JP4432107B2 - ポリマー光導波路構造及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ポリイミド系樹脂及び珪素含有材料を用いたポリマー光導波路構造及び前記構造を有するフィルム及び光導波路並びにこれらの製造方法に関する。
近年のパソコンやインターネットの普及に伴い、情報伝送需要が急激に増大している。このため、伝送速度の速い光伝送を、パソコン等の末端の情報処理装置まで普及させることが望まれている。これを実現するには、光インターコネクション用に、高性能な光導波路等を使用して送信機能と受信機能とを一体化した、小型の光送受信モジュールを、安価かつ大量に製造する必要がある。
光導波路の材料としては、ガラスや半導体材料等の無機材料や、樹脂が知られている。コアならびにクラッドを構成する樹脂としては、種々のものが知られているが、ガラス転移温度(Tg)が高く、耐熱性に優れるポリイミド系樹脂が特に期待されている。ポリイミド系樹脂によりコア及びクラッドを形成した場合、長期信頼性が期待でき、半田付けにも耐えることができる。
しかしポリイミド系樹脂からなるコアとクラッドのみから構成されたポリマー光導波路(例えば、特許文献1参照)の製造は、ホトマスクの使用、エッチング等の複雑な工程が必要である。また、ポリイミド系樹脂のみからなる光導波路ではその伝搬損失を十分に小さくすることができないという問題があった。
一方、光導波路の材料としてポリシランは伝搬損失が少なく、好適なコア材料である。しかし、コアにポリシランを使用した光導波路としては、基板上にポリシランを積層し、ポリシランのコアに該当する箇所にマスクを施し、前記マスクを施していない箇所に光を照射してポリシランの屈折率を変化させてクラッドとしたものが知られているが(例えば特許文献2参照)、このような光導波路は弾性率が高いため、屈曲性に乏しく、破損しやすい。
特開2001−166166号公報 特開平6−222234号公報
従って、本発明の目的は、弾性率が低く、屈曲性に優れ、かつ伝搬損失が少ない光導波路構造を提供することである。
本発明は、コアとクラッドがポリマー材料で構成されているポリマー光導波路構造において、前記コアが珪素含有材料からなり、前記クラッドの少なくとも一部がポリイミド系樹脂からなる上記光導波路構造を提供するものである。
本発明はまた、シリコン基板上に、第一クラッドを設ける工程、第一クラッド上にコアを設ける工程、コア上に第二クラッドを設ける工程をこの順に実施してシリコン基板上にポリマー光導波路構造を形成することを特徴とするポリマー光導波路の製造方法であって、前記コアが珪素含有材料からなり、前記第一及び第二クラッドの少なくとも一部がポリイミド系樹脂からなる、上記製造方法を提供するものである。
本発明はさらに、シリコン基板上に、第一クラッドを設ける工程、第一クラッド上にコアを設ける工程、コア上に第二クラッドを設ける工程をこの順に実施してシリコン基板上にポリマー光導波路構造を形成し、これを水に浸漬してシリコン基板から剥離することによりポリマー光導波路フィルムを製造する方法であって、前記コアが珪素含有材料からなり、前記第一及び第二クラッドの少なくとも一部がポリイミド系樹脂からなる、上記製造方法を提供するものである。
本発明の光導波路構造の伝搬損失は、従来のポリイミド系樹脂のみからなるポリマー光導波路構造に比べて、非常に低い伝搬損失を示すという利点を有する。また本発明の光導波路構造は、クラッドの少なくとも一部に屈曲性に優れたポリイミド系樹脂を有するため、優れた屈曲性を示し、特にフィルムとした場合にその屈曲性が顕著である。
本発明において「ポリマー光導波路構造」とは、少なくともコアとクラッドを有する光導波路として使用し得る構造であって、コアとクラッドがポリマー材料で構成されているものをいう。また、「ポリマー光導波路フィルム」とは、コア−クラッド構造からなる平板型光導波路フィルムであって基板又はこれに相当する部分を含まず、かつ実質的にポリマーのみから構成されるものを意味する。
本発明において、クラッドのうち、第一クラッドという場合には、コア底面より下部にあるコア下部クラッドのみをいう場合もあるが、コア底面より下部にあるコア下部クラッドとコア側面に接するコア側部クラッドの両方を含める場合もある。また、本発明において第二クラッドという場合には、特に断らない限りコア及び第一クラッドより上部にあるクラッドをいう。従って、コア下部クラッドのみを第一クラッドとした場合には、コア側部及びコア上部クラッドが第二クラッドであり、コア下部及びコア側部クラッドを第一クラッドとした場合には、コア上部クラッドが第二クラッドである。
本発明のポリマー光導波路構造は、コアが珪素含有材料からなり、クラッドの少なくとも一部がポリイミド系樹脂からなることを特徴とするものである。
また、本発明の他の態様では、コアが珪素含有材料からなり、第一クラッドまたは第二クラッドがポリイミド系樹脂からなるポリマー光導波路構造である。
ポリイミド系樹脂以外のクラッド材料としては、後述する珪素含有材料、アクリル樹脂、エポキシ樹脂等が挙げられる。
本発明の他の好ましい態様において、ポリマー光導波路構造のクラッドの一部が珪素含有材料からなってもよい。クラッドの一部が珪素含有材料からなる場合には、好ましくはクラッド層の厚みは5〜30μmである。
本発明のさらに好ましい他の態様としては、コアが珪素含有材料からなり、クラッドがコア下部及びコア側部の第一クラッドと、コア上部の第二クラッドからなり、前記第一クラッドがポリイミド系樹脂からなり、前記第二クラッドが珪素含有材料からなるポリマー光導波路構造が挙げられる。
本発明のポリマー光導波路構造のコアまたはクラッドの一部に使用され得る珪素含有材料としては、ポリシラン類及び加水分解性シラン化合物の光硬化物からなる群より選択されるものが挙げられる。
ポリシラン類として具体的には、分岐型または直鎖型のポリシラン類が挙げられる。
分岐型ポリシランとはSi原子と隣接するSi原子との結合数が3または4であるSi原子を含むポリシランをいう。直鎖型ポリシランとはSi原子と隣接するSi原子との結合数が2であるポリシランをいう。
通常Si原子の原子価は4であるので、ポリシラン中に存在する結合数が3以下のSi原子は、Si原子以外に、炭化水素基、アルコキシ基、アリールオキシ基または水素原子と結合する。この様な炭化水素基としては、炭素数1〜10のハロゲンで置換されていてもよい脂肪族炭化水素基、炭素数1〜14の芳香族炭化水素基が好ましい。脂肪族炭化水素基の具体例として、メチル基、プロピル基、ブチル基、オクチル基、デシル基、トリフルオロプロピル基、及びノナフルオロヘキシル基等の鎖型のもの、及びシクロヘキシル基、メチルヘキシル基の様な脂環型のもの等があげられる。また、芳香族炭化水素基の具体例として、フェニル基、p−トリル基、ビフェニル基及びアントラシル基等があげられる。
アルコキシ基またはアリールオキシ基としては、炭素数が1〜8のものがあげられる。具体例としては、メトキシ基、フェノキシ基、オクチルオキシ基等があげられる。合成の容易さを考慮すると、これらの基のなかでメチル基及びフェニル基が特に好ましい。
また、コアに使用され得る珪素含有材料としての加水分解性シラン化合物の光硬化物としては、下記(A)〜(C)成分を含有する光硬化組成物に光照射して得られる硬化物が好ましく用いられる。
(A)一般式(1)で示される加水分解性シラン化合物、その加水分解物およびその縮合物からなる群から選ばれる少なくとも1つの化合物。
(R1)pSi(X)4-p (1)
〔式中、R1は炭素数が1〜12である非加水分解性の有機基、Xは加水分解性基、およびpは0〜3の整数である。〕
(B)光酸発生剤
(C)脱水剤
1における非加水分解性とは、加水分解性基Xが加水分解される条件において、そのまま安定に存在する性質であることを意味する。このような非加水分解性の有機基はビニル基等の重合性の基でもよく、またアルキル基等の非重合性の基であってもよい。R1としては、アルキル基、アリール基、アラルキル基等が挙げられ、これらは、直鎖状、分岐状、環状あるいはこれらの組み合わせであってもよい。さらに、R1は、エーテル、エステル、スルフィド等のヘテロ原子を含む構造単位とすることも好ましい。ヘテロ原子を含む場合、非塩基性であることが好ましい。
また、R1として、分子中にラジカル重合性の官能基およびカチオン重合性の官能基あるいはいずれか一方の官能基を有する有機基が挙げられる。より好ましいのはカチオン重合性の官能基である。このような官能基を導入することにより、ラジカル重合やカチオン重合を併用して、組成物をより有効に硬化させることができる。
ラジカル重合性の官能基を有するR1としては、ビニル基を例とするオレフィン基を有する有機基、(メタ)アクリロキシメチル等の(メタ)アクリロキシを有する有機基、スチリル等のスチリル基を有する有機基、ビニロキシエチル等のビニルエーテルを有する有機基等が挙げられる。
また、カチオン重合性の官能基を有するR1としては、エポキシ基等の環状エーテル構造を有する有機基、ビニルエーテルを有する有機基等が挙げられ、より好ましくは、環状エーテル構造を有する基が挙げられる。これらの環状エーテル基のうち、より好ましいものはエポキシ基、オキセタン基等の4員環以下の環状エーテル構造である。
一般式(1)においてXで表される加水分解性基は、通常、無触媒、過剰の水の共存下、室温(25℃)〜100℃の温度範囲内で加熱することにより、加水分解されてシラノール基を生成することができる基、もしくはシロキサン縮合物を形成することができる基を指す。具体的には、水素原子、炭素数1〜12のアルコキシ基、ハロゲン原子、アミノ基およびアシルオキシ基等が挙げられる。
メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基は、容易に加水分解されてシラノール基を生成するため、光硬化反応を安定して生じさせることができ、好ましい。アミノ基としては、アミノ基、ジメチルアミノ基、フェニルアミノ基等を挙げることができる。また、アシルオキシ基としては、アセトキシ基、ブチロイルオキシ基等を挙げることができる。
また、一般式(1)中の添え字pは0〜3の整数であるが、より好ましくは0〜2の整数であり、特に好ましくは1である。但し、一般式(1)で示される加水分解性シラン化合物の加水分解物において、一部未加水分解の加水分解性基が残っていてもよく、その場合は、加水分解性シラン化合物と加水分解物との混合物となる。また、加水分解性シラン化合物の加水分解物というときは、加水分解反応によりアルコキシ基がシラノール基に変わった化合物ばかりでなく、一部のシラノール基同士が縮合した部分縮合物をも意味している。
式(1)で表される加水分解性シラン化合物の具体例としては、メチルトリメトキシシラン等のメチルアルコキシシラン、あるいはテトラメトキシシラン等のテトラアルコキシシランが挙げられる。その他、(メタ)アクリロキシシラン化合物、ビニルシラン化合物、エポキシシラン化合物、オキセタンシラン化合物、6員環エーテル構造を有するシラン化合物を挙げることができる。これらは、1種単独または2種以上を組み合わせて使用することができる。
また、グリシジロキシプロピルトリメトキシシラン等のR1としてカチオン重合性の有機基を有するシラン化合物も好ましい。
以上述べた加水分解性シラン化合物は、公知の方法により合成することができる(例えば、Pure Appl.Chem.,A34(11)、2335頁、1997年、Eur.Polym.J.Vol.33、No.7、1021頁、1997年参照)また、これらの加水分解性シラン化合物の一部は、商品として市販されており、容易に入手することができる。例えば、日本ユニカー(株)製のA−151、A−171等を挙げることができる。
上述したシラン化合物を加水分解または縮合させるための条件は、特に制限されるものではないが、一例として、以下に示す1)〜3)の工程によって実施するのが好ましい。
1)一般式(1)に示す加水分解性シラン化合物と、所定量の水とを、撹拌機付の容器内に収容する。
2)次いで、溶液の粘度を調節しながら、有機溶媒を容器内にさらに収容し、混合溶液とする。
3)得られた混合溶液を、空気雰囲気中、0℃から有機溶媒もしくは加水分解性シラン化合物の沸点以下の温度で、1〜24時間の間加熱撹拌する。なお、加熱撹拌中、必要に応じて蒸留によって混合溶液を濃縮したり、あるいは溶剤を置換することも好ましい。
(B)本発明において光酸発生剤とは、光照射により、(A)加水分解性シラン化合物を硬化し得る酸物質を放出することができる化合物を意味する。
また、光酸発生剤とともに、後述するラジカル発生剤を併用することも好ましい。中性の活性物質であるラジカルは、シラノール基の縮合反応を促進することはないが、(A)成分中にラジカル重合性の官能基を有する場合に、かかる官能基の重合を推進させることができる。従って、光硬化性組成物をより効率的に硬化させることができる。
光酸発生剤としては、オニウム塩やスルホン酸誘導体を挙げることができる。
オニウム塩におけるオニウムイオンはS、Se、Te、P、As、Sb、Bi、O、I、Br、Clまたは−N≡N等のオニウム塩であり、対アニオンの具体例としては、テトラフルオロボレート(BF4 -)、ヘキサフルオロホスフェート(PF6 -)等が挙げられる。また、過塩素酸イオン(ClO4 -)、トリフルオロメタンスルホン酸イオン(CF3SO3 -)等の他のアニオンを有するオニウム塩を使用することもできる。オニウム塩化合物の市販品例を示すと、サンエイドSI−60(三新化学工業(株)製)、UVI−6950(ユニオンカーバイド社製)等を挙げることができる。
また、上述したオニウム塩化合物のうち、より有効なオニウム塩は芳香族オニウム塩であり、特に好ましくはジアリールヨードニウム塩である。ジアリールヨードニウム塩の例としては、(4−n−デシロキシフェニル)フェニルヨードニウム ヘキサフルオロアンチモネート等を挙げることができる。ジアリールヨードニウム塩の市販品としては、例えば、サートマー社製のCD1012、三和ケミカル(株)製のIBPF、IBCF、ミドリ化学(株)製のBBI−101、BBI−102、BBI−103、BBI−109等を挙げることができる。
スルホン酸誘導体は−S(=O)2−で表される基を有する化合物であって、ジスルホン類、ジスルホニルジアゾメタン類、ジスルホニルメタン類、スルホニルベンゾイルメタン類、イミドスルホネート類を挙げることができ、より好ましくはイミドスルホネート類である。イミドスルホネート類のさらに好ましい化合物はトリフルオロメチルスルホネート誘導体である。
スルホネート類の具体例としては、ジフェニルジスルホン、ビス(フェニルスルホニル)ジアゾメタン、1,8−ナフタレンジカルボン酸イミド メチルスルホネート等を挙げることができる。
光酸発生剤の含有割合は、特に制限されるものではないが、(A)成分100重量部に対して、通常0.1〜15重量部の範囲内の値とするのが好ましく、より好ましくは1〜10重量部の範囲内である。光酸発生剤の添加量が0.1重量部未満となると、光硬化性が低下し、十分な硬化速度が得られない傾向がある。一方、光酸発生剤の添加量が15重量部を超えると、得られる硬化物の耐候性や耐熱性が低下する傾向がある。
(C)脱水剤の種類は特に制限されるものでないが、有機化合物として、カルボン酸エステル、アセタール類(ケタール類を含む。)、およびカルボン酸無水物からなる群から選択される少なくとも一つの化合物であることが好ましい。また、無機化合物として、脱水機能を有するセラミック粉体の使用も好ましい。
カルボン酸エステルのうち、カルボン酸オルトエステルを使用することがより好ましい。好ましいアセタール類としては、アセトンジメチルアセタール等が挙げられる。カルボン酸無水物としては、無水酢酸および無水コハク酸が脱水効果に特に優れており好ましい。また、好ましい脱水機能を有するセラミック粉体としては、シリカゲル粒子、アルミナ粒子、シリカアルミナ粒子、活性白土、ゼオライト等が挙げられる。これらのセラミック粉体は、水に対して、強い親和力を有しており、優れた脱水効果を発揮することができる。
光硬化性組成物における脱水剤の含有割合は特に制限されるものではないが、(A)成分100重量部に対して、通常、0.1〜100重量部、好ましくは0.5〜50重量部、さらに好ましくは、1〜10重量部の範囲内の値とする。脱水剤の添加量が0.1重量部未満となると、添加効果の発現に乏しい傾向があり、また、保存安定性や光硬化性の向上効果が低い傾向がある。一方、脱水剤の添加量が100重量部を超えると、保存安定性や光硬化性の向上効果が飽和する傾向がある。
本発明で使用される光硬化性組成物には、本発明の目的や効果を損なわない範囲において、ラジカル性光重合開始剤、光増感剤、反応性希釈剤、シリカ粒子、有機溶剤等の添加剤等を更に含有させることができる。
本発明のポリマー光導波路構造においてコアのサイズは、コアとクラッドの比屈折率差や用途により適宜決定されるが、シングルモードの場合には、例えば幅が4〜15μmであり、高さが4〜15μmであり、より好ましくは、幅が5〜10μmであり、高さが5〜10μmである。また、クラッドの厚さはコアの下部が5〜30μmであり、コア上部が5〜30μmである。クラッドの全体の厚さとしては14〜75μmである。本発明のポリマー光導波路がフィルムとして使用される場合には、20〜70μmが好ましい。
本発明のポリマー光導波路構造のクラッドの少なくとも一部を構成するポリイミド系樹脂は、コアに用いられる珪素含有材料よりも屈折率の小さい材料である。このようなポリイミド系樹脂を用いることにより光導波路に屈曲性を与えることができる。屈曲性の観点からポリマー光導波路構造のクラッドの全てがポリイミド系樹脂からなっていてもよい。
また、耐熱性の観点から、前記ポリイミド樹脂の中でも特にフッ素を含むポリイミド樹脂が好ましい。
フッ素を含むポリイミド系樹脂としては、フッ素を含むポリイミド樹脂、フッ素を含むポリ(イミド・イソインドロキナゾリンジオンイミド)樹脂、フッ素を含むポリエーテルイミド樹脂、フッ素を含むポリアミドイミド樹脂などが挙げられる。
上記フッ素を含むポリイミド系樹脂の前駆体溶液は、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、γ−ブチロラクトン、ジメチルスルホキシドなどの極性溶媒中で、テトラカルボン酸二無水物とジアミンを反応させることにより得られる。フッ素は、テトラカルボン酸二無水物とジアミンの両者に含まれていても良いし、いずれか一方にのみ含まれていてもよい。
また、上記フッ素を含まないポリイミド系樹脂の前駆体溶液は、N−メチル−2−ピロリドン,N,N−ジメチルアセトアミド、γ−ブチロラクトン、ジメチルスルホキシドなどの極性溶媒中で、フッ素を含まないテトラカルボン酸二無水物とフッ素を含まないジアミンを反応させることにより得られる。
フッ素を含む酸二無水物の例としては、(トリフルオロメチル)ピロメリット酸二無水物、ジ(トリフルオロメチル)ピロメリット酸二無水物、ジ(ヘプタフルオロプロピル)ピロメリット酸二無水物、ペンタフルオロエチルピロメリット酸二無水物、ビス{3,5−ジ(トリフルオロメチル)フェノキシ}ピロメリット酸二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン二無水物、5,5′−ビス(トリフルオロメチル)−3,3′,4,4′−テトラカルボキシビフェニル二無水物、2,2′,5,5′−テトラキス(トリフルオロメチル)−3,3′,4,4′−テトラカルボキシビフェニル二無水物、5,5′−ビス(トリフルオロメチル)−3,3′,4,4′−テトラカルボキシジフェニルエーテル二無水物、5,5′−ビス(トリフルオロメチル)−3,3′,4,4′−テトラカルボキシベンゾフェノン二無水物、ビス{(トリフルオロメチル)ジカルボキシフェノキシ}ベンゼン二無水物、ビス{(トリフルオロメチル)ジカルボキシフェノキシ}(トリフルオロメチル)ベンゼン二無水物、ビス(ジカルボキシフェノキシ)(トリフルオロメチル)ベンゼン二無水物、ビス(ジカルボキシフェノキシ)ビス(トリフルオロメチル)ベンゼン二無水物、ビス(ジカルボキシフェノキシ)テトラキス(トリフルオロメチル)ベンゼン二無水物、2,2−ビス{(4−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル}ヘキサフルオロプロパン二無水物、ビス{(トリフルオロメチル)ジカルボキシフェノキシ}ビフェニル二無水物、ビス{(トリフルオロメチル)ジカルボキシフェノキシ}ビス(トリフルオロメチル)ビフェニル二無水物、ビス{(トリフルオロメチル)ジカルボキシフェノキシ}ジフェニルエーテル二無水物、ビス(ジカルボキシフェノキシ)ビス(トリフルオロメチル)ビフェニル二無水物などが挙げられる。
フッ素を含むジアミンとしては、例えば、4−(1H,1H,11H−エイコサフルオロウンデカノキシ)−1,3−ジアミノベンゼン、4−(1H,1H−パ−フルオロ−1−ブタノキシ)−1,3−ジアミノベンゼン、4−(1H,1H−パーフルオロ−1−ヘプタノキシ)−1,3−ジアミノベンゼン、4−(1H,1H−パーフルオロ−1−オクタノキシ)−1,3−ジアミノベンゼン、4−ペンタフルオロフェノキシ−1,3−ジアミノベンゼン、4−(2,3,5,6−テトラフルオロフェノキシ)−1,3−ジアミノベンゼン、4−(4−フルオロフェノキシ)−1,3−ジアミノベンゼン、4−(1H,1H,2H,2H−パーフルオロ−1−ヘキサノキシ)−1,3−ジアミノベンゼン、4−(1H,1H,2H,2H−パーフルオロ−1−ドデカノキシ)−1,3−ジアミノベンゼン、2,5−ジアミノベンゾトリフルオライド、ビス(トリフルオロメチル)フェニレンジアミン、ジアミノテトラ(トリフルオロメチル)ベンゼン、ジアミノ(ペンタフルオロエチル)ベンゼン、2,5−ジアミノ(パーフルオロヘキシル)ベンゼン、2,5−ジアミノ(パーフルオロブチル)ベンゼン、2,2′−ビス(トリフルオロメチル)−4,4′−ジアミノビフェニル、3,3′−ビス(トリフルオロメチル)−4,4′−ジアミノビフェニル、オクタフルオロベンジジン、4,4′−ジアミノジフェニルエーテル、2,2−ビス(p−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、1,3−ビス(アニリノ)ヘキサフルオロプロパン、1,4−ビス(アニリノ)オクタフルオロブタン、1,5−ビス(アニリノ)デカフルオロペンタン、1,7−ビス(アニリノ)テトラデカフルオロヘプタン、2,2′−ビス(トリフルオロメチル)−4,4′−ジアミノジフェニルエーテル、3,3′−ビス(トリフルオロメチル)−4,4′−ジアミノジフェニルエーテル、3,3′,5,5′−テトラキス(トリフルオロメチル)−4,4′−ジアミノジフェニルエーテル、3,3′−ビス(トリフルオロメチル)−4,4′−ジアミノベンゾフェノン、4,4′−ジアミノ−p−テルフェニル、1,4−ビス(p−アミノフェニル)ベンゼン、p−ビス(4−アミノ−2−トリフルオロメチルフェノキシ)ベンゼン、ビス(アミノフェノキシ)ビス(トリフルオロメチル)ベンゼン、ビス(アミノフェノキシ)テトラキス(トリフルオロメチル)ベンゼン、2,2−ビス{4−(4−アミノフェノキシ)フェニル}ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス{4−(3−アミノフェノキシ)フェニル}ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス{4−(2−アミノフェノキシ)フェニル}ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス{4−(4−アミノフェノキシ)−3,5−ジメチルフェニル}ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス{4−(4−アミノフェノキシ)−3,5−ジトリフルオロメチルフェニル}ヘキサフルオロプロパン、4,4′−ビス(4−アミノ−2−トリフルオロメチルフェノキシ)ビフェニル、4,4′−ビス(4−アミノ−3−トリフルオロメチルフェノキシ)ビフェニル、4,4′−ビス(4−アミノ−2−トリフルオロメチルフェノキシ)ジフェニルスルホン、4,4′−ビス(3−アミノ−5−トリフルオロメチルフェノキシ)ジフェニルスルホン、2,2−ビス{4−(4−アミノ−3−トリフルオロメチルフェノキシ)フェニル}ヘキサフルオロプロパン、ビス{(トリフルオロメチル)アミノフェノキシ}ビフェニル、ビス〔{(トリフルオロメチル)アミノフェノキシ}フェニル〕ヘキサフルオロプロパン、ビス{2−〔(アミノフェノキシ)フェニル〕ヘキサフルオロイソプロピル}ベンゼンなどが挙げられる。
上記のテトラカルボン酸二無水物およびジアミンは二種以上を併用してもよい。ポリイミド系樹脂の前駆体溶液として、感光性を有するものを使用することもできる。
ポリイミド系樹脂前駆体溶液は、スピナあるいは印刷などによる方法により基板表面上に塗布され、最終温度200〜400℃で熱処理し硬化されてポリイミド系樹脂被膜とされる。
本発明のポリマー光導波路構造は、シリコン基板上に、第一クラッドを設ける工程、第一クラッド上にコアを設ける工程、コア上に第二クラッドを設ける工程をこの順に実施してシリコン基板上にポリマー光導波路構造を形成することを特徴とするポリマー光導波路の製造方法であって、前記コアが珪素含有材料からなり、前記第一及び第二クラッドの少なくとも一部がポリイミド系樹脂からなる、上記製造方法により製造することができる。
また、上記ポリマー光導波路構造を有するポリマー光導波路フィルムは、シリコン基板上に、第一クラッドを設ける工程、第一クラッド上にコアを設ける工程、コア上に第二クラッドを設ける工程をこの順に実施してシリコン基板上にポリマー光導波路構造を形成し、これを水に浸漬してシリコン基板から剥離することによりポリマー光導波路フィルムを製造する方法であって、前記コアが珪素含有材料からなり、前記第一及び第二クラッドの少なくとも一部がポリイミド系樹脂からなる、上記製造方法により製造することができる。
また、本発明の製造方法の好ましい実施態様は、上記製造方法において、コアを設ける工程の後、第二クラッドを設ける工程の前にポストベークを行う工程を更に含む。ポストベーク工程により、後述するようにコア上面の平坦化が期待できる他、比屈折率が安定するため好ましい。ポストベークは、300〜400℃で、10〜60分(時間)程度行うことが好ましい。
また、本発明の好ましい実施態様では、上記製造方法のうちコアを設ける工程は、コアとなる珪素含有材料を塗布してコア層を形成する工程、コアとなる部分以外のコア層をUV露光する工程、及びコアとなる部分以外のコア層を現像する工程からなる。
また、本発明のより好ましい実施態様では、上記製造方法のうち上記コアを設ける工程が、第一クラッドにトレンチを形成する工程、コアとなる珪素含有材料をトレンチ内及び第一クラッド上に塗布してコア層を設ける工程、コアとなる部分以外のコア層をUV露光する工程、及びコアとなる部分以外のコア層を現像して除去する工程からなる。
また、本発明の他の実施態様では、上記製造方法においてコアを設ける工程が、第一クラッド上にコアとなる珪素含有材料を層状に塗布する工程、コアとなる部分以外のコア層をUV露光する工程、及びコアとなる部分以外のコア層を現像して、リッジコアを第一クラッド上に形成する工程からなる。
コアとなる部分以外のコア層をUV露光する工程は、より具体的にはコア層をUV照射して、ポリシランの物性を水酸化テトラメチルアンモニウム溶液等の現像液に溶解するように変化させることを含む。UV露光照射後のポリシラン等の珪素含有材料を現像するための現像液としては、水酸化テトラメチルアンモニウム溶液等のアルカリ溶液が挙げられる。
コア層をUV露光するのに用いるUV光源としては、紫外線領域、望ましくは250nm以下の波長域を有する光源が挙げられ、光源としてはキセノン−水銀ランプなどが挙げられる。照射強度は1μm当たり、0.2J/cm2程度であるが、膜厚によって適宜変更し得る。
また、本発明の他の実施態様として、本発明のポリマー光導波路構造は、シリコン基板上に、第一クラッドを設ける工程、第一クラッド上にコアを設ける工程、コア上に第二クラッドを設ける工程をこの順に実施してシリコン基板上にポリマー光導波路構造を形成することを特徴とするポリマー光導波路の製造方法であって、前記コアが珪素含有材料からなり、前記第一クラッドがポリイミド系樹脂からなり、さらに前記第二クラッドが珪素含有材料からなる、上記製造方法により製造することができる。
より好ましい本発明の実施態様では、上記方法におけるコアを設ける工程は、第一クラッドにトレンチを形成する工程、コアとなる珪素含有材料をトレンチ内及び第一クラッド上に塗布してコア層を設ける工程、コアとなる部分以外のコア層をUV露光する工程、及びコアとなる部分以外のコア層を現像して除去する工程からなる。
また上記方法において、第一クラッド上にコアを設ける工程及びコア上に第二クラッドを同時に行うことができる。すなわち、第一クラッドにトレンチを形成する工程、コアとなる珪素含有材料をトレンチ内及び第一クラッド上に塗布してコア層を設ける工程、コア層をUV露光する工程により、珪素含有材料からなるコア及び第二クラッドを設けることができる。上記方法によりコア層を現像除去する工程及び第二クラッドを設ける工程を行うことなく、簡便に本発明のポリマー光導波路構造を設けることができるため有利である。
図2は、図1に示されるような本発明の光導波路構造を有する光導波路の製造方法の一つの実施態様を示す図である。図2に従い、本発明の製造方法を説明する。酸化シリコンの被膜を形成したシリコン基板1(厚みは好ましくは0.5〜10μm)上に、ポリイミド系樹脂からなる第一クラッド2(厚みは好ましくは9〜45μm)を設ける(図2−(a))。第一クラッド2を、コア形状のマスクを介してドライエッチングして、コア形状のトレンチ(深さ4〜15μm)を形成する(図2−(b))。トレンチ内及び第一クラッド上にポリシランからなるコア材料をスピンコート法により塗布してコア層を設ける(図2−(c))。コア3となる部分以外のコア層を全面UV露光して、UV露光された部分のポリシランをテトラメチルアンモニウムハイロドキサイド等の現像液で現像し、除去する(図2−(d))。コア3上にポリイミド系樹脂からなる第二クラッド4(厚みは好ましくは5〜30μm)を設けることにより本発明の光導波路構造が得られる(図2−(e))。
また、上記図2−(a)〜(c)の工程を行ってコア層を設け、コア3となる部分以外のコア層を全面UV露光することにより、コア3及び第一クラッド2上に、ポリシラン層を第二クラッドとして有する本発明の光導波路構造を得ることができる。
また、上述したようにして製造されたシリコン基板上の光導波路構造を水に浸漬してシリコン基板から剥離することにより、本発明の光導波路フィルムが製造される。
上記方法において、コアとなる部分以外のコア層を全面UV露光する工程は、余分なコア層の厚みに応じてUV露光量、露光時間等を適宜変化させることにより、トレンチ内のコアとなる部分には影響を与えずに、コアとなる部分以外のコア層のみ露光することができる。露光後、テトラメチルアンモニウムハイドロキサイド等の現像液でコアとなる部分以外のコア層を現像し、除去できる。また、コアとなる部分以外のコア層を研磨等により削除することもできる。
また、コア層を形成した後、コア層を全面UV露光せずに、コアとなる部分がマスクされる形状のマスクを介してUV露光を行うこともできる。この場合には、コア上にコア層が残存してしまうが、ポストベークを行うことにより、残存するコア層を流動化させて、コア上面を平坦化することができる。
本発明においてフィルムの弾性率とは、以下に述べるインデンテーション法により測定を行ったものをいう。インデンテーション法は試料に圧子を連続的に負荷および除荷し、得られた加重−変異曲線から材料の硬さや弾性率など弾塑性変形に関する特性を定量的に評価する方法である。インデンテーション法において特に1nmから1μmオーダーの圧入深さ及び1μNから1mNのオーダーの加重を測定するナノインデンターにより測定を行う。概略を述べると、四角錐(ビッカース)圧子を試料に押し込み、そのときの圧入荷重(P)と圧入深さ(h)を測定し、弾性率が一定(飽和)になるまでPとhを変化させて、弾性率を求める。具体的には、例えば、超軽荷重薄膜硬度テスタ(Hysitron Inc.製、Triboscope system + Digital Instruments製Nanoscope-III-D3100型付属)を用い、サイズが曲率半径約150nmの圧子(Berkovic)により、押し込みスピード100μN/secで測定を行う。
以下に本発明の実施例を説明する。
表面に2μm厚のSiO2膜を形成した、直径約12.7cm厚さ約1mmのシリコンウエハ基板上に、クラッド形成用の、フッ素を含むポリイミド系樹脂前駆体溶液(日立化成工業(株)製商品名OPI−N1005)を滴下しスピン塗布(500rpm/30秒)を行った後にオーブン(100℃/30分+200℃/30分+350℃/60分)で硬化して第一クラッド層(膜厚約20μm)を形成した。
第一クラッド層上にレジストをスピンコーターにより塗布し、乾燥後、露光、現像することにより、レジストパターン層を形成した。このレジストパターン層は、第一クラッドをコアの形状に加工するためのマスクとして用いた。このレジストパターン層をマスクとして、第一クラッドを酸素でリアクティブイオンエッチング(O2−RIE)することにより、コア形状の凹部(トレンチ)(深さ約10μm)を得た。
次にコア形成用のグラシアWG−004(日本ペイント製)をトレンチ内及び第一クラッド上に滴下しスピン塗布(2000rpm/30秒)を行った後にオーブン(100℃/30分+200℃/30分)で硬化してコア層(トレンチ部以外の領域で膜厚約6.5μm)を形成した。
このコア層を、キセノン−水銀ランプにてUV全面露光を行った(0.4mW/cm2、60分)。
次に15%テトラメチルアンモニウムハイドロキサイドを用いて、UV露光された部分のポリシランを現像除去し、ポストベーク100℃/30分+200℃/30分+350℃/30分を行い、コアを形成した。前記コア及び第一クラッド上に第二クラッド形成用の、フッ素を含むポリイミド系樹脂前駆体溶液(日立化成工業(株)製商品名OPI−N1005)を滴下しスピン塗布(1200rpm/30秒)を行い、次いでオーブン(100℃/30分+200℃/30分+350℃/60分)で硬化して第二クラッド層(膜厚は、約10μm)を形成した。
得られた基板上の光導波路構造の伝搬損失をカットバック法で測定した。すなわち3cm、2cm、1cmの長さにした導波路における損失を測定し、その損失の傾きを伝搬損失として測定したところ、良好な伝搬損失を示した。
また、得られた基板上の光導波路構造を水(温度100℃)に30分間浸漬すると、光導波路が基板から容易に剥離され、光導波路フィルムが得られた。
このフィルムの弾性率を上述した方法及び装置により測定したところ、良好な弾性率を示した。測定条件は、超軽荷重薄膜硬度テスタ(Hysitron Inc.製、Triboscope system + Digital Instruments製 Nanoscope-III-D3100型付属)を用い、サイズが曲率半径約150nmの圧子(Berkovic)により、押し込みスピード100μN/secで測定を行った。
表面に2μm厚のSiO2膜を形成した、直径約12.7cm厚さ約1mmのシリコンウエハ基板上に、クラッド形成用の、フッ素を含むポリイミド系樹脂前駆体溶液(日立化成工業(株)製商品名OPI−N1005)を滴下しスピン塗布(500rpm/30秒)を行った後にオーブン(100℃/30分+200℃/30分+350℃/60分)で硬化して第一クラッド層(膜厚約20μm)を形成した。
第一クラッド層上にレジストをスピンコーターにより塗布し、乾燥後、露光、現像することにより、レジストパターン層を形成した。このレジストパターン層は、第一クラッドをコアの形状に加工するためのマスクとして用いた。このレジストパターン層をマスクとして、第一クラッドを酸素でリアクティブイオンエッチング(O2−RIE)することにより、コア形状の凹部(トレンチ)(深さ約10μm)を得た。
次にコア形成用のグラシアWG−004(日本ペイント製)をトレンチ内及び第一クラッド上に滴下しスピン塗布(1000rpm/30秒)を行った後にオーブン(100℃/30分+200℃/30分)で硬化してコア層(トレンチ部以外の領域で膜厚約6.5μm)を形成した。
このコア層を、キセノン−水銀ランプにてUV全面露光を行い(0.4mW/cm2、150分)、次いでオーブン(100℃/30分+200℃/30分+350℃/30分)で硬化し、第二クラッド層(膜厚は、約20μm)を形成した。
得られた基板上の光導波路構造の伝搬損失を実施例1と同様にカットバック法で測定したところ、良好な伝搬損失を示した。
また、得られた基板上の光導波路構造を水(温度100℃)に30分間浸漬すると、光導波路が基板から容易に剥離され、光導波路フィルムが得られた。
このフィルムの弾性率を上述した方法及び装置により実施例1と同様の測定条件で測定したところ、良好な弾性率を示した。
本発明の光導波路構造の一つの実施態様を示す断面図である。 本発明の光導波路構造の製造方法の一つの実施態様を示す図である。
符号の説明
1・・・シリコン基板
2・・・第一クラッド
3・・・コア
4・・・第二クラッド

Claims (6)

  1. 酸化シリコンの被膜を形成したシリコン基板上に、第一クラッドを設ける工程、第一クラッド上にコアを設ける工程、コア上に第二クラッドを設ける工程をこの順に実施して酸化シリコンの被膜を形成したシリコン基板上にポリマー光導波路構造を形成することを特徴とするポリマー光導波路の製造方法であって、前記コアがポリシラン及び加水分解性シラン化合物の光硬化物からなる群より選択される珪素含有材料からなり、前記第一及び第二クラッドの少なくとも一部がポリイミド系樹脂からなり、前記コアを設ける工程が、第一クラッドにトレンチを形成する工程、コアとなる珪素含有材料をトレンチ内及び第一クラッド上に塗布してコア層を設ける工程、コアとなる部分のコア層及び第一クラッド上に存在するコアとなる部分以外のコア層をUV露光する工程、及び前記UV露光したコアとなる部分以外のコア層を現像して除去する工程を含む、上記製造方法。
  2. 酸化シリコンの被膜を形成したシリコン基板上に、第一クラッドを設ける工程、第一クラッド上にコアを設ける工程、コア上に第二クラッドを設ける工程をこの順に実施して酸化シリコンの被膜を形成したシリコン基板上にポリマー光導波路構造を形成することを特徴とするポリマー光導波路の製造方法であって、前記コアがポリシラン及び加水分解性シラン化合物の光硬化物からなる群より選択される珪素含有材料からなり、前記第一クラッドがポリイミド系樹脂からなり、前記第二クラッドがポリシラン及び加水分解性シラン化合物の光硬化物からなる群より選択される珪素含有材料からなり、前記コアを設ける工程及びコア上に第二クラッドを設ける工程が、第一クラッドにトレンチを形成する工程、コアとなる珪素含有材料をトレンチ内及び第一クラッド上に塗布してコア層を設ける工程、並びにコアとなる部分のコア層及び第一クラッド上に存在するコアとなる部分以外のコア層をUV露光する工程を含む、上記製造方法。
  3. 酸化シリコンの被膜を形成したシリコン基板上に、第一クラッドを設ける工程、第一クラッド上にコアを設ける工程、コア上に第二クラッドを設ける工程をこの順に実施して酸化シリコンの被膜を形成したシリコン基板上にポリマー光導波路構造を形成し、これを100℃の水に浸漬して酸化シリコンの被膜を形成したシリコン基板から剥離することによりポリマー光導波路フィルムを製造する方法であって、
    前記コアがポリシラン及び加水分解性シラン化合物の光硬化物からなる群より選択される珪素含有材料からなり、前記第一クラッドがポリイミド系樹脂からなり、
    コアを設ける工程が、第一クラッドにトレンチを形成する工程、コアとなる珪素含有材料をトレンチ内及び第一クラッド上に塗布してコア層を設ける工程、コアとなる部分のコア層及び第一クラッド上に存在するコアとなる部分以外のコア層をUV露光する工程、及び前記UV露光したコアとなる部分以外のコア層を現像して除去する工程からなる、上記製造方法。
  4. コアを設ける工程の後、第二クラッドを設ける工程の前にポストベークを行う工程を更に含む、請求項1または3に記載の製造方法。
  5. 該第二クラッドがポリシラン及び加水分解性シラン化合物の光硬化物からなる群より選択される珪素含有材料からなる、請求項1、3及び4のいずれか一項に記載の製造方法。
  6. 該ポリイミド系樹脂がフッ素を含むポリイミド系樹脂である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の製造方法。
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