JP4418307B2 - 板材の取付調整具 - Google Patents
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Description
この公知の取付調整具は、外筒の接着座面の周縁に両面粘着テープを貼着するなどして躯体に固定し、内筒側から案内筒に接着剤注入ノズルを押し当てて接着剤を注入すると、外筒の接着座面と躯体との間にテープの厚み分だけ隙間が形成されているために、接着剤は一旦外筒の接着座面の外側を通ってから連通部を通過して内外筒の隙間に到達するようになっている。
内筒を引き出して取付調整具を伸長させ、内筒の座面に接着剤を塗布し、これに向って板材を直立させながら前進させると、内筒の座面はその突出位置に応じて順次板体に接着させられることになる。所定の間隔を維持した状態で板材の前進を停止させると座面の移動も停止するから、そのまま接着剤を養生硬化させることによって、板材は取付調整具を介して躯体に固定されることになる。
また、この取付調整具は、板材を一旦押圧前進させて座面を板材に貼着させた後、板材を引き戻して取り付けることも行われる。
近時、断熱や遮音効果を高めるために、躯体に発泡液などの液状の断熱材を吹き付けて断熱層を形成することが行われている。しかしながら、上記の取付調整具を断熱層上に直接固定すると取付強度が低下してしまう不都合がある。また、躯体に取り付けた状態で断熱材を吹き付けようとすると、取付調整具の取付位置によっては断熱材が取付調整具に対して斜めから吹き付けられることになるから、外筒が遮蔽作用を果たし、反対側、とりわけ外筒の基端部の回りに発泡液が十分に届かなくなって、断熱層に隙間が発生してしまう不都合もあった。
この傾斜壁は、外筒の周囲にスカート状の截頭円錐形を形成することになるため、斜め方向から発泡液を吹き付けると、外筒の傾斜壁上に発泡液が吹き付けられることになる。発泡液が届きにくい外筒の周囲には、あらかじめ断熱層が形成されているから、外筒の周囲に断熱層の隙間が生じることはない。
なお、傾斜壁部材と外筒に密嵌させたり、接着させたりしておくことが望ましい。
発泡液を吹き付けて躯体上に断熱層を形成した後、閉塞部材を外して内筒を外筒内に嵌合させて取付調整具を形成する。
ついで、案内筒から接着剤を注入し、接着剤を外筒の接着座面の外側から連通部を通過させて内外筒の隙間に到達させた後、内筒を引出して取付調整具を伸長させる。
内筒の接着座面に設けた接着層に向って板材を押しつけると、各接着座面はそれぞれ独立して板材と接着して行き、所望の位置で板材の前進を停止して接着剤を養生硬化させると、板材が取付調整具を介して躯体に接着されることになる。
また、接着剤の注入によって外筒の接着座面の外側に接着剤を臨ませられるから、同時にこの接着剤によって座面を躯体に永久固定することができることになる。
なお、使用する接着剤が少量であるため、カビの発生を抑制できる利点もある。
発泡液は、吹き付けが容易で躯体との接着性がよく吸湿性や吸水性がないものを用いることが望ましい。スチレン系やウレタン系の発泡液を好適に使用することができる。
また、内外筒は、ABS樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂などの合成樹脂で容易に成形することができる。その他木製のものであっても良い。
なお、内外筒は躯体又は板体の断熱層を形成する側に外筒を接着させることになる。
第一の方法は、内外筒の収縮状態において内筒の接着座面から透孔に連通させて突設させた案内筒の先端を外筒の透孔の開口縁に当接させて接着剤を注入し、外筒の接着座面の外側から連通孔を通過させて内外筒間に接着剤を充填する方法である。
この方法では、接着剤注入ノズルを内筒の接着座面に形成した透孔に押し当てて注入できるから注入時の内筒の浮き上がりを防止することができる。
第二の方法は、外筒の接着座面の透孔に連通させて突設した案内筒の先端開口部から接着剤を注入し、外筒の接着座面の外側から連通孔を通過させて内外筒間に接着剤を充填する方法である。
この方法では、注入される接着剤の注入圧によって内筒が押し上げられないように押さえながら注入することが望ましい。
いずれの方法によっても、接着剤の注入によって外筒の座面の外側に接着剤を臨ませられるから、座面を躯体に永久固定することができる。
座面の周縁を両面粘着テープなどを使用して仮固定させる方法を採用すると、仮固定と永久固定とを併用できるから、作業効率を一層高められる利点がある。
外筒5及び内筒15のいずれの部材もABS樹脂で形成している。
この実施例においては、外筒5は、直径80mmの座面2の表面に直立させてあって、内径49mm、高さ30mmの断面円形の形態であり、内筒15は、直径80mmの座面12の裏面に直立させてあって、外径46mm、高さ30mmの断面円形の形態となっている。したがって、内外筒5、15を嵌合させた状態では、内外筒壁の間に1.5mm
の隙間10が形成されることになる。これらの寸法は、取り付ける板体の大きさ、重さ、強度等を総合的に勘案して設計されることになる。
図1では凹部4の外側に両面接着テープ9を貼着させた状態を示している。座面2を図示しない躯体や板体に貼着させた状態において、座面との間に凹部4の深さにこのテープ9の厚みを加えた深さの隙間が形成されることになる。
なお、外筒5は断熱層を形成しようとする躯体又は板体に固定するが、本実施例では、躯体壁面30に外筒5を固定すると共に断熱層31を形成する例について説明する。
なお、案内筒14の先端部には段部11を形成して先端部が細く形成してあり、案内筒14の先端部が透孔3の内側に進入すると共に段部11が透孔3の開口縁を押圧することによって、水密状態を形成できるようにしている。段部に代えてテーパー壁で構成することもできる。
なお、この実施例では、内外筒15、5を円滑に嵌合させられるように、突起8の上端部内側及び突起18、18の下端外側部分をテーパー壁で構成している。また、各突起8、18は、周方向に4個ずつ形成しているが、突起の個数及びその間隔は部材の大きさ等に対応して適宜設計することになる。
なお、内筒15の座面側には、空気抜き用の小孔17、17を穿設していて、内筒15を移動させる際に空洞20内と外側との空気の移動を円滑に行えるようにしている。
最初に、内筒15を外筒5から外し、その外側にキャップ32を被せる(図2参照)。このキャップは取り外し可能な形態であればどのような形態を採用しても良い。
次いで、座面2の外側に貼着させた両面粘着テープ9から図示しない剥離紙を除去し、躯体30表面の所定の位置に外筒5、5貼着させる。
このとき、外筒に被せたキャップ22の外側にも断熱層31が形成される。
形成された断熱層21を養生させた後、キャップ22を断熱層21ごと外して外筒5を露出させ、外していた内筒15を外筒5の内側に嵌合させ、取付調整具を使用した板体の取付準備が完了する。
接着剤24は、案内筒14から透孔3を通って皿状凹部4に臨み、そのまま放射方向に進んで連通孔6、6を通過して隙間10に臨むことになる。接着剤24が隙間10における外筒5の開口端に臨んだ段階でその注入を停止する。
内筒15を引き出しても、内外筒先端部の突起8、18同志が係合して内筒15が抜け出るのを防止する。
その状態で図示しない内装板を内筒15の座面に向って前進させると、内筒15の粘着テープ19によって内筒の座面12と内装板とが仮固定され、そのまま取付位置に到達するまで前進させて養生すると、接着剤が硬化して内筒15と内装板とが永久固定されることになる。
この形態でも、実施例1と同様に、躯体壁面30に吹き付ける液状の発泡液は、傾斜壁26上に吹き付けられることになる。断熱筒7を別体で形成するのに比べて外筒25に傾斜壁を一体に形成できるから、その取扱いが簡便となる利点がある。
なお、この形態を採用する場合には、、少なくとも外筒25は熱伝導率の小さいものを使用することが望ましい。
Claims (5)
- 伸縮を可能にして嵌合させた内外筒の一方に躯体との接着座面を他方に板材との接着座面をそれぞれ設け、外筒の座面に内外筒が形成する隙間との連通部を形成すると共にその外側に躯体との貼着部を設け、各座面の中央に透孔を設け、その一方に連通させて突設した案内筒から注入した接着剤を外筒の接着座面の外側から連通部を通過させて内外筒の隙間に到達させるようにした板材の取付調整具において、外筒の上部から座面に向って拡開する断熱素材からなる傾斜壁を設けた取付調整具。
- 傾斜壁が外筒及びその接着座面と一体に形成してある請求項1に記載の取付調整具。
- 傾斜壁を別体に形成して外筒に嵌合させてある請求項1に記載の取付調整具。
- 傾斜壁を断熱材で形成した請求項2に記載の取付調整具。
- 請求項1乃至5のいずれかに記載の取付調整具を使用した板材の取付方法であって、外筒を躯体に接着させ、その開口縁に取り外し容易な閉塞部材を取り付け、発泡液を吹き付けて躯体上に断熱層を形成し、閉塞部材を外して内筒を外筒内に嵌合させ、案内筒から接着剤を注入して内外筒の隙間に充填させた後、内筒を引出して取付調整具を伸長させ、内筒の接着座面に設けた接着層に向って板材を押しつける板材の取付方法。
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