(実施形態1)
本発明の一実施形態について図1〜図8に基づいて説明する。
本実施の形態にかかるプリンタ装置100は、外部から取得したカラー画像データ(以下、画像データと称す)に基づいて、シートにカラー画像を印刷するものである。
図2は、本実施の形態に係るプリンタ装置100における画像データの流れの一例を説明する図である。
図2に示すように、本実施の形態に係る印刷装置100は、画像データ入力装置21,画像処理装置22,画像メモリ23,印刷制御装置(プリンタコントローラ(データ提供装置))24,および印刷処理装置(プリンタエンジン(情報処理装置))25を備えている。
上記画像データ入力装置21は、印刷原稿をCCDセンサによって読取り、画像データを生成するものである。画像データ入力装置21は、取得した画像データをR・G・B表色系で画像処理装置22に送信する。
この画像処理装置22は、画像データ入力装置21から入力された画像データに対して画像処理を行うものである。ここで画像処理とは、原稿画像をより忠実に再生する、あるいは使用目的に応じて加工するための処理であり、例えば、色補正、変倍,フィルタ処理等が行われる。また、画像処理装置22は、入力された画像データを印刷処理装置25によって印刷処理可能とするために、R・G・B表色系からY(イエロー)・M(マゼンタ)・C(シアン)・K(ブラック)表色系に変換する。そして、画像処理装置22は、Y・M・C・Kの表色系に変換された画像データそれぞれを画像メモリ23に記憶させる。
なお、特にY、M、C、Kごとの色成分の画像データに区別して説明する必要がある場合以外は、単に画像データと称する。一方、各色成分ごとに画像データを区別する必要がある場合、ブラック色成分の画像データをDAT_K、シアン色成分の画像データをDAT_C、マゼンタ色成分の画像データをDAT_M、イエロー色成分の画像データをDAT_Yとする。
上記画像メモリ23は、読み書き可能な記録媒体であって、例えば、DRAMまたはハードディスクなどの外部記憶装置である。
上記印刷制御装置24は、画像メモリ23に記憶されている画像データを読み出し、印刷処理装置25に出力するとともに、この印刷処理装置25に指示して印刷処理を制御するものである。
印刷処理装置25は、印刷制御装置24から入力された画像データに基づき、上記印刷制御装置24からの指示に応じて印刷処理を行うものである。以下にこの印刷処理装置25の構成について説明する。
(印刷処理装置の構成)
ここで、図3を参照して上記印刷処理装置25の構成に関する詳細な説明をする。
図3は、本実施の形態に係る印刷処理装置25の概略構成の一例を示した断面図である。この図に示すように、上記印刷処理装置25は、画像形成ステーション90、シート搬送路S、転写搬送ベルトユニット8、定着ユニット12、用紙搬送路S、給紙トレイ10および排紙トレイ15・33を備えている。
給紙トレイ10は、画像を印刷するためのシートを蓄積するトレイである。また、排紙トレイ15・33は、印刷済のシートを載置するためのトレイである。そして、排紙トレイ15は本印刷装置の上部に設けられており、この排紙トレイ15上に印刷済みのシートがフェイスダウンで載置される。一方、排紙トレイ33は本印刷装置の側部に設けられており、印刷済みのシートをフェイスアップで載置するものである。
シート搬送路Sは、給紙トレイ10のシートを、転写搬送ベルトユニット8や定着ユニット12を経由させて排紙トレイ15・33に搬送するための、Sの字形状の搬送路である。そして、シート搬送路Sの近傍には、ピックアップローラ16、レジストローラ14、搬送方向切換えガイド34、シートを搬送するための搬送ローラ17が配されている。
ピックアップローラ16は、給紙トレイ10の端部に備えられ、給紙トレイ10からシートを1枚毎にシート搬送路Sに供給する呼び込みローラである。
搬送ローラ17は、シートの搬送を促進・補助するための小型のローラであり、シート搬送路Sに沿って複数設けられている。搬送方向切換えガイド34は、印刷済のシートを排出する先である排紙トレイ15・33を切換えるためのものであり、シート搬送路Sにおける定着ユニット12の下流側に、側面カバー35に回転可能に設けられている。
そして、このガイド34は、実線で示す状態で、シートを排紙トレイ15に排出させる一方、破線で示す状態に回転することにより、排紙トレイ33にシートを排出できるようになっている。なお、排紙トレイ15に排出される場合には、シートは、定着ユニット12と側面カバー35,搬送切換えガイド34の間に形成される搬送部S´(シート搬送路Sの一部)を通る。
レジストローラ14は、シート搬送路Sを搬送されているシートをいったん保持するものである。そして、感光体3上のトナー像をシートに良好に多重転写できるように、感光体3の回転にあわせて、シートをタイミングよく搬送する機能を有している。
すなわち、レジストローラ14は、図示しないレジスト前検知スイッチの出力した検知信号に基づいて、各感光体3上のトナー像の先端をシートにおける画像形成範囲の先端に合わせるように、シートを搬送するように設定されている。
定着ユニット12は、加熱されたヒートローラ31および加圧ローラ32を有している。ヒートローラ31は、図示しない温度検出値に基づいて、所定の温度になるように設定されている。また、ヒートローラ31および加圧ローラ32は、トナー像が転写されたシートを挟んで回転し、トナー像をシートに熱圧着させる機能を有している。
画像形成ステーション90は、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、およびイエロー(Y)の各色を用いて多色画像を形成するものである。また、この画像形成ステーション90は、上記各色に応じた4種類の潜像を形成するように、各色に対応した、露光ユニット(1a・1b・1c・1d)、現像器(2a・2b・2c・2d)、感光体(3a・3b・3c・3d)、クリーナユニット(4a・4b・4c・4d)、および帯電装置(5a・5b・5c・5d)を備えている。
なお、上記a、b、c、および、dは、それぞれ、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、および、イエロー(Y)に対応するものである。
なお、以下では、特に色ごとに区別して説明する必要がある場合以外、各色に応じて設けられている露光ユニット(1a・1b・1c・1d)、現像器(2a・2b・2c・2d)、感光体(3a・3b・3c・3d)、クリーナユニット(4a・4b・4c・4d)、および帯電装置(5a・5b・5c・5d)をまとめて、それぞれ露光ユニット1、現像器2、感光体3、クリーナユニット4、帯電装置5と称する。
露光ユニット1は、発光素子をアレイ状に並べたELD(electro luminescent display)やLED(light emitting diode)等の書込みヘッド、または、レーザ照射部と反射ミラーとを備えたレーザスキャニングユニット(LSU)である。また、露光ユニット1は、外部から入力される画像データに応じて感光体3を露光することにより、この感光体3上に、画像データに応じた静電潜像を形成する機能を有している。
現像器2は、感光体3上に形成された静電潜像を、上記した各色のトナー(K、C、M、Y)によって顕像化するものである。
クリーナユニット4は、感光体3上の表面に形成された静電潜像が現像され、さらに顕像化された像がシート等に転写された後に、感光体3上に残留したトナーを除去および回収するものである。
帯電装置5は、感光体3の表面を、所定の電位に均一に帯電させるものである。
転写搬送ベルトユニット8は、感光体3の下方に配置されている。また、転写搬送ベルトユニット8は、転写ベルト7、転写ベルト駆動ローラ71、転写ベルトテンションローラ73、転写ベルト従動ローラ(72・74)、転写ローラ6(6a・6b・6c・6d)、および転写ベルトクリーニングユニット9を備えている。なお、以下では、各色に対応した4つの転写ローラ(6a・6b・6c・6d)をまとめて転写ローラ6と称する。
転写ベルト7は、シートを吸着して搬送するものである。なお、この転写ベルト7は、感光体3に接触するように設けられている。そして、転写ベルト7に吸着されて搬送されるシート上に、感光体3にて形成された各色のトナー像を順次転写することによって、多色トナー像が形成される。
転写ベルト駆動ローラ71、転写ベルトテンションローラ73、転写ローラ6、および転写ベルト従動ローラ(72・74)等は、転写ベルト7を張架し、この転写ベルト7を矢印B方向に回転駆動させるものである。
転写ローラ6は、転写搬送ベルトユニット8のハウジングの転写ローラ取付部(図示せず)に、回転可能に支持されている。
また、転写ローラ6は、直径8〜10mmの金属軸をベースとし、その表面は、EPDMや発泡ウレタン等の導電性の弾性材によって覆われている。また、上記導電性の弾性材を用いることにより、シートに対して、トナーの帯電極性とは逆極性の高電圧を均一に印加することができる。
これにより、感光体3に形成されたトナー像を、転写ベルト7上のシートに転写することが可能となる。
転写ベルトクリーニングユニット9は、転写ベルト7に直接転写することにより付着した、色重ね調整用のトナーおよびプロセス制御用のトナーを除去および回収する。また、転写ベルトクリーニングユニット9は、感光体3との接触によって転写ベルト7に付着したトナーを除去および回収する。
ここで、上記印刷処理装置25における印刷動作について説明する。
本実施の形態に係る印刷処理装置25に、印刷制御装置24から画像データが入力されると、入力される画像データに応じて、色重ね調整等により求められた調整位置に画像が形成されるように、露光ユニット1が感光体3の表面を露光し、この感光体3上に静電潜像が形成される。
この静電潜像は、現像器2によってトナー像に現像される。一方、給紙トレイ10に蓄積されたシートは、ピックアップローラ16によって、一枚ずつに分離され、シート搬送経路Sに搬送され、レジストローラ14にて一旦保持される。
また、レジストローラ14は、不図示のレジスト前検知スイッチの検知信号に基づいて、感光体3上のトナー像の先端を、シートの画像形成領域の先端に合わせるように搬送のタイミングを制御し、シートを感光体3の回転にあわせて転写ベルト7へ搬送する。そしてこのシートは、転写ベルト7上に吸着されて搬送される。
感光体3からシートへのトナー像の転写は、転写ベルト7を介して感光体3に対向して設けられている転写ローラ6によって行われる。転写ローラ6には、トナーとは逆極性を有する高電圧が印加されており、これによって、シートにトナー像が印加される。転写ベルト7によって搬送されるシートには、各色に応じた4種類のトナー像が順次重ねられる。
その後、シートは定着ユニット12に搬送され、熱圧着によってシート上にトナー像が定着される。そして、搬送切換えガイド34によって、搬送路の切換えが行われ、排紙トレイ33、あるいは、シート搬送経路S’を経て排紙トレイ15へ搬送される。
シートへの転写が終了すると、クリーナユニット4によって、感光体3に残留したトナーの回収・除去が行われる。また、転写ベルトクリーニングユニット9は、転写ベルト7に付着したトナーの回収・除去を行って、一連の画像形成動作を終了する。
また、本実施の形態に係る印刷処理装置25は、画像データの入力開始時期、すなわち、感光体3への露光開始時期を示す同期信号を印刷制御装置24に出力するように構成されている。そして、この同期信号に応じて、印刷制御装置24は画像データを印刷処理装置25に出力する。
上記同期信号には、図4に示すように搬送されてきたシートに対する副走査方向(シートの搬送方向と同軸方向の走査方向)の露光開始時期を示す垂直同期信号(VSYNC)および主走査方向(副走査方向に対して直角な方向)の露光開始時期を示す水平同期信号(HSYNC)の2種類がある。なお、図4は、用紙の搬送方向と感光体3への露光方向(主走査方向および副走査方向)との関係を示す図である。
すなわち、図5に示すように、シートの搬送路において感光体3a〜3dそれぞれの上流側にVSYNCセンサ59a〜59dが備えられている。そして、搬送されたシートがこのVSYNCセンサ59a〜59dそれぞれを通過した際に、垂直同期信号(VSYNC_K〜VSYNC_Y)として検出し、これら検出した信号を印刷制御装置24にそれぞれ出力する。図5は、本実施の形態に係る印刷処理装置25に備えられた各VSYNCセンサ59a〜59dから印刷制御装置24に出力される垂直同期信号を説明する概略図である。
なお、各色成分に対応する感光体3a〜3dの上流側で検出された各垂直同期信号それぞれを区別して説明する必要がない場合以外は、単に垂直同期信号とする。一方、上記垂直同期信号を各色成分ごとに区別して説明する必要がある場合、ブラック(K)色成分に対応する垂直同期信号をVSYNK_K、シアン(C)色成分に対応する垂直同期信号をVSYNC_C、マゼンタ(M)色成分に対応する垂直同期信号をVSYNC_M、イエロー(Y)色成分に対応する垂直同期信号をVSYNK_Yとする。
ところで、本実施の形態に係る印刷処理装置25では、図5に示すように各色成分に対応する感光体3a〜3dおよび露光ユニット1a〜1dが設けられており、これら感光体3a〜3dは、それぞれ、シートの搬送経路上に一定間隔で配置されている。このため、各感光体3a〜3dにおいて露光されるタイミングは各感光体3a〜3dにおいてそれぞれ異なることになる。
つまり、上記感光体3a〜3dそれぞれに対して、上記VSYNCセンサ59a〜59dが備えられており、各感光体3a〜3dに対応する垂直同期信号(K_VSYNC〜Y_VSYNC)それぞれは異なるタイミングでVSYNCセンサ59a〜59dによって検出され印刷制御装置24に入力される。
また、本実施の形態に係る印刷処理装置25には、各感光体3a〜3dを走査する露光ユニット1a〜1dそれぞれのレーザを検出する走査検出センサ(不図示)がさらに備えられている。そして、これら走査検出センサは、各露光ユニット1a〜1dからのレーザを検出すると、この検出結果を水平同期信号(K_HSYNC〜Y_HSYNC)としてそれぞれ印刷制御装置24に出力する。
そして、上記印刷制御装置24は、受信した上記垂直同期信号および水平同期信号に応じて、各色に対応する画像データ(K_DAT〜Y_DAT)を印刷処理装置25から出力されるクロックに同期させて該印刷処理装置25に出力する。
(印刷制御装置の概略構成)
次に本実施の形態に係る印刷制御装置24の構成について図1および図8を参照して説明する。
なお、この図1は、本実施の形態に係る印刷制御装置24の画像データの転送サイズの変更処理を説明する機能ブロックの一例を示す図である。また、図8は、本実施の形態に係る印刷制御装置24の概略構成の一例を示す図である。
本実施の形態に係る印刷制御装置24は、図8に示すように、DMAコントローラ(DMAC)53、ビデオコントローラ55、CPU60、ROM61、調停部62、CPUインターフェイス63、ROM(Read Only Memory)コントローラ(ROMC)64、USB(Universal Serial Bus)インターフェイス(USB I/F)66、およびPCI(Peripheral Component Interconnect)インターフェイス(PCI I/F)67、SDRAM(Synchronous DRAM)51、およびSDRAMコントローラ(SDRAMC)52を備えている。
また、図8に示すように、SDRAMC52、DMAC53、ビデオコントローラ55、CPU I/F63、ROMC64、USB I/F66、およびPCI I/F67がシステムバス68に接続されている。
上記ビデオコントローラ55は、CPU60からの印刷開始指示に応じて、DMAC53に対して、画像メモリ23に記憶された画像データを自身に転送するように指示する一方、転送された当該画像データを印刷処理装置25に出力するものである。なお、ビデオコントローラ55は、各色成分の画像データごとにバッファ54a〜54d(後述)を備えており、これらバッファ54a〜54dに記憶された画像データを印刷処理装置25に出力する。
上記DMAC53は、ビデオコントローラ55からの転送指示に応じて、画像メモリ23に記憶された画像データを該ビデオコントローラ55にDMA転送するものである。
すなわち、DMAC53は、ビデオコントローラ55からの転送指示に応じて、調停部62に対して、システムバス68の使用権をCPU60に要求するように指示する。そして、DMAC53は、CPU60からシステムバス68の使用権を認められた場合、画像データを、システムバス68を介して画像メモリ23からから読み出し、一旦自身が備えるバッファに一時記憶した後、システムバス68を介してビデオコントローラ55に転送する。
また、DMAC53は、画像メモリ23からビデオコントローラ55に画像データを転送する際、一回の転送における転送サイズを、後述する転送サイズ変更指示部57からの指示に応じて変更することができる。なお、この転送サイズの変更処理に関する説明は後述する。また、これ以降では、DMAC53による画像データの転送において、1回の転送で転送される画像データのデータ量を画像データの転送サイズと称する。
上記調停部62は、CPU60や、DMAC53からのシステムバス68の使用要求を受けて、それぞれに対し使用許可を与える。
PCI I/F67は、汎用バス、外部バスとのインターフェイスであり、例えばNIC(ネットワークインターフェースカード)を介してネットワークと接続される。
また、USB/IF66は、本実施の形態に係る印刷制御装置25とUSB接続可能な、外部に設けられたPCなどからの入力データを受けるインターフェイスである。
上記ROM61は、CPU60によって実行されるプログラムを記憶している読み出し専用のメモリである。
CPU60は、CPU I/F63を介してシステムバス68を使用して、上記印刷制御装置24の各部材の各種制御を行うものである。また、ROMC64は、ROM61に記憶されているプログラムをCPU60からの指示に応じて、SDRAMC52を介してSDRAM51に読み出す。CPU60は、SDRAM51に読み出されたプログラムを実行することによって上記各種制御を実現する。
すなわち、図1に示すように上記CPU60は、機能ブロックとして、転送サイズ制御部80を含んでいる。また、この転送サイズ制御部80は、VSYNC検出部58、転送量算出部56、転送量設定部76、転送終了判定部77、および転送サイズ変更指示部57を有する。なお、これら機能ブロックは、CPU60が、上記ROM61からプログラムをSDRAM51に読み出し、該プログラムを実行することで実現される。
上記VSYNC検出部58は、印刷処理装置25が備えるVSYNCセンサ59から入力された色成分ごとの垂直同期信号を検出するものである。このVSYNC検出部58は、垂直同期信号を検出すると、この検出した旨を転送サイズ変更指示部57に通知する。
転送サイズ変更指示部57は、転送終了判定部77またはVSYNC検出部58から送信された通知に基づき、DMAC53に画像データの転送の開始、画像データの転送サイズの変更、および画像データの転送の終了を指示するものである。
例えば、VSYNCセンサ59aから上記VSYNC検出部58が、VSYNC_Kを受信すると、VSYNC_Kを受信した旨、転送サイズ変更指示部57に通知する。転送サイズ変更指示部57は、この通知を受信するとDMAC53にDAT_Kの転送を指示する。このようにして、転送サイズ変更指示部57は、DMAC53に色成分ごとの画像データの転送を指示する。
ところで、本実施例では、K、C、Mの画像データ(DAT_K、DAT_C、DAT_M)の転送がそれぞれ実行されている状態で、さらに垂直同期信号(VSYNC_Y)をVSYNC検出部58が検出し、この検出した旨を転送サイズ変更指示部57に通知すると、転送サイズ変更指示部57は、DMAC53に、DAT_Yの転送を開始するように指示するとともに、転送サイズの変更を指示するように構成されている。
また、上記転送サイズ変更指示部57は、DMAC53に画像データの転送サイズの変更を指示した後に、転送終了判定部77からDAT_Kの転送が終了した旨の通知を受信すると、変更していた画像データの転送サイズを初期設定の転送サイズに変更するようにDMAC53に指示する。
なお、DMAC53が転送する画像データのデータサイズの変更処理についての詳細については後述する。
上記転送量算出部56は、印刷原稿の原稿サイズ(出力用紙サイズ)から画像データのデータ量を算出するものである。具体的には、印刷処理時において、ユーザによって外部入力設定部18によって設定された原稿サイズ(出力用紙サイズ)と、印刷処理装置25の解像度の設定とに基づき、画像データのデータ量を算出することができる。例えば、上記原稿サイズがA4サイズ、印刷処理装置の解像度を600dpi(dot per inch)とする。この場合、A4サイズは、210mm×297mmであるため、これを1インチ≒25mmとしてドット換算すると、5040×7128ドットとなる。このようにして、上記転送量算出部56は、画像データのデータ量を算出する。
転送量設定部76は、上記転送量算出部56によって算出された画像データを示すドットサイズをビデオコントローラに55に対して設定するものである。なお、後述するが本実施の形態に係る印刷制御装置24では、各色成分(Y、M、C、K)の画像データごとに該画像データを転送する転送サイズの変更を判定する構成である。
このため、色成分ごとに画像データのデータ量を示すドットサイズが設定される。なお、このドットサイズの設定は、ビデオコントローラ55が備える不図示のレジスタ(主走査サイズレジスタおよび副走査レジスタ)に、印刷原稿に対する主走査方向のドットサイズと副走査方向のドットサイズとに分けて設定されることで実現される。
上記転送終了判定部77は、画像メモリ23からビデオコントローラ55への画像データの転送の終了を判定するものであり、該画像データの転送が終了したと判定した場合、転送サイズ変更指示部57に転送が終了した旨を通知する。
また、図1に示すように、上記したビデオコントローラ55は、バッファ54および転送カウンタ78を備えている。
上記バッファ54は、画像メモリ23から転送された画像データを一時記憶するものであり、ビデオコントローラ55から出力される画像データの出力時における待ち時間を短縮したり、DMAC53によって画像メモリ23から転送された画像データのあふれを防止したりするものである。
すなわち、このバッファ54は、システムバス68におけるデータ転送率と印刷処理装置25へのデータの転送率の差を吸収するものである。
なお、このバッファ54は、色成分ごとに設けられており、色成分ごとに区別して説明する必要がある場合は、DAT_Kを記憶するものをバッファ54a、DAT_Cを記憶するものをバッファ54b、DAT_Mを記憶するものをバッファ54c、DAT_Yを記憶するものをバッファ54dとして示す。
また、上記転送カウンタ78は、CPU60の転送量設定部76からの指示によって色成分ごとのドットサイズを設定し、ビデオコントローラ55から出力された画像データのデータ量をカウントするものである。なお、転送カウンタ78による、ビデオコントローラ55から出力される画像データ量のカウントは以下のように行われる。
すなわち、印刷処理の開始に伴い、画像データが画像メモリ23からビデオコントローラ55に転送されると、このビデオコントローラ55は、バッファ54に蓄積された画像データを色成分ごとに印刷処理装置25に出力していく。
この画像データの出力時に、上記転送カウンタ78は、上記設定されたドットサイズから出力された画像データのデータ量だけ減らしていく。この転送カウンタ78は、上記設定されたドットサイズが0になったら、その旨を転送終了判定部77に通知する。
転送終了判定部77は、上記設定されたドットサイズが0になったら旨の通知を転送カウンタ78から受信すると、当該画像データの転送が終了したと判定する。
なお、本実施の形態に係る印刷制御装置24では、上記転送カウンタ78は、ビデオコントローラ55に備えられている構成であるが、この転送カウンタ78は、上記機能ブロックとしての転送サイズ制御部80に含まれていてもよい。この場合は転送量算出部56、転送量設定部76、転送終了判定部77、および転送カウンタ78によって検出手段を実現することができる。
また、逆に、ビデオコントローラ55が、上記転送サイズ制御部80が備える各部をさらに有する構成であってもよい。
なお、上記CPU60が機能ブロックとして、転送サイズ制御部81の各部とともにビデオコントローラ55が有する転送カウンタ78を備える場合、転送サイズの設定の変更、バッファの空き容量に対して設定された閾値など容易に変更することができるという利点がある。
ここで、上記した印刷制御装置24の構成において、入力された画像データに基づく印刷処理開始に伴う一連の処理の流れを説明する。
まず、例えば、外部入力設定部18によってユーザから印刷処理の指示を受信すると、上記CPU60は、ビデオコントローラ55に印刷命令を指示する。ビデオコントローラ55は、CPU60から印刷命令を受けると、DMAC53に対して画像データの転送要求を指示する。
DMAC53は、ビデオコントローラ55からの転送要求指示に応じて、調停部62に対して、システムバス68の使用権を要求する。上記調停部62が、DMAC53からの要求を認める場合、DMAC53は、転送サイズ変更指示部57から入力された垂直同期信号に応じて、画像メモリ23に記憶された画像データの転送を開始させる。
すなわち、DMAC53による、色成分ごとの画像データの転送開始は、シートの転送経路上に備えられたVSYNCセンサ59a〜59dにおいて、色成分ごとに検出される垂直同期信号の入力に応じて行われる。
例えば、VSYNCセンサ59aから印刷制御装置24にVSYNC_Kが入力されると、VSYNC検出部58がこの入力され垂直同期信号(VSYNC_K)を検出する。そして、VSYNC検出部58は、転送サイズ変更指示部57に対して、この垂直同期信号(VSYNK_K)を検出した旨通知する。
一方、転送サイズ変更指示部57は、VSYNC検出部58から入力された垂直同期信号(VSYNC_K)に応じて、DMAC53にK色成分に対応する画像データの転送を開始するように指示する。一方、この指示に応じて、DMAC53は、画像データを画像メモリ23からシステムバス68を介して読み出し、該システムバス68を介してビデオコントローラ55に転送する。
また、このビデオコントローラ55は、画像メモリ23から転送された画像データをバファリングしながら印刷処理装置25に出力する。
なお、ビデオコントローラ55から印刷処理装置25に画像データが出力されている間、上記したように、転送カウンタ78は、上記設定されたドットサイズから印刷処理装置25に出力される画像データ量分を減じていき、印刷処理装置25へ出力される画像データ量をカウントしている。
また、本実施の形態に係る印刷制御装置24における画像データの流れは図6に示すようになる。すなわち、画像メモリ23に記憶されている画像データは、色成分ごとに、DMAC53内のバッファに一時記憶(バッファリング)され、システムバス68を介してビデオコントローラ55に向けて転送される。転送された画像データは、ビデオコントローラ55において色成分ごとに設けられたバッファ(K色成分)54a、バッファ(C色成分)54b、バッファ(M色成分)54c、バッファ(Y色成分)54dに一時記憶される。なお、画像メモリ23からビデオコントローラ55への一回の転送時に転送される画像データの転送サイズは、本実施例では初期設定時では32バイトに設定されている。
印刷処理開始後は、ビデオコントローラ55は、バッファ54a〜54dに一定量以上の空き領域が発生するごとにDMA転送要求をDMAC53に出力する。このようにして、印刷制御装置24では、DMAC53が画像メモリ23に記憶された画像データをビデオコントローラ55に補充しながら転送を繰り返す。
また、ビデオコントローラ55は、バッファ54に一時記憶されている画像データを印刷処理装置25に出力し、該印刷処理装置は、入力された画像データに基づき、1または複数頁分の印刷原稿に対する印刷処理を行う。
なお、DMAC53は、画像データのDMA転送中はシステムバス68の使用を占有しており、画像データの転送終了するたびに調停部62にシステムバス68の使用終了を通知し、システムバス68を開放する。
ところで、本実施の形態に係る印刷制御装置24では、画像データの転送開始時では、各色成分の画像データごとに32バイトで転送するように構成されている。このため、転送する画像データの種類(色成分)が増えると各色成分の画像データの転送間隔が大きくなる。したがって、結果的にバッファ54に転送された画像データよりも、ビデオコントローラ55によって印刷処理装置25に出力する画像データの量の方が大きくなり、印刷処理が正常に行えない、いわゆるアンダーランエラーが生じる場合がある。
そこで、本実施の形態に係る印刷制御装置24では、ビデオコントローラ55から出力すべき画像データのデータ量とビデオコントローラ55に既に転送されている画像データ量との関係から、DMAC53が1回の転送によって転送できる画像データのデータサイズを変更できるように構成されている。
以下において画像データの転送サイズの変更処理について図7を参照して説明する。この図7は、本実施の形態に係る印刷制御装置における、各色成分ごとの垂直同期信号の入力タイミングと各色成分ごとの画像データの転送期間と、転送される画像データのデータ量と1回のDMA転送によって転送される画像データのデータサイズとの対応関係を示す図である。
(画像データの転送サイズの変更処理)
本実施の形態に係る印刷処理装置25では、上記したように各色成分に対応する感光体3a〜3dおよび露光ユニット1a〜1dが設けられており、これら感光体3a〜3dは、それぞれ、シートの搬送経路上に一定間隔で配置されている。このため、各感光体3a〜3dにおいて露光されるタイミングは、搬送されたシートの移動に応じて感光体3ごとにずれることになる。
また、同様に搬送されたシートがVSYNCセンサ59a〜59dを通過するタイミングはそれぞれ異なるため、各感光体3a〜3dに対応する垂直同期信号(VSYNC_K〜VSYNC_Y)それぞれは異なるタイミングでVSYNCセンサ59a〜59dによって検出され、印刷制御装置24に入力される。
そこでまず、印刷処理装置25においてシートが搬送され図7に示すT1のタイミングでVSYNC_KがVSYNC検出部18によって検出され、転送サイズ変更指示部57にこの検出した旨の通知がなされる。
この通知を受信すると、転送サイズ変更指示部57は、DMAC53に対して画像メモリ23に記憶されている画像データのうち、DAT_Kの転送を開始するように指示を出す。そして、DMAC53は、この転送サイズ変更指示部57から受信した指示に応じて、画像メモリ23からDAT_Kを読み出し32バイトずつビデオコントローラ55に転送する。この動作は、他の色成分の画像データ(DAT_C〜DAT_Y)についても同様にして行われる。
なお、図7において各データ転送開始位置に対応して階段状に増加している、データ転送量として示している図は、ビデオコントローラ55に転送する画像データのデータ量の変化を示している。そして、全ての色成分(K〜Y)に対応する感光体3a〜3dすべてで露光行われている期間、すなわち、DAT_Yの転送が開始されてから、DAT_Kの転送が終了する時点までの期間が、転送する画像データのデータ量が最大となる。
また、図7において転送サイズとして示されているデータ量の大きさは、1回のDMA転送によって画像データが転送される転送サイズを示している。
すなわち、図7に示すように本実施の形態に係る印刷制御装置24では、DAT_Yの画像データの転送開始が始まるまで、DAT_K〜DAT_M各々は32バイトで転送されており、DAT_Yの画像データの転送が開始されると、ビデオコントローラ55に転送される上記転送サイズは128バイトに変更される。
この転送サイズの変更は、印刷処理装置25においてシートが移動し、VSYNCセンサ59を通過する度に、VSYNC_K、VSYNC_C、VSYNC_M、VSYNC_Yの順番で垂直同期信号がVSYNC検出部58によって検出され、転送サイズ変更指示部57にこの検出した旨通知される。
転送サイズ変更指示部57は、上記したように各色成分に対応する垂直同期信号に応じて、DMAC53に当該各色成分の画像データの転送開始を指示する一方、4番目の垂直同期信号、すなわちVSYNC_Yが検出された旨の通知を受けた場合、DMAC53に、DAT_Yの転送開始を指示するとともに、転送サイズを32バイトから128バイトに変更するように指示を出す。
そして、この転送サイズ変更指示部57からの変更指示に応じて、DMAC53は、画像メモリ23に記憶されている各画像データのビデオコントローラ55への転送サイズを一律に32バイトから128バイトに変更する。
ところで、上記したように、本実施の形態に係る印刷制御装置24では、転送カウンタ78によって、ビデオコントローラ55から出力される画像データ量をカウントするように構成されている。すなわち、ビデオコントローラ55の転送カウンタ78には、色成分ごとに画像データ量を示すドットサイズが設定されており、転送カウンタ78は、ビデオコントローラ55から印刷処理装置に出力される度に、出力された画像データ量分を、この設定されたドットサイズから減算している。そして、該ドットサイズが0になった場合、転送カウンタ78は、転送終了判定部77にその旨を通知するように構成されている。
そこで、画像データ(DAT_K)用に設定されたドットサイズが0となった場合、転送カウンタ78は、その旨を転送終了判定部57に通知する。転送終了判定部57は、この転送カウンタ78からの通知に応じて、転送サイズ変更指示部57にDAT_Kの転送が終了した旨通知する。
この転送終了判定部77からの通知に応じて、転送変更指示部57は、DMAC53にDAT_Kの転送が終了した旨通知するとともに、128バイトに変更された画像データの転送サイズを、初期設定の32バイトに変更するように指示する。
このように、本実施の形態に係る印刷制御装置では、ビデオコントローラ55から出力する画像データのデータ量が最大となる期間で、DMA転送する画像データのデータサイズを128バイトに変更している。このため、ビデオコントローラ55から出力すべき画像データのデータ量に対して、バッファ54に一時記憶されている画像データのデータ量が不足してしまい、いわゆるアンダーランエラーが生じることを防ぐことができる。
また、本実施の形態に係る印刷制御装置24は、ビデオコントローラ55から出力される画像データ量が最大となる期間のみ、DMA転送する画像データサイズを128バイトとする。このため、DMAC53がシステムバス68を占有する時間を常に大きくする必要がないため、CPU60の処理効率を高めることができる。
(実施形態2)
次に、実施形態2として、上記した実施形態1とは別の検出データに基づき画像データの転送サイズの変更を行う印刷制御装置24について図9および図10を参照して説明する。
なお、図9は、本実施の形態に係る印刷制御装置24における、各色成分ごとの画像データの転送タイミングと各バッファ54a〜54dに一時記憶されている画像データのデータ量の状態との対応関係を示す図である。また、図10は本発明の別の実施形態に係る印刷制御装置75における、画像データの転送サイズの変更処理に関わるCPU60の機能ブロックの一例を示す図である。なお、このCPU60の機能ブロックは、実施形態1と同様に該CPU60がROM61に記憶されたプログラムをSDRAMに読み出し実行することで実現できる。
また、図10に示すように本実施の形態に係る印刷制御装置75が備えるCPU60の機能ブロックは、実施形態1に示した印刷制御装置24の構成と比較して、以下の点で異なる。
すなわち、上記印刷制御装置24は、CPU60の機能ブロックとして、転送サイズ制御部80が備える、転送量算出部56、転送量設定部76、および転送終了判定部77の代わりに、本実施の形態に係る印刷制御装置75では、CPU60の機能ブロックとして、バッファ監視部70を備えている点で異なる。
また上記印刷制御装置24では、ビデオコントローラ55が転送カウンタ78を備えているのに対し、本実施の形態に係る印刷制御装置75では、転送カウンタ78に代えてストックカウンタ79を備える点で異なる。
なお、本実施の形態に係る印刷制御装置75において実施形態1に示す印刷制御装置24と同じ部材には、同じ符号を付しその説明は省略する。
上記バッファ監視部70は、ビデオコントローラが備えるバッファ54の記憶領域における空き容量を監視するものである。このバッファ監視部70は、後述するストックカウンタ79によってカウントされたバッファ54a〜54dそれぞれの記憶領域における空き容量に基づき、この空き容量が所定の閾値以上であるか否かを監視する。
そして、バッファ監視部70は、上記バッファ54a〜54dそれぞれにおいて、記憶領域における空き容量が閾値以上である状態が、所定期間継続すると、その旨転送サイズ変更指示部69に通知する。
また、上記所定の閾値とは、ビデオコントローラ55によって出力される画像データが不足しない範囲で認められる空き容量であり、この空き容量が所定の閾値を上回る期間が継続すると、出力手段によって出力すべきデータ量分のデータが上記記憶装置に記憶されていないこととなる。
また、上記所定期間は、バッファ監視部70による監視結果の信頼性を高めるために予め設定されている期間であって、例えばDMA転送の1サイクル分の期間であってもよい。
すなわち、この所定期間は、バッファ54の記憶領域においてたまたま一瞬だけ上記空き容量が閾値よりも大きくなってしまうような場合を排除するために設けられている。
上記ストックカウンタ79は、バッファ54a〜54dそれぞれの記憶領域における空き容量をカウントするものであり、バッファ54a〜54dそれぞれにおいて、どれだけの画像データが格納されているかをカウントする。このカウントされた結果は、バッファ監視部70に通知される。
なお、このストックカウンタ79は、CPU60がプログラムを読み出して実行できる上記機能ブロックとして、転送サイズ制御部81に含まれていてもよい。
なお、本実施の形態に係る印刷制御装置75では、転送サイズ制御部81がバッファ監視部70、転送サイズ変更指示部69を備える構成であるが、これら各部をビデオコントローラ55がさらに備える構成であってもよい。
しかしながら、本実施例のように上記各部がCPU60の機能ブロックとして、転送サイズ制御部81の各部を備える場合、転送サイズの設定の変更、バッファの空き容量に対して設定された閾値など容易に変更することができるという利点がある。
なお、ストックカウンタ79は、例えば以下のようにして各バッファ54a〜54dの空き容量をカウントすることができる。
ここで各バッファ54a〜54dの容量を1KBとすると、これらバッファ54a〜54dそれぞれを、例えば8ブロックに分割する。すなわち、この分割された1ブロックは128バイトとなる。
バッファ54に対する画像データの転送が開始され、1ブロック分の画像データの転送によって蓄積された画像データがバッファ54に蓄積されると、上記ストックカウンタ79は、「+1」をカウントする。一方、1ブロック分の画像データがバッファ54から印刷処理装置25に出力されると、ストックカウンタ79は「−1」をカウントする。なお、印刷処理開始前では、上記ストックカウンタは0に設定されている。
(画像データの転送処理)
ここで、本実施の形態に係る印刷制御装置75における画像データの、画像メモリ23からビデオコントローラ82への転送処理について説明する。
ところで、本実施形態に係る印刷制御装置75は、Y・M・C・Kの各色成分ごとに複数の画像データを印刷処理装置に出力するように構成されている。
すなわち、各色成分ごとの画像データの転送開始タイミングは、印刷処理装置25における露光ユニット1a〜1dのそれぞれの配置関係に応じて、異なることとなる。
また、この画像データそれぞれの転送開始タイミングは、本実施例においても、実施形態1と同様に、各色成分ごとの垂直同期信号の受信に応じて決定する。すなわち、上記した実施形態1と同様に、VSYNC検出部58が垂直同期信号を検出すると、その旨転送サイズ変更指示部69に通知する。この通知に応じて、転送サイズ変更指示部69は、DMAC53に画像データの転送開始の指示を行う。
また、上記ストックカウンタ79は、例えば以下のようにして各バッファ54a〜54dの空き容量をカウントし、バッファ監視部70は各バッファ54a〜54dの空き容量を監視することができる。
すなわち、各バッファ54a〜54dの容量を1KBとすると、これらバッファ54a〜54dそれぞれを、例えば8ブロックに分割する。すなわち、この分割された1ブロックは128バイトとなる。
ここで、バッファ54に対する画像データの転送が開始され、1ブロック分の画像データの転送によって蓄積された画像データがバッファ54に蓄積されると、上記ストックカウンタ79は、「+1」をカウントする。一方、1ブロック分の画像データがバッファ54から印刷処理装置25に出力されると、ストックカウンタ79は「−1」をカウントする。なお、印刷処理開始前では、上記ストックカウンタは0に設定されている。
すなわち、印刷処理の開始に応じて、画像メモリ23から画像データが32バイトごとにDMAC53によってビデオコントローラ55に転送される。この転送が4回行われると転送された画像データは、128バイトになるため、上記ストックカウンタ79は、「+1」をカウントする。そして、画像データの転送が続行され、バッファ54において、画像データが蓄積され空き容量がない状態(「FULL」の状態)となる(すなわち、上記カウントが「+8」)と、バッファ監視部70は、該バッファ54が「FULL」の状態である旨、転送サイズ変更指示部69に通知する。
上記転送サイズ変更指示部69は、上記「FULL」の状態である旨の通知を受信するとDMAC53に対して画像データの転送を中止するように指示する。
一方、ビデオコントローラ82から画像データが印刷処理装置35に、上記バッファ54から128バイト分、画像データが出力されると、上記ストックカウンタ79は「−1」をカウントし、カウント数が「+7」となった旨、バッファ監視部70に通知する。このようにストックカウンタ79のカウント数が「+8」の状態、すなわち「FULL」の状態でなくなると、上記バッファ監視部70は、DMAC53に画像データの転送開始を指示する。
このようにして、バッファ54の容量の状態が「FULL」の状態となるようにする。
ところが、上記ビデオコントローラ82から印刷処理装置25に対して出力される画像データは、印刷処理装置における露光ユニット1a〜1dの露光開始にともない、増加していくこととなる。このため、DMAC53から転送され、バッファ54に格納される画像データ量が、該バッファ54から印刷処理装置25に出力される量よりも小さくなり、このバッファに格納された画像データの量が不足する事態に陥る。
そこで、本実施の形態に係る印刷制御装置75は、以下のようにして画像メモリ23からビデオコントローラ82が備えるバッファ54に転送する画像データの転送サイズを変更するように構成されている。
以下において、本実施の形態に係る印刷制御装置75において、画像データの転送サイズの変更処理について図9を参照して説明する。なお、この図9は、本実施の形態に係る印刷制御装置75における、各色成分の垂直同期信号の入力タイミングと各色成分ごとの画像データの転送期間と、転送された画像データがバッファ54a〜54dに記憶されている状態との対応関係を示す図である。
(画像データの転送サイズの変更処理)
印刷処理装置25においてシートが搬送され、印刷制御装置75において、図9に示すT2のタイミングでVSYNC_KがVSYNC検出部58に入力され検出されると、VSYNC検出部58は、この検出した旨を転送サイズ変更指示部57に通知する。転送サイズ変更指示部57は、この通知をVSYNC検出部58から受信すると、DMAC53にDAT_Kのビデオコントローラ55への転送開始を指示する。この動作は、他の色成分の画像データ(DAT_C〜DAT_Y)についても同様にして行われる。
ここで図9において、バッファ状態(K色)〜(Y色)として示される図は、バッファ54a〜54dにおいて記憶されているDAT_K〜DAT_Yのデータ量を示している。
例えば、DAT_Kの転送が開始されバッファ54aに、転送されたDAT_Kが記憶され、バッファ54aの記憶領域には空き容量のない、すなわちフル(FULL)の状態となる。そして、プリンタコントローラ55から印刷処理装置25にDAT_Kが出力されるにつれ、バッファ54aの記憶領域には空き容量が生じてくるが、また、DAT_Kが画像メモリ23からバッファ54aに転送されてくるため、再度、バッファ54aの空き容量がFULLの状態になる。この状態がしばらく続いた後、次に、T3のタイミングでVSYNC_Cが、DMAC53に入力されると、DAT_Cの転送も開始される。
このように、DAT_Cの転送が開始されると、DAT_Kの転送サイクルの間隔が大きくなり、画像メモリ23からバッファ54aに転送されたDAT_Kのデータ量よりも、プリンタコントローラ55によって出力されるDAT_Kのデータ量の方が大きくなり、バッファ54aの記憶領域における空き容量が大きくなっていく。
さらに、T4のタイミングでVSYNC_Mが、DMAC53に入力され、DAT_Mの転送が開始されると、DAT_Kの転送サイクルの間隔がさらに大きくなり、結果としてバッファ54aの記憶領域における空き容量がますます大きくなる。
このように、他の色成分の画像データの転送開始に伴い、バッファ54aの記憶領域の空き容量が大きくなり、所定の閾値を越える状態に達するようになる。そして、バッファ54aの記憶領域における空き容量が、一定期間αの間、閾値を越えた状態が継続すると、上記空き容量が一定期間αの間、継続して閾値を越えた旨を示す情報をバッファ監視部70が、転送サイズ変更指示部69に通知する。
転送サイズ変更指示部69は、このバッファ監視部70からの通知に応じて、DMAC53に、DATA_Kのデータ転送サイズを32バイトから128バイトに変更するように指示を出す。
そして、DMAC53は、この指示に応じて、DAT_Kのビデオコントローラ55への転送サイズを128バイトに変更する。
なお、他の色成分の画像データ(DAT_C〜DAT_Y)についても、上記したDAT_Kと同様に、バッファ54b〜54dの記憶領域における空き容量が閾値を一定期間継続して超える場合、画像データの転送サイズが32バイトから128バイトに変更する。
画像データの転送サイズを32バイトから128バイトに変更した後、バッファ54に転送された画像データが無くなると、バッファ監視部70は、転送サイズ変更指示部69に対して該バッファ54に画像データがなくなった旨通知する。
転送サイズ変更指示部69は、このバッファ監視部70からの通知に応じて、DMAC53に転送サイズを128バイトから32バイトに変更するように指示を出す。そして、DMAC53は、この転送サイズ変更指示部69からの指示に応じて、転送サイズを初期値の32バイトに設定を変更する。
つまり、本実施の形態に係る印刷制御装置75では、バッファ54に記憶された画像データがなくなった時点で画像データの転送が終了したことを認識し、転送サイズを128バイトから初期値の32バイトに設定変更する構成である。
なお、画像データの転送の終了は、このようにバッファ54に記憶された画像データがなくなった時点と判断する構成の代わりに、実施形態1の印刷制御装置24と同様に、転送量算出部56、転送量設定部76、転送カウンタ78、および転送終了判定部77を備え、各色成分ごとの画像データのデータ量から各画像データの転送期間を算出して転送終了を判断する構成であってもよい。
以上のように、本実施の形態に係る印刷制御装置75は、転送された各色成分の画像データそれぞれが一時記憶されるバッファ54a〜54dの空き容量の状態を監視し、各色成分の画像データごとに転送サイズを変更することができる。このため、上記印刷制御装置は、プリンタコントローラ55によって出力される画像データが不足しないように、確実に画像データの転送を実行することができる。
また、本実施の形態に係る印刷制御装置75は、各色成分の画像データごとに、各バッファ54a〜54dの空き容量の状態に応じて転送サイズを変更する構成である。すなわち、印刷制御装置75は、転送開始時では例えば、32バイトなどの必要最小限の小さな転送サイズで画像データの転送を行い、DMAC53によってシステムバス68が占有される時間を低減させておく。一方、印刷制御装置75は、ビデオコントローラ55から出力される画像データが不足しないように必要に応じて画像データの転送サイズを例えば128バイトの大きなサイズに変更する。このため、印刷制御装置75は、画像データの転送処理に際してDMAC53がシステムバスを占有する時間を必要最小限に抑えることができる。
したがって、本実施の形態に係る印刷制御装置75は、画像データの転送処理時にDMAC53によって占有されるシステムバス68の時間を必要最小限とすることができるため、画像データの転送時におけるCPU60の処理効率の低下を改善することができる。
なお、上記した印刷制御装置24または印刷制御装置75では、DMA転送される画像データの転送サイズを32バイトと128バイトの2種類のサイズを切り換えて変更する構成であるがこれに限定されるものではない。
実施形態1の印刷制御装置24の場合、VSYNC検出部58がVSYNC_K、VSYNC_Cを検出した際、転送サイズ変更指示部57が転送サイズを32バイトから64バイトに変更するようにDMAC53に指示する。そして、VSYNC検出部58がVSYNC_M、VSYNC_Yを検出した場合、転送サイズ変更指示部57が転送サイズを64バイトから128バイトに変更するように指示する構成であってもよい。
実施形態2の印刷制御装置75の場合では、バッファ54の空き容量に対して複数の閾値が設定されており、上記空き容量が各閾値を越える度にバッファ監視部70から空き容量が、どの段階の閾値を越えたかを転送サイズ変更指示部69に通知し、この通知に応じて転送サイズ変更指示部69がDMAC53に対して転送サイズの設定を例えば64バイト、あるいは128バイトというように変更指示する構成であってもよい。
すなわち、ビデオコントローラ55から印刷処理装置25に出力される画像データのデータ量とCPU60が行う各種処理の数や種類等とを考慮し、適切に転送サイズの変更タイミングおよび変更サイズを決定することが好ましい。
なお、上記印刷制御装置24または印刷制御装置75において、転送サイズ制御部80または転送サイズ制御部81の各部がCPU60によって実現される場合、このCPU60による指示は、ROM61や不図示のRAMなどの記憶手段に記憶されたプログラムを実行し、CPU I/F63を制御することにより実現することができる。また、上記プログラムをリムーバブルな記録媒体に記録することにより、任意のコンピュータ上で上記の各種機能および各種処理を実現することができる。
この記録媒体としては、マイクロコンピュータで処理を行うために図示しないメモリ、例えばROMのようなものがプログラムメディアであっても良いし、また、図示していないが外部記憶装置としてプログラム読取り装置が設けられ、そこに記録媒体を挿入することにより読取り可能なプログラムメディアであっても良い。
また、何れの場合でも、格納されているプログラムは、マイクロプロセッサがアクセスして実行される構成であることが好ましい。さらに、プログラムを読み出し、読み出されたプログラムは、マイクロコンピュータのプログラム記憶エリアにダウンロードされて、そのプログラムが実行される方式であることが好ましい。なお、このダウンロード用のプログラムは予め本体装置に格納されているものとする。
また、上記プログラムメディアとしては、本体と分離可能に構成される記録媒体であり、磁気テープやカセットテープ等のテープ系、フレキシブルディスクやハードディスク等の磁気ディスクやCD/MO/MD/DVD等のディスクのディスク系、ICカード(メモリカードを含む)等のカード系、あるいはマスクROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)、フラッシュROM等による半導体メモリを含めた固定的にプログラムを担持する記録媒体等がある。
また、インターネットを含む通信ネットワークを接続可能なシステム構成であれば、通信ネットワークからプログラムをダウンロードするように流動的にプログラムを担持する記録媒体であることが好ましい。
さらに、このように通信ネットワークからプログラムをダウンロードする場合には、そのダウンロード用のプログラムは予め本体装置に格納しておくか、あるいは別な記録媒体からインストールされるものであることが好ましい。
なお、上記した本実施例では、画像メモリ23に記憶された画像データをビデオコントローラ55に転送する処理は、DMAC53によって実行されていた。しかし、このDMAC53の代わりにCPU60が画像データの転送処理を実行している場合であっても、本実施例に示した画像データの転送サイズの変更処理は利用可能である。
すなわち、上記転送サイズ変更指示部69から画像データの転送サイズの変更指示をCPU60が受けることによって、画像データの転送サイズを変更させる。このようにして、このCPU60がCPU I/F63を介してシステムバス68を画像データの転送処理のために占有する時間を必要最小限に抑えることができる。したがって、CPU60の処理効率を向上させることができる。
なお、上記した実施形態1および実施形態2において、画像メモリ23からビデオコントローラ55・82のバッファ54までDMAC53によって、画像データがDMA転送されるように構成されていた。また、ビデオコントローラ55・82は、バッファ54に記憶された各色成分ごとの画像データを一定のデータ転送レートによって異なるタイミングで印刷処理装置25に出力していた。
しかしながら、上記DMAC53の代わりにCPU60が画像メモリ23からビデオコントローラ82まで画像データを転送するように構成されていてもよい。この場合であっても、やはりビデオコントローラ82から印刷処理装置25に出力されるデータの転送レートの変動、あるいはバッファ54に記憶されている画像データのデータ量の変動に応じてCPU60によるデータの転送レートを変更させることができるため、画像データの転送処理にかかる負荷を抑え、効率的なCPU60の処理を実現できる。
また、実施形態1および実施形態2では、バッファ54がビデオコントローラ55・82に含まれる構成であったが、これに限定されるものではなく、ビデオコントローラ55・82とバッファ54とは別々に設けられていても良い。
また、ビデオコントローラ55が備える転送カウンタ78、またビデオコントローラ82が備えるストックカウンタ79はそれぞれハードウェアによって構成されているが、これらの各機能を実現する機能ブロックとして転送サイズ制御部80・81に含まれるものであってもよい。