JP4431600B2 - 発光装置 - Google Patents

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Description

本発明は、電界放出によって放出された電子によって発光する発光装置に関する。
発光装置として、電界放出を利用した発光装置が知られている。このような発光装置では、電界放出型電極(エミッタ電極)に電界を印加することで、真空中に電子を放出し、これにより蛍光体を発光させ所望の光を得ている。冷陰極素子については、例えば特許文献1がある。
また、発光装置としては電界放出効果を利用するものに限られず、LED(Light Emitting Diode)を用いるものもある。さらに、光の3原色であるRGBの光をそれぞれ発するLEDを互いに組み合わせることによって白色光を得ている。
特開2001−35424号公報
ところで、例えば歯科技工士が義歯の色を調節する場合等、このような発光装置下において色を見る場合、標準光源と呼ばれる光源であっても光源下で対象物を見るのと、太陽光(自然光)の下で見るのとで色合いが異なって見えることがある。従って、太陽光に近い波長、強度分布を有する光を得ることが望まれている。これは農業、服飾等の分野でも同様に生じる問題である。
本発明は、上述した実情に鑑みてなされたものであり、所望の波長域強度の光を発する発光装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の第1の観点に係る発光装置は、
電界放出によって、電子を発生する第1の電極と、
前記第1の電極と対向するように設けられた第2の電極と、
前記第2の電極上に形成された第1の蛍光体層と、
前記第2の電極と前記第1の蛍光体層を覆うように形成された第2の蛍光体層と、を備え、
前記第1の蛍光体層には、第1の蛍光体と第2の蛍光体とが分散されており、
前記第2の蛍光体層には、第3の蛍光体が分散されており、
前記第2の蛍光体層は、前記第1の電極から発せられた電子によって前記第3の蛍光体が第1の波長の光を放出し、
前記第1の蛍光体層は、前記第2の蛍光体層から発せられた前記第1の波長の光を吸収し、前記第1の蛍光体と前記第2の蛍光体が、前記第1の波長より長波長の光である第2の波長の光と第3の波長の光をそれぞれ放出し、
前記第1の波長の光と前記第2の波長の光と前記第3の波長の光とが混じりあって発せられる光は、400〜450nmの波長域において太陽光に対する強度比が、+10〜−80%であることを特徴とする。
上記目的を達成するため、本発明の第2の観点に係る発光装置は、
電界放出によって、電子を発生する第1の電極と、
前記第1の電極と対向するように設けられた第2の電極と、
前記第2の電極上に形成された第1の蛍光体層と、
前記第2の電極と前記第1の蛍光体層を覆うように形成された第2の蛍光体層と、を備え、
前記第1の蛍光体層には、第1の蛍光体と第2の蛍光体とが分散されており、
前記第2の蛍光体層には、第3の蛍光体が分散されており、
前記第2の蛍光体層は、前記第1の電極から発せられた電子によって前記第3の蛍光体が第1の波長の光を放出し、
前記第1の蛍光体層は、前記第2の蛍光体層から発せられた前記第1の波長の光を吸収し、前記第1の蛍光体と前記第2の蛍光体が、前記第1の波長より長波長の光である第2の波長の光と第3の波長の光をそれぞれ放出し、
前記第1の波長の光と前記第2の波長の光と前記第3の波長の光とが混じりあって発せられる光は、450〜700nmの波長域において太陽光に対する強度比が、+50〜−40%であることを特徴とする。
前記第1の波長は、500nm以下に少なくとも1つのピークを有してもよい。
本発明によれば、電極上に第1の蛍光体層を形成し、さらに少なくとも第1の蛍光体層を覆うように第2の蛍光体層を形成することによって太陽光の波長と近い波長を発する発光装置を提供することができる。
本発明の実施形態に係る発光装置について図を用いて説明する。
(実施形態1)
本発明の実施形態1に係る発光装置10の構成例を図1及び図2に示す。発光装置10は、図示するように、カソード電極11と、アノード電極12と、ガラス管14と、配線15a,15cと、高圧駆動電源16と、第1の蛍光体層21と、第2の蛍光体層22と、を備える。また、本実施形態において発光装置10は、電界放射型ランプ(Field Emission Lamp;FEL)である。発光装置10では、図示するようにアノード電極12と電界放出型電極(カソード電極)11との間に所定の電圧を印加することにより、カソード電極11の表面に電界を発生させ、トンネル効果により電子を放出させる。この冷電子を第2の蛍光体層22へと衝突させ、発光させる。
カソード電極11は、電界放出によって冷電子を放出させることができる材料、ニッケル、モリブデン、カーボンナノチューブ、カーボンナノホーン等の炭素材料等から形成される。また、カソード電極11はガラス管14内に封入される。また、カソード電極11から放出された電子は、アノード電極12へと導かれる。また、カソード電極11には例えばニッケル、コバール等からなる配線15cが接続されており、配線15cによって電圧が印加される。
アノード電極12は、ITO(Indium Tin Oxide)等の透光性を有する導電材料からなり、ガラス管14の内面上に形成される。また、アノード電極12は、カソード電極11と対向するようにガラス管14内に設置される。また、アノード電極12の上面には図2及び3に示すように第1の蛍光体層21と第2の蛍光体層22とが形成される。また、アノード電極12には、例えばニッケル、コバール等からなる配線15aが接続されており、配線を介して電圧が印加される。
ガラス管14は、無アルカリガラス等から形成される。ガラス管14内には、カソード電極11等が封入される。ガラス管14の内面にはカソード電極11と対向するようにアノード電極12が形成される。また、ガラス管14内は例えば10-5〜10-6Torr程度の高真空に保たれている。なお、ガラス管14内にはゲッター材が封入されていても良い。
また電界放出型電極(カソード電極)11とアノード電極12とはそれぞれ配線15c、配線15aを介して高圧駆動電源16に接続されている。高圧駆動電源16によって印加される直流電圧は、例えば5kVである。
第1の蛍光体層21と第2の蛍光体層22とは、それぞれ蛍光体が分散された層である。第1の蛍光体層21はアノード電極12の上に形成されており、第2の蛍光体層22は、アノード電極12と第1の蛍光体層21とを覆うように形成されている。第2の蛍光体層22はカソード電極11から放出される電子が入射されると、青色の波長域の光を発する蛍光体が分散されている。第1の蛍光体層21は、アノード電極12と第2の蛍光体層22との間に配置しているため、必然的に第2の蛍光体層22からの青色の波長域の光が入射される構造となっており、この青色の波長域の光をエネルギーとして吸収した結果として、より長い波長である緑色、赤色の波長域の光を発する蛍光体が所定割合で分散されている。なお、アノード電極12と、第1の蛍光体層21及び第2の蛍光体層22との間に極薄い透明保護膜を介在させてもよく、また第1の蛍光体層21と第2の蛍光体層22との間に極薄い透明保護膜を設けていてもよい。
第1の蛍光体層21に分散させる緑色の蛍光体としては、CaSc、Ce等を用いることができ、赤色の蛍光体としては、CaAlSiN、Eu等を用いることができる。また、第2の蛍光体層22に分散させる青色の蛍光体としては、例えばZnS、Ag等を用いることができる。
また、第1の蛍光体層21内に分散させる緑色の蛍光体及び赤色の蛍光体の量の比と、第2の蛍光体層22の量の比と、を調節し、且つ第1の蛍光体層21の面積とアノード電極12上に形成されている第2の蛍光体層22の面積との比を調整することによって、各蛍光体から発せられる可視光の波長強度分布を調節している。
なお、本実施形態では、緑色と赤色を発する蛍光体を所定の割合で混合した第1の蛍光体層21を形成している。このように緑色と赤色とを発する層を1層とすることにより形成プロセスが1回で済むため、製造コストを削減することができ、好ましい。
このような第1の蛍光体層21及び第2の蛍光体層22では、まず、カソード電極11から放出された電子は第2の蛍光体層22に衝突し、第2の蛍光体層22から、青色の光波長域、例えば400nm〜500nmの波長域に少なくとも1つのピークを有する光が発せられる。この光の一部は第1の蛍光体層21を介することなくアノード電極12を介してガラス管14外に放出される。また、第1の蛍光体層21に吸収された青色の光は、第1の蛍光体層21内に分散された緑色の蛍光体によって波長が長波長側へシフトされる。そして青色と比較しより波長の長い緑色の光波長域、例えば500nm〜560nmの波長域に少なくとも1つのピークを有するの光として、第1の蛍光体層21外に発せられる。同様に青色の光の一部は赤色の蛍光体によって波長がシフトされ、赤色の光波長域、例えば600nm〜750nmの波長域に少なくとも1つのピークを有する光として第1の蛍光体層21外に発せられる。このように第1の蛍光体層21及び第2の蛍光体層22によって、ガラス管14外に、青、緑、赤の光が発せられ、これらの3色の光が混ざることにより白色光が得られる。第1の蛍光体層21は、青色の光のみならず、緑色の蛍光体によって放出された光の一部を吸収して赤色の光を放出してもよい。ただしこの場合、緑の光が全て吸収されないように緑色と赤色を発する蛍光体のそれぞれ量の比を適宜調整しなければならない。
本実施形態では、以下に示すように白色光、特に太陽光スペクトルに近い白色光を得ることができる。なお、本明細書において、太陽光スペクトルとはフランフォーファー線、大気吸収等の特異な狭いスペクトルの減少を除去した包洛的なスペクトル曲線とする。また、以下に強度比という表現を用いるが、これは500nm以下の波長の各スペクトルのピークを100として規格化した相対的スペクトル曲線から、以下の式1によって算出したものである。
(式1)
(対象となる蛍光体層の波長強度−太陽光の波長強度)×100/太陽光の波長強度
図4〜図6に太陽光スペクトルと、第1の蛍光体層21及び第2の蛍光体層22から発せられる光の波長ごとの強度を示す。太陽光スペクトルは470nmの波長の強度を基準値100とし、その他の波長をこれに対する比(%)として相対的な強度を表したものである。また、線Aと線Bとは太陽光の強度に対して、それぞれ後述する蛍光体を適用した発光装置10の波長強度分布比(%)である。図5及び図6に示すグラフでは、第1の蛍光体層21に分布させる緑の蛍光体としてCaSc:Ceとを含み、赤の蛍光体としてCaAlSiN:Euとを用いる。また、第2の蛍光体層22に分布させる青の蛍光体としてZnS:Agを用いる。更に、図に示す線Aは、CaSc:Ce(G)とCaAlSiN:Eu(R)との比を1:0.3の重量比で混合し、この混合物とZnS:Ag(B)との面積比を1.3:2.3としている。ZnS:Ag(B)は一部が混合物と重なっているため、CaSc:Ce(G)及びCaAlSiN:Eu(R)の混合物のガラス管14外への出射面積とZnS及びAg(B)のガラス管14外への出射面積の比は、1.3:1となる。また、図6に示す線Bは、CaSc:Ce(G)とCaAlSiN:Eu(R)とを1:0.4の重量比で混合し、この混合物とZnS及びAg(B)との面積比を1.4:2.4としているので、CaSc及びCe(G)及びCaAlSiN及びEu(R)の混合物のガラス管14外への出射面積とZnS及びAg(B)のガラス管14外への出射面積の比は、1.4:1となる。
本実施形態では、このように、アノード電極12上に緑色及び赤色の蛍光体を分散させた第1の蛍光体層21を形成し、更にアノード電極12及び第1の蛍光体層21を覆うように、青色の蛍光体を分散させた第2の蛍光体層22を形成する。これにより、カソード電極11から放出された電子によって第2の蛍光体層22を発光させ、この光を第1の蛍光体層21によってより長波長の緑色と赤色の光とにシフトさせ、太陽光に近い波長強度分布の白色光を得ることが出来る。具体的に、図5に示すように可視光域である400nm〜700nmにわたって連続的なスペクトルを有する光を発することが出来る。また、図5に示すように、赤色の蛍光体の割合を増加させた線Bの方が、より赤色の光域において太陽光へ近づいている。
次に、上述した式1によって求めた強度比を図6に示す。図6に示すように、本実施形態ではA、Bともに太陽光に対する強度比は、特に青色の光域である400〜450nmの範囲では、強度比が+10〜−80である。また、450nm〜580nmの範囲では強度比は+10〜−10と、太陽光に近い強度が得られていることがわかる。また580nm〜700nmの範囲では強度比は+50〜−40である。このように451〜700nmでは、+50〜−40の範囲内である。
例えば、白色光を得る方法としては市販のLEDによってRGBのそれぞれの光を発し混色させる方法が考えられる。しかし、LEDでは放出される光の波長はバンドギャップに依存するため、狭い範囲の波長域を有する光が放出される。従って、RGBの3色をLEDで発し混色させた場合、各色の間の領域(波長域)は谷間のようになり連続的なスペクトルは得られない。従って、RGBの3色の光を発するLEDでは、他の領域と比較し光強度が弱い領域が存在し、本実施形態のように太陽光スペクトルに近い白色光、特に可視光域である400〜700nmの範囲において白色光に近いスペクトルを得ることはできない。例えば、青色LEDのスペクトルで同様に強度比を計算すると、特に紫外線〜青色の光域においては、ほとんど光が得られないため強度比は100に限りなく近くなる。
また、青色LEDから発せられる光を蛍光体によって緑、赤色にシフトさせる方法も考えられるが、少なくとも青色の光については狭い範囲の鋭いピークであるため、少なくとも青色〜紫外光域については、太陽光に近い光は得られず、この領域については太陽光からは離れたスペクトルとなる。従って、RGBを全てLEDで発光させる場合と同様に、特に紫外線〜青色の光域においては、ほとんど光が得られないため強度比は100に限りなく近くなる点は変わりない。
これに対し、本実施形態では、アノード電極12上に第1の蛍光体層21を形成し、さらに第1の蛍光体層21を覆うように第2の蛍光体層22を形成する。これにより、第2の蛍光体層22から発せられる青色の波長域の光の一部を緑色の波長、赤色の波長へとシフトさせることにより、太陽光のスペクトルに近い白色光を発する発光装置を得ることができる。
(実施形態2)
本発明の実施形態2に係る発光装置40を図7〜9に示す。本実施形態に係る発光装置が上述した実施形態1の発光装置と異なる点は、実施形態1では緑の蛍光体層と赤の蛍光体層とが混合され、形成されていたが、実施形態2では、それぞれが別々に形成されている点にある。実施形態1と共通する部分については同一の引用番号を付し、詳細な説明を省略する。
発光装置40は、図7〜9に示すように、カソード電極11と、アノード電極12と、ガラス管14と、配線15a,15cと、高圧駆動電源16と、第1の蛍光体層41R、41Gと、第2の蛍光体層42と、を備える。
第1の蛍光体層41R,41Gは、図9に示すようにアノード電極12上に形成される。また、第1の蛍光体層41R,41G上には第2の蛍光体層42が形成される。
第2の蛍光体層42も実施形態1と同様に、電子が入射されることによって、青色の光波長域、例えば400nm〜500nmの波長域に少なくとも1つのピークを有する光を発する蛍光体、例えばZnS:Agが分散されている。第1の蛍光体層41Gには実施形態1と同様に、第2の蛍光体層42から放射される青色光の一部を吸収して緑色の光波長域、例えば500nm〜560nmの波長域に少なくとも1つのピークを有する光を発する蛍光体、例えばCaSc:Ce等が分散されている。また、第1の蛍光体層41Rには、実施形態1と同様に、2の蛍光体層42から放射される青色光の一部を吸収して赤色の光波長域、例えば600nm〜750nmの波長域に少なくとも1つのピークを有する光を発する蛍光体、例えばCaAlSiN:Eu等が分散される。本実施形態では図8に示すように第1の蛍光体層41R,41Gは、ストライプパターンに形成されており別々の層に分散し形成される。なお、第1の蛍光体層41R、第1の蛍光体層41Gとから発せられる光の強度の比は、例えば、蛍光体を分散させる濃度、それぞれの面積比を変化させることにより調節する。
アノード電極12と、第1の蛍光体層41R,41Gとの間にそれぞれ極薄い透明保護膜を介在させてもよく、また第1の蛍光体層41R,41Gと第2の蛍光体層42との間に極薄い透明保護膜を設けていてもよい。
発光装置40では、まずカソード電極11から電界放出された電子は第2の蛍光体層42に衝突し、第2の蛍光体層22から、青色の光域の光が発せられる。この光の一部は、第1の蛍光体層41G,41Rの間、換言すればアノード電極12上に形成された第2の蛍光体層42から発せられる光は、アノード電極12を介してガラス管14外に発せられる。また、青色の光のその他の一部は第1の蛍光体層41Gに吸収され、第1の蛍光体層41G内に分散された緑色の蛍光体によって波長がシフトされ、緑色の光としてアノード電極12を介してガラス管14外に放出される。同様に、青色の光の一部は第1の蛍光体層41Rに吸収され、第1の蛍光体層41R内に分散された赤色の蛍光体によって波長がシフトされ、赤色の光としてアノード電極12を介してガラス管14外に放出される。このように発せられた青、緑、赤の光が混ざることにより白色光が得られる。本実施形態でも実施形態1と同様の比率で蛍光体を分散させてあるため、図5及び6に示すような太陽光スペクトルに近い光が得られる。
このように本実施形態にかかる発光装置においても、アノード電極12上に第1の蛍光体層41G,41Rを形成し、さらに第1の蛍光体層41G,41Rを覆うように第2の蛍光体層42を形成する。これにより、第2の蛍光体層42から発せられる青色の波長域の光を緑色の波長、赤色の波長へとシフトさせることにより、太陽光のスペクトルに近い白色光を発する発光装置を得ることができる。
(実施形態3)
本発明の実施形態3に係る発光装置50を図10〜12に示す。本実施形態に係る発光装置が上述した実施形態1及び2の発光装置と異なる点は、実施形態1及び2では青色の蛍光体を含む第2の蛍光体層から発せられた光を緑の蛍光体と赤の蛍光体とを含む第1の蛍光体層によって緑、赤の波長域の光へとシフトさせた。これに対し実施形態3では、第2の蛍光体層からは紫外線(360nm以下の波長の電磁波)を発し、この光を青、緑、赤の波長域へとシフトさせる点にある。実施形態1及び2と共通する部分については同一の引用番号を付し、詳細な説明を省略する。
発光装置50は、図10に示すようにカソード電極11と、アノード電極12と、ガラス管14と、配線15a,15cと、高圧駆動電源16と、第1の蛍光体層51B,51G,51Rと、第2の蛍光体層52と、を備える。
第1の蛍光体層51B,51G,51Rは、図10及び図12それぞれアノード電極12上に形成される。また、第1の蛍光体層51B,51G,51R上には紫外光を発する第2の蛍光体層52が形成されている。第2の蛍光体層52から発せられる紫外光は、第1の蛍光体層51B,51G,51Rによってそれぞれ青、緑、赤色の波長域の光へとシフトされ、アノード電極12を介してガラス管14外に放出される。そして、これらの3色の光が混ざることにより太陽光スペクトルに近い白色光が得られる。
第1の蛍光体層51Bには、紫外線により励起されて、青色の光波長域、例えば400nm〜500nmの波長域に少なくとも1つのピークを有する光を発する蛍光体、例えばBaMgAl1017:Euが分散されている。
第1の蛍光体層51Gには、紫外線により励起されて、緑色の光波長域、例えば500nm〜560nmの波長域に少なくとも1つのピークを有する光を発する蛍光体、例えばCaSc:Ceが分散されている。
第1の蛍光体層51Rには、紫外線により励起されて、赤色の光波長域、例えば600nm〜750nmの波長域に少なくとも1つのピークを有する光を発する蛍光体、例えばCaAlSiN:Euが分散されている。
第2の蛍光体層52には、電界放射された電子が入射されることによって紫外線を発する蛍光体、例えばY、Zn、ZnO、Hが分散されている。
本実施の形態でも、上述した各実施形態と同様に、アノード電極12上にRGBそれぞれの蛍光体を分散させた第1の蛍光体層51を形成し、さらに第1の蛍光体層51を覆うように第2の蛍光体層52を形成する。これにより、第2の蛍光体層52から発せられる紫外域の光を青色、緑色、赤色の各波長域へとシフトさせることにより、太陽光のスペクトルに近い白色光を発する発光装置を得ることができる。
アノード電極12と、第1の蛍光体層51B,51G,51Rとの間にそれぞれ極薄い透明保護膜を介在させてもよく、また第1の蛍光体層51B,51G,51R同士の間に極薄い透明保護膜を設けていてもよく、また第1の蛍光体層51B,51G,51Rと第2の蛍光体層52との間に極薄い透明保護膜を設けていてもよい。
(実施形態4)
本発明の実施形態4に係る発光装置60を図13〜15に示す。本実施形態に係る発光装置が上述した各実施形態の発光装置と異なる点は、実施形態1及び2では蛍光体が可視光によって励起され、実施形態3では紫外線によって励起され、これらの波長をシフトさせていたが、実施形態4ではX線によって励起される点にある。上述した実施形態と共通する部分については同一の引用番号を付し、詳細な説明を省略する。
発光装置60は、図13に示すように、カソード電極と、ガラス管14と、配線15a,15cと、蛍光体層61B,61G,61R1,61R2とX線励起層(アノード電極)62と、を備える。
蛍光体層61B,61G,61R1は、図13及び図15に示すようにガラス管14上に形成される。蛍光体層61B,61Gは、それぞれX線が入射されると青色、緑色の光を発する層であり、これらの蛍光体が所定割合で分散されている。具体的に、本実施形態では青色の蛍光体としてCaWOを、緑色の蛍光体としてGaS:Tbを用いる。なお、本実施形態では、X線励起層62において、電子によってX線(0.01nm〜10nmの波長の電磁波)が励起されるため、X線を比較的波長の長い赤色の光まで1つの蛍光体によって波長をシフトさせることは難しい。従って、赤色の光を発する蛍光体層を、蛍光体層61R1と61R2との2層構造に形成する。蛍光体層61R2には、橙色の光を発する蛍光体を分散させ、この層においてX線を橙色の光(600nm〜620nm)にシフトさせる。そして蛍光体層61R2から発せられた光を蛍光体層61R1によって赤色の波長域にシフトさせる。具体的に、橙色の蛍光体としては(Y,Sr)Ta:Nbを、赤色の蛍光体としてCaSiN:Euを用いる。
また、蛍光体層61B,61G,61R1から発せられる光の強度の比は、例えば、蛍光体を分散させる濃度、それぞれの面積比を変化させることにより調節する。
X線励起層62は、電子線によってX線を励起することが可能な材料、具体的には金属から形成される。金属は一般に導電性を有するため、X線を励起するための層をアノード電極としても機能させることが出来る。このようにX線励起層61は、アノード電極としても機能する。また、X線励起層62として高反射性の金属を用いると、発光装置60から発せられる光を反射させることができ、取り出し効率を高めることができるため、好ましい。
本実施形態では、ガラス管14上に第1の蛍光体層61B,61G,61R1を形成し、さらに第1の蛍光体層61B,61G,61R1を覆うようにX線励起層62を形成する。これにより、X線励起層62から発せられるX線を青色、緑色、赤色の波長へとシフトさせることにより、太陽光のスペクトルに近い白色光を発する発光装置を得ることができる。
本実施形態では特に、電子によりX線を発する材料が導電性を備えるため、これをアノード電極として機能させることができ、アノード電極を省略することが可能である。従って、太陽光に近い白色光を得られるばかりでなく、構造がより簡略化され、製造工程が簡略化された発光装置を提供することが出来る。
本発明は上述した実施形態に限られず、様々な変形及び応用が可能である。
例えば、上述した実施形態では、蛍光体層の配置としてストライプパターンを例に挙げて説明したが、各色の面積比を保つことができれば、パターン形状、配置は上述した例に限られない。
また、上述した実施形態1ではZnS:Ag(B)と、CaSc:Ce(G)と、CaAlSiN:Eu(R)の発光面積比を2.3:1:0.3の割合となるので、それぞれのガラス管14外への出射面積の比が、1:1:0.3となるものと、ZnS:Ag(B)と、CaSc:Ce(G)と、CaAlSiN:Eu(R)の発光面積比を2.4:1:0.4の割合となるので、それぞれのガラス管14外への出射面積の比が、1:1:0.4となるものとを例に挙げて説明したが、蛍光体としている用いる物質及び割合は上述した実施形態に限られない。
また、上述した実施形態3ではRGBの各蛍光体層をストライプパターンで形成し、面積比によって蛍光体の割合を調節する構成を例に挙げて説明したが、これに限られず例えば所定割合でRGBの各蛍光体を混合させ、第1の蛍光体層51を形成することも可能である。
また、上述した各実施形態において、カソード電極11とアノード電極12、62との間にグリッド電極を配置させてもよい。グリッド電極は冷電子の通り道に貫通孔のある金属板であり、所定の電圧を印加することによって、カソード電極11から冷電子を誘引させる。
また、上述した各実施形態では、アノード電極12がガラス管14内壁面に形成されているが、これに限られずガラス管14内であれば、ガラス管14に直接接しなくてもよく、また、アノード電極12の透光性を有する導電材料をガラス基板等の透明基板上に被膜して、ガラス基板及び透光性導電材料膜をガラス管14内に配置させてもよい。
また、上述した各実施形態では発光装置としてFELを例に挙げて説明したが、このような発光領域を画素として複数備えたフラットなパネル構造のFED(Field Emission Display)として利用することもできる。
また、上述した各実施形態では、DC駆動であっても、パルス駆動であっても発光又は表示が可能となる。
本発明の実施形態1に係る発光装置の構成例を模式的に示す図である。 第1の蛍光体層及び第2の蛍光体層を示す平面図である。 図2に示すA−A線断面図である。 太陽光スペクトルの相対強度を示すグラフである。 本実施形態の発光装置から発せられる光のスペクトルを示すグラフである。 本実施形態の発光装置から発せられる光の太陽光に対する強度比を示すグラフである。 本発明の実施形態2に係る発光装置の構成例を模式的に示す図である。 第1の蛍光体層及び第2の蛍光体層を示す平面図である。 図8に示すB−B線断面図である。 本発明の実施形態3に係る発光装置の構成例を模式的に示す図である。 第1の蛍光体層及び第2の蛍光体層を示す平面図である。 図11に示すC−C線断面図である。 本発明の実施形態4に係る発光装置の構成例を模式的に示す図である。 第1の蛍光体層及びX線励起層を示す平面図である。 図14に示すD−D線断面図である。
符号の説明
10,40,50,60・・・発光装置、11・・・カソード電極、12・・・アノード電極、14・・・ガラス管、15a,15c・・・配線、16・・・高圧駆動電源、21,41G,41R,51・・・第1の蛍光体層、22,42,52・・・第2の蛍光体層、61B,61G,61R1,61R2・・・蛍光体層、62・・・X線励起層

Claims (3)

  1. 電界放出によって、電子を発生する第1の電極と、
    前記第1の電極と対向するように設けられた第2の電極と、
    前記第2の電極上に形成された第1の蛍光体層と、
    前記第2の電極と前記第1の蛍光体層を覆うように形成された第2の蛍光体層と、を備え、
    前記第1の蛍光体層には、第1の蛍光体と第2の蛍光体とが分散されており、
    前記第2の蛍光体層には、第3の蛍光体が分散されており、
    前記第2の蛍光体層は、前記第1の電極から発せられた電子によって前記第3の蛍光体が第1の波長の光を放出し、
    前記第1の蛍光体層は、前記第2の蛍光体層から発せられた前記第1の波長の光を吸収し、前記第1の蛍光体と前記第2の蛍光体が、前記第1の波長より長波長の光である第2の波長の光と第3の波長の光をそれぞれ放出し、
    前記第1の波長の光と前記第2の波長の光と前記第3の波長の光とが混じりあって発せられる光は、400〜450nmの波長域において太陽光に対する強度比が、+10〜−80%であることを特徴とする発光装置。
  2. 電界放出によって、電子を発生する第1の電極と、
    前記第1の電極と対向するように設けられた第2の電極と、
    前記第2の電極上に形成された第1の蛍光体層と、
    前記第2の電極と前記第1の蛍光体層を覆うように形成された第2の蛍光体層と、を備え、
    前記第1の蛍光体層には、第1の蛍光体と第2の蛍光体とが分散されており、
    前記第2の蛍光体層には、第3の蛍光体が分散されており、
    前記第2の蛍光体層は、前記第1の電極から発せられた電子によって前記第3の蛍光体が第1の波長の光を放出し、
    前記第1の蛍光体層は、前記第2の蛍光体層から発せられた前記第1の波長の光を吸収し、前記第1の蛍光体と前記第2の蛍光体が、前記第1の波長より長波長の光である第2の波長の光と第3の波長の光をそれぞれ放出し、
    前記第1の波長の光と前記第2の波長の光と前記第3の波長の光とが混じりあって発せられる光は、450〜700nmの波長域において太陽光に対する強度比が、+50〜−40%であることを特徴とする発光装置。
  3. 前記第1の波長は、500nm以下に少なくとも1つのピークを有することを特徴とする請求項1又は2に記載の発光装置。
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