以下、本発明の好ましい実施例について、添付図面を参照して説明する。本実施例では、遊技機の一例としてパチンコ遊技機、特に、第1種パチンコ遊技機を用いて説明する。なお、本発明を第3種パチンコ遊技機や他の遊技機に用いることは、当然に可能である。
図1は、第1実施例におけるパチンコ遊技機Pの遊技盤の正面図である。遊技盤1の周囲には、打球が入賞することにより5個から15個の遊技球が払い出される複数の入賞口2が設けられている。また、遊技盤1の中央には、複数種類の識別情報としての図柄などを表示する液晶(LCD)ディスプレイ3が設けられている。このLCDディスプレイ3の表示画面は横方向に3分割されており、3分割された各表示領域において、それぞれ図柄の変動表示が行われる。
LCDディスプレイ3の下方には、図柄作動ゲート(第1種始動口)4が設けられ、この図柄作動ゲート4を打球が通過することにより、前記したLCDディスプレイ3の変動表示が開始される。図柄作動ゲート4の下方には、特定入賞口(大入賞口)5が設けられている。この特定入賞口5は、LCDディスプレイ3の変動後の表示結果が予め定められた図柄の組み合わせの1つと一致する場合に、大当たりとなって、打球が入賞しやすいように所定時間(例えば、30秒経過するまで、あるいは、打球が10個入賞するまで)開放される入賞口である。この特定入賞口5内には、Vゾーン5aが設けられており、特定入賞口5の開放中に、打球がVゾーン5a内を通過すると、継続権が成立して、特定入賞口5の閉鎖後、再度、その特定入賞口5が所定時間(又は、特定入賞口5に打球が所定個数入賞するまで)開放される。この特定入賞口5の開閉動作は、最高で16回(16ラウンド)繰り返し可能にされており、開閉動作の行われ得る状態が、いわゆる所定の遊技価値の付与された状態(特別遊技状態)である。
図2は、かかるパチンコ遊技機Pの電気的構成を示したブロック図である。パチンコ遊技機Pの制御部Cは、演算装置であるCPU11と、そのCPU11により実行される各種の制御プログラム12aや加算値テーブル12bを記憶したROM12と、各種のデータ等を記憶するためのメモリであるRAM13と、CPU11の動作クロックを4分周したEクロックを入力して、その立ち上がり毎にカウント値の更新を行うカウンタIC14とを備えている。図4及び図5に示すフローチャートのプログラムは、制御プログラム12aの一部としてROM12内に記憶されている。
図3は、ROM12に記憶される加算値テーブル12bの模式図である。加算値テーブル12bは、乱数カウンタ13aの更新量(加算値)を記憶するテーブルであり、32種類の加算値がそれぞれ1バイトずつ計32バイトのデータとして記憶されている。加算値としては、「1」と、「乱数カウンタ13aの更新範囲の上限値+1」の約数以外の素数が採用される(なお、約数以外の数であれば必ずしも素数でなくても良い)。本実施例における乱数カウンタ13aの更新範囲は「0〜200」であるので、その上限値+1は「201」である。「201」の約数以外の素数は、2,5,7,11,13,17,19,23,・・・であるので、「1」と、これら約数以外の素数の小さい方から「2」を除いた32個の値が、加算値として加算値テーブル12bに記憶されている。
図2に示すように、RAM13は、乱数カウンタ13aと、加算値メモリ13bとを備えている。乱数カウンタ13aは、大当たりの発生を決定するためのカウンタである。具体的には、打球が図柄作動ゲート4を通過するタイミングで乱数カウンタ13aの値を読み出し、その値が例えば「7」等の当たり値と一致する場合に、大当たりを発生させている。大当たりが発生すると、大当たりコマンドが制御部Cから後述する表示装置Dへ送られる。表示装置Dは、この大当たりコマンドに基づいて、LCDディスプレイ3の変動表示を大当たりの状態に制御するのである。なお、乱数カウンタ13aの値は、図4のリセット割込処理で実行される乱数カウンタ更新処理(S3)によって、2ms毎に1回ずつ更新される。また、その更新範囲は「0〜200」の範囲である。
加算値メモリ13bは、乱数カウンタ13aの更新量(加算値)を記憶するメモリである。この加算値メモリ13bの値は、乱数カウンタ更新処理(S3)によって乱数カウンタ13aの値が「0」である場合に更新される。加算値メモリ13bに記憶される加算値は、カウンタIC14のカウント値と、加算値テーブル12bのデータとにより決定される。即ち、カウンタIC14のカウント値のうち下位5ビットで示される「0〜31」の値番目の加算値テーブル12bのデータが、乱数カウンタ13aの加算値(更新量)として、加算値メモリ13bに記憶されるのである。
カウンタIC14は、CPU11の動作クロックを4分周したEクロックを入力して、その立ち上がり毎に1カウントずつアップする8ビットのカウンタであり、カウント値は「0〜255」の範囲で更新される。このカウンタIC14は、主に、カウンタ回路14aと、ラッチ回路14bと、3ステートバッファ14cとにより構成されている。カウンタ回路14aは、Eクロックを入力して、その立ち上がり毎に1カウントずつアップする8ビットのカウンタであり、このカウンタ回路14aのカウント値は、Eクロックの立ち下がり毎にラッチ回路14bにラッチされる。ラッチ回路14bにラッチされたカウント値は、3ステートバッファ14cへ入力され、CPU11からのリード信号(アウトプットイネーブル信号)を入力すると、その3ステートバッファ14cからバスライン15の信号線DB0〜DB7上へ出力されて、CPU11によって読み込まれる。
このようにカウンタIC14のカウント値は、CPU11の動作クロックを4分周したEクロックにより非常に高速に更新されるので、「ぶら下げ基板」のソフト制御では更新速度に追従することができない。加えて、このカウンタIC14のカウント値(カウンタ回路14aの値)は、パチンコ遊技機Pの電源の投入時において初期化されないようにされており、その電源投入時における不定値からカウントアップを開始する。また、カウンタIC14のカウント値は、2ms毎のリセット割込の発生時にもクリアされることなく、カウントを継続する。よって、「ぶら下げ基板」では、このカウンタIC14のカウント値を把握することはできないのである。
かかるカウンタIC14のカウント値は、1Fhとの論理積によって上位3ビットがマスクされ、下位5ビットのみが取り出される。取り出された下位5ビットの値は、前記した通り、加算値メモリ13bに記憶される加算値を決定するために用いられる。即ち、下位5ビットで示される「0〜31」の値番目の加算値テーブル12bのデータが、乱数カウンタ13aの加算値(更新量)として、加算値メモリ13bに記憶されるのである。
これらのCPU11、ROM12、RAM13、カウンタIC14は、バスライン15を介して互いに接続されている。バスライン15は、また、入出力ポート16にも接続されており、この入出力ポート16は表示装置Dや他の入出力装置17と接続されている。制御部Cは、入出力ポート16を介して、表示装置Dや他の入出力装置17へ動作コマンドを送り、それら各装置を制御するのである。LCDディスプレイ3の変動表示や特定入賞口5の開閉動作も、この動作コマンドに基づいて制御される。なお、バスライン15には、後述する信号線DB0〜DB7が含まれている。
表示装置Dは、CPU21と、プログラムROM22と、ワークRAM23と、ビデオRAM24と、キャラクタROM25と、画像コントローラ26と、入出力ポート27と、LCDディスプレイ3とを備えている。表示装置DのCPU21は、制御部Cから出力される動作コマンドに応じて、LCDディスプレイ3の表示制御(変動表示)を行うものであり、プログラムROM22には、このCPU21により実行されるプログラムが記憶されている。ワークRAM23は、CPU21によるプログラムの実行時に使用されるワークデータが記憶されるメモリである。
ビデオRAM24は、LCDディスプレイ3に表示されるデータが記憶されるメモリであり、このビデオRAM24の内容を書き換えることにより、LCDディスプレイ3の表示内容が変更される。即ち、各表示領域における図柄の変動表示は、ビデオRAM24の内容が書き換えられることにより行われる。キャラクタROM25は、LCDディスプレイ3に表示される図柄などのキャラクタデータを記憶するメモリである。画像コントローラ26は、CPU21、ビデオRAM24、入出力ポート27のそれぞれのタイミングを調整して、データの読み書きを介在するとともに、ビデオRAM24に記憶される表示データをキャラクタROM25を参照して所定のタイミングでLCDディスプレイ3に表示させるものである。
次に、上記のように構成されたパチンコ遊技機Pで実行される各処理を、図4及び図5のフローチャートを参照して説明する。図4は、パチンコ遊技機Pの制御部Cにおいて、2ms毎に実行されるリセット割込処理のフローチャートである。リセット割込処理では、まず、その処理が電源投入後、最初に実行された処理であるか否かを調べ(S1)、最初に実行された処理であれば(S1:Yes)、RAM13の初期化を行い(S2)、その後は、次のリセット割込処理の発生まで待機する。一方、電源投入後、2回目以降に実行されたリセット割込処理であれば(S1:No)、乱数カウンタ更新処理(S3)、各処理(S4)の順に実行し、その後は、次のリセット割込処理発生まで待機する。
なお、各処理(S4)の中には、大当たりの発生を判定するための大当たり判定処理(図示せず)も含まれている。この大当たり判定処理では、打球が図柄作動ゲート4を通過するタイミングで乱数カウンタ13aの値を読み出し、その値が例えば「7」等の当たり値と一致する場合に、大当たりを発生させている。大当たりが発生すると、制御部Cから表示装置Dへ大当たりコマンドが送信される。本実施例では、乱数カウンタ13aは「0〜200」の範囲で更新されるので、大当たりの発生確率は1/201となる。
図5は、乱数カウンタ更新処理のフローチャートである。乱数カウンタ更新処理は、リセット割込処理が1回実行される度に1回実行される。この処理では、まず乱数カウンタ13aの値が「0」であるか否かを調べる(S31)。乱数カウンタ13aの値が「0」であれば(S31:Yes)、S32〜S34の各処理によって、カウンタIC14のカウント値に基づいて、乱数カウンタ13aの更新量を記憶する加算値メモリ13bの値を変更(更新)する。まず、カウンタIC14のカウント値を読み出し(S32)、読み出したカウント値の上位3ビットをマスクして下位5ビットのみの「0〜31」の値とする(S33)。そして、加算値テーブル12bから、その下位5ビットで示される値番目のデータを読み出して、これを加算値メモリ13bへ書き込み(S34)、加算値メモリ13bの値を変更するのである。
例えば、カウンタIC14のカウント値が「255(11111111b)」であれば、1Fhとの論理積によって上位3ビットをマスクすると「31(00011111b)」となる。よって、この場合には、加算値テーブル12bの31番目のデータである「139」の値を加算値メモリ13bへ書き込むのである。また、カウンタIC14のカウント値が「32(00100000b)」であれば、上位3ビットをマスクすると「0(00000000b)」となる。よって、この場合には、加算値テーブル12bの0番目のデータである「1」の値を加算値メモリ13bへ書き込むのである。
乱数カウンタ13aの値が「0」でない場合(S31:No)、及び、加算値メモリ13bの値の変更後(S34)は、乱数カウンタ13aの値に加算値メモリ13bの値を加算して、乱数カウンタ13aの値を更新する(S35)。乱数カウンタ13aは「0〜200」の範囲で更新されるので、更新後の乱数カウンタ13aの値が更新範囲を超えているか否かを調べ(S36)、更新範囲を超えていれば(「201」以上であれば)(S36:Yes)、乱数カウンタ13aの値から「更新範囲の上限値+1」の「201」を減算して(S37)、この処理を終了する。一方、更新範囲を超えていなければ(「200」以下であれば)(S36:No)、そのまま、この処理を終了する。
この乱数カウンタ更新処理(S3)により、乱数カウンタ13aの値は、図6及び図7に図示するように更新される(図6及び図7には、加算値の小さいものから順に、6パターン(1,5,7,11,13,17)が例示されている)。例えば、S34の処理で書き込まれた加算値メモリ13bの値が「5」であれば、乱数カウンタ13aの値は、図6の加算値が「5」の「乱数カウンタの更新状況」の欄の通り、0,5,10,…190,195,200,4,9,…1,6,11,…186,191,196の順に、更新量(加算値)を「5」として、「0〜200」の全てについて更新される。加算値が「5」以外の「1,7,11,13,17,・・・」の場合にも同様である。よって、図5の乱数カウンタ更新処理により、乱数カウンタ13aの値は、「0〜200」の範囲で、加算値メモリ13bに記憶された加算値(更新量)ずつ更新される。即ち、乱数カウンタ13aの値は、乱数の一様性(連続で取得した場合に同じ値を取ることがなく、しかも、すべての値が同じ確率で取り出せること)を備えたものとなるのである。
図8は、基板ボックス100の分解斜視図である。図8に示すように、基板ボックス100は、上述したパチンコ遊技機Pの遊技の制御を行う制御部Cが搭載される制御回路基板130を被包して封印するためのものである。この基板ボックス100は、主に、制御回路基板130が収納されるボックス本体110と、そのボックス本体110に覆設されるボックス蓋体120とを備え、光透過性を有する(透明な)ポリカボネート樹脂などの高分子樹脂材料で構成されている。
ボックス本体110は、制御回路基板130を収納するためのものであり、制御回路基板130が載置可能に形成された略矩形平板状の底板110aと、その底板110aの左右両端部からそれぞれ上方へ向けて立設される側壁110b,110cとを備え、これらの側壁110b,110cおよび底板110aにより略矩形皿状に形成されている。
一方、ボックス蓋体120は、ボックス本体110と協動して制御回路基板130を被包するものであり、ボックス本体110上部に覆設される略矩形平板状の天板120aと、その天板120aの左右両端部からそれぞれ下方へ向けて立設される側壁120b,120cと、天板120aの後方縁部分から下方後方側(図8の奥側下方)へ向けて下降傾斜した側壁120dとを備えている。ボックス蓋体120は、これらの側壁120b〜120dおよび天板120aにより略矩形皿状に形成されており、かかる天板120a上面の左右両部分には、複数の略円形の通気孔(開口)120a1が穿設されている。この複数の通気孔120a1は、基板ボックス100内の空気を外部へ放出するための放熱用の開口であり、その内径が略2mm以下に形成されている。
例えば、後述する制御回路基板130に搭載される電源回路134などが放熱して、基板ボックス100内の空気が加熱され温度上昇する場合に、ボックス蓋体120の各通気孔120a1により基板ボックス100内の加熱された空気を外部へ放出することができる。よって、基板ボックス100内の空気の温度上昇が防止されるので、CPU11やカウンタIC14などの電子部品の誤動作を防止することができるのである。
上記のボックス本体110およびボックス蓋体120を備えた基板ボックス100によれば、制御回路基板130を被包する場合には、ボックス本体110の底板110a上に制御回路基板130を載置しつつ収納して、ボックス蓋体120の天板120a下面を制御回路基板130上面に対向させつつ、ボックス蓋体120をボックス本体110に合致(合体)させることにより、基板ボックス100によって制御回路基板130を被包することができる。
ボックス本体110の右側壁110b外面(図8の右側)には4つの中空円柱状の封印部材111が略等間隔で配設される一方、ボックス本体110の左側壁110c外面(図8の左側)にも、4つの中空円柱状の封印部材111が略等間隔で配設されている。また、ボックス蓋体120の右側壁120b外面にはボックス本体110の右側壁110b外面に配設される4つの封印部材111に対応して4つの中空円柱状の封印部材121がそれぞれ配設される一方、ボックス蓋体120の左側壁120c外面にも、ボックス本体110の左側壁110c外面に配設される4つの封印部材111に対応して4つの中空円柱状の封印部材121がそれぞれ配設されている。
これらの各封印部材111,121は制御回路基板130への不正行為を防止するため基板ボックス100を封印する部材であり、各封印部材111には封印ねじ122の螺入されるナット部材112と、そのナット部材112に螺入される封印ねじ122を係止する係止座金113とがそれぞれ設置されている。尚、封印ねじ122は互いに対向する一対の封印部材111,121内に螺入され両者を連結する部材である。
この各封印部材111,121により基板ボックス100を封印する場合には、制御回路基板130をボックス本体110内に収納した状態で、ボックス本体110にボックス蓋体120を覆設して、各封印部材111,121を対向させて当接する。各封印部材111,121の当接後、ボックス蓋体120における右側壁120bの最後方側(図8の最も奥側)に配設された封印部材121およびボックス蓋体120における左側壁120cの最前方側(図8の最も前側)に配設された封印部材121に封印ねじ122をそれぞれ挿入し、これらの封印ねじ122を各封印部材111内に設置されたナット部材112へ螺入し続ける。この封印ねじ122の螺入が完了すると、封印部材111内の係止座金113によって封印ねじ122が抜き取り不可能な状態で係止される。その結果、封印ねじ122により封印部材111と封印部材121とが連結されて、基板ボックス100を封印することができる。
また、図8に示すように、ボックス本体110の後側縁部分(図8の奥側)には、ボックス本体110の長手方向に略等間隔で4つの枠状の係合枠114が形成されている。この各係合枠114は略同一形状にそれぞれ形成されており、その上面にはボックス蓋体120の後側壁120dに突設された4つの係合部材123を挿入するための挿入口114aがそれぞれ穿設されている。一方、ボックス蓋体120の各係合部材123は、その各先端部分が側面視J字形にそれぞれ屈曲され、上述した各係合枠114に対応して略等間隔で隣接配置されている。この各係合部材123の長手方向幅は各挿入口114aの長手方向幅より幅狭に形成されており、各係合部材123が各係合枠114の挿入口114aに挿入された場合に、挿入口114aおよび係合部材123の長手方向幅の差分長さだけ、ボックス蓋体120をボックス本体110に対して長手方向(図中、矢印X方向)へスライドさせることができる。
ボックス本体110の前側縁部分(図8の手前側)には、矩形状に開口された切欠部110dが形成されており、この切欠部110dは、ボックス蓋体120がボックス本体110に覆設された場合に、基板ボックス100に収納された制御回路基板130に接続されるケーブルを導出するための導出口(開口)を形成する。一方、ボックス本体110の右側壁110bおよびボックス蓋体120の左側壁120cには矩形板状のロック板115,124が外方へ向けて突設されており、ボックス本体110の左側壁110cおよびボックス蓋体120の右側壁120bにはロック板124,115が係合される矩形平板状の係合板116,125が配設されている。この係合板116,125にはロック板124,115が挿入可能な挿入口116a,125aが穿設されており、ボックス本体110に合致されたボックス蓋体120を矢印X方向へスライドさせることにより、かかる挿入口116a,125aへロック板124,115をそれぞれ挿入することができる。その結果、ロック板115,124および係合板125,116が係合され、ボックス本体110およびボックス蓋体120を結合することができる。
ボックス蓋体120の上面には略矩形状の凹部126が2箇所に凹設されており、各凹部126には木ねじ等のビス部材(図示せず)が挿入される通穴126aがそれぞれ穿設されている。この各通穴126aは、制御回路基板130に配置される仕切板140の上面に凹設された2つのねじ穴141に対応して穿設されており、ボックス本体110にボックス蓋体120を覆設した場合に、木ねじ等のビス部材を各通穴126aへ挿入して各ねじ穴141にねじ込むことにより、ボックス蓋体120と仕切板140とを連結することができる。
制御回路基板130は矩形薄板状に形成されたプリント回路基板であり、その上面には上記のCPU11が搭載されている。このCPU11はパチンコ遊技機Pの遊技内容を制御するための演算装置であり、その左方にはパチンコ遊技機Pの制御に使用されるカウンタの値をCPU11へ出力する上記のカウンタIC14が搭載されている。また、これらのCPU11とカウンタIC14との間部分における制御回路基板130の上面には、CPU11とカウンタIC14とを電気的に接続するための8本の信号線(データバス)DB0〜DB7がエッチング処理により配線されている。尚、図8では、制御回路基板130に搭載される他の電子部品や他の回路パターンを省略して図示している。
この信号線DB0〜DB7の配線部分における制御回路基板130の上面には矩形シート材で構成された被覆部材133が取着されている。この被覆部材133を構成する矩形シート材は、光透過性を有する(透明な)高分子樹脂材料で構成されており、信号線DB0〜DB7の配線部分全域に取着されている。即ち、被覆部材133の取着面積は信号線DB0〜DB7の配線部分面積に比べて大きく形成されているので、被覆部材133により信号線DB0〜DB7の配線部分全体を被覆することができるのである。
被覆部材133の下面には、公知の粘着剤が塗布されており、かかる粘着剤により制御回路基板130の上面に貼着可能な薄膜状の粘着層133aが形成されている。よって、かかる粘着層133aを制御回路基板130上面に当接することにより、被覆部材133を制御回路基板130上面に貼着することができる。このように、信号線DB0〜DB7の配線部分は被覆部材133により被覆されるので、ボックス蓋体120の天板120aに複数穿設された通気孔120a1から直径2mm以下の針金などの工具を挿入して、その先端で信号線DB0〜DB7を不当に切断する不正行為を防止することができる。
制御回路基板130の右側部分には、CPU11やカウンタIC14へ電力を供給するための電源回路134が搭載されており、この電源回路134により生成される電力は、制御回路基板130に形成された回路パターン(図示せず)を介して、CPU11やカウンタIC14へ供給される。また、制御回路基板130の前側両端部分には制御回路基板130をボックス本体110にねじ止めするための木ねじ等のビス部材(図示せず)が挿入可能な通穴135がそれぞれ穿設されている。よって、ボックス本体110に制御回路基板130を収納して、木ねじ等のビス部材を各通穴135に挿入してねじ込むことにより、制御回路基板130をボックス本体110に固定することができる。
また、制御回路基板130は、その上面に略板状の仕切板140が取着可能に形成されている。この仕切板140は耐衝撃性を有するポリカーボネート樹脂等の合成樹脂等で構成されており、制御回路基板130の前側縁部分に配置され制御回路基板130と共にボックス本体110に取着可能に形成されている。よって、ボックス本体110とボックス蓋体120とを合体させた場合に、仕切板140により基板ボックス100内部と外部とが仕切られるので、基板ボックス100の切欠部110dから針金などの工具を挿入して制御回路基板130に触れる接触行為を防止することができるのである。
仕切板140上面の長手方向両端部には、木ねじ等のビス部材(図示せず)がねじ込まれるねじ穴141がそれぞれ穿設されている。各ねじ穴141は、ボックス蓋体120と仕切板140とを連結するためのものであり、ボックス蓋体120の上面に穿設された2つの通穴126aに対応して穿設されている。各ねじ穴141の前側部分には、仕切部材140をボックス本体110にねじ止めするための木ねじ等のビス部材を挿入可能な凹部142が凹設されており、その各凹部142の内部下端には、制御回路基板130の各通穴135に対応して木ねじ等のビス部材を挿入可能な穴部(図示せず)がそれぞれ穿設されている。
次に、上記のように構成された基板ボックス100の組立方法について説明する。まず、図8に示すように、制御回路基板130上面にCPU11,カウンタIC14および電源回路134等の電子部品が搭載され、信号線DB0〜DB7を介してCPU11とカウンタIC14とが電気的に接続される一方、回路パターン(図示せず)を介して、電源回路134とCPU11およびカウンタIC14とが電気的に接続される。その後、信号線DB0〜DB7の配線部分における制御回路基板130の上面に被覆部材133の粘着層133aが当接され、かかる粘着層133aにより被覆部材133が制御回路基板130上面に貼着され取着される。よって、被覆部材133により信号線DB0〜DB7の配線部分は被覆されるので、基板ボックス100により制御回路基板130が被包された場合に、ボックス蓋体120の天板120aに複数穿設された通気孔120a1から直径2mm以下の針金などの工具を挿入して、信号線DB0〜DB7に触れる接触行為を防止することができる。このため、かかる針金などの工具により信号線DB0〜DB7を不当に切断して、パチンコ遊技機Pの大当たりの発生確率を不当に増加させる不正行為を防止することができる。
被覆部材133の取着後、制御回路基板130の前側縁部分に仕切板140がねじ止め等によって取着される。かかる仕切板140の取着された制御回路基板130がボックス本体110の底板110aに載置されると、制御回路基板130がボックス本体110に収納される。制御回路基板130のボックス本体110内部への収納後、制御回路基板130の各通穴135へ木ねじ等のビス部材が挿入され、木ねじ等のビス部材がボックス本体110へねじ込まれると、制御回路基板130がボックス本体にねじ止めされ固定される。制御回路基板130の固定後、ボックス蓋体120の各係合部材123の先端部分をボックス本体110の各係合枠114の挿入口114aへ挿入し、各係合枠114と係合部材123とを係合させると、ボックス蓋体120がボックス本体110の上方に覆設される。
ボックス蓋体120の覆設後、ボックス蓋体120をボックス本体110に対して図8中の矢印X方向へスライドさせると、ロック板115,124が係合板125,116の挿入口125a,116aにそれぞれ挿入される。かかるロック板115,124の挿入を更に続けると、ロック板115,124および係合板125,116が係合されてボックス本体110とボックス蓋体120とが結合される。
このように、ボックス本体110とボックス蓋体120とが結合されると、ボックス蓋体120に穿設された各通穴126aと仕切板140に凹設された各ねじ穴141とが対向しつつ合致する。その後、各通穴126aを介して仕切板140の各ねじ穴141へ木ねじ等のビス部材をねじ込むことにより、ボックス蓋体120と仕切板140とがねじ止めされ、その後、封印部材111,121を封印ねじ122によって連結することにより、制御回路基板130が基板ボックス100により被包されて、基板ボックス100が封印されるのである。
以上に説明したように、本実施例の制御回路基板130によれば、CPU11とカウンタIC14とを電気的に接続する信号線DB0〜DB7の配線部分は制御回路基板130に取着される被覆部材133により被覆されるので、例えば、基板ボックス100により制御回路基板130が被包され封印される場合に、ボックス蓋体120の天板120aに不正に開けられる穴やボックス蓋体120の複数の通気孔120a1から針金などの工具を挿入して、その針金の先端で信号線DB0〜DB7のいずれかを不当に切断することを防止することができる。また、同様に、切欠部110dにより形成されるケーブルの導出口の隙間から針金などの工具を挿入して、その針金の先端で信号線DB0〜DB7のいずれかを不当に切断することを防止することができる。このため、信号線DB0〜DB7のいずれかを不当に切断して、パチンコ遊技機Pの大当たり発生確率を不当に増加させる不正行為を防止することができるのである。
また、被覆部材133には制御回路基板130上面に貼着可能な粘着層133aが形成されているので、被覆部材133を制御回路基板130に木ねじ等のビス部材によりねじ止めする必要がなく、粘着層133aを制御回路基板130に貼着するにより、被覆部材133を制御回路基板130に取着することができる。このため、被覆部材133を制御回路基板130にねじ止めする場合に比べて、被覆部材133の取着作業を簡素化することができ、制御回路基板130全体としての組立作業を簡素化することができるのである。
更に、被覆部材133は、光透過性を有する(透明な)エポキシ樹脂などの高分子樹脂材料で構成されたシート材で形成されているので、基板ボックス100に収納された制御回路基板130の検査を行う場合に、信号線DB0〜DB7の配線部分から被覆部材133を取り外すことなく、信号線DB0〜DB7の配線部分を視認することができる。よって、基板ボックス100に収納された制御回路基板130の検査作業を簡素化することができるのである。
次に、図9を参照して、第2実施例の制御回路基板230について説明する。図9は、第2実施例における制御回路基板230の拡大斜視図である。第2実施例の制御回路基板230は、第1実施例の被覆部材133に使用される矩形シート材に代えて、被覆部材233を使用したものである。以下、第1実施例と同一の部分には同一の符号を付してその説明は省略し、異なる部分のみを説明する。
この被覆部材233は、光透過性を有するABS樹脂などの高分子樹脂材料で略矩形板体に形成されており、信号線DB0〜DB7の配線部分における制御回路基板230の上面に取着されている。この被覆部材233は、信号線DB0〜DB7の配線部分全域に取着されており、被覆部材233の取着面積は信号線DB0〜DB7の配線部分面積に比べて大きく形成されている。よって、被覆部材233により信号線DB0〜DB7の配線部分の全体が被覆されるので、例えば、基板ボックス200により制御回路基板230が被包され封印される場合に、ボックス蓋体120の天板120aに不正に開けられる穴やボックス蓋体120の複数の通気孔120a1から針金などの工具を挿入して、その針金の先端で信号線DB0〜DB7のいずれかを不当に切断することを防止することができる。また、同様に、切欠部110dにより形成されるケーブルの導出口の隙間から針金などの工具を挿入して、その針金の先端で信号線DB0〜DB7のいずれかを不当に切断することを防止することができる。このため、信号線DB0〜DB7のいずれかを不当に切断して、パチンコ遊技機Pの大当たり発生確率を不当に増加させる不正行為を防止することができるのである。
また、被覆部材233には制御回路基板230上面に貼着可能な粘着層233aが形成されているので、被覆部材233を制御回路基板230に木ねじ等のビス部材によりねじ止めする必要がなく、粘着層233aを制御回路基板230に貼着するにより、被覆部材233を制御回路基板230に取着することができる。このため、被覆部材233を制御回路基板230にねじ止めする場合に比べて、被覆部材233の取着作業を簡素化することができ、制御回路基板230の組立作業を簡素化することができるのである。
更に、被覆部材233は、光透過性を有するABS樹脂などの高分子樹脂材料で略矩形板状に形成されているので、基板ボックス200に収納された制御回路基板230の検査を行う場合に、信号線DB0〜DB7の配線部分から被覆部材233を取り外すことなく、信号線DB0〜DB7を視認することができる。よって、基板ボックス200に収納された制御回路基板230の検査作業を簡素化することができるのである。
次に、図10を参照して、第3実施例の制御回路基板330について説明する。図10は、第3実施例における制御回路基板330の拡大斜視図である。第3実施例の制御回路基板330は、上記各実施例の被覆部材133,233に対して、被覆部材333を使用したものである。以下、上記各実施例と同一の部分には同一の符号を付してその説明は省略し、異なる部分のみを説明する。
この被覆部材333は、光透過性を有するABS樹脂などの高分子樹脂材料で形成されており、信号線DB0〜DB7の配線部分の上方に略平板状の被覆板333aが配設されている。この被覆板333aはCPU11の上面とカウンタIC14の上面とに跨りつつ、信号線DB0〜DB7の配線部分に対向して配設されており、その左右両端部にはそれぞれ下方へ向けて略平板状の側壁333b,333cが連設されている。被覆部材333は、これらの側壁333b,333cおよび被覆板333aにより略コ字形に形成されており、CPU11およびカウンタICとともに、信号線DB0〜DB7の配線部分の周囲を隙間なく包囲して、かかる配線部分を被覆することができる。
また、側壁333b,333cの両下端には、それぞれ外方へ向けて延出された略平板状の取着板333d,333eが連設されており、この取着板333d,333eの下面には公知の粘着剤が塗布されており、かかる粘着剤により制御回路基板330の上面に貼着可能な薄膜状の粘着層333f,333gがそれぞれ形成されている。よって、かかる粘着層333f,333gを制御回路基板330上面に当接することにより、被覆部材333を制御回路基板330上面に貼着することができる。
このように第3実施例の制御回路基板330によれば、被覆部材333、CPU11およびカウンタIC14により信号線DB0〜DB7の配線部分は被覆されるので、例えば、基板ボックス300により制御回路基板330が被包され封印される場合に、ボックス蓋体120の天板120aに不正に開けられる穴やボックス蓋体120の複数の通気孔120a1から針金などの工具を挿入して、その針金の先端で信号線DB0〜DB7を切断することを防止することができる。また、同様に、切欠部110dにより形成されるケーブルの導出口の隙間から針金などの工具を挿入して、その針金の先端で信号線DB0〜DB7のいずれかを不当に切断することを防止することができる。このため、信号線DB0〜DB7のいずれかを不当に切断して、パチンコ遊技機Pの大当たり発生確率を不当に増加させる不正行為を防止することができるのである。
また、被覆部材333には制御回路基板330上面に貼着可能な粘着層333f,333gが形成されているので、被覆部材333を制御回路基板330に木ねじ等のビス部材によりねじ止めする必要がなく、粘着層333f,333gを制御回路基板330に貼着することにより、被覆部材333を制御回路基板330に取着することができる。よって、被覆部材333を制御回路基板330にねじ止めする場合に比べて、被覆部材333の取着作業を簡素化することができ、制御回路基板330全体としての組立作業を簡素化することができるのである。
更に、被覆部材333は、光透過性を有するABS樹脂などの高分子樹脂材料で形成されているので、基板ボックス300に収納された制御回路基板330の検査を行う場合に、信号線DB0〜DB7の配線部分から被覆部材333を取り外すことなく、信号線DB0〜DB7を視認することができる。よって、基板ボックス300に収納された制御回路基板330の検査作業を簡素化することができるのである。
次に、図11を参照して、第4実施例の制御回路基板430について説明する。図11は、第4実施例における制御回路基板430の拡大断面図であり、信号線DB0と、その信号線DB0に接続されるCPU11の接続ピン11aおよびカウンタIC14の接続ピン14aとを図示する一方、信号線DB1〜DB7と、その信号線DB1〜DB7に接続されるCPU11の7本の接続ピンおよびカウンタIC14の7本の接続ピンとを省略して図示している。
第4実施例の制御回路基板430は、上記各実施例に対して、信号線DB0〜DB7の切断を防止する手段を変更したものである。以下、上記各実施例と同一の部分には同一の符号を付してその説明は省略し、異なる部分のみを説明する。
図11に示すように、基板ボックス400に収納される制御回路基板430は、略平板状に形成された基板層が複数層(例えば、3層)形成されており、その制御回路基板430の上面側から下面側へ向けて第1層430a〜第3層430cが順に積層形成されている。制御回路基板430の上面、即ち、第1層430aの上面には、上述したCPU11およびカウンタIC14が搭載されている。CPU11の左端部には下方へ向けて延出された接続ピン11aが形成されており、この接続ピン11aは制御回路基板430の上面から下面へと連通して穿設された通穴430dに挿入されている。
この通穴430dが穿設される制御回路基板430の第1層430aと第2層430bとの間部分には、上述した信号線DB0が配線されており、この信号線DB0は半田付けによりCPU11の接続ピン11aに電気的に接続されている。尚、図示を省略したが、信号線DB1〜DB7は、信号線DB0と同様に、制御回路基板430の第1層430aと第2層430bとの間部分に配線されている。
一方、カウンタIC14の右端部には、CPU11と同様に、下方へ向けて延出された接続ピン14aが形成されており、この接続ピン14aは制御回路基板430の上面から下面へと連通して穿設された通穴430eに挿入されている。しかも、この通穴430eに挿入された接続ピン14aは、半田付けにより信号線DB0に電気的に接続されている。よって、信号線DB0を介して、CPU11の接続ピン11aとカウンタIC14の接続ピン14aとが電気的に接続されている。
このように第4実施例の制御回路基板430によれば、CPU11とカウンタIC14とを電気的に接続する信号線DB0〜DB7は第1層430aと第2層430bとの間部分に配線されているので、信号線DB0からDB7に外部から接触することを防止することができる。よって、例えば、基板ボックス400により制御回路基板430が被包され封印される場合に、ボックス蓋体120の天板120aに不正に開けられる穴やボックス蓋体120の複数の通気孔120a1から針金などの工具を挿入して、その針金の先端で信号線DB0〜DB7を切断することを防止することができる。また、同様に、切欠部110dにより形成されるケーブルの導出口の隙間から針金などの工具を挿入して、その針金の先端で信号線DB0〜DB7のいずれかを不当に切断することを防止することができる。このため、信号線DB0〜DB7のいずれかを不当に切断して、パチンコ遊技機Pの大当たり発生確率を不当に増加させる不正行為を防止することができるのである。
次に、図12を参照して、第5実施例の制御回路基板530が収納される基板ボックス500について説明する。図12は、第5実施例における制御回路基板530の拡大斜視図である。第5実施例の制御回路基板530は、上記各実施例に対して、信号線DB0〜DB7の切断を防止する手段を変更したものであり、ボックス本体110を省略して図示している。以下、上記各実施例と同一の部分には同一の符号を付してその説明は省略し、異なる部分のみを説明する。
図12に示すように、制御回路基板530が収納される基板ボックス500の天板120aの下面には、制御回路基板530の上面(部品面)へ向けて、即ち、ボックス蓋体120の下方へ向けて、略矩形枠状の壁部材(仕切部材)531が立設されている。壁部材531は、ボックス蓋体120と同様に、ポリカーボネート樹脂等の高分子樹脂材料で形成されており、ボックス蓋体120と一体成形されている。壁部材531は、上面視略ロ字状に形成されており、その壁部材531の下端部分が開放されている。この壁部材531は、制御回路基板530に搭載されたCPU11、カウンタIC14および信号線DB0〜DB7の周囲に周設されており、その壁部材531の下端は、制御回路基板530の上面に当接されている。即ち、壁部材531は、その下端と制御回路基板530の上面との間に隙間なく、CPU11、カウンタIC14および信号線DB0〜DB7の周囲に周設されている。よって、壁部材531の下端と制御回路基板530の上面との間からの針金などの工具の挿入を防止することができる。
しかも、ボックス蓋体120の天板120aに複数穿設された通気孔120a1は、壁部材531の外方部分、即ち、CPU11、カウンタIC14の搭載部分やDB0〜DB7の配線部分との非対向部分に穿設されている。よって、例えば、基板ボックス500により制御回路基板530が被包され封印される場合に、ボックス蓋体120の通気孔120a1から基板ボックス500内へ針金などの工具を挿入しても、かかる針金などの工具の侵入は壁部材531により妨害されるので、信号線DB0〜DB7のいずれかを削り不当に切断することを防止することができる。また、同様に、切欠部110dにより形成されるケーブルの導出口の隙間から針金などの工具を挿入して、その針金の先端で信号線DB0〜DB7のいずれかを不当に切断することを防止することができる。このため、信号線DB0〜DB7のいずれかを不当に切断して、パチンコ遊技機Pの大当たり発生確率を不当に増加させる不正行為を防止することができるのである。
次に、図13を参照して、第6実施例の制御回路基板630について説明する。図13は、第6実施例における制御回路基板630の拡大斜視図である。第6実施例の制御回路基板630は、上記各実施例に対して、被覆部材633を使用したものである。以下、上記各実施例と同一の部分には同一の符号を付してその説明は省略し、異なる部分のみを説明する。
図13に示すように、被覆部材633は、制御回路基板630のCPU11およびカウンタIC14の搭載部分、並びに、信号線DB0〜DB7の配線部分の上方を覆うためのものであり、光透過性を有するABS樹脂などの高分子樹脂材料で略矩形箱状体に形成され、その下方には略矩形状の開口が形成されている。この被覆部材633の内側部分には、CPU11、カウンタIC14および信号線DB0〜DB7の配線部分が配設されており、かかる被覆部材633によって、信号線DB0〜DB7の配線部分が包囲され被覆されている。よって、被覆部材633により信号線DB0〜DB7に接触することを防止することができる。よって、例えば、制御回路基板630が基板ボックス600により被包され封印される場合に、ボックス蓋体120の通気孔120a1から基板ボックス600内へ針金などの工具を挿入しても、かかる針金などの工具の侵入は被覆部材633により妨害されるので、信号線DB0〜DB7のいずれかを削り不当に切断することを防止することができるのである。また、同様に、切欠部110dにより形成されるケーブルの導出口の隙間から針金などの工具を挿入して、その針金の先端で信号線DB0〜DB7のいずれかを不当に削り不当に切断することを防止することができる。
一方、被覆部材633の下端部分の四隅には、被覆部材633を制御回路基板630に固定するための木ねじ等のビス部材634がねじ止めされる取付部材633aがそれぞれ一体成形されている。これらの取付部材633aには、ビス部材634が挿入可能な通穴(図示せず)がそれぞれ穿設されており、かかる各取付部材633aの各通穴へビス部材634を挿入して、制御回路基板630へねじ込むことにより、被覆部材633を制御回路基板630に固定することができるのである。尚、被覆部材633の下端面に公知の粘着剤を塗布して、かかる粘着剤により被覆部材633を制御回路基板630の上面に貼着しても良い。
次に、図14を参照して、第7実施例の制御回路基板730について説明する。図14は、第7実施例における制御回路基板730を収納する基板ボックス700の拡大断面図であり、信号線DB0と、その信号線DB0に接続されるCPU11の接続ピン11aおよびカウンタIC14の接続ピン14aとを図示する一方、信号線DB1〜DB7と、その信号線DB1〜DB7に接続されるCPU11の7本の接続ピンおよびカウンタIC14の7本の接続ピンとを省略して図示している。第7実施例の制御回路基板730は、上記各実施例に対して、信号線DB0〜DB7の切断を防止する手段を変更したものである。以下、上記各実施例と同一の部分には同一の符号を付してその説明は省略し、異なる部分のみを説明する。
図14に示すように、基板ボックス700に収納される制御回路基板730は略平板状に形成されており、その裏面(半田面)には信号線DB0が配線されている。一方、制御回路基板730の上面(部品面)には、上述したCPU11およびカウンタIC14が搭載されており、かかるCPU11の接続ピン11aおよびカウンタIC14の接続ピン14aは信号線DB0に半田付けによりそれぞれ固着されている。即ち、CPU11の接続ピン11aとカウンタIC14の接続ピン14aとは、信号線DB0を介して、電気的に接続されている。尚、図示を省略しているが、信号線DB1〜DB7は、信号線DB0と同様に、制御回路基板730の裏面に配線されている。
また、基板ボックス700に複数穿設される通気孔(開口)120a1は、制御回路基板730の上面と対向するボックス蓋体120の天板120aに穿設される一方、信号線DB0〜DB7は、ボックス本体110の底板110aと対向する制御回路基板730の裏面に配線されている。また、ボックス本体110の底板110aには、外部と連通する通気孔などの開口が形成されず、閉鎖されている。よって、例えば、基板ボックス700により制御回路基板730が被包され封印される場合に、ボックス蓋体120の通気孔120a1から基板ボックス700内へ針金などの工具を挿入しても、かかる針金などの工具の侵入は制御回路基板730により妨害されるので、信号線DB0〜DB7のいずれかを削り不当に切断することを防止することができるのである。
尚、第7実施例では、被覆部材としては、制御回路基板730およびボックス本体110がそれぞれ該当する。
以上、実施例に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変形が可能であることは容易に推察できるものである。
本実施例では、乱数生成装置として、乱数カウンタ13aの更新量を決定するためのカウンタIC14が用いられた。即ち、このカウンタIC14のカウント値に基づいて、乱数カウンタ13aの更新量を決定し、実際の乱数値の生成は、制御装置であるCPU11によって行われたのである。しかしながら、乱数生成装置は、必ずしも、かかるカウンタIC14に限られるのではなく、IC内部で乱数値を直接生成し、その生成された乱数値を制御装置であるCPU11へ出力することができるもの、例えば、乱数ICを、乱数生成装置として用いるようにしても良い。
本実施例では、乱数生成装置として、カウンタ回路14a、ラッチ回路14bおよび3ステートバッファ14cにより構成されるカウンタIC14を用いた。しかしながら、乱数生成装置は、必ずしも、かかるカウンタIC14に限られるのではなく、例えば、カウンタ回路14a、ラッチ回路14bおよびラッチ回路14cをそれぞれ別々のIC、例えば、カウンタ回路IC、ラッチ回路ICおよび3ステートバッファICで構成しても良い。かかる場合には、これらの各IC、即ち、カウンタ回路IC、ラッチ回路ICおよび3ステートバッファICをそれぞれ接続パターンである信号線により電気的に接続する一方、3ステートバッファICとCPU11とを信号線DB0〜DB7により電気的に接続するのである。ここで、接続パターンとしては、カウンタ回路IC、ラッチ回路ICおよび3ステートバッファ回路ICをそれぞれ接続する信号線および信号線DB0〜DB7が該当するので、これらのカウンタ回路IC、ラッチ回路ICおよび3ステートバッファ回路ICをそれぞれ接続する信号線および信号線DB0〜DB7を被覆部材により被覆するようにしても良い。
また、第2および第3実施例では、粘着層233aおよび粘着層333f,333gによって、被覆部材233,333を制御回路基板130上面に取着した。しかしながら、被覆部材233,333の制御回路基板への取着方法は、必ずしもこれに限られるものではなく、例えば、被覆部材233,333を木ねじ等のビス部材により制御回路基板130に取着しても良い。
第4実施例では、信号線DB0〜DB7を制御回路基板430の第1層430aと第2層430bとの間部分に配線した。しかしながら、信号線DB0〜DB7の配線部分は、必ずしもこれに限られるものではなく、例えば、信号線DB0〜DB7を制御回路基板430の第2層430bと第3層430cとの間部分に配線しても良い。
尚、以下に本発明の変形例を示す。遊技内容の制御に使用される乱数を生成する乱数生成装置と、その乱数生成装置により生成される乱数に基づいて遊技内容の制御を行う制御装置と、その制御装置と前記乱数生成装置とを電気的に接続する接続パターンとを有する回路基板を備えた遊技機において、前記接続パターンの配線部分を被覆する被覆部材を備えていることを特徴とする遊技機0。
基板ボックスにより被包され封印される回路基板と、その回路基板に配設され遊技内容の制御に使用される乱数を生成する乱数生成装置と、その乱数生成装置とともに前記回路基板に配設され前記乱数生成装置により生成される乱数に基づいて遊技内容の制御を行う制御装置と、その制御装置と前記乱数生成装置とを電気的に接続するため前記回路基板に配線される接続パターンとを備えた遊技機において、前記接続パターンの配線部分を被覆する被覆部材を備えていることを特徴とする遊技機1。
この遊技機1によれば、乱数生成装置により生成される乱数値に対応する電気信号は、接続パターンを介して、制御装置へ入力され、その乱数値に基づいて制御装置により遊技機の制御が行われる。しかも、回路基板は基板ボックスにより被包され封印される一方、その回路基板に配線される乱数生成装置と制御装置とを電気的に接続する接続パターンの配線部分は被覆部材により被覆されるので、その接続パターンへの接触行為が防止される。よって、例えば、回路基板を被包して封印する基板ボックスの壁面に不正に穴を開け、その穴から針金などを挿入して、その先端で接続パターンを切断する不正行為を防止することができる。また、同様に、基板ボックスに設けられる放熱用の通気孔やコネクタ接続用の開口から基板ボックス内へ針金などを挿入して、その先端で接続パターンを切断する不正行為も防止することができる。従って、かかる接続パターンを切断することにより遊技機1の遊技内容を不当に変更する不正行為、例えば、遊技機1の大当たりの発生確率を大きくするなどの不正行為を防止することができる。
遊技機0又は1において、前記被覆部材は前記回路基板に貼着可能に形成された粘着層を備えていることを特徴とする遊技機2。この遊技機2によれば、被覆部材をねじ止めする必要がなく、被服部材の粘着層を回路基板に貼着するにより被覆部材を取着することができる。このため、被覆部材を回路基板にねじ止めする場合に比べて、被覆部材の取着作業を簡素化することができ、回路基板の組立作業を簡素化することができる。
遊技機0から2のいずれかにおいて、前記被覆部材は光透過性を有する材料で形成されていることを特徴とする遊技機3。よって、かかる遊技機3の回路基板の検査を行う場合には、接続パターンの配線部分から被覆部材を取り外すことなく、接続パターンが外部から視認されるので、回路基板の検査作業を簡素化することができる。
基板ボックスにより被包され封印される回路基板と、その回路基板に配設され遊技内容の制御に使用される乱数を生成する乱数生成装置と、その乱数生成装置とともに前記回路基板に配設され前記乱数生成装置により生成される乱数に基づいて遊技内容の制御を行う制御装置と、その制御装置と前記乱数生成装置とを電気的に接続するため前記回路基板に配線される接続パターンとを備えた遊技機において、前記接続パターンは前記回路基板内部に配線されていることを特徴とする遊技機4。
この遊技機4によれば、制御装置と乱数生成装置とを電気的に接続する接続パターンは回路基板内部に配線されているので、かかる接続パターンに回路基板の外部から接触する行為を防止することができる。よって、例えば、回路基板を基板ボックスにより被包して封印した場合に、かかる基板ボックスの壁面に不正に穴を開け、その穴から針金などを挿入して、その先端で接続パターンを切断する不正行為を防止することができる。また、同様に、基板ボックスに設けられる放熱用の通気孔やコネクタ接続用の開口から基板ボックス内へ針金などを挿入して、その先端で接続パターンを切断する不正行為も防止することができる。従って、かかる接続パターンを切断することにより遊技機4の遊技内容を不当に変更する不正行為、例えば、遊技機4の大当たりの発生確率を大きくするなどの不正行為を防止することができるのである。
壁面に外部と連通する開口が穿設された基板ボックスにより被包され封印される回路基板と、その回路基板に配設され遊技内容の制御に使用される乱数を生成する乱数生成装置と、その乱数生成装置とともに前記回路基板に配設され前記乱数生成装置により生成される乱数に基づいて遊技内容を制御する制御装置と、その制御装置と前記乱数生成装置とを電気的に接続するため前記回路基板に配線される接続パターンとを備えた遊技機において、前記接続パターンは、基板ボックスの開口との非対向部分に配線され、その接続パターンの配線部分の周囲に周設される仕切部材を備えており、その仕切部材は、前記接続パターンに対向する基板ボックスの壁面、又は、前記接続パターンの配線部分の一方から他方へ向けて立設されていることを特徴とする遊技機5。
この遊技機5によれば、接続パターンは、基板ボックスの壁面に穿設される開口との非対向部分に配線され、かつ、その配線部分の周囲に仕切部材が立設されているので、例えば、回路基板が基板ボックスにより被包され封印される場合に、基板ボックスの開口から基板ボックス内へ挿入される針金などと接続パターンとの接触を仕切部材により妨害することができる。このため、基板ボックスの開口から基板ボックス内へ針金などを挿入して接続パターンを不当に切断する不正行為を防止することができ、かかる接続パターンを切断することにより遊技機5の遊技内容を不当に変更する不正行為、例えば、遊技機5の大当たりの発生確率を大きくするなどの不正行為を防止することができる。
開口が穿設される第1壁と、その一の壁面の反対側を閉鎖する第2壁とを有する基板ボックスにより被包され封印される回路基板と、その回路基板に配設され遊技内容の制御に使用される乱数を生成する乱数生成装置と、その乱数生成装置とともに前記回路基板に配設され前記乱数生成装置により生成される乱数に基づいて遊技内容を制御する制御装置と、その制御装置と前記乱数生成装置とを電気的に接続するため前記回路基板に配線される接続パターンとを備えた遊技機において、前記接続パターンの配線部分は、前記回路基板が基板ボックスにより被包され封印される場合に、基板ボックスの第2壁に対向する部分に配置されることを特徴とする遊技機6。
この遊技機6によれば、回路基板が基板ボックスにより被包され封印される場合に、基板ボックスの第1壁に穿設された開口から基板ボックス内へ挿入される針金と接続パターンとの接触を回路基板により妨害することができる。このため、基板ボックスの第1壁の開口から基板ボックス内へ針金などを挿入して接続パターンを不当に切断する不正行為を防止することができ、かかる接続パターンを切断することにより遊技機6の遊技内容を不当に変更する不正行為、例えば、遊技機6の大当たりの発生確率を大きくするなどの不正行為を防止することができる。