JP4430842B2 - 入力処理方法、座標入力機能付表示装置、及びプログラム - Google Patents
入力処理方法、座標入力機能付表示装置、及びプログラム Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子黒板システムやパーソナルコンピュータなど座標入力機能付表示装置を用いたシステムにおける画面タッチモード切り換え方法に係わり、特に、座標入力機能付表示装置の画面へのタッチ動作がクリックを伴ったタッチであるとするモードと、クリックを伴わないタッチであるとするモードとを切り換えるタッチモード切り換え方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、電子黒板システムや一部のパーソナルコンピュータなどでは、表示装置であり座標入力装置である兼用装置として、後述するような座標入力機能付表示装置を用いている。このような座標入力機能付表示装置を用いたシステムでは、画面上の所望の位置に指先などでタッチすることによりその位置を指示する。あるいは、指先などをタッチした状態で移動することにより線を引いたり、表示されている対象画像などを移動(ドラッグ)させたりする。
ところで、座標入力機能付表示装置におけるタッチ操作では、マウスにおける「左ボタン」操作をエミュレートするのが一般的である。これは、Windows、MAC、Linuxなど汎用OS(オペレーティングシステム)の下で動作するAPL(アプリケーション)が左ボタンONによりメニュー表示を行い、機能を実行するようになっているからである。
【0003】
一方、OSが提供する一般的なGUI(グラフィック・ユーザ・インタフェース)機能として、ボタンの機能を必要に応じてバルーン表示させる(例えば、近傍に枠を表示してその枠内に説明文を表示させる)ことが可能となっている。このバルーン表示は、マウスカーソルがボタン上に一定期間停止したときに自動的に行われるが、左ボタンがONの状態で一定期間停止した場合にはクリック動作とみなされ、バルーン表示は抑制される。したがって、タッチ動作が常に左ボタンONとみなされる座標入力機能付き表示装置においては、バルーン表示が不可能になる。
これを避けるため、モード設定により、タッチ時、「左ボタンONとしない」モードも可能であるが、このモードに移行した後は「左ボタンをONにする」モードに戻すことがタッチ動作では不可能となってしまう。つまり、座標入力機能付表示装置を用いたシステムでは、タッチ操作が「クリック有り」タッチか、それとも「クリック無し」タッチかを設定する必要があり、その設定をクリックを伴ったモード設定ボタンタッチにより行うと、クリック無しタッチモードへ移行した場合、このモードから移行するための移行クリックが実行できないので、モード設定ボタンにタッチすることでは戻せなくなるのである。そのため、モード変更に際しては、マウスやキーボードを用いて行う。
このほか、タッチモード変更の対応策として、クリック無しタッチモードへの移行の際、モード変更用ボタンタッチにより透明な全画面ウィンドウを最前面へ表示し、モード変更用ボタンは表示したままとし、このボタンのみをクリック機能有りとする方法が考えられる。この方法の場合、モード移行時のアプリケーション画面は表示されたままとなっているので、タッチ操作によるカーソル移動時、カーソルは表示されたアプリケーション画面上を移動しているように見えるが、実際には最前面の透明ウィンドウ上を移動していることになる。そして、その最前面画面にはクリック機能が設定されていないので、表示されている画面のボタン上をタッチしてもクリック無しとなり、クリックに伴う動作を実行しないことになる。しかし、このような方法では、透明ウィンドウの下にある表示中のボタン上にバルーン表示が設定されていてもバルーンは表示されない。
【0004】
以上、座標入力機能付表示装置の画面へのタッチに係わる画面タッチモードを切り換える画面タッチモード切り換え方法の従来技術について説明したが、座標入力機能付表示装置の座標入力/検出装置としては、以下のようなものが知られている。
第1の例は座標入力面のX−Y方向にワイヤを格子状に設けたもので、磁場を発生する専用ペンを用いてワイヤに流れる電流を変化させることにより専用ペンが近づけられた位置の座標を検出する。
また、第2の例は座標入力面に導電性ゴムなどの抵抗膜を用いたもので、座標入力面にペンを接触させて所望の位置を指示すると、座標入力面のその位置の抵抗値が圧力により変化するので、その抵抗値を検出することによりその位置の座標を検出する。
さらに、第3の例では、回転多面鏡を介して光ビームを2つの光出射部から出射して座標入力面を走査し、ペンの軸先に設けられた反射部材からの反射光を2つの受光部により検出して、ペンの挿入位置を検出する(特開昭57−211637号公報参照)。2つの受光部により受光し、3角測量の原理を利用して指示された位置の座標を算出するのである。なお、この座標入力/検出装置における座標入力面は第1および第2の例の座標入力/検出装置における座標入力面のような物理的な面ではなく、光出射部から出射される光ビームによって形成される面である。
【0005】
前記した特開昭57−211637号公報のほかに、特開平9−91094号公報に示されている従来技術も第3の例として示した光学式の座標入力/検出装置で、この従来技術では、座標入力面の例えば下方左右の隅に光出射・受光部を設け、それぞれの光出射・受光部から出射方向(出射角度)を変えながら光ビームを出射して座標入力面を走査し、その光ビームをパネルの上辺および左右辺に設けたコーナキューブアレイ(光再帰性反射手段)で折り返させ(戻る方向に反射させ)、それぞれの光出射・受光部により戻ってきた光ビームを検出する。これにより、指などで光ビームが遮られる左右の光出射・受光部の走査角度を検出することができ、3角測量の原理を利用して指示された位置の座標を算出することができる。
また、特開平11−110116号公報に示された従来技術も第3の例として示した光学式の座標入力/検出装置で、この従来技術では、座標入力面の例えば上方左右の隅に光出射・受光部を設け、それぞれの光出射・受光部から出射方向(出射角度)を変えながら光ビームを出射して座標入力面を走査し、その光ビームをパネルの下辺および左右辺に設けた光再帰性反射手段で折り返させ(戻る方向に反射させ)、それぞれの光出射・受光部により戻ってきた光ビームを検出する。これにより、指などで光ビームが遮られる左右の光出射・受光部の走査角度の光遮断範囲を検出して指示された位置の座標を算出する。
また、特開2000−284895公報に示された従来技術も第3の例として示した光学式の座標入力/検出装置で、赤外線ビームにより同様にして指示された位置の座標を検出する場合に、表示板の歪みや座標入力ペンの傾きなどがあっても安定な位置検出ができるようにしている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
前記したように、従来技術においては、タッチ動作がクリックを伴ったタッチであるとするモードと、クリックを伴わないタッチであるとするモードとの切り換えを容易に行うことができないという問題があった。
本発明の目的は、このような従来技術の問題を解決することにあり、具体的には、座標入力機能付表示装置の画面へのタッチ動作がクリックを伴ったタッチであるとするモードと、クリックを伴わないタッチであるとするモードとの切り換えを容易に行うことができ、しかも装置の操作性及び信頼性を向上させることができる入力処理方法、及び座標入力機能付表示装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記の課題を解決するために、請求項1記載の発明は、座標入力機能付表示装置の座標検出領域上の複数点がタッチされている状態を検出するタッチ点検出工程と、前記タッチ点検出工程により検出したタッチ点数に予め割り当てられた処理を実行する処理実行工程と、検出した全てのタッチ点がデタッチされたか否かを検出するデタッチ検出工程と、を含み、前記デタッチ検出工程により全てのタッチ点がデタッチされたことを検出するまで、前記処理実行工程は前記タッチ点数未満のタッチ点数に予め割り当てられた処理を実行しないことを特徴とする。
また請求項2の発明は、前記タッチ点数に割り当てられた処理が、画面へのタッチがクリック入力を伴うタッチモードと、画面へのタッチがクリック入力を伴わないタッチモードとの間のモード移行処理であることを特徴とする。
また請求項3の発明は、座標入力機能付表示装置の座標検出領域上のN点(N≧2)がタッチされているN点タッチ状態を検出し、予めN点タッチ状態に割り当てられた処理を実行する入力処理方法であって、N点タッチ状態を検出した後、N点の全てのタッチ点がデタッチとなるまで、予めN点未満のタッチ状態に割り当てられた処理を実行しないことを特徴とする。
また請求項4の発明は、前記N点タッチ状態に割り当てられた処理が、画面へのタッチがクリック入力を伴うタッチモードと、画面へのタッチがクリック入力を伴わないタッチモードとの間のモード移行処理であることを特徴とする。
また請求項5の発明は、座標検出領域上の複数点がタッチされている状態を検出するタッチ点検出手段と、前記タッチ点検出手段により検出したタッチ点数に予め割り当てられた処理を実行する処理実行手段と、検出した全てのタッチ点がデタッチされたか否かを検出するデタッチ検出手段と、を備え、前記デタッチ検出手段により全てのタッチ点がデタッチされたことを検出するまで、前記処理実行手段は前記タッチ点数未満のタッチ点数に予め割り当てられた処理を実行しないことを特徴とする。
また請求項6の発明は、前記タッチ点数に割り当てられた処理が、画面へのタッチがクリック入力を伴うタッチモードと、画面へのタッチがクリック入力を伴わないタッチモードとの間のモード移行処理であることを特徴とする。
また請求項7の発明は、座標検出領域上のN点(N≧2)がタッチされているN点タッチ状態を検出する検出手段と、予めN点タッチ状態に割り当てられた処理を実行する処理実行手段と、を備え、前記処理実行手段は、前記検出手段によりN点タッチ状態が検出された後、N点の全てのタッチ点がデタッチとなるまで、予めN点未満のタッチ状態に割り当てられた処理を実行しないことを特徴とする。
また請求項8の発明は、前記複N点タッチ状態に割り当てられた処理が、画面へのタッチがクリック入力を伴うタッチモードと、画面へのタッチがクリック入力を伴わないタッチモードとの間のモード移行処理であることを特徴とする。
また請求項9の発明は、請求項1乃至4の何れか一項に記載の入力処理方法を実行可能なプログラムを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、図面により本発明の実施の形態を詳細に説明する。
図1は本発明の一実施例を示す電子黒板システムのシステム構成図である。図示したように、この実施例の電子黒板システムは、座標入力機能付表示装置1と例えばパーソナルコンピュータなどにより実現される制御装置2とから構成される。
また、前記座標入力機能付表示装置1は、指などで触れた画面上の位置を光学的に検出して制御装置2へ送る座標検出部と、制御装置2から送られてきた画像データを表示する表示部を備える。座標検出部は表示画面の解像度(例えばX軸方向ドット数:1024、Y軸方向ドット数:768)に対応した表示画面上のX、Y座標を検知して、その座標データを制御装置2へ送信するのである。
【0009】
以下、図2により、まず、座標入力機能付表示装置1の座標検出部について説明する。
図示したように、この座標検出部は、例えば画面13の下方左右の隅に1個づつ光発射検出器11を備え、画面の上縁と左右縁に画面を囲むように光反射膜12を備えた構造になっている。そのような構造で、光発射検出器11が照射光を発射し、当業者には公知の構造の光反射膜12がその照射光をそれが入ってきた方向に反射させ(再帰的に反射させ)、光発射検出器11が自らの発した照射光を検知する。光発射検出器11は多角形回転体を有しており、その多角形回転体を回転させて照射光の発射方向を変えながら発射を続けることにより画面全体を走査するのである。
このような構造では、画面上に光を遮る物体(例えば指)が存在する場合、光発射検出器11から発射される照射光は光反射膜12により反射されなくなり、したがって、光発射検出器11により検出されないので、光発射検出器11が反射光の光量を検出することにより、そのときの発射方向、つまり、左の光発射検出器11から見た物体の方向θL(図2参照)、右の光発射検出器11から見た物体の方向θR(図2参照)を取得することができる。
こうして、座標検出部内の座標検出制御部が画面の幅W(図2参照)、θL、θRから座標X、Yを以下の式により算出する。
X=W×tanθR÷(tanθL+tanθR)
Y=H−W×tanθL×tanθR÷(tanθL+tanθR)
【0010】
図3に、座標検出部内の座標検出制御部10の要部の構成を示す。このような構成で、座標検出制御部10では、光発射検出器11内の各受光素子14が受光した光量に比例したアナログ電気信号を時系列的に出力し(つまり、アナログ波形として出力し)、図示していないA/D変換器がそのアナログ信号をディジタル信号に変換し、ディジタル化された波形データを波形メモリ(例えばRAM)15に格納する。そして、ピーク検出器16が波形メモリ15に記憶された波形データの値を時系列的に比較することにより指などで遮られたタイミングに対応する遮断時刻を求める。
続いて、xy演算器17が、光発射検出器11により発射される照射光の走査速度から遮断時刻に対応する前記θL、θRを求め、前記した式を用いて座標X、Yを算出する。そして、xy演算器17は算出した座標データを後述するステータスデータと一緒に制御装置2へ出力する。
なお、座標検出部としては、「従来の技術」に示した各座標入力/検出装置を用いることができる。
【0011】
次に、制御装置2について説明する。
制御装置2は、図1に示したように、座標入力部21、座標制御部22、画像メモリ23を備える。また、図示していないWindowsなど標準的なオペレーティングシステム(以下、OSと称す)を備えている。そして、座標入力部21はRS232CまたはUSBなどの通信手段を用いて座標入力機能付表示装置1の座標検出部から座標データなどを受信し、OS(例えばWindows)で用いているマウスインタフェース仕様の座標データなどへ変換(マウスエミュレーション)する。図4に、マウスインタフェース使用のデータ構成を示す。
また、座標制御部22は本発明に係わるアプリケーションプログラムやその他のアプリケーションプログラム(以下、APLと称す)を含む総称であり、前記マウスインタフェース仕様の座標データなどを座標入力部21からOSを介して受け取り、OS(例えばWindows)上で実行されるAPLに応じて、画像メモリ23へ描画したり、座標入力機能付表示装置1からの信号(データ)に応じて右クリック、左クリック、およびダブルクリックなどを検出し、そのクリックに係わる動作を実行する。なお、Windowsなどで標準的に提供されている各種アイコンや表示子などを含め、これらに係わる処理はそれぞれ一つのAPLとして備えられており、それぞれのAPL内には自分(各種アイコンや表示子を指す)の表示座標位置が設定されていて、図4に示されたような仕様で座標データが渡されると、各APLはその座標から自分が受け取って処理すべきデータか否かがわかる。後述する本発明が提供するスクロールプログラムなども同様にAPLであり、そのAPL内に予め自分に関連する座標位置を設定しておくことにより、座標入力部21から自分に属する座標位置の座標データを受け取ると図4に示したステータスに対応づけて予め設定した処理を実行する。
また、画像メモリ23上にはRGB画像データが展開されており、ビデオ出力手段により座標入力機能付表示装置1の画面に出力表示される。
なお、制御装置2としては例えばWindows搭載のパーソナルコンピュータを用いる。
【0012】
図5に、制御装置2のハードウェア構成を示す。図示したように、この制御装置は、電源投入時に装置を起動させる基本的な一部のプログラムを記憶しておくROM31、本発明に係わるプログラムやOSを含む大部分のプログラムや各種データを一時的に記憶するRAM32、前記プログラムに従って動作するCPU33、RAM32に一時的に記憶されるプログラムやデータを保存しておくハードディスク装置34、RS232CまたはUSBインタフェースなどを有して前記座標入力機能付表示装置1から座標データなどを受け取ったり座標入力機能付表示装置1へ表示データなどを渡したりするインタフェース部35、キーボードや標準的な表示装置を有した操作部36、CD−ROMやフロッピーディスクなど着脱可能な記憶媒体を駆動してプログラムやデータの入出力を行なう記憶媒体駆動装置37、LANなどを介した通信制御を行う通信制御部38を備える。なお、前記した座標入力部21や座標制御部22は、RAM32に記憶されたプログラムおよびそのプログラムに従って動作するCPU33などにより実現される。
このような構成で、この実施例のシステムでは、座標入力機能付表示装置の画面へのタッチ動作がクリックを伴ったタッチであるとするモードと、クリックを伴わないタッチであるとするモードとの切り換えを画面への多点タッチを検出することにより容易に行うことができる。以下、図6により、本発明に係わる多点タッチ検出方法を、図2に示した座標入力機能付表示装置1を用いた3点タッチの場合で説明する。
【0013】
図6において、●点が実際にタッチされた3点であり、その3点が図6(a)の位置の場合、実際にタッチされた3点とタッチ点ではない6個の○点がタッチ点として検出される。前記したように、左右2つの光発射検出器11(図2参照)を回転させとき、光の戻らない点がタッチ点とされるからである。つまり、それぞれの光発射検出器11について光の戻らない方向が3方向あるので、それぞれの3方向の交差する9点をタッチ点として検出するのである。
また、図6(b)のように、実際にタッチされた●点のうち2個が同一方向に検出される場合、合計6個の座標が検出される。この場合、一方の光発射検出器11からは2方向、他方の光発射検出器11からは3方向において物体が検出されるからである。
また、図6(c)図のように、タッチ点3個が同一方向に検出される場合は、合計3個のタッチ点が検出される。この場合、一方の光発射検出器11からは1方向、他方の光発射検出器11からは3方向に物体が検出されるからである。
以上より、この実施例では、例えばタッチ点が3点以上検出されたとき、3点同時タッチと判断し、そのとき、タッチモード切り換えが指示されたと判定するのである。
【0014】
次に、図7に示した画面図を用いて、クリック有りタッチおよびクリック無しタッチに係わる操作について説明する。
図7(a)はタッチがクリック有りの場合であり、マウスの左ボタンをクリックする場合と同様となり、タッチ座標に設定されている機能を実行する。図示の例は、例えば指先で「挿入」ボタンにタッチしたことにより、「挿入」に係わるメニューが表示された状態を示している。
図7(b)は、画面上の任意の3点が同時にタッチされたことにより、クリック無しタッチモードにするに当たり、メッセージを表示した状態を示している。ここで、「OK」がクリックされると、クリック無しタッチモードへ移行し、変化したタッチモードの状態がわかるようにアイコン表示を変更する。
図7(c)は、クリック無しタッチモードの場合であり、このとき、図7(a)に示したようにボタンにタッチしてもマウスを転がしてカーソルを移動させる動作となり、機能が実行されることはなく、バルーンが設定されているならば、カーソルが一定時間以上停止した場合、バルーンが表示されることを示している。なお、この状態でクリックを有効にするには、画面上の任意の3点を同時タッチする。これにより、アイコン表示が自動的に変更されるので、状態の変化を知ることができる。
【0015】
図8に、座標検知制御の動作フローを示す。以下、図8に従って、この動作を説明する。
この実施例では、まず、座標制御部22内のAPLを起動し(S1)、その後、座標入力機能付表示装置1内の座標検出部が画面に接触する物体(例えば指先)を検出し(S2でYes)、座標データを制御装置2の座標入力部21へ送信する。これにより、座標入力部21から座標データを取得した座標制御部22は、既にタッチ中を示すフラグを立てているか否かを確認し(S3)、立てていないならば(この時点はタッチ開始時であるのでフラグは立てていない)(S3でNo)、そのとき座標入力部21から取得した座標数が1個か否かを判定する(S4)。そして、1個であれば(S4でYes)、1点タッチ中フラグを立て(S5)、その点のX座標、Y座標を算出し(S6)、そのタッチ座標を起動されているAPLに通知する(S7)。
それに対して、ステップS4において、座標数が1個でないと判定されたならば(S4でNo)、多点タッチ中フラグを立て(S8)、多点検出方法(例えば前記した3点検出方法)により同時タッチ数を算出する(S9)。そして、座標値でなく、算出された同時タッチ数のみをAPLに通知する(S10)。この多点タッチは例えばタッチモード切り換えを意味しているので、座標値は不要なのである。
【0016】
ステップS7におけるタッチ座標通知後、およびステップS10における同時タッチ数通知後はステップS2へ戻り、指先などのタッチ状態が検知されているならば(S2でYes)、前記1点タッチ中フラグや多点タッチ中フラグなどタッチ中フラグが立っているか否かをチェックし(S3)、立っていたならば(この時点では立っている)(S3でYes)、フラグを確認することにより1点タッチ中か否かを判定する(S11)。そして、1点タッチ中でないならば、つまり多点タッチ中であるならば(S11でNo)、既にステップS10において同時タッチ数を通知しているので、ここではなにもせずにステップS2へ戻る。
それに対して、1点タッチ中と判定されたならば(S11でYes)、座標入力部21から取得した座標数が1個か否かを判定する(S12)。そして、座標数が1個でないと判定されたならば(このケースは多点タッチ時の各点のタッチ開始が同時でなかったということである)(S12でNo)、1点タッチ中フラグをクリアし、ステップS2へ戻り、ステップS3、S4を経てステップS8へ進む。
一方、ステップS12において座標数が1個と判定された場合には(S12でYes)、タッチ座標を算出し(S13)、その座標値を起動されているAPLに通知する(S14)。このケースは例えば指先をタッチしたまま指先を移動しているような場合で、時々刻々変化する座標値を通知する必要があるのである。なお、同時多点タッチの場合でデタッチ操作(離す操作)が同時に行われず、1点のみになった場合は1点タッチとしない。つまり、この場合には、多点タッチでなくなっても多点タッチ中フラグが立っているので、ステップS11からステップS2へ戻るのである。
その後、タッチ状態でなくなると(S2でNo)、タッチ中フラグが立っているか否かを判定し(S15)、立っているならば(S15でYes)、タッチ中フラグをクリアし(S16)、APLに対してデタッチ通知を行う(S17)。
【0017】
次に、図9に従って、タッチモード切り換え制御の動作フローを説明する。
図9に示したように、この実施例では、まず、座標制御部22内のAPLを起動し(S21)、座標制御部22は、タッチモードをクリック有りモードにし(S22)、アイコン表示をクリック有りモードに対応した表示にする(S23)。そして、座標データの入力を待つ(S24でNo→S24)。
その後、座標入力部21が座標入力機能付表示装置1内の座標検出部から座標データを受け取り、その座標データを座標制御部22が受け取ると(S24でYes)、座標制御部22は、まず、座標データ入力中フラグを立て(以後、S24における判定は座標データ入力中フラグを見て行なう)、前記のようにしてタッチ座標か否か(つまり、1点タッチか否か)を判定し(S25)、タッチ座標であれば(S25でYes)、その時のタッチモードを判定する(S26)。そして、クリック有りモードであれば(起動後、最初の時点であればクリック有りモード)(S26でYes)、クリック有りモード時のタッチ操作であるので、座標制御部22はマウスインタフェースを介してAPLにマウスの左ボタンON(左クリック)信号と座標値を渡す(S27)。
それに対して、ステップS26において、クリック有りモードでないと判定されたならば(S26でNo)、クリック無しモード時のタッチ操作であるので、マウスの左ボタンOFF信号と座標値を渡す(S28)。これにより、APLはデタッチまでの移動動作、またはAPLの設定に応じてバルーン表示などを実行する。
【0018】
一方、ステップS25において、タッチ座標でないと判定されたならば(S25でNo)、3点同時タッチ(多点タッチの一例)か否かを判定し(S29)、3点同時タッチであれば(S29でYes)、そのときのタッチモードがクリック有りモードか否かを判定する(S30)。そして、クリック有りモードと判定されたならば(S30でYes)、クリック無しモードへ移行させ(S31)、アイコン表示をクリック無しモードを示す表示にする(S32)。また、クリック無しモードのときは(S30でNo)、クリック有りモードへ移行させ(S33)、アイコン表示をクリック有りモードを示す表示にする(S34)。
また、ステップS29において3点同時タッチでもないと判定され(S29でNo)、且つデタッチでもないならば(S35でNo)、2点タッチまたは4点以上のタッチとなるので、ステップS24へ戻り、1点タッチ、3点タッチ、またはデタッチになるのを待つ。
こうして、その後、全てのタッチ点についてデタッチ状態が検出されると(S35でYes)、左ボタンON中がセットされているか否かを判定し(S36)、セットされているならば(S36でYes)左ボタンOFF状態(左ボタンON中をリセット)にし、APLに対して左ボタンOFFを通知する(S37)。また、このとき、座標データ入力中フラグもクリアする。
以上、主として、同時タッチが3点の場合で説明したが、同時タッチ数は2点でもよいし、4点以上でもよい。但し、2点同時タッチは、一つのキーにタッチしながらもう一つのキーにタッチすることにより一つの指示を与えるというような他の用途が考えられるし、4点以上については検出が複雑になるので、3点タッチが最も適切である。
また、以上説明したような画面タッチモード切り換え方法に従ってプログラミングしたプログラムを例えば着脱可能な記憶媒体に記憶し、その記憶媒体をこれまで本発明の一実施例の制御装置2として動作しなかったパーソナルコンピュータなど情報処理装置に装着することにより、または、そのようなプログラムをネットワークを介してそのような情報処理装置へ転送することにより、その情報処理装置を前記制御装置2として動作させることができる。
【0019】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、画面上の複数の点がタッチされたとき、クリックを伴うタッチモードとクリックを伴わないタッチモードとの間のモード移行が行われるので、バルーン表示などが可能になるし、それら2つのモード間の切り換えを容易に行うことができる。また、複数点のタッチを検出した後、全てのタッチ点がデタッチとなるまで複数点タッチ状態として扱われるので、複数点同時タッチを検出してから全てデタッチとなるまで、別のタッチ操作を無効とすることで、デタッチ操作とならない場合の不具合を防止でき、装置の操作性および信頼性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す電子黒板システムのシステム構成図である。
【図2】本発明の一実施例を示す座標入力機能付表示装置要部の説明図である。
【図3】本発明の一実施例を示す座標入力機能付表示装置要部の構成ブロック図である。
【図4】本発明の一実施例を示す電子黒板システム要部の説明図である。
【図5】本発明の一実施例を示す制御装置のハードウェア構成図である。
【図6】本発明の一実施例を示す画面タッチモード切り換え方法に係わる説明図である。
【図7】本発明の一実施例を示す画面タッチモード切り換え方法の説明図である。
【図8】本発明の一実施例を示す画面タッチモード切り換え方法の動作フロー図である。
【図9】本発明の一実施例を示す画面タッチモード切り換え方法の他の動作フロー図である。
【符号の説明】
1 座標入力機能付表示装置
2 制御装置
11 光発射検出器
12 光反射膜
13 画面
21 座標入力部
22 座標制御部
23 画像メモリ
33 CPU
34 ハードディスク装置
35 インタフェース部
Claims (9)
- 座標入力機能付表示装置の座標検出領域上の複数点がタッチされている状態を検出するタッチ点検出工程と、
前記タッチ点検出工程により検出したタッチ点数に予め割り当てられた処理を実行する処理実行工程と、
検出した全てのタッチ点がデタッチされたか否かを検出するデタッチ検出工程と、を含み、
前記デタッチ検出工程により全てのタッチ点がデタッチされたことを検出するまで、前記処理実行工程は前記タッチ点数未満のタッチ点数に予め割り当てられた処理を実行しないことを特徴とする入力処理方法。 - 前記タッチ点数に割り当てられた処理が、画面へのタッチがクリック入力を伴うタッチモードと、画面へのタッチがクリック入力を伴わないタッチモードとの間のモード移行処理であることを特徴とする請求項1に記載の入力処理方法。
- 座標入力機能付表示装置の座標検出領域上のN点(N≧2)がタッチされているN点タッチ状態を検出し、予めN点タッチ状態に割り当てられた処理を実行する入力処理方法であって、
N点タッチ状態を検出した後、N点の全てのタッチ点がデタッチとなるまで、予めN点未満のタッチ状態に割り当てられた処理を実行しないことを特徴とする入力処理方法。 - 前記N点タッチ状態に割り当てられた処理が、
画面へのタッチがクリック入力を伴うタッチモードと、画面へのタッチがクリック入力を伴わないタッチモードとの間のモード移行処理であることを特徴とする請求項3に記載の入力処理方法。 - 座標検出領域上の複数点がタッチされている状態を検出するタッチ点検出手段と、
前記タッチ点検出手段により検出したタッチ点数に予め割り当てられた処理を実行する処理実行手段と、
検出した全てのタッチ点がデタッチされたか否かを検出するデタッチ検出手段と、を備え、
前記デタッチ検出手段により全てのタッチ点がデタッチされたことを検出するまで、前記処理実行手段は前記タッチ点数未満のタッチ点数に予め割り当てられた処理を実行しないことを特徴とする座標入力機能付表示装置。 - 前記タッチ点数に割り当てられた処理が、画面へのタッチがクリック入力を伴うタッチモードと、画面へのタッチがクリック入力を伴わないタッチモードとの間のモード移行処理であることを特徴とする請求項5に記載の座標入力機能付表示装置。
- 座標検出領域上のN点(N≧2)がタッチされているN点タッチ状態を検出する検出手段と、
予めN点タッチ状態に割り当てられた処理を実行する処理実行手段と、を備え、
前記処理実行手段は、前記検出手段によりN点タッチ状態が検出された後、N点の全てのタッチ点がデタッチとなるまで、予めN点未満のタッチ状態に割り当てられた処理を実行しないことを特徴とする座標入力機能付表示装置。 - 前記複N点タッチ状態に割り当てられた処理が、画面へのタッチがクリック入力を伴うタッチモードと、画面へのタッチがクリック入力を伴わないタッチモードとの間のモード移行処理であることを特徴とする請求項7に記載の座標入力機能付表示装置。
- 請求項1乃至4の何れか一項に記載の入力処理方法を実行可能なプログラム。
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