JP3969067B2 - 反射型液晶表示装置用観察者側電極基板 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、背面側電極基板と、透明基板上にカラーフィルタ、光散乱膜、透明電極をこの順で形成した観察者側電極基板との間に、液晶を挟みこんだ構成の液晶表示装置向け反射型液晶表示装置用観察者側電極基板に関する。
【0002】
【従来の技術】
液晶表示装置は、一般的に、偏光膜と液晶駆動用の電極が各々配設された対向する一対の電極基板と、これら電極基板間に封入された液晶物質とで主要部が構成されている。また、カラー画像を表示するカラー液晶表示装置にあっては、上記一対とした電極基板の何れか一方にカラーフィルター層を設けている。
【0003】
画面表示を行う際、対向する透明電極間に電圧を印加することにより電極基板間に封入された液晶物質の配向状態を変化させて、この液晶物質を透過する光の偏光面を制御すると共に、偏光フィルムによりその透過、不透過を制御している。
【0004】
液晶表示装置として、背面側に位置する電極基板(上記一対となる電極基板のうち、液晶を間に挟み観察者と反対側に位置する電極基板であり、以下背面基板と記す)の裏面もしくは側面に光源(ランプ)を配置し、光源より照射された光線にて画面表示を行う、バックライト型もしくはライトガイド型のランプ内蔵式透過型液晶表示装置が広く普及している。
【0005】
従来より液晶表示装置においては、低消費電力で軽量化が可能という特徴を活かし、モバイル機器等の携帯用表示装置への利用が期待されている。
しかし、ランプ内蔵式透過型液晶表示装置では内蔵した光源による消費電力が大きい(例えば、CRTやプラズマディスプレイ等の表示装置より消費電力は少ないが、略同等の電力を消費する)。
このため、電池の占める割合が大きいため装置が重く、かさばることになる。
即ち、ランプ内蔵式透過型液晶表示装置は液晶表示装置が本来有すべき利点を活かしきれているとはいえない。
このため、光源を内蔵しない反射型液晶表示装置が注目されている。
【0006】
反射型液晶表示装置は、背面側電極基板に光反射機能を有する反射板もしくは液晶駆動用電極と光反射板を兼用させた反射電極を配設し、観察者側電極板(液晶を挟持する一対の基板のうち、観察者側に位置する電極基板)側から室内光や自然光等の外光を液晶表示装置内に入射させ、この入射光を前記光反射板もしくは反射電極で反射させ、この反射光を観察者側電極基板より射出することで画面表示を行うものである。
【0007】
光源を内蔵しない反射型液晶表示装置は低消費電力を実現でき、また、光源を内蔵しない分、装置を小型、薄型とすることができ、携帯用表示装置として適している。
【0008】
反射型液晶表示装置においては、携帯用として使用場所を選ばない以上、室内光や自然光等の外光があらゆる角度で入射することを想定しなければならず、また同時に特定の領域のみの光源も想定しなくてはならない。
明るく鮮明で適度の視野角を有する画面表示を得るため、装置内に入射した光を効率良く液晶に導入し、かつ、背面側電極基板で反射した光を効率良く観察者の位置に導く必要が生じる。このため、反射型液晶表示装置においては入射光を散乱させる機能を持たせることが提案されている。
【0009】
ここで、従来より用いられている、各種散乱方式の反射型液晶表示装置の構成を、図2、図3および図4に示す。
【0010】
図2に示す背面散乱膜付・反射型液晶表示装置200(図では液晶表示装置をLCDと表記する)は、最も基本的な構造であって、液晶セル内部には散乱反射機能はなく外部に散乱膜を配置する。
透明基板201、透明基板206の内側にカラーフィルタ204、液晶駆動用の透明電極205、液晶202、及び透明電極206を形成し、光散乱反射機能は表示装置の外部にもうける。
即ち、背面側電極基板208の外側に、光散乱膜210と反射板203を配設し、観察者側電極基板207より入射した光は背面側電極基板208を通過して後、散乱膜210と接した反射板203で折り返し再度散乱膜210を通過して散乱光になり、表示装置内に戻る。
【0011】
図2に示す背面散乱膜付・反射型液晶表示装置200は製造方法が平易である反面、散乱機能を担う散乱板及び反射板が画像表示を担う液晶と透明基板の厚み分だけ離れているので解像性を劣化させている。
【0012】
図3に示す前面散乱膜付・反射型液晶表示装置300では、前面に光散乱膜を配設し光散乱を生じさせている。
すなわち、観察者側電極基板307を構成する透明基板301の観察者と相対する面に光の屈折と回折とを生じさせる光散乱膜309を配設しており、透明基板301の他方の面にカラーフィルタ304と液晶駆動用の透明電極305を順次積層している。
【0013】
背面側電極基板308には光反射板と液晶駆動用の電極を兼用させた反射電極303を配設しており、観察者側電極板307と背面側電極板308とで液晶302を挟持している。
反射電極303は平坦な表面であり、反射電極303に入射する光を正反射させるもので、光散乱は観察者側電極基板307上に設けた光散乱膜309で行われる。
【0014】
図3に示すような光散乱膜では光散乱膜への入射光314は光散乱膜の前方に向けて散乱させる前方散乱光317と、入射した光の一部を光散乱膜の後方(入射方向と逆方向側)に向けて散乱させる後方散乱光316がある。
図3に示す反射型液晶表示装置300では、該後方散乱光316は液晶305には入らないで戻る光であり、画面表示に寄与しないだけでなく画面のコントラストを低下させる原因になる。
【0015】
上述した図2に示す背面散乱膜付・反射型液晶表示装置200及び図3に示す前面散乱膜付・反射型液晶表示装置300に共通して、光を散乱させる場所が液晶とは透明基板を挟む距離にあるため第2図の背面側電極基板208乃至、図3の観察者側電極基板307の厚みによって解像性が劣化するので高精細の表示装置には不向きである。
通常、透明基板206あるいは透明基板301の厚みは数百μm程度に対し、画素サイズは数十μmであり、解像性を著しく劣化させる。このことはモバイル機器等の小型携帯用表示装置にとっては致命的弱点になりかねない。
【0016】
図4の散乱反射板付・反射型液晶表示装置400においては、透明基板401に透過光を所定の色に着色させるためのカラーフィルタ404および液晶駆動用の透明電極405を順次積層した観察者側電極基板407と背面側電極基板408とで液晶402を挟持している。
背面側電極基板408には、光反射板と液晶駆動用の電極とを兼用させた反射電極403を配設している。
反射電極403の表面を凹凸に形成することで反射電極403に入射する光を散乱光として反射させている。
【0017】
この反射板には、光の反射機能および、ペーパーホワイトのような光の散乱機能の2つの機能が要求される。
反射機能を持つ部材としてアルミニウム、銀、あるいは、これらに他種の金蔵を少量添加した合金があげられ、これら金属の薄膜を形成した反射板もしくは、金属薄膜で電極パターンを形成した反射電極を、液晶セルの内部もしくは外側に配設することが一般的となっている。
また、光散乱機能を有する部材として、屈折率の異なる透明材料を組み合わせたもの、微小マイクロレンズを配設したもの、光の回折を利用して散乱効果を持たせたもの、アルミニウム反射板の表面に凹凸を設けて表面散乱を利用したもの、あるいは、液晶そのものに散乱効果を付与したもの等、種種のものが検討されている。
なお、樹脂中に屈折率の異なる透明樹脂を分散させて散乱効果を出したものを、以下、分散タイプと記し、またアルミニウム等よりなる反射板の表面に凹凸を設けて表面散乱効果を出したものを、以下表面散乱タイプと記す。
【0018】
透明樹脂中に異屈折率の透明粒子を混ぜて散乱性を出す分散タイプの光散乱膜にて散乱・反射機能を付与したほうが、反射型液晶表示装置の構成上簡便となる。
しかし、分散タイプの場合、表面散乱タイプと比較して、十分な散乱を確保しにくいという欠点がある。これは、透明樹脂と透明粒子の屈折率差が大きく広がっていないと、十分な散乱特性をえることが出来ないことが一因である。
【0019】
分散タイプは高屈折率樹脂中に低屈折率粒子を分散するあるいは、低屈折率樹脂中に高屈折率粒子を分散する構成であり、屈折率比を生じさせることで散乱特性を得ている。
特に、光散乱膜としては、高屈折率樹脂中に低屈折率粒子を分散するタイプが多く提案されている。
しかし、現状では、高屈折率でかつ透明性の高い樹脂はほとんどなく、あってもコスト的に非常に高いものとなる。
【0020】
また、逆の系で、光散乱膜を形成しようとすると、低屈折率3樹脂に高屈折率粒子を入れるタイプは、粒子の屈折率が、高屈折率タイプの樹脂の場合ほど屈折率の高いタイプがないため、樹脂の屈折率を下げざるをえない。
しかし樹脂の屈折率を下げるにはフッ化処理等が必要であるため、現状ではコストや光散乱膜の密着性が問題となっている。
【0021】
また、パターニング形成等の感光性タイプの光散乱膜では、樹脂中にエチレン系不飽和二重結合を有するモノマーの添加が必要となり、樹脂の屈折率の低下は避けられず、光学特性的に十分な特性が得られないという問題点が生じていた。
【0022】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような従来技術に伴う欠点を一挙に解決しようとするものであって、その課題とするところは、透明樹脂屈折率中に無機粉体を分散することで見かけ上の屈折率を上昇させることで、散乱特性を向上させた、さらにあまり屈折率の高くない安価な透明樹脂を使用することが可能となるため、コスト面の改良した反射型液晶表示装置用観察者側電極基板を提供することにある。
【0023】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明者らは前記課題を解決すべく、鋭意研究を重ねた結果、以下の発明に至ったものである。
【0024】
つまり、請求項1に係る発明にあっては、背面側電極基板と、透明基板上にカラーフィルタ、光散乱膜、透明電極をこの順で形成した観察者側電極基板との間に、液晶を挟みこんだ構成の液晶表示装置向け液晶表示装置用観察者側電極基板において、前記光散乱膜が、屈折率が1.52以上である透明樹脂と、該透明樹脂より屈折率が高く、かつ、粒径が10〜1 00nmの範囲の無機粉体を該透明樹脂1重量部に対して0.05〜0.3重量部の範囲で分散させた母材中に、前記透明樹脂より屈折率が低く、可視光の波長と同等以上の粒径で0.4〜4μmの範囲の透明粒子を分散させた光散乱膜であること特徴とする反射型液晶表示装置用観察者側電極基板を提供するものである。
【0030】
【発明の実施の形態】
本発明の実施形態の一例を説明する。
【0031】
図1は本発明に係わる反射型液晶表示装置用電極基板(観察者側電極基板106)を組み込んだ反射型液晶表示装置100を模式的に示す図面である。
【0032】
図1に示す観察者側電極基板106においては、ガラス基板等からなる透明基板101上に、公知の顔料分散法、または、染色法等を用いて透過光を着色するカラーフィルタ104を形成している。
【0033】
次いで、カラーフィルタ104上に本発明に係わる、透明樹脂113中に透明粒子112を分散させた光散乱膜用組成物を用い光散乱膜109を、膜厚3μmにて形成している。
【0034】
本発明における透明樹脂としては、特に限定されなが、フェノール樹脂、ユリア樹脂、イミドまたはポリイミド樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル、ジアリルフタレート樹脂、キシレン樹脂、アルキルベンゼン樹脂、エポキシ樹脂、エポキシアクレレート樹脂及びケイ素樹脂等の熱硬化樹脂、フッ素樹脂、塩化ビニル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、ポリエチレン、塩素化ポリオレフィン、ポリプロピレン、変性ポリオレフィン、ポリ酢酸ビニル、EEA(エチレン−エチルアクリレート共重合体)、ポリスチレン、ABS樹脂、ポリアミド、(メタ)アクリル樹脂、ポリアセタール、ポルカーボネート、セルロース系樹脂及びポリビニルアルコール当の熱可塑性樹脂、ポリイミド、アイオノマー樹脂、ポリフェニレンオキサイド、ポリメチルペンテン、ポルアリルスルホン、ポルアリルエーテル、ポルフェニレンサルファイド、ポリスルホン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフターレート及びポリテトラメチレンテレフタレート等のエンジニアリングプラスチック、及び紫外線硬化型樹脂や電子線硬化型樹脂等の放射線硬化樹脂が挙げられる。
特にパターン形成が必要な場合、水、酸またはアルカリ液による現像性を付与した樹脂としても良いが、屈折率の点から1.52以上の樹脂を用いる。
【0035】
また、上記樹脂に分散する無機粉体としては、特に限定はされないが、透明性がよく、凝集性の少ないものが好まれる。
このような無機粉体としては、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化セリウム、酸化イットリウム、酸化亜鉛、酸化ケイ素などの金属酸化物、酸化アルミニウムと酸化ケイ素、酸化アルミニウムと酸化マグネシウム、ITO(酸化インジウムと酸化スズの混合酸化物)などの複合酸化物、硫酸バリウム等の白色顔料が挙げられる。
【0036】
上記の無機粉体を透明樹脂中に分散する際の混合比は、透明樹脂1重量部に対して、無機粉体0.05〜0.3重量部であり、特に0.10〜0.25重量部が好ましい。
無機粉体の0.05重量部未満であると十分な散乱特性に効果が得られない。
一方無機粉体が0,3重量部を越えると、無機粉体同士の凝集による散乱特性の低下等がおきて、好ましくない。
【0037】
また、上記無機粉体の粒径は10nm以上100nm以下とする。無機粉体の粒径が10nm以下であると、粉体同士の凝集が促進されやすく、透明樹脂との混合体中に異物が発生したりあるいは増粘したりする。
一方無機粉体の粒径が100nm以上であると、粒径が大きくなるため透明樹脂との混合体の透明性の低下や、透明樹脂自体に散乱性が生じてしまう。
【0038】
また、上記の透明樹脂に無機粉体を分散する方法としては、特に限定されるものではないが、例えば、上記したような材料を、ディゾルバー型撹拌機、ターボ型撹拌機、二軸式撹拌機等の撹拌機を用いて混和する、あるいは二本ロールミル、三本ロールミル、サンドミル、ペイントシェーカー等の分散機を用いて混練することにより行われる。
【0039】
この際、分散補助剤として、シランカップリング剤、チタネートカップリング剤、アルミネートカップリング剤等を添加してもよい。
【0040】
次に、これら無機粉体を分散した透明樹脂に、光の散乱材として分散させる透明粒子は、その粒径が可視光の波長と同等以上(具体的には、0.4〜4μm)である。さらにいえば、透明粒子の粒径が0.4〜2μm付近であることが、散乱膜を薄膜化するうえで、より好ましいといえる。
【0041】
また、透明粒子の材質としては、屈折率、入手の便、形状を制御しやすい等を考慮し、シリコン樹脂、アクリル樹脂、フッ素系アクリル樹脂、スチレン樹脂、アミン樹脂等の樹脂、あるいは、酸化ケイ素、酸化セリウム等の無機酸化物が使用可能である。
【0042】
また、本発明の溶媒としては、特に限定されるものではなく、使用される透明樹脂の種類に応じて、また最終的な光散乱膜用組成物における当該組成物の分散用溶剤として機能し得る限りにおいて、水溶性または非水溶性の各種のものを使用することができる。
【0043】
例えば、水;メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール、アリルアルコール等のアルコール類;エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ポリプロピレングリコールモノエチルエーテル、ポリエチレングリコールモノアリルエーテル、ポリプロピレングリコールモノアリルエーテル等のグリコールないしその誘導体類;グリセロール、グリセロールモノエチルエーテル、グリセロールモノアリルエーテル等のグリセロールないしその誘導体類;テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類;流動パラフィン、デカン、デセン、メチルナフタレン、デカリン、ケロシン、ジフェニルメタン、トルエン、ジメチルベンゼン、エチルベンゼン、ジエチルベンゼン、プロピルベンゼン、シクロヘキサン、部分水添されたトリフェニル等の炭化水素類、ポリジメチルシロキサン、部分オクチル置換ポリジメチルシロキサン、部分フェニル置換ポリジメチルシロキサン、フルオロシリコーンオイル等のシリコーンオイル類、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、ブロモベンゼン、クロロジフェニル、クロロジフェニルメタン等のハロゲン化炭化水素類、ダイルロル(ダイキン工業株式会社製)、デムナム(ダイキン工業株式会社製)等のふっ化物類、安息香酸エチル、安息香酸オクチル、フタル酸ジオクチル、トリメリット酸トリオクチル、セバシン酸ジブチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ドデシル等のエステル化合物類などが、適宜選択されて単独でもしくは複数組み合わせて使用される。
【0044】
また、パターン形成を行う場合には、適宜エチレン系不飽和二重結合を有するモノマー、及び光重合開始剤、増感剤等を含有し得る。
【0045】
また上記以外にも添加物以外でも塗布適性を改善するため、シリコーン界面活性剤等の界面活性剤を添加してもよい。
【0046】
なお、本発明による光散乱膜用組成物を塗布する基板の材質として、ガラス、樹脂板、フィルム等が利用できる。基板は、観察者側の基板に用いる場合は透明である必要があるが、背面側(対向側)の基板の場合は、不透明基板、所定の色に着色した基板、金属板や金属箔に裏打ちされた基板等を用いてもよい。また、基板には、あらかじめカラーフィルタやTFT(薄膜トランジスタ)、MIM(ダイオード素子)等のアクティブ素子、マクロレンズ等の光学素子を形成しておいてもよく、AG(アンチグレアー)膜やAR(反射防止)膜を別途形成して、散乱特性を補完するものであっても構わない。
【0047】
【実施例】
(実施例1)
以下に本実施例の光散乱膜用組成物の組成の一例を示す。
透明樹脂A1:グリシジル基をもつフルオレン樹脂(nD(屈折率)=1.61)固形分40重量%溶液、 15重量部
無機粉体B1:酸化チタンMIBK(nD=2.55〜2.62) 15重量%溶液(シーアイ化成(株)) 6.11重量部
透明粒子C1:MX180(nD=1.49)(綜研化学株式会社) 2.57重量部
硬化剤D1:12重量%多価カルボン酸溶液 5重量部
溶剤E1: シクロヘキサノン 8重量部
【0048】
まず、透明樹脂A1中に無機粉体B1および溶剤E1を分散し分散液を調製した。次にこの分散液中に透明粒子C1、硬化剤D1を混合し、粒径約1mmのガラスビーズを加えペイントシェーカーで90間分散した。次に、ガラスビーズを除去し、光散乱膜組成物(F−1)を得た。
【0049】
(比較例1)
次に、本研究の光散乱膜組成物(F−1)との比較のため、以下に示す組成の光散乱膜組成物(F−2)を調製した。
透明樹脂A1:グリシジル基をもつフルオレン樹脂、固形分40重量%溶液、 17.72重量部
透明粒子C1:MX180(綜研化学株式会社) 3重量部
硬化剤D1:12wt%多価カルボン酸溶液 6重量部
溶剤E1: シクロヘキサノン 9.45重量部
【0050】
本実施例1に係わる光散乱膜用組成物(F−1)で形成した光散乱膜の散乱性および本比較例に係わる光散乱膜用組成物(F−2)を測定するため、以下に示す測定用サンプルを作成した。
すなわち、まずガラス基板上に、上記光散乱膜用組成物(F−1)および光散乱膜組成物(F−2)をスピンコーターにて約3μmの膜厚(硬膜後)に塗布形成した。次に230℃/hで熱硬化させて、光散乱膜とした。
次いで、本実施例に係わる光散乱膜の効果を見るため、膜厚計(デクタック)濁度計(日本電色工業株式会社製、型番「NOH2000」)で測定した。測定結果を表1に示す。
【0051】
【表1】
【0052】
表1に示すように、本実施例1の光散乱膜組成物で形成した光散乱膜は、同じ膜厚の比較例1と比較して、濁度が高く、光散乱性が良好であることが分かる。
【0053】
【発明の効果】
本発明の反射型液晶表示装置用観察者側電極基板を用いることで、より薄膜で光の散乱性を高めた明るく白い散乱光としうる。
また、透明樹脂自体の屈折率が低くても、分散する無機粉体により、見かけ上の屈折率を上げることが可能なため、より安価な透明樹脂を選択でき、低いコストで反射型液晶表示装置用観察者側電極基板を提供できる。
また透明樹脂に無機粉体を分散するため耐熱性などの耐性アップが可能となる。
【0054】
更に加えて、本発明の液晶表示装置用観察者側電極基板は、反射型液晶表示装置なので、液晶セル内に内填出来るため、画素のボケのない(すなわち、ガラス基板の厚みによる視差を生じない)きわめて高品位の画素表示を可能とした反射型液晶表示装置を得ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる反射型液晶表示装置用電極基板を用いた反射型液晶表示装置の一実施例の要部を示す断面説明図である。
【図2】従来の反射型液晶表示装置の一例の要部を示す断面説明図である。
【図3】図2とは別な従来の反射型液晶表示装置の一例の要部を示す断面説明図である。
【図4】図2とは別な従来の反射型液晶表示装置の一例の要部を示す断面説明図である。
【符号の説明】
100:反射型LCD
101、106:透明基板
102:液晶
103:反射電極
104:カラーフィルタ
105:透明電極
107:観察者側電極基板
108:背面側電極基板
109:光散乱膜
112:透明粒子
113:透明樹脂
114:入射光
115:散乱光
200:背面散乱膜付・反射型LCD
201、209:透明基板
202:液晶
203:反射板
204:カラーフィルタ
205:透明電極
206:透明電極
207:観察者側電極基板
208:背面側電極基板
210:光散乱膜
214:入射光
215:散乱光
300:前面散乱膜付・反射型LCD
301、306:透明基板
302:液晶
303:反射電極
304:カラーフィルタ
305:透明電極
307:観察者側電極基板
308:背面側電極基板
309:光散乱膜
314:入射光
315:散乱光
316:後方散乱光
317:前方散乱光
400:散乱反射板付・反射型LCD
401、406:透明基板
402:液晶
403:反射電極板
404:カラーフィルタ
405:透明電極
407:観察者側電極基板
408:背面側電極基板
414:入射光
415:散乱光
Claims (1)
- 背面側電極基板と、透明基板上にカラーフィルタ、光散乱膜、透明電極をこの順で形成した観察者側電極基板との間に、液晶を挟みこんだ構成の液晶表示装置向け液晶表示装置用観察者側電極基板において、前記光散乱膜が、屈折率が1.52以上である透明樹脂と、該透明樹脂より屈折率が高く、かつ、粒径が10〜1 00nmの範囲の無機粉体を該透明樹脂1重量部に対して0.05〜0.3重量部の範囲で分散させた母材中に、前記透明樹脂より屈折率が低く、可視光の波長と同等以上の粒径で0.4〜4μmの範囲の透明粒子を分散させた光散乱膜であること特徴とする反射型液晶表示装置用観察者側電極基板。
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