JP4428838B2 - 設備機器診断システム - Google Patents

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JP4428838B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、設備機器の状態を管理、診断するシステムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、一般的な企業の工場等の設備機器の管理は、設備機器を管理する者が設備機器の運転状況を常時ウオッチングしながら、設備機器の振動、音、圧力、温度等に異常が生じれば現場において該当する設備機器の状態を更に監視し、場合によっては設備機器の運転を停止して、その原因を調査して緊急に修理するか、或いは部品を交換したり、更に深刻な事態になっていれば設備機器メーカーに照会して、その対応策を検討するのが一般である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述の従来例では、設備機器を管理する者が対応出来る範囲での個人的な知識や経験によって判断が行われるため、その判断結果は必ずしも正確であるとは言えず、場合によっては誤った判断を下す場合や、判断結果が客観性に欠ける場合があった。
【0004】
一方、近年では工場の安全操業と生産性の向上のために設備管理の精度の向上、設備管理のための専門技術者人員の効率化、更には設備機器の信頼性向上による工場のトータルコストの低減化を図る要求が高まっている。また、各設備機器、特に重要機器については、その予知診断と普段からの保全計画を徹底させていかなければならないという機運が高まりつつある。
【0005】
例えば、回転機器等が多数設置されているような工場においては、設備機器を管理する者が日常の運転作業をする傍ら定期的に保全作業を行っている。しかしながら、回転機器の設備診断と予知診断、最適運転条件或いは回転機器の余寿命の把握といった予知保全に関わる問題の解決には、それなりに専門的な知識が必要とされるので設備機器を管理する者だけでは対応に限界がある。
【0006】
従って、このような専門的知識を有する専門技術者を工場内に常駐させておくのが望ましいが人員の効率化等、工場運営のコスト面から考えると困難な場合が多い。
【0007】
本発明は前記課題を解決するものであり、その目的とするところは、最低限の設備機器の運転状況を装置による常時計測、若しくは人による計測により把握、管理して各種のデータを収集し、その収集した情報から異常のレベルに該当する情報が抽出されると、該情報を速やかに専門的な技術集団である設備診断センターに送信し、設備診断センター側では高度解析診断部において、その情報を高度解析診断処理して異常と判定された設備機器に対する最善の対応すべき情報を速やかに設備機器を管理する側に通知し、更には高度解析診断部からユーザ側の設備監視部へ設備管理データ処理用プログラムをアップロードすることで情報量の多い生情報を設備診断センター側に送信することなくユーザ側で解析が出来る設備機器診断システムを提供せんとするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するための本発明に係る設備機器診断システムの構成は、設備機器に取り付けられ、該設備機器の状態を検知する設備状態検知手段と、前記設備状態検知手段により検知された設備状態検知情報を信号処理して出力する設備管理データ処理部と、前記設備管理データ処理部から出力された情報を管理基準値に対してレベル判定して出力する設備状態判定部と、
前記設備状態判定部からレベル判定して異常と判定された場合には異常として出力された設備機器の関連情報を収集、処理して出力する設備監視部と、前記設備監視部で収集、処理して出力された処理情報を高度解析して該当する設備機器の異常の原因と、その改善対策を特定し、その特定した結果を前記設備監視部に送信する高度解析診断部とを有し、前記設備監視部と、前記高度解析診断部とが通信網を介して相互に通信可能に構成され、前記高度解析診断部は前記設備監視部で収集、処理して出力された処理情報に基づいて診断し、追加して診断する必要がある場合には該高度解析診断部に設けられた設備管理データ処理用プログラム群から所定の設備管理データ処理用プログラムを抽出して電子ファイル化し、該電子ファイルからなる設備管理データ処理用プログラムを前記通信網を介して前記高度解析診断部から前記設備監視部へアップロード可能に構成され、前記アップロードされた電子ファイルから所定の設備管理データ処理用プログラムでさらに処理して前記高度解析診断部に出力するように構成されてなることを特徴とする。
【0009】
本発明は、上述の如く構成したので、設備機器を管理するユーザ側において設備状態検知手段により検知された設備状態検知情報を設備管理データ処理部により信号処理した後、設備状態判定部において管理基準値に対してレベル判定し、設備監視部からレベル判定された設備機器の関連情報を収集、処理して通信網を介して専門的な技術集団である設備診断センター側に出力する。
【0010】
設備診断センター側において、ユーザ側の設備監視部から出力された情報を受信した高度解析診断部は、その情報を高度解析して該当する設備機器の異常の原因と、その改善対策を特定し、その特定した結果を通信網を介してユーザ側の設備監視部に送信する。これにより、設備機器を管理するユーザ側では異常と判定された設備機器に対する最善の対応すべき情報を速やかに知得して対処することが出来る。
【0011】
この際、更に別の高度解析を実施した方が診断の精度が上がると高度解析診断部により判断された場合には、2次処理として、更に、設備診断センター側の高度解析診断部からユーザ側の設備監視部へ通信網を介して設備管理データ処理用プログラムをアップロードし、ユーザ側で再度高度解析が実施される。
【0012】
設備管理データ処理用プログラムをユーザ側にアップロードし、該ユーザ側で再度高度解析を行うことで設備状態検知手段により検知された設備状態検知情報等の情報量の膨大な生データを設備診断センター側へ送る必要がなく、解析結果だけの少ない情報量だけを設備診断センター側へ送るため通信網上の情報転送の負担が軽減される。
【0013】
また、生データが通信網上を行き来しないため情報のセキュリティ性が向上する。
【0014】
【発明の実施の形態】
図により本発明に係る設備機器診断システムの一実施形態を具体的に説明する。図1は本発明に係る設備機器診断システムの構成を示すブロック図、図2は本発明に係る設備機器診断システムのユーザ側の構成を示すブロック図、図3は設備監視部と高度解析診断部との間の通信網の構成例を示す図、図4は設備状態検知手段と高度解析診断部の構成を示すブロック図、図5は高度解析診断部の構成を示すブロック図、図6は高度データ解析部の詳細な構成を示す図、図7は信号処理レシピと設備管理データ処理用プログラム群の関係を説明する図である。
【0015】
また、図8及び図9は設備監視部の表示画面の一例を示す図、図10は高度解析診断部から送られる診断結果一覧の一例を示す図、図11は高度解析診断部から送られる1次診断結果の一例を示す図、図12は高度解析診断部から送られる2次診断結果の一例を示す図、図13は高度解析診断部から送られる診断結果の他の一例を示す図、図14は高度解析診断部で診断される原因と結果の関係を示す図、図15はユーザ側にアップロードされた設備管理データ処理用プログラムを用いて2次処理された出力例を示す図、図16は転がり軸受異常振動判定基準の一例を示す図である。
【0016】
図1〜図7において、Aは、例えば回転機器等の多数の設備機器が設置されたユーザ側Bの工場等であり、Cはユーザ側Bから距離的に離れたところに位置する設備機器の診断業務に詳しい専門技術集団を有する設備診断センター側である。
【0017】
工場A内には、ファン1aやポンプ1b等の回転機器や種々の機能を発揮する多数の設備機器1が設置されており、各種の設備機器1には該設備機器1の状態を検知する設備状態検知手段となる各種センサ素子等から構成された設備状態検知器2a,2bが取り付けられている。
【0018】
設備状態検知器2a,2bからは設備機器1に関する日常の設備状態検知情報が設備管理データ処理部3に送信され、該設備管理データ処理部3で信号処理された設備状態情報は設備状態判定部4へ送信される。
【0019】
設備状態判定部4では設備管理データ処理部3から出力された情報を予め設定された管理基準値に対してレベル判定して出力する。設備管理データ処理部3及び設備状態判定部4は工場A内の設備機器1の周辺の現場に設置されている。
【0020】
例えば、設備機器1に設けられた振動センサ等の設備状態検知器2a,2bにより振動生波形データを収集し、設備管理データ処理部3で振動生波形データをフィルター処理、積分処理、平均化処理、ピーク検出処理等の信号処理して設備状態判定部4で信号処理の結果得られる設備機器1の状態を表すO/A値(平均化処理の出力)、ピーク値等の設備状態パラメータの値を予め設定しておいたしきい値と比較することで設備機器1の状態を一次判断する。
【0021】
設備状態判定部4で判定された情報は工場A全体の設備機器1を一括管理する設備監視部5へ送信され、該設備監視部5では設備状態判定部4からレベル判定して出力された設備機器1の関連情報を収集、処理して出力、保存する。即ち、設備監視部5では設備状態パラメータを傾向管理データとして保存すると共に設備機器1の仕様、履歴等の設備関連情報を収集、管理する。
【0022】
ユーザ側Bの設備監視部5と、設備診断センター側Cの高度解析診断部6とはネットワーク、インターネット、公衆回線等の通信網10を介して相互に通信可能に構成されており、設備監視部5では設備状態判定部4で異常と判定された該当する設備機器1に関する情報を収集、処理して通信網10を介して設備診断センター側Cへ送信する。
【0023】
即ち、設備状態判定部4で異常と判定された場合は、1次処理結果である設備状態パラメータの値と共に設備監視部5で収集、管理さている傾向管理データ、設備機器1の仕様、履歴等の設備関連情報を通信網10を介して設備診断センター側Cへ送信する。
【0024】
ユーザ側Bの設備監視部5から送信されて来た情報は設備診断センター側Cの高度解析診断部6で受信され、該高度解析診断部6において設備監視部5から出力された情報を自動解析して該当する設備機器1の異常の原因と、その改善対策を特定し、その特定した結果を設備監視部5に送信する。
【0025】
高度解析診断部6には、図4に示すように、ユーザ側Bから送られてくる診断情報を評価し、異常部位、異常の原因、余寿命、対策(改善方式)等を自動的に診断する自動診断部6aが設けられている。
【0026】
また、高度解析診断部6には、図5及び図6に示すように、設備状態検知器2a,2bにより検知された生波形信号を任意にウェーブレット(Wavelet;波素)に分解する時間、周波数解析技術による解析、更には、設備状態検知器2a,2bにより検知された生波形信号を対象座標にプロットする視認解析技術によるSDP(Symmetrized Dot Patterns)解析、更には、振動、音響等の有次元特徴量を無次元化することにより信号の特徴等を特徴化し、これにより異常を検出する信号処理技術である無次元兆候パラメータ、更には、相互相関のある信号を複数利用して原因追求する解析技術である多変量解析等の高度データ解析を駆使して異常の検出精度を高め、解析結果を自動診断部6aに送付する高度データ解析部6bが設けられている。
【0027】
また、高度データ解析部6bには、前述したSDPファイル11a、ウエーブレットファイル11b、FFTファイル11c、無次元兆候パラメータファイル11d、多変量解析ファイル11e、その他解析ファイル11fの各信号処理レシピが設けられており、設備監視部5から出力された情報に基づいて高度解析診断部6で診断し、追加して診断する必要がある場合には、図6及び図7に示す設備管理データ処理用プログラム群12から所定の設備管理データ処理用プログラムを抽出して各信号処理レシピのSDPファイル11a、ウエーブレットファイル11b、FFTファイル11c、無次元兆候パラメータファイル11d、多変量解析ファイル11e、その他解析ファイル11f内に電子ファイル化して設備診断センター側Cの高度解析診断部6からユーザ側Bの設備監視部5へアップロードされる。
【0028】
また、図4及び図5に示すように、高度解析診断部6では、ユーザ側Bの設備状態判定部4から送られて来る経時変化データより変化傾向を解析し、解析結果は自動診断部6aに送付される。また、高度解析診断部6には自動診断部6aに送付された出力が寿命予測部に送られ、寿命予測解析が実施される傾向管理部6cと該傾向管理部6cにて管理される経時変化データに基づき、寿命予測を実施し、寿命予測は過去の診断実績から求められた独自の計算式により算出され、解析結果を自動診断部6aに送付する寿命予測部6dが設けられている。
【0029】
また、高度解析診断部6には、代表的な周波数解析の手法である高速フーリエ変換(FFT;Fast Fourier Transfer)による精密診断情報より特徴周波数を検出し、正常時の精密診断情報との比較等を実施し、解析結果を自動診断部6aに送付する精密診断部6eが設けられている。
【0030】
また、高度解析診断部6には、過去の診断、改善実施に基づいて構築された改善方式データベースより該当する設備機器1の仕様、診断内容等により最適な改善方式を選定し、その結果を自動診断部6aの診断結果として使用する改善方式選定部6f、ユーザ側Bの設備機器1の仕様、保全計画、保全実績等を管理し、この情報に基づいて自動解析を実施し、具体的な対策、改善方法等に寄与する保全情報部6gを有している。
【0031】
ユーザ側Bの設備監視部5と、設備診断センター側Cの高度解析診断部6とは、ネットワーク、インターネット、公衆回線等の通信網10で接続されており、相互間でやりとりされる設備状態検知情報や診断報告書等の各種情報は電子ファイル化されて電子メール等により送受信される。
【0032】
図3中の9は外部ネットワークと内部ネットワークとの間に設置されるファイアーウォールであり、外部からの悪意を持った第三者の不正侵入やそれによるデータの漏洩、改ざん、破壊等を阻止するためのものである。尚、セキュリティ性が確保されている場合にはファイアーウォール9を持たない構成であっても良い。
【0033】
尚、ユーザ側Bの設備監視部5と、設備診断センター側Cの高度解析診断部6とを接続する他の通信網10として専用回線や通信衛星等を利用したものであっても良い。
【0034】
ユーザ側Bの設備監視部5から送られた情報は高度解析診断部6において高度解析され、その結果をユーザ側Bの設備監視部5へ返信し、その情報に基づいて設備監視部5では異常と判定された該当する設備機器1に対して最善の処置が通知され、即座に対処出来るものである。
【0035】
多数の設備機器1に取り付けられた設備状態検知手段としては、例えば、図4に示すように、回転機械振動診断としては、標準診断や精密診断として、オンライン装置やポータブル設備診断測定器が採用され、オイル診断としてはオイル診断器が採用されている。
【0036】
ここで、標準診断とは、設備の振動レベル、経時変化から設備の正常、異常を判断し、併せて、その原因、部位、程度、寿命予測等を簡単に実施するものであり、精密診断とは、標準診断で判断し得ない事象を周波数解析等により詳細に分析するものである。
【0037】
また、配管管理における設備状態検知手段としては、例えば、UT(Ultra Sonic;超音波)を利用した非破壊検査や赤外線カメラによる腐食診断等を実施し、タンク底板診断における設備状態検知手段としては、例えば、UTを利用したタンク底板全面非破壊検査等を実施し、一般静止機器における設備状態検知手段としては、例えば、UTを利用した非破壊検査や赤外線カメラによる腐食診断を実施する。
【0038】
また、図4上方右に示された日常点検システムは、日常、運転員が実施しているプラントの点検情報を現場点検時に携帯端末に入力することにより、実施し、パソコンにてデータ管理を実現するもので、主に、プロセス情報(運転中の温度、圧力)、設備周りの漏れ、異音などの五感情報を取り扱うものである。
【0039】
また、設備機器1に取り付けられたセンサ素子等からなる設備状態検知器2a,2bは、振動、温度、圧力、潤滑油成分、音、電流、電圧等の種々の状態条件を常時検知するものであるが、これ等の設備状態検知器2a,2bを設備機器1に直接取り付けないで運転作業員が設備機器1を巡回する際に各種情報を携帯用測定器により測定するポータブル設備診断測定器であっても良い。
【0040】
例えば、設備機器1が回転機器である場合の一例について詳細に説明すると、工場A内の多数の回転機器に取り付けられた設備状態検知器2a,2bから該回転機器の設備状態検知情報が設備管理データ処理部3へ送信される。
【0041】
設備管理データ処理部3では、1次処理として受信された信号をフィルター処理、速度変換等の信号処理を施し、更にピーク処理、周波数分析等を行って該当する回転機器の振動状況を診断するために必要な加速度オーバーオール値、加速度ピーク値、速度オーバーオール値等から構成された判定信号を出力(1次処理出力)し、設備状態判定部4へ送信する。
【0042】
設備状態判定部4には、設備診断センター側Cで予め作成された管理基準値が入力されており、設備管理データ処理部3から出力された情報である判定信号を前記管理基準値と比較して該当する回転機器のレベル判定を行う。レベル判定は、通常、「正常」と「異常」に大別されており、「異常」は更に「注意」と「危険」に区別されている。判定された判定信号は設備監視部5において記録される。
【0043】
設備監視部5では、設備状態判定部4で「異常」であることを示す「注意」、「危険」と判定された場合、該当する回転機器の測定データ、履歴データ、並びに該当する回転機器と同一の機種で異なる場所で現在稼働している回転機器の測定データ等の所定の情報、並びに設備状態判定部4から送信されて来た判定信号(1次処理出力結果)を記録すると共に、これ等の情報を電子ファイルにまとめて電子メールに添付した形でネットワーク、インターネット若しくは公衆回線等の通信網10を介して高度解析診断部6へ自動的にメール発信する。また、「正常」の場合も定期的(例えば、1日に1回等)に自動的にメール発信する。
【0044】
尚、設備診断センター側Cからホームページ形式の監視画面を用いて設備監視部5よりデータをダウンロードする方式であっても良い。
【0045】
即ち、本実施形態では、設備監視部5は異常の有無に加えて異常の場合の異常データを添付して出力し、高度解析診断部6に送られる。
【0046】
設備状態判定部4には、「異常」と判定された情報が外乱による一過性の現象であるか否かをチェックする機能を有しており、これにより、一過性の現象に起因する以外の原因により「異常」と判定された情報のみが高度解析診断部6へ送信される。
【0047】
図8及び図9はユーザ側Bの設備監視部5に表示され、高度解析診断部6に送られる画像の一例であり、図8は該当する回転機器に関する測定データ一覧を示し、図9は該当する回転機器のうち、特定の回転機器の測定ポイントの経時変化を示すグラフである。
【0048】
図8に示す判定欄7aには、正常「○」、注意「△」、危険「×」の区別が記録されている。また、図9に示す経時変化グラフは縦軸が振動値(mm/sec)、横軸が日付を示し、図8の画面上で選択欄7bの「1」〜「32」のチャンネル番号7c及び期間の種類7dを選択し、グラフ表示ボタン7eをクリックすることで図9に示す経時変化グラフが表示される。
【0049】
図8の判定欄7aにて、注意「△」、危険「×」と判定された回転機器についての情報のみが設備監視部5から高度解析診断部6へと送られ、高度解析される。図8及び図9に示す回転機器に関する種々の情報が設備監視部5から高度解析診断部6へ送られると、該高度解析診断部6では図8の判定欄7aに示された注意「△」及び危険「×」と判定された回転機器についての情報を高度解析する。
【0050】
高度解析診断部6では、送信されて来た注意「△」及び危険「×」と判定された回転機器についての情報を高度解析し、その原因、最適対応策、今後の保全計画等の必要な項目を抽出、特定し、それらをユーザ側Bの工場A内の設備監視部5へネットワーク、インターネット或いは公衆回線等の通信網10を介して電子メールにて返信する
【0051】
即ち、図8のチャンネル番号で「10」及び「13」〜「20」の9個の測定ポイントを有する回転機器に関して高度解析を行った後、高度解析診断部6から図10に示す診断結果が設備監視部5に返信される。
【0052】
図10は回転機器の一例である押出機に関する高度解析診断部6から送られる画像の一例であって1次診断結果欄8aに記載された「レ」印を選択してクリックすると、図11に例示するような「原因」と「対策」が文章によってコメントされた1次診断結果が添付されている。
【0053】
図11に示されたように、診断結果としては、ユーザ側Bで判断を迷わせるような表現を極力避けて断定的とし、且つ直ちに対応策が取れるように具体性のある表現としている。
【0054】
高度解析診断部6において、注意「△」及び危険「×」と判定された回転機器についての情報を高度解析するに当たり、更に高精度に分析、解析をする必要があると判断した場合は、更に必要とする情報の抽出を設備監視部5へ依頼し、設備監視部5から送信されて来た新たな情報を追加的に解析して、高度解析診断部6から図10に示すと同様な診断結果が設備監視部5に返信される。
【0055】
図10には図示しないが、2次診断結果欄8bに1次診断結果欄8aと同様に記載された「レ」印を選択してクリックすると、図12に例示するような「指示」と「判定」が文章によってコメントされた2次診断結果が添付されている。
【0056】
該当する回転機器が「危険」のレベル以上である場合には、高度解析診断部6で「緊急停止」と判断され、図13に示す判定欄8cに注意「△」、危険「×」の他に該当する回転機器に緊急停止「*」の判定が記録されて設備監視部5に返信され、ユーザ側Bの工場A内の該当する回転機器の運転が緊急停止される。緊急停止「*」と判定された回転機器については更に詳細な情報が設備監視部5へ送信される。
【0057】
ユーザ側Bの設備監視部5と設備診断センター側Cの高度解析診断部6とは、ネットワーク、インターネット或いは公衆電話等の通信網10により接続されており、双方向にコミュニケーションが取れるようになっているため、ユーザ側Bでは回転機器の診断結果について納得出来るまで電子メールや電話等により設備診断センター側Cに説明を求めることが出来るようになっている。
【0058】
次に高度解析診断部6の構成について詳細に説明する。高度解析診断部6には多分野の工場Aに配設されている各種の設備機器1について該設備機器1毎に、各種設備機器1を構成する各種機器や部品の規格や寸法、その製造元、製造年月日、各種の仕様項目(例えば、回転数、軸径、運転温度等)に関する設備機器仕様情報、設置年月日、運転経歴、補修経歴等の保全履歴情報と、現在までに設備機器1を検査、診断した際に得た計測値履歴情報等が記録、蓄積されている。
【0059】
更に各種の設備機器1についての該設備機器1の大きさ、負荷状態、設置環境等により分類し、該設備機器1の最適運転条件での振動状態、余寿命等が統計的、理論的に計算されたデータ並びに過去に発生した異常現象に対する異常原因、その対策等が体系的に整理され、記録、蓄積されている。
【0060】
例えば、高度解析診断部6で所定の回転機器の振動状態を診断する場合、該高度解析診断部6には、その回転機器が属する分野の回転機器の母集団の回転数、軸径、負荷状態、潤滑状態、据付状態等といった各種情報が既に入力されているので、回転機器の母集団の適正な振動状態を把握することが出来る。
【0061】
そして、これ等の適正な振動状態の数値を管理基準値として採用し、対象となる所定の回転機器の振動状態の計測値と比較することによって、所定の回転機器の振動状態をレベル判定することが出来る。
【0062】
判定基準となる管理基準値としては、例えば、図16に示す転がり軸受異常振動判定基準において、横軸がDN値(軸径×回転数)で縦軸が振動加速度値となっており、設備のDN値が分かれば、その位置を縦軸上方向に見ていくと正常、注意、危険等の各グラフが夫々の管理閾値となる。この基準は、診断実績データを整理し、構築したものから作成されている。
【0063】
更に回転機器の母集団の保全履歴情報と計測値履歴情報等を蓄積することによって所定の回転機器の異常原因(例えば、構造的異常状態、軸受の異常状態等)を把握することが出来、その場合、どのような処置を施せば良いかの最善の対策を提示することが出来る(図5の改善方式データベース6f1)。
【0064】
同様に現在の状態がどれぐらい継続すると、どのような状態に進展するか等の予測、即ち、所定の回転機器の余寿命を類推することが出来る(図5の余寿命判定データベース6d1)。
【0065】
これ等は高度解析診断部6に蓄積された回転機器の母集団の設備機器仕様情報、保全履歴情報、計測値履歴情報等に基づき、統計的且つ理論的に算出することが出来る。
【0066】
一般的に同一の材質、同一の仕様で製作された設備機器1が同一の条件下で運転されていると仮定すると、当然ながら該設備機器1は同一の履歴を有する。しかしながら、現実の設備機器1においては厳密に同一ということは殆どあり得ないため「異常」と判定された設備機器1の因果関係は非常に多岐に亘って複雑である。
【0067】
従って、現実の設備機器1から得られる多くのデータを、故障物理理論、統計理論に基づき、設備機器1の大きさ、負荷状態、設置環境等毎に分類し、これ等の情報を体系的に整理して蓄積し、対象となる設備機器1の現在の状態を示すデータと前記蓄積された母集団の情報とを比較することによって対象となる設備機器1の現在の設備状態を診断することが出来る(自動診断部6a)。
【0068】
更には、その設備機器1が現在の状態で運転を続ければ、どのような状態に進展するのか、或いは異常な状態に進展した場合に、それを阻止するためにどのような対策を予め施せば良いのかといったことが類推出来、結果的には効果的な予防保全策を構築することが出来る(寿命予測部6d、改善方式選定部6f)。
【0069】
即ち、高度解析診断部6には、数多くの工場Aに配置されている各種の設備機器1について、あらゆる情報、データが記録、蓄積されており、これ等の情報、データを基礎にして一般的な傾向を算出出来るように理論式を組立て、この理論式の結果と実際の設備機器1の状態とを比較しながら該理論式の係数を逐次補正しつつ該理論式の精度を向上させることによって各種の設備機器1の設備診断はもとより各種の設備機器1の予知保全の構築が可能となるものである。
【0070】
次に図14を用いて高度解析診断部6において、設備機器1の診断結果を導く具体例について説明する。図14は所定の送風機本体の診断結果を導くために高度解析診断部6に格納されている診断知識マトリックス表の一部を示す。当然ながら、診断知識マトリックス表の構成は各設備機器1を構成する機種(例えば、ファンやコンプレッサー)等により分類されていて夫々異なるものである。
【0071】
図14に示す診断知識マトリックス表の横軸には発生する可能性がある異常現象が多数の項目に亘って分類され、縦軸には異常が発生する時期、異常発生箇所、異常モード、異常の経時変化、設備機器1の部品構成等が多数の項目によって構成されており、該当項目に「●」のマーキングが付与されている。
【0072】
これ等のマーキングは単に統計的、経験的に付されるだけでなく、上述した理論的計算にも基づいて付されている。そして、上述したように所定の送風機本体の情報が設備監視部5から高度解析診断部6に送信されてくると、図14の診断知識マトリックス表中の縦軸の項目について自動的にマーキングが付与される。
【0073】
そして、マーキングが付された結果は、高度解析診断部6内で既に構築されている送風機本体の母集団としての診断知識マトリックス表と、前記所定の送風機本体の情報とが比較、対比、演算され、図10に示したと同様な所定の送風機本体の診断結果が導かれる。
【0074】
更に診断知識マトリックス表を構成している多数の発生する可能性がある異常現象毎に、その異常の発生原因、対策、保全計画等を文章化した文章知識が診断知識マトリックス表と連動するように構築されているため所定の送風機本体の情報と、診断知識マトリックス表とを比較、対比、演算することで、図11及び図12で示したと同様な所定の送風機本体に関するコメントとしての診断結果が文章知識によって自動的に複合、合成される。
【0075】
しかしながら、上記構成では、設備管理データ処理部3において、予め準備された信号処理しか実施出来ないため、その処理結果である設備状態パラメータしか診断に使用出来ない。また、ある現象について有効な信号処理(設備状態パラメータ)が有る場合、その都度、ユーザ側Bに設置している設備管理データ処理部3にその機能を組み込むことが必要となり、メンテナンスやアップデートが煩わしいという問題も生じる。また、想定される信号処理を全てに亘って事前に設備管理データ処理部3に組み込んでおくことも出来るが、使用頻度の少ない機能を全て組み込むことは効率的でなく不経済である。
【0076】
そこで、本実施形態では、設備状態検知器2a,2bの出力信号を設備管理データ処理部3で処理し、更に設備状態判定部4において直ちに判定せず、設備状態検知器2a,2bの出力信号の生波形を各種高度な演算処理を実施して設備状態判定部4に導く必要がある場合には、予め高度解析処理のために必要な設備管理データ処理用プログラムを高度データ解析部6bに具備しておき、設備診断センター側Cからの遠隔処理によって、該設備管理データ処理用プログラムをユーザ側Bにアップロードし、処理すべき設備状態検知器2a,2bの出力信号をネットワーク、インターネット或いは公衆回線等の通信網10を介してユーザ側Bで処理し、処理結果を設備診断センター側Cに返信することでネットワーク、インターネット或いは公衆回線等の通信網10における伝送負荷を軽減することが出来、併せて上述の課題を解決したものである。
【0077】
即ち、高度解析診断部6において、再度、別の観点から高度解析が必要と判定された場合、図6及び図7に示すように、自動診断部6aから2次処理プログラム生成の指示が高度データ解析部6bへ送られ、設備管理データ処理用プログラム群12から必要な設備管理データ処理用プログラムが適宜、選択して抽出され、2次処理のための各設備管理データ処理用プログラムが電子ファイル化して生成される。
【0078】
図6及び図7は信号処理レシピからFFTファイル11cを作成する場合の一例を示したものである。代表的な周波数解析の手法である高速フーリエ変換(FFT;Fast Fourier Transfer)による高度解析を実施する際には、先ず、平均化処理を行った後、更に窓関数による波形切り出し処理を行い、その後、解析処理を実施する。
【0079】
設備管理データ処理用プログラム群12には、時間平均処理(Average)、RMS(分散の平方根)等の各種の平均化処理プログラム12a、ハニングウインド、ハミングウインド等の各種の窓関数(Time Windows)プログラム12b、フーリエ変換、ウェーブレット(Wavelet;波素)等の各種の解析処理プログラム12c等のように各種機能別にプログラム毎に集合化され、更に各種プログラムが動作するための必要条件やプログラムの出力形式等が格納されている。
【0080】
設備管理データ処理用プログラム群12は、データそのものと、そのデータを取り扱うための処理が一体となったオブジェクト(各機能を持った小さなプログラム)が格納されており、自動診断部6aから2次処理プログラムを生成する指示を受けた高度データ解析部6bは信号処理レシピ11の内容に基づき、最適なオブジェクトを選択、結合し、2次処理プログラムを自動生成する。また、各オブジェクトは、オブジェクトが持っている処理を実行し、データの更新や参照を行い、更に他の機能を持ったオブジェクトとメッセージのやり取りを行う事により、オブジェクト間の連携を行う。
【0081】
オブジェクト間のやり取りは、互いに相手のオブジェクトがどこに存在するかオブジェクト自体は知らないで済む仕組みのために分散して処理することが出来る。これにより、信号処理をオブジェクト化し、目的に応じてオブジェクトを結合させることで必要な解析処理を適時、ユーザ側Bにアップロードする環境が実現出来る。
【0082】
平均化処理とは、周期Tの周期振動が基本波形以外に高調波を含む歪み波形や複数の周期の周波数成分で構成されているランダム波形で、これ等の波形の振幅レベルを表すために実施する処理である。そして、時間平均処理(Average)、RMS(分散の平方根)は夫々、以下の(1)式で示される。
【0083】
【数1】
Figure 0004428838
【0084】
また、デジタルフーリエ変換を実施する際に周期性は、波形のつなぎ目の部分が問題になる。例えば、ある波形のスペクトルを解析する時には周期のつなぎ目から発生する高周波成分も一緒に解析してしまうことになり、この高周波は、本来の波形の中にある成分ではないため解析対象の有限区間の波形と、両端がなだらかに減衰する関数を掛け合わせて、これをデジタルフーリエ変換すると、つなぎ目から発生する高周波を取り除いたスペクトルが観察出来る。このような目的で利用する波形切り出しのための両端がなだらかに減衰する関数を窓関数(Time Windows)と称する。
【0085】
窓関数(Time Windows)には種々のものが考案されており、解析する目的及び波形の性質の違いによって、夫々使い分ける。その窓関数の代表的なものがハミングウインド(周波数成分が接近しているものの解析に適する)、ハニングウインド(波形成分が余り接近していないものの解析に適する)である。
【0086】
フーリエ変換(Fourier Transform)は複雑な信号を多数の正弦波群の集合体に変換する代表的な周波数解析であり、ウェーブレット(Wavelet;波素)は生波形信号を任意にウェーブレット(Wavelet;波素)に分解する時間−周波数解析である。
【0087】
そして、自動診断部6aからの2次処理プログラム生成の指示を受けて高度データ解析部6bでは設備管理データ処理用プログラム群12から最適な各種プログラムの選択、組合せが行われる。
【0088】
例えば、2次処理としてFFTが選択された場合、FFTファイル11cを生成するに当たって、対象となる信号の変動形態、周波数帯域に応じて平均化処理プログラム12aの中から時間平均処理(Average)が選択され、窓関数プログラム12bの中からハミングウインドが選択され、解析処理プログラム12cの中からフーリエ変換が選択され、更には関係定義や接続、プログラムが動作するための必要条件やプログラムの出力形式等が整合されて2次処理プログラムが生成されて電子ファイル化(11c′)される。
【0089】
設備診断センター側Cの高度データ解析部6bで生成された2次処理プログラムとなる設備管理データ処理用プログラムを格納した電子ファイル11c′は、図2に示すように通信網10を介してユーザ側Bの設備監視部5へアップロードされ、更に、設備監視部5はアップロードされた電子ファイル11c′から所定の設備管理データ処理用プログラムを設備管理データ処理部3へ送る。
【0090】
設備管理データ処理部3では送られた所定の設備管理データ処理用プログラムにより設備状態検知手段となる設備状態検知器2a,2bにより検知された設備状態検知情報を信号処理して出力し、該設備管理データ処理部3から出力された情報を設備状態判定部4が管理基準値に対してレベル判定して出力し、該設備状態判定部4からレベル判定して出力された設備機器1の関連情報を設備監視部5が収集、処理して通信網10を介して設備診断センター側Cの高度解析診断部6へ出力する。
【0091】
図15は図8のチャンネル番号「13」の測定ポイントに関してユーザ側BにアップロードされたFFTの設備管理データ処理用プログラムにより設備管理データ処理部3において2次処理(高度解析)を行った場合のユーザ側Bでのプログラム処理結果の出力例を示す。尚、図15に示す解析結果は通信網10を介して設備診断センター側Cへも同様な内容が送られ、設備診断センター側Cの高度解析診断部6で更に高度解析される。
【0092】
そして、設備監視部5から出力された情報を受信した高度解析診断部6で、更に高度解析して該当する設備機器1の異常の原因と、その改善対策を特定し、その特定結果を通信網10を介して設備監視部5へ送信すると共に、必要に応じて更に設備監視部5へ再度、設備管理データ処理用プログラムをアップロードする工程を繰り返す。
【0093】
また、設備監視部5は、図2に示す設備機器1の保全情報部となる保全情報データベース13、及び運転情報部となる運転情報データベース14、更には外部情報部となる図示しない外部情報データベースの少なくとも1つから保全情報、運転情報、外部情報の少なくとも1つを収集、処理して設備診断センター側Cの高度解析診断部6へ出力するようになっている。
【0094】
即ち、2次処理の内容としては、信号処理の他にユーザ側B内にある保全計画、設備仕様、保全履歴等の情報を格納した保全情報データベース13、プロセス情報、生産計画、品質情報等の情報を格納した運転情報データベース14、メーカーの設計仕様、製品情報等の外部情報を収集して設備診断センター側Cの高度解析診断部6へ出力する処理も含むものである。
【0095】
【発明の効果】
本発明は、上述の如き構成と作用とを有するので、ユーザ側の工場内の作業担当者が日常的に設備機器の運転状況を把握、管理して各種のデータを収集し、収集した情報から異常のレベルに該当する情報が抽出されると該情報を速やかに専門的な技術集団である設備診断センター側にネットワーク、インターネット或いは公衆回線等の通信網を利用して送信し、設備診断センター側では高度解析診断部でその情報を高度解析して異常と判定された設備機器に対する最善の情報を速やかにユーザ側に返信することが出来、ユーザ側ではそれに基づいて専門的な技術集団によって指示された適切な対応を迅速に実施することが出来る。
【0096】
また、従来、作業担当者の属人的な知識、判断でなされた設備機器の管理を専門的知識を有する専門技術者から構成された設備診断センター側に委託することで専門技術者をユーザ側の個々の工場に常駐させる必要がなく、ユーザ側の設備機器の安全性と生産性の工場を図り、設備機器の管理の精度の向上、人員の効率化、更には工場のトータルコストの低減化を図ることが出来る。
【0097】
また、再度高度解析を実施した方が診断の精度が上がると高度解析診断部により判断された場合には、2次処理として、更に、設備診断センター側の高度解析診断部からユーザ側の設備監視部へ通信網を介して設備管理データ処理用プログラムをアップロードし、ユーザ側で再度高度解析が実施される。
【0098】
設備管理データ処理用プログラムをユーザ側にアップロードし、該ユーザ側で再度高度解析を行うことで設備状態検知手段により検知された設備状態検知情報等の情報量の膨大な生データを設備診断センター側へ送る必要がなく、解析結果だけの少ない情報量だけを設備診断センター側へ送るため通信網上の情報転送の負担が軽減される。
【0099】
また、生データが通信網上を行き来しないため情報のセキュリティ性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る設備機器診断システムの構成を示すブロック図である。
【図2】 本発明に係る設備機器診断システムのユーザ側の構成を示すブロック図である。
【図3】 設備監視部と高度解析診断部との間の通信網の構成例を示す図である。
【図4】 設備状態検知手段と高度解析診断部の構成を示すブロック図である。
【図5】 高度解析診断部の構成を示すブロック図である。
【図6】 高度データ解析部の詳細な構成を示す図である。
【図7】 信号処理レシピと設備管理データ処理用プログラム群の関係を説明する図である。
【図8】 設備監視部の表示画面の一例を示す図である。
【図9】 設備監視部の表示画面の一例を示す図である。
【図10】 高度解析診断部から送られる診断結果一覧の一例を示す図である。
【図11】 高度解析診断部から送られる1次診断結果の一例を示す図である。
【図12】 高度解析診断部から送られる2次診断結果の一例を示す図である。
【図13】 高度解析診断部から送られる診断結果の他の一例を示す図である。
【図14】 高度解析診断部で診断される原因と結果の関係を示す図である。
【図15】 ユーザ側にアップロードされた設備管理データ処理用プログラムを用いて2次処理された出力例を示す図である。
【図16】 転がり軸受異常振動判定基準の一例を示す図である。
【符号の説明】
A…工場、B…ユーザ側、C…設備診断センター側、1…設備機器、1a…ファン、1b…ポンプ、2a,2b…設備状態検知器、3…設備管理データ処理部、4…設備状態判定部、5…設備監視部、6…高度解析診断部、6a…自動診断部、6b…高度データ解析部、6c…傾向管理部、6d…寿命予測部、6d1…余寿命判定データベース、6e…精密診断部、6f…改善方式選定部、6f1…改善方式データベース、6g…保全情報部、7a…判定欄、7b…選択欄、7c…チャンネル番号、7d…期間の種類、7e…グラフ表示ボタン、8a…1次診断結果欄、8b…2次診断結果欄、8c…判定欄、9…ファイアーウォール、10…通信網、11…信号処理レシピ、11a…SDPファイル、11b…ウエーブレットファイル、11c,11c′…FFTファイル、11d…無次元兆候パラメータファイル、11e…多変量解析ファイル、11f…その他解析ファイル、12…設備管理データ処理用プログラム群、12a…平均化処理プログラム、12b…窓関数プログラム、12c…解析処理プログラム

Claims (1)

  1. 設備機器に取り付けられ、該設備機器の状態を検知する設備状態検知手段と、
    前記設備状態検知手段により検知された設備状態検知情報を信号処理して出力する設備管理データ処理部と、
    前記設備管理データ処理部から出力された情報を管理基準値に対してレベル判定して出力する設備状態判定部と、
    前記設備状態判定部からレベル判定して異常と判定された場合には異常として出力された設備機器の関連情報を収集、処理して出力する設備監視部と、
    前記設備監視部で収集、処理して出力された処理情報を高度解析して該当する設備機器の異常の原因と、その改善対策を特定し、その特定した結果を前記設備監視部に送信する高度解析診断部と、
    を有し、
    前記設備監視部と、前記高度解析診断部とが通信網を介して相互に通信可能に構成され、
    前記高度解析診断部は前記設備監視部で収集、処理して出力された処理情報に基づいて診断し、追加して診断する必要がある場合には該高度解析診断部に設けられた設備管理データ処理用プログラム群から所定の設備管理データ処理用プログラムを抽出して電子ファイル化し、該電子ファイルからなる設備管理データ処理用プログラムを前記通信網を介して前記高度解析診断部から前記設備監視部へアップロード可能に構成され、
    前記アップロードされた電子ファイルから所定の設備管理データ処理用プログラムでさらに処理して前記高度解析診断部に出力するように構成されてなることを特徴とする設備機器診断システム。
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