しかしながら、上記従来の構成では、上述したような、ボタン音と位相が逆転した信号を生成する必要があるため、装置の構成が複雑になってしまうという問題点を有する。この結果、装置の製造コストが高くなったり、装置のサイズの大型化を招来してしまう。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、簡易な構成で、録音の際、録音開始ボタンのボタン音を録音することなく、ユーザの所望とする録音対象音のみを録音することができる録音制御装置を実現することにある。
本発明に係る録音制御装置は、上記の課題を解決するために、音波を信号に変換する変換装置と、記録装置に対して、前記信号を送信する送信手段と、録音の開始を指示するためのユーザの操作を受け付ける操作受付装置と、前記操作受付装置が上記操作を受け付けた場合、前記記録装置に対して、前記開始指示の受け付け時から所定時間経過後に送信する信号の記録を指示する指示手段とを備えることを特徴とする。
上記の構成によれば、変換装置により音波が信号に変換される。これにより、録音制御装置は、音波に基づいた信号を得ることができる。なお、信号としては、電気信号、光信号等の各種信号が挙げられる。
また、送信手段により、記録装置に対して、上記信号を送信することができる。さらに、操作受付装置により、録音の開始を指示するためのユーザの操作が受け付けられる。これにより、録音制御装置は、録音の開始を指示されたことが判断できる。
ところで、操作受付装置がユーザの操作を受け付けた場合、該操作に伴い操作音が発生する。また、この操作音は、通常、ユーザの操作が完了するまで発生し続ける。さらに、上記操作音は、音波であるため、変換装置により上記信号に変換される。それゆえ、上記操作音に基づく信号は、送信手段により、記録装置に送信されてしまう。また、上記操作音は、ユーザにとっては雑音であって、ユーザの所望とする録音対象音ではないといえる。
ここで、本発明においては指示手段により、前記操作受付装置が上記操作を受け付けた場合、前記記録装置に対して、前記開始指示の受け付け時から所定時間経過後に送信する信号の記録が指示される。
このため、上記所定時間を、操作音が発生し続けると考えられる時間よりも長めに設定しておくことにより、指示手段は、記録装置に対して、少なくとも、上記操作音が発生し続けている時間において信号に変換された音波の記録を指示しないこととなる。
それゆえ、上記操作音に基づく信号が記録装置に記録されることを防止することができる。
したがって、簡易な構成で、ユーザの操作により発生する操作音を記録装置に記録することなく、ユーザの所望とする音に基づく信号のみを記録装置に記録させることが可能な録音制御装置を提供することができるという効果を奏する。
なお、記録装置への信号の記録に際しては、記録装置での記録に適した信号の形式(例えば、アナログ形式またはデジタル形式)であれば特に限定されない。
さらに、本発明に係る録音制御装置は、上記の構成において、前記変換後の信号のレベルが所定の閾値以上であるか否かを判断する判断手段と、前記信号のレベルが所定の閾値未満となるまで、前記所定時間を延長する延長手段とを備えることを特徴としている。
上記の構成によれば、判断手段により、前記変換後の信号のレベルが閾値以上か否かを判断できる。また、延長手段により、前記信号のレベルが所定の閾値未満となるまで、前記所定時間を延長することができる。
ところで、ユーザの操作受付装置の操作次第では、上記操作音が所定時間以上継続して発生するおそれがある。また、この操作音は、録音の開始を指示するユーザの操作により発生するものであるため、時間の経過に伴い収束する。
それゆえ、上述したように、信号のレベルが所定の閾値未満となるまで前記所定時間を延長することにより、上記所定時間経過後において、所定のレベル以上の操作音が記録装置に記録されてしまうこと防止できる。
したがって、所定時間経過後において未だ操作音が発生している場合であっても、操作音がある程度小さくなってから、ユーザの所望とする音を録音することができるという効果を奏する。
また、本発明に係る録音制御装置は、上記の構成において、前記所定時間の設定を行う時間設定手段を備えることを特徴としている。
上記の構成によれば、時間設定時間により、前記所定時間の設定を行うことができる。
ところで、ユーザの録音制御装置の使用の仕方、録音する環境、あるいは、録音制御装置間における操作受付装置の特性に相違がある。このため、所定時間が短くて、上記操作音が記録されてしまうおそれがある。あるいは、所定時間が長くて、上記所望とする音の始めの部分が録音されないというおそれもある。
しかしながら、本発明では、上述したように、上記時間設定手段により所定時間を設定できるため、ユーザの使用方法に沿った、あるいは、各録音制御装置の特性に応じた最適な所定時間を設定可能となるという効果を奏する。
本発明に係る記録装置は、上記の課題を解決するために、他装置において音波を変換することにより得られた信号を、前記他装置から受信する第1受信手段と、前記他装置内の操作受付装置が、録音の開始を指示するためのユーザの操作を受け付けた場合、前記他装置から、前記録音の開始指示を示す指示信号を受信する第2受信手段と、前記指示信号を受信した場合、前記指示信号の受信時から所定時間経過後に受信される前記音波を変換することにより得られた信号の記録を行う記録制御手段とを備えていることを特徴としている。
上記の構成によれば、第1受信手段により、他装置において音波を変換することにより得られた信号を、前記他装置から受信することができる。なお、信号としては、電気信号、光信号等の各種信号が挙げられる。また、前記他装置内の操作受付装置が、録音の開始を指示するためのユーザの操作を受け付けた場合、第2受信手段により、前記他装置から、前記録音の開始指示を示す指示信号を受信することができる。
さらに、記録制御手段により、前記指示信号を受信した場合、前記指示信号の受信時から所定時間経過後に受信される前記音波を変換することにより得られた信号の記録を行うことができる。
ところで、他装置内の操作受付装置がユーザの操作を受け付けた場合、操作受付装置の操作音が生じる。また、この操作音は、通常、ユーザの操作を完了するまで発生し続ける。さらに、上記操作音は、音波であるため、他装置において信号に変換される。それゆえ、記録装置は、上記操作音に基づく信号を、第1受信手段により受信してしまう。また、上記操作音は、ユーザにとっては雑音であって、ユーザの所望とする録音対象音ではないといえる。
ここで、前記指示信号を受信した場合、本発明においては記録制御手段により、前記指示信号の受信時から所定時間経過後に受信される前記音波を変換することにより得られた信号の記録が行なわれる。
このため、上記所定時間を、操作音が発生し続けると考えられる時間よりも長めに設定しておくことにより、記録制御手段は、少なくとも、上記操作音が発生し続けている時間において信号に変換された音波の記録を行わないことになる。
それゆえ、上記操作音に基づく信号が記録されることを防止することができる。
したがって、簡易な構成で、ユーザの操作により発生する操作音を記録することなく、ユーザの所望とする音に基づく信号のみを記録させることが可能な記録装置を提供することができるという効果を奏する。
なお、記録装置への信号の記録に際しては、記録装置での記録に適した信号の形式(例えば、アナログ形式またはデジタル形式)であれば特に限定されない。
また、本発明に係る情報記録システムは、上記課題を解決するために、上記本発明に係る録音制御装置と、録音制御装置から送信される信号を記録する記録装置とを備えることを特徴としている。
上記の構成によれば、情報記録システムは、上述した録音制御装置と、録音制御装置から送信される信号を記録する記録装置とを備えている。
したがって、簡易な構成で、記憶装置に対して、ユーザの操作により発生する雑音を記録装置に記録することなく、ユーザの所望とする音に基づく信号のみを記録装置に記録させることができる情報記録システムを提供することが可能となるという効果を奏する。
また、本発明に係る録音制御方法は、上記の課題を解決するために、録音の開始を指示するためのユーザの操作を操作受付装置が受け付ける操作受付ステップと、音波を信号に変換する変換ステップと、記録装置に対して、前記信号を送信する送信ステップと、前記操作受付ステップにて開始指示を受け付けた場合、前記記録装置に対して、前記開始指示の受け付け時から所定時間経過後に送信する信号の記録を指示する指示ステップとを備えることを特徴としている。
上記の方法によれば、操作受付ステップにより、録音の開始を指示するためのユーザの操作を操作受付装置が受け付ける。また、変換ステップにより音波が信号に変換される。なお、信号としては、電気信号、光信号等の各種信号が挙げられる。さらに、送信ステップにより、記録装置に対して、上記信号を送信することができる。
ところで、操作受付ステップにてユーザの操作を受け付けた場合、該操作に伴い操作音が発生する。また、この操作音は、通常、ユーザの操作が完了するまで発生し続ける。さらに、上記操作音は、音波であるため、変換ステップにより上記信号に変換される。それゆえ、上記操作音に基づく信号は、送信ステップにより、記録装置に送信されてしまう。また、上記操作音は、ユーザにとっては雑音であって、ユーザの所望とする録音対象音ではないといえる。
ここで、本発明においては指示ステップにより、前記操作受付装置が上記操作を受け付けた場合、前記記録装置に対して、前記開始指示の受け付け時から所定時間経過後に送信する信号の記録が指示される。
このため、上記所定時間を、操作音が発生し続けると考えられる時間よりも長めに設定しておくことにより、記録装置に対して、少なくとも、上記操作音が発生し続けている時間において信号に変換された音波の記録を指示しないこととなる。
それゆえ、上記操作音に基づく信号が記録装置に記録されることを防止することができる。
したがって、簡易な方法で、ユーザの操作により発生する操作音を記録装置に記録することなく、ユーザの所望とする音に基づく信号のみを記録装置に記録させることが可能な録音制御方法を提供することができるという効果を奏する。
なお、記録装置への信号の記録に際しては、記録装置での記録に適した信号の形式(例えば、アナログ形式またはデジタル形式)であれば特に限定されない。
また、本発明に係るプログラムは、上記の課題を解決するために、上記録音制御装置の各手段としてコンピュータを機能させるためのプログラムであることを特徴としている。
したがって、上記プログラムをコンピュータシステムにロードすることによって、上記録音制御装置をユーザに提供することが可能となるという効果を奏する。
また、本発明に係る記録媒体は、上記の課題を解決するために、上記プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体であることを特徴としている。
したがって、上記記録媒体に記録されているプログラムをコンピュータシステムにロードすることによって、上記録音制御装置をユーザに提供することが可能となるという効果を奏する。
本発明に係る録音制御装置は、以上のように、音波を信号に変換する変換装置と、記録装置に対して、前記信号を送信する送信手段と、録音の開始を指示するためのユーザの操作を受け付ける操作受付装置と、前記操作受付装置が上記操作を受け付けた場合、前記記録装置に対して、前記開始指示の受け付け時から所定時間経過後に送信する信号の記録を指示する指示手段とを備える構成である。
したがって、簡易な構成で、ユーザの操作により発生する操作音を記録装置に記録することなく、ユーザの所望とする音に基づく信号のみを記録装置に記録させることが可能な録音制御装置を提供することができるという効果を奏する。
本発明に係る記録装置は、以上のように、他装置において音波を変換することにより得られた信号を、前記他装置から受信する第1受信手段と、前記他装置内の操作受付装置が、録音の開始を指示するためのユーザの操作を受け付けた場合、前記他装置から、前記録音の開始指示を示す指示信号を受信する第2受信手段と、前記指示信号を受信した場合、前記指示信号の受信時から所定時間経過後に受信される前記音波を変換することにより得られた信号の記録を行う記録制御手段とを備えている構成である。
したがって、簡易な構成で、ユーザの操作により発生する操作音を記録することなく、ユーザの所望とする音に基づく信号のみを記録させることが可能な記録装置を提供することができるという効果を奏する。
また、本発明に係る情報記録システムは、以上のように、上記本発明に係る録音制御装置と、録音制御装置から送信される信号を記録する記録装置とを備える構成である。
したがって、簡易な構成で、記憶装置に対して、ユーザの操作により発生する操作音を記録装置に記録することなく、ユーザの所望とする音に基づく信号のみを記録装置に記録させることができる情報記録システムを提供することが可能となるという効果を奏する。
また、本発明に係る録音制御方法は、以上のように、録音の開始を指示するためのユーザの操作を操作受付装置が受け付ける操作受付ステップと、音波を信号に変換する変換ステップと、記録装置に対して、前記信号を送信する送信ステップと、前記操作受付ステップにて開始指示を受け付けた場合、前記記録装置に対して、前記開始指示の受け付け時から所定時間経過後に送信する信号の記録を指示する指示ステップとを備える方法である。
したがって、簡易な方法で、ユーザの操作により発生する雑音を記録装置に記録することなく、ユーザの所望とする音に基づく信号のみを記録装置に記録させることが可能な録音制御方法を提供することができるという効果を奏する。
また、本発明に係るプログラムは、上記の課題を解決するために、上記録音制御装置の各手段としてコンピュータを機能させるためのプログラムであることを特徴としている。
したがって、上記プログラムをコンピュータシステムにロードすることによって、上記録音制御装置をユーザに提供することが可能となるという効果を奏する。
また、本発明に係る記録媒体は、上記の課題を解決するために、上記プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体であることを特徴としている。
したがって、上記記録媒体に記録されているプログラムをコンピュータシステムにロードすることによって、上記録音制御装置をユーザに提供することが可能となるという効果を奏する。
本発明の一実施形態について図面に基づいて説明すると以下の通りである。
本実施形態に係る情報記録システム1は、図1に示すように、リモートコントローラユニット(以下、リモコンユニットと称する)(録音制御装置・他装置)10と、機器本体ユニット(記録装置)30と、接続ケーブル3とを備えている。さらに、リモコンユニット10と機器本体ユニット30とは、接続ケーブル3によって接続されている。
また、リモコンユニット10は、操作ボタン群11と、マイク(変換装置)15と、外部音声信号入力部16と、リモコン制御部17と、保留機能ON/OFF装置18と、保留時間設定部(時間設定手段)19と、入力信号増幅部(送信手段)20と、信号レベル比較部(判断手段)21とを備えている。
さらに、操作ボタン群11は、録音スタンバイボタン12と、録音入力選択ボタン13と、録音開始ボタン(操作受付装置)14とを備えている。なお、操作ボタン群11は、上記3つのボタンの他に、再生に必要な再生ボタン等(図示せず)を備えている。
また、上記リモコン制御部17は、録音ソース切り替え制御部71と、ボタン制御部72と、操作信号保留制御部(指示手段・延長手段)73とを備えている。
さらに、機器本体ユニット30は、機器制御部31と、記録部35と、音声出力部36とを備えており、上記機器制御部31は、機器動作制御部32と、記録制御部33と、再生制御部34とを備えている。
録音スタンバイボタン12は、ユーザによるボタン押し下げの動作を、入力として受け付ける。そして、該入力を受け付けた場合、録音スタンバイボタン12は、該ボタン12が押し下げられた旨を示した信号(以下、録音スタンバイ指示信号)を、ボタン制御部72に送る。
録音入力選択ボタン13は、ユーザによるボタン押し下げの動作を、入力として受け付ける。該入力を受け付けた場合、録音入力選択ボタン13は、該ボタン13が押し下げられた旨を示した信号(以下、選択指示信号)を、録音ソース切り替え制御部71に送る。
録音開始ボタン14は、ユーザによるボタン押し下げの動作を、入力として受け付ける。そして、該入力を受け付けた場合、録音開始ボタン14は、該ボタン14が押し下げられた旨を示した信号(以下、録音開始指示信号)を、ボタン制御部72に送る。
マイク15は、音声等の音(音波)をアナログの電気信号(以下、音声信号と称する)に変換する。そして、マイク15と録音ソース切り替え制御部71との接続が確立されている場合、マイク15は上記音声信号を録音ソース切り替え制御部71に送る。
外部音声信号入力部16は、他のオーディオ装置等から出力されたアナログの電気信号(音声信号)を受信する。そして、外部音声信号入力部16は、外部音声信号入力部16と録音ソース切り替え制御部71との接続が確立されている場合、外部音声信号入力部16は上記音声信号を録音ソース切り替え制御部71に送る。
保留機能ON/OFF装置18は、ユーザから、後述する保留機能をONするか、あるいは、OFFするかといった指示を受け付ける。そして、保留機能ON/OFF装置18は、ONあるいはOFFを示した信号を操作信号保留制御部73に送る。なお、保留機能ON/OFF装置18は、例えば、ディップスイッチ等の機械的なスイッチにより構成することができる。
保留時間設定部19は、ユーザから、後述する保留時間の設定指示を受け付ける。そして、保留時間設定部19は、上記設定指示を示した信号(設定指示信号)を操作信号保留制御部73に送る。具体的には、設定指示信号には、秒数を示す情報が含まれている。なお、保留時間設定部19は、例えば、回転式のメモリ調整器によって構成することができる。
なお、入力信号増幅部20および信号レベル比較部21で行われる処理については、後述する。
次に、ボタン制御部72が、録音スタンバイボタン12から録音スタンバイ指示信号を受け付けた場合における、リモコン制御部17内の処理と、機器本体ユニット30内での処理について説明する。
ボタン制御部72が録音スタンバイ指示信号を受け付けると、ボタン制御部72は、接続ケーブル3を介して、録音スタンバイ指示信号を機器制御部31内の機器動作制御部32に送信する。
機器動作制御部32は、上記録音スタンバイ指示信号をボタン制御部72から受信すると、この録音スタンバイ指示信号を記録制御部33に送る。記録制御部33は、上記録音スタンバイ指示信号を受け付けると、記録部35へ上記録音スタンバイ指示信号を送る。
記録部35は、この録音スタンバイ指示信号を受け付けると、記録部35内に載置される記録媒体に対して情報の記録が即座に可能となるように、情報書き込み用の各部材を情報の録音可能な状態(録音待機状態とも称する)に遷移させる。例えば、書き込み用のヘッドを所定の位置まで移動させる。なお、記録部35は、具体的には、ハードディスク装置、Miniディスクを備えた記録装置、あるいは、不揮発性のメモリ等で構成される。
次に、録音ソース切り替え制御部71が、録音入力選択ボタン13から上記選択信号を受け付けた場合における、リモコン制御部17内の処理と、機器本体ユニット30内での処理について説明する。
録音ソース切り替え制御部71とマイク15との接続が確立している場合に、録音ソース切り替え制御部71が、録音入力選択ボタン13から上記選択指示信号を受け付けると、録音ソース切り替え制御部71は、上記接続を解消し、録音ソース切り替え制御部71と外部音声信号入力部16との接続を確立する。一方、録音ソース切り替え制御部71と外部音声信号入力部16との接続が確立している場合に、録音ソース切り替え制御部71が、録音入力選択ボタン13から上記選択指示信号を受け付けると、録音ソース切り替え制御部71は、上記接続を解消し、録音ソース切り替え制御部71とマイク15との接続を確立する。
そして、録音ソース切り替え部71は、マイク15から送られてくる音声信号、あるいは、外部音声信号入力部16から送られてくる音声信号を、入力信号増幅部20に送る。
入力信号増幅部20は、録音ソース切り替え制御部71から上記音声信号を受け付けると、この音声信号を増幅する。さらに、入力信号増幅部20は、この増幅された音声信号を、信号レベル比較部21および機器制御部31内の記録制御部33に送る。
信号レベル比較部21は、入力信号増幅部20より、増幅された音声信号を受け付ける。そして、信号レベル比較部21は、受け付けた音声信号の信号レベルを所定の間隔で順次検出すると共に、該検出した信号レベルと、予め設定した信号レベル(所定の閾値)との大小を順次比較する。また、信号レベル比較部21は、各検出した信号に関し、検出した信号レベルが予め設定した信号レベル以上の場合には、その旨を示す信号(以下、延長指示信号と称する)を操作信号保留制御部73に送る。なお、ここでは、上記予め設定した信号レベルを60dBとしておく。
記録制御部33は、接続ケーブル3を介して、入力信号増幅部20より上記増幅した音声信号を受信する。そして、記録制御部33は、上記受信した音声信号(アナログ信号)をデジタル信号に変換する。
次に、ボタン制御部72が、録音開始ボタン14から録音開始指示信号を受け付けた場合における、リモコン制御部17内の処理と、機器本体ユニット30内での処理について説明する。
ボタン制御部72が録音開始指示信号を受け付けると、ボタン制御部72は、操作信号保留制御部73に録音開始指示信号を送る。
操作信号保留制御部73は、ボタン制御部72から録音開始指示信号を、信号レベル比較部21から上記延長指示信号を、保留機能ON/OFF装置18から上記ONあるいはOFFを示した信号を、保留時間設定部19から上記設定指示信号を受け付ける。
まず、操作信号保留制御部73が、保留機能ON/OFF装置18から上記OFFを示した信号を受け付けた場合について説明する。この場合、操作信号保留制御部73は、上記延長指示信号および上記設定指示信号にかかわらず、即座に、上記受け付けた録音開始指示信号を、接続ケーブル3を介して、機器動作制御部32に送信する。
機器動作制御部32は、操作信号保留制御部73から録音開始指示信号を受け付けると、この録音開始指示信号を記録制御部33に送る。
ここで、記録制御部33が録音開始指示信号を受け付けた後に、入力信号増幅部20から記録制御部33に入力されてくる音声信号を指示後音声信号とすると、記録制御部33は、上記録音開始指示信号を受け付けた場合、上記指示後音声信号をデジタル信号に変換後、この指示後音声信号に基づいたデジタル信号を記録部35に送る。
記録部35は、記録制御部33から、上記指示後音声信号に基づいたデジタル信号を受け付ける。そして、記録部35は、このデジタル信号を記憶する。
以上により、録音開始ボタン14が押されると、録音開始ボタンが押された後にリモコンユニット10のマイク15または外部音声信号入力部16が取得した音(音波)に基づくデジタル信号が、機器本体ユニット30の記録部35に記録されることになる。
次に、操作信号保留制御部73が、保留機能ON/OFF装置18から上記ONを示した信号を受け付けた場合について説明する。この場合、操作信号保留制御部73は、少なくとも、上記設定指示信号に示された一定の時間(以下、設定時間と称する)に渡り、録音開始指示信号の機器動作制御部32への送信を保留する。さらに、操作信号保留制御部73が上記延長指示信号を上記所定の間隔で受け付けている間は、上記設定時間が経過した後であっても、録音開始指示信号の機器動作制御部32への送信を保留する。このような、録音開始指示信号の機器動作制御部32への送信を保留する機能を、保留機能と称する。
つまり、操作信号保留制御部73は、上記延長指示信号を上記所定の間隔で受け付けていない場合には、上記設定指示信号に示された時間経過後に、録音開始指示信号を機器動作制御部32に送る。また、上記設定指示信号に示された時間経過後であっても、上記延長指示信号を上記所定の間隔で受け付けている場合には、所定の間隔で延長指示信号を受け付けなくなった時点で、録音開始指示信号を機器動作制御部32に送る。なお、以下では、操作信号保留制御部73が録音開始指示信号を受け付けてから、この録音開始指示信号を機器動作制御部32に送るまでの時間を保留時間と称する。この保留時間が、特許請求の範囲に記載の所定時間に対応する。
ここで、録音開始指示信号を機器動作制御部32が受信した後の機器本体ユニット30における処理は、上述した、操作信号保留制御部73が上記OFFを示した信号を受け付けた場合における処理と同じである。したがって、ここでの説明を省略する。
以上より、記録部35では、録音開始ボタン14が押されると、概ね、該ボタン14が押された時刻から上記保留時間経過後にリモコンユニット10のマイク15または外部音声信号入力部16が取得した音(音波)に基づくデジタル信号が、機器本体ユニット30の記録部35に記録されることになる。
また、操作ボタン群11の再生ボタン(図示せず)が、ユーザによるボタン押し下げの動作を、入力として受け付けた場合、再生ボタンは、該ボタンが押し下げられた旨を示した信号(以下、再生指示信号)をボタン制御部72に送る。この場合、ボタン制御部72は、接続ケーブル3を介して、機器動作制御部32に上記再生指示信号を送信する。
機器動作制御部32は、この再生指示信号を受信すると共に、受信した再生指示信号を再生制御部34に送る。再生制御部34は、再生指示信号を受け付けた場合、記録部35に記録されたデジタル信号を記録部35から読み出す。さらに、再生制御部34は、上記読み出したデジタル信号をアナログ信号に変換する。その後、再生制御部34は、このアナログ信号を、音声出力部36に送る。
音声出力部36は、再生制御部34からアナログ信号を受け付けた場合、このアナログ信号を増幅して、外部に音波として出力する。
ここで、仮に、マイク15と録音ソース切り替え制御部71とが接続されているとする。さらに、保留機能ON/OFF装置18が、ユーザから、保留機能をOFFする指示を受け付けたとする。このような環境下で、録音開始ボタン14をユーザが押し下げると以下のような問題が生じる。
ユーザが録音開始ボタン14の操作を行うことにより、該操作に伴って生じる雑音、例えばボタンと指との摩擦音および/またはボタンを押下したときの衝撃音(以下、上記雑音をボタン音と称する)が発生する。このため、上記ボタン音(音波)が、マイク15に入力され電気信号に変換され、さらに、該電気信号が録音ソース切り替え制御部71に入力されてしまう。
リモコンユニット10では、通常、録音開始ボタン14とマイク15とが10cm以内に近接して配置されているため、具体的には、上記録音開始ボタン14の操作により、60dBから80dBの電子信号が録音ソース切り替え制御部71に入力される。その結果、ボタン音(操作音)に基づいたデジタル信号が、記録部35に記録されてしまう。また、このボタン音は、通常、ユーザの操作が完了するまで発生し続ける。
特に、ユーザが録音しようとする音声(以下、所望音)の音源がマイク15から離れている等の理由により、マイク15の位置での上記所望音の音波の強度が弱い場合には、マイク15における変換後の音声信号の信号レベルは低くなるため、再生時にボタン音が目立ってしまう。
しかしながら、保留機能ON/OFF装置18が、ユーザから、保留機能をONする指示を受け付けた場合、該ボタン14が押された時刻から上記保留時間経過前迄にリモコンユニット10のマイク15が取得した音に基づくデジタル信号は、機器本体ユニット30の記録部35には記録されない。そこで、上記設定時間を、通常、上記ボタン音が減衰して消滅すると考えられる時間よりも長めの時間(例えば、1.5秒)と設定しておく。このように設定時間を設定しておくことにより、ボタン音に基づいたデジタル信号が記録部35に記録されてしまうことを防止することができる。
また、ユーザの録音開始ボタン14の操作の仕方次第では、上記ボタン音が上記設定時間以上継続して発生するおそれがある。このような場合であっても、上述したように、信号レベルが所定の閾値(60dB)未満となるまでは、操作信号保留制御部73から機器動作制御部32に対しては、録音開始指示信号の送信が行われない。それゆえ、上記設定時間経過後において、所定のレベル以上のボタン音が記録部35に記録されてしまうこと防止できる。
次に、図2に示すフローチャートを参照しながら、本実施形態における情報記録システム1で音声を記録する際に実行される処理の流れについて説明する。なお、以下では、説明の便宜上、マイク15と録音ソース切り替え制御部71との接続が既に確立しているものとする。また、操作信号保留制御部73が、保留機能ON/OFF装置18から、保留機能をONする指示を受け付けた場合について説明する。つまり、保留機能が実行される場合について説明する。
まずステップ1(以降、S1のように称する)において、ユーザが、リモコンユニット10および機器本体ユニット30の電源を入れる。その後処理は、S2へ移行する。
S2においては、ボタン制御部72は、録音スタンバイボタン12からの録音スタンバイ指示信号を受け付ける。そして、ボタン制御部72は、上記録音スタンバイ指示信号を機器本体ユニット30内の機器動作制御部32に送る。その後、処理はS3へ移行する。
S3においては、機器動作制御部32は、ボタン制御部72から上記録音スタンバイ指示信号を受け付け、録音スタンバイ指示信号を記録制御部33に送る。これにより、記録制御部33が、録音待機状態に遷移する。その後、処理はS4へ移行する。
S4においては、ユーザが録音開始ボタン14を押すことにより、ボタン制御部72は、録音開始ボタン14から録音開始指示信号を受け付ける。また、マイク15が、上記ボタン音およびユーザの所望とする音声を収集し、これらを音声信号に変換する。S4の後は、S5とS6との2つの処理が並行して行われる。
まず、S5においては、操作信号保留制御部73が、保留時間設定部19からユーザによって決められた保留時間に関する情報を受け付けると共に、上述した設定時間(一定時間)に渡り、録音開始指示信号の機器動作制御部32への送信を保留する。その後、処理はS7へ移行する。
一方、S6においては、入力信号増幅部20が、上記音声信号を録音ソース切り替え制御部7を介して受け付けると共に、この音声信号を増幅し、記録制御部33および信号レベル比較部21に送る。その後、S7に進む。
S7においては、信号レベル比較部21が、入力信号増幅部20から上記音声信号を受け付けて、上記音声信号から信号レベルを検出すると共に、上記検出した信号レベルが予め設定された信号レベル以上であるか否かが判断される。そして、上記検出した信号レベルが、予め設定された信号レベル以上である場合(Yesの場合)には、処理はS8へ移行する。また、上記検出した信号レベルが、予め設定された信号レベル未満の場合(Noの場合)には、処理はS10へ移行する。
S8においては、信号レベル比較部21は、上述した延長指示信号を操作信号保留制御部73に送る。その後、処理はS9へ移行する。S9においては、録音開始指示信号の機器動作制御部32への送信を保留する。つまり、上記設定時間が経過した後であっても、録音開始指示信号の機器動作制御部32への送信を保留する。その後、S7に戻る。
S10において、操作信号保留制御部73は、録音開始指示信号を機器本体ユニット30内の機器動作制御部32に送る。その後、処理はS11へ移行する。S11においては、機器動作制御部32が、受け付けた録音開始制御信号を記録制御部33に送る。その後、処理はS12へ移行する。
S12においては、記録制御部33は、録音開始制御信号を受け付けると、録音待機状態から録音状態に遷移し、上記音声信号(アナログ信号)に基づいたデジタル信号を記録部35に記録させる。以上により、記録処理が終了する。
また、図3に示すフローチャートを参照しながら、本実施形態における情報記録システム1で記録部35に記録されたデジタル信号を再生する際に実行される処理の流れについて説明する。
まず、S21において、ボタン制御部72は、再生ボタン(図示せず)から再生指示信号を受け付ける。その後、S22進む。S22においては、ボタン制御部72は、上記再生指示信号を機器本体ユニット30内の機器動作制御部32に送る。その後、S23に進む。S23においては、再生制御部34が、上記再生指示信号を機器動作制御部32から受け付ける。その後、S24に進む。
S24においては、再生制御部34が、記録部35に記録されているデジタル信号を読み出し、この読み出したデジタル信号をアナログの音声信号に変換すると共に、この音声信号を音声出力部36に送る。その後、処理はS25へ移行する。S25においては、音声出力部が、再生制御部34から受け付けた音声信号を音波として外部へ出力する。
なお、上記においては、音声を記録部35に記録する構成について説明したが、これに限定されない。音声だけでなく音波であれば何でもよい。音声の他に、例えば、音楽が挙げられる。また、上記においては、音波を電気信号に変換する例を示したが、これに限定されず、例えば音波を光信号に変換する構成であってもよい。
このように、リモコンユニット(録音制御装置)10は、音波を信号に変換するマイク(変換装置)15と、機器本体ユニット(記録装置)30に対して、前記信号を送信する信号入力増幅部(送信手段)72と、録音の開始を指示するためのユーザの操作を受け付ける録音開始ボタン(操作受付装置)14と、前記録音開始ボタン14が上記操作を受け付けた場合、機器本体ユニット30に対して、前記開始指示の受け付け時から所定時間経過後に送信される信号の記録を指示する操作信号保留制御部(指示手段)73とを備える構成である。
この構成によれば、マイク15により音波が信号に変換される。これにより、リモコンユニット10は、音波に基づいた信号を得ることができる。なお、信号としては、電気信号、光信号等の各種信号が挙げられる。また、入力信号増幅部20により、機器本体ユニット30に対して、上記信号を送信することができる。さらに、録音開始ボタン14により、録音の開始を指示するためのユーザの操作が受け付けられる。これにより、リモコンユニット10は、録音の開始を指示されたことが判断できる。
ところで、録音開始ボタン14がユーザの操作を受け付けた場合、該操作に伴って操作音が発生する。また、この操作音は、通常、ユーザの操作を完了するまで発生し続ける。さらに、上記操作音は、音波であるため、マイク15により上記信号に変換される。それゆえ、上記操作音に基づく信号は、入力信号増幅部20により、機器本体ユニット30に送信されてしまう。また、上記操作音は、ユーザにとっては雑音であって、ユーザの所望とする録音対象音ではないといえる。
ここで、本構成においては操作信号保留制御部73により、前記録音開始ボタン14が上記操作を受け付けた場合、前記機器本体ユニット30に対して、前記開始指示の受け付け時から所定時間経過後に送信される信号の記録が指示される。
このため、上記所定時間を、動作音が発生し続けると考えられる時間よりも長めに設定しておくことにより、操作信号保留制御部73は、機器本体ユニット30に対して、少なくとも、上記操作音が発生し続けている時間において信号に変換された音波の記録を指示しないこととなる。
それゆえ、上記操作音に基づく信号が機器本体ユニット30に記録されることを防止することができる。
したがって、簡易な構成で、ユーザの操作により発生するボタン音(雑音)を機器本体ユニット30に記録することなく、ユーザの所望とする音に基づく信号のみを機器本体ユニット30に記録させることができる。
なお、機器本体ユニット30への信号の記録に際しては、機器本体ユニット30での記録に適した信号の形式(例えば、アナログ形式またはデジタル形式)であれば特に限定されない。
また、リモコンユニット10は、上述したように、上記変換後の信号のレベルが所定の閾値以上であるか否かを判断する信号レベル比較部(判断手段)21と、前記信号のレベルが所定の閾値未満となるまで、前記所定時間を延長する操作信号保留制御部(延長手段)73とを備えている構成である。
この構成によれば、信号レベル比較部21により、前記変換後の信号のレベルが閾値以上か否かを判断できる。また、操作信号保留制御部73により、前記信号のレベルが所定の閾値未満となるまで、前記所定時間を延長することができる。
ところで、ユーザの録音開始ボタン14の操作次第では、上記操作音が所定の時間以上継続して発生するおそれがある。また、この操作音は、録音の開始を指示するユーザの操作により発生するものであるため、時間の経過に伴い収束する。
それゆえ、上述したように、信号のレベルが所定の閾値未満となるまで前記所定時間を延長することにより、上記所定の時間経過後において、所定のレベル以上の操作音が機器本体ユニット30において記録されてしまうことを防止できる。
したがって、所定の時間経過後において未だ操作音が発生している場合であっても、操作音がある程度小さくなってから、ユーザの所望とする音を録音することができる。
さらに、リモコンユニット10は、上述したとおり、前記所定時間の設定を行う保留時間設定部(時間設定手段)19を備えている。
この構成によれば、保留時間設定部19により、前記所定時間の設定を行うことができる。ところで、ユーザのリモコンユニット10の使用の仕方、録音環境、あるいは、録音制御装置間における録音開始ボタン14の特性に相違がある。このため、所定時間が短くて、上記操作音が記録されてしまうおそれがある。あるいは、所定時間が長くて、上記所望とする音の始めの部分が録音されないというおそれもある。しかしながら、上記の構成では、上述したように、上記保留時間設定部19により所定時間を設定できるため、ユーザの使用方法に沿った、あるいは、各録音制御装置の特性に応じた最適な所定時間を設定可能となる。
また、リモコンユニット10は、ユーザの指示に基づき、録音開始指示信号の送信を保留するか否かを設定する保留機能ON/OFF装置18を備えている構成である。
この構成によれば、保留機能ON/OFF装置18により、ユーザの指示に基づき、録音開始指示信号の送信を保留するか否かを設定できる。
ところで、ユーザの所望としている音の発生源からリモコンユニット10までの距離がある程度離れている場合等においては、ユーザの所望としている音に基づく信号のレベルが、上記操作音よりも小さくなることがある。このような場合には、上記送信を保留することが好ましい。
一方、ユーザの所望としている音の発生源からリモコンユニット10までの距離が離れていない場合等においては、ユーザの所望としている音に基づく信号のレベルが、上記操作音に基づく信号レベルよりも高いままの状態が継続することが起こりうる。このような場合には、上記所定時間が延長され、長時間に渡り、このユーザの所望とする音が機器本体ユニット30に記録されなくなる。
さらに、ユーザの所望としている音に基づく信号のレベルが、上記操作音に基づく信号レベルよりも高い場合には、操作音は、ユーザの所望とする音によって掻き消される。このため、記録された音を再生する際に、操作音は目立つことがない。
それゆえ、ユーザの所望としている音に基づく信号のレベルが、上記操作音に基づく信号レベルよりも高い場合には、上記送信を保留しない方がよい。
したがって、ユーザが上記所望とする音と上記操作音との大小を比較考慮し、所望とする音の信号レベルよりも操作音に基づく信号レベルが高くなると判断した場合、ユーザが保留機能ON/OFF装置18により、上記送信を保留しない設定とすることにより、このユーザの所望とする音が機器本体ユニット30に記録されなくといった事態を防止できる。
なお、上記においては、ボタン音に基づく信号レベルは60〜80dB程度であるため、予め設定した信号レベルを60dBとしたが、これに限定されるものではない。なお、マイク15で収集される音声に基づく信号のレベルは、通常、0〜100dBの範囲である。
また、録音ソース切り替え部71は、録音開始ボタン14が押されてから、マイク15から送られてくる音声信号(ボタン音に基づく信号含む)、あるいは、外部音声信号入力部16から送られてくる音声信号を、入力信号増幅部20に送る構成としてもよい。
また、上記においては、設定時間を1.5秒としたがこれに限定されるものではない。例えば、ユーザが録音開始ボタン14を押した後、該ボタン14から手を離し、リモコンユニット10を適切な位置へ配置するまでに、様々な音がリモコンユニット10に起因して発生する。例えば、ユーザがリモコンユニット10に接触することにより生じる音や、リモコンユニット10をテーブルに載置するときに生じる音等が挙げられる。
ユーザが、このような音までも録音したくないと判断するのであれば、保留時間設定部19により設定時間を長めに設定しておけばよい。一方、このような音の録音の有無は考慮せず、かつ、録音開始ボタンも速やかに操作するユーザは、保留時間設定部19により設定時間を短めに設定しておけばよい。このような様々な状況を考慮すると、設定可能な範囲としては、例えば、0.5秒〜5秒程度としておくことが好ましい。
また、本実施形態においては、リモコンユニット10と機器本体ユニット30とが接続ケーブル3で接続された構成を挙げたが、これに限定されるわけではなく、図4に示すように、接続ケーブル3による有線の通信の代わりに無線通信を用いてもよい。このように無線通信を用いる場合には、接続ケーブル3の代わりに無線ユニット4を備えておけばよい。具体的には、リモコンユニット10に無線ユニット4を構成する送信部(送信手段)41を備え、機器本体ユニット30に無線ユニット4を構成する受信部(第1受信手段・第2受信手段)42を備えておけばよい。なお上記無線通信の方式としては、例えば、赤外線通信方式やBluetooth(登録商標)が挙げられる。
このように無線通信を用いることにより、リモコンユニット10と機器本体ユニット30との間のケーブルが不要となるため、ユーザの利便性が向上する。
また、本実施形態においては、操作ボタン群11とマイク15とがリモコンユニット10に備えられている形態を示したが、操作ボタン群11とマイク15とが近接して配置されていれば、機器本体ユニット30に備えられていてもよい。
また、マイク15がボタン音に基づく操作音(雑音)を収集しないためにマイク15と操作ボタン群11との間に振動吸収材などを配置することによってボタン音に基づく雑音の信号レベルを下げることが考えられる。しかしながら、実用上問題ない信号レベルまで下げようとすると、大型の振動吸収材を使用しなければならない。このため、マイク15と操作ボタン群11とが設けられた筐体(つまり、リモコンユニットあるいは機器本体ユニット)のサイズも大きくなってしまう。
しかしながら、情報記録システム1は、リモコンユニット10および機器本体ユニット30の両ユニットとも、振動吸収材を備えた場合よりもサイズも大きくならないという利点を有している。
また、上記の実施形態においては、録音開始指示信号の送信を保留する操作信号保留制御部73がリモコンユニット10に備えられており、リモコンユニット10で録音開始指示信号を保留させる構成を示したが、これに限定されるわけではない。つまり、上記保留を機器本体ユニット30で行う構成としてもよい。この場合には、例えば、記録制御部33の構成を、機器本体ユニット30(詳しくは機器動作制御部32)が録音開始指示信号を受け付けてから上記所定時間経過後に受信される音波を変換することにより得られた信号の記録を行う構成とすればよい。
つまり、機器本体ユニット(記録装置)30の構成を、リモコンユニット10において音波を変換することにより得られた信号を、リモコンユニット10から受信する記録制御部(第1受信手段)33と、リモコンユニット10内の録音開始ボタン14が、録音の開始を指示するためのユーザの操作を受け付けた場合、前記リモコンユニット10から、前記録音の開始指示を示す指示信号を受信する機器動作制御部(第2受信手段)32とを備える構成とし、記録制御部(記録制御手段)33が、前記指示信号を受信した場合、前記指示信号の受信時から所定時間経過後に受信される前記音波を変換することにより得られた信号の記録を行う構成とすればよい。
この構成によれば、第1受信手段により、リモコンユニット10において音波を変換することにより得られた信号を、リモコンユニット10から受信することができる。また、リモコンユニット10内の録音開始ボタン14が、録音の開始を指示するためのユーザの操作を受け付けた場合、第2受信手段により、リモコンユニット10から、前記録音の開始指示を示す指示信号(録音開始指示信号)を受信することができる。
さらに、記録制御部33により、前記指示信号を受信した場合、前記指示信号の受信時から所定時間経過後に受信される前記音波を変換することにより得られた信号の記録を行うことができる。
ところで、リモコンユニット10内の録音開始ボタン14がユーザの操作を受け付けた場合、該操作に伴う操作音が生じる。また、この操作音は、通常、ユーザの操作を完了するまで発生し続ける。さらに、上記操作音は、音波であるため、リモコンユニット10において信号に変換される。それゆえ、機器本体ユニット30は、上記操作音に基づく信号を、第1受信手段により受信してしまう。また、上記操作音は、ユーザにとっては雑音であって、ユーザの所望とする録音対象音ではないといえる。
ここで、前記指示信号を受信した場合、上述した構成では、記録制御部33により、前記指示信号の受信時から所定時間経過後に受信される前記音波を変換することにより得られた信号の記録が行なわれる。
このため、上記所定時間を、操作音が発生し続けると考えられる時間よりも長めに設定しておくことにより、記録制御部33は、少なくとも、上記動作音が発生し続けている時間において信号に変換された音波の記録を行わないことになる。
それゆえ、上記動作音に基づく信号が記録されることを防止することができる。したがって、ユーザの操作により発生する雑音を記録することなく、ユーザの所望とする音に基づく信号のみを記録させることが可能となる。
また、情報記録システム1は、機器本体ユニット30(装置本体)に設けられ、外部から入力されたオーディオ信号を記録媒体に記録する記録手段と、前記記録手段に設けられる記録回路と、前記記録手段に設けられ、前記記録回路に電源を供給し前記記録回路を作動スタンバイ状態に保持する記録回路スタンバイ保持手段と、前記記録手段に設けられ、前記記録回路スタンバイ保持手段の前記スタンバイ状態を解除し前記記録回路を作動せしめるスタンバイ解除手段と、前記記録回路スタンバイ保持手段を作動せしめるための第1操作ボタン(録音スタンバイボタン)と、前記スタンバイ解除手段を作動せしめるための第2操作ボタン(録音開始ボタン)と、前記第2操作ボタンに近接して設けられるマイク15と、前記マイク15によって集音された外部信号を前記記録手段にて装置本体に装着された記録媒体に記録するための第3操作ボタン(録音入力選択ボタン)とが具備され、前記第3操作ボタン、及び前記第1操作ボタンが操作された後、前記第2操作ボタンが操作されることによって、前記マイク15によって集音された外部信号を前記記録手段にて装置本体に装着された記録媒体に記録する記録装置であって、前記第2操作ボタン操作後の所定時間、前記スタンバイ解除手段の作動が保留され、前記所定時間経過後、前記スタンバイ解除手段の作動がなされることを特徴とするものであってもよい。
さらに、情報記録システム1は、上記の構成において、前記記録手段を装置本体から離れた位置から作動させるための制御信号を、装置本体に送信するリモコンユニット10を具備するものであって、少なくとも前記第2操作ボタン及び前記マイク15が前記リモコンユニット10に設けられていてもよい。
また、情報記録システム1は、上記の構成において、前記第2操作ボタン操作後、前記スタンバイ解除手段の作動がなされるまでの、保留時間を可変としてもよい。
さらに、情報記録システム1は、上記の構成において、前記マイク15によって集音された外部信号状況により、保留時間を調節してもよい。
また、上記各実施形態では、リモコンユニット10や機器制御部31を構成する各部材が、「CPUなどの演算手段がROMやRAMなどの記録媒体に格納されたプログラムコードを実行することで実現される機能ブロックである」場合を例にして説明したが、同様の処理を行うハードウェアで実現してもよい。また、処理の一部を行うハードウェアと、当該ハードウェアの制御や残余の処理を行うプログラムコードを実行する上記演算手段とを組み合わせても実現することもできる。さらに、上記各部材のうち、ハードウェアとして説明した部材であっても、処理の一部を行うハードウェアと、当該ハードウェアの制御や残余の処理を行うプログラムコードを実行する上記演算手段とを組み合わせても実現することもできる。なお、上記演算手段は、単体であってもよいし、装置内部のバスや種々の通信路を介して接続された複数の演算手段が共同してプログラムコードを実行してもよい。また、上記各部材のうちの記録部35は、メモリなどの記憶装置自体であってもよい。
上記演算手段によって直接実行可能なプログラムコード自体、または、後述する解凍などの処理によってプログラムコードを生成可能なデータとしてのプログラムは、当該プログラム(プログラムコードまたは上記データ)を記録媒体に格納し、当該記録媒体を配付したり、あるいは、上記プログラムを、有線または無線の通信路を介して伝送するための通信手段で送信したりして配付され、上記演算手段で実行される。
なお、通信路を介して伝送する場合、通信路を構成する各伝送媒体が、プログラムを示す信号列を伝搬し合うことによって、当該通信路を介して、上記プログラムが伝送される。また、信号列を伝送する際、送信装置が、プログラムを示す信号列により搬送波を変調することによって、上記信号列を搬送波に重畳してもよい。この場合、受信装置が搬送波を復調することによって信号列が復元される。一方、上記信号列を伝送する際、送信装置が、デジタルデータ列としての信号列をパケット分割して伝送してもよい。この場合、受信装置は、受信したパケット群を連結して、上記信号列を復元する。また、送信装置が、信号列を送信する際、時分割/周波数分割/符号分割などの方法で、信号列を他の信号列と多重化して伝送してもよい。この場合、受信装置は、多重化された信号列から、個々の信号列を抽出して復元する。いずれの場合であっても、通信路を介してプログラムを伝送できれば、同様の効果が得られる。
ここで、プログラムを配付する際の記録媒体は、取外し可能である方が好ましいが、プログラムを配付した後の記録媒体は、取外し可能か否かを問わない。また、上記記録媒体は、プログラムが記憶されていれば、書換え(書き込み)可能か否か、揮発性か否か、記録方法および形状を問わない。記録媒体の一例として、磁気テープやカセットテープなどのテープ、あるいは、フロッピー(登録商標)ディスクやハードディスクなどの磁気ディスク、または、CD−ROMや光磁気ディスク(MO)、ミニディスク(MD)やデジタルビデオディスク(DVD)などのディスクが挙げられる。また、記録媒体は、ICカードや光カードのようなカード、あるいは、マスクROMやEPROM、EEPROMまたはフラッシュROMなどのような半導体メモリであってもよい。あるいは、CPUなどの演算手段内に形成されたメモリであってもよい。
なお、上記プログラムコードは、上記各処理の全手順を上記演算手段へ指示するコードであってもよいし、所定の手順で呼び出すことで、上記各処理の一部または全部を実行可能な基本プログラム(例えば、オペレーティングシステムやライブラリなど)が既に存在していれば、当該基本プログラムの呼び出しを上記演算手段へ指示するコードやポインタなどで、上記全手順の一部または全部を置き換えてもよい。
また、上記記録媒体にプログラムを格納する際の形式は、例えば、実メモリに配置した状態のように、演算手段がアクセスして実行可能な格納形式であってもよいし、実メモリに配置する前で、演算手段が常時アクセス可能なローカルな記録媒体(例えば、実メモリやハードディスクなど)にインストールした後の格納形式、あるいは、ネットワークや搬送可能な記録媒体などから上記ローカルな記録媒体にインストールする前の格納形式などであってもよい。また、プログラムは、コンパイル後のオブジェクトコードに限るものではなく、ソースコードや、インタプリトまたはコンパイルの途中で生成される中間コードとして格納されていてもよい。いずれの場合であっても、圧縮された情報の解凍、符号化された情報の復号、インタプリト、コンパイル、リンク、または、実メモリへの配置などの処理、あるいは、各処理の組み合わせによって、上記演算手段が実行可能な形式に変換可能であれば、プログラムを記録媒体に格納する際の形式に拘わらず、同様の効果を得ることができる。
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。すなわち、請求項に示した範囲で適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。