JP4424788B2 - 燻煙剤用容器 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、燻煙剤用容器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
燻煙剤用容器については、使用時に別の耐熱容器を使用する必要のないように工夫された二重容器、例えば実開昭57−59579号公報や登録実用新案第3014519号公報等が知られている。
しかし、前者の容器の場合には、薬剤容器と外装容器を巻き締めて固定するため、内側の薬剤容器と外装容器の間の空間が密閉され、熱せられた空気が外部に逃げないので外装容器の温度上昇が避けられない。また、後者の容器の場合には、外装容器の底面中央部の嵌合突起に薬剤容器を直接あるいは保持筒を用いて嵌合させるため、組み立て作業の能率が良いとは言えなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、かかる状況に鑑みなされたものであって、従来方法に比べ簡単にかつ効率よく組み立てることができ、しかも点火具の取付けも確実かつ簡便で、更に外装容器の温度上昇を招かず安全性の高い燻煙剤用容器を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
而して、本発明の要旨とするところは、次の点にある。
【0005】
(1)燻煙殺虫剤を充填した耐熱性の薬剤容器本体と、上蓋とからなる薬剤容器、及びこの薬剤容器を収納する耐熱性の外装容器から構成される二重構造の燻煙剤用容器において、前記薬剤容器本体の上端部を内カールに形成し、この内カール部と上蓋の周壁に設けたビード部とを嵌着させるとともに、この薬剤容器の上端部より外方に位置して形成された上蓋上端部の巻き締め部を、該外装容器の側壁上部より内方に突出した嵌合用突起に嵌合させ、かつ側壁下部にリブを付設することにより該薬剤容器の横方向への遊びを防止し、しかも外装容器の底面ならびに内壁面との間に非密閉空間を設けて該薬剤容器を収納した燻煙剤用容器。
(2)上蓋には固定具を介して筒状の点火具が装填され、しかもこの点火具に形成された溝と前記固定具の筒状部内面に設けた突起、ならびに該固定具の天面部から下向きに突設された嵌合用突起と上蓋中央部の脚立て開口部がともに嵌合により固定されている請求項1記載の燻煙剤用容器。
(3)外装容器の側壁上部より内方に突出した嵌合用突起の形状が略コの字型で、薬剤容器の上蓋上端部の巻き締め部を上下の突出部により挟持する構造であり、かつ上側の突出部が下側の突出部よりも短く、その差が、薬剤容器本体底部と上蓋上端部の巻き締め部の外径の差よりも小さい請求項1または2記載の燻煙剤用容器。
(4)薬剤容器本体と外装容器の側壁下部に設けられたリブの間に熱膨張による破損防止用の間隙を設けた請求項1〜3のいずれかに記載の燻煙剤用容器。
【0006】
【作用】
次に、本発明の作用について説明する。
組み立てに際しては、薬剤容器本体上端部の内カール部と、上蓋周壁に設けられたビード部とを嵌着固定させ、次にこの薬剤容器の上蓋上端部の巻き締め部を外装容器の側壁上部より内方に突出した嵌合用突起に嵌合し外装容器に収納する。また、この際、外装容器の側壁下部にリブを設けることにより該薬剤容器の横方向への遊びを防止し、かつ外装容器の底面ならびに内壁面との間に非密閉空間を設けて該薬剤容器を収納することができる。薬剤容器および外装容器の材質としては、耐熱性のものであれば特に制限はなく、金属製、合成樹脂製、陶器製、紙製等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0007】
また、固定具を介して筒状の点火具を薬剤容器上蓋に装着するに際しては、点火具を固定具の筒状部に挿入し、次に固定具の筒状部内面の突起と点火具に形成された溝とを嵌合させ、さらに固定具の天面部から下向きに突設された嵌合用突起と上蓋中央部の脚立て開口部とを嵌合固定する。点火具の固定具への挿入を容易にするため、例えば固定具の天面部から筒状部にかけて連続してスリットを1ヶ所設けるか、あるいは筒状部にのみ数カ所スリットを設け、該スリットを拡げて点火具を挿入するなどの方法が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0008】
外装容器の側壁上部より内方に突出した嵌合用突起は、略コの字型で、薬剤容器の上蓋上端部の巻き締め部を上下の突出部により挟持する構造であり、かつ上側の突出部が下側の突出部よりも短く、その差が薬剤容器本体底部と上蓋上端部の巻き締め部の外径の差よりも小さくするのが好ましい。これによって、薬剤容器の外装容器への挿入を容易にし、かつ嵌合の際に薬剤容器が嵌合用突起を越えて外装容器の底まで落ち込むことなく確実に外装容器に収納される。
【0009】
薬剤容器本体と外装容器の側壁下部に設けられたリブの間には、熱膨張による破損防止用の間隙を設けても良い。間隙の広さは、あまり広すぎると薬剤容器本体の横方向への遊びが起こるため、0.05mm〜1.0mm、好ましくは0.1mm程度が適当である。
【0010】
【実施例】
以下、本発明の実施例について説明する。
図1は本発明の斜視図、図2は同平面図、図3は中央縦断面図、図4は点火具の固定具部分の拡大図である。
【0011】
図中、(1)は燻煙殺虫剤の外装容器で、薬剤容器本体(2)を固定するための嵌合用突起(3)およびリブ(4)が設けられている。
【0012】
(5)は点火具(6)の固定具であり、スリット(7)を設けることにより点火具(6)の固定具(5)への挿入が容易となる。また、固定具(5)の筒状部内面に設けられた点火具固定用突起(8)は、点火具(6)に形成された溝との嵌合固定用に用いられる。なお、点火具(6)にはマッチ頭薬(9)が付着されている。
【0013】
固定具(5)にはその天面部から下向きに嵌合用突起(10)が突設されており、これは薬剤容器上蓋(11)中央部の脚立て開口部(12)と嵌合固定される。
【0014】
薬剤容器上蓋(11)は、中央部に脚立て開口部(12)を、その周辺部に噴煙孔(13)を有し、実施例では内蓋式となっている。また、上蓋(11)の周壁には薬剤容器本体(2)の内カール部と嵌着固定させるためのビード部(14)が設けられ、更に上蓋の上端部は薬剤容器の上端部より外方に位置して巻き締め部を形成している。なお、前記噴煙孔(13)の数や形状、相互の間隔、位置などは適宜決定すればよい。
【0015】
薬剤容器(2)は、上蓋(11)上端部の巻き締め部を、外装容器(1)の側面上部に数箇所付設した嵌合用突起(3)で挟持して、外装容器(1)に収納され、側面下部のリブ(4)により横ずれが防止される。これにより、薬剤容器(2)と外装容器(1)の底面ならびに内壁面との間に非密閉空間が確保されるので、外装部の温度が異常に高くなることはない。また、薬剤容器(2)とリブ(4)の間には、熱膨張による外装容器(1)の破損を防ぐため0.1mmの間隙が設けられている。嵌合用突起(3)やリブ(4)の数は特に限定されないが、通常3〜5個が適当である。
【0016】
【発明の効果】
本発明の燻煙剤用容器は、組み立てに際し、薬剤容器本体の上端部の内カール部と上蓋周壁に設けられたビード部とで両者を嵌着固定するので、薬剤容器本体として金属缶を使用する場合、汎用の既製缶を利用でき、新規の金型を必要とせず、経済的である。さらに、この薬剤容器の上蓋上端部の巻き締め部を、外装容器の側壁上部数箇所に付設した嵌合用突起で挟持することにより薬剤容器を収納し、側壁下部数カ所に設けられたリブにより薬剤容器の横方向への遊びを防いでいるので、作業が簡単で能率良く、特別な設備も必要としない。更に、外装容器との間に非密閉空間を設けて薬剤容器を収納する構成を採用しているので、薬剤容器の発熱温度が外装容器に伝導しにくく、外装容器の温度上昇を防ぐことができる。この点、熱せられた空気が外部に逃げない従来の中空密閉式の二重容器に比べて特徴的で有用性が高い。なお、点火具の固定具に嵌合固定用突起を設けることにより、固定具を介して点火具を薬剤容器上蓋に簡便かつ確実に固定することができる。
【0017】
また、外装容器の側壁上部より内方に突出する嵌合用突起の形状としては、薬剤容器の上蓋上端部の巻き締め部を上下の突出部により挟持する構造で、かつ上側の突出部が下側の突出部よりも短く、その差が薬剤容器本体底部と上蓋上端部の巻き締め部の外径の差よりも小さいものを採用すれば、薬剤容器の外装容器への挿入がよりスムーズであり、かつ確実な嵌合が可能となる。さらに、薬剤容器本体と外装容器のリブの間に間隙を設ければ、熱膨張による外装容器の破損を防止することができるので好ましい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の斜視図である。
【図2】本発明の平面図である。
【図3】本発明の中央断面図である。
【図4】本発明の点火具の固定具部分の拡大図である。
【符号の説明】
1. 外装容器
2. 薬剤容器本体
3. 嵌合用突起
4. リブ
5. 固定具
6. 点火具
7. スリット
8. 点火具固定用突起
9. マッチ頭薬
10.上蓋嵌合用突起
11.薬剤容器上蓋
12.脚立て開口部
13.噴煙孔
14.ビード部

Claims (4)

  1. 燻煙殺虫剤を充填した耐熱性の薬剤容器本体と、上蓋とからなる薬剤容器、及びこの薬剤容器を収納する耐熱性の外装容器から構成される二重構造の燻煙剤用容器において、前記薬剤容器本体の上端部を内カールに形成し、この内カール部と上蓋の周壁に設けたビード部とを嵌着させるとともに、この薬剤容器の上端部より外方に位置して形成された上蓋上端部の巻き締め部を、該外装容器の側壁上部より内方に突出した嵌合用突起に嵌合させ、かつ側壁下部にリブを付設することにより該薬剤容器の横方向への遊びを防止し、しかも外装容器の底面ならびに内壁面との間に非密閉空間を設けて該薬剤容器を収納したことを特徴とする燻煙剤用容器。
  2. 上蓋には固定具を介して筒状の点火具が装填され、しかもこの点火具に形成された溝と前記固定具の筒状部内面に設けた突起、ならびに該固定具の天面部から下向きに突設された嵌合用突起と上蓋中央部の脚立て開口部がともに嵌合により固定されていることを特徴とする請求項1記載の燻煙剤用容器。
  3. 外装容器の側壁上部より内方に突出した嵌合用突起の形状が略コの字型で、薬剤容器の上蓋上端部の巻き締め部を上下の突出部により挟持する構造であり、かつ上側の突出部が下側の突出部よりも短く、その差が、薬剤容器本体底部と上蓋上端部の巻き締め部の外径の差よりも小さいことを特徴とする請求項1または2に記載の燻煙剤用容器。
  4. 薬剤容器本体と外装容器の側壁下部に設けられたリブの間に熱膨張による破損防止用の間隙を設けたことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の燻煙剤用容器。
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