JP4422336B2 - 変異型E.coli株及び組換えポリペプチドを製造するためのその使用 - Google Patents

変異型E.coli株及び組換えポリペプチドを製造するためのその使用 Download PDF

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Description

【0001】
本発明は、変異型E.coli株、及び組換えポリペプチドを製造するための方法を実施するためのそれらの使用に関する。
【0002】
高等生物、微生物、及びウイルスのゲノム研究は、例えば、抗体を得るため、又は生化学的研究もしくは結晶学的研究を実施するため、それらの遺伝子のクローニングに加え、それらの産物(タンパク質)の大規模製造を、ほぼ必ず必要とする。
【0003】
適用の観点から、多数のヒトのペプチド及びタンパク質の医学領域における利用も、異種生物における対応する遺伝子の発現を必要とする。
【0004】
発現系は、様々な真核生物宿主(特に、酵母、昆虫、及び霊長類細胞)において確立されているが、これらの発現法のため最も広範に使用されている宿主は、依然として細菌、エシュリヒア コリ(Eschericha coli(E.coli))である。E.coliにおいて製造されているバイオテクノロジー又は薬理学に関して重要なタンパク質のリストは、広範囲に及んでおり、古典的な例は、ヒト・インスリン及びヒト成長ホルモンを含む。
【0005】
原核生物における最も周知の発現系は、1980年代に、スチューディア及びリチャードソンのグループにより、米国において開発された(Tabor and Richardson,1985;Studier and Moffat,1986)。それは、T7 RNAポリメラーゼ(即ち、T7バクテリオファージによりコードされるRNAポリメラーゼ)の特性の活用に基づいている。毒性なしにE.coli細胞において発現されうるその酵素は、極めて特異的なプロモーターを認識する。任意の目的の遺伝子(標的遺伝子)が、それをこのプロモーターの下流に置き、それをT7ポリメラーゼを発現するE.coli細胞へ導入することにより、極めて効率的に転写されうる。
【0006】
にもかかわらず、発現に関して、結果は不確実である。順当に過剰発現されうる標的遺伝子も存在するが、中程度にしか、又は全く発現されないものも存在する。
【0007】
本発明者らによる以前の研究は、これらの障害の主要な原因が、メッセージ伝達により合成されるポリペプチドの数の減少を引き起こす、T7 RNAポリメラーゼにより合成されるm−RNAの特別な不安定性にあることを明らかにした(Lopez et al.,1994;Iost and Dreyfus,1994,1995)。この不安定性は、T7 RNAポリメラーゼの高速な伸長速度の結果である(Makarova et al.,1995)。特に、T7ポリメラーゼの伸長速度は、細菌のRNAポリメラーゼの速度とは対照的に、リボソームによるm−RNAの翻訳速度よりもはるかに大きい。従って、新生m−RNAはその長さの大部分にわたり曝露され、従って、ヌクレアーゼ、E.coliにおいては特にE型リボヌクレアーゼ(又はRNaseE)(そのアミノ酸配列はカサレゴラら(Casaregola et al.,1992,1994)により記載されている)による攻撃を受け易い。
【0008】
RNaseEは、E.coliの必須酵素であり、m−RNAの分解及びリボソームRNA(r−RNA)の成熟の両方に関与している。触媒領域(即ち、RNaseEのN末端部分)における変異は、これらの2つの機能に同時に影響を与え、E.coliの増殖を減速させるか、又はさらには阻止する(Cohen and McDowall,1997)。
【0009】
他方、RNaseEのC末端部分における欠失は、E.coliの生存に影響を与えない。特に、複製後の染色体の分離にとって必要なタンパク質(MukB)における突然変異の復帰突然変異体を研究することにより、キド(Kido)らは、C末端部分が短縮されたRNaseEの合成を引き起こす、E.coliにおけるRNaseEをコードするrne遺伝子における様々な生存可能突然変異を得た(Kido et al.,1996)。これらの著者らは、これらの実験から、RNaseEのC末端部分がE.coliの生存にとって必須でないという結論を下した。彼らは、さらに、RNaseEの短縮によるmukB突然変異の抑制は、短縮型RNaseEのmukB m−RNA分解効率が野生型酵素より低いという事実を反映しているという仮説を形成した。このようにして安定化された比較的強力な変異型MukBタンパク質の合成が達成され、それにより、変異と関連した表現型が修正された。しかし、このmukBメッセンジャーの安定化は証明されておらず、他の著者らは、mukB突然変異に対するRNaseE短縮の抑制効果を説明するための完全に異なる解釈を提唱した(Cohen and McDowall,1997)。これらの著者らは、特にRNaseEとMukBとの直接的な相互作用を仮定する。その概念の基本は、RNaseEが、それ自体のRNase活性とは別に、MukBと同様に構造的な役割を果たしていることを示唆する、RNaseEが、真核生物ミオシンと極めて実質的な類似性を有しているという事実であった(Casaregola et al.,1992;McDowall et al.,1993)。
【0010】
本発明は、RNaseEの短縮が、r−RNAの成熟を有意に妨害することなく、全体として考慮された細胞m−RNA、及び調査された個々のm−RNAの大部分の全体的な安定化を引き起こすという事実の、本発明者らによる証明から生まれた(Lopez et al.,1999)。
【0011】
それに関して、欠失の効果は、RNaseEに熱感受性活性を与える、rne1(Babitzke and Kushner,1991)と改名されたams突然変異(Ono and Kuwano,1979)のようなN末端領域における突然変異の効果とは極めて異なっていた。例えば、37℃において、rne1突然変異は、m−RNAの寿命の中程度の増加(平均1.5倍、m−RNAの寿命とは、本明細書において、タンパク質合成のためのマトリックスとして機能する時間と定義される)を引き起こすが(Mudd et al.,1990a)、それは、r−RNAの成熟の有意な減速も引き起こし(「ノーザン」法により推定;Lopez et al.,1994を参照のこと)、増殖を2倍遅延させる。対照的に、RNaseEのC末端部分、特にRNaseEのアミノ酸586から1061の欠失は、r−RNAの成熟の減速を引き起こすことなく、そして増殖を遅延させることなく、より有意なm−RNAの安定化を引き起こす(平均2倍)。従って、後知恵的に、RNaseEのN末端の突然変異で観察された増殖の欠損は、単に細胞のr−RNA成熟能の欠如によるものである可能性が高い。
【0012】
要約すると、RNaseEのC末端部分の欠失は、r−RNAの迅速な成熟から判断して、触媒ドメインの活性に対する効果を有しない。その迅速な成熟は、そのような欠失を含有する細胞が生存可能である理由である。他方、欠失は、おそらく、m−RNAの分解にとって必要であるのかもしれない、多重タンパク質構造、いわゆる「デグラドソーム(degradosome)」内のRNaseEと他の酵素との相関を阻害するために、全体としてのm−RNAを安定化する(Carpousis et al.,1994;Miczack et al,1996;Py et al.,1996;Kido et al.,1996;Cohen and McDowall,1997)。本発明の見地から重要な点は、これらの欠失のため、正常な増殖を維持しつつ、増強されたm−RNA安定性を有するE.coli株を得ることが可能であるという点である。
【0013】
本発明者らは、RNaseEのC末端部分の欠失によるm−RNAの安定化が、均一ではなく、m−RNAの安定性が低いほど、より明白であることも示した。既知のように、これは発現系における「標的」遺伝子のm−RNAにしばしば当てはまる。従って、このm−RNAの全体的なタンパク質合成への寄与は、欠失の存在により増強される。従って、そのような欠失を含むE.coli株は、特に、該組換えポリペプチドの発現がT7 RNAポリメラーゼの調節下に置かれた場合、その変異を含まないE.coli株による組換えポリペプチドの発現収率と比較して、極めて高い収率(特に約3倍から25倍)で組換え外因性ポリペプチドを発現する。
【0014】
従って、本発明は、従来記載された方法の製造収率よりも実質的に大きい製造収率で、組換えタンパク質又はポリペプチド、特に薬学的又は生物学的に重要な組換えタンパク質又はポリペプチドを、E.coliから製造するための新規な方法を提供することを、目的として有する。
【0015】
本発明は、前記の方法を実施するための新規なE.coli株、及びそのような株を調製するための方法を提供することも、目的として有する。
【0016】
本発明は、あらかじめ決定された外因性組換えポリペプチド(又はタンパク質)を製造するための方法を実施するための、突然変異(該突然変異は、該突然変異遺伝子の発現により産生される酵素が、m−RNA分解活性をもはや有しないような変異であり、かつ該E.coli株の増殖に有意に影響を与えない突然変異である)を含むRNaseEをコードする遺伝子を有するE.coli株の使用を、目的として有する。
【0017】
本発明は、より具体的には、あらかじめ決定された外因性組換えポリペプチド(又はタンパク質)を製造するための方法を実施するための、突然変異(該突然変異は、該突然変異遺伝子の発現により産生される酵素が、RNaseEのr−RNAの成熟活性を維持しているが、m−RNAの分解活性をもはや有しないような突然変異である)を含むRNaseEをコードする遺伝子を有するE.coli株の使用に関する。
【0018】
本発明は、より具体的には、突然変異が、RNaseEのC末端部分をコードする遺伝子の領域における1個又は数個のヌクレオチドの置換又は欠失からなることを特徴とする、上記で定義されたE.coli株の前記の利用を、目的として有する。
【0019】
本発明は、さらに具体的には、突然変異が、配列番号1により表されるRNaseEをコードするDNAの1935位に位置するヌクレオチド及び3623位に位置するヌクレオチドを境界とする領域の1個又は数個のヌクレオチドの置換又は欠失に相当することを特徴とする、上記で定義されたE.coli株の前記の利用に関する。
【0020】
有利には、前記の突然変異は、RNaseEのC末端部分からの少なくとも1個のアミノ酸の修飾又は欠失を引き起こす。
【0021】
このために、本発明は、突然変異が、配列番号2により表されるRNaseEの配列の最後の563アミノ酸のうちの少なくとも1個から全部までの欠失を引き起こすことを特徴とする、上記で定義されたE.coli株の前記の利用を、目的として有する。
【0022】
本発明は、より具体的には、突然変異が、配列番号1の2196位から2198位に位置する終止コドンTAAを作出するための、配列番号:1の2196位のグアニンGのチミジンTとの置換に相当することを特徴とする、上記で定義されたE.coli株の前記の利用を、目的として有する。
【0023】
有利には、本発明に関連して使用される前記の突然変異型E.coli株は、外因性誘導可能発現系、特にT7バクテリオファージのRNAポリメラーゼを使用した誘導可能発現系を含有し、あらかじめ決定された組換えポリペプチドの発現が該発現系の調節下に置かれる。
【0024】
本発明は、突然変異(該突然変異は、該突然変異遺伝子の発現により産生される酵素が、m−RNAの分解活性をもはや有しないような変異であり、かつ該E.coli株の増殖に有意に影響を与えない変異である)を含むRNaseEをコードする遺伝子を有する、外因性誘導可能発現系を含有するよう形質転換されたE.coli株にも関する。
【0025】
本発明は、突然変異(該突然変異は、該突然変異遺伝子の発現により産生される酵素が、RNaseEのr−RNAの成熟活性を維持しているが、m−RNAの分解のための活性をもはや有しないような突然変異である)を含むRNaseEをコードする遺伝子を有する、特に前記の発現系から選択される外因性誘導可能発現系を含有するよう形質転換された前記のようなのE.coli株も、対象として有する。
【0026】
本発明は、より具体的には、誘導可能発現系が、T7バクテリオファージによりコードされるRNAポリメラーゼを使用することを特徴とする、前記のE.coli株を、対象として有する。
【0027】
本発明は、突然変異が、RNaseEのC末端部分をコードする遺伝子の領域からの1個又は数個のヌクレオチドの置換又は欠失からなることを特徴とする、前記のE.coli株にも関する。
【0028】
本発明は、より具体的には、突然変異が、配列番号1により表されるRNaseEをコードするDNA配列の1935位に位置するヌクレオチド及び3623位に位置するヌクレオチドを境界とする領域からの1個又は数個のヌクレオチドの置換又は欠失に相当することを特徴とする、上記で定義されたE.coli株に関する。
【0029】
本発明は、より具体的には、前記の突然変異が、該株により発現されるRNaseEのC末端部分の少なくとも1個のアミノ酸の修飾又は欠失を引き起こすことを特徴とする、上記で定義されたE.coli株を、対象として有する。
【0030】
そのため、本発明は、変異が、配列番号2により表されるRNaseEの配列の最後の563アミノ酸のうちの少なくとも1個、最大全部の欠失を引き起こすことを特徴とする、上記で定義されたE.coli株を、対象として有する。
【0031】
本発明は、より具体的には、突然変異が、配列番号1の2196位から2198位に位置する終止コドンTAAを作出するための、配列番号1の2196位のグアニンGのチミジンTとの置換に相当することを特徴とする、上記で定義されたE.coli株を、目的として有する。
【0032】
本発明は、誘導可能発現系が、1個又は数個の予定された組換えポリペプチドをコードするDNA配列の転写を調節することを特徴とする、上記で定義されたE.coli株も、対象として有する。
【0033】
本発明は、
−突然変異(該突然変異は、該突然変異遺伝子の発現により産生される酵素が、m−RNAの分解活性をもはや有しないような突然変異であり、かつ該E.coli株の増殖に有意に影響を与えない突然変異である)を含むRNaseEをコードする遺伝子を有するE.coli株を、1個又は数個の組換えポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含有するベクター、特にプラスミドで形質転換する工程、
−E.coli細胞における組換えポリペプチドの発現を許容するために十分な時間、前工程において得られた形質転換されたE.coli株を培養する工程、
−及び、前工程において産生された1個又は数個の組換えポリペプチドを、場合により、特にクロマトグラフィ、電気泳動、又は選択的沈殿による精製の後、回収する工程、を含むことを特徴とする、あらかじめ決定された組換えポリペプチドを製造するための任意の方法にも関する。
【0034】
本発明は、より具体的には、
−該1個又は数個の組換えポリペプチドをコードするヌクレオチド配列の転写が誘導可能発現系の調節下に置かれている、前記のE.coli株を得るため、前記のE.coli株を、1個又は数個の組換えポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含有するベクター、特にプラスミドで形質転換する工程、
−E.coli細胞における1個又は数個の組換えポリペプチドの発現を許容するために十分な時間、前工程において得られた形質転換されたE.coli株を培養し、該発現系を誘導する工程(該発現系の誘導は、特に、該発現系がT7 RNAポリメラーゼを要求する場合、T7 RNAポリメラーゼの合成を引き起こすことによりなされ、この合成は、培養培地へIPTGを添加することにより、又は温度を上昇させることにより顕著に誘発され、このRNAポリメラーゼをコードする遺伝子は、lacリプレッサーにより制御されるプロモーター(Studier and Moffat,1986)の調節下又は熱誘導可能プロモーター(Tabor and Richardson,1985)の調節下に置かれる)、
−及び、前工程において産生された1個又は数個の組換えポリペプチドを回収する工程、を含むことを特徴とする、上記で定義された予定された組換えポリペプチドを製造するための任意の方法を、目的として有する。
【0035】
本発明に関連して使用されうる、前記の変異型E.coli株を得るための一般的な方法は、以下の工程を含む。
−前記の突然変異を含むrne遺伝子を含有するプラスミド(該rne遺伝子のプロモーターは抑制されている)の調製、
−誘導可能発現系と、宿主の増殖を熱感受性にし、E.coli染色体上のrne遺伝子の所望の突然変異の獲得を選択することを許容する、いわゆるrne1突然変異(Ono and Kuwano,1979)のような、該E.coliに特定の特性を与えるrne遺伝子における染色体の突然変異とを含むE.coli株への、前工程において得られたプラスミドの導入、
−このようにして形質転換されたE.coli株の培養、及び前記の特定の特性を有するE.coli株、即ち該染色体の突然変異と該プラスミドの突然変異rne遺伝子に対応する相同配列との交換を許容する相同的組み換えから生じたクローンの選択、特に染色体の突然変異が該rne1突然変異である場合には熱抵抗性クローンの選択、
−選択されたクローンからのプラスミドの排除、及び特に突然変異型E.coli細胞により産生される前記の突然変異型rne遺伝子によりコードされた短縮型RNaseEポリペプチドの長さを電気泳導により分析することによる、前記の突然変異rne遺伝子を含むクローンの、これらのクローンの中からの同定。
【0036】
本発明は、本発明に係る突然変異型E.coli株の調製、及び予定されたポリペプチドを製造するためのその使用の、以下の詳細な説明を用いて、有利に例示される。
【0037】
1)586番目のコドンに終止コドンを含有する突然変異型rne遺伝子の構築
この特定の位置を選択したのは、このようにしてRNaseEにおいて作出される短縮は、キドら(1996)により得られた自然smbB131突然変異(本明細書においては、rne131と改名)から生じるものと形式的に等価であるためである。rne131は、RNaseEの通常の配列と関係のない32コドンの相補的な翻訳の後、終止コドン前のリーディング・フレーム・シフトを引き起こす、586番目のコドンの2ヌクレオチドの欠失である。
【0038】
そのような遺伝子を構築するため、配列のG2196ヌクレオチドを、Tと置換し、配列番号1のヌクレオチド2196〜2198にTAAコドン(終止)を作出した(この突然変異は、本明細書において、慣例に従い「G2196T」と呼ばれる)。
【0039】
所望の置換を作出するためには、まず、野生型rne遺伝子をpEMBL8+「ファージミド」(Dente et al.,1983)へサブクローニングした。そのため、完全なrne遺伝子の転写された配列を、以下のプライマー:
【0040】
【化1】
Figure 0004422336
【0041】
(太字の配列は、配列番号:1のヌクレオチド(nt)81〜98に相当し、イタリック体の配列はPstI酵素の認識配列である)、及び
【0042】
【化2】
Figure 0004422336
【0043】
(太字の配列は、配列番号:1のnt3630から3647と相補的であり、イタリック体の配列はBglII酵素により認識される)を用いて、E.coliゲノムから増幅した。
【0044】
次いで、増幅された断片を、酵素BglII及びPstI(これらの酵素はrne配列の内部に分解部位を有しない)により消化し、pEMBL8+(BamHI部位とBglII部位は相互にライゲートされうることに留意)のBamHI部位とPstI部位の間に挿入した。このようにしてクローニングされたrne配列は、プロモーターを欠いていることに注意されたい。
【0045】
次に、得られた配列のPstI部位へ、rne遺伝子と同一の方向で、以下の合成断片:
【0046】
【化3】
Figure 0004422336
【0047】
(太字の配列は、トリプトファン・オペロン(Christie et al.,1981)の極めて効率的な転写終結因子に相当し、イタリック体の末端部はPstIにより認識される配列に相当する)を導入することにより、ベクターから生じる任意の寄生的な転写を排除した。これらの予防措置は、原形質が保持するrne配列がプラスミドのプロモーターから転写され得ず、従ってプラスミドからRNaseEが合成され得ないことを保証する。この点の重要性は後に明らかとなろう。以下の記載において、このようにして得られたプラスミドをpRNEと名付ける。
【0048】
次いで、クンケル(Kunkel et al.,1987)により記載された特異的突然変異導入の一般的な技術を使用することにより、所望の置換(G→T)をpRNEプラスミドへ導入した。そのため、pRNEプラスミドをRZ1032株(Hfr KL16PO/45(lysA61-62 dut1 ung1 thi1 relA1 supE44 zbd-279::Tn10)へ導入した。この株に存在するdut1変異及びung1変異は、DNA中のチミジン(T)の代わりにデオキシウリジン(dU)の取り込みを引き起こす。次に、K07「ヘルパー」M13ファージ(ファルマシア(Pharmacia))を細胞に過剰感染させ、それにより、Tの代わりにdUを有する一本鎖形態のpRNEの配列を含む「ファージ」の、培地中の蓄積を引き起こした。除タンパク質後、この一本鎖マトリックスに、配列番号:1の2188位から2208位に相当する以下の合成オリゴヌクレオチド:
【0049】
【化4】
Figure 0004422336
【0050】
(Gの代わりに取り込まれることが望まれる「T」は太字で示されている)をハイブリダイズさせ、クレノウ・ポリメラーゼ、T4リガーゼ、ATP及びdNTPとのインキュベーションにより、ハイブリッドを二本鎖DNAへ変換した(Kunkel et al.,1987)。次いで、クローニングに一般的に使用されるE.coli株であるXL1(ストラタジーン(Stratagene))へ二本鎖ハイブリッドを導入した。この株のdut遺伝子及びung遺伝子はネイティブであり、従って、Tの代わりにdUを含む第一鎖は分解されるであろう。このようにして得られたXL1コロニーの大多数が、pRNEプラスミドに所望の突然変異を含む。
【0051】
4つの候補を選択することにより、所望の突然変異が明らかに存在すること、及びプラスミドが他を含まないことを確認した。それに関して、適当なオリゴヌクレオチド・プライマーを使用して、AflII−NruI領域(配列番号1のnt1931〜2345)の配列を決定し、この領域に他の修飾は含まずに単一の所望の突然変異を含む候補のみを選択した。次いで、そのような候補から生じたAflII−NruI断片を単離し、最初の(突然変異を導入されていない)pRNE原形質のAflII−NruI断片をその中に置換した。このようにして、所望の突然変異を含むプラスミドが得られた。このプラスミドを以後pRNE−STOPと呼ぶ。
【0052】
2)T7バクテリオファージのRNAポリメラーゼを発現する株であるBL21(DE3)の染色体への、RNaseEのコドン586に終止を作出する突然変異の導入
一般的な原理。所望の突然変異(G2196T)は、野生型と比較して表現型の変化を生じない。従って、それを染色体に導入するためには、2段階での実施が必要である。第一に、RNaseEのコドン66に誤方向の突然変異(ams又はrne1と呼ばれる突然変異;Ono and Kuwano,1979)を導入する。この突然変異は、配列番号1の番号付けによるとG636A転位に相当する(McDowall et al.,1993)。それは、RNaseEの熱安定性を減少させ、高温における増殖を妨害する。
【0053】
次に、得られた株へpRNE−stopプラスミドを導入し、高温において新たに増殖することができる細胞を選択する。原形質が保持するrne−stop遺伝子は、転写されず、機能的なRNaseEの合成に至らないことを想起されたい。いずれにせよ、二重の相同的組み換えのため、プラスミドは、染色体rne遺伝子の636位に野生型配列を輸送することができ(A636G突然変異)、同時に高温における増殖を再確立する。プラスミドと染色体rne領域との間の相同領域は、原形質が保持するG2196T突然変異の下流の約1500ntにわたっており、G2196T突然変異は、A636Gと同時に染色体へ移入される可能性が高い。次いで、プラスミドを排除すると、RNaseEの染色体遺伝子に唯一の突然変異G2196Tを含む株が得られる。
【0054】
BL21(DE3)株のrne1(ams)誘導体の調製。BL21(DE3)は、T7ポリメラーゼによる異種遺伝子の転写に基づく細菌発現系のための典型的な宿主である(Studier and Moffat,1986)。特にBL21(DE3)及びその誘導体に関して、任意の所望の遺伝的背景へのrne突然変異の導入を許容する技術が記載されている(Mudd et al.,1990b;Iost & Dreyfus,1995)。簡単に説明すると、ams/rne1突然変異、及びrne遺伝子から近位の染色体遺伝子座(zce−726)に挿入されたテトラサイクリン抵抗性遺伝子を含む細菌株(CH1828)から出発した。P1バクテリオファージ形質導入(Silhavy et al.,1984)として知られる一般的な技術を使用して、テトラサイクリンに対する耐性(TetR)の獲得を選択することにより、zce−726遺伝子座の周囲の数千ヌクレオチドのうちの数十のCH1828染色体の長い領域を、BL21(DE3)へ移入した。これらのTetRクローンは、高い割合(約50%)で、それらがrne1対立遺伝子も受容したことを示す、熱感受性増殖も示した。得られた株をBL21(DE3)rne1と名付けた。
【0055】
G2196T突然変異のBL21(DE3)染色体への導入。BL21(DE3)rne1をpRNE−stopプラスミド(そして、対照として、初期プラスミドpEMBL8+)で形質転換し、次いで、30℃における完全液体培地(LB培地;(Miller,1972))中での増殖の後、約105個の細菌をアガロース中に同培地を含有するペトリ皿に播き、次いで、42℃でインキュベートした。対照の細菌に関しては、24時間後に増殖が観察されなかった(ams/rne1変異は自然には復帰しない)。対照的に、pRNE−stopで形質転換された細菌は、プラスミドが保持する野生型配列のため、染色体rne1突然変異の復帰突然変異から生じた多数の熱抵抗性クローンを示した。次に、これらの熱抵抗性クローン12個を選択し、LB液体培地中で約20世代にわたりアンピシリンなしで培養することにより(42℃)、これらの候補からプラスミドを排除した。アンピシリンは、pEMBL8+に由来するプラスミドを維持するために必要であり、それが存在しない場合には、プラスミドは極めて容易に分離する(Dreyfus,1988)。このようにして処理された候補の、LB/アガロース培地における再単離の後、個々のコロニーがアンピシリンの存在下でもはや増殖し得ないことを試験することにより、プラスミドの欠損を確認した。
【0056】
636位における野生型配列と同時にG2196T突然変異も獲得した、熱抵抗性復帰突然変異体(大部分)の同定が残っている。これは、2段階で実施した。第一に、最小アガロース培地(本発明者らは、炭素源としてグリセロールを含むM63B1培地を使用する;(Miller,1972))上で候補を再単離し、対照としてBL21(DE3)初期株及びBL21(DE3)rne1熱感受性突然変異体も同ディッシュに播いた。次いで、これらを43℃でインキュベートした。G2196T突然変異は、これらの極度の条件下でわずかな増殖の減速を引き起こした。従って、研究された組換え体は、野生型BL21(DE3)細胞よりも小さいコロニーをもたらし、それが、これらの組換え体の研究のための一次スクリーニングを許容した。最終的な試験は、「ウェスタン」免疫学的技術(Sambrook et al.,1989)を使用して、RNaseEポリメラーゼのサイズを決定することによる。簡単に説明すると、様々な候補(及び前記の2つの対照)をLB液体培地中で増殖させた。600nmにおける培養物の光学濃度が0.5に達したとき、細胞を収集した。次いで、それらをリン酸緩衝液に再懸濁させ、超音波処理により溶解した。細胞片の排除後、細胞抽出物中のタンパク質を決定し(Bradford,1976)、次いで7.5%ポリアクリルアミドゲルを使用することにより、20μgのタンパク質混合物をレムリの技術(Laemmli,1970)による電気泳動にかけた。この技術は、タンパク質のサイズによる分離を可能にする。電気泳動後、タンパク質混合物をニトロセルロース膜へ電気的に転写した。次いで、膜を非特異的タンパク質で飽和し、次いで、ウサギにおいて作製されたRNaseEに対するポリクローナル抗体の1/10,000希釈物と共にインキュベートした。これを、ペルオキシダーゼ酵素とカップリングしたウサギIgGに対して作製されたヤギ抗体と共にインキュベートすることにより、固定された抗RNaseE抗体を有する膜の領域を検出した。アマシャム(Amersham)により市販されているキットを使用して、強化化学発光(ECL)技術により、膜上のペルオキシダーゼの存在それものを明らかにした。この技術は、各候補により合成されたRNaseEポリペプチドが移動した位置の決定を許容し、従ってこのポリペプチドのサイズの決定を許容する。特に、G2196T変異により引き起こされるサイズの減少は、これらの試験において即座に可視となる。この実験において得られた熱抵抗性候補の過半数が、所望の変異を保有していた。
【0057】
rne313変異の特定の例
BL21(DE3)染色体へキドらにより単離された(rne131のような)自然発生的突然変異を導入し、短縮型RNaseEの合成をもたらすためにも、前記のプロトコルを使用した。しかし、これらの突然変異は、最初から染色体上に局在しており、それらのプロトコルは単純化された。
【0058】
BZ31株(Kido et al.,1996)は、rne313突然変異を保持している。P1バクテリオファージによる形質導入(Silhavy et al.,1984;前記参照)により、42℃において増殖することが可能な形質転換体を選択することにより、BL21(DE3)rne1のrne遺伝子座の周囲にBZ31染色体の領域を転位させた。次に、前記の「ウェスタン」技術を使用することにより、これらのクローンが短縮型RNaseEポリペプチドを十分に合成することを確認した。試験された候補全て(6/6又は100%)が、所望の修飾を獲得した。付随的に、BL21(DE3)rne1を構築するための実験を考慮して予想されるように、熱抵抗性形質転換体の50%が、野生型zce−726遺伝子座も獲得し、従って再びテトラサイクリンに対して感受性(TetS)となった。続いて、BL21(DE3)rne131と呼ばれるTetS候補を選択した。
【0059】
3)T7プロモーターにより調節される効率的な遺伝子発現のための、BL21(DE3)rneG2196T株又はBL21(DE3)rne131株の利用
原理。rneG2196T突然変異又はrne131突然変異は、m−RNAの約2倍の全体的な安定化を引き起こす。しかし、この安定化は、m−RNAの全てに均一ではない。特に、間違いなくT7 RNAポリメラーゼ(この酵素はメッセージを翻訳するリボソームの速度よりもはるかに高速な伸長速度を有する;前記参照)の特定の特性のため、この酵素により合成されるm−RNAは細胞m−RNAの大部分と同程度に有利に安定化されていると考えられる。従って、rneG2196T又はrne131のような突然変異が細胞内に存在する場合、これらの特定のm−RNAの産物により構成される全タンパク質の割合は、増加することになる。この観察は、本発明の基礎である。いくつかの例を以下に挙げる。
【0060】
発明の定量的評価;lacZ遺伝子をモデル系として。数年前、本発明者らは、染色体のmalA領域に挿入された1コピーのlacZ遺伝子を含む、ENS134と呼ばれるBL21(DE3)誘導体の構築を記載した(Iost & Dreyfus,1995;Lopez et al.,1994)。発現を定量することが特に容易であるE.coli酵素β−ガラクトシダーゼ(Miller,1972)をコードするこの遺伝子は、T7プロモーターの調節下に置かれている。その後には、発現が転写レベルの便利な尺度を提供するE.coliの特定のt−RNA、t−RNAArgSをコードする遺伝子が続いている(Lopez et al.,1994)。このよく解明された系は、T7ポリメラーゼにより合成された特定のm−RNAの安定性、及び対応するポリペプチドの収量の、特に再現可能な測定を許容する。その試験により、前記のBL21(DE3)の場合と同様に、rne131突然変異をENS134に導入した。本発明者らは、突然変異を保持するENS134細胞又はその誘導体を37℃で増殖させた。培養培地に関して、本発明者らは、IPTG(イソプロピルβ−D−チオガラクトピラノシド;これはBL21(DE3)におけるT7ポリメラーゼの合成にとって存在することが必要な誘導剤である;Studier and Moffat,1986)の存在下で、リッチ合成培地又は最小培地(Neidhart et al.,1974)を使用した。対数増殖期に細胞を収集し、次いで超音波処理により溶解し、酵素活性を測定するか、又はレムリによる電気泳動によりβ−ガラクトシダーゼ・ポリペプチドの量を調査することにより、細胞抽出物中のβ−ガラクトシダーゼを決定した。突然変異の存在は、遺伝子の転写レベルに影響を与えることなく、リッチ培地においては約25倍、又は酢酸塩細胞培地においては80倍、β−ガラクトシダーゼの発現を増強することが観察された。モデル系を用いて得られたこの結果は、本発明の可能性を例示している。
【0061】
E.coliにおけるクローニングされた真核生物遺伝子の発現。T7ポリメラーゼの特性に基づく発現系において、発現すべき遺伝子、一般的には真核生物遺伝子を、E.coliにおける翻訳を許容するT7プロモーター及びリボソーム結合部位(RBS)の下流に融合させた。構築物を、pETと呼ばれるpBR322に由来する多コピー・プラスミドへ挿入し、BL21(DE3)株又はその誘導体のうちの一つへ置いた(Dubendorff & Studier,1991;Studier & Moffat,1986;Studier et al.,1990)。前記のように、発現すべき遺伝子、「標的」遺伝子の発現を、T7ポリメラーゼの合成を引き起こす、培養培地へのIPTG誘導剤の添加により開始させた。しかし、T7プロモーターからの遺伝子の転写は、あまりに活性が高く、多コピー・プラスミド上にこのプロモーターが存在する場合には細胞が死滅するため、前記のモデル系とは対照的に、この場合のIPTGによる誘導は一時的に過ぎなかった。
【0062】
ある一定数の真核生物遺伝子、即ちマウスの早熟の発生に関与しているKrox−20遺伝子(Vesque & Charnay,1992)、ニワトリ胚の形態形成に関与しているengrailed−2遺伝子(Logan et al.,1992)、及びヒト・レトロウイルスであるHTLV1のプロテアーゼをコードする遺伝子(Malik et al.,1988)を含むpETプラスミドを、BL21(DE3)及びBL21(DE3)rne131又はBL21(DE3)rneG2196Tへ導入した。細胞をOD600が約0.5になるまで増殖させ、次いでIPTGを添加した。4時間後に細胞を収集した。このようにして、前記のような電気泳動により分析される細胞抽出物が得られた。3つの例において、「標的」遺伝子の産物の検出を、「ウェスタン」技術により実施した(Krox−20及びengrailed−2に対して作製されたポリクローナル抗体及びモノクローナル抗体は、それぞれ、記載されている:(Patel et al.,1989;Vesque and Charnay,1992))。宿主がBL21(DE3)ではなくBL21(DE3)rne131である場合、「標的」遺伝子の産物は、3倍から10倍多量であることが観察できた。
【0063】
【表1】
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【0064】
【表2】
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【0065】
【表3】
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【0066】
【表4】
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【0067】
【表5】
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【配列表】
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Claims (8)

  1. あらかじめ決定された外因性組換えポリペプチド又はタンパク質を製造する方法を実施するための、突然変異遺伝子の発現により産生される酵素が、メッセンジャーRNA(m−RNA)を分解する活性をもはや有しないような突然変異を含むRNaseEをコードする遺伝子を有するエシュリヒア コリ(Escherichia coli(E.coli))株の使用であって、該突然変異が、該E.coli株の増殖に有意に影響を与えず、突然変異が、配列番号1の2196位から2198位に位置する終止コドンTAAを作出するための、配列番号1の2196位のグアニンGのチミジンTによる置換に相当することを特徴とする、エシュリヒア コリ株の使用。
  2. RNaseEをコードする遺伝子が、該突然変異遺伝子の発現により産生される酵素が、RNaseEのリボソームRNA(r−RNA)の成熟のための活性を維持しているが、m−RNAの分解のための活性をもはや有しないような突然変異を含むことを特徴とする、請求項1に記載のE.coli株の使用。
  3. 該株が、外因性誘導可能発現系を含有し、あらかじめ決定された組換えポリペプチドの発現が該発現系の調節下に置かれ、ここで該発現系はT7バクテリオファージのRNAポリメラーゼを含むことを特徴とする、請求項1又は2に記載のE.coli株の使用。
  4. 外因性誘導可能発現系を含有するように形質転換され、突然変異遺伝子の発現により産生される酵素が、m−RNAの分解のための活性をもはや有しないような突然変異を含むRNaseEをコードする遺伝子を有するE.coli株であって、かつこの突然変異が該E.coli株の増殖に有意に影響を与えず、突然変異が、配列番号1の2196位から2198位に位置する終止コドンTAAを作出するための、配列番号1の2196位のグアニンGのチミジンTによる置換に相当することを特徴とする、E.coli株。
  5. 外因性誘導可能発現系を含有するよう形質転換され、該突然変異遺伝子の発現により産生される酵素が、RNaseEのr−RNAの成熟のための活性を保存しているが、m−RNAの分解のための活性をもはや有しないような突然変異を含むRNaseEをコードする遺伝子を有する、請求項に記載のE.coli株。
  6. 誘導可能発現系がT7バクテリオファージのRNAポリメラーゼを使用することを特徴とする、請求項又はに記載のE.coli株。
  7. 誘導可能発現系が、1個又は数個のあらかじめ決定された組換えポリペプチドをコードするDNA配列の転写を調節することを特徴とする、請求項からのいずれか1項に記載のE.coli株。
  8. −該1個又は数個の組換えポリペプチドをコードするヌクレオチド配列の転写が誘導可能発現系の調節下に置かれている、請求項に記載のE.coli株を得るため、請求項からのいずれか1項に記載のE.coli株を、1個又は数個の組換えポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含有するベクター、特にプラスミドで形質転換する工程、
    −E.coli細胞における1個又は数個の組換えポリペプチドの発現を許容するために十分な時間、前工程において得られた形質転換されたE.coli株を培養し、該発現系を誘導する工程、
    −及び、前工程において産生された1個又は数個の組換えポリペプチドを回収する工程、を含むことを特徴とする、あらかじめ決定された組換えポリペプチドを製造するための方法。
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