JP4428655B2 - 複層遮断スリーブ - Google Patents

Description

本発明は可撓性スリーブ製品に関し、特に自動車用排気ガス再循環装置等の管状部材を遮断するスリーブに関する。本発明のその他の例示的用途には、精密な管状機械の熱保護及び管状装置の防音が含まれる。

長手管状部品の遮断等を目的として、嵩高糸が製編、製織、又は編組されて形成される軽量スリーブは、当該技術分野において周知である。このスリーブの例示的用途としては、排気ガス再循環装置を遮断して、排気ガス再循環装置に近接する他の自動車用構成部品の損害を最小限にすることが挙げられる。この種の製品としては、特許文献１のスリーブがある。特許文献１では、螺旋形に延出する相対的に径の大きい縦糸要素を使用して、編組された遮断スリーブを遮断される部品から離間するように位置させることにより、熱点を均一にするための空隙ギャップを形成し、また製品の遮断能力を増大させている。スリーブの他の形状は特許文献２に開示されている。この特許に開示されているスリーブは櫛状ワイヤフレームと組み合わされており、櫛状ワイヤフレームは遮断される部品と遮断材料の間、また遮断材料層の間において間隔を置いて配置される。この製品は割スリーブであり、予め遮断された管状熱源を容易に装着することができる。内側ワイヤスケルトンは管状熱源及びスリーブの内側層の間の空間を維持するスペーサ層として作用する。
米国特許第５，６７１，６４９号明細書 米国特許第５，８４９，３７９号明細書

ここに記載する製品はかなりの程度まで、付近の構成要素を約５３８℃（１０００°Ｆ）から９８２℃（１８００°Ｆ）までの範囲内にある温度から保護するというスリーブに対する要求を満たすが、容易な製造、廉価、重量の軽減及び高性能遮断糸の使用というような利点が組み合わせられたスリーブ装置への要求も存在する。

本発明は長手状部品を収容するスリーブに関する。スリーブは可撓性第１管状部分と可撓性第２管状部分とを含む。第１管状部分は対向端を有するとともに、一緒に交絡される繊維状部材により構成される。第２管状部分は対向端を有するとともに、一緒に交絡される繊維状部材により構成される。第１部分の一端は第２部分の一端と接合される。第２部分が第１部分内において同心となるように引き出されることにより、中央空間を包囲する内側及び外側近接層が形成される。逆方向折り目はそれら部分間に形成されるとともに、スリーブの一端をなす。

本発明に係るスリーブにおいて、第１部分は第１繊維状部材により構成されるとともに、第２部分は第１繊維状部材と異なる第２繊維状部材により構成される。繊維状部材は多数の特性の幾つかにおいて相違しており、その特性には、デニール及び色、さらに部材の交絡方法等の物理的性質と共に、材料の種類、剛性、強度、耐摩耗率、耐熱性及び伝熱性等の材料性質が含まれる。例えば、製編により交絡される時には、使用される製編構造の密度又は種類が変化し、又編組されるならば各部分において使用される編組の種類が変化する。

好適には、第１及び第２部分は長さが実質的に等しい。第１及び第２部分の他端は相互に近接して配置されており、スリーブのもう一方の端部をなす。
スリーブはまた複数のうねを含む。うねは第１又は第２部分の一方又は両方に沿って長手方向に形成される。第２部分に形成される時にうねは好適には、中央空間から外方へ対向するとともに第１部分と係合しており、これにより層は離間させられ且つ層間に複数のエアポケットが形成される。第１部分に形成される時にうねは好適には、中央空間に向けて内方に対向するとともに第２部分と係合しており、これにより第１及び第２部分の層間にエアポケットが形成される。

スリーブはまた付加的な部分を含む。例えば、第３管状部分が第１部分の他端に接合されてもよい。第３部分は交絡される繊維状部材により構成されるとともに対向端を有する。第３部分が第１部分内において同心となるように引き出されることにより、中央空間を包囲する他の内側及び外側近接層が形成される。また、もう一方の逆方向折り目が第３及び第１部分の間に形成されて、スリーブのもう一方の端部をなす。第３部分はまた第１部分を覆って同心となるように引き出されることにより、内側及び外側近接層を包囲する別の外側層が形成される。それ故、別の逆方向折り目が第３及び第１部分間に形成されて、スリーブの別の端部をなす。

第３部分を構成する繊維状部材は、上記の特性のいずれかにおいて第１及び第２部分を構成する繊維状部材と異なっていてもよい。
別の実施形態において、スリーブは長手状可撓性連続管を含む。連続管は一緒に交絡される複数の基部繊維状部材を含む。管の第１部分は基部繊維状部材と交絡される複数の第１繊維状部材を有する。管の第２部分は基部繊維状部材と交絡される複数の第２繊維状部材を有する。管は管の第１部分が管の第２部分内に位置するように逆方向に折り曲げられる。

好適には、第１部分は連続管の基部繊維状部材の一部が実質的に露出するように、管に沿って第２部分に対して間隔をあけて位置する。逆方向折り目は第１及び第２部分の間に効果的に位置する。

スリーブはまた管の第３部分を含む。第３部分は基部繊維状部材と交絡される複数の第３繊維状部材を有する。本実施形態において、第２部分は第１部分と第３部分の間に位置する。管はまた、管の第２部分が管の第３部分内に位置するように逆方向に折り曲げられる。

好適には、第３部分は管に沿って第２部分に対して間隔をあけて位置するとともに、逆方向折り目が第２及び第３部分の間に位置する。
基部繊維状部材は可撓性弾性金属ワイヤを含む。交絡された繊維状部材は他種類の材料、例えばシリカ、ガラス及び石英等の耐熱材料を含む。好適には、繊維状部材は製編により交絡される。

多様な実施形態が例証としてのみ提示されるとともに、実際の実施形態は例証中における層の数よりも少なく又は多い層を有していてもよい。
本発明はまた、複数の層を有するスリーブの形成方法を提供する。本方法は、
（Ａ）第１繊維状部材を選択する工程と、第１繊維状部材を交絡するための第１技術を選択する工程と、
（Ｂ）第１繊維状部材を交絡するための第１技術と関連する第１パラメータを選択する工程と、
（Ｃ）選択された第１技術及び第１パラメータを使用して第１繊維状部材を交絡することにより、対向するように配置される端部を有する第１可撓性管状部分を形成する工程と、
（Ｄ）第２繊維状部材を選択する工程と、
（Ｅ）第２繊維状部材を交絡するための第２技術を選択する工程と、
（Ｆ）第１繊維状部材を交絡するための第２技術に関連する第２パラメータを選択する工程と、
（Ｇ）選択された第２技術及び第２パラメータを使用して第２繊維状部材を交絡することにより、第２可撓性管状部分を形成する工程と、第２繊維状部材が第１繊維状部材と連続的に交絡されることにより、第２可撓性管状部分は第１可撓性管状部分の一端から連続して形成され、
（Ｈ）第２管状部分を第１管状部分内において同心となるように引き出す工程と
を含む。

好適には、第１及び第２管状部分は製編により形成されるとともに、それらの部分は第１部分の繊維状部材と第２部分の繊維状部材とを管の一端において編み合わせることにより一体的に接合される。

本発明の目的は、長手状部品を収容するスリーブを提供することにある。
本発明の別の目的は、相互に近接して位置する複数層を有するスリーブを提供することにある。

本発明の更に別の目的は、異なる材料が連続工程において製編されたスリーブを提供することにある。
また、本発明の別の目的は、多様な層が相互に異なる特性を有するスリーブを提供することにある。

本発明のこれらの目的及び効果、並びにその他の目的及び効果は、好適な実施形態の図面及び詳細な説明を考慮することにより明白にされる。

図１及び図２は本発明に係るスリーブ１０を示す。スリーブ１０は第１可撓性管状部分１２を含む。第１部分１２は対向するように位置する端部１４及び１６を有する。部分１２は交絡された繊維状部材１８を含む。繊維状部材１８は好適には製編により交絡されており、これによりスリーブ１０には可撓性及び弾性が付与されて、長手状基板の形状及び軌道に厳密に従わされる。繊維状部材１８はある特性を備えており、特性には繊維状部材１８を構成する材料の種類、交絡の型、例えば製編又は製織の特定の型又は製編又は製織の特定の密度、或いは強度、耐磨耗性、耐伝熱性、可燃性又は振動減衰能力等の特定の性質が含まれる。

スリーブ１０は第２可撓性管状部分２０を含む。第２部分２０もまた対向するように位置する端部２２及び２４を有するとともに、交絡された繊維状部材２６を含む。繊維状部材２６は好適には製編されるとともに、繊維状部材１８とは異なる特性を有する。部分２０の端部２２は部分１２の端部１６に取り付けられており、部分１２及び２０は好適には繊維状部材１８及び２６を交絡することにより一体的に接合されており、以下に詳述するような実質的に連続した工程において実質的に連続したスリーブが形成される。好適には、部分１２及び２０の自由端１４及び２４はウェルト２８及び３０を伴い終端をなしており、部分の糸のほつれが阻止されるとともに、仕上がり外観が提示される。ウェルトはまた、スリーブ１０内に配置された長手状基板を固定するように作用しており、基板上におけるスリーブの位置が維持される。

図１は製編されてはいるが複層形態に形成される前のスリーブ１０を示す。スリーブ１０は図２に示すように、一方の部分、本実施例では部分２０を円周方向内方に折り曲げることにより完成しており、これにより逆方向折り目３２が形成されるとともに、部分２０
が第１部分１２により形成される中央空間３４内において同心となるように引き出される。部分２０は中央空間３６を形成し、中央空間３６は自動車用排気ガス循環（ＥＧＲ）管等の保護されるべき長手状基板を収容する。部分１２及び２０は合同で中央空間３６を包囲する外側近接層１２ａ及び内側近接層２０ａを形成する。部分２０により形成される中央空間３６内において部分１２を引き出すことも可能である。

部分１２及び２０は好適には相互に長さが実質的に等しく、また逆方向折り目３２が部分間に位置するとともに、端部２４及び１４が相互に近接するように逆方向に折り曲げられる。しかしながら、これらのパラメータは全て変更可能であり、また特定の用途に必要とされるように調節可能であるので、部分１２及び２０は長さが等しくされる必要はなく、逆方向折り目３２は部分間に位置させられる必要はなく、また端部２４及び１４は近接させられる必要はない。

上記のように、繊維状部材１８及び２６は種々の特性を有しており、特性はスリーブが置かれる目的及び／又は環境に対応してスリーブ１０に所望される特定の性質に適するように選択される。例えば、スリーブがＥＧＲ管を遮断するためのものであるならば、内側部分２０はガラス、石英又は他の鉱物繊維等の耐熱性を備えた繊維状部材から製織されると好ましい。内側部分２０は５３８℃（１０００°Ｆ）を越える温度に達するＥＧＲ管に接触するので、耐熱性は必要である。しかしながら、ガラス繊維は装着する間に手で触れられると大きな皮膚の刺激源となる。刺激を避けるために、外側部分１２はガラス繊維の芯を有するとともに、パラアラミド等の非刺激性繊維による被膜を供えたＤＲＥＦ糸から製編される。耐熱性を有するが非刺激源である酸化ポリアクリロニトリル繊維を使用して、外側部分１２を製編してもよい。スリーブ全体をＤＲＥＦ糸から製編することも可能であるが、非刺激特性が必要とされる外側部分１２のみにおいてより高価なＤＲＥＦ又は酸化ポリアクリロニトリル繊維を使用し、より安価であるが刺激性のガラス繊維を内側部分２０に制限するとより経済的である。スリーブを装着する技術者が内側部分２０を構成する刺激性繊維状部材２６と接触する機会が殆どないことを確実にするためには、内側部分２０のウェルト３０を外側１２部分に使用される材料と同じものから形成すると効果的である。

耐熱性の用途にはスリーブ１０の遮断性質の増大が要求される。これは、ごむ編みニットを使用して部分１２及び２０のいずれか一方或いは両方を構成して、スリーブに沿って長手方向に一体的にうねを形成することにより容易に達成することができる。図３の断面図に示すように、うね３５は外側部分１２から内方に延出し、及び／又は内側部分２０から外方に延出しており、管１２及び２０間にエアポケット３８を形成するためのスペーサとして作用することにより、部分間の接触面を減少させて熱伝達を低減させる。

付加的なうね３５は外側部分１２から外方へ延出し、及び／又は内側部分２０から内方に延出してもよい。このようなうねによって、内側部分２０とスリーブが包囲するＥＧＲ管等の部品との間に更なるエアポケット３８が得られ、或いは緩衝器として作用することにより外側部分１２との直接的な接触が阻止される。緩衝器は外側部分１２の磨耗を阻止するとともに衝撃を吸収することから有用である。

図４及び図５はスリーブ４０を含む本発明の別の実施形態を示す。スリーブ４０は３個の可撓性管状部分４２、４４及び４６から形成される。好適には、部分はその端部同士が一体的に接合されており、部分４２、４４及び４６は各々が繊維状部材４８、５０及び５２から形成されるとともに、好適には製編により交絡されて実質的に連続するスリーブが形成される。スリーブ４０を図５に示すような最終形状に形成するためには、端側部分４２及び４６を中間部分４４内において円周方向内方に折り曲げることにより、逆方向折り目５４及び５６が端側部分４２及び４６のいずれか一方或いは両方に形成され、或いは中
間部分４４に形成される。部分４２及び４６が部分４４内において同心となるように引き出されることにより、中央空間５５を包囲且つ形成する多層４２ａ、４４ａ及び４６ａを有するスリーブ４０が形成される。図１及び図２に示すスリーブの実施形態と同様に、内側部分４２及び４６のいずれか一方又は両方は外側部分４４の特性と異なる特性を有する。スリーブ４０は好適にはウェルトがない構成とされており、管４２及び４６の自由端は縫製工程により仕上げられることにより、糸のほつれが阻止されている。しかしながら、ウェルトを使用してもよい。部分４２及び４６は部分４４の約半分の長さとされるが、そのほかの長さの比率もまた可能である。別の実施形態において、部分４２及び４６が管４４の外側を覆って引き出されることにより、複層スリーブ４０が形成されてもよい。

図６及び図７は本発明の更に別の実施形態を示す。スリーブ５８は３個の可撓性管状部分６０、６２及び６４から形成される。それらの部分は端部同士が一体的に接合されており、部分６０及び６４の自由端は好適には以下に説明する理由によりウェルト６６及び６８を伴うように仕上げられる。図７に示すように、スリーブ５８は２個の逆方向折り目７０及び７２を形成することにより構成されており、部分は円周方向に折り曲げられることにより、部分６２は部分６０内に引き出されるとともに、部分６４は部分６２内に引き出されて、中央空間７３を包囲する３個の近接層６０ａ、６２ａ及び６４ａを備えたスリーブが形成される。

各々部分６０、６２及び６４を形成する繊維状部材７４、７６及び７８は、好適には製編により交絡される。１個以上の繊維状部材は上述したような耐熱性、耐磨耗性、減衰等の特定の性質に適するように選択された種々の特性を有する。ウェルト６６及び６８はスリーブ５８の対向端に位置しており、弾性シンチングとして作用することにより、スリーブを中央空間７３内に収容される部品に固定する。

本発明に係るスリーブは、複数の供給器を有する円形の編み機を用いて効果的に製造される。供給器は複数の種々の繊維状部材を取り扱うとともに、種々の編み目種及び種々の編密度を製編することができる。一例において、部分の材料性質は相互に異なっており、第１部分は第１材料により構成される繊維状部材を使用して製編される。第１材料は機械の第１供給器に保持される。第１部分が完成すると、第２供給器が作動させられて、異なる材料の第２繊維状部材を針へ前進させる。第１供給器は針との協働作業から離脱させられるとともに、第１繊維状部材が切断されて、製編は第２供給器に保持された第２繊維状部材において進行する。この工程は（スリーブにおける層の数に対応して）必要とされる部分の数に応じて、要求される回数だけ繰り返される。繊維状部材は一旦作動が中止させられると、例えば図１及び図２を参照して上述したように、第２材料により構成される部分の端部においてウェルトが第１材料により製編される時と同様に、製編工程に再導入させられる。編密度又は編み目種等のパラメータを含む他の特性は、製編工程の間に針及び鉤の作動を制御することにより、材料種に加えて或いは代えて変更させられる。これは、特定の編み目種又は編密度の工程を所定回数だけ製編する機械をプラグラムによって制御することにより、通常は達成される。この工程は異なる編み目種及び／又は密度を有する工程を別の数だけ実行した後に行われる。

図８乃至図１１は本発明に係る別のスリーブ８０の実施形態を示す。図１１に最良に示すように、スリーブは長手状可撓性連続管８２を含む。管８２は好適には製編により交絡された交絡繊維状部材８４により形成される。管８２の第１部分８６の繊維状部材８４は第１繊維状部材８８と交絡されており、繊維状部材８８は基部繊維状部材８４と異なる特性を有する。管８２の第２部分９０の繊維状部材８４は第２繊維状部材９２と交絡されており、第２繊維状部材９２は第１繊維状部材８８と同じ又は異なる。管８２の第３部分９４の繊維状部材８４は第３繊維状部材９６と交絡されており、第３繊維状部材９６は第１及び第２繊維状部材８８及び９２と同じ又は異なる。好適には、交絡繊維状部材８８、９
２及び９６により形成される多様な部分８６、９０及び９４の各々は、管８２に沿って間隔を置いて位置するとともに、領域９８により相互に離間させられており、管８２を構成する基部繊維状部材８４は実質的に露出させられる。部分８６、９０及び９４は好適には、相互に長さが実質的に等しくされているが、長さが異なっていてもよい。３個の部分は例証を目的として選択されているが、構成を決定するための要件に応じて部分がより多く又は少なくされてもよい。

図１０に示すように、本発明に係るスリーブ８０は図１１に示す部分を逆方向に折り曲げることにより形成されており、第３部分９４は第２部分９０内において同心となるように引き出されるとともに、第２部分９０は第１部分８６内において同心となるように引き出されている。これにより、図９に最良に図示するように、中央空間１００を包囲及び形成する多数の近接層９４ａ、９０ａ及び８６ａが形成される。好適には、図１０に示すように、スリーブ８０が完成した時には、逆方向折り目１０２及び１０４は離間領域９８と一致する。逆方向折り目を離間領域に位置させることにより、繊維状部材を構成する脆い繊維に歪みが生じることが避けられる。繊維状部材は管８２と交絡して近接層の形成部分を構成する。離間領域はまた部分８６、９０及び９４よりも繊維が細く且つ可撓性が大きくされており、逆方向折り目が容易に形成されるとともに、スリーブ８０の径が実質的に増大させられることがない。管８２の自由端に形成される離間領域９８は巻き返されることにより、スリーブ８０の仕上げ端１０６が形成される。

自動車のＥＧＲ管等の管状熱源１０８を遮断することを目的としたスリーブ８０の一例において、管８２は約１．０２ミリメートル（０．０４インチ）の直径を有するステンレス鋼全硬ワイヤにより構成された基部繊維状部材により製編されている。スリーブ８０の最内部分９４は弾性基部ワイヤ８４と編み合わせられる１６００デニールのシリカ糸等の耐熱セラミック糸により構成される。中間部分９０は基部ワイヤ８４と２００〜６０００デニールのＥガラス糸等のマルチフィラメントガラス繊維糸とを編み合わせることにより形成される。しかしながら、過度の高温状態に遭遇する幾つかの用途においては、シリカ糸又は他のセラミック糸が単独で、或いはガラス繊維と混合して採用されてもよい。３層を有する例証のスリーブ８０において、最外部分８６は２００〜６０００デニールのＥガラスから構成されており、Ｅガラスは管８２を構成するワイヤ８４と編み合わされる。

シリカ糸の一例には、ドイツ国アイビスドロフ（Ｅｂｉｓｄｏｒｆ）のベルヘム（ＢｅｌＣｈｅｍ）により製造された商標名ベルコテックス（ｂｅｌＣｏＴｅｘ）のような１６００デニールのマルチフィラメント嵩高糸がある。その他の採用可能なセラミック糸としては、商標名シルテックス（Ｓｉｌｔｅｘ）として米国内において流通するもの等のＫ型シリカ糸がある。中間層９０ａを形成する部分９０の糸はセラミック及びガラス繊維の混合糸であってもよく、また好適には、高くあるいは太くなるように嵩高加工が施されており、これにより遮断性能が改善される。

図１１を参照すると、スリーブは好適には単一の長手状可撓性管８２と同様に連続工程において作成される。交絡された部分８６、９０及び９４を備えた管８２は編組又は製織により形成されてもよいが、好適な製造方法は縞編み機を使用して実施される。本目的に適した縞編み機は英国レイチェスター（Ｌｅｉｃｅｓｔｅｒ）のトリテックス・インターナショナル・リミテド（Ｔｒｉｔｅｘ Ｉｎｔｅｒｎａｔｉｏｎａｌ Ｌｉｍｉｔｅｄ）により製造される。この機械は型番ＴＸ９００の円形横編み機であり、種々の管状部分に種々の糸を使用して、約２２．２２５ミリメートル（０．８７５インチ）から４４．４５ミリメートル（１．７５インチ）の直径を有する管状布を製編することができる。縞編み機は個別の針群を備えており、針群は選択的に種々の糸群を取りあげて糸により管状品を製編する。糸は管状品に沿って長手方向に間隔をあけた位置において種々の特性を有する。

部分８６、９０及び９４を伴い管８２が製編されると、管８２は心棒に配置されて、多層スリーブ８０に形成される。これは、第２部分９０が第３部分を完全に被覆するまで、第１及び第２部分８６及び９０を第３部分９４を覆うように逆方向に折り曲げることにより達成される。次に第１部分８６は第２及び第３部分９０及び９４を覆うように引き返される。第１及び第３部分８６及び９４の自由端における端領域９８は次に図１及び図１０に示すように巻き返されるとともに、圧着又は融着させられることによりスリーブの仕上げ端１０６が得られる。詳述するようにスリーブ８０は製造が簡易であり、且つ約９８２℃（１８００°Ｆ）の表面温度を備えたＥＧＲ管を効果的に遮断することが判明した。本構成は相対的に軽量であり、また極めて耐久性が高い。管８２を形成するステンレス鋼ワイヤは、スリーブ８０の長さ方向に沿って効果的に放熱する。それ故、ホットスポットを除去することにより断熱糸の劣化が回避される。スリーブはそれ自体の上に複数回折り返されることにより多層が形成される連続管状部材であることから、端部のほつれ及び層剥離が回避される。また、製編されたワイヤのみによって形成される離間領域９８は、スリーブの端部を装着される部品の端部に取り付けるための取り付けカラー又はグロメットとして作用する。

本発明に係る可撓性多層スリーブは、長手状部品を収容するスリーブであって、軽量で、極めて耐久性が高く、また相対的に安価である。スリーブは、長手状部品を保護及び／又は隔離するために、熱、冷気、振動及び衝撃の激しい環境に適するように、形状寸法が調整可能であるとともに、殆どあらゆる種類の繊維状部材を使用することができる点において融通がきく。

本発明に係るスリーブの複層形状への形成前の状態を示す側面図。 図１のスリーブの複層形状への形成後の状態を示す縦断面図。 図２の３−３線断面図。 本発明に係るスリーブの複層形状への形成前の状態を示す側面図。 図４のスリーブの複層形状への形成後の状態を示す縦断面図。 本発明に係るスリーブの複層形状への形成前の状態を示す側面図。 図６のスリーブの複層形状への形成後の状態を示す縦断面図。 本発明に係り形成された複層スリーブを示す斜視図。 図８の９−９線断面図。 図８のスリーブの９−９線縦断面図。

Claims (40)

1. 長手状部品を収容するスリーブであって、
   可撓性第１管状部分と、第１管状部分は対向端を有するとともに、一緒に交絡される第１繊維状部材を含んでおり、
   可撓性第２管状部分と、第２管状部分は対向端を有するとともに、一緒に交絡される第２繊維状部材を含んでおり、第２繊維状部材は第１繊維状部材と異なっており、第１管状部分の一端は第２管状部分の一端と接合されており、第２管状部分が逆方向に折り曲げられるとともに、第１管状部分内において同心となるように引き出されることにより、中央空間を包囲する内側及び外側近接層が形成され、逆方向折り目はスリーブの一端をなし、
   第２管状部分に沿って長手方向に形成される複数のうねとを含み、うねは中央空間から外方に対向するとともに、第１管状部分と係合しており、うねは層を離間させるとともに層間に複数のエアポケットを形成し、
   繊維状部材は製編により交絡されており、第２管状部分はゴム編みにより形成されており、うねは第２管状部分に一体的に形成される
   ことを特徴とするスリーブ。
2. 前記部分は相互に一体的に接合されることを特徴とする請求項１に記載のスリーブ。
3. 逆方向折り目は前記部分間に位置することを特徴とする請求項１に記載のスリーブ。
4. 第１及び第２管状部分は長さが実質的に等しく、第１及び第２管状部分の他端は相互に近接して位置するとともに、スリーブの別の端部をなすことを特徴とする請求項３に記載のスリーブ。
5. 第１及び第２管状部分の他端にはウェルトが形成されることを特徴とする請求項１に記載のスリーブ。
6. 長手状部品を収容するスリーブであって、
   可撓性第１管状部分と、第１管状部分は対向端を有するとともに、一緒に交絡される第１繊維状部材を含んでおり、
   可撓性第２管状部分と、第２管状部分は対向端を有するとともに、一緒に交絡される第２繊維状部材を含んでおり、第２繊維状部材は第１繊維状部材と異なっており、第１管状部分の一端は第２管状部分の一端と接合されており、第２管状部分が逆方向に折り曲げられるとともに、第１管状部分内において同心となるように引き出されることにより、中央空間を包囲する内側及び外側近接層が形成され、逆方向折り目はスリーブの一端をなし、
   第１管状部分に沿って長手方向に形成される複数のうねとを含み、うねは中央空間に向けて内方に対向するとともに、第２管状部分と係合しており、うねは層を離間させるとともに、層間に複数のエアポケットを形成し、
   繊維状部材は製編により交絡されており、第２管状部分はゴム編みにより形成され、うねは第２管状部分に一体的に形成される
   ことを特徴とするスリーブ。
7. 第３管状部分を更に含み、第３管状部分は交絡された繊維状部材により構成されるとともに、対向端を有しており、第３管状部分の一端は第１管状部分の別の端部と接合されており、第３管状部分は第１管状部分内において同心となるように引き出されることにより、中央空間を包囲する別の内側及び外側近接層が形成され、別の逆方向折り目はスリーブの別の端部をなすことを特徴とする請求項１に記載のスリーブ。
8. 第３管状部分の別の端部は第２管状部分の別の端部に近接して位置することを特徴とする請求項７に記載のスリーブ。
9. 第２及び第３管状部分は第１管状部分の約１／２の長さであることを特徴とする請求項８に記載のスリーブ。
10. 逆方向折り目は前記部分間に位置することを特徴とする請求項９に記載のスリーブ。
11. 第３管状部分を更に含み、第３管状部分は交絡された繊維状部材により構成されるとともに、対向端を有しており、第３管状部分の一端は第１管状部分の別の端部に接合されており、第３管状部分は第１管状部分を覆って同心となるように引き出されることにより、内側及び外側近接層を包囲する別の外側層が形成され、別の逆方向折り目はスリーブの別の端部をなすことを特徴とする請求項１に記載のスリーブ。
12. 逆方向折り目は前記部分間に位置することを特徴とする請求項１１に記載のスリーブ。
13. 第１、第２及び第３管状部分は長さが略等しいことを特徴とする請求項１２に記載のスリーブ。
14. 第２繊維状部材は耐熱性鉱物繊維であることを特徴とする請求項１に記載のスリーブ。
15. 鉱物繊維はガラス、石英、シリカ及びセラミック繊維を含むグループから選択されることを特徴とする請求項１４に記載のスリーブ。
16. 第１繊維状部材はＤＲＥＦ糸及び酸化ポリアクリロニトリル繊維を含むグループから選択されることを特徴とする請求項１４に記載のスリーブ。
17. ＤＲＥＦ糸はパラアラミド繊維により包囲されるガラス芯を含むことを特徴とする請求項１６に記載のスリーブ。
18. 第１及び第２管状部分は製編されており、第１管状部分は第２管状部分と異なる編密度を有することを特徴とする請求項１に記載のスリーブ。
19. 第１管状部分が第２管状部分よりも編密度が高くなるように製編されることにより、外側層に耐磨耗性が付与されることを特徴とする請求項１８に記載のスリーブ。
20. 長手状部品を収容するスリーブであって、
    可撓性第１管状部分と、第１管状部分は対向端を有するとともに、一緒に交絡される繊維状部材により構成されており、
    可撓性第２管状部分と、第２管状部分は対向端を有するとともに、一緒に交絡される繊維状部材により構成されており、第１管状部分の一端は第２管状部分の一端と接合されており、第２管状部分は第１管状部分内において同心となるように引き出されることにより、中央空間を包囲する内側及び外側近接層が形成され、逆方向折り目は形成されてスリーブの一端をなし、
    第２管状部分に沿って長手方向に形成される複数のうねとを含み、うねは中央空間から外方に対向するとともに、第１管状部分と係合しており、うねは層を離間させるとともに、層間に複数のエアポケットを形成し、
    繊維状部材は製編により交絡されており、第２管状部分はゴム編みにより形成され、うねは第２管状部分に一体的に形成される
    ことを特徴とするスリーブ。
21. 第１管状部分は第１繊維状部材により構成されるとともに、第２管状部分は第１繊維状部材と異なる第２繊維状部材により構成されることを特徴とする請求項２０に記載のスリーブ。
22. 第１及び第２管状部分は長さが実質的に等しくされており、第１及び第２管状部分の他端は相互に近接して位置するとともに、スリーブの別の端部をなすことを特徴とする請求項２０に記載のスリーブ。
23. 長手状部品を収容するスリーブであって、
    可撓性第１管状部分と、第１管状部分は対向端を有するとともに、一緒に交絡される繊維状部材により構成されており、
    可撓性第２管状部分と、第２管状部分は対向端を有するとともに、一緒に交絡される繊維状部材により構成されており、第１管状部分の一端は第２管状部分の一端と接合されており、第２管状部分は第１管状部分内において同心となるように引き出されることにより、中央空間を包囲する内側及び外側近接層が形成され、逆方向折り目は形成されてスリーブの一端をなし、
    第１管状部分に沿って長手方向に一体的に形成される複数のうねとを含み、うねは中央空間に向けて内方に対向するとともに、第２管状部分と係合しており、うねは層を離間させるとともに、層間に複数のエアポケットを形成し、
    繊維状部材は製編により交絡されており、第１管状部分はゴム編みにより形成されており、うねは第１管状部分に一体的に形成されることを特徴とするスリーブ。
24. 繊維状部材は製編により交絡されており、第２管状部分はゴム編み目を含み、うねは第２管状部分に一体的に形成されることを特徴とする請求項２３に記載のスリーブ。
25. 第３管状部分を更に含み、第３管状部分は交絡された繊維状部材を含むとともに、対向端を有しており、第３管状部分の一端は第１管状部分の別の端部と接合されており、第３管状部分は第１管状部分内において同心となるように引き出されることにより、中央空間を包囲する他の内側及び外側近接層が形成され、別の逆方向折り目が形成されてスリーブの別の端部をなすことを特徴とする請求項２０に記載のスリーブ。
26. 第２及び第３管状部分を構成する繊維状部材は、第１管状部分を構成する繊維状部材とは異なる材料により構成されることを特徴とする請求項２０に記載のスリーブ。
27. 第２及び第３管状部分は同じ材料により構成されることを特徴とする請求項２６に記載のスリーブ。
28. 第３管状部分を更に含み、第３管状部分は交絡された繊維状部材を含むとともに、対向端を有しており、第３管状部分の一端は第１管状部分の他端と接合されており、第３管状部分は第１管状部分を覆って同心となるように引き出されることにより、内側及び外側近接層を包囲する別の外側層が形成され、別の逆方向折り目が形成されてスリーブの別の端部をなすことを特徴とする請求項２０に記載のスリーブ。
29. 長手状の部品を収容するスリーブであって、
    長手状可撓性連続管と、管は一緒に交絡される複数の基部繊維状部材を含み、
    管の第１管状部分と、第１管状部分は基部繊維状部材と交絡される複数の第１繊維状部材を有しており、
    管の第２管状部分と、第２管状部分は基部繊維状部材と交絡される複数の第２繊維状部材を有しており、
    管の第３管状部分とを含み、第３管状部分は基部繊維状部材と交絡される複数の第３繊維状部材を有しており、
    管は管の第１管状部分が管の第２管状部分内に位置するように逆方向に折り曲げられ、
    第２管状部分は第１管状部分と第３管状部分の間に位置しており、管は管の第２管状部分が管の第３管状部分内に位置するように逆方向に折り曲げられ、
    該第１管状部分、第２管状部分、及び第３管状部分は略同じ長さを有し、
    第１管状部分、第２管状部分、及び第３管状部分に沿って長手方向に一体的にそれぞれ形成される複数のうねとを含み、第１管状部分のうねは中央空間に向けて内方に対向するとともに、第２管状部分と係合しており、第２管状部分のうねは一方の面が第１管状部分と係合するとともに、他方の面が第３管状部分と係合しており、第３管状部分のうねは中央空間から外方に対向するとともに、第２管状部分と係合しており、うねは層を離間させるとともに、層間に複数のエアポケットを形成し、
    繊維状部材は製編により交絡されており、第１管状部分、第２管状部分、及び第３管状部分は隣接する部分の少なくとも１つがゴム編みにより形成されることとを特徴とするスリーブ。
30. 第１管状部分は管に沿って第２管状部分に対して間隔をあけて位置することを特徴とする請求項２９に記載のスリーブ。
31. 逆方向折り目は第１及び第２管状部分の間に位置することを特徴とする請求項３０に記載のスリーブ。
32. 第３管状部分は管に沿って第２管状部分に対して間隔をあけて位置することを特徴とする請求項２９に記載のスリーブ。
33. 逆方向折り目は第２及び第３管状部分の間に位置することを特徴とする請求項３２に記載のスリーブ。
34. 基部繊維状部材は可撓性弾性金属ワイヤを含むことを特徴とする請求項２９に記載のスリーブ。
35. 第１繊維状部材はシリカ、ガラス及び石英からなるグループから選択される耐熱性材料を含むことを特徴とする請求項２９に記載のスリーブ。
36. 繊維状部材は製編により交絡されることを特徴とする請求項２９に記載のスリーブ。
37. 長手状部品を収容するスリーブであって、スリーブは長手状連続管を含み、管は複数の管状部分に細分されており、管状部分は相互に端部同士が一体的に接合されており、管状部分の一個は交絡された第１繊維状部材により構成され複数のうねと一体的に形成されており、管状部分の他方は交絡された第２繊維状部材により構成され複数のうねと一体的に形成されており、管状部分の一方が他方の管状部分内において同心となるように引き出されることにより、相互に近接する多数の層が形成され、層は部品を収容する中央空間を包囲し、管状部分のうち少なくともいずれか一方はゴム編みにより形成されており、うねは層を離間させるとともに層間に複数のエアポケットを形成することと、
    第１及び第２繊維状部材は製編により交絡され、
    第１繊維状部材は第１製編パラメータを使用して製編されるとともに、第２繊維状部材は第１製編パラメータと異なる第２製編パラメータを使用して、製編され、
    第１及び第２製編パラメータは編密度である
    ことを特徴とするスリーブ。
38. 第１繊維状部材は第１材料により構成されるとともに、第２繊維状部材は第１材料と異なる第２材料により構成されることを特徴とする請求項３７に記載のスリーブ。
39. 第１繊維状部材は第１組の性質を備えた第１材料により構成されるとともに、第２繊維状部材は第１材料の性質と異なる性質を備えた第２材料により構成されることを特徴とする請求項３７に記載のスリーブ。
40. 長手状部品を収容するスリーブの形成方法であって、
    第１繊維状部材を選択する工程と、
    第１の所定の編密度を有する編み目を使用して第１繊維状部材を製編することにより、対向するように配置される端部を有する第１可撓性管状部分を複数のうねと一体的に形成する工程と、
    第２繊維状部材を選択する工程と、
    第２の編密度を有する編み目を使用して第２繊維状部材を製編することにより、第２可撓性管状部分を複数のうねと一体的に形成する工程と、第２繊維状部材が第１繊維状部材と連続的に交絡されることにより、第２可撓性管状部分は第１可撓性管状部分の一端から連続的に形成され、第１可撓性管状部分及び第２可撓性管状部分のうち少なくともいずれか一方はゴム編みにより形成されており、
    第２管状部分を第１管状部分内において同心となるように引き出す工程とを含み、うねは層を離間させるとともに層間に複数のエアポケットを形成することと、
    を特徴とする方法。

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