JP4425975B1 - 回動装置および携帯電子機器 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】回動装置45は、第1スリーブ68および第2スリーブ69を有する第1部材51と、第1スリーブおよび第2スリーブに対して相対的に軸回動可能な軸部材87を有する第2部材52と、第2スリーブ69の母線に沿って形成された案内スリット61と、案内スリット61に収容され、軸部材87に向かって突出可能な突出部材62と、軸部材87の周方向に対して交差するとともに突出部材62に面当接可能な軸部材当接面94とを備える。
【選択図】図6
Description
すなわち、この携帯電子機器は、使用者が閉じ状態から横開き状態に移行した後、縦開き用の回動軸を中心として下筐体に対して上筐体を回動させるという本来の使用形態から逸脱した操作を行って不完全縦開き状態となった場合、横開き状態から不完全縦開き状態に移行を開始したときにスリーブから突出部材が突出することになる。
従って、このような携帯電子機器は、突出部材に直立面が干渉するため、スリーブおよび軸部材が相対的に回動できなくなり、不完全縦開き状態から正規の縦開き状態に復帰できない可能性がある。
このような本発明の回動装置においては、前述したように携帯電子機器が不完全縦開き状態となっても、復帰傾斜面により突出部材をスリーブに押し込みながらスリーブおよび軸部材が相対的に回動できるため、不完全縦開き状態から正規の縦開き状態に復帰できることになる。
図1〜図4は本発明にかかる第1実施形態の携帯電子端末である携帯端末を示す図、図5は連結部の分解斜視図、図6は回動装置の分解斜視図、図7は回動装置の断面図、図8は軸部材当接面および突出部材を示す図、図9は携帯端末が閉じた状態において軸部材当接面および突出部材と凸部57および第1凹部との関係を説明する図、図10は携帯端末が横開き状態において軸部材当接面および突出部材と凸部57および第1凹部との関係を説明する図、図11は第1係合部および第2係合部を示す分解斜視図、図12は第1スリーブおよび第2スリーブを離間配置させた理由を示す原理図、図13は復帰傾斜面の役割を説明する斜視図である。
図1〜図3に本発明の第1実施形態を示す。第1実施形態の携帯電子機器としての携帯端末10は、矩形箱状の第1筐体20と、矩形箱状の第2筐体30と、第1筐体20および第2筐体30を連結する連結部40とを有している。
この携帯端末10は、第1筐体20および連結部40が第1回動軸41を介して連結されているとともに、第2筐体30および連結部40が第2回動軸42を介して連結されている。
そして、第2筐体30における長手方向、短手方向、厚み方向は、第1筐体20における長手方向、短手方向、厚み方向と同様に称する。
マイクロフォン22は、携帯端末10を電話として使用するために縦開き状態とした際に使用者の音声を集音するためのものである。
これらの第1筐体支持部24a、24bは、第1筐体20の操作面20aと、操作面20aとは反対側の外面20bとに対して突出しない。
ワンプッシュオープナは、第1筐体20および連結部40間に掛け渡された内蔵スプリング(図示せず)を圧縮状態から伸張状態に開放させることにより、携帯端末10を閉じ状態から縦開き状態に移行させる機構である。
このため、第1筐体20は、第1回動軸41を収容するための突起を操作面20aに設ける必要性がなく、操作面20aが平坦となっている。
主表示部31は、縦開き状態および横開き状態においてゲームやTV放送の表示画面として使用される。
アンテナ37は、第2筐体30に内蔵されている。
連結部本体43は、携帯端末10が縦開き状態および横開き状態において、第1筐体20の操作面20aに対して段差等が生じることなく連続した面となる表面43aを部分的に有するとともに、表面43aとは反対側に切欠43bが形成された略円筒形状とされている。
この連結部本体43は、他方の端部43f(図5中、手前側端部)が第1筐体支持部24aに当接するとともに(図4参照)、切欠43bに第1筐体支持部24bが収容され、端部43cが第1筐体20の側端面に対して連続する状態で第1回動軸41に軸通される(図1参照)。
この連結部本体43は、携帯端末10が縦開き状態あるいは横開き状態において、第1筐体20の操作面20aに対して突出しない形状、直径寸法を有している。
なお、表面43aとしては、操作面20aの表面形状に対応して、例えば平坦面、円弧面、曲面等を例示でき、表面43aに別途表示部や操作ボタン等を配置してもよい。
第1スリーブ68および第2スリーブ69は、筐体固定部71を介して一体的に形成されている。筐体固定部71は、連結部本体43(図5参照)の外端部内にビス84で取り付けられている。
なお、第1部材51は、付勢部材54(付勢手段)により第1スリーブ68および第2スリーブ69の相対位置が変化しないような構造であれば、第1スリーブ68および第2スリーブ69を別体としてもよい。
第1凹部75および第2凹部76は、2つで一組とされ、第1スリーブ68の軸線を中心として例えば120度前後の間隔をおいて第1端面68aに設けられている(図9および図10も参照)。
スライド部材83に突出部材62および規制腕部63が設けられている。
規制突起85dは、規制腕部63に当接可能となっている。
軸部材87は、第1スリーブ68および第2スリーブ69に挿通され、第1スリーブ68および第2スリーブ69に対して相対的に軸回動可能な部材である。
この軸部材87は、ワイヤーハーネス89が挿通可能に中空状に形成され、周面87aに周方向スリット91および一対の廻り止めスリット92が形成され、第2スリーブ当接面78に対して面当接可能な軸部材当接面94(図8(A)参照)が形成されている。
図7(A)に示すように、環状部材53は、内周に一対の廻り止め突起53aが形成され、第1端面68aに対面する環状端面53bに一対の凸部57が形成されている。
廻り止め突起53aが一対の廻り止めスリット92に嵌合することで、この環状部材53を軸部材87と同期回動することが可能である。
なお、第1実施形態においては、付勢部材として皿ばねが例示されているが、本発明における付勢部材としては例えばコイルスプリング、竹の子ばね、ウェーブワッシャ等を採用してもよい。
この挿入維持手段56は、軸部材87の周面87aに設けられた周方向スリット91と、周方向スリット91に係合されるCリング部材(Eリング)96とを備える。
周方向スリット91は、軸部材87における第2スリーブ69と付勢部材54との間に対応する周面87aにおいて周方向に沿って設けられている。
これにより、環状部材53の環状端面53bを第1スリーブ68の第1端面68aに向かって付勢する付勢部材54の付勢圧力が設定値に設定される。
第2スリーブ当接面78は、第2スリーブ69における第1スリーブ68とは反対側の端部69aに、第2スリーブ69の周方向に対して交差するように設けられている。
軸部材当接面94は、第2スリーブ当接面78に面当接可能な面である。
第2スリーブ当接面78および軸部材当接面94が互いに面当接することにより、軸部材87の軸線を中心とする第1部材51および第2部材52(図5参照)の回動角度を規制するストッパである。
図8(B)に示す突出部材62は、案内スリット61に収容されて軸部材87に向かって突出可能な部材である。
この突出部材62は、その先端部が第2スリーブ69の径方向に沿う略板状であるとともに、突出方向に沿って厚み寸法が連続的に小さくなる傾斜当接面62aを備える。
案内スリット61に突出部材62を軸部材87に向かって突出可能に備えることで、突出部材62に軸部材当接面94が面当接可能となる。
規制腕部63および規制突起85bは、携帯端末10が縦開き状態において離れた状態に保持される。
よって、弾性部材64の付勢力で突出部材62が案内スリット61から軸部材87に向かって突出される。
一方、規制腕部63および規制突起85bは、携帯端末10が閉じ状態において規制突起85bが弾性部材64の付勢力に抗して規制腕部63を第1スリーブ68に押し込む。 よって、突出部材62が案内スリット61内に収納される。
ここで、携帯端末10が閉じ状態において、図9(B)に示すように、一対の第1凹部75に一対の凸部57が係合(嵌合)されている。よって、一定以上の力を加えないと、一対の第1凹部75から一対の凸部57が抜け出して横開きしないように設定できる。
これにより、図8(D)の示すように、突出部材62(傾斜当接面62a)に軸部材当接面94が面当接して軸部材87の軸線を中心とする第1部材51および第2部材52の相対的な回動を規制できる。
従って、携帯端末10が縦開き状態において横開き状態となることを防止できる。
ここで、携帯端末10が閉じ状態において、図10(B)に示すように、一対の第2凹部76に一対の凸部57が係合(嵌合)されている。よって、一定以上の力を加えないと、一対の第2凹部76から一対の凸部57が抜け出して閉じないように(元に戻らないように)設定できる。
なお、軸部材当接面94の反対側に復帰傾斜面66を設けた理由は図13で詳しく説明する。
係合爪96は、第1筐体20から第2筐体30に突出する第1突出部101と、第1突出部101に接続されて交差する方向に延びる第2突出部102とを有している。
この状態から第2回動軸42を中心として第2筐体30を横開きに回動させると、第2収容部108が第2筐体30と一体で回転して開口部108aにより係合爪96の第2突出部102を係止する。すなわち、第1係合部95と第2係合部105とが係合する。
また、閉じ状態から第2回動軸42を中心として横開きに開く際には、第2筐体30が第2回動軸42を中心として回動を開始すると、第1係合部95と第2係合部105とが係合されるので十分な強度が得られ、安定して横開きを行うことができる。
ところが、スリーブ111を短小化すると、スリーブ111の軸線と軸部材87の軸線とが傾くような外力が矢印の如く加わった場合、軸部材87に対するスリーブ111の支持力が弱く、ガタが生じ一層易くなる。
従って、本発明の回動装置45においては、軸部材87を第1スリーブ68、第2スリーブ69、環状部材53および付勢部材54に挿通させるという組立作業を容易に行えるとともに、Cリング部材96を周方向スリット91から取り外すことにより分解も容易に行えることになる。
すなわち、本発明の回動装置45においては、第1スリーブ68および第2スリーブ69の離間寸法Lを設計値の通りに維持できるため、第1スリーブ68の第1端面68aに対して環状部材53の環状端面53bが所望の付勢圧力により付勢され、これによりクリック感および回動時の回動トルクが良好になるとともに、個体差が生じることなく動作精度を高度に均一化できる。
従って、このような携帯端末10は、突出部材62に直立面が干渉するため、第2スリーブ69および軸部材87が相対的に回動できなくなり、不完全縦開き状態から正規の縦開き状態に復帰できない可能性がある。
これにより、本発明の回動装置45においては、図13(A)に示すように、携帯端末10の第2筐体30を矢印の如く横開き状態に移行した後、図13(B)に示すように、縦開き用の第1回動軸41を中心として第1筐体20に対して第2筐体30を矢印の如く不完全縦開き状態となることが考えられる。
これにより、図13(C)に示すように、第2筐体30を矢印の如く不完全縦開き状態から正規の縦開き状態に復帰できることになる。
なお、以下に説明する第2〜第4の実施形態において、前述した第1実施形態の携帯端末10と共通する部位には同じ符号を付して、重複する説明を省略することとする。
図14は第2実施形態の携帯端末に備えた付勢部材を示す断面図である。
図14に示すように、第2実施形態の携帯端末130においては、付勢部材54に代えてコイルスプリングの付勢部材131が設け、Cリング部材96が軸部材87の端部87bに設けられている。
なお、付勢部材としては、第1実施形態の皿ばねや第2実施形態のコイルスプリングに代えて、例えば竹の子ばねやウェーブワッシャ等を例示でき、使用数は任意である。
図15は第3実施形態の携帯端末に備えた環状部材およびCリング部材を示す断面図である。
図15に示すように、第3実施形態の携帯端末140においては、環状部材53が第2スリーブ69側に配置し、Cリング部材96が第1スリーブ68側に配置されている。
例えば、第1実施形態においては、携帯端末10の閉じ状態において凸部57が係合する第1凹部75と、横開き状態において凸部が係合する第2凸部とを例示したが、どちらか一方の凹部を設けることも可能である。
例えば、前述した実施形態においては、携帯電子機器として携帯端末を例示したが、この他、PDA、ノートパソコン、ゲーム機等の持ち運び可能な携帯電子機器にも適用可能である。
21 操作部
20 第1筐体
30 第2筐体
31 主表示部(表示部)
35 副表示部(表示部)
51 第1部材
52 第2部材
53 環状部材
53b 環状端面
54,131 付勢部材
55 相対角度維持手段
56 挿入維持手段
57 凸部
58 回動規制手段
61 案内スリット
62 突出部材
62a 傾斜当接面
64 弾性部材
66 復帰傾斜面
68 第1スリーブ
68a 第1スリーブの第1端面
69 第2スリーブ
69a 第2スリーブの端部
71 筐体固定部
75 第1凹部(凹部)
76 第2凹部(凹部)
78 第2スリーブ当接面
87 軸部材
91 周方向スリット
94 軸部材当接面
96 Cリング部材
Claims (5)
- スリーブを有する第1部材と、
前記スリーブに挿通され、前記スリーブに対して相対的に軸回動可能な軸部材を有する第2部材と、
前記スリーブの長手方向に沿って形成された案内スリットと、
前記案内スリットに収容され、前記軸部材に向かって突出可能な突出部材と、
前記軸部材の周方向に対して交差するとともに前記突出部材に当接可能な軸部材当接面とを備える回動装置。 - 前記軸部材に向かって前記突出部材を付勢する弾性部材を備える請求項1に記載の回動装置。
- 前記突出部材の先端部が突出方向および前記スリーブの径方向に沿う略板状であるとともに、前記突出方向に沿って厚み寸法が連続的に小さくなる傾斜当接面を備える請求項1または請求項2に記載の回動装置。
- 前記軸部材の周方向に対して交差するとともに前記軸部材当接面とは反対側に復帰傾斜面を備える請求項1ないし請求項3のうちのいずれかに記載の回動装置。
- 操作部が設けられた第1筐体と、
表示部が設けられた第2筐体と、
前記第1筐体および前記第2筐体を連結するための連結筐体と、
前記第1筐体と前記連結筐体とを連結するために、前記操作部が設けられた操作面と、
前記操作面とは反対側の面との間に配置された第1連結軸と、
前記第2筐体と前記連結筐体とを連結するために配置された第2連結軸と、を備え、
前記第1筐体および前記第2筐体が積層された閉じ状態において、前記連結筐体の表面が前記第1筐体の前記操作面に連続するとともに、前記連結筐体の表面と前記第2筐体の前記表示部が設けられた表示面とが対面し、
前記閉じ状態から前記第1連結軸を中心として前記第1筐体および前記第2筐体が相対的に回動する縦開き状態において、前記連結筐体の表面が前記第2筐体の前記表示面に対面した状態で前記連結筐体が回動するとともに、前記連結筐体の表面と前記操作面とが互いに異なる方向を向き、
前記閉じ状態から前記第2連結軸を中心として前記第1筐体および前記第2筐体が相対的に回動する横開き状態において、前記連結筐体の表面が前記第1筐体の前記操作面に連続するとともに、前記連結筐体の表面と前記第2筐体の前記表示面とが互いに異なる方向を向く携帯電子機器において、前記第2連結軸に請求項1ないし請求項4のうちいずれか1項に記載の回動装置とを備え、前記連結筐体に前記回動装置の第1部材が固定され、前記第2筐体に前記回動装置の第2部材が固定されていて、前記第1筐体には上記突出部材の前記軸部材との係合を制御する係止部を設けた携帯電子機器。
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