JP4425493B2 - ハニカム成形用口金の作製方法、及びハニカム成形用口金の作製装置 - Google Patents

ハニカム成形用口金の作製方法、及びハニカム成形用口金の作製装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ハニカム成形用口金、ハニカム成形用口金の作製方法、及びハニカム成形用口金の作製装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
製品の微細化及び高度化に対応して、それを製造する口金も複雑化かつ微細化している。特に、自動車などのハニカムは極めて複雑な構造を呈するために、それを成形するための口金などに対しては極めて高い精度が要求される。
【0003】
図1は、ハニカム成形用口金の一部を切り取って示す斜視図であり、図2は、図1に示すハニカム成形用口金部分の裏面図である。
【0004】
図1及び2に示すように、ハニカム成形用口金1は裏面側に円形導入部2を具えるとともに、正面側において角形射出部4を具えている。そして、円形導入部2と角形射出部4との間において、絞り部3を具えている。坏土は円形導入部2からハニカム成形用口金1中に導入され、絞り部3で絞り込まれた後、角形射出部4から射出されて、所定のハニカムが形成される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
坏土はハニカム成形用口金1内の円形導入部2に導入された後、所定の圧力を受けながら絞り部3及び角形射出部4内を通過して外部に射出される。したがって、坏土は円形導入部2、絞り部3、及び角形射出部4に対して相当程度の摩擦力を及ぼしながら通過することになるので、ハニカム成形用口金1を長時間に亘って使用する場合は、これら円形導入部2、絞り部3、及び角形射出部4の摩耗が問題となる。
【0006】
特に、絞り部4は円形導入部2から角形射出部3に坏土を絞り込んで送り出す部分であるため、坏土から特に大きな摩擦力を受け、摩耗が激しくなる。したがって、従来においてはハニカム成形用口金1内に耐摩耗性を向上させるべく、硼化鉄や、炭化クロム、酸化アルミニウム、炭化チタン、窒化チタン、又は炭窒化チタンなどからなる硬質膜をCVD法などでコーティングすることが試みられていた。
【0007】
しかしながら、上述した硼化鉄などはある程度の硬さを有するものの、上記ハニカム成形用口金1を長時間使用した場合においては摩耗が著しくなり、十分な耐摩耗性を付与することができないでいた。
【0008】
本発明は、長時間の使用に耐え得る高い耐摩耗性を有するハニカム成形用口金を提供するとともに、その作製方法、及び作製装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成すべく、本発明のハニカム成形用口金の作製方法は、円形導入部、角形射出部、及び前記円形導入部及び前記角形射出部との間に設けられた、前記円形導入部から導入された坏土を前記角形射出部に絞り出すための絞り部の少なくとも一部に、プラズマCVDによりダイヤモンド膜又はダイヤモンド状炭素膜を作製する方法であって、前記ハニカム成形用口金を所定のプラズマCVD装置内に配置するとともに、前記ハニカム成形用口金の長手方向前後において圧力差を生じさせ、プラズマ反応ガスを前記圧力差に応じて前記ハニカム成形用口金内に流入するようにすると共に、前記ハニカム成形用口金の前記長手方向において所定の磁場を生じさせ、前記プラズマ反応ガスを前記所定の磁場によって捕捉しながら前記ハニカム成形用口金内に流入し、前記ハニカム成形用口金の前記円形導入部、前記角形射出部、及び前記絞り部の前記少なくとも一部において、前記プラズマ反応ガスを化学的に合成させて前記ダイヤモンド膜又は前記ダイヤモンド状炭素膜を作製するようにしたことを特徴とする
【0011】
さらに、本発明のハニカム成形用口金の作製装置は、ハニカム成形用口金の円形導入部、角形射出部、並びに前記円形導入部及び前記角形射出部との間に設けられた、前記円形導入部から導入された坏土を前記角形射出部に絞り出すための絞り部の少なくとも一部に、プラズマCVDによりダイヤモンド膜又はダイヤモンド状炭素膜を作製するための装置であって、
【0012】
所定のプラズマCVD装置に対して、前記ハニカム成形用口金の長手方向前後において圧力差を生じさせ、プラズマ反応ガスを前記圧力差に応じて前記ハニカム成形用口金内に流入するようにした圧力差生成手段を設けると共に、前記所定のプラズマCVD装置に対して、前記ハニカム成形用口金の前記長手方向において所定の磁場を生じさせ、前記プラズマ反応ガスを前記所定の磁場によって捕捉しながら前記ハニカム成形用口金内に流入させるようにした磁場生成手段を更に設けたことを特徴とする。
【0013】
本発明者らは、高い耐摩耗性を有するハニカム成形用口金を得るべく鋭意検討を実施した。そして、上述した硼化鉄などよりも硬く高い耐摩耗性を有するダイヤモンド又はダイヤモンド状炭素からなる薄膜を、ハニカム成形用口金の絞り部などに形成することを試みた。高い高度を有する良質のダイヤモンド膜などを作製するに際しては、プラズマCVD法などの手段を用いる必要がある。
【0014】
このプラズマCVD法は、所定の原料ガスをマイクロ波、あるいは高周波などによって励起してプラズマ化し、このプラズマ化した反応ガス(以下、「プラズマ反応ガス」という)を所定の基材上に導入し、そこで化学的な合成を行わせることによって目的とする薄膜を作製するものである。したがって、プラズマCVD法を用いてハニカム成形用口金の絞り部などに上記ダイヤモンド薄膜を作製するに際しては、プラズマ反応ガスを前記絞り部内に導入する必要がある。
【0015】
しかしながら、ハニカム成形用口金の円形導入部などは1mm程度の大きさしか有さないため、従来のプラズマCVD法では、十分な量のプラズマ反応ガスをハニカム成形用口金内の奥深くまで流入させることが極めて困難であった。このため、ハニカム成形用口金内の絞り部など所望の箇所に良質なダイヤモンド膜を十分な厚さに形成することができず、目的とする耐摩耗性を付与することができないでいた。
【0016】
そこで、本発明者らは、良質かつ十分な厚さを有するダイヤモンド膜などを形成すべく、ハニカム成形用口金内の奥深くまでプラズマ反応ガスを導入する方法を見出すべく、鋭意検討を行った。その結果、本発明のハニカム成形用口金の作製方法及びハニカム成形用口金の作製装置に従って、従来のプラズマCVD装置に圧力差生成手段を設け、ハニカム成形用口金を前記プラズマCVD装置内に設置した後、前記圧力差生成手段によって前記ハニカム成形用口金の長手方向前後において圧力差を生じさせる。
【0017】
すると、前記プラズマCVD装置内で生成されたプラズマ反応ガスは、前記圧力差に従って前記ハニカム成形用口金に導入されるために、比較的多量かつ内部の奥深くまで簡易に流入するようになる。その結果、前記ハニカム成形用口金の絞り部など所望の箇所に、比較的厚く、硬質のダイヤモンド膜又はダイヤモンド状炭素膜を簡易に形成することができる。
【0018】
本発明のハニカム成形用口金の作製方法及びハニカム成形用口金の作製装置の好ましい態様においては、上述した圧力差生成手段を具える作製装置において磁場生成手段を設け、前記ハニカム成形用口金の長手方向において所定の磁場を生じさせ、前記プラズマ反応ガスを前記所定の磁場によって捕捉しながら前記ハニカム用成形用口金内に流入させることが好ましい。これによって、プラズマ反応ガスのハニカム成形用口金内への流入割合が増大するため、前記ハニカム成形用口金内に前記プラズマ反応ガスをより効率よく導入することができる。
【0019】
さらに、本発明のハニカム成形用口金の作製方法及びハニカム成形用口金の作製装置の他の好ましい態様においては、上述した圧力差生成手段及び/又は磁場生成手段を具える作製装置において電場生成手段を設け、前記ハニカム成形用口金の長手方向において所定の電場を生じさせ、前記プラズマ反応ガスを前記所定の電場に従って前記ハニカム成形用口金内に導入することが好ましい。この場合においても、前記プラズマ反応ガスの前記ハニカム成形用口金内への流入割合が増大するため、前記ハニカム成形用口金内に前記プラズマ反応ガスをより効率良く導入することができる。
【0020】
なお、上記電場生成手段によって前記原料ガスの励起を実施し、プラズマ反応ガスを生成することもできる。この場合においては、プラズマ反応ガスを生成するために追加の励起手段を設ける必要がないため、装置全体の構成が簡易化されるとともに、薄膜作製工程を簡易化することができる。
【0021】
さらに、本発明においては、上記ダイヤモンド膜又はダイヤモンド状炭素膜をTiを含む下地膜上に形成することが好ましい。この下地膜は接着性に優れるため、上記ダイヤモンド膜又はダイヤモンド状炭素膜の、ハニカム成形用口金に対する密着性が向上する。このため、上記ダイヤモンド膜などを長時間使用した場合においても、剥離することなく前記ハニカム成形用口金に対して長期間安定して耐摩耗性を付与することができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を、図面と関連させながら、発明の実施の形態に基づいて詳細に説明する。
【0023】
図3は、本発明のハニカム成形用口金作製装置の一例を示す図である。図3に示すハニカム成形用口金作製装置は、成膜室11と、この成膜室11に接続して設けられた圧力差生成手段としての圧力調整槽12−1及びポンプ12−2と、磁場生成手段としてのコイル13と、電場生成手段としての陽極14−1及び陰極14−2とを具えている。陽極14−1は接地され、陰極14−2にはDC電源15及び高圧パルス電源16が接続されている。
【0024】
また、成膜室11には所定の原料ガスを導入するためのガス導入孔17及び成膜室11内を所定の真空度に保持するべく、排気手段としてのポンプ18が設けられている。さらに、圧力計19及び窓20が設けられ、成膜室11内の真空度及びプラズマ反応ガスの状態を常時モニターできるように構成されている。ハニカム成形用口金30は、図1及び2に示すような形態を有しており、陰極14−2の上方において固定され、設置されている。
【0025】
ハニカム成形用口金30内、すなわち、円形導入部、角形射出部、及び絞り部に対するダイヤモンド膜などの作製は以下のようにして実施する。
【0026】
最初に、成膜室11内をポンプ18によって所定の真空度まで排気した後、ガス導入孔17よりCHガスなど所定の原料ガスを成膜室11内に供給する。そして、ポンプ18による排気と相伴って、成膜室11内を所定の真空度に保持する。なお、真空度は成膜室11に設けられた圧力計19によってモニターする。
【0027】
次いで、DC電源15によって所定のDCバイアスを印加しながら、高圧パルス電源16より所定のパルス電圧を印加することによって、前記原料ガスを励起してプラズマ反応ガスを生成する。
【0028】
次いで、ポンプ12−2より圧力調整層12−1を介してハニカム成形用口金30が設置された陰極14−2周囲を排気し、ハニカム成形用口金30の長手方向Xの前後において圧力差を生じさせる。ハニカム成形用口金30の長手方向X前後における圧力差は、ハニカム成形用口金30の長手方向Xの後方部における圧力が、長手方向Xの前方部における圧力の10分の1以下、さらには100分の1以下となるように設定することが好ましい。これによって、前記プラズマ反応ガスをより効率的にハニカム成形用口金30内に導入することができる。
【0029】
具体的には、成膜室11内の圧力は約10−2Torr前後であり、ハニカム成形用口金30の長手方向Xの前方部Aの圧力も約10−2Torr前後となるので、ハニカム成形用口金30の長手方向Xの後方部Bの圧力は、約10−3〜10−4Torrになるように圧力調整槽12−1及びポンプ12−2によって制御する。
【0030】
次いで、コイル13に対して電流を流すことにより、ハニカム成形用口金30の長手方向Xにおいて所定の磁場を生成させる。この磁場は、ハニカム成形用口金30の長手方向Xと垂直なY方向において、ハニカム成形用口金30の外径又はそれより若干小さくなるように収束させることが好ましい。これによって、前記プラズマ反応ガスのハニカム成形用口金30内への流入割合をより増大させることができ、ハニカム成形用口金30内への薄膜形成をより簡易かつ効率的に実施することができる。
【0031】
また、前記所定の磁場の大きさは、ハニカム成形用口金30における円形導入部、角形射出部、及び前記絞り部の、坏土と接触する部分の最小径をrとした場合において、2.0×10−7/rT以上であることが好ましい。具体的には、前記最小径rが1.0mmである場合においては、1.0×10−4〜3.0×10−4Tであることが好ましく、さらには2.0×10−4〜3.0×10−4Tであることが好ましい。これによって、前記プラズマ反応ガスの捕捉をより効果的に実施することができ、ハニカム成形用口金30内への前記プラズマ反応ガスの流入割合が増大するため、前述したように、ハニカム成形用口金30内への薄膜形成をより簡易かつ効率的に実施することができる。
【0032】
さらに、陰極14−2から陽極14−1に向かっては、前記原料ガスを励起してプラズマ反応ガスを生成するためのDCバイアス及びパルス電圧に起因して所定の電場が生成されている。したがって、前記プラズマ反応ガスは、前記所定の電場にしたがってハニカム成形用口金30内に流入するようになる。この結果、前記プラズマ反応ガスのハニカム成形用口金30内への流入割合が増大し、ハニカム成形用口金30内への薄膜形成をより効率的に行うことができる。
【0033】
前記所定の電場の大きさは、20〜200kV/mであることが好ましく、さらには20〜100kV/mであることが好ましい。
図3に示すハニカム成形用口金作製装置においては、原料ガスからプラズマ反応ガスを生成すべく、DC電源15及び高圧パルス電源16から陰極14−2に印加される電圧値はほぼある範囲内に定められるが、この範囲内において前記電圧値を適宜に調節し、前記所定に電場の大きさが上記範囲内の値となるように設定する。
【0034】
以上説明したように、図3に示すハニカム成形用口金作製装置によれば、ハニカム成形用口金30の長手方向Xの前後において圧力差を設けるのみでなく、長手方向Xに沿って前記所定の磁場及び前記所定の電場を発生させるようにしているので、前記プラズマ反応ガスを極めて効率良くハニカム成形用口金30内に流入させることができる。したがって、ハニカム成形用口金30内、すなわち絞り部などにおいて、耐摩耗性に優れた厚く、硬いダイヤモンド薄膜又はダイヤモンド状炭素膜を形成することができる。
【0035】
なお、上述したダイヤモンド膜又はダイヤモンド状炭素膜を形成する以前に、Ti又はSiを含む下地膜をハニカム成形用口金30内に形成することが好ましい。このようなTi又はSi含有下地膜は高い接着性を示すために、上記ダイヤモンド膜又はダイヤモンド状炭素膜を高密着性の下にハニカム成形用口金30内に形成することができる。
【0036】
Ti含有下地膜としては、TiCN膜、TiC膜、TiN膜、及びTi膜を例示することができ、特にTiCN膜を用いることが好ましい。また、Si含有下地膜としては、Si膜、SiC膜、及びSi膜を例示することができ、特にSi膜を用いることが好ましい。
【0037】
これらの下地膜は図3に示すハニカム成形用口金作製装置を用い、上記ダイヤモンド膜又はダイヤモンド状炭素膜と連続して作製することができる。下地膜の作製は、上述したダイヤモンド膜などの作製手順に従って実施することができる。
【0038】
TiCN下地膜を作製するに際しては、Ti源としてTiCl4を用い、炭素源・窒素源としてCHCNを用いる。
【0039】
【実施例】
以下、実施例により本発明を具体的に説明する。
(実施例)
本実施例においては、図3に示す作製装置を用いてハニカム成形用口金内にダイヤモンド状炭素膜を作製した。なお、ハニカム成形用口金としては、内部に形成されたダイヤモンド状炭素膜の評価を容易にすべく、図4に示すような複数の円形導入部32を有する2つの部材を、互いの円形導入部32が一致するようにして重ね合わせた口金31を用いた。形成されたダイヤモンド状炭素膜の評価は、口金31を上下方向に開放することによって簡易に行うことができる。
【0040】
図5は、重ね合わせた口金31を側面側から見た場合の図である。図5から明らかなように、口金31においては上下2つの部材が重ね合わさることにより生じた間隙34から角形射出部が構成される。なお、口金31における絞り部は、円形導入部32の底面部分32Aが重ね合わさることによって形成される。
【0041】
最初に、口金31を陰極14−2の上方に固定して設置した後、成膜室11内をポンプ18によって10−5Torrの真空度まで排気した。そして、ガス導入孔17よりCHガスを20cm/minの流量で導入し、ポンプ18で排気しながら成膜室11内の圧力を3.75×10−2Torrに設定した。次いで、DC電源15及び高圧パルス電源16より陽極14−1及び陰極14−2間に1.5kVの電圧を印加し、CHガスプラズマを生成させた。なお、このとき陽極14−1及び陰極14−2間には30kV/mの電場が生成された。
【0042】
次いで、圧力調整槽12−1及びポンプ12−2を用いて口金31の長手方向Xの後方部の圧力が4.5×10−4Torrとなるようにした。さらに、コイル13に電流を流し、口金31の長手方向Xにおいて、0.01Tの磁場を発生させた。
【0043】
上述のような状態を15分間保持し、前記CHガスプラズマを口金31内に導入し、化学的な合成を行って口金31の円形導入部32、絞り部33、及び角形射出部34にダイヤモンド状炭素膜を生成した。次いで、口金31を上下方向の開放し、絞り部33に形成されたダイヤモンド状炭素膜を評価した。
【0044】
図6は、絞り部33上に形成されたダイヤモンド状炭素膜の、ラマン分光法によって測定したラマンスペクトルを示すグラフである。図6から明らかなように、約1360cm−1近傍及び約1580cm−1近傍にダイヤモンド状炭素に起因した吸収ピークが観察され、本実施例において、口金11の絞り部13には良質のダイヤモンド状炭素膜が形成されていることが分かる。
【0045】
したがって、本発明のハニカム成形用口金の作製方法及びハニカム成形用口金の作製装置によれば、実質上口金11が複数組み合わされて構成されているハニカム成形用口金に対しても、その内部の絞り部などに目的とする良質のダイヤモンド状炭素膜を形成でき、本発明の耐摩耗性に優れるハニカム成形用口金を得ることができる。
【0046】
以上、具体例を挙げながら、発明の実施の形態に基づいて詳細に説明したが、本発明は上記発明の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の範疇を逸脱しない範囲であらゆる変更や変形が可能である。
【0047】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のハニカム成形用口金作製方法及びハニカム成形用口金作製装置によれば、ハニカム成形用口金の長手方向前後に圧力差を形成し、この圧力差を利用してプラズマ反応ガスを前記ハニカム成形用口金内に導入するようにしている。したがって、前記ハニカム成形用口金の極めて小さい円形導入部などにプラズマ反応ガスを比較的多量に導入し、化学的に合成させることができる。このため、前記ハニカム成形用口金内の絞り部など所望の箇所において、高い耐摩耗性を有するダイヤモンド膜又はダイヤモンド状炭素膜を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ハニカム成形用口金の一部を切り取って示す斜視図である。
【図2】図1に示すハニカム成形用口金部分の裏面図である。
【図3】本発明のハニカム成形用口金作製装置の一例を示す図である。
【図4】本発明の実施例において用いた口金を示す斜視図である。
【図5】本発明の実施例において用いた口金の側面図である。
【図6】図4及び図5に示す口金の絞り部において、本発明のハニカム成形用口金の作製方法及びハニカム成形用口金の作製装置を用いて作製したダイヤモンド状炭素膜のラマンスペクトルを示すグラフである。
【符号の説明】
1 ハニカム成形用口金、2 円形導入部、3 絞り部、4 角形射出部、11 成膜室、12−1 圧力調整槽、12−2 ポンプ、13 コイル、14−1 陽極、14−2 陰極、15 DC電源、16 高圧パルス電源、17 ガス導入孔、18 ポンプ、19 圧力計、20 窓、 30 ハニカム成形用口金

Claims (9)

  1. ハニカム成形用口金の円形導入部、角形射出部、及び前記円形導入部及び前記角形射出部との間に設けられた、前記円形導入部から導入された坏土を前記角形射出部に絞り出すための絞り部の少なくとも一部に、プラズマCVDによりダイヤモンド膜又はダイヤモンド状炭素膜を作製する方法であって、
    前記ハニカム成形用口金を所定のプラズマCVD装置内に配置するとともに、前記ハニカム成形用口金の長手方向前後において圧力差を生じさせ、プラズマ反応ガスを前記圧力差に応じて前記ハニカム成形用口金内に流入するようにすると共に、前記ハニカム成形用口金の前記長手方向において所定の磁場を生じさせ、前記プラズマ反応ガスを前記所定の磁場によって捕捉しながら前記ハニカム成形用口金内に流入し、前記ハニカム成形用口金の前記円形導入部、前記角形射出部、及び前記絞り部の前記少なくとも一部において、前記プラズマ反応ガスを化学的に合成させて前記ダイヤモンド膜又は前記ダイヤモンド状炭素膜を作製するようにしたことを特徴とする、ハニカム成形用口金の作製方法
  2. 前記ハニカム成形用口金の前記長手方向前後における圧力差は、前記長手方向後方部の圧力を前記長手方向前方部の圧力に対して10分の1以下に設定することによって生じさせることを特徴とする、請求項1に記載のハニカム成形用口金の作製方法
  3. 前記ハニカム成形用口金の前記長手方向において所定の電場を生じさせ、前記プラズマ反応ガスを前記所定の電場に従って前記ハニカム成形用口金内に流入させるようにしたことを特徴とする、請求項1または2に記載のハニカム成形用口金の作製方法
  4. 前記所定の電場の大きさが、20〜200kV/mであることを特徴とする、請求項3に記載のハニカム成形用口金の作製方法
  5. 前記ダイヤモンド膜又は前記ダイヤモンド状炭素膜は、Tiを含む下地膜を介して形成することを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一に記載のハニカム成形用口金の作製方法
  6. 前記下地膜は、TiCNからなることを特徴とする、請求項5に記載のハニカム成形用口金の作製方法
  7. ハニカム成形用口金の円形導入部、角形射出部、並びに前記円形導入部及び前記角形射出部との間に設けられた、前記円形導入部から導入された坏土を前記角形射出部に絞り出すための絞り部の少なくとも一部に、プラズマCVDによりダイヤモンド膜又はダイヤモンド状炭素膜を作製するための装置であって、
    所定のプラズマCVD装置に対して、前記ハニカム成形用口金の長手方向前後において圧力差を生じさせ、プラズマ反応ガスを前記圧力差に応じて前記ハニカム成形用口金内に流入するようにした圧力差生成手段を設けると共に、前記所定のプラズマCVD装置に対して、前記ハニカム成形用口金の前記長手方向において所定の磁場を生じさせ、前記プラズマ反応ガスを前記所定の磁場によって捕捉しながら前記ハニカム成形用口金内に流入させるようにした磁場生成手段を更に設けたことを特徴とする、ハニカム成形用口金の作製装置
  8. 前記圧力差生成手段は、前記ハニカム成形用口金の前記長手方向後方部の圧力を前記長手方向前方部の圧力に対して10分の1以下に設定することを特徴とする、請求項7に記載のハニカム成形用口金の作製装置
  9. 前記所定のプラズマCVD装置に対して、前記ハニカム成形用口金の前記長手方向において所定の電場を生じさせ、前記プラズマ反応ガスを前記所定の電場に従って前記ハニカム成形用口金内に流入させるようにした電場生成手段を設けたことを特徴とする、請求項7または8に記載のハニカム成形用口金の作製装置
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