JP4427708B2

JP4427708B2 - Polyester fiber knitted fabric and method for producing the same

Info

Publication number: JP4427708B2
Application number: JP2002353927A
Authority: JP
Inventors: 忠人小野寺; 誠治石田; 光雄谷田
Original assignee: Toyobo Co Ltd
Current assignee: Toyobo Co Ltd
Priority date: 2002-11-18
Filing date: 2002-12-05
Publication date: 2010-03-10
Anticipated expiration: 2022-12-05
Also published as: JP2004218093A

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、吸湿性と抗ピル性とを併せ持つポリエステル系短繊維織編物に関し、更にはグラフト重合加工繊維の欠点である物性低下、湿潤時の寸法不安定性、しわや低乾燥性、ヌメリ風合等を改善する技術に関する。
【０００２】
【従来の技術】
ポリエステル繊維に吸湿性を付与する手段としてグラフト重合加工はよく知られている（例えば、参考文献１）が、実用化のためには解決すべき欠点が認められる。即ち、グラフト重合加工ポリエステル繊維は染色品の物性低下、特に湿潤時の強力低下やしわ、寸法変化率が大きい、風合がヌルヌルする等の欠点を有する。これらの欠点を克服するため吸湿性を有する成分を芯部に配した２成分紡糸の提案が多数検討されているが、これらも洗濯時や吸水時の膨潤による繊維形態の不安定性や染色品位の悪化、低吸湿性、紡糸コスト等に問題があり、衣料用として実用化に至っているものは殆どないのが実状である。
【０００３】
一方、抗ピル性ポリエステル繊維として有機スルホン酸塩基含有化合物やリン含有化合物等を共重合した共重合ポリエステル繊維が知られている（例えば、参考文献２、３など）。これらは繊維強度をレジンや紡糸、延伸工程で低下させ、更に染色仕上げ工程条件で繊維強度（結節強度）の低下を促進させ、生地表面の毛羽を脱落しやすくしたもので、編物以外にもウールやレーヨン混紡糸織物等に多く使用されている。しかし、このような共重合変性ポリエステル繊維、特に有機スルホン酸塩基含有化合物共重合ポリエステル繊維においては、一般的な丸断面形状の繊維形態でさえも紡糸中に金属塩が析出し易く、紡糸性能が不良である。異型断面繊維の紡出は尚更に困難さを増す。かつ繊維強度が弱いため紡績性が劣る欠点を有する。
【０００４】
更に染色加工時に一定の品質を保つために加工管理が煩雑である等の困難さを有する。このような共重合ポリエステル繊維の染色加工において、処理液をｐH３〜４等の強酸性サイドで行なう場合は、処理中の液ｐHの変化、バッチ間差を最小に制御することは困難であり、制御が不十分であれば生地の脆化や変色を容易に招き、実用生地強力低下や品位低下につながり、著しく製品価値を損ねてしまう。また、抗ピル性を得るために高温で長時間染色時間を必要とする繊維構造の生地においてはコスト的に不利となる。また、このような共重合ポリエステル繊維で構成された生地は、染色加工品揚がりで糸または生地の強力低下のため、再染色加工が不可能で、極めて不経済である。
【０００５】
【特許文献１】
特開２０００−４５１８１号公報（段落０００５など）
【特許文献２】
特開平７−１７３７１８号公報（請求項１など）
【特許文献３】
特開平８−１３２７４号公報（請求項１など）
【０００６】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、ポリエステル短繊維系でインナー及びアウター用織編物やタオル、芯地、マット、シーツ等のインテリア、副資材、寝装用等に好適な織編物を提供することを主目的とするものであり、吸湿性を有する２成分複合紡糸繊維を用いることなく、ポリエステル単成分紡糸繊維でグラフト重合加工された繊維を用い、かつエア交絡紡績技術を用いて吸湿性と抗ピル性の両特性を具備するソフトなポリエステル短繊維織編物を得ることを目的とする。更にはグラフト重合加工繊維の欠点である物性低下、湿潤時の寸法不安定性、低乾燥性、ヌメリ風合等が改善された吸湿性と抗ピル性を併せ持つポリエステル短繊維織編物に関するものである。
【０００７】
【発明が解決するための手段】
すなわち、本発明は、以下の手段を採用することにより、上記の課題を解決したものである。
（１）親水性化合物グラフト重合加工ポリエステル短繊維を含むエア交絡紡績糸からなり、公定水分率が１．５％以上、抗ピリング性が３級以上であることを特徴とするポリエステル繊維織編物。
（２）ＪＩＳＬ１０１８Ｆ−１法による寸法変化率が編物で−８％〜０％、織物で±３％以内であることを特徴とする第１記載のポリエステル繊維織編物。
（３）親水性化合物グラフト重合加工ポリエステル短繊維を含むエア交絡紡績糸であり、かつ長さ１ｍｍ以上３ｍｍ未満の毛羽が１０ｍ当り３０〜３５０個、長さ３ｍｍ以上の毛羽が１０ｍ当り１５個未満である紡績糸を用いて織編物とすることを特徴とする第１または２記載のポリエステル繊維織編物の製造方法。
（４）前記のエア交絡ポリエステル紡績糸またはエア交絡紡績糸とマルチフィラメントとのエア混繊糸を用いて織編物とすることを特徴とする第１〜３のいずれかに記載のポリエステル繊維織編物の製造方法。
（５）前記のポリエステル短繊維が少なくも繊度が１．３dtex以上で繊維断面円周上に存在する３個以上の突起部が繊維長さ方向に連続して存在し、その異型度が１．８以上であることを特徴とする第１〜４のいずれかに記載のポリエステル繊維織編物の製造方法。
【０００８】
本発明は、ポリエステル短繊維織編物の抗ピル性とグラフト重合加工（以下、単にグラフト重合と表記することがある。）ポリエステル繊維の吸湿性を生かし、グラフト重合繊維の欠点である強力低下、特に湿潤時の強力低下や寸法安定、しわ、ヌメリ風合等を改善する。また、湿潤時のヌメリ風合と寸法変化率を未処理のポリエステル原綿、またはフィラメントと混紡、混繊することで吸湿性を損うことなく改善するものである。以下、詳細を説明する。
【０００９】
【発明の実施の形態】
本発明で用いるポリエステル短繊維は特に制約はなく、ポリエチレンテレフタレートなどのホモポリマーポリエステルが主体的に用いられる他、異色性や低温染色性を得るための有機スルホン酸塩基含有化合物共重合ポリエステルや高収縮性を得るためのイソフタル酸、ネオペンチルグリコールなどの第３成分共重合ポリエステル等の共重合変性ポリエステルも用いることができる。それらに酸化チタンを０．３質量％から５．０質量％程度含有していてもよく、更にはカオリナイト、炭化ジルコニウム、各種顔料、竹や備長炭等の炭微粉末、トルマリン、抗菌消臭剤、制菌剤、防黴剤等が練り込まれていてもよい。
【００１０】
本発明においてはグラフト重合加工による強力低下を利用し、ポリエステル繊維に抗ピル性を発現させることができるが、グラフト重合加工前のポリエステル繊維強度は３．０ｃN/dtex以上、更には４．０ｃN/dtex以上であることが好ましい。本発明においては、紡績糸の強度はグラフト重合繊維のグラフト重合度合やグラフト重合しない繊維との混紡、混繊の比率により改善可能なため、必ずしも高強力ポリエステル繊維を必要としないのが特徴である。そのため、丸断面形状の他、シャープな三角型、Y型、十字型、星型、また矩形型、偏平、一部に突起部を有する偏平型等があり、これらが更に中空部を有する高異型度ポリエステルを使用することが可能である。特に本発明においては繊度が１．３dtex以上で繊維断面の円周上に存在する３個以上の突起部が繊維長さ方向に連続して存在し、その異型度（短径に対する長径の比）が１．８以上であるポリエステル繊維を用いることが特に有効である。このような繊維は丸断面繊維より嵩性が得られ易く、クッション効果によりソフトな生地風合が得られ易いからである。異型度は好ましくは２．０dtex以上、３．２未満であり、１．８未満、及び３．２以上では繊度が太くても剛性が弱くなり、本発明には不適である。
【００１１】
上記の異型度の断面形状を有する繊維は丸断面繊維より表面積が大きく、吸水速乾性に優れる。また、それよりなる織編物は細繊度紡績糸によるものより構造的に保水性が少ないため乾燥性に優れる。編物の場合、細繊度紡績糸は風合がソフトで、製品が型崩れし易いが、本発明によれば張り腰があり、製品のシルエットがきれいに保持できる特徴がある。
【００１２】
ポリエステル繊維の繊度については、目的に応じて０．５dtex程度の細繊度から５．０dtexまでの太繊度繊維を選択することができ、グラフト率に応じ繊維径の増す分を考慮して決定すればよい。０．５dtex未満の細繊度ではグラフト重合時の液通りが悪く、均一なグラフト率が得られにくくなり、またグラフト重合繊維を紡績する際には繊維強度低下による風綿が多くなりやすい。また、５．０dtexを超えると、太番手の紡績糸しか得られなく、かつ風合が硬化するため好ましくない。グラフト重合後の繊度は風合や工程通過性から１．０dtexから３．０dtexの範囲が好ましい。
【００１３】
本発明において、ポリエステル繊維にグラフト重合される親水性化合物とは、親水性基ビニル系モノマーや加水分解、中和処理などの簡単な処理で容易に親水性を発現できるビニル系モノマーなどであり、分子構造内に重合性のビニル基を有し、カルボン酸、スルホン酸などの酸性基および／またはその塩、水酸基、エステル基、アミド基などの親水性基を有するモノマーである。
【００１４】
具体的には、アクリル酸、アクリル酸ナトリウム、アクリル酸アルミニウム、アクリル酸カルシウム、アクリル酸カリウム、アクリル酸亜鉛、アクリル酸マグネシウムなどのアクリル酸塩類モノマー、アクリルアミド、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸、メタクリル酸、アリルアルコール、アリルスルホン酸ナトリウム、ビニルスルホン酸ナトリウム、メタリルスルホン酸ナトリウム、スチレンスルホン酸ナトリウム、ポリオキシメチレンのメタクリル酸エステルなどを用いることができる。これらは、１種単独で用いてもよく、または２種以上併用してもよい。
【００１５】
グラフト重合加工は、これらのモノマーを用いて、ポリエステル繊維のわた及び糸に対して公知の方法によって実施することができる。
すなわち、親水性モノマーとパーオキサイド等の触媒や膨潤剤を含有する水系加工液を付与するか水系加工液中に浸漬するなどして熱処理する方法が採用でき、酸性基は、中和洗浄後、ナトリウム等に代表されるアルカリ金属塩化処理などを行ない、吸湿性、吸水性を高めるものである。
【００１６】
本発明におけるグラフト重合加工において、加工液中のモノマー濃度は、１０質量％から４０質量％の範囲が好ましく、グラフト重合率を２質量％以上、３０質量％前後までとするのが好ましい。２質量％未満では吸湿率が得られにくく、３０質量％以上では高吸湿率が得られるが、繊維強度低下や保水率が高くなり、湿潤時のしわ、寸法変化が大となり、また乾燥時間が長くなり、ポリエステルが本来有するウォッシュアンドウエア（W&W）性を喪失してしまうため好ましくない。
本発明においてはアルカリ金属塩化後の水分率（２０℃、６５％ＲＨ）が１．５％から１５％程度の範囲に収まるような処理条件とするのが好ましい。
【００１７】
グラフト重合加工したポリエステル繊維は、グラフト重合しないポリエステル繊維と混紡、混繊することが可能で、紡績糸として必要とする公定水分率は１．５％以上あればよく、未処理綿の混率によってグラフト重合率とその混率は調整可能であり、目的に応じて適宜設定すればよい。例えばグラフト重合繊維のみを使用し、寸法変化率を本発明の範囲内にするためには５％以下の水分率に設定すればよい。また、寸法変化率と同時にヌメリ風合を改善したい場合は、水分率が７％以上である高グラフト重合繊維と特にＹ型等の高異型度繊維等のグラフト重合しないポリエステル短繊維やフィラメントを８０質量％未満を含む混紡、混繊糸とすることで改善可能である。
【００１８】
本発明における織編物の公定水分率の上限は７％が好ましく、より好ましくは６％である。公定水分率が７％を超えると洗濯時の生地、または製品収縮が大きく、寸法安定性を悪化させ、しわ外観を呈することがあり、また、保水量が増した分乾燥時間が長くなり、ポリエステル本来のウォッシュアンドウエア性を損ねてしまう傾向がある。グラフト重合は１．５％以上の公定水分率を得るためには十分なグラフト重合時間が必要であり、工程的にまたは設備的に生地で行なうのは不利であり、原綿、または紡績糸の状態で施すのが好ましい。
【００１９】
グラフト重合された綿を使用する場合は、グラフト重合ポリエステル綿１００％またはグラフト重合されない綿とで混紡するか、または、これらの紡績糸とグラフト重合されていない紡績糸などとの合撚糸とすることが可能である。混紡はカード混繊、スライバー混繊、練篠工程、精紡工程等で実施できる。
【００２０】
混紡する繊維はポリエステル以外の他の短繊維でもよいが、本発明では物性、W&W性、染色性の面からポリエステルが主体的に用いられる。その形態は丸断面、中空や高異型度繊維、極細繊維、カチオン可染や常圧可染繊維（カチオン染料、分散染料）、先染繊維、原着繊維等であってもよく、目的によって組合せることが可能である。
【００２１】
紡績糸にグラフト重合を施し、そのまま使用することも可能であるが、更にグラフト重合糸と丸断面、中空や高異型度繊維、極細繊維、仮撚り加工糸、カチオン可染や常圧可染繊維、先染め繊維、原着繊維等のマルチフィラメントをエア混繊させて紡績糸表面をマルチフィラメントで覆う構造体として使用することも可能である。その際のグラフト重合繊維の混率は１０質量％以上、７５質量％以下であることが紡績糸の吸湿率や強力、風合、寸法安定性の面から好ましい。グラフト重合率が１０質量％未満では吸湿率を得るためには高グラフト重合を施すことが必要であり、そのため繊維強度が著しく低下し、繰返し洗濯で繊維の脱落等を招くため好ましくない。
【００２２】
本発明におけるポリエステル短繊維においては、適性なクリンプ数は８〜１７ヶ／２５ｍｍであり、繊維カット長は３２ｍｍからバリカットまで可能であり、目的によって適宜選定される。一般的には好ましい範囲は紡績糸の毛羽数や毛羽絡み度合、風合、糸質面から長くない方が好ましく、３２ｍｍから５１ｍｍである。
【００２３】
以上のポリエステル短繊維を紡績する際は、リング紡績法によらず、オープンエンド、結束紡績等の高速エア流体交絡糸とする。エア交絡紡績は、特公昭５６−３１３７０号公報に代表される公知の方法によって実施することができる。これらの方式はリング紡績糸と異なり、構造体として糸毛羽を抑制する効果がある反面、風合硬化は避けられない構造を有する。本発明においては紡績条件は紡績糸の風合、嵩性、抗ピル性を損わない条件とし、交絡度合が増し、風合が硬化する高エア圧下での低速紡出速度等は避けるのが望ましい。また、紡績糸中におけるグラフト重合繊維の分布はランダムに配されてもよいが、芯部にグラフト重合繊維が多く配される芯鞘構造糸形態が風合、吸湿時の着用感からより好ましい。
【００２４】
本発明においては紡出された紡績糸が有する毛羽は、毛羽長さ１ｍｍ以上３ｍｍ未満の毛羽数が１０ｍ当り３０〜３５０個、かつ毛羽長さ３ｍｍ以上の毛羽数が１０ｍ当り１５個以下が好ましく、夫々の毛羽数が３００個以下、１０個以下を同時に満たすことがより好ましい。夫々の毛羽数が３５０個及び１５個を超えると、特にスムースやパイル組織等の嵩高でルーズな組織等においては十分な抗ピル性が得られなくなるため好ましくない。また、毛羽長さ１ｍｍ以上の毛羽数が３０個未満では高交絡度で糸径の細い紡績糸となり、抗ピル性は増すが、バルキー性に劣る硬風合の生地となり好ましくない。
本発明における毛羽の少ない紡績糸は、繊維断面形状と繊度を特定し、高速エア流体による紡績糸とすることで製造が可能である。
【００２５】
次いで織編物にする際、これら紡績糸を単独で用いる以外に、本発明の特徴を損なわない範囲内であれば他の繊維と交編織してもよい。本発明はスムース、天竺や綾、サテン等通常の織編組織の他、鹿の子、ジャカード、パイル等の浮き組織の多い織編組織において効果を発揮する。
【００２６】
これらの生地は共重合ポリエステル繊維を用いて抗ピル性を得る際に必要な特別な染色加工工程、例えばｐH３〜４等の高酸性浴中で高圧長時間、またはアルカリ減量等の処理条件を採用する必要はなく、従来通りの、または交編織素材の特性に合わせた加工条件を設定すればよい。通常のポリエステル繊維では１２０〜１３０℃で２０〜４０分の高圧染色が、カチオン可染型や常圧分散可染型変性ポリエステルであれば９８〜１２０℃の常圧、または高圧染色が採用される。
【００２７】
本発明においては紫外線吸収剤、シルクプロテイン、アミノ酸、キト酸処理、吸水・防汚、撥水、抗菌防臭、制菌加工等の後加工処理を施してもよい。本発明は毛羽の少ない紡績糸であり、従来のリング紡績糸のように布帛での毛焼き工程が不要であるが、織物においては通常採用される染色後に毛焼きやシャリング処理を施してもよく、また、毛焼き後、軽アルカリ処理して溶融玉を除去し、染色することで生地品位、抗ピル性、風合を補足的に改善してもよい。
【００２８】
【実施例】
以下、実施例によって本発明を説明する。
実施例、比較例ともにホモポリマーポリエステルレジン（ポリエチレンテレフタレート）を用い、通常の溶融温度で紡糸した後、延伸温度１９０℃、捲縮温度１１０℃の延伸・捲縮工程条件で製造し、１．６T、３８ｍｍのシャープなY型断面形状（異型度２．４）の原綿を得た。
エア交絡(結束)紡績は村田機械（株）製ムラタボルテックススピナーＭＶＳを用い、紡出速度を実施例６は４００ｍ/分、比較例４は２００ｍ/分とした以外は全てノズル圧０．４５Mpa、紡出速度３５０ｍ／分で紡績した。リング紡績糸は撚係数３．２であり、両紡績糸とも英式綿番手３０番手である。
【００２９】
グラフト重合加工は、原綿、紡績糸とも下記条件で実施した。オーバーマイヤーにて、ノイゲンHC１ｇ／ｌで精練後湯洗し、メタアクリル酸１００％品を２０％omf、分散剤１．０％omf、膨潤剤１．０％omf、ソーダ灰０．８％omf、浴比１：１０、１００℃で４０分間のグラフト重合処理をした。グラフト率は１６％であった。その後、湯水洗し、ソーダ灰４．０％omf、トリポリリン酸ナトリウム０．１５％omf、７０℃で中和処理を行なった。次いで７０℃でソーダ灰１２％omfとトリポリリン酸ナトリウム０．１５％omfを３回に分割投入しながらナトリウム塩化処理を行ない、湯洗した。該原綿、紡績糸の公定水分率は７．２％であった。上記薬剤の使用量のみを変更し、原綿のグラフト重合率２６％、１１％のグラフト重合加工原綿を得た。ナトリウム塩化後の水分率はそれぞれ１２．１％、４．４％であった。これらグラフト重合加工原綿を用い、ナトリウム塩化処理以降をニット形態で実施した。結束紡績糸に使用したグラフト重合加工原綿の混紡率とニット生地特性、評価結果を表１に示す。（omfは、繊維質量に対する質量％を意味する。）
【００３０】
紡績糸はスムース組織（２２ゲージ、ループ長３２５ｍｍ、１００Ｗ）に編み立てし、更に、生地は開反し、ウェット処理後、乾燥し、１８０℃で４０秒間の中間セットを施した。次いでグラフト率に見合う薬剤量を用い、ナトリウム塩化処理を行い、湯洗した。その後、脱水乾燥し、１６０℃で６０秒間の仕上げセットを行ない、生成りのスムース編地を得た。
【００３１】
紡績糸、生地は以下の条件で測定、評価した。
（１）糸毛羽数：１０ｍ当りの毛羽長さ１ｍｍ以上３ｍｍ未満、及び３ｍｍ以上の毛羽個数を示す。測定器は敷島紡績社製Ｆ−１インデックステスターを使用した。
（２）公定水分率： JIS L １０９５に準拠した。
（３）耐光堅牢度： JIS L ０８４２紫外線カーボンアーク灯光試験（第３露光法）に準拠した。
（４）寸法変化率： JIS L １０１８ F-1法（スクリーン乾燥）に準拠した。
（５）抗ピリング性：ＪＩＳＬ１０７６ A法（ＩＣＩ型５時間）に準拠した。
（６）風合：５人のパネラーによる触感判定に拠った。
○：ソフトでドライ感に優れる、 ○△ ：若干ヌメリ感がある、
×：ヌメリ感が強い、又は粗硬感が強い。
（７）総合評価欄の○は良、○△やや良、 ×は不良を意味する。
【００３２】
【表１】

【００３３】
実施例１、２、６は、芯部にグラフト重合加工繊維を、鞘部に未処理の原綿を多くを配するようなスライバー混綿をおこなったものである。実施例１〜６は、いずれも比較例３のリング紡績糸に比べ抗ピリング性が優れている。紡績方法による毛羽の少なさが寄与しているものと考えられる。
比較例２、３は、公定水分率が高いが、湿潤時のヌメリ感があり、着用感が悪く、また寸法変化率が高く、ポリエステルの特徴である寸法安定性に欠けるものである。それに対し、実施例１〜６は、いずれも未処理原綿を混用したり、グラフト重合加工繊維を紡績糸の内層部に多く配する構造にすることで吸湿性を損うことなく、湿潤時にもヌメリ感を感じさせずにドライ感を付与することで着用時の快適性を高め、実用的な耐光堅牢度を得ることを可能にしている。
【００３４】
実施例５は、更にマルチフィラメントで紡績糸表面を覆う構造にすることで同様の効果を得るものである。実施例５は、実施例１のスライバー混綿を用い、結束紡績糸４０番手を紡出し、該紡績糸に５５T、３６フィラメントY型断面（異型度２．０、酸化チタン含有率０．４質量％）の仮撚加工糸をヘバーライン社製ノズル（Ｐ１３３型）を使用し、フィラメントをフィード率＋０．４％、紡績糸をフィード率−０．２％、エア圧４．０ｋｇ／ｃｍ²、速度２００ｍ分で交絡させ、交絡紡績糸とした。交絡度８２個／ｍで２９番手相当の交絡紡績糸である。該交絡紡績糸は、比較的フィラメントで覆われた形態の紡績糸で、フィラメントと紡績糸の光沢差の少なく、毛羽の少ない均斉な外観を呈した。また、グラフト重合加工繊維の混率が４３．６％で、該繊維の多くが該紡績糸の内層部に配された構造を有するものであった。実施例１〜４と同様の染色、ナトリウム塩化処理、仕上げを行なった結果、湿潤時でもドライ風合で快適性に富む生地に仕上がった。
【００３５】
比較例４は、実施例と比較し、毛羽長さ１ｍｍ以上の毛羽数が２５個と激減しているがシャリ味の強い硬い風合の生地であり、湿潤時においてもヌメリがあり、硬く、好ましいものではなかった。実施例６は、毛羽数が他の結束紡績糸水準より多いが、比較例３のリング紡績糸に比較し著しく少なく、編地はソフトでクッション効果を有し、抗ピリング性も４級と良好であった。
【００３６】
比較例５は、繊維断面形状を丸としたのみ以外は実施例３と同一条件で編地を得た。風合は乾燥時でも丸断面特有のヌメリのあるフラットな手触りで、Ｙ型のみで構成された実施例３のヌメリのないサラッとした手触りや軟らかなクッション効果のある風合とは異なるものであった。
【００３７】
実施例７は、５５番手の結束紡績糸を染色チューブにソフト巻（巻密度０．２６ｃｍ³／ｇ）し、オーバーマイヤーにてグラフト重合加工し、ナトリウム塩化処理後の吸湿率が４．０％であるグラフト重合加工紡績糸とした。該紡績糸はグラフト重合加工後には４９番手相当の質量になっていた。該紡績糸に８４T、４８フィラメント丸断面仮撚加工糸を用いる以外は実施例５と同一条件にてフィラメント混繊を行なった。該紡績糸は２９番手で、交絡度が７８個／ｍ、グラフト重合加工繊維混率が５９％の比較的フィラメントで表面が覆われた糸形態を示した。実施例１〜５と同様の編み立て、染色、ナトリウム塩化処理を行ない、仕上げた。該生地の公定水分率は２．４％であった。洗濯後の寸法変化率はコース、ウェルが夫々−２．９％、−１．６％、風合は乾燥湿潤時ともヌメリがなく良好で、抗ピリング性は５級、耐光堅牢度は４級で十分な実用性能を有するものであった。
【００３８】
【発明の効果】
本発明によれば、吸湿性を有する２成分複合紡糸繊維を用いることなく、グラフト重合加工された単成分ポリエステル繊維を用い、かつエア交絡紡績糸としているため、吸湿性が高く、かつ従来のグラフト重合繊維の欠点であった湿潤時の寸法不安定性やヌメリ風合が改善でき、同時に抗ピル性に優れたポリエステル系短繊維織編物を得ることが可能である。また、特定断面形状のポリエステル繊維を用いることでエア交絡紡績糸の硬さを改善でき、ソフト風合を有する織編物が得られる。その結果、ポリエステルの特性を損うことなく十分な吸湿性と抗ピル性とを有し、ソフトなポリエステル短繊維織編物を得ることが可能であり、本発明は、ピリングがポリエステル短繊維の用途展開を制約していたインナー及びアウター用織編物の他、タオル、芯地、マット、シーツ等のインテリア、副資材、寝装用等に広範に活用できる。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a polyester-based short fiber woven knitted fabric having both hygroscopicity and anti-pill property, and further, physical properties degradation, dimensional instability when wet, wrinkle and low drying, slime texture It is related with the technology which improves etc.
[0002]
[Prior art]
Graft polymerization is well known as a means for imparting hygroscopicity to polyester fibers (for example, Reference 1), but there are some disadvantages to be solved for practical use. That is, the graft-polymerized polyester fiber has disadvantages such as a decrease in physical properties of the dyed product, particularly a decrease in strength and wrinkles when wet, a large dimensional change rate, and a null texture. In order to overcome these disadvantages, many proposals have been made for two-component spinning in which a hygroscopic component is arranged in the core, but these also have instability of the fiber form due to swelling during washing and water absorption and dyeing quality. There is a problem in deterioration, low hygroscopicity, spinning cost, etc., and there is almost nothing that has been put to practical use for clothing.
[0003]
On the other hand, copolymerized polyester fibers obtained by copolymerizing organic sulfonate group-containing compounds, phosphorus-containing compounds, and the like are known as anti-pillar polyester fibers (for example, References 2 and 3). These are made by reducing the fiber strength in the resin, spinning and drawing processes, and further promoting the decrease in fiber strength (knot strength) under the conditions of the dyeing finishing process, making it easier to remove the fluff on the fabric surface. It is often used for rayon blended yarn fabrics. However, in such a copolymer-modified polyester fiber, particularly an organic sulfonate group-containing compound copolymer polyester fiber, a metal salt is likely to precipitate during spinning even in a general round cross-sectional fiber form, and spinning performance is improved. It is bad. Spinning of modified cross-section fibers is even more difficult. In addition, since the fiber strength is weak, the spinning property is inferior.
[0004]
Furthermore, in order to maintain a certain quality during the dyeing process, there are difficulties such as complicated process management. In the dyeing process of such a copolyester fiber, when the treatment liquid is carried out on a strongly acidic side such as pH 3-4, it is difficult to control the change of the liquid pH during the treatment and the difference between batches to the minimum. Insufficient control easily causes embrittlement and discoloration of the fabric, leading to a decrease in strength and quality of the practical fabric, and significantly impairs the product value. Further, it is disadvantageous in terms of cost in a fabric having a fiber structure that requires a long dyeing time at a high temperature in order to obtain an anti-pill property. In addition, a fabric composed of such a copolymerized polyester fiber is extremely uneconomical because it cannot be re-dyed because the dyed processed product is raised and the strength of the yarn or fabric is reduced.
[0005]
[Patent Document 1]
JP 2000-45181 (paragraph 0005, etc.)
[Patent Document 2]
JP-A-7-173718 (Claim 1 etc.)
[Patent Document 3]
JP-A-8-13274 (Claim 1 etc.)
[0006]
[Problems to be solved by the invention]
The main object of the present invention is to provide a woven or knitted fabric suitable for interior and auxiliary materials such as inner and outer woven fabrics, towels, interlinings, mats, sheets, etc., which is made of polyester short fiber. Yes, without using two-component composite spun fibers with hygroscopic properties, using fibers that have been graft-polymerized with polyester single-component spun fibers, and using air entangled spinning technology to provide both hygroscopic and anti-pill properties An object of the present invention is to obtain a soft polyester short fiber knitted fabric. Furthermore, the present invention relates to a polyester short fiber knitted fabric having both hygroscopic property and anti-pill property, which are improved in properties such as deterioration in physical properties, dimensional instability when wet, low drying property, and slime texture, which are disadvantages of graft polymerized fibers.
[0007]
[Means for Solving the Invention]
That is, this invention solves said subject by employ | adopting the following means.
(1) A polyester fiber woven or knitted fabric comprising an air entangled spun yarn containing a hydrophilic polyester graft polymerized polyester short fiber, having an official moisture content of 1.5% or more and an anti-pilling property of 3 or more.
(2) The polyester fiber woven or knitted fabric according to the first aspect, wherein the dimensional change rate according to the JIS L 1018 F-1 method is -8% to 0% for a knitted fabric and within ± 3% for a woven fabric.
(3) Air-entangled spun yarn containing short polyester fibers with hydrophilic compound graft polymerization, and 30 to 350 fluffs with a length of 1 mm or more and less than 3 mm, and less than 15 fluffs with a length of 3 mm or more per 10 m The method for producing a polyester fiber woven or knitted fabric according to 1 or 2, wherein a spun yarn is used to make a woven or knitted fabric.
(4) The polyester fiber woven or knitted fabric according to any one of (1) to (3), wherein the woven or knitted fabric is formed by using the air entangled polyester spun yarn or the air mixed yarn of air entangled spun yarn and multifilament. Manufacturing method.
(5) The polyester short fiber has at least a fineness of 1.3 dtex or more, and three or more protrusions existing on the fiber cross-section circumference are continuously present in the fiber length direction, and the degree of atypia is 1. It is 8 or more, The manufacturing method of the polyester fiber woven or knitted fabric according to any one of the first to fourth aspects.
[0008]
The present invention makes use of the anti-pill property of polyester short fiber knitted fabric and graft polymerization processing (hereinafter sometimes simply referred to as graft polymerization). Improves strength reduction when wet, dimensional stability, wrinkles, slime texture, etc. Further, the wet texture and dimensional change rate when wet are improved without losing the hygroscopicity by blending and blending with untreated polyester raw cotton or filament. Details will be described below.
[0009]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
The polyester short fibers used in the present invention are not particularly limited, and homopolymer polyesters such as polyethylene terephthalate are mainly used, as well as organic sulfonate group-containing compound copolymerized polyesters and high shrinkage for obtaining discoloration and low-temperature dyeability. Copolymer-modified polyesters such as third-component copolymer polyesters such as isophthalic acid and neopentyl glycol for obtaining properties can also be used. They may contain about 0.3% to 5.0% by weight of titanium oxide. Furthermore, kaolinite, zirconium carbide, various pigments, fine powder of charcoal such as bamboo and bincho charcoal, tourmaline, antibacterial deodorant An agent, antibacterial agent, antifungal agent and the like may be incorporated.
[0010]
In the present invention, the strength reduction due to the graft polymerization process can be utilized to develop the anti-pilling property of the polyester fiber, but the polyester fiber strength before the graft polymerization process is 3.0 cN / dtex or more, and further 4.0 cN / d It is preferably dtex or more. In the present invention, the strength of the spun yarn can be improved by the degree of graft polymerization of the graft polymerized fiber or the ratio of blended fiber with the fiber that is not graft polymerized, and the ratio of blended fiber. . Therefore, in addition to round cross-sectional shapes, there are sharp triangular shapes, Y shapes, cross shapes, star shapes, rectangular shapes, flat shapes, flat shapes with projections in part, etc. Degree of polyester can be used. In particular, in the present invention, the fineness is 1.3 dtex or more, and there are three or more protrusions continuously present on the circumference of the fiber cross section, and the degree of irregularity (ratio of major axis to minor axis) is present. It is particularly effective to use a polyester fiber having an A of 1.8 or more. This is because such fibers are more easily bulky than round cross-section fibers, and a soft fabric texture is easily obtained due to the cushion effect. The degree of profile is preferably 2.0 dtex or more and less than 3.2, and if it is less than 1.8 and 3.2 or more, the rigidity is weak even if the fineness is large, which is not suitable for the present invention.
[0011]
A fiber having a cross-sectional shape of the above-described atypical degree has a larger surface area than a round cross-section fiber, and is excellent in water absorption and quick drying. In addition, the woven or knitted fabric made of the same is superior in drying property because it has less structural water retention than that of the finely spun yarn. In the case of a knitted fabric, the fine-fine-spun yarn has a soft texture and the product tends to lose its shape, but according to the present invention, it has a characteristic that it can hold the product silhouette cleanly.
[0012]
The fineness of the polyester fiber can be selected from fine fineness of about 0.5 dtex to 5.0 dtex depending on the purpose, and if the fiber diameter is determined according to the graft rate, it can be selected. Good. When the fineness is less than 0.5 dtex, liquid passage during graft polymerization is poor, and it is difficult to obtain a uniform graft ratio, and when spinning a graft polymerized fiber, there is a tendency to increase fluff due to a decrease in fiber strength. On the other hand, if it exceeds 5.0 dtex, only a spun yarn with a thick count can be obtained, and the texture is cured, which is not preferable. The fineness after graft polymerization is preferably in the range of 1.0 dtex to 3.0 dtex in terms of texture and processability.
[0013]
In the present invention, the hydrophilic compound that is graft-polymerized on the polyester fiber is a hydrophilic group vinyl monomer or a vinyl monomer that can easily develop hydrophilicity by a simple treatment such as hydrolysis or neutralization treatment. It is a monomer having a polymerizable vinyl group in the molecular structure and having an acidic group such as carboxylic acid or sulfonic acid and / or a hydrophilic group such as a salt, hydroxyl group, ester group or amide group thereof.
[0014]
Specifically, acrylic acid monomers such as acrylic acid, sodium acrylate, aluminum acrylate, calcium acrylate, potassium acrylate, zinc acrylate, magnesium acrylate, acrylamide, 2-acrylamido-2-methylpropanesulfonic acid Methacrylic acid, allyl alcohol, sodium allyl sulfonate, sodium vinyl sulfonate, sodium methallyl sulfonate, sodium styrene sulfonate, methacrylic acid ester of polyoxymethylene, and the like can be used. These may be used alone or in combination of two or more.
[0015]
The graft polymerization process can be carried out by using a known method for polyester fibers and yarns using these monomers.
That is, a method of heat treatment by applying an aqueous processing liquid containing a hydrophilic monomer and a catalyst such as peroxide or a swelling agent or immersing in an aqueous processing liquid can be employed. An alkali metal chlorination treatment represented by sodium or the like is performed to improve hygroscopicity and water absorption.
[0016]
In the graft polymerization processing in the present invention, the monomer concentration in the working fluid is preferably in the range of 10% by mass to 40% by mass, and the graft polymerization rate is preferably 2% by mass or more and about 30% by mass or more. If it is less than 2% by mass, it is difficult to obtain a moisture absorption rate, and if it is 30% by mass or more, a high moisture absorption rate can be obtained. However, the fiber strength decreases and the water retention rate increases, wrinkles and dimensional changes during wetting increase, and the drying time increases. This is not preferable because it becomes longer and loses the wash and wear (W & W) property inherent in polyester.
In the present invention, it is preferable to set the treatment conditions such that the water content after alkali metal chlorination (20 ° C., 65% RH) is within the range of about 1.5% to 15%.
[0017]
Polyester fibers that have undergone graft polymerization can be blended and blended with polyester fibers that are not graft-polymerized, and the official moisture content required for spun yarn should be 1.5% or more. The polymerization rate and the mixing rate can be adjusted, and may be set as appropriate according to the purpose. For example, in order to use only graft polymerized fibers and make the dimensional change rate within the range of the present invention, the moisture content may be set to 5% or less. Further, when it is desired to improve the slime texture simultaneously with the dimensional change rate, 80% non-grafted polyester fibers or filaments such as high graft polymerized fibers having a moisture content of 7% or more and particularly high grade fibers such as Y type are used. It can be improved by using a blended fiber or a blended fiber containing less than mass%.
[0018]
The upper limit of the official moisture content of the woven or knitted fabric in the present invention is preferably 7%, more preferably 6%. When the official moisture content exceeds 7%, fabric shrinkage during washing or product shrinkage is large, dimensional stability may be deteriorated and wrinkle appearance may be exhibited. There is a tendency to impair the original wash and wear property. Graft polymerization requires a sufficient graft polymerization time in order to obtain an official moisture content of 1.5% or more, which is disadvantageous when performed on the fabric in terms of process or equipment, and the state of raw cotton or spun yarn Is preferably applied.
[0019]
When using graft-polymerized cotton, blend with 100% graft-polymerized polyester cotton or non-grafted cotton, or make a spun yarn of these spun yarns and non-grafted spun yarns. Is possible. Blending can be carried out by card blending, sliver blending, the Nerunoshino process, the spinning process and the like.
[0020]
The fibers to be blended may be short fibers other than polyester, but in the present invention, polyester is mainly used from the viewpoint of physical properties, W & W properties, and dyeability. The form may be round cross-section, hollow or highly irregular fiber, ultrafine fiber, cationic dyeing or atmospheric pressure dyeable fiber (cationic dye, disperse dye), pre-dyed fiber, original fiber, etc. Is possible.
[0021]
The spun yarn can be graft polymerized and used as it is, but the graft polymerized yarn and round cross section, hollow and highly unusual fiber, ultrafine fiber, false twisted yarn, cationic dyeable and normal pressure dyeable fiber Further, it is also possible to use as a structure in which multifilaments such as pre-dyed fiber and original fiber are mixed with air to cover the surface of the spun yarn with the multifilament. In this case, the blending ratio of the graft polymerized fibers is preferably 10% by mass or more and 75% by mass or less from the viewpoint of moisture absorption rate, strength, texture and dimensional stability of the spun yarn. If the graft polymerization rate is less than 10% by mass, it is necessary to carry out high graft polymerization in order to obtain a moisture absorption rate. Therefore, the fiber strength is remarkably lowered, and the fiber is dropped off by repeated washing, which is not preferable.
[0022]
In the polyester short fiber in the present invention, the appropriate number of crimps is 8 to 17 pieces / 25 mm, the fiber cut length can be from 32 mm to burr cut, and is appropriately selected according to the purpose. In general, the preferred range is preferably not longer from the number of fluffs of the spun yarn, the degree of fluff entanglement, the texture and the yarn quality, and is from 32 mm to 51 mm.
[0023]
When spinning the above polyester short fibers, high-speed air-fluid entangled yarns such as open ends and bundle spinning are used regardless of the ring spinning method. The air entangled spinning can be carried out by a known method represented by Japanese Patent Publication No. 56-31370. Unlike ring-spun yarns, these systems have an effect of suppressing yarn fluff as a structure, but have a structure in which texture hardening is inevitable. In the present invention, the spinning conditions are those that do not impair the texture, bulkiness, and pill resistance of the spun yarn, and avoid the low speed spinning speed under high air pressure where the degree of entanglement increases and the texture hardens. desirable. Further, the distribution of the graft polymerized fibers in the spun yarn may be randomly arranged, but a core-sheath structure yarn form in which a lot of graft polymerized fibers are arranged in the core part is more preferable in terms of texture and feeling of moisture absorption.
[0024]
In the present invention, the number of fluffs of the spun yarn spun in the present invention is preferably 30 to 350 fluffs per 10 m in fluff length of 1 mm or more and less than 3 mm, and 15 fluffs or less in fluff length of 3 mm or less per 10 m. More preferably, the number of each fluff satisfies 300 or less and 10 or less simultaneously. If the number of each fluff exceeds 350 and 15, it is not preferable because a sufficient anti-pilling property cannot be obtained particularly in a bulky and loose structure such as a smooth or pile structure. On the other hand, if the number of fluffs having a fluff length of 1 mm or more is less than 30, it becomes a spun yarn having a high degree of entanglement and a thin yarn diameter, which increases the anti-pill property, but is not preferable because it becomes a fabric with a hard texture inferior to the bulkiness.
The spun yarn with less fluff in the present invention can be produced by specifying the cross-sectional shape and fineness of the fiber and using a spun yarn by a high-speed air fluid.
[0025]
Next, when the woven or knitted fabric is used, in addition to using these spun yarns alone, they may be knitted and woven with other fibers as long as the characteristics of the present invention are not impaired. The present invention is effective not only in a normal woven and knitted structure such as smooth, tengu, twill and satin, but also in a woven and knitted structure having many floating structures such as kanoko, jacquard and pile.
[0026]
These fabrics employ special dyeing processes necessary for obtaining anti-pilling properties using copolyester fibers, such as high pressure for a long time in a highly acidic bath such as pH 3-4, or treatment conditions such as alkali weight loss. There is no need to set the processing conditions as usual or according to the characteristics of the unwoven fabric material. For normal polyester fiber, high pressure dyeing at 120 to 130 ° C. for 20 to 40 minutes is used, and for cationic dyeable type or normal pressure dispersion dyeable modified polyester, normal pressure of 98 to 120 ° C. or high pressure dyeing is adopted. .
[0027]
In the present invention, post-treatment treatment such as ultraviolet ray absorbent, silk protein, amino acid, chito acid treatment, water absorption / antifouling, water repellency, antibacterial deodorization, antibacterial treatment and the like may be performed. The present invention is a spun yarn with less fluff and does not require a buffing process with a fabric like conventional ring spun yarns. In addition, after the roasting, the fabric quality, the anti-pill property, and the texture may be supplementarily improved by treating with a light alkali to remove molten balls and dyeing.
[0028]
【Example】
Hereinafter, the present invention will be described by way of examples.
In both Examples and Comparative Examples, a homopolymer polyester resin (polyethylene terephthalate) was used, and after spinning at a normal melting temperature, it was produced under stretching and crimping process conditions of a stretching temperature of 190 ° C. and a crimping temperature of 110 ° C. A raw cotton having a sharp Y-shaped cross section of 38 mm (degree of irregularity 2.4) was obtained.
Murata Vortex Spinner MVS manufactured by Murata Machinery Co., Ltd. was used for air entanglement (bundling) spinning, and the spinning speed was 400 m / min in Example 6 and 200 m / min in Comparative Example 4, and the nozzle pressure was 0.45 Mpa. Spinning was performed at a spinning speed of 350 m / min. The ring spun yarn has a twist coefficient of 3.2, and both spun yarns have 30 English cotton counts.
[0029]
Graft polymerization was performed under the following conditions for both raw cotton and spun yarn. After scouring with Neugen HC 1 g / l in Overmeyer, 100% methacrylic acid 20% omf, dispersant 1.0% omf, swelling agent 1.0% omf, soda ash 0.8% omf The graft polymerization treatment was carried out at a bath ratio of 1:10 at 100 ° C. for 40 minutes. The graft rate was 16%. Thereafter, it was washed with hot water and neutralized with soda ash 4.0% omf, sodium tripolyphosphate 0.15% omf, and 70 ° C. Next, sodium chloride treatment was performed at 70 ° C. while adding sodium soda ash 12% omf and sodium tripolyphosphate 0.15% omf in three portions, followed by washing with hot water. The official moisture content of the raw cotton and spun yarn was 7.2%. Only the amount of the above-mentioned agent was changed to obtain a graft polymerized raw cotton having a graft polymerization rate of 26% and 11%. The water content after sodium chloride was 12.1% and 4.4%, respectively. These graft-polymerized raw cottons were used in the knit form after sodium chloride treatment. Table 1 shows the blending rate, knit fabric characteristics, and evaluation results of the graft-polymerized raw cotton used for the bundled spun yarn. (Omf means mass% with respect to fiber mass.)
[0030]
The spun yarn was knitted into a smooth structure (22 gauge, loop length 325 mm, 100 W), and the fabric was opened, wet-treated, dried, and subjected to intermediate setting at 180 ° C. for 40 seconds. Next, using a drug amount suitable for the graft ratio, sodium chloride treatment was performed, followed by washing with hot water. Thereafter, it was dehydrated and dried, and a finishing set was performed at 160 ° C. for 60 seconds to obtain a smooth knitted fabric.
[0031]
The spun yarn and fabric were measured and evaluated under the following conditions.
(1) Number of yarn fluff: The number of fluff per 10 m is 1 mm or more and less than 3 mm, and 3 mm or more. The measuring instrument used F-1 index tester by Shikishima spinning.
(2) Official moisture content: Conforms to JIS L 1095.
(3) Light fastness: Conforms to JIS L 0842 ultraviolet carbon arc lamp test (third exposure method).
(4) Dimensional change rate: Conforms to JIS L 1018 F-1 method (screen drying).
(5) Anti-pilling property: Conforms to JIS L 1076 A method (ICI type 5 hours).
(6) Feeling: Based on tactile sensation judgment by five panelists.
○: Soft and dry feeling, ○ △: Slightly slim,
X: Strong slimy feeling or strong hard feeling.
(7) ○ in the comprehensive evaluation column means good, ○ △ slightly good, × means bad.
[0032]
[Table 1]

[0033]
In Examples 1, 2 and 6, sliver blending was performed in which a graft-polymerized fiber was placed in the core and a large amount of untreated raw cotton was placed in the sheath. Each of Examples 1 to 6 is superior in anti-pilling property to the ring spun yarn of Comparative Example 3. It is thought that the low fluff due to the spinning method contributed.
In Comparative Examples 2 and 3, the official moisture content is high, but there is a slime feeling when wet, the feeling of wearing is bad, the dimensional change rate is high, and the dimensional stability that is characteristic of polyester is lacking. On the other hand, in Examples 1 to 6, all of untreated raw cotton was mixed, or a structure in which many graft-polymerized fibers were arranged in the inner layer portion of the spun yarn, without impairing hygroscopicity, even when wet. By giving a dry feeling without feeling slimy, it increases comfort when worn and makes it possible to obtain practical light fastness.
[0034]
In Example 5, the same effect can be obtained by further covering the spun yarn surface with a multifilament. Example 5 uses the sliver blended cotton of Example 1 and spun 40 spun yarn, and the spun yarn has a 55T, 36 filament Y cross section (degree of profile 2.0, titanium oxide content 0.4 mass%) ) Using a Heberline nozzle (P133 type), filament feed rate + 0.4%, spun yarn feed rate -0.2%, air pressure 4.0 kg / cm ² , speed 200 m The tangled spun yarn was entangled in minutes. It is a tangled spun yarn equivalent to 29th with an entanglement degree of 82 pieces / m. The entangled spun yarn was a spun yarn that was relatively covered with filaments, and exhibited a uniform appearance with little difference in gloss between the filament and spun yarn and with less fluff. Further, the blend ratio of the graft polymerized fibers was 43.6%, and many of the fibers had a structure arranged in the inner layer portion of the spun yarn. As a result of dyeing, sodium chloride treatment, and finishing in the same manner as in Examples 1 to 4, the fabric was finished in a dry texture and rich in comfort even when wet.
[0035]
Comparative Example 4 is a fabric with a hard texture that has a sharp texture but has a sharp texture when the number of fluffs having a fluff length of 1 mm or more is greatly reduced to 25 compared to the Examples, and has a slime even when wet. It was not preferable. In Example 6, the number of fluff is higher than that of the other bundle spun yarns, but is significantly less than the ring spun yarns of Comparative Example 3, the knitted fabric is soft and has a cushioning effect, and the anti-pilling property is excellent at the fourth grade. Met.
[0036]
In Comparative Example 5, a knitted fabric was obtained under the same conditions as in Example 3 except that the fiber cross-sectional shape was round. The texture is a flat hand with a slime characteristic of a round cross-section even when dry, and is different from the smooth texture and soft cushioning effect of Example 3, which is composed only of Y type. there were.
[0037]
In Example 7, the 55th bundle spun yarn was softly wound on a dyeing tube (winding density 0.26 cm ³ / g), graft polymerized by overmeier, and the moisture absorption after sodium chloride treatment was 4.0%. The graft polymerization processed spun yarn is. The spun yarn had a mass equivalent to 49th after the graft polymerization. Filament blending was performed under the same conditions as in Example 5, except that 84T, 48 filament round cross section false twisted yarn was used for the spun yarn. The spun yarn was 29th, and showed a yarn form in which the surface was covered with a relatively filament having a degree of entanglement of 78 / m and a graft polymerization processed fiber mixture ratio of 59%. The same knitting, dyeing, and sodium chloride treatment as in Examples 1 to 5 were performed and finished. The official moisture content of the dough was 2.4%. Dimensional change rate after washing is -2.9% and -1.6% for the course and well, respectively, the texture is good without any slime even when wet and dry, anti-pilling property is grade 5, light fastness is grade 4 It had sufficient practical performance.
[0038]
【The invention's effect】
According to the present invention, since a single-component polyester fiber subjected to graft polymerization is used without using a bicomponent composite spun fiber having a hygroscopic property and an air entangled spun yarn is used, the hygroscopic property is high and a conventional graft is obtained. It is possible to improve the dimensional instability and slime texture when wet, which were the disadvantages of polymer fibers, and at the same time, obtain a polyester short fiber knitted fabric with excellent anti-pilling properties. Moreover, the hardness of the air entangled spun yarn can be improved by using the polyester fiber having a specific cross-sectional shape, and a woven or knitted fabric having a soft feel can be obtained. As a result, it is possible to obtain a soft polyester short fiber woven or knitted fabric having sufficient moisture absorption and anti-pill properties without impairing the properties of the polyester. In addition to woven and knitted fabrics for inner and outer, which have been restricted in development, they can be used extensively for interiors such as towels, interlinings, mats and sheets, auxiliary materials, and bedding.

Claims

Polyester staple fibers having a fineness of 1.3 dtex or more and three or more protrusions present on the circumference of the fiber cross-section continuously in the fiber length direction and having a profile degree of 1.8 or more are hydrophilic. becomes the polyester staple fibers that do not polyester staple fiber and graft polymerization was sexually compound graft polymerization processed from the air entangled spun yarn high speed air fluid entangling, official moisture regain of 1.5% or more, Ru der pilling resistance is tertiary or Po Riesuteru fiber knitted fabric.

The air entangled spun yarn according to claim 1 and a multifilament are mixed with air, and the surface of the air entangled spun yarn is covered with the multifilament, and the official moisture content is 1.5% or more. , Polyester fiber woven fabric having anti-pilling property of 3 or higher.