JP4431689B2 - 中空軸を有する回転電動機用の中空軸加工方法 - Google Patents

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、中空軸を有する回転電動機用の中空軸加工方法に関し、特に、荒挽き、組研磨及び組加工の順番で加工することにより、より高精度の中空軸を製作するための新規な改良に関する。
【０００２】
【従来の技術】
従来、用いられていたこの種のモータエンコーダ等に用いる中空軸としては、社内製作のみであるため、その方法を示す文献名等は開示していないが、荒挽き後に内外周研磨と加工を行っていた。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
従来の中空軸を有する回転電動機用の中空軸加工方法は、以上のように構成されていたため、次のような課題が存在していた。
すなわち、荒挽き後に研磨と加工を中空軸のみ単体で行っていたため、エンコーダ取付軸及び出力軸を前後の孔に取付けた場合の全体の同芯度が出にくく、加工後の中空軸にエンコーダ軸と出力軸を取付けた場合の各軸の芯振れを所定の許容範囲に抑えることが難しく、歩留まりの向上が困難であった。
また、このような高精度加工が困難であるため、特に、エンコーダ取付軸に装着するエンコーダの特性を向上させることが困難であった。
【０００４】
本発明は、以上のような課題を解決するためになされたもので、特に、荒挽き、組研磨及び組加工の順番で加工することにより、より高精度の中空軸を製作するようにした中空軸を有する回転電動機用の中空軸加工方法を提供することを目的とする。
【０００５】
【課題を解決するための手段】
本発明による中空軸を有する回転電動機用の中空軸加工方法は、中空軸の周面にマグネットを設け、その先端の第１孔にエンコーダ取付軸を別体として取付け、その後端の第２孔に出力軸を別体として取付けるようにした中空軸を有する回転電動機用の中空軸加工方法において、前記中空軸にエンコーダ取付軸及び出力軸を取付けない状態で前記中空軸を荒挽き加工した後に前記先端の第１孔を前記荒挽き加工よりも高い精度の孔加工を行う第１工程と、前記第１工程後、前記中空軸に前記エンコーダ取付軸及び出力軸を取付けた後に、前記先端及び後端のセンタ穴基準で前記周面の研磨を行う第２工程と、前記第２工程後、前記出力軸を除去し、前記中空軸の外径面を基準として前記後端の端面及び前記第２孔の内径の加工を行う第３工程と、からなる方法である。
【０００６】
【発明の実施の形態】
以下、図面と共に本発明による中空軸を有する回転電動機用の中空軸加工方法の好適な実施の形態について説明する。
図１は、本発明による中空軸１を適用したエンコーダ２付きの中空軸を有する回転電動機３の全体構成を示している。
前記中空軸１の周面１ａにはマグネット４が設けられてロータ５が形成され、この中空軸１の先端１Ａの第１孔１０にはエンコーダ取付軸６が別体として嵌入して設けられ、その後端１Ｂの第２孔１１には図３で示される出力軸１２が別体として取付けられている。
【０００７】
前記中空軸１の両端を軸支する一対の軸受２０、２１を有する前蓋２２と後蓋２３は、ステータ２４を有するケース２５の両端に設けられている。
【０００８】
次に、前記中空軸１の加工方法について述べる。
まず、予め中空加工された前記中空軸１に対して、エンコーダ取付軸６及び出力軸１２を取付けない状態、すなわち、図２で示す状態において、全体を荒挽き加工（図２の点線で示す）した後に、先端１Ａの第１孔１０（インロー）を前述の荒挽き加工よりも高い精度で孔加工を行う（第１工程）。
【０００９】
前記第１工程後、前記中空軸１に前記エンコーダ取付軸６及び出力軸１２を取付けた後に、先端１Ａ及び後端１Ｂのセンタ穴基準で前記周面１ａの研磨（組研磨）を行う（第２工程）。尚、この周面１ａは図１に示す軸受等も含めて４箇所であり、マグネット４の接着面とエンコーダ２の取付面とが同じセンタ穴で同時研磨できるものである。
【００１０】
前記第２工程後、前記出力軸１２を中空軸１から除去し、エンコーダ取付軸６は取付けたままで、すでに研磨された中空軸１の周面１ａの外径面を基準として、前記後端１Ｂの端面１Ｂａ（図４で示す）及び前記第２孔１１の内径の加工を行う（第３工程）。
【００１１】
従って、前述のように、中空軸１の荒挽き加工（図２）、組研磨（図３）及び組加工（図４）を行うことにより、加工と研磨を段階を経て行うことにより、高精度で加工を行うことができる。
【００１２】
【発明の効果】
本発明による中空軸を有する回転電動機用の中空軸加工方法は、以上のように構成されているため、次のような効果を得ることができる。
すなわち、中空軸の荒挽き加工を行った後に一方の孔の孔加工を行い、この中空軸に出力軸とエンコーダ取付軸を取付けて周面の組研磨を行い、最後に出力軸のみを除去して後端の端面及び他方の孔の孔加工を行うため、中空軸の両端面のセンタ基準で高精度の研磨と加工が行われ、出力軸とエンコーダ取付軸を取付けた場合の中空軸の芯振れが少なく、従来よりも高精度の中空軸を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明による中空軸を有する回転電動機用の中空軸加工方法に用いる中空軸を有する回転電動機を示す断面図である。
【図２】本発明の中空軸の荒挽き加工を示す半断面図である。
【図３】本発明の中空軸の組研磨を示す外観図である。
【図４】本発明の中空軸の組加工を示す半断面図である。
【符号の説明】
１ 中空軸
１ａ 周面
１Ａ 先端
１Ｂ 後端
６ エンコーダ取付軸
１０ 第１孔
１１ 第２孔
１２ 出力軸
１Ｂａ 端面

Claims (1)

1. 中空軸(1)の周面(1a)にマグネット(4)を設け、その先端(1A)の第１孔(10)にエンコーダ取付軸(6)を別体として取付け、その後端の第２孔に出力軸(12)を別体として取付けるようにした中空軸を有する回転電動機用の中空軸加工方法において、
   前記中空軸(1)にエンコーダ取付軸(6)及び出力軸(12)を取付けない状態で前記中空軸(1)を荒挽き加工した後に前記先端(1A)の第１孔(10)を前記荒挽き加工よりも高い精度の孔加工を行う第１工程と、
   前記第１工程後、前記中空軸(1)に前記エンコーダ取付軸(6)及び出力軸(12)を取付けた後に、前記先端(1A)及び後端(1B)のセンタ穴基準で前記周面(1a)の研磨を行う第２工程と、
   前記第２工程後、前記出力軸(12)を除去し、前記中空軸(1)の外径面を基準として前記後端(1B)の端面(1Ba)及び前記第２孔(11)の内径の加工を行う第３工程と、
   からなることを特徴とする中空軸を有する回転電動機用の中空軸加工方法。

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