JP4423650B2 - 吊上げ装置における荷重検出装置及びこれに備えた吊上げ装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、吊上げ装置の機台に掛る荷重を、その車輪の車軸の変形により検出することを目的とした吊上げ装置における荷重検出装置及びこれを備えた吊上げ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来吊上げ装置の荷重算出装置としては、ブーム旋回台と、上側フランジとの間に円盤状ロードセルを介装した考案が提案されている(実用新案登録第576009号)。
【0003】
また機台と、車輪支台との間にロードセルを介装した技術が知られている。
【0004】
【発明により解決しようとする課題】
前記ブーム旋回台と、上側フランジとの間にロードセルを介装した考案は、ロードセルの当接面が加圧状態で移動するので、ロードセルが破損するおそれがあるのみならず、円盤状ロードセルに掛る力が位置によって異なり、かつ物体吊上げ時のクレーンアームの角度により荷重が異なるなど(又は物体のゆれによっても異なる)、クレーンの安全性について、ロードセルの修正ファクターが多くなり、荷重を正確に検出するには構造が複雑になる問題点があった。
【0005】
また機台と、車輪支台との間にロードセルを介装する場合においても、ロードセルに荷重が直接掛る為に、ロードセルが破損し易い問題点があると共に、機台に車輪支台を固定する為に、吊上げ装置又はクレーン等の支持装置全体が高くなり、重心が高くなる問題点があった。
【0006】
【課題を解決するための手段】
然るにこの発明は、車軸の中央部に十字状の透孔を設けて透孔の水平部の内壁にロードセルを固着したので、ロードセルには加圧力などの荷重が直接掛ることなく、荷重に比例する車軸の歪量により、荷重を検出するようにして、前記従来の問題点を解決したのである。
【0007】
即ちこの発明は、機台に架設する車軸の中央部に中心線と平行な十字状の透孔を設け、該透孔の上下水平壁に夫々ロードセルを固定したことを特徴とする吊上げ装置における荷重検出装置である。
【0008】
次に吊上げ装置の発明は、機台上に吊上げ装置を介して物品を吊上げるウインチその他の駆動装置及び操作装置を設置し、前記機台に車輪を架設した吊上げ装置において、前記車輪の車軸の中央部に中心線と平行な十字状の透孔を設け、該透孔の上下水平壁に夫々ロードセルを固定したことを特徴とする荷重検出装置を備えた吊上げ装置であり、機台上に吊上げ装置を介して物品を吊上げるウインチその他の駆動装置及び操作装置を設置し、前記機台に車輪を架設した吊上げ装置において、車輪の車軸の中央部に中心線と平行な十字状の透孔を設け、該透孔の上下水平壁に夫々ロードセルを固定し、前記車輪に固定したギヤーと、モータ軸に固定したギヤーとを連動させたことを特徴とする荷重検出装置を備えた吊上げ装置である。
【0009】
前記において、ロードセルは、車輪の固着されている車軸位置付近の車軸の変形量が多い位置に固定されている。
【0010】
また車軸の中央部に透孔を設け、該透孔の上下にロードセルを固定することによって、透孔の上下壁の圧縮量と引伸張量が測定されるので、この数値に所定の係数を掛けて算定することにより正確な荷重を測定することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
この発明は、クレーン等の機台に架設した車輪の車軸の中央部に中心線と平行な透孔を設け、該透孔の上下壁にロードセルを固定した吊上げ装置における荷重検出装置である。
【0012】
また他の発明は、前記荷重検出装置を設置した吊上げ装置である。
【0013】
前記ロードセルは、吊上げ装置の荷重に比例して変形する車軸の歪量を測定するものであるが、車軸の圧縮量と、引張量を測定することによって、荷重をより正確に検出することができる。
【0014】
【実施例1】
吊上げ装置1の機台2の下部に、二つのアングル材3、3を所定間隔で固定し、前記アングル材3、3に車軸4を架設し、該車軸4に車輪5と、これに固定したギャー21とを回転自在に取付ける。該ギャー21には、アングル材3に固定した駆動用のモータ9の軸に固定したギャー22を噛み合せてある(図1)。また前記アングル材3、3に従動の車輪5aの車軸4を横架し、該車軸4の中間部に従動の車輪5aを回転自在に架設する(図2)。
【0015】
前記車軸4、4の中央部には、十字状の透孔6を中心線と平行して穿設し、該透孔6の上下水平壁6a、6bにロードセル7a、7bを固定して、この発明の検出装置を構成した。
【0016】
前記車輪5、5aはレール8上に載架されており、車輪5、5aは駆動用のモータ9により、ギャー21、22を介し、正逆何れの方向にも回転し、図4中矢示10又は11のように移動する。図中12はバケット、13はバケットワイヤー、14は車軸の回転止め片、15は止め片の固定ボルト、16は車輪のグリース孔、17はロードセル用の電線コード、18はベアリングである。
前記実施例において、バケット12で物品を持ち上げると、物品の荷重がバケットワイヤー13を介して吊上げ装置1の機台2に掛るので、全荷重は車輪5、5aに掛けられる。そこで車輪5、5aを介し、車軸4が凸弧状に変形するので、透孔6の上壁6aは伸張し、下壁6bは圧縮され、両方の歪量がロードセル7a、7bによって測定される。
【0017】
前記ロードセル7a、7bは予め圧縮及び引張りに対する車軸の歪を電気量に転換することができる。即ち前記車軸の歪の測定によって吊上げ装置に掛る荷重を即知することができる。
【0019】
前記実施例は、レール上を走行する吊上げ装置であるが、車輪で全荷重(又は比例できる荷重)を支承する吊上げ装置については、何れも採用することができる。
【0020】
【発明の効果】
この発明は、荷重を支える車軸の中央部に十字状の透孔を設け、該透孔の上下壁に夫々ロードセルを固定したので、車軸の歪量と荷重との比例により、吊上げ装置に掛る荷重を容易、確実に知ることができる効果がある。
【0021】
またロードセルへの加圧力が直接掛らないので、吊上げ装置の使用中にロードセルが破損するおそれがなく、かつ設置構造上装置の高さが低くなるとと共に、安定性を良好にする効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例の駆動側の車輪支承部の一部を省略した断面拡大図。
【図2】同じく従動側の車輪支承部の一部を省略した断面拡大図。
【図3】同じくロードセル設置部の断面拡大図。
【図4】同じく装置の実施例の一部を省略した正面図。
【図5】同じく一部を省略した平面図。
【符号の説明】
1 吊上げ装置
2 機台
3 アングル材
4 車軸
5、5a 車輪
6 透孔
7a、7b ロードセル
8 レール
9 モータ
12 バケット
13 バケットワイヤー
14 回転止め片
15 固定ボルト
16 グリース孔
17 電線コード
18 ベアリング
21、22 ギャー
Claims (3)
- 機台に架設する車軸の中央部に中心線と平行な十字状の透孔を設け、該透孔の上下水平壁に夫々ロードセルを固定したことを特徴とする吊上げ装置における荷重検出装置。
- 機台上に吊上げ装置を介して物品を吊上げるウインチその他の駆動装置及び操作装置を設置し、前記機台に車輪を架設した吊上げ装置において、前記車輪の車軸の中央部に中心線と平行な十字状の透孔を設け、該透孔の上下水平壁に夫々ロードセルを固定したことを特徴とする荷重検出装置を備えた吊上げ装置。
- 機台上に吊上げ装置を介して物品を吊上げるウインチその他の駆動装置及び操作装置を設置し、前記機台に車輪を架設した吊上げ装置において、車輪の車軸の中央部に中心線と平行な十字状の透孔を設け、該透孔の上下水平壁に夫々ロードセルを固定し、前記車輪に固定したギヤーと、モータ軸に固定したギヤーとを連動させたことを特徴とする荷重検出装置を備えた吊上げ装置。
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