分保持後、5℃/分の速度で150℃まで温度上昇させ、150℃で6分保持
サンプリング量:2μl
(3)保存性
トナー試料を密閉可能な容器に入れて、密閉した後、該容器を温度が55℃の恒温水槽の中に沈め、8時間経過した後に取り出して、42メッシュの篩上に容器内のトナーの凝集構造を破壊しないように移す。粉体測定機(ホソカワミクロン社製、商品名「パウダーテスター」)の振動幅を1.0mmに設定して、30秒間振動した後、篩い上に残ったトナーの重量を測定し、凝集したトナーの重量とした。この凝集したトナーの重量と試料の重量とから、トナーの保存性(重量%)を算出した。この数値が小さい方が、保存性が高い。
3.画質評価
(1)最低定着温度
市販の非磁性一成分現像方式のプリンター(24枚機)を、定着ロール部の温度を変化できるように改造して、定着ロールの温度を変化させて、5℃刻みで、それぞれの温度でのトナーの定着率を測定し、温度と定着率の関係を求める定着試験を行った。
定着率は、定着ロールの温度が安定したところで、上記改造プリンターを用いて印字用紙にベタ印字を行い、印字した用紙のベタ領域について、テープ剥離操作前後の印字濃度の比率から計算した。すなわち、テープ剥離前の画像濃度をID前、テープ剥離後の画像濃度をID後として、定着率は、次式から算出した。
定着率(%)=(ID後/ID前)×100
ここで、テープ剥離操作とは、試験用紙の測定部分に粘着テープ(住友スリーエム社製、スコッチメンディングテープ810−3−18)を貼り、一定圧力で押圧して付着させ、その後、一定速度で紙に沿った方向に粘着テープを剥離する一連の操作である。
この定着試験において、定着率が80%以上になる定着ロールの温度のうち、最低の温度をトナーの最低定着温度とした。
(2)フィルミング
市販の非磁性一成分現像方式のプリンター(24枚機)に評価するトナーを入れ、温度23℃、湿度50%(N/N)環境下でー昼夜放置後、5%印字濃度で連続印字を行い、500枚毎にハーフトーンの印字をさせて、白抜け等の問題が生じた時点にて感光体、ブレードを観察してフィルミングの有無を判定した。最終印字枚数は20,000枚とした。表中に数字は、フィルミングの発生がない枚数を記載してあり、20,000<と記載されているものは、20,000枚連続印字してもフィルミングが発生しなかったことを示す。
(3)クリーニング性
前述したプリンターに評価するトナーを入れ、温度23℃、湿度50%(N/N)環境下でー昼夜放置後、5%印字濃度で初期から20,000枚まで連続印字を行い、1,000枚毎に感光体と帯電ロールを観察して、クリーニング不良による筋が発生する枚数をカウントした。表中に数字は、クリーニング不良の発生がない枚数を記載してあり、20,000<と記載されているものは、20,000枚連続印字してもクリーニング不良が発生しなかったことを示す。
(実施例1)
スチレン65部、n−ブチルメタクリレート20部、シクロヘキシルメタクリレート5部、ジビニルベンゼン1.2部及びポリメタクリル酸エステルマクロモノマー(東亜合成化学工業社製、商品名「AA6」)0.4部からなる重合性単量体、マゼンタ顔料としてC.I.ピグメントレッド122 6部、帯電制御樹脂(藤倉化成社製、商品名「FCA−626−NS」;重量平均分子量24,000、ガラス転移温度60℃)6部、ペンタエリスリトールテトラミリステート10部及びt−ドデシルメルカプタン0.5部を室温下、ビーズミルで分散させ、重合性単量体組成物を調製した。
他方、室温下でイオン交換水250部に塩化マグネシウム9.5部を溶解した水溶液に、イオン交換水50部に水酸化ナトリウム5.8部を溶解した水溶液を攪拌下で徐々に添加して、水酸化マグネシウムコロイドの分散液を調製した。
上記により得られた水酸化マグネシウムコロイド分散液に、室温で重合性単量体組成物を投入し、液滴が安定するまで攪拌し、そこにスチレン10部に2,2’−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)(和光純薬社製、商品名「V−65」)5部を溶解した溶液を添加した後、15,000rpmで回転するエバラマイルダー(荏原製作所社製、商品名「MDN303V」)で30分間処理して、重合性単量体組成物の液滴を形成した。
上記重合性単量体組成物が分散されて液滴が形成された水酸化マグネシウムコロイド分散液を、攪拌翼を装着した反応器に入れ、分散液温度を室温から70℃までは50℃/時間で昇温し、70℃で温度が一定となるように制御した。重合転化率が50%となった時に、再度30℃/時間で昇温して、90℃で分散液の温度が一定になるように制御して、5時間重合を継続した後、反応を停止し、着色粒子の水分散液を得た。
上記により得た着色粒子の水分散液を攪拌しながら、硫酸を添加しpHを6.5以下に調整して酸洗浄を行い、濾過により水を分離した後、新たにイオン交換水500部を加えて再スラリー化して水洗浄を行った。その後、さらに脱水と水洗浄を数回繰り返し行った後、固形分を濾過分離し、乾燥機にて45℃で2昼夜乾燥を行い、体積平均粒径(dv)が7.1μm、粒径分布(dv/dp)が1.17、平均円形0.971の着色粒子を得た。
得られた着色粒子100部に、外添剤として一次粒子の個数平均粒径が7nmシリカ微粒子(日本アエロジル社製、商品名「RX300」)0.5部及び一次粒子の個数平均粒径が45nmのシリカ微粒子(クラリアント社製、商品名「HDK−05TX」)2部を添加し、ヘンシェルミキサーを用いて10分間、回転数1400rpmで混合し、トナーを得た。得られた着色粒子特性、トナー特性及び画質評価の結果を表1に示す。
(実施例2)
実施例1において、ジビニルベンゼン1.2部を0.6部、t−ドデシルメルカプタン0.5部を0.3部に変更して単量体組成物を調製した以外は、実施例1と同様にして着色粒子及びトナーを得た。得られた着色粒子特性、トナー特性及び画質評価の結果を表1に示す。
(実施例3)
実施例1において、ジビニルベンゼン1.2部を1部、t−ドデシルメルカプタン0.5部を1部に変更して単量体組成物を調製した以外は、実施例1と同様にして着色粒子及びトナーを得た。得られた着色粒子特性、トナー特性及び画質評価の結果を表1に示す。
(比較例1)
スチレン85部、n−ブチルアクリレート15部、ジビニルベンゼン0.1部からなる重合性単量体、マゼンタ顔料としてC.I.ピグメントレッド122 6部、帯電制御剤(オリヱント化学工業社製、商品名「ボントロンE−84」)1部及びベヘニルステアレート15部を50℃に加温し、TKホモミキサー(特殊機化工業社製)を用いて、9,000ppmにて均一に溶解、分散した。これに2,2’−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)(和光純薬社製、商品名「V−65」)4部を添加して、重合性単量体組成物を調製した。
他方、50℃でイオン交換水250部に塩化マグネシウム9.5部を溶解した水溶液に、イオン交換水50部に水酸化ナトリウム5.8部を溶解した水溶液を攪拌下で徐々に添加して、水酸化マグネシウムコロイドの分散液を調製した。
上記により得られた水酸化マグネシウムコロイド分散液に、重合性単量体組成物を投入し、55℃、窒素雰囲気下において、TKホモミキサーにて9,500ppmで攪拌し、重合性単量体組成物の液滴を形成した。
上記重合性単量体組成物が分散されて液滴が形成された水酸化マグネシウムコロイド分散液を、攪拌翼を装着した反応器に入れ、昇温して70℃で分散液の温度が一定になるように制御して、8時間重合を継続した後、反応を停止し、着色粒子の水分散液を得た。
上記により得た着色粒子の水分散液を攪拌しながら、硫酸を添加しpHを6.5以下に調整して酸洗浄を行い、濾過により水を分離した後、新たにイオン交換水500部を加えて再スラリー化して水洗浄を行った。その後、さらに脱水と水洗浄を数回繰り返し行った後、固形分を濾過分離し、乾燥機にて45℃で2昼夜乾燥を行い、体積平均粒径(dv)が7.2μm、粒径分布(dv/dp)が1.23、平均円形0.975の着色粒子を得た。
得られた着色粒子100部に、外添剤として一次粒子の個数平均粒径が7nmシリカ微粒子(日本アエロジル社製、商品名「RX300」)0.5部及び一次粒子の個数平均粒径が45nmのシリカ微粒子(クラリアント社製、商品名「HDK−05TX」)2部を添加し、ヘンシェルミキサーを用いて10分間、回転数1400rpmで混合し、トナーを得た。得られた着色粒子特性、トナー特性及び画質評価の結果を表1に示す。
(比較例2)
比較例1において、ジビニルベンゼンを0.1部から0.3部に変更した重合性単量体を用い、重合開始剤を2,2’−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)4部からt−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート(日本油脂社製、商品名「パーブチルO」)5部に変更した以外は、比較例1と同様にして着色粒子及びトナーを得た。得られた着色粒子特性、トナー特性及び画質評価の結果を表1に示す。
Figure 0004432403
表1のトナーの評価結果から、以下のことがわかる。
本発明で規定する範囲より、ピーク面積の割合b及びピーク面積の割合aとピーク面積の割合bとの差(b−a)が小さい比較例1のトナーは、保存性及びクリーニング性が悪く、フィルミングが発生しやすい。
本発明で規定する範囲より、ピーク面積の割合aとピーク面積の割合bとの差(b−a)が小さい比較例2のトナーは、低温での定着性及びクリーニング性が悪く、フィルミングが発生しやすい。
これに対して、本発明のトナーは、低温で定着できるにもかかわらず、高温での保存性に優れ、フィルミングが発生し難く、クリーニング性が良好であることが分かる。

Claims (6)

  1. 少なくとも結着樹脂及び着色剤を含有し、体積平均粒径が3〜10μmであり、且つ平均円形度が0.95〜0.995である着色粒子と、外添剤とからなる静電荷像現像用トナーであって、
    トナー0.1gにテトラヒドロフラン49.9gを加えて、室温で1時間攪拌してトナーを溶解させて分散液を得、それをフィルターで濾過して得られたテトラヒドロフラン可溶分Aを、ゲルパーミエイションクロマトグラフィーで測定した分子量500〜500万の分子量分布において、50万〜500万領域のピーク面積の全領域のピーク面積に対する割合aが1〜15%であり、
    該分散液を更に10分間超音波処理して得られた分散液を、フィルターで濾過して得られたテトラヒドロフラン可溶分Bを、同様にして測定した分子量分布において、50万〜500万領域のピーク面積の全領域のピーク面積に対する割合bが5〜30%であり、かつ
    ≦b−a≦28である
    静電荷像現像用トナー。
  2. テトラヒドロフラン可溶分Aを、ゲルパーミエイションクロマトグラフィーで測定した分子量500〜500万の分子量分布において、500〜5000領域のピーク面積の全領域のピーク面積に対する割合cが3〜20%である請求項1記載の静電荷像現像用トナー。
  3. 揮発性有機化合物量が500ppm以下である請求項1または2記載の静電荷像現像用トナー。
  4. 着色粒子が離型剤として多官能エステル化合物を含有する請求項1〜3記載の静電荷像現像用トナー。
  5. 外添剤が一次粒子の個数平均粒径5〜18nmのシリカ微粒子(A)を含有する請求項1〜4記載の静電荷像現像用トナー。
  6. 外添剤が一次粒子の個数平均粒径20〜120nmのシリカ微粒子(B)を更に含有する請求項1〜5記載の静電荷像現像用トナー。
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