第1の発明は、ダストボックス収納部を有する掃除機本体と、前記ダストボックス収納部に着脱自在に装着されると共に塵埃を捕集するダストボックスユニットと、前記掃除機本体の前部に摺動自在に設けられ前記ダストボックスユニットの前部を係止する尾錠と、前記ダストボックスユニット内に移動自在に設けられた連結軸とを備え、前記ダストボックスユニットを前記ダストボックス収納部に収納したときに、前記尾錠の摺動動作に連動して前記連結軸が移動し、その端部が前記ダストボックスユニットの後部より突出し、前記掃除機本体に設けた凹部に係合するようにしたもので、ダストボックスユニットをダストボック収納部に収納した時に、ダストボックスユニットの前部は尾錠で、後部は、連結軸の後端と凹部との係止で確実に固定されるので、ダストボックスユニット或いはそれにハンドルが設けられている場合はそのハンドルを不用意に持ち上げても、ダストボックスユニットがダストボックス収納部から外れて掃除機本体が床面に落ちて、床や家具に傷をつけたりすることが無い。また、ダストボックスユニットがダストボック収納部に確実に固定されているのでエアー漏れや、異常音の発生を防止する事ができる。
第2の発明は、特に、第1の発明の尾錠を後方に付勢する尾錠バネと、連結軸を前方に付勢するバネ体を設け、前記尾錠バネの付勢力を前記バネ体のそれより大きく設定したもので、尾錠がダストボックスユニットの前部に確実に係止されると共に、ダストボックスユニットをダストボック収納部から取り外す際に尾錠を解除方向に移動させると、バネ体の付勢力で、連結軸の端部が内方に確実に移動するので、その端部が、凹部に引っ掛かったままになることが無く、ダストボックスユニットの取り出しをスムーズに行なうことができる。
第3の発明は、特に、第1又は第2の発明の連結軸の、掃除機本体前後方向と平行な部分を受けるガイドリブを設け、前記ガイドリブと前記連結軸との間にガタを設けたもので、連結軸の寸法上のばらつきがあっても、それがガタの部分で吸収されるので、連結軸の移動がスムーズに行なわれ、動作の信頼性を高める事ができる。
第4の発明は、特に、第1〜3のいずれか1つの発明のダストボックスユニットに持ち運び用のボックスハンドルを昇降自在に設け、連結軸又は前記連結軸と共に移動する部材の一部に、持ち上げられた前記ボックスハンドルが下がらないようにするための係止部を設けたもので、都度ボックスハンドルの下に指を差しこんでそれを起こす必要が無いので、使用性、持ち運び性が向上する。
第5発明は、特に、第4の発明のボックスハンドルに上方から外力を加えると、係止部による前記ボックスハンドルの係止が外れるようにしたもので、ダストボックスユニットやボックスハンドルに予期せぬ外力が加わった時に、係止が外れボックスハンドルが収納されるので、ボックスハンドルの破損を防止する事ができる。
第6の発明は、特に、第4又は第5の発明のダストボックスユニットをダストボックス収納部に収納した状態では、尾錠を解除する方向に移動させないとボックスハンドルが持ち上げられないようにしたもので、掃除機本体を持ち運ぶ際に、誤ってダストボックスユニットのボックスハンドルを持ち上げて、掃除機本体の重さでボックスハンドルが破損したり、それにより掃除機本体が落下することがない。
第7の発明は、特に、第1〜6のいずれか1つの発明の連結軸を金属製の棒材で形成したもので、ダストボックスユニットの後部と本体との固定が確実に行なわれ、信頼性が高まると共に、汎用の棒材が使用できるので、安価に形成する事ができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
本発明の第1の実施の形態における電気掃除機について、図1〜19を用いて説明する。
図1は、本実施の形態における電気掃除機の全体斜視図、図2は、同電気掃除機の上面図、図3は、同電気掃除機の断面図である。
図において、1は掃除機本体で、後部に電動送風機2を内蔵した電動送風機室3が配され、前部に、着脱自在で塵埃を分離捕集するダストボックスユニット4を収納するダストボックス収納部5が配され、後方下部の両側に1対の走行用の車輪6が回転自在に取着され、底面前部には、同じく走行用のキャスター7が取着されている。掃除機本体1の前部には、ホース8の一端に設けた接続パイプ9が着脱自在に接続される吸入口10が設けられている。
ホース8の他端には、掃除の際に握る把手を備えた先端パイプ12が設けられている。13は、伸縮自在或いは継ぎ自在の延長管で、下流側端部が前記先端パイプ12に着脱自在に接続され、他端は、塵埃掻き揚げ用の回転ブラシ14と、その回転ブラシ14を回転駆動するモータ15を内蔵した吸い込み具16に着脱自在に接続される。
17は、掃除機本体1の側面に設けられた開口部で、ダストボックス収納部5に装着されたダストボックスユニット4の透明材料で形成された外郭側面が外から見えるようになっている。
18は、弾性材料から形成され掃除機本体1の前部から両側にかけて延設されたバンパーで、掃除機本体1の走行時に家具、柱などに衝突してもそれらに傷をつけないようにするためのもので、また、掃除機本体1に設けた開口部17と対向する部分が図に示されるように、くりぬかれている。
19は、掃除機本体1を持ち運ぶ際に立てて使用する本体ハンドルで、掃除機本体1の重心を通る垂直線上に回動中心が位置するように掃除機本体1の上部に回動自在に取り付けられている。
20は、ダストボックスユニット4の持ち運び用のボックスハンドルで、後端がダストボックスユニット4に回動自在に軸支され、その前端は、通常図1に示すようにダストボックスユニット4に収納されているが、ダストボックスユニット4を持ち運ぶ時や、掃除機本体1のダストボックス収納部5から取り外す時に、前部を持ち上げると、前端が上方に飛び出し、ボックスハンドル20が握れるようになる。
21は、ダストボックスユニット4を掃除機本体1のダストボック収納部5に収納した時にダストボックスユニット4の前端を保持する尾錠で、図14、図15に示すように尾錠バネ21aで後方側に付勢されている。
図3において、掃除機本体1の外郭は、その下部を形成すると共に後方にコードリール22を収納するコードリール収納部23を形成した下ボディ1aと、後部に電動送風機室3を形成した上ボディ1bからなり、電動送風機室3の底部は下ボディ1aで覆われる。24は、下ボディ1aに形成されたコードリール収納部23を覆うコードリール蓋で、そのコードリール蓋24及び下ボディ1aの夫々に設けた軸支部25でコードリール22が回動自在に軸支されている。
コードリール22は、電源コード32を巻き付けると共に上下にフランジ部22aを有するドラム部22bと、前記ドラム部22bを電源コード32を巻き付ける方向に付勢するバネ材22cから構成されている。
26は巻き戻し釦で、コードリール22に内蔵されたバネ材22cの付勢力に抗して外部に引き出された電源コード32を、コードリール22内に巻き戻す際に操作して巻き戻すもので、その巻き戻し釦26を下方に押すことにより、ブレーキローラー(図示せず)によるコードリール22の回動阻止が解除され、コードリール22がバネ材22cの付勢力で電源コード32を巻き上げるようになっている。
電動送風機2の前部は、弾性材料からなるサポート前27で、後部は、同じく弾性材料からなるサポート後28で、電動送風機室3内に支持されている。29は、電動送風機室3とダストボックス収納部5とを仕切る隔壁で、略中央に電動送風機2の吸入開口2aと連通する格子状の隔壁開口部30が設けられ、その隔壁開口部30は、ダストボックス収納部5側から三次フィルター31で覆われている。
図4は、掃除機本体1からダストボックスユニット4を取り外した時の斜視図であり、吸入口10の後方にパッキン37が設けられ、隔壁29の上部の幅方向に、後述の連結軸68の後端を引っ掛けるための1対の凹部38(図4では、一方のみ図示)が設けられ、ダストボックス収納部5の後方下部には、電源コード32の引き出し操作に連動して回転して後述の除塵板57を弾く弾きローラー33が設けられている。39は、弾きローラー33の周囲を覆うカバーで、弾きローラー33に髪の毛等が巻きついたときに、カバー39を外せば、容易に取り除くことができる。
図5は、電源コード32の引き出し操作から弾きローラー33までの回転力の伝達構成を示すもので、コードリール11の一方のフランジ22aの外周面に歯22dが円環状に配され、弾きローラー33を固定したシャフトA34の端部にギヤーA35が設けれ、歯22dとギヤーA35間に複数のギヤー群36が介在され、電源コード32の引き出し動作に応じてコードリール11のフランジ22aが回転すると、その回転力が、歯22d、ギヤー群36、ギヤーA35、シャフトA34の順に伝達され、弾きローラー33が回転するようになっている。
弾きローラー33は、弾き片33aと、それを挟み込むように形成されたフランジ33bで形成されている。
次に、ダストボックスユニット4の構成について図6〜12を用いて説明する。
図において、ダストボックスユニット4は、ダストボックス本体40と、ダストボックス本体40の後方開口部に着脱自在に装着されるフィルターユニット41から構成されている。
最初に、吸い込み具16から空気と共に吸引された塵埃の捕集構成について述べる。ダストボックス本体40の前部に、ダストボックスユニット4を掃除機本体1のダストボックス収納部5に装着した時に、掃除機本体1の吸入口10の後方に設けたパッキン37に気密に圧接し連通する吸入口A42と、尾錠21が係合する尾錠凹部52が設けられている。
ダストボックス本体40は、さらに、吸入口A42に直接連通すると共に粗塵を収納する粗塵室43と、連通口A44を介して粗塵室43と連通すると共に吸引風に含まれた細塵を遠心分離する遠心分離室45と、遠心分離室45の周壁の一部に設けた連通口B46
から落下する細塵を捕集する細塵室47と、前記粗塵室43と細塵室47の夫々の開口部43b、47bを覆うと共に後方端部がダストボックス本体40に回動自在に軸支された蓋体48を備えている。蓋体48は、コイルバネ49により開成方向に付勢されており、通常は、ダストボックス本体40に設けた係止片50で、その前部が閉じた状態に保持されており、ボックスハンドル20の前部に設けた解除釦51を押すと、それに連結された連結機構(図示せず)を介して係止片50が外方に移動し、蓋体48がコイルバネ49の付勢力で開くようになっている。
図6(c)に示すように、遠心分離室45の前部断面形状は、天面が平坦なDカット状に形成されている。これは、掃除機本体1の外郭の一部を成すダストボックスユニット4の前部の表面を低く見せ、デザイン状のバリエーションを広げるためである。さらに連通口B46の細塵室47側には、筒状のリブ45cが延設され、細塵室47に流入した細塵が遠心分離室45に逆流させないためのものである。
また、ダストボックス本体40の粗塵室43と細塵室47を形成している外郭部分は、半透明材料で形成され、外部から堆積した塵埃の量がわかるようになっている。
ダストボックス本体40の後側には、ダストボックスユニット4や、その構成部品に付着した塵埃を清掃する為のクリーニングブラシ53を収納するブラシ収納部40aが設けられている。
フィルターユニット41は、枠体54と、プリーツ折りされそのプリーツ目を縦方向にして枠体54に設けられた二次フィルター55と、枠体54の内側に橋渡し状に形成され、二次フィルター55をその折り目方向に直交する方向で保持するリブ体56と、鋼鈑など弾性に富んだ金属材からなり、下部がそれ自身の弾性力で枠体54側に押しつけられるように上部が枠体54の上部に取り付けられた除塵板57とを備えている。フィルターユニット41の枠体54の下流側端部には全周に渡ってリップ58が、一体又は一体的に形成され、ダストボックスユニット4を、ダストボックス収納部5に装着した時に、そのリップ58が、掃除機本体1の隔壁29のダストボックス収納部5側の面に圧接され、電動送風機2の運転時に外気が吸引されないようになっている。
フィルターユニット41の前面59は、二次フィルター55の上流側を覆うと共に、フィルターユニット41をダストボックス本体40に装着した時に、粗塵室43、遠心分離室45、細塵室47の夫々の後方開口部43a、45a、47aを気密に覆うようになっている。さらにフィルターユニット41の前面59の、前記後方開口部43a、45a、47aの夫々に対応する位置に、開口A60、開口B61、開口C62が設けられ、かつ、各開口A60、開口B61、開口C62には一次フィルター60a、61a、62aが設けられて、フィルターユニット41内に粗塵や、細塵が浸入するのを防止している。
除塵板57の下端には、突片57aが延設され、図11、図12の要部断面図に示すように、ダストボックスユニット4をダストボックス収納部5に装着した時に、掃除機本体1に設けた弾きローラー33に近接するように配されており、この状態で電源コード32を引き出すと、その引き出し動作に連動して弾きローラー33が回転し、山状に形成された弾き片33aが、除塵板57の弾性力に抗して除塵板57の突片57aを後方に移動させ、その突片57aが弾き片33aを乗り越えると(図12参照)、除塵板57の弾性力で元の左方向に一気に戻ろうとする。この時、除塵板57の一部がリブ体56の先端に当たってリブ体56に強い衝撃が加わり、これにより二次フィルター55に強い振動が加わり、二次フィルター55に付着していた細塵が振り落とされ、二次フィルター55の濾過性能が復活する。
上記構成による動作、作用は以下の通りである。
電気掃除機の使用開始に当たり、掃除機本体1より電源コード32を引き出すと、その引き出し動作に連動して、コードリール22のフランジ22aが回転し、その回転力が、ギヤー群36、ギヤーA35と伝達され、弾きローラー33が回転する。弾きローラー33が回転すると、その弾き片33aが除塵板57に設けた突片57aを弾き、フィルターユニット41のリブ体56に強い衝撃が加わり、前回までの掃除の際に二次フィルター55に付着した細塵がふるい落とされ、二次フィルター55の濾過能力が回復する。
次に、電源コード32を図示しない壁のコンセントにさし込んで、電気掃除機の運転を開始すると、電動送風機2による吸引力が、開口A60、開口B61、開口C62、一次フィルター60a、61a、62aを経て、粗塵室43、遠心分離室45、細塵室47に及び、ホース8、延長管13を経て吸い込み具16に至る。そして、吸い込み具16から吸引された塵埃を含んだ空気が、掃除機本体1の吸入口10を通って、ダストボックス本体40の吸入口A42から真っ直ぐ粗塵室43に入り、一次フィルター60aに当たりそこで捕集され、堆積していく。
電動送風機2による吸引力は、遠心分離室45にも作用しているので、粗塵室43で、粗塵が除去された空気の一部は、吸入口A42側に位置する連通口A44を通って、遠心分離室45に流入する。ここで、空気は、一次フィルター61aの表面に沿ってかつその接線方向から遠心分離室45に流入するので、塵埃の遠心分離が効果的に行なわれると共に、一次フィルター61aに塵埃が付着し難くなり、塵埃による目詰まりが起き難いので、一次フィルター61aでの空気圧損の低下を抑制する事ができる。
遠心分離室45で遠心分離された細塵は、遠心分離室45の周壁の一部に設けた連通口B46から細塵室47に落下する。
上記構成によれば、粗塵が粗塵室43で予め捕集されるので、遠心分離室45での塵埃の遠心分離のための負担が軽減され、しかもそこで分離された細塵が細塵室47で捕集されるので、遠心分離室45に細塵が残るのが抑制され、高い遠心分離性能を長期にわたって維持することができる。
また、細塵室47における吸気圧損を、遠心分離室45及び粗塵室43における吸気圧損より大きくなるように設定しておけば、遠心分離室45に細塵が残るのが抑制され、高い遠心分離性能を長期にわたって維持できる。
さらに、遠心分離室45の吸気風量を、少なくとも1.3立方m/分以上になるように一次フィルター60a、61a、62aの夫々のフィルターの目の大きさや、材料、開口A、B、C60、61、62の面積を設定しておけば、電動送風機2を冷却するための空気量が十分確保され、電動送風機2の寿命が長くなり、かつ電動送風機2の異常発熱、焼損を防止することができる。
また、図10に示すように、一次フィルター60a、61a、62aが同一面上に設けられているので、それらを清掃するのが非常に簡単で、しかも清掃漏れもなく、非常に使用勝手が良いものである。なお、上記実施の形態では、一次フィルター60a、61a、62aが面一に設けられているが、多少の段差、具体的には6mm位までの段差が、一次フィルター60a、61a、62a間で、或いはそれらと前面59の表面との間にあっても、清掃がやり易いことにはかわりはない。
また、弾きローラー33を回転させて除塵板57の突片57aを弾き、その反発力で前
記枠体54に衝撃を与えるようにしたので、除塵板57によって枠体54に加わる衝撃で二次フィルター55の上流側の面に付着した塵埃がふるい落とされ二次フィルター55の濾過能力が復活すると共に、二次フィルター55に除塵板57が直接衝撃を与えないので二次フィルター55が破損する事が無い。
また、電源コード32の引き出し動作に連動して弾きローラー33を回転させるようにしたので、弾きローラー33を回転させるための特別な駆動源を必要とせず、除塵機構を安価に形成する事ができる。なお、電源コード32の収納動作に連動して、あるいは、電源コード32の引き出し動作及び収納動作の両動作に連動して弾きローラー33を回転させるようにすれば、弾きローラー33の回転する機会が増え、除塵効果が向上する。
また、弾きローラー33を、図示しないが、別途設けたモータで回転駆動するようにすれば、除塵構成が簡素化され、しかも除塵効果を安定させることができる。
さらに、除塵板57の上端を枠体54の上端に固定しているので、掃除機本体1側の構成が簡素化され、除塵効果が安定する。
また、二次フィルター55をプリーツ折りし、かつそのプリーツ目を縦方向にしたので、叩き出した塵埃を効率良く下方に落とすことができると共に、塵埃の二次フィルター55への再付着を防止することができる。
また、二次フィルター55の上流側の面を僅かに下を向くように傾斜させるようにすれば、叩き出した塵埃が効率良く下方に落とされ、二次フィルター55に、叩き出された塵埃が再付着する事が無い。
また、枠体54を樹脂で成型し、前記枠体54に二次フィルター55のプリーツ部を連結するリブ体56を一体に設け、このリブ体56を除塵板57で弾くようにしたので、リブ体56を介して衝撃を二次フィルター55全域に渡って伝える事ができ、塵埃の叩き出し効果が向上する。
また、図8に示すように、除塵板57を途中から左右に2分割し、夫々の突片57aを弾きローラー33でタイミングをずらして弾くようにすれば、電源コード32を引き出す時の引き出し力あるいは、弾きローラー33を回転駆動するモータのトルクを半減できる。
なお、除塵板57の途中からの分割は、2分割に限らず3分割、4分割でも構わない。
また、除塵板57により枠体54を介して二次フィルター55に加えられる衝撃力を150g以上にすれば、風量を初期の80%程度まで回復できるものである。
また、弾きローラー33を、除塵板57の突片57aを弾く弾き片33aと、前記弾き片33aを挟むように両側に設けたフランジ33bで形成し、突片57aが両フランジ33b間に入り込むようにしたので、弾きローラー33に髪の毛等がひっかかりにくくなる。
次に、ダストボックスユニット4のダストボックス収納部5への固定構造について説明する。
図13は、ダストボックス本体40の内部構造を示す図で、ダストボックス本体40内に、略逆コの字状で前部が支持部材67で支持され、略水平方向で摺動自在の連結軸68
が設けられている。支持部材67は、バネ体69で常時前側に付勢され、図14に示すように、連結軸68の後方端部は、ダストボックス本体40内に収納されている。
一方、バネ体69による付勢力に抗して支持部材67を後方に移動させると、図15に示すように、連結軸68の後方端部がダストボックス本体40に設けた開口部70から突出すると共に、掃除機本体1の隔壁29に設けた凹部38に浸入するようになっている。
支持部材67の先端部67aは、図7、図14に示すように、ダストボックス本体40の前部に設けた尾錠凹部52に臨んで設けられている。なお、尾錠21を後方に付勢する尾錠バネ21aの付勢力は、バネ体69の付勢力より大きく設定されている。
71は、連結軸68を受けるガイドリブで、連結軸68の内・外方へ変形を防止するためのものである。
上記構成により、ダストボックスユニット4を上方よりダストボックス収納部5に挿入していくと、ダストボックス本体40に設けた尾錠凹部52の下端が、尾錠21の先端の傾斜部21bに当接し、ダストボックスユニット4をさらに押し下げると、尾錠バネ21aの付勢力に抗して、尾錠21が前側に移動し、尾錠凹部52が、図15に示すような最終位置に達すると、尾錠21の先端が、尾錠バネ21aの付勢力で尾錠凹部52に浸入し、ダストボックスユニット4の前部が係止される。この時、同時に、尾錠21の先端が支持部材の67の先端部67aに当接し、さらにバネ体69の付勢力に抗して支持部材67を後方に押し、連結軸68の後方端部が、開口部70より飛び出し、掃除機本体1の隔壁29に設けた凹部38に係合し、ダストボックスユニット4の前後がコードボックス収納部5に確実に固定される。
ダストボックスユニット4をコードボックス収納部5から取り外す時は、尾錠21を前側に指で尾錠バネ21aの付勢力に抗して移動させると、尾錠21の先端が尾錠凹部52から外れると共に、連結軸68が、バネ体69の付勢力により、前方に移動して、連結軸68の先端部が凹部38から抜けるので、後はボックスハンドル20を握って、ダストボックスユニット4を上方に持ち上げるだけで良い。
次に、ダストボックスユニット4のボックスハンドル20の回動構成及び蓋体48の開成操作について、図16〜図18を用いて説明する。
図16(a)は、ボックスハンドル20がダストボックス本体40に収納された状態、図16(b)は、同ボックスハンドル20を起こした状態をそれぞれ示している。
支持部材67の一部に係止部67bが形成され、一方ボックスハンドル20の側面には、ボックスハンドル20を上方に引き上げた時に、前記係止部67bによって係止される被係止部20aが設けられている。
図16(a)のボックスハンドル20がダストボックス本体40に収納された状態から、ボックスハンドル20を持ち上げて行くと、被係止部20aを設けたリブ20bが、バネ体69の付勢力に抗して支持部材67を後退させ、それがリブ20bを乗り越えると、係止部67bが被係止部20aに係止され、ボックスハンドル20が立ちあがった状態に維持され、ダストボックス収納部5から取り外したダストボックスユニット4を自由に持ち運ぶ事ができる。なお、係止部67bと被係止部20aとの係り代や形状を調整して、ボックスハンドル20に強い力が加わった時に両者間の係止が解除されるようにしておけば、ボックスハンドル20に外力が加わった時に、両者間の係止が解除され、ボックスハンドル20が破損するのを防止することができる。
図17は、ボックスハンドル20に設けた解除釦51と蓋体48との連結構成を示す図である。
同図において、ボックスハンドル20に設けた解除釦51は、バネ材75により上方に付勢されると共に、略中央部を支点に傾動自在に設けられた連結部材A76の一端に接離するように配され、前記連結部材A76の他端には連結部材B77、連結部材C78、連結部材D79が順に連結されている。
図18(a)は、ボックスハンドル20がダストボックス本体40に収納された状態を示している。図18(b)に示すように、ボックスハンドル20を起こすと、連結部材A76、連結部材B77、連結部材C78、連結部材D79が順に連結される。ここで、ボックスハンドル20に設けた解除釦51を押すと、図18(c)に示すように連結部材A76の連結部材B77側端部が上に上がり、それにより連結部材B77、連結部材C78、連結部材D79が上に引き上げられ、連結部材D79の下端に設けた傾斜面79aにより、回動片80が時計方向に回動し、回動片80の下端に形成された係止片50が左側に移動し、蓋体48の係止を解除し、蓋体48が、コイルバネ49の付勢力で開成する。
また、図19に示すように、蓋体48の上面の回動中心側には、粗塵室43、細塵室47の夫々に臨むと共に、粗塵室43、細塵室47の塵埃の堆積方向と略平行に塵埃を掻き出すための掻き出し板82a、82bとが一体に形成され、さらに掻き出し板82a、82bの先端には、塵埃を引っ掛けるための櫛歯状の引っ掛け部82c、82dが鉛直方向に延設されている。また、引っ掛け部82c、82dの先端側を根元側より細く形成して、引っ掛けられた塵埃の除去を容易にしている。
上記構成により、ダストボックスユニット4を、図示しないゴミ箱の上に持ってきて、ボックスハンドル20の先端に設けられた解除釦51を押すと、蓋体48が開き、同時に図19(c)に示すように、粗塵室43、細塵室47内の塵埃が掻き出し板82a、82bの引っ掛け部82c、82dに引っ掛けられると共に掻き出し板82a、82bにより引きずり出され、ゴミ箱内に落下する。
以上のように、本実施の形態によれば、粗塵室43、細塵室47内の塵埃を掻き出す掻き出し板82a、82bを設け、その掻き出し板82a、82bに引っ掛け部82c、82dを設けたので、粗塵室43、細塵室47内に堆積した塵埃を、手を汚すことなく掻き出し板82a、82bで確実に引きずり出すことができる。
また、引っ掛け部82c、82dを掻き出し板82a、82bの先端に延設したので、粗塵室43、細塵室47の奥まで詰まった塵埃を取り出すことができる。
さらに、引っ掛け部82c、82dを櫛歯状に形成したので、塵埃を確実に引っ掛ける事ができ、取り残しがない。
また、引っ掛け部82c、82dの先端側を根元側より細く形成したので、引っ掛け部82c、82dに引っ掛けた塵埃を取り除くのが容易になる。
さらに、掻き出し板82a、82bを、一端をダストボックスユニット4に回動自在に取り付けた蓋体48に一体に形成したので、蓋体48の開閉動作と同時に、粗塵室43、細塵室47内の塵埃が引き出されるので、塵埃の取り出し、廃棄が容易で使用勝手が大幅に向上するものである。
(実施の形態2)
図20は、本発明の第2の実施の形態における電気掃除機の要部断面図である。
本実施の形態は、図20に示すように、ボックスハンドル20の一部に被係止部20cを設け、ボックスハンドル20がダストボックス本体40に収納された状態で、前記被係止部20cに係止する係止部21cを尾錠21に設けたもので、ダストボックスユニット4が、ダストボックス収納部5に収納されている状態で、掃除機本体1を持ち運ぶ際に、本体ハンドル19と間違えてダストボックスユニット4のボックスハンドル20を持ち上げようとしても、被係止部20cと係止部21cが係止されて、ボックスハンドル20が上に上がらず、したがってボックスハンドル20の下に指が入らず、持ち上げる事が出来ないので、掃除機本体1の重さでボックスハンドル20が破損したり、それにより掃除機本体1が落下することがない。
ボックスハンドル20を持ち上げる時、即ちダストボックス4を掃除機本体1から外す時、尾錠21を左方に移動させると、被係止部20cと係止部21cの係止が簡単に解除されるので、使用勝手が良いものである。