JP4429706B2 - 導電性熱可塑性樹脂組成物及びそれを用いた成形品 - Google Patents

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Description

本発明は、導電性熱可塑性樹脂組成物及びそれを用いた成形品に関し、特に、電子部品を包装するための電子部品包装用成型品に好適な導電性熱可塑性樹脂組成物、及びそれを用いた成形品に関する。
従来より、IC又はLED等の電子部品は、キャリアテープ、マガジン、トレイ、バッグ等の電子部品包装用成形品(以下「成形品」という。)に収納されて搬送されることが多い。前記成形品には、静電気による前記電子部品の破損を防止する目的で、一般に前記成形品には導電性や帯電防止性が付与される。前記成形品に導電性や帯電防止性を付与する方法としては、成形品の表面に帯電防止剤や導電性塗料を塗布する方法、成形品の材料に帯電防止剤又は導電性フィラーを分散される方法等が知られている。
しかしながら、前記成形品の表面に帯電防止剤を塗布する方法の場合、前記帯電防止剤の塗布直後には十分な帯電防止効果が得られるものの、長時間の使用によって、前記成形品の表面の摩耗による前記帯電防止剤の脱離や、水分による前記帯電防止剤の流出が生じ易く、帯電性能を安定して得ることができず、また、前記成形品の表面抵抗値も10Ω/□〜1012Ω/□程度であり、高い帯電防止効果を要求される電子部品の包装には不適当であるという問題がある。
また、前記成形品の表面に導電性塗料を塗布する方法の場合、前記成形品の製造時において前記導電性塗料の塗布が不均一となり易く、また、前記成形品の表面の摩耗により前記導電性塗料の剥離が生じて帯電防止効果を失うことがあり、更には、前記導電性塗料が電子部品、特にICのリード部を汚染するという問題がある。
また、前記成形品の材料に帯電防止剤又は導電性フィラーを分散する方法の場合、所望の導電性を得るために帯電防止剤又は導電性フィラーの添加量が多量に必要となるため、前記成形品の基材である樹脂の機械的物性を低下させるとともに、前記成形品の表面抵抗値も湿度による影響を受け易く、安定した導電性や帯電防止性を得ることができない。特に、導電性フィラーとして金属微粉末又はカーボンファイバーを用いると、少量の添加で十分な導電性が得られるものの成形性が著しく低下し、また、当該導電性フィラーを均一に分散させることが難しく、更に、前記成形品の表面に樹脂成分のみのスキン層ができ易く、前記成形品の安定した表面抵抗値を得ることが難しい。一方、導電性フィラーとしてカーボンブラックを用いると、添加量のわずかな増減により導電性能が大きく変動し、その制御が困難であるという問題がある。
そこで、従来においては、導電性フィラーの表面を酸で修飾したり、他の成分でコーティングする等により分散性や導電性能をコントロールすることなどが試みられてきたが、この場合には、導電性フィラーとマトリックス樹脂材料との親和性が変化するために、流動性、成形性、機械的物性等が低下するという問題がある。さらに、これらの表面修飾された導電性フィラーが添加された樹脂組成物を用いた成形品の場合、導電性フィラー表面とマトリックス樹脂材料との親和性が低下するために成形品の摩耗等により該成形品の表面から前記導電性フィラーが脱離し易いという問題がある。
近年、これらの問題を解決する目的で、熱可塑性樹脂に対して、DBP吸油量の異なる2種類のカーボンブラックを用いた導電性熱可塑性樹脂組成物が提案されている(例えば、特許文献1参照)。しかし、この場合、成形加工性、カーボンブラックの分散性は良好となるものの、カーボンブラックのみで目標とする導電性を十分に制御することが困難であり、成形品ごとの表面抵抗値のバラツキを少なくすることが困難であるという問題がある。
特開2002−322366号公報
本発明は、前記従来における問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、成形性、機械的物性等を低下させることなく、導電性を精密に制御して、成形品ごとの表面抵抗値のバラツキが少ない導電性熱可塑性樹脂組成物及びそれを用いた高品質、高性能な成形品を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、本発明者らが鋭意検討を行った結果、ポリフェニレンエーテル系樹脂100質量部に対し、ポリスチレン系樹脂5〜40質量部、ポリスチレン系エラストマー樹脂1〜20質量部、DBP吸油量が300ml/100g以上600ml/100g以下であるカーボンブラック1質量部以上10質量部以下、DBP吸油量が100ml/100g以上220ml/100g以下であるカーボンブラック5質量部以上40質量部以下を配合してなる導電性熱可塑性樹脂組成物、及びそれを用いた成形品が、成形性、及び機械的物性を低下させることなく、樹脂組成物の導電性を精密に制御して、成形品ごとの表面抵抗値のバラツキを少なくすることができるという知見を見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。
<1> ポリフェニレンエーテル系樹脂100質量部に対し、ポリスチレン系樹脂5〜40質量部、ポリスチレン系エラストマー樹脂1〜20質量部、DBP吸油量が300ml/100g以上600ml/100g以下であるカーボンブラック1質量部以上10質量部以下、及びDBP吸油量が100ml/100g以上220ml/100g以下であるカーボンブラック5質量部以上40質量部以下を含有してなることを特徴とする導電性熱可塑性樹脂組成物である。
<2> 前記<1>に記載の導電性熱可塑性樹脂組成物で形成されたことを特徴とする成形品である。
<3> 表面抵抗値が10Ω/□以上1010Ω/□以下である前記<2>に記載の成形品である。
<4> 電子部品包装用成形品である前記<2>から<3>のいずれかに記載の成形品である。
本発明によると、従来における諸問題を解決でき、成形性、及び機械的物性を低下させることなく、導電性を精密に制御して、成形品ごとの表面抵抗値のバラツキが少ない導電性熱可塑性樹脂組成物、及びそれを用いた高品質、高性能な成形品を提供することができる。
(導電性熱可塑性樹脂組成物)
本発明の導電性熱可塑性樹脂組成物は、ポリフェニレンエーテル系樹脂と、ポリスチレン系樹脂と、ポリスチレン系エラストマー樹脂と、第1のカーボンブラックと、第2のカーボンブラックとを含有してなり、更に必要に応じて適宜選択したその他の成分を含有してなる。
−ポリフェニレンエーテル系樹脂−
前記ポリフェニレンエーテル系樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、2,6−ジメチルフェノール、2,3,6−トリメチルフェノール等の酸化カップリングにより製造されるポリ(2,3,6−トリメチル−1,4−フェニレン)エーテル、又はポリ(2,3,6−トリメチル−1,4−フェニレンエーテル)等の単独重合体、2,6−ジメチルフェノール、2,3,6−トリメチルフェノール等の共重合体、又はこれらの重合体が無水マレイン酸などの不飽和カルボン酸などにより変性された重合体、などが挙げられる。なお、通常のポリフェニレンエーテル系樹脂は、それ単独では加工が困難であるために、共重合体にするか、あるいはポリスチレン系樹脂等とブレンドすることにより改質できるが、通常はポリスチレン系樹脂とのブレンドが一般的である。
−ポリスチレン系樹脂−
前記ポリスチレン系樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、汎用ポリスチレン(GPPS)、ゴム成分で強化された耐衝撃性ポリスチレン(HIPS)、などが挙げられる。前記ポリスチレン系樹脂は、それぞれ一種類ないし二種類の樹脂を併用して用いても良いが、前記ゴム成分で強化された耐衝撃性ポリスチレン(HIPS)を特に好適に用いることができる。
前記ポリスチレン系樹脂の前記導電性熱可塑性樹脂組成物に対する含有量としては、前記ポリフェニレンエーテル系樹脂100質量部に対し、5質量部以上40質量部以下であり、20質量部以上30質量部以下が好ましい。
前記ポリスチレン系樹脂の含有量が、5質量部未満であると、得られるコンパウンドの流動性が低く、成形性が損なわれる場合があり、40質量部を超えると、耐熱性が悪化する場合がある。
−ポリスチレン系エラストマー樹脂−
前記ポリスチレン系エラストマー樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、スチレン成分の多いスチレン−ブタジエン共重合体(ハイスチレンSBR)、スチレン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体(SBS)、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレン共重合体(SEBS)、スチレン−エチレン−ブタジエン共重合体等のスチレン含有エラストマーが挙げられる。前記ポリスチレン系エラストマー樹脂は、それぞれ一種類ないし二種類の樹脂を併用して用いても良いが、前記ポリスチレン系エラストマー樹脂は、スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体(SBS)、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレン共重合体(SEBS)、及びスチレン−エチレン−ブタジエン共重合体を特に好適に用いることができる。
前記ポリスチレン系エラストマー樹脂の前記導電性熱可塑性樹脂組成物に対する含有量としては、前記ポリフェニレンエーテル系樹脂100質量部に対し、1質量部以上20質量部以下であり、3質量部以上15質量部以下が好ましい。
前記ポリスチレン系エラストマー樹脂の含有量が、1質量部未満であると、衝撃強度が低下することがあり、20質量部を超えると、曲げや引張の負荷を与えた際の弾性率が低下し、成形品とした場合に必要な機械的強度を維持できないことがある。
−カーボンブラック−
本発明では、DBP吸油量が300ml/100g以上600ml/100g以下である前記第1のカーボンブラック、及びDBP吸油量が100ml/100g以上220ml/100g以下である前記第2のカーボンブラックを併用する。
前記カーボンブラックはとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、オイルファーネス法によって製造されるファーネスブラック、特殊ファーネス法によって製造されるケッチェンブラック、アセチレンガスを原料として製造されるアセチレンブラック、閉鎖空間で原料を直燃して製造されるランプブラック、天然ガスの熱分解によって製造されるサーマルブラック、拡散炎をチャンネル鋼の底面に接触させて捕捉するチャンネルブラック、などが挙げられる。
なお、前記カーボンブラックのDBP吸油量は、ASTM規格のD2414に準拠して測定することができる。
前記第1のカーボンブラックにおけるDBP吸油量が600ml/100gを超えると、少量の添加量で通電回路を形成して導電性が発現するものの、カーボンブラック中に多くの空隙が存在するために、その含有量が増えると強度などの機械的物性は急激に低下することがある。一方、前記第1のカーボンブラックにおけるDBP吸油量が300ml/100g未満であると、所定の導電性を得るために、カーボンブラックを大量に添加する必要があり、成形性に悪影響を及ぼすことがある。また、前記第2のカーボンブラックにおけるDBP吸油量が220ml/100gを超えると、成形後の成型品の機械的物性が急激に低下することがある。一方、前記第2のカーボンブラックにおけるDBP吸油量が100ml/100g未満であると、所定の導電性を得るために、カーボンブラックを大量に添加する必要があり、成形性に悪影響を及ぼすことがある。また、前記第1のカーボンブラックを単独で使用すると、添加量のわずかな増減により導電性能が大きく変動することがある。一方、前記第2のカーボンブラックを単独で使用すると、前記導電性熱可塑性樹脂組成物を電子部品包装材料に成形加工する場合に、半導電領域に達するまでに多量のカーボンブラックを必要とし、そのため機械物性が低下し、前記導電性熱可塑性樹脂組成物が有する流動性が著しく低下して、成形品の成形性に悪影響を及ぼす場合がある。しかし、DBP吸油量の異なる2種類以上のカーボンブラックを用いることにより、高抵抗での導電性制御が安定してコントロールできると共に、多量のカーボンブラックを添加することなく、所望の導電性を得ることができるために成形品の成形性に悪影響を及ぼすことが無い。
前記第1のカーボンブラックと前記第2のカーボンブラックとの総含有量としては、前記ポリフェニレンエーテル系樹脂100質量部に対し、5質量部以上40質量部未満が好ましく、15質量部以上35質量部未満がより好ましい。
前記カーボンブラックの総含有量が前記好ましい数値範囲内であると、導電性熱可塑性樹脂組成物の導電性が最適化され、前記成形品の表面抵抗値を10Ω/□以上1010Ω/□以下とすることが可能となる。一方、前記カーボンブラックの総含有量が、5質量部未満であると、前記導電性熱可塑性樹脂組成物の導電性が不足し、前記成型品の表面抵抗値を所望の値に制御することができなくなることがあり、前記カーボンブラックの総含有量が、40質量部を超えると、前記導電性熱可塑性樹脂組成物をペレット状のコンパウンドに加工する場合の加工性、前記成形品の成形加工性が損なわれることがあり、更に、前記導電性熱可塑性樹脂組成物の導電性が高過ぎて、前記成型品に電磁誘導、静電誘導などにより起電力が生じてIC等の電子部品を破壊してしまうことがある。
前記第1のカーボンブラックとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、市販品を使用してもよく、例えば、DBP吸油量が360ml/100gであるケッチェンブラックEC等(ケッチェンブラックインターナショナル株式会社製)などが挙げられる。
前記第1のカーボンブラックの含有量としては、前記ポリフェニレンエーテル系樹脂100質量部に対し、1質量部以上10質量部未満であり、1.5質量部以上6質量部未満が好ましい。前記第1のカーボンブラックの含有量が、1質量部未満であると、IC等の電子部品の包材として必要な導電性が発現せず、10質量部を超えると、前記導電性熱可塑性樹脂組成物をペレット状に加工したコンパウンドの流動性が大きく低下して、成形性に劣ることがある。
前記第2のカーボンブラックとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、市販品を使用してもよく、例えば、DBP吸油量が190ml/100gであるF−200等(旭カーボン株式会社製)などが挙げられる。
前記第2のカーボンブラックの含有量としては、前記ポリフェニレンエーテル系樹脂100質量部に対し、5質量部以上40質量部未満であり、10質量部以上30質量部未満が好ましい。
前記第2のカーボンブラックの含有量が、5質量部未満であると、IC等の電子部品の包材として必要な導電性が発現しないことがあり、前記第2のカーボンブラックの含有量が、40質量部を超えると、前記導電性熱可塑性樹脂組成物をペレット状に加工したコンパウンドの流動性が大きく低下して、成形性が劣ることがある。
−その他の成分−
前記その他の成分としては、例えば、他の合成樹脂、無機充填剤、可塑剤、熱安定剤、加工助剤、着色剤などが挙げられる。
前記導電性熱可塑性樹脂組成物は、前記ポリフェニレンエーテル系樹脂と、前記ポリスチレン系樹脂と、前記ポリスチレン系エラストマー樹脂と、前記第1のカーボンブラックと、前記第2のカーボンブラックとを、適宜選択した公知の方法により混合、混練することにより調製することができ、例えば、溶融混練してペレット状コンパウンドとすることができる。前記ペレット状コンパウンドとする方法としては、特に制限はなく、通常の熱可塑性樹脂の混合、混練に用いられる装置、設備を用いて容易に製造することができる。例えば、各成分をタンブラー、ヘンシェルミキサーなどの予備混合機に同時に仕込んで均一に混合したのち混練することができ、あるいは混練機へ特定成分を別々に定量フィーダーや容量フィーダーなどを用いて供給することもできる。各成分の混合物を溶融混練機に供給して溶融混練し、ダイから押し出し、ペレタイザーなどを用いてペレット化することができる。使用する混練機としては、例えばベント付き単軸押出機、異方向二軸押出機、同方向二軸押出機などを好適に用いることができる。また押出機に代えてスーパーミキサー、バンバリーミキサー、ニーダー、タンブラー、コニーダーなどの公知の混練機も用いることができる。
前記導電性熱可塑性樹脂組成物は、射出成形や押出成型等の既存の成形機を用いて成形することにより各種の用途に使用することができる。
(成形品)
本発明の成形品は、本発明の前記導電性熱可塑性樹脂組成物で形成されていること以外には、特に制限はなく、その形状、構造、大きさ等については、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。前記成型品は、前記導電性熱可塑性樹脂組成物を射出成形や押出成型等の既存の成形機等を用いて所望の形状に成形することにより、例えば、自動車部品の静電気対策等、所定用途の半導体等に好適な成形品とすることができ、更に、IC又はLED等の電子部品の包装用に、キャリアテープ、マガジン、トレイ、バッグ等の形状に成形された電子部品包装用成形品として使用することができる。
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明は、これらの実施例に何ら限定されるものではない。
(実施例1〜5及び比較例1〜4)
下記表1及び2に示す組成での実施例1〜5及び比較例1〜4の導電性熱可塑性樹脂組成物を常法に従って調製した。表1及び表2における「部」には、ポリフェニレンエーテル系樹脂100質量部に対する質量部を表す。実施例1〜5及び比較例1〜4においては、各配合成分を高速混合機により均一に混合した後、長さ(L)/径(D)=38のベント付き同方向二軸押出機を用いて混練し、ストランドカット法により前記導電性熱可塑性樹脂組成物をペレット化した。次に、このペレット化した前記導電性熱可塑性樹脂組成物を型締力120tの射出成形機を用い、縦及び横の長さが100mm、厚みが2mmの導電性測定用平板プレートを成形した。
得られた導電性測定用平板プレート10枚を使用してASTM規格のD257に準拠して表面抵抗値を測定した。前記成形品及びそれを成形する前記導電性熱可塑性樹脂組成物の導電性の測定結果は、表面抵抗値の10回測定結果の平均値及び統計解析により求めた表面抵抗値の標準偏差(バラツキ)を指標とし、前記標準偏差が0.3以内であればバラツキなしと判断し、結果を表1及び表2に示した。
Figure 0004429706
Figure 0004429706
ポリフェニレンエーテルA:PPO640(GEプラスチックス社製)
ポリフェニレンエーテルB:PX100F(三菱ガス化学社製)
耐衝撃ポリスチレンA:H8601(旭化成社製)
耐衝撃ポリスチレンB:トーヨースチロールH485(電気化学社製)
スチレン系エラストマーA:クレイトンG1657(クレイトンポリマー社製)
スチレン系エラストマーB:クレイトンG1650(クレイトンポリマー社製)
カーボンブラック(DBP360):ケッチェンブラックEC(ケッチェンブラックインターナショナル社製、DBP360ml/100g、I比表面積800m/g)
カーボンブラック(DBP190):F−200(旭カーボン社製、DBP180ml/100g、I比表面積50m/g)
表1及び2の結果から、いずれの実施例の導電性熱可塑性樹脂組成物も、成形性、及び機械的物性を低下させない範囲でカーボンブラックを配合したものであっても、所望の導電性を得ることができ、更に、該樹脂組成物の導電性を精密に制御して、成形品ごとの表面抵抗値のバラツキが少ない成形品を得ることができた。これに対して、比較例1〜4の導電性熱可塑性樹脂組成物を用いた成形品では、成形品ごとの表面抵抗値のバラツキが大きく、電子部品包装用成型品に適用した場合、所定の性能を得られないことが判った。
本発明の導電性熱可塑性樹脂組成物及びそれを用いた成形品は、IC又はLED等の電子部品の包装としての、キャリアテープ、マガジン、トレイ、バッグ等の電子部品包装用成形品に好適に利用可能である。

Claims (3)

  1. 表面抵抗値が10Ω/□以上1010Ω/□以下である電子部品包装用成形品に用いられる電子部品包装用成形品用の導電性熱可塑性樹脂組成物であって、
    ポリフェニレンエーテル系樹脂(A)100質量部に対し、
    汎用ポリスチレン(GPPS)及び耐衝撃性ポリスチレン(HIPS)の少なくともいずれかであるポリスチレン系樹脂(B)5質量部以上40質量部以下、
    スチレン成分の多いスチレン−ブタジエン共重合体(ハイスチレンSBR)、スチレン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレン共重合体、及びスチレン−エチレン−ブタジエン共重合体からなる群から選ばれる少なくとも1種のポリスチレン系エラストマー樹脂(C)1質量部以上20質量部以下、
    DBP吸油量が300ml/100g以上600ml/100g以下であるカーボンブラック(D)1質量部以上10質量部以下、
    及びDBP吸油量が100ml/100g以上220ml/100g以下であるカーボンブラック(E)5質量部以上、を溶融混練してなる導電性熱可塑性樹脂組成物であって、前記カーボンブラック(D)と前記カーボンブラック(E)の総含有量が15質量部以上40質量部未満であることを特徴とする電子部品包装用成形品用の導電性熱可塑性樹脂組成物。
  2. 請求項1に記載の導電性熱可塑性樹脂組成物で形成され、表面抵抗値が10Ω/□以上1010Ω/□以下であることを特徴とする電子部品包装用成形品。
  3. 請求項2に記載の電子部品包装用成形品を製造する電子部品包装用成形品の製造方法であって、導電性熱可塑性樹脂組成物を射出成形する工程を含むことを特徴とする電子部品包装用成形品の製造方法。
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