JP4432012B2 - ダイカスト金型の製造方法、およびダイカスト金型 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、優れた被削性、溶接補修性を有する、試作用と量産用の両方に使用されるダイカスト金型用鋼を用いてなる耐ヒートクラック性に優れたダイカスト金型の製造方法、そしてダイカスト金型に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ダイカスト金型においては、アルミ合金などの溶湯との接触による加熱と、水溶性離型剤などによる冷却が繰返し行われるため、その金型表面には圧縮および引張の熱応力が負荷される。実操業においては、この熱応力が繰り返し負荷されるため、金型表面に熱疲労クラックが発生すれば、被加工材に転写されるようになる。このクラックの転写は徐々に激しくなり、金型が使用できなくなると廃却となる。
【0003】
このような熱応力負荷のもとで、量産用のダイカスト金型は数万〜十数万ショットの使用に耐えなければならず、素材としては高温強度、靭性に優れる材料が必要となり、一般的にはJIS SKD61が使用される。SKD61は焼入れ焼戻し状態では十分な被削性が得られないため、その金型製作は焼きなまし状態で粗加工を行ってから、焼入れ焼戻し処理により40〜50HRCの硬さとして、最後に仕上げ加工が行われる工程となっている。
【0004】
一方、シリンダーブロック、トランスミッションケース類等の自動車用アルミダイカスト部品を新規に立ち上げる場合、その使用される金型の製作においては、まず“1番型”として試作用金型が製作され、それによる試験鋳造が行われる。これによって、初期のデザイン設計からのデザイン変更が行われることが頻繁にある。また、試験鋳造の結果、鋳造方案の面から意図したダイカスト製品が得られないとなれば、1番型は肉盛溶接補修と機械加工により金型形状が大幅に作り替えられることも日常的に行われる。
【0005】
このような試作用金型に限定すれば、それはSKD61で得られる程の寿命をさして必要としない一方で、新規製品の立上げ期間をなるべく短くするために、その製作リードタイムを短縮することが求められる。すなわち、焼入れ焼戻しにより硬さ調質した後に、粗加工から仕上げ加工までを行なう工程とする必要があり、被削性に優れたプリハードン対応の金型材料が使用されている。
【0006】
加えて、SKD61のように比較的C量の高い金型材料は、その肉盛溶接補修を行なうとなれば、A1変態点以上に昇温して焼入れされた部分の硬さが高くなるため、溶接割れが起こりやすい。よって、溶接の前後の予熱が必要となり溶接作業が煩雑であったり、そして、肉盛部の仕上加工も困難になるという問題から、試作用金型材料としては適用に難しい。
【0007】
よって、量産用のダイカスト金型を製作するにおいては、まず良好な被削性や溶接性を有するに適当な材料にて試作用金型を製作し、試験鋳造等を経て、試作用金型で最終形状が決定されてから、次にSKD61を用いた前記工程での量産用金型の製作が一般的なやり方であった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上記した量産用金型の製作工程の場合、それには試作用金型と量産用金型で2つの金型材が必要となり、また図4に示すように、計9つの金型製作工程が必要である。よって、被削性および溶接性に優れた試作用金型材とする一方で、その製作された試作用金型の熱疲労クラック寿命をSKD61並みに改善することができれば、金型製作の工程の合理化、コスト低減に大きな効果が得られる。
【0009】
被削性に優れた金型材料としては、一般的にSKD61等をベースにSなどの快削性元素を多く添加した鋼が40HRC前後に調質されて使用されている。しかし、この場合、MnSなどの介在物が多く分布した組織となっており、それら介在物は素材製造時の鍛造により鍛伸方向に細長く伸びた形態となっていることから、被削性は良好である反面、介在物を起点としたヒートクラックが発生し易く、靭性も低いという欠点がある。このためヒートクラックが早期に発生し、そして、介在物に沿って急速に深く進展してしまい、目標とする寿命を十分に達成するには困難である。
【0010】
このため、硬さ35HRC以下の予備調質にて被削性が良く、溶接性も良好な低C系の射出成形用金型材を使用することが提案されている。しかし、この材料の場合、熱処理によって得られる硬さが低いため前記の熱疲労クラックが早期に発生してしまい、数万〜十数万ショットの鋳造が必要な量産用ダイカスト金型としては不十分である。
【0011】
ここで、寿命を向上させるために金型の成形面(型彫面)に窒化処理を施すという方法も提案されているが、窒化による強度改善が可能な金型表層深さはせいぜい0.3mmが限界である一方、熱疲労クラックは1mm前後の深さまで生成するため、その効果は十分と言い難い。そこで本発明は、優れた被削性、溶接補修性を有することで、試作用と量産用の両方に使用できるダイカスト金型用鋼を用いてなる耐ヒートクラック性に優れたダイカスト金型の製造方法、そしてダイカスト金型を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、量産用のダイカスト金型を得るにあたり、まず試作用金型として必要な被削性、溶接性の面では不可欠である低C材で試作用金型を製作し、その形状変更が完了した時点で次には、量産用の金型としての熱疲労クラックが発生する表層部、具体的には成形面(型彫面)の表層部に浸炭処理によってCを富化させることで、必要な熱疲労強度を得る手段に着想した。そして、この着想に基づいて、試作用金型、量産用金型に必要な両方の特性を与えることができる金型用鋼としての成分組成について鋭意研究を行った結果、本発明に到達した。
【0013】
すなわち、本発明のダイカスト金型の製造方法については、まずそれに用いる本発明のダイカスト金型用鋼は、質量%で、C:0.1〜0.3%、Si:1.0%以下、Mn:3.0%以下、S:0.05%以下、Cr:1.0〜3.0%、MoおよびWは単独または複合で(Mo+1/2W):1.0〜2.0%、V:0.01〜1.0%、残部Feおよび不可避的不純物からなるものである。そして、質量%で、C:0.1〜0.3%、Si:1.0%以下、Mn:3.0%以下、S:0.05%以下、Cr:1.0〜3.0%、MoおよびWは単独または複合で(Mo+1/2W):1.0〜2.0%、V:0.01〜1.0%、Cu:0.1〜1.0%、残部Feおよび不可避的不純物からなるものである。
【0014】
また、上記の金型用鋼について、Feの一部をNi:2.0%以下、またはP:0.020〜0.050%で置換したダイカスト金型用鋼、あるいは、Feの一部をCa:0.01%以下、Te:0.2%以下、Zr:0.2%以下、Se:0.05%以下、Ce:0.1%以下、Pb:0.2%以下、Bi:0.2%以下、Sn:0.05%以下、Sb:0.05%以下のうちの1種あるいは2種以上で置換したダイカスト金型用鋼である。
【0015】
そして、本発明のダイカスト金型の製造方法は、上記の本発明のダイカスト金型用鋼を焼入れ焼戻し後、あるいは35HRC以下の硬さに調質後加工して試作用ダイカスト金型を製作し、該試作用ダイカスト金型を用いてその製作すべきダイカスト金型の最終形状を決定し、該試作用ダイカスト金型を前記最終形状に整えた後、浸炭処理を行なうものである。浸炭処理としてはプラズマ浸炭法が適用でき、さらには、このような浸炭処理によって、その表面より少なくとも0.5mm内部までの表層部位を420〜600HVの硬さとするダイカスト金型の製造方法である。
【0016】
そして、上記の本発明のダイカスト金型用鋼を用いて製作したダイカスト金型である。具体的には、その硬さが35HRC以下のダイカスト金型であって、さらには、その上に浸炭層を有するダイカスト金型である。望ましくは、浸炭層はその表面より少なくとも0.5mm内部までの部位が420〜600HVの硬さのダイカスト金型である。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明の特徴は、試作用金型として必要な被削性、溶接性の面では不可欠である低C材で試作用金型を製作し、その形状変更が完了した時点で次には、量産用の金型としての熱疲労クラックが発生する表層部、具体的には成形面の表層部に浸炭処理によってCを富化させることで、必要な熱疲労強度を得る手段に着想したところにある。
【0018】
加えて、上記の着想にも従い、被削性に優れた予備調質鋼として試作用金型の製作リードタイムを短縮でき、かつ溶接性に優れることで金型の形状修正が容易であって、さらにはその浸炭処理によって、量産用金型としての使用も可能なダイカスト金型用鋼と、その熱疲労特性に優れるダイカスト金型を見いだしたところにも特徴を有する。これにより、1つの量産用金型を製作するにあたって、その金型製作工程を6工程にまで減らすことができ、金型作製費用と期間を大幅に削減することができる。
【0019】
つまり、本発明のダイカスト金型の製造方法(図1に一例を示す)は、まず、焼入れ焼戻しにより硬さを調質した所定の金型用鋼を機械加工して試作用ダイカスト金型を製作することから、このためにも被削性に優れたプリハードン対応の金型用鋼が要求される。次に、その試作用ダイカスト金型を用いた試験鋳造を行なって量産用金型としての最終形状を決定するが、その最終形状とすべく試作用ダイカスト金型を改造するとなれば、機械加工に合わせ、肉盛溶接のための溶接補修性、その後の被削性にも優れた金型用鋼としても要求される。
【0020】
そして、優れた耐ヒートクラック性をも付与すべく、改造された上記金型に浸炭焼入れ・焼戻しを行なうものであるが、この場合、これら金型製作の効率化を達成できる本発明の製造方法に適したダイカスト金型用鋼の提供が重要となる。
【0021】
これら適した金型用鋼とするためには、基本組成自体を低Cにして溶接性を良好にする必要がある。そして、焼入れにより上部ベイナイト組織を生成させ、かつ焼戻しにてCr,MoまたはW,V炭化物を析出・凝集させて、強度を付与すると共に適度の脆化を起こさせることにより、基地に良好な被削性を与えることが重要となる。
【0022】
さらには、本発明の製造方法の浸炭処理によって高C化した時に常温の硬さが増すだけでなく、熱疲労特性に必要な高温強度と常温近傍での延性をもSKD61と同等とすることが必要である。そこで、本発明者は、これら作用を達成できる成分組成について鋭意研究を行った結果、本発明のダイカスト金型用鋼に到達したのである。以下、本発明鋼の成分限定の理由について述べる。
【0023】
Cは、本発明鋼の焼入れ組織を被切削性の良好な上部ベイナイト組織に保ち、かつ焼戻しにおけるCr,MoまたはW,V炭化物の析出による強化をもたらすために必要な基本的添加元素である。多過ぎると基地をマルテンサイト組織化し、組織単位が微細となり過ぎて、被削性を低下させるので0.3%以下とし、低過ぎるとフェライトの生成を招くので0.1%以上とする。
【0024】
Siは、製鋼時の脱酸剤であるが、多過ぎるとフェライトの生成を招くので1.0%以下とする。
【0025】
Mnは、焼入性を高め、フェライトの生成を抑制し、適度の焼入れ焼戻し硬さを得る効果がある。多過ぎるとベイナイト組織を過度に微細化させ、また基地の粘さを上げて被削性を低下させるので3.0%以下とする。なお、上記の効果を得るに好ましくは0.3%以上である。
【0026】
Sは、非金属介在物MnSとして存在し、被削性の向上に大きな効果があるので、場合によっては添加することができる。多量に含有すると細長く伸びたMnSが多く存在する組織となり、上述のごとくヒートクラックの起点になり易く、さらに靭性の低下によりクラックが進展してしまうので、0.05%以下に限定する。
【0027】
Crは、焼戻しにより微細炭化物を析出・凝集させて強度を付与するために添加される。本効果を得るためには1.0%以上が必要であるが、多過ぎるとベイナイト組織を微細化させ基地の粘さを上げて被削性を低下させるので3.0%以下とした。
【0028】
MoおよびWは、焼戻しにより微細炭化物を析出・凝集させて強度を付与し、高温強度を向上させるために単独または複合で添加される。少な過ぎるとFeを主体としたセメンタイト系の炭化物が凝集し、高温強度が得られないばかりでなく、耐ヒートクラック性へのもう一つの重要な特性である延性も低下する。上記の効果を得るために単独または複合で(Mo+1/2W)にて1.0%以上添加する。本用途の場合、多量の添加は不要で、多過ぎると被削性の低下を招くので、(Mo+1/2W)で2.0%以下とした。
【0029】
Vは、焼戻し軟化抵抗を高めると共に結晶粒の粗大化を抑制し、靭性向上に寄与する。この効果を得るためには0.01%以上を必要とするが、多過ぎると被削性の低下を招くので1.0%以下とした。
【0030】
以下、本発明を構成するその他の有効な成分元素について述べる。
Cuは、焼戻しによりFe−Cu固溶体を析出・凝集させ、ダイカスト金型として必要な硬さを付与すると共に、被削性を向上させるため、必要に応じて添加される。多過ぎるとベイナイト組織を微細化させ被削性が低下し、また熱間加工性を低下させるので1.0%以下とする。低過ぎると上記の効果が得られないので、好ましくは0.1%以上とする。
【0031】
Niは、焼入性を高め、フェライトの生成を抑制するため、必要に応じて添加される。多過ぎるとベイナイト組織を過度に微細化させ、基地の粘さを上げて被削性を低下させるので2.0%以下とする。好ましくは0.2%以上である。
【0032】
Pは、焼戻し脆化により適度に靭性を低下させ、被削性を改善することが可能である。この効果を得るために必要に応じて0.020%以上を添加するが、多過ぎると著しく靭性を悪化させ、耐ヒートクラック性を低下させるので0.050%以下とする。
【0033】
Ca,Te,Zr,Se,Ce,Pb,Bi、Sn、Sbは、何れも被削性を付与するための元素であり、必要に応じて1種あるいは2種以上を添加する。多過ぎると靭性を低下させるので、それぞれCa:0.01%以下、Te:0.2%以下、Zr:0.2%以下、Se:0.05%以下、Ce:0.1%以下、Pb:0.2%以下、Bi:0.2%以下、Sn:0.05%以下、Sb:0.05%以下とする。
【0034】
以上述べた金型用鋼であれば、優れた被削性と溶接性を備えることから、焼入れ焼戻しのプリハードン状態にて機械加工により試作用ダイカスト金型の製作ができ、その用いた試験鋳造により決定される最終形状に、肉盛溶接、機械加工にて改造することもできる。そして、その製作された金型には、浸炭処理によって量産に十分耐え得る耐ヒートクラック性を付与することが可能である。本発明の場合、その浸炭処理はガス浸炭を始めとするいずれの浸炭処理でも良いが、プラズマ浸炭処理が最も適当である。これは、本発明鋼の標準的焼入加熱温度である900℃で、比較的短時間に本発明の深い硬化層が得られるからである。本発明のダイカスト金型においては、その成形面ともなる表面より少なくとも0.5mm内部までの表層部位を420〜600HVの硬さとすることが望ましい。
【0035】
なお、上記加工の際には、基地に更なる被削性を付与するために35HRC以下に調質することが好ましい。これにおいては焼入れ後の高温焼戻しにてその硬さの付与が可能であり、本発明であれば、その硬さによるダイカスト金型への適用にも十分対処できるものである。なお、その優れた被削性と金型としての十分な硬さを得るに好ましくは30HRC以上である。
【0036】
【実施例】
本発明の実施例について説明する。
(実施例1)
表1に焼入れ・焼戻しにて所定の硬さに調整した本発明鋼A〜Tおよび比較鋼U(JIS SKD61),Vの化学成分と、それら各鋼のエンドミル切削を行った場合の被削性指数を示す。被削性指数は、工具摩耗量が0.3mmの時の切削長について、その比較鋼Vでの結果を100とした場合のそれに対する比である。
【0037】
【表1】
【0038】
比較鋼Vは射出成形用金型として広く使用され、その快削性が評価されている材料であるが、本発明鋼は良好な被削性を示し、比較鋼Vと同等以上となっている。なお、比較鋼U(SKD61)は同様の硬さ32HRCでは明らかに被削性が劣る。
【0039】
(実施例2)
次に、表1の硬さによる本発明鋼A、比較鋼Uについて溶接性を評価した。評価は、溶接棒JIS YGT1CMを使ったTIG溶接にて、溶接電流130A、Arガス流量13リットル/minとし、予熱・後熱なしの条件で、深さ10mm、幅25mmを溶接した時の、その両鋼の熱影響部(HAZ)の硬さ測定に依った。その結果を表2に示す。
【0040】
【表2】
【0041】
本発明鋼Aは熱影響部の硬さが低く、溶接補修後の機械加工が容易であるにの対して、比較鋼Uの熱影響部は硬さが500HVを超え、機械加工が容易ではない。さらにJIS Z3158に準拠した斜めY型溶接割れ試験を予熱・後熱なしで行ったところ、本発明鋼Aでは割れがなかったのに対し、比較鋼Uでは溶接部との境界付近で割れが発生した。比較鋼Uは含有C量が高いことから、熱影響部の硬さが高くなり、溶接後の冷却過程における熱応力の発生で割れが生じる結果となった。なお、溶接熱影響部の硬さは含有C量に依存するため、比較鋼Uを除いては、本発明のC含有量を満たす本発明鋼B以下は硬さが400HVを越えることはなく、本発明鋼Aを始め、割れが発生することもなかった。
【0042】
(実施例3)
次に、表1の硬さによる本発明鋼A,Pおよび比較鋼Vについて浸炭焼入れを行った。まず、900℃で30分間、80Paの減圧下でAr:H2=1:1の割合のガスを流し、スパッタリングにより表面を洗浄した後、900℃で60分間、100PaでH2:CH4=1:4の割合のガスを流して浸炭処理を行った。その状態から、CH4ガスを止め、980℃に昇温して、30分間保持した後、N2ガスを用いて冷却して焼入れした。その後、520℃で焼戻しを行い、表層部の硬さをビッカース硬度計で測定した。その結果を図2に示す。
【0043】
ダイカスト金型に使用すべく調質されたSKD61の一般的な焼入れ焼戻し硬さは400〜500HVであるが、本発明鋼A,P、比較鋼Vともに、表面から1mm前後の深さにわたってその硬さが得られている。前記のようにダイカスト金型の場合、表面から0.5mmを超えた深さの範囲にもヒートクラックが発生するが、これを抑制するための強度向上策として、表面から0.3mm前後が限界である窒化処理に比べて、本浸炭処理であればヒートクラックに対する耐久性が期待できる。また、本発明鋼の場合、例えば950℃のガス浸炭法によっても同様の硬化層が得られた。もちろん真空浸炭や固体浸炭法でも同様の硬化層が得られる。なお、本発明鋼の成分範囲内であれば、浸炭によって得られる硬化層の硬さ分布は組成によらず浸炭条件によってほぼ一定であり、本発明鋼B〜Tでも同様のヒートクラック耐久性が期待できる。
【0044】
(実施例4)
次に、表1の本発明鋼A,Pと比較鋼U,Vより図3に示す寸法380mm×310mm×70mmの試験用金型を作製して鋳造実験を行った。この試験用金型には0.2R,0.5R,1.0Rの異なるコーナーRを持ったV溝を湯口より計5箇所設けてある。実際の金型であればヒートクラック発生による金型寿命は5万サイクルを超え、10万サイクル以上に及ぶ場合もある。よって、このような実金型での寿命試験を行なえば、評価に2年以上を要することになるので、本実施例においては、試験用金型として、その設けた応力集中部でのヒートクラック発生サイクルを確認することで、加速寿命の評価を行うこととした。
【0045】
まず、比較鋼U(SKD61)を焼入れ焼戻しして46HRCに調質した上記の試験用金型を準備した。これは量産用金型に適用されている一般の条件である。次に、射出成形用金型として一般に使用されている比較鋼Vの上記試験用金型(硬さ32HRC)を準備した。これは予備調質された試作用金型として実際に使用されている金型条件である。
【0046】
そして、これらとは別に、同じく硬さ32HRCに調質した本発明鋼A,P、そして比較鋼Vを機械加工して金型形状とした後、プラズマ浸炭焼入れ焼戻しして仕上げた試験用金型を準備した。なお、上記プラズマ浸炭処理した表面硬さは500HVであって、比較鋼Vのものも併せ、その表面より少なくとも0.5mm内部までの表層部位が420〜600HVの硬さ範囲内であることも確認済みである。
【0047】
これら準備した5種類の試験用金型を1つづつ型絞力350tのダイカストマシンに取り付け、アルミ溶湯による鋳造試験を行った。アルミの溶湯温度は680℃とした。そして、250サイクル毎に金型の溝部を観察して、ヒートクラックが発生しているか否かを観察し、ヒートクラックが初めて観察された鋳造サイクル数を測定、その結果を表3に示す。
【0048】
【表3】
【0049】
46HRCの硬さを持つ比較鋼U(SKD61)の金型に比べて、32HRCの硬さである比較鋼Vの金型(射出成形用金型。浸炭処理なし)のヒートクラック発生サイクル数はその1/3〜1/4程度であり、試作用金型としては使用できても量産用金型としての使用には耐え難いことが判る。
【0050】
これに対して、浸炭処理を施した本発明鋼Aの金型はヒートクラックに対する耐久性がSKD61のものに迫り、あるいは溝によってはそれ以上であることが判る。また、表1に挙げる本発明鋼の中で最も被削性が良好な本発明鋼Pの金型についても、同等の耐久性が得られている。しかし、比較鋼Vの金型の場合、同じように浸炭処理が施された金型であっても、そのヒートクラック耐久性は著しく劣り、かえって浸炭しない場合にも劣る結果であった。
【0051】
以前、本発明者は「熱間工具鋼のヒートチェック特性に及ぼす機械的性質の影響,CAMP-ISIJ vol.7(1994)-1730」にて下記の事項を報告している。なお、本報告で使用しているヒートチェックとは、本発明でのヒートクラックに同義である。ダイカスト金型に発生するヒートチェックは金型表層部に作用する熱応力の繰返しによる熱疲労現象である。つまり、高温下での強度の大きい金型であれば、作用する熱応力が小さくなり、ヒートチェックの発生は高サイクル側へ移行する、すなわち金型のヒートチェック寿命は長寿命となる。一方、金型表層部に引張応力が作用するのは、表面が水溶性潤滑剤で冷却された時であり、一般の疲労現象と同様、延性値の高い金型の方が寿命の向上に有利となる。よって、高温強度が高く、かつ常温付近の延性値が高い金型であれば、具体的には金型としての表層部であれば、ヒートチェックが発生し難いものと言える。
【0052】
そこで、表3に示した金型耐久試験で使用された金型、特にはその同様に浸炭処理を行なったにもかかわらずヒートクラック耐久性に差が生じた金型(本発明鋼A,比較鋼V)について、その引張特性を調べた。この場合、浸炭層の引張試験は不可能であるため、その評価にあたっては、それぞれの金型用鋼A,VのC量をその浸炭層のC量に相当する約0.4%に調整した試料を別途作製して、相当に調質し、それより引張試験片を作製した。表4に示すのは、本発明鋼Aの浸炭層に相当する鋼W、そして比較鋼Vの浸炭層に相当する鋼Xの成分組成である。引張試験結果を表5に示す。
【0053】
【表4】
【0054】
【表5】
【0055】
まず、比較鋼Vに浸炭処理を施さないままの金型は、比較鋼UすなわちSKD61の金型に対してその硬さ自体が低いことから、ダイカスト金型の昇温時に相当する600℃における耐力値すなわち強度が低いため、ヒートクラックが早期に発生している。
【0056】
また、比較鋼Vに浸炭処理を施した金型の場合、その浸炭層に相当する鋼Xは、調質硬さこそ比較鋼Uの金型より高いものの、高温強度、常温の延性は低く、ヒートクラック耐久性には劣るものである。これは、焼戻し過程にてCとの結合による極微細炭化物が形成されるが、高温強度を付与するに十分なMo量自体が不足すること、さらには、そのMoの不足によりFeを主体としたセメンタイト系の炭化物が生成され、これが凝集粗大化したため、延性も低下したものである。
【0057】
一方、本発明鋼Aに浸炭処理を施した金型において、その浸炭層に相当する鋼Wは、Moが増量され、比較鋼Uによる金型の高温強度を上回り、そして延性も大きく低下していない。これらのことが、表3に示した比較鋼Vを浸炭処理して作製した金型のヒートクラック耐久性が良くない一方で、本発明鋼Aを浸炭して作製した金型のヒートクラック耐久性が比較鋼U製のダイカスト金型のそれと比肩し、量産用金型として十分使用可能な耐久性を達成できる理由と判断できる。
【0058】
【発明の効果】
本発明であれば、量産用金型の製作にあたって、量産用金型とは別に試作用金型のためのもう1つの金型用鋼が必要かつ、9つの金型製作工程もが必要であった従来に比して、本発明の金型用鋼と浸炭処理を利用することで、1つの金型用鋼および金型製作工程も6工程にまで減らすことができる。よって、金型製作費用と期間を大幅に削減することができ、工業的価値は高い。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の量産用金型の製作工程の一例を示す図である。
【図2】 本発明の浸炭層の一例を説明するための図である。
【図3】 本発明の実施例に使用した試験用金型を示す図である。
【図4】 従来の量産用金型の製作工程を示す図である。
Claims (16)
- 質量%で、C:0.1〜0.3%、Si:1.0%以下、Mn:3.0%以下、S:0.05%以下、Cr:1.0〜3.0%、MoおよびWは単独または複合で(Mo+1/2W):1.0〜2.0%、V:0.01〜1.0%、残部Feおよび不可避的不純物からなるダイカスト金型用鋼を焼入れ焼戻し後加工して試作用ダイカスト金型を製作し、該試作用ダイカスト金型を用いてその製作すべきダイカスト金型の最終形状を決定し、該試作用ダイカスト金型を前記最終形状に整えた後、浸炭処理を行なうことを特徴とするダイカスト金型の製造方法。
- 質量%で、C:0.1〜0.3%、Si:1.0%以下、Mn:3.0%以下、S:0.05%以下、Cr:1.0〜3.0%、MoおよびWは単独または複合で(Mo+1/2W):1.0〜2.0%、V:0.01〜1.0%、Cu:0.1〜1.0%、残部Feおよび不可避的不純物からなるダイカスト金型用鋼を焼入れ焼戻し後加工して試作用ダイカスト金型を製作し、該試作用ダイカスト金型を用いてその製作すべきダイカスト金型の最終形状を決定し、該試作用ダイカスト金型を前記最終形状に整えた後、浸炭処理を行なうことを特徴とするダイカスト金型の製造方法。
- 質量%で、C:0.1〜0.3%、Si:1.0%以下、Mn:3.0%以下、S:0.05%以下、Cr:1.0〜3.0%、MoおよびWは単独または複合で(Mo+1/2W):1.0〜2.0%、V:0.01〜1.0%、残部Feおよび不可避的不純物からなるダイカスト金型用鋼を35HRC以下の硬さに調質後加工して試作用ダイカスト金型を製作し、該試作用ダイカスト金型を用いてその製作すべきダイカスト金型の最終形状を決定し、該試作用ダイカスト金型を前記最終形状に整えた後、浸炭処理を行なうことを特徴とするダイカスト金型の製造方法。
- 質量%で、C:0.1〜0.3%、Si:1.0%以下、Mn:3.0%以下、S:0.05%以下、Cr:1.0〜3.0%、MoおよびWは単独または複合で(Mo+1/2W):1.0〜2.0%、V:0.01〜1.0%、Cu:0.1〜1.0%、残部Feおよび不可避的不純物からなるダイカスト金型用鋼を35HRC以下の硬さに調質後加工して試作用ダイカスト金型を製作し、該試作用ダイカスト金型を用いてその製作すべきダイカスト金型の最終形状を決定し、該試作用ダイカスト金型を前記最終形状に整えた後、浸炭処理を行なうことを特徴とするダイカスト金型の製造方法。
- ダイカスト金型用鋼は、質量%で、Feの一部をNi:2.0%以下で置換したことを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載のダイカスト金型の製造方法。
- ダイカスト金型用鋼は、質量%で、Feの一部をP:0.020〜0.050%で置換したことを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載のダイカスト金型の製造方法。
- ダイカスト金型用鋼は、質量%で、Feの一部をCa:0.01%以下、Te:0.2%以下、Zr:0.2%以下、Se:0.05%以下、Ce:0.1%以下、Pb:0.2%以下、Bi:0.2%以下、Sn:0.05%以下、Sb:0.05%以下のうちの1種あるいは2種以上で置換したことを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載のダイカスト金型の製造方法。
- 浸炭処理をプラズマ浸炭法で行なうことを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載のダイカスト金型の製造方法。
- 浸炭処理された表層部は、その表面より少なくとも0.5mm内部までの部位を420〜600HVの硬さとすることを特徴とする請求項1ないし8のいずれかに記載のダイカスト金型の製造方法。
- 質量%で、C:0.1〜0.3%、Si:1.0%以下、Mn:3.0%以下、S:0.05%以下、Cr:1.0〜3.0%、MoおよびWは単独または複合で(Mo+1/2W):1.0〜2.0%、V:0.01〜1.0%、残部Feおよび不可避的不純物からなるダイカスト金型用鋼を用いて製作したダイカスト金型であって、浸炭層を有することを特徴とするダイカスト金型。
- 質量%で、C:0.1〜0.3%、Si:1.0%以下、Mn:3.0%以下、S:0.05%以下、Cr:1.0〜3.0%、MoおよびWは単独または複合で(Mo+1/2W):1.0〜2.0%、V:0.01〜1.0%、Cu:0.1〜1.0%、残部Feおよび不可避的不純物からなるダイカスト金型用鋼を用いて製作したダイカスト金型であって、浸炭層を有することを特徴とするダイカスト金型。
- 硬さが35HRC以下であることを特徴とする請求項10または11に記載のダイカスト金型。
- 浸炭層は、その表面より少なくとも0.5mm内部までの部位が420〜600HVの硬さであることを特徴とする請求項10ないし12のいずれかに記載のダイカスト金型。
- ダイカスト金型用鋼は、質量%で、Feの一部をNi:2.0%以下で置換したことを特徴とする請求項10ないし13のいずれかに記載のダイカスト金型。
- ダイカスト金型用鋼は、質量%で、Feの一部をP:0.020〜0.050%で置換したことを特徴とする請求項10ないし14のいずれかに記載のダイカスト金型。
- ダイカスト金型用鋼は、質量%で、Feの一部をCa:0.01%以下、Te:0.2%以下、Zr:0.2%以下、Se:0.05%以下、Ce:0.1%以下、Pb:0.2%以下、Bi:0.2%以下、Sn:0.05%以下、Sb:0.05%以下のうちの1種あるいは2種以上で置換したことを特徴とする請求項10ないし15のいずれかに記載のダイカスト金型。
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