JP4423948B2 - 光散乱膜、電極基板、及び半透過型液晶表示装置 - Google Patents

光散乱膜、電極基板、及び半透過型液晶表示装置 Download PDF

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Description

本発明は、半透過型液晶表示装置で使用される光散乱膜、及びそれを用いた半透過型液晶表示装置用電極基板、並びに半透過型液晶表示装置に係わり、特に、後方散乱が少なく、角度による色味付きを抑えた光散乱膜に関する。
液晶表示装置は、電卓や腕時計に用いられているように、本来は電圧駆動で、かつ電流はほとんど必要としないために低消費電力の表示装置である。特に、モノクロで周囲光で画像を観察する反射型表示装置においては、ほとんど電力を要しないため、小さな太陽電池だけで駆動する方式、すなわち、電源を意識しない使い方がされている。
しかし、ノート型パソコンで見られるようなカラー表示を行う表示装置においては、カラーフィルタにより各画素を着色し液晶により光を変調する必要から、カラーフィルタで吸収される分光量が不足し、周囲光のみで画像を観察する反射型では、特に室内では暗くなってしまうという欠点が生じた。
透過型表示装置は、液晶パネルの観察者から見た裏側に白色光を発するバックライトを設けることにより、カラー表示でも十分明るい光量を確保している。しかしながら、バックライトによる電力消費は大きく、特に、ポータブル用途、携帯電話、ディジタルカメラ、カムコーダー、PDA、ノートパソコンでは充電池など電池駆動で使用する事が主になるため、利用時間が制限されることになり課題となった。
また、屋外で使用することも想定しなくてはならず、太陽光下など非常に明るい環境では、透過型表示装置の画像部の発光量が環境光に比較して相対的に小さくなり、また表面反射量が無視できないぐらい大きくなり、見にくくなるという問題が生じた。一方、反射型表示装置は環境が明るいほど表示特性は向上する。
カラー表示特性、消費電力削減、および全環境型の表示特性のすべてを同時に実現するために、半透過型表示装置が開発され実用域に入り、ポータブル用途の主流になりつつある。これは画素のうちの一部を反射表示に、一部を透過表示に使用するもので、反射表示部に相当する領域にのみ反射層が一対の対向基板の観察者側から見て向こう側の内面に設けられており、反射表示の時には反射板での反射により画像を観察する。
また、透過表示の時には、一対の対向基板の観察者側から見て向こう側にあるバックライトを点灯させることにより、画像を観察する。明所では反射表示で、暗所でのみバックライトを点灯して透過表示を用いるものである。このようなディスプレイでは暗所明所ともに明るい鮮明なカラー表示が可能で、明所ではバックライトを点灯する必要がなく消費電力を小さく抑えられる。
反射表示では、いずれかの層に散乱機能を持たせる必要がある。それは、特に反射層として鏡面反射板を用いた場合には、光源からの光は鏡面反射方向のみに反射され観察者に届かないからである。散乱特性は、特に反射表示では重要で、紙のような全方位均等に反射する散乱特性では、見え方に角度依存性はないものの、不要な部分にまで光を反射することになり全体として暗くなる。
表示装置においては、光源の位置と表示装置の位置を想定して、観察者の両眼に至る可能性のある範囲にのみ光量をできるだけ大きくとり、それ以外には行かないようにする設計が必要である。
その方法の一つとして、反射板の表面形状を、微少な凹凸にし、凹面鏡、凸面鏡の組み合わせにより、散乱特性すなわち反射の角度依存性を制御したものが提案されており、一
部使用されている。
これらは、金属の反射を用いるもので波長分散がなく幾何光学による設計が可能で有利ではあるが、樹脂による凹凸作製の後に金属薄膜を真空で形成し、パターンエッチング、平滑層形成、透明電極形成とパターン化、電極配線など複雑な多数回のフォトリソ工程を含まざるを得ないため、コストが高くなるという欠点を有していた。
また、対向する一対の基板の外側にあり観察者から見て手前側に散乱層を設けたものもある。たとえば、観察者側の基板と偏光板との間に設けられる接着剤層に散乱機能を持たせた、前方散乱板があるが、画像を形成する液晶層と散乱層との間に、基板の厚み、たとえばガラスにおいては0.5mm以上と画素の10倍以上の距離が生じることになり、画像のぼけが生じるという欠点を有することになる。
また、透過部と反射部からなる画像部全体に散乱層を有することになるため、透過表示での観察でも散乱層を通過した光を偏光板越しに観察することになり、コントラストの低下も課題としてあげられる。それは、散乱層によるわずかな消偏性のためである。透過表示では従来非常に高いコントラストが得られているが、黒表示でのわずかな消偏性による微少な光の漏れが、大きくコントラスト値を減じることになる。
特開平07−028055では、散乱層を対向する一対の基板の内側に設ける構造を提案している。この構造によると、凹凸構造を持つ反射板のように複雑な製造工程を経ずに、従って低コストで製造が可能で、かつ前方散乱板のように画像にぼけががない鮮明な画像が得られる。しかしながら、やはり画像部全体に散乱層が存在することになり、透過表示でのコントラストがわずかに低下するという欠点が存在した。
また、特開2000−266682には、散乱層の分散樹脂と粒子の屈折率と粒径を規定し、前方散乱強度を大きくとるとともに散乱による色付きを抑える提案をしている。しかしながら、散乱層を画像部全体に設けることを前提にしているために、後方散乱や消偏性の改善に重点を置いている。このため、反射表示での散乱強度や色味の角度依存性は、十分ではなかった。特に反射表示では、屋外で使用することが多く、特に太陽光下では平行光が光源となるため、散乱程度が大きい方が表示特性が優れており、従来のものでは不足していた。
特開平07−028055号公報 特開2000−266682号公報
本発明は、透過表示においてコントラストが高く、反射表示では光源と観察者の角度依存性が小さく優れた表示特性を有し、かつ複雑な製造工程を経ないために低コストで製造できる半透過型液晶表示装置用の光散乱膜を提供することを課題とするものである。
また、この光散乱膜を用いた電極基板、及び半透過型液晶表示装置を提供することを課題とする。
本発明は、透明樹脂と該透明樹脂中に分散された透明粒子とで構成される半透過型液晶表示装置用の光散乱膜であって、該透明樹脂と該透明粒子の波長λ(nm)での屈折率の差をΔnとし、透明粒子の平均粒径をd(μm)とすると、λとΔnとdの関係が以下の不等式を満たし、
3×10-4<Δn・d/λ<9.5×10-4
かつ光散乱膜の膜厚が、1.5μm以上5.0μm以下であり、かつ透明粒子の含有率が10容積%以上60容積%以下であり、及び該透明粒子が粒径2.0μmのメラミン粒子であることを特徴とする光散乱膜である。
また、本発明は、透明基板上に、少なくとも複数色の画素状の着色層、各画素状の着色層の反射表示領域に請求項1記載の光散乱層、透明電極を順次に積層してなることを特徴とする電極基板である。
また、本発明は、透明基板上に、少なくとも各画素の反射表示領域に対応して請求項1記載の光散乱層、各画素領域全体に複数色の画素状の着色層、透明電極を順次に積層してなることを特徴とする電極基板である。
また、本発明は、基板上に、少なくとも各画素の反射表示領域に対応して金属反射層、該金属反射層上に請求項1記載の光散乱層を順次に積層してなることを特徴とする電極基板である。
また、本発明は、基板上に、少なくとも各画素の反射表示領域に対応して金属反射層、該金属反射層上に請求項1記載の光散乱層、各画素領域全体に複数色の画素状の着色層を順次に積層してなることを特徴とする電極基板である。
また、本発明は、基板上に、少なくとも各画素の反射表示領域に対応して金属反射層、各画素領域全体に複数色の画素状の着色層、該金属反射層に対応して請求項1記載の光散乱層を順次に積層してなることを特徴とする電極基板である。
また、本発明は、光反射層が形成された基板と、該基板に対向する対向基板と、該基板と該対向基板との間に介在する液晶層とを有し、対向基板側から入射した光を上記光反射層によって反射させる反射表示領域と、基板側から入射した光を対向基板側へ透過させる透過表示領域とを有する画素がマトリクス状に複数形成された半透過型液晶表示装置において、反射表示領域に対応して請求項1記載の光散乱膜が挟持されていることを特徴とする半透過型液晶表示装置である。
以上示したように、本発明によれば、反射モードではより明るく、視野角依存性のあまりない表示特性が得られる。また透過モードでは、十分高いコントラストが得られる。また光散乱機能を持たせる部分の作製が、透明粒子含有の透明樹脂からなる光散乱層を形成するのみであるため、工程が簡単で、製造コストを抑えることが可能となる。
以下に、本発明の実施の形態を詳細に説明する。
本発明が適用される半透過型液晶表示装置は、構成要素として、二枚の透明基板、反射層、光散乱膜、着色層、透明導電層、液晶層、必要によりTFT等のスイッチング素子からなる。それぞれについてまず述べる。
透明基板としては、ガラスがもっとも適しているが、ポリエーテルサルフォン、ポリカーボネートなどの光学異方性のないプラスチック基板が適用できる。光学異方性の他に透明性や、耐熱性、耐薬品性などが必要であり、ガラスとプラスチックのハイブリッドも適用できる。
反射層としては、アルミニウムの蒸着層が、価格や反射率の優れている点で適しているが、さらに高反射率が得られる銀やその合金も使用できる。本発明の半透過型液晶表示装置では画素を透過表示領域と反射表示領域に面積的に分割しているのが特徴で、反射表示
領域のみに反射層を設ける。作製の方法は、基板に対し、反射層を蒸着等で設けた後、フォトリソグラフィ法等でパターン化するものである。
着色層は、カラーフィルタといわれる部分であり、一般的には3原色R(赤)、G(緑)、B(青)をパターン状の画素毎に塗り分けられたものである。作製の方法としては、感光性の着色レジストを用いて、フォトリソグラフィ法で行う。すなわち、全面塗布、パターン露光、現像で露光部分または非画像部分を除去し、一色の画素状の着色層を得るもので、3回繰り返して3色の画素に塗り分けを行う。また印刷法、インクジェット法などによっても作製することができる。色と色の間に黒のパターンを入れることによって、彩度向上とコントラスト向上を図ることもできる。
透明電極層は、ITO、ZnO、NESAなどをスパッタリング、蒸着などにより設ける。両基板ともに設けるが、片側、もしくは、両側を画素状に分割する必要があり、フォトレジストによるパターン作製、エッチングを行う。また半透過の反射表示領域の反射板を電極として用いることもできる。もちろんこの場合には透明である必要はない。その場合でも透過表示領域は透明電極が必要である。ここでの電極の目的は、液晶を電場により配向させることである。
実際には電極上に、配向膜を形成し、ラビングを行うことにより基板表面での、電圧無印加時の液晶分子の配向状態を制御する工程が必要となる。液晶層の形成は、後述するような構成で作製した2枚の電極基板をシール剤により所定のギャップを以って接着した後、液晶を封入する事によって行う事ができる。また液晶を滴下した後、両基板を合わせて接着する方法も採用することができる。
光散乱膜の組成としては、透明粒子を透明樹脂中に分散させて構成される。散乱の程度は、透明粒子と透明樹脂の屈折率差と粒子の径によって決定される。また層の膜厚や粒子の含有量にもよるが、パネル構成の制約から上限が決まる。屈折率差と粒子の径の関係は、屈折率差が大きいほど散乱の程度が極大となる粒子の径が小さくなり、散乱強度も大きくなる。すなわち、屈折率差が大きい組み合わせの時には、粒径が小さい側に散乱最大の粒径があり、その粒径より大きくても小さくても、散乱強度は低下する。また、このピークよりはずれた範囲であっても、膜厚や粒子含有率を上げることにより散乱性は稼げるもののパネルとしての特性、すなわち、着色、膜硬度、平滑性などが劣化してしまうとともに、光学特性においても後方散乱が増し、コントラストが低下してしまう。
粒径と屈折率差の関係は、以下の式を満たすことが必要である。
3×10-4<Δn・d/λ<9.5×10-4
さらに、好ましくは、
4.5×10-4<Δn・d/λ<8.0×10-4
であることで、散乱強度、後方散乱の少なさ、また膜厚や平滑性などが確保される。
この条件を満たす要素として、光散乱膜に用いる透明樹脂としては、例えば、アクリル系透明樹脂、フッ素系アクリル樹脂、シリコーン系アクリル樹脂、エポキシアクリレート樹脂、及びフルオレン樹脂等を使用することができる。
また、透明粒子としては、無機酸化物からなる透明粒子としては、例えば、シリカやアルミナ等からなる粒子を挙げることができる。また、樹脂からなる透明粒子としては、アクリル粒子やスチレンアクリル粒子及びその架橋体;メラミン−ホルマリン縮合物の粒子;PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、PFA(ペルフルオロアルコキシ樹脂)、FEP(テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体)、PVDF(ポリフルオロビニリデン)、及びETFE(エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体)
等の含フッ素ポリマー粒子;シリコーン樹脂粒子等を挙げることができる。
そのような樹脂の中でも、シリコーン樹脂、メラミン樹脂、及びフッ素系アクリレート樹脂等を用いることが好ましい。また、透明樹脂の多くは比較的屈折率が低いので、これらの中でも、シリカ粒子やシリコーン樹脂粒子は、屈折率が1.40〜1.45(ハロゲンランプD線589nm)と小さいため特に好適である。
上述した透明粒子には、溶剤に対する分散性を向上させる目的や、透明樹脂に対する分散性を向上させる目的で、適当な表面処理を施すことができる。そのような表面処理としては、例えば、透明粒子の表面にSiO2、ZrO2、Al23、ZnO、透明樹脂、シランカップリング剤やチタネートカップリング剤やアルミネートカップリング剤のようなカップリング剤、または界面活性剤等を塗布被覆する処理を挙げることができる。また、アルコール、アミン、または有機酸等を用いて透明粒子の表面で反応を生じさせる処理も挙げることができる。
なお、これら塗布液は、有機溶剤や、分散助剤、レベリング剤、及びカップリング剤のような添加剤を含有することができる。
また、光散乱膜は、色素を添加剤として微量に含有させることができる。この場合、透明樹脂及び透明粒子のいずれかが添加剤を含有していてもよく、或いは透明樹脂及び透明粒子の双方が添加剤を含有していてもよい。
反射層のある部分にのみ光散乱膜を設ける方法としては、スクリーン印刷のような印刷法、光散乱膜自体に感光性を持たせておき、パターン露光、現像する方法などが適用される。感光材料としては、末端にカルボン酸をもつアルカリ可溶な樹脂、例えばメタクリル酸或いはアクリル酸と各種アクリル樹脂からなるアクリル重合体、ポイミド前駆体、末端基にカルボン酸をもつフローレン樹脂等をアルカリ溶液に浸漬して散乱膜を除去することができる。また、フォトリソグラフィ法で光散乱膜を所定のパターンに形成することができる。すなわち、上記のアニオン系樹脂に、各種モノマーと、光重合開始剤とを混合物し感光性を付与し、露光、アルカリ現像のプロセスを経てパターニングすることができる。
ここで屈折率の選定には、複数の透明樹脂系の配合、および透明粒子の選定によって行うことができる。
透明樹脂の屈折率>透明粒子の屈折率の系では、透明樹脂としてはポリスチレン、フルオレン樹脂などの芳香環を含む重合体やポリイミド系樹脂が適用される。また高屈折率の樹脂と他の樹脂あるいはモノマーの配合により、適正な屈折率を得ることができる。
また、高屈折率を有する無機粒子の可視光波長の1/3以下の粒径を持つ微粒子を分散した樹脂も使用することができる。たとえば、酸化チタン微粒子を通常のアクリル樹脂に分散し高屈折率樹脂のように扱うものである。低屈折粒子としては、シリカ粒子、架橋アクリル粒子、フッ素含有アクリル系粒子、フッ素化ポリエチレン系粒子などが使用できる。
透明樹脂の屈折率<透明粒子の屈折率の系では、透明樹脂としてはアクリル系樹脂、フッ素含有アクリル系樹脂が使用できる。透明粒子としては、架橋ポリスチレン、ポリジビニルベンゼン、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン系樹脂の粒子が使用できる。また無機系としては、酸化チタン、酸化亜鉛、アルミナ、炭酸カルシウムなどが使用できる。
通常、好ましい反射光強度プロファイルを得るには、透明粒子の粒径を0.2μm以上であり且つ3.5μm未満とすることが好ましく、0.7μm以上であり且つ3.0μm未満とすることがより好ましく、1.0μm以上であり且つ3.0μm未満とすることが最も好ましい。ここで透明粒子の粒径分布を広げる事により回折に起因する着色を防ぐことが出来る。最小粒子径と最大粒子径の比を1.5倍乃至3倍として連続的に粒径が分布
することが好ましい。同様に屈折率が異なる数種の透明樹脂を混合することにより、さらに効果を高めることが出来る。
また、好ましい反射光強度プロファイルを得るには、透明樹脂の容積に対する透明粒子の容積の比は、0.2以上であり且つ1.2未満とすることが実用的であり、0.6以上であり且つ1.2未満とすることが好ましい。
なお、半透過型液晶表示装置では、光散乱膜は、カラーフィルタ層に対して充分な接着性を有していることが必要である。また、光散乱膜には、通常、耐湿性、耐溶剤性、及び耐薬品性のように信頼性を得る特性に優れていることも要求される。一般に、これら特性に優れた光散乱膜を得るためには、光散乱膜中の透明粒子の割合を低減すればよい。このような観点から、透明樹脂の容積に対する透明粒子の容積の比は、1.0未満とすることが好ましく、0.8未満とすることがより好ましい。
また、透明樹脂の容積に対する透明粒子の容積の比は、光散乱膜の成膜性にも影響を与える。透明樹脂の材料である透明樹脂溶液の比重と透明粒子との比重とは、ほぼ一致することもある。しかしながら、透明粒子の粒径は粉体としては比較的大きいため、透明粒子の比重が1.5を超える場合には、透明樹脂溶液中で透明粒子の沈降を生じ易い。また、透明樹脂溶液中で透明粒子割合を高めると、光散乱膜の平坦性が低下する。したがって、光散乱膜の成膜性の観点からは、透明樹脂の容積(透明樹脂溶液の固形分の容積)に対する透明粒子の容積の比は、1.2以下とすることが好ましい。以上を纏めると、透明樹脂の容積に対する透明粒子の容積の比は、0.2以上であり且つ0.8未満とすることが望ましく、0.5以上であり且つ0.8未満とすることがより望ましい。
光散乱膜の膜厚は1.5μm以上5.0μm以下であることが必要である。液晶表示装置のセルギャップは2μm〜5μm程度であり、セルギャップの精度は表示のコントラストに影響するため重要である。セルギャップはスペーサービーズにより決定されるが、光散乱膜の膜厚が厚過ぎると、樹脂と粒子からなる層であるため硬化が十分でなく、圧力や吸引によりスペーサービーズが埋まり、セルギャップが確保できなくなる傾向がある。
光散乱膜は樹脂と粒子からなるため、樹脂のみより硬度は高いが5μm以上となると、セルギャップの安定性は不足する。
セルギャップ確保の方法として、光硬化樹脂を用いてパターン化するポストスペーサーを用いる方法があるが、光散乱膜上に形成する場合には、やはり硬度が問題となり、ブラックマトリックス上にも受ける場合には、セルギャップに加え光散乱膜の柱を立てる必要が生じ、実質困難となる。
また、光散乱膜の膜厚が、粒子の直径より大きくないと、粒子による凹凸が生じ、コントラストが低下する。また、粒子に対する樹脂量が不十分であると、塗布適性、表面平滑性が不足し、表示特性が劣化する傾向がある。また、粒子と樹脂の屈折率差は大きい程、膜厚は低く抑えられるものの、材料に制約があり、実質1.5μm以上でないと十分な光散乱特性は得られない。
請求項2に係わる電極基板の構成は、両基板のうち観察者側の基板にカラーフィルタといわれる複数色の画素状の着色層を設けた後、その上に、画素の反射表示領域、すなわち、背面基板の反射層の存在する部分に対応する部分にのみ光散乱膜を設け、さらに全面に透明電極を設けるものである。
また、パッシブモードでの駆動では電極をパターン化する事が必要である。背面側の基板はアクティブモードの場合は、スイッチング素子を形成した後、パターン状に反射層を形成し、さらに透明電極をパターン状に形成する。この際、素子及び各層間にはスルーホールを設けた絶縁層を有することができる。絶縁層は感光性樹脂を用いてパターニングする
方法が好ましいが、印刷等他の方法も可能である。パッシブモードの場合は、スイッチング素子は不要となる。
請求項3に係わる電極基板の構成は、観察者側の基板にまず背面基板の反射層の存在する部分に対応する部分にのみ光散乱膜を設け、ついでカラーフィルタといわれる複数色の画素状の着色層を設けた後、全面に透明電極を設けるものである。また、パッシブモードでの駆動では電極をパターン化する事が必要である。背面側の基板は、請求項2の場合と同様である。
請求項4に係わる電極基板の構成は、観察者側の基板には複数色の画素状の着色層を設けた後、全面に透明電極を設ける。パッシブの場合はパターン化する。背面側の基板はアクティブモードの場合は、スイッチング素子を形成した後、各画素の反射表示領域に反射層を形成し、反射層の存在する部分に対応する部分にのみ光散乱膜を設け、さらに透明電極をパターン状に形成する。この際、素子及び各層間にはスルーホールを設けた絶縁層を有することができる。パッシブモードの場合は、スイッチング素子は不要となる。
請求項5に係わる電極基板の構成は、観察者側の基板には、全面に透明電極を設ける。パッシブの場合はパターン化する。背面側の基板はアクティブモードの場合は、スイッチング素子を形成した後、各画素の反射表示領域に反射層を形成し、反射層の存在する部分に対応する部分にのみ光散乱膜を設け、複数色の画素状の着色層を設けた後、透明電極をパターン状に形成する。この際、素子及び各層間にはスルーホールを設けた絶縁層を有することができる。パッシブモードの場合は、スイッチング素子は不要となる。
請求項6に係わる電極基板の構成は、観察者側の基板は、請求項5の構成と同じであり、背面側の基板はアクティブモードの場合は、スイッチング素子を形成した後、各画素の反射表示領域に反射層を形成し、複数色の画素状の着色層を設けた後、反射層の存在する部分に対応する部分にのみ光散乱膜を設け、透明電極をパターン状に形成する。この際、素子及び各層間にはスルーホールを設けた絶縁層を有することができる。パッシブモードの場合は、スイッチング素子は不要となる。
以下に、本発明の実施例により詳細に説明する。
(光散乱膜の作製)
感光性で現像可能な透明樹脂として、以下に示す塗布液を調製した。スチレン・アクリル酸共重合体、メタクリル酸メチル・アクリル酸共重合体を、モル比で1:2、1:1、0:1に混合、アクリルモノマーM402(東亞合成製)を重合体の1/3(重量比)添加、光ラジカル発生剤、イルガキュア907(チバスペシャルティケミカルズ製)を固形分の8%添加、シクロヘキサノンで希釈し固形分比20%になるように調製した。粒子としてはフッ素化アクリル粒子、酸化チタン、メラミン粒子、シリカ、架橋MMA粒子を用いた。透明樹脂、透明粒子の屈折率を表1に示した。
透明樹脂と透明粒子の重量比率を固形分で4:1として、乾燥膜厚を3.0μmとしてガラス上に回転塗布機で塗布し、散乱強度を表すヘイズと、後方散乱の少なさを表す全光線透過率を測定し、その結果を表1に示した。
Figure 0004423948
Δn・d/λが、3×10―4以上9.5×10―4以下にあるa,b,cにおいて、ヘイズが
十分高く、かつ全光線透過率が十分高く、良好であることがわかった。
(半透過型液晶表示装置の作製)
半透過型液晶表示装置を以下の方法により作製した。上記で作製した組成を持つ光散乱膜を用いた図1のような構成の観察者側の電極基板10を作製した。つまりブラックマトリックス12、着色層13すなわちカラーフィルタをガラス基板11上に作製した後、光散乱膜14を3.0μm塗布し、反射部に露光を施してから非露光部を現像除去し、ITO15を全面スパッタリング形成した後230℃1時間焼成した。
一方、通常の方法で背面のガラス基板21上にTFT22を形成した後絶縁層を介して反射層23を形成し、フォトリソグラフィ法で反射部のみ反射層を残した。透過部と反射部の面積比率は6:4であった。その後絶縁層24を介してITO25を観察者側の電極基板と同様に形成し、フォトレジストを用いてパターン化し背面側の電極基板20を作製した。
両基板の電極表面を配向処理した後、張り合わせ液晶を封入して半透過型液晶表示装置を作製した(図2)。表示特性、つまり視野角依存性、明るさ、透過および反射モードでのコントラストを表2に示した。
なお、表1及び表2中、d、e、fが比較例1となる。
Figure 0004423948
実施例1における観察者側の電極基板の断面図である。 実施例1における半透過型液晶表示装置の断面図である。
符号の説明
10・・・観察者側の電極基板
11、21・・・ガラス基板
12・・・ブラックマトリックス
13・・・着色層
14・・・光散乱膜
15、25・・・ITO
20・・・背面側の電極基板
22・・・TFT
23・・・反射層
24・・・絶縁層

Claims (7)

  1. 透明樹脂と該透明樹脂中に分散された透明粒子とで構成される半透過型液晶表示装置用の光散乱膜であって、該透明樹脂と該透明粒子の波長λ(nm)での屈折率の差をΔnとし、透明粒子の平均粒径をd(μm)とすると、λとΔnとdの関係が以下の不等式を満たし、
    3×10-4<Δn・d/λ<9.5×10-4
    かつ光散乱膜の膜厚が、1.5μm以上5.0μm以下であり、かつ透明粒子の含有率が10容積%以上60容積%以下であり、及び該透明粒子が粒径2.0μmのメラミン粒子であることを特徴とする光散乱膜。
  2. 透明基板上に、少なくとも複数色の画素状の着色層、各画素状の着色層の反射表示領域に請求項1記載の光散乱層、透明電極を順次に積層してなることを特徴とする電極基板。
  3. 透明基板上に、少なくとも各画素の反射表示領域に対応して請求項1記載の光散乱層、各画素領域全体に複数色の画素状の着色層、透明電極を順次に積層してなることを特徴とする電極基板。
  4. 基板上に、少なくとも各画素の反射表示領域に対応して金属反射層、該金属反射層上に請求項1記載の光散乱層を順次に積層してなることを特徴とする電極基板。
  5. 基板上に、少なくとも各画素の反射表示領域に対応して金属反射層、該金属反射層上に請求項1記載の光散乱層、各画素領域全体に複数色の画素状の着色層を順次に積層してなることを特徴とする電極基板。
  6. 基板上に、少なくとも各画素の反射表示領域に対応して金属反射層、各画素領域全体に複数色の画素状の着色層、該金属反射層に対応して請求項1記載の光散乱層を順次に積層してなることを特徴とする電極基板。
  7. 光反射層が形成された基板と、該基板に対向する対向基板と、該基板と該対向基板との間に介在する液晶層とを有し、対向基板側から入射した光を上記光反射層によって反射させる反射表示領域と、基板側から入射した光を対向基板側へ透過させる透過表示領域とを有する画素がマトリクス状に複数形成された半透過型液晶表示装置において、反射表示領域に対応して請求項1記載の光散乱膜が挟持されていることを特徴とする半透過型液晶表
    示装置。
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