JP4417691B2 - 積層型電子部品の製造方法 - Google Patents

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本発明は、積層チップ型のインダクタ、トランス、コモンモードチョークコイル等の単体部品は元より、LCフィルタ等の複合部品を形成するL部或いはDC−DCコンバータ等の他の電子部品を搭載するのに用いられる基板を含む積層型電子部品及びその製造方法に関するものである。
従来の積層型電子部品に、例えば、図6に示す様に、誘電体層とコイル用導体パターン62を積層し、誘電体層間のコイル用導体パターンを接続して積層体65内にコイルが形成されると共に、積層体65内のコイルの巻軸部分にコア63が形成されたものがある(例えば、特許文献1を参照。)。この積層体65の上下には、磁性体層64が積層されている。
特開平7-201569号公報
この様な積層型電子部品は、コイルの巻軸部分に貫通孔を形成してこの貫通孔内に磁性体を設けた誘電体シートが用いられ、この誘電体シートの表面にコイル用導体パターンを印刷した後、所定の枚数の誘電体シートを積層することにより製造されている。
この様に形成された従来の積層型電子部品は、1層ごとに誘電体シートのコイルの巻軸部分と対応する位置に磁性体を設けてこの誘電体シートを積層することにより積層体内にコア63が形成されているので、図6に示すようにコア63の断面に複数のテーパー状部分が形成されやすく、このテーパー状部分の寸法を考慮してコアの径を設定する必要があるため有効な磁束通過面積を充分に確保できないという問題があった。また、コア63を構成する磁性体が層間で剥離しやすく、コア63の横断面方向にクラックが入るという問題があった。このようにコアの横断面にクラックが入った場合、コイルに流れる電流によって生じる磁束がこのクラックによって遮断されることになる。従って、従来の積層型電子部品は、磁気的な結合係数が小さくなりやすく、特性もばらつくという問題があった。
さらに、従来の積層型電子部品は、積層体内にトランスを形成する場合、コアのテーパー状部分によって磁束が通過する部分とコイル用導体パターンとの間の距離が大きくなりやすく、コイル間の磁気結合が小さくなるという問題があった。
本発明は、コアの断面に複数のテーパー状部分が形成されたり、コアを構成する磁性体が層間で剥離してコアの横断面にクラックが入ったりすることがなく、磁気的な結合係数を大きくできると共に、特性のばらつきを小さくできる積層型電子部品及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、誘電体層とコイル用導体パターンを積層して積層体内にコイルが形成され、コイルの巻軸部分にコアが形成された積層型電子部品において、コアが、コイルの巻軸と平行な方向に延在する孔内に形成されると共に、横断面積の60%以上を磁性体で満たす。また、本発明は、誘電体層とコイル用導体パターンを積層して積層体内にコイルが形成され、コイルの巻軸部分にコアが形成された積層型電子部品において、コアが、コイルの巻軸と平行な方向に延在する第1の磁性体と、第1の磁性体の内側に位置し、第1の磁性体よりも粗密度な第2の磁性体を備える。
また、本発明の積層型電子部品の製造方法は、誘電体層とコイル用導体パターンを積層して積層体内にコイルが形成される第1の工程、積層体のコイルの巻軸部分に孔を形成する第2の工程、孔内に低粘度の磁性体ペーストを注入した後静置し、余剰磁性体ペーストを吸引除去し、低粘度の磁性体ペーストを乾燥させて孔の壁面に磁性体を形成する第3の工程、この磁性体が形成された孔内に高粘度の磁性体ペーストを注入する第4の工程を備える。
本発明の積層型電子部品は、コイルの巻軸部分のコアが、コイルの巻軸と平行な方向に延在する孔内に形成されると共に、横断面積の60%以上を磁性体で満たすので、コアの断面に複数のテーパー状部分が形成されたり、コアを構成する磁性体が層間で剥離してコアの横断面にクラックが入ったりすることがない。また、本発明の積層型電子部品は、コイルの巻軸部分のコアが、コイルの巻軸と平行な方向に延在する第1の磁性体と、第1の磁性体の内側に位置し、第1の磁性体よりも粗密度な第2の磁性体を備えるので、コアの断面に複数のテーパー状部分が形成されたり、コアを構成する磁性体が層間で剥離してコアの横断面にクラックが入ったりすることがない。従って、本発明の積層型電子部品は、磁気的な結合係数を大きくできると共に、特性のばらつきを小さくできる。
また、本発明の積層型電子部品の製造方法は、誘電体層とコイル用導体パターンを積層して積層体内にコイルが形成される第1の工程、積層体のコイルの巻軸部分に孔を形成する第2の工程、孔内に低粘度の磁性体ペーストを注入した後静置し、余剰磁性体ペーストを吸引除去し、低粘度の磁性体ペーストを乾燥させて孔の壁面に磁性体を形成する第3の工程、この磁性体が形成された孔内に高粘度の磁性体ペーストを注入する第4の工程を備えるので、コアの断面に複数のテーパー状部分が形成されたり、コアを構成する磁性体が層間で剥離してコアの横断面にクラックが入ったりすることがない。従って、本発明の積層型電子部品の製造方法は、磁気的な結合係数を大きくできると共に、特性のばらつきを小さくできる。
本発明の積層型電子部品は、まず、誘電体層とコイル用導体パターンを積層し、誘電体層間のコイル用導体パターンを接続して積層体内にコイルが形成される。次に、この積層体のコイルの巻軸部分に貫通孔が形成される。続いて、この貫通孔内に、積層体に含有するバインダーを溶解しないバインダーを含有した低粘度の磁性体ペーストを注入した後静置し、余剰磁性体ペーストを吸引除去し、低粘度の磁性体ペーストを乾燥させて貫通孔の内壁面に磁性体を形成する。さらに、この磁性体が形成された貫通孔内に高粘度の磁性体ペーストを注入する。この様にして、誘電体層とコイル用導体パターンを積層して積層体内にコイルが形成され、このコイルの巻軸部分に、コイルの巻軸と平行な方向に延在する第1の磁性体と、この第1の磁性体の内側に位置し、第1の磁性体よりも粗密度な第2の磁性体を備えたコアが形成された積層型電子部品が形成される。
この様に形成された積層型電子部品は、積層体を形成した後にコイルの巻軸部分に貫通孔が設けられ、この貫通孔内に積層体に含有するバインダーを溶解しないバインダーを含有した低粘度の磁性体ペーストを注入した後静置するので、静置している間に磁性体ペーストの液体成分が貫通孔の内壁面から積層体内に浸透すると共に、貫通孔の内壁面に沈着し、余剰磁性体ペーストを吸引除去して貫通孔の内壁面に沿って残った磁性体ペーストを乾燥させることによりコイルの巻軸と平行な方向に延在する緻密な磁性体が形成される。また、この磁性体が形成された貫通孔内に高粘度の磁性体ペーストを注入することにより、コアの中空部分の割合を小さくしてコアの横断面方向の磁性体の占める割合を大きくすることができる。
従って、本発明の積層型電子部品のコアは、磁束の流れに沿って磁性体が形成されていき、中空部分が存在するとしても磁束の通過量の少ないコアの中心部分においてコアの長さ方向に延在することになる。
以下、本発明の積層型電子部品及びその製造方法を図1乃至図5を参照して説明する。
図1は本発明の積層型電子部品の第1の実施例を示す分解斜視図である。
図1において、11A〜11Dは誘電体層、12A〜12Cはコイル用導体パターンである。
誘電体層11A〜11Dは、親水性の高いバインダー(例えば、水系バインダー)を含有する誘電体ペーストを用いて形成される。
誘電体層11Aの表面には、コイル用導体パターン12Aが形成される。このコイル用導体パターン12Aは、一端が誘電体層11Aの端面に引き出される。
誘電体層11Bの表面には、コイル用導体パターン12Bが形成される。このコイル用導体パターン12Bは、一端が誘電体層11Bのスルーホール内の導体を介してコイル用導体パターン12Aの他端に接続される。
誘電体層11Cの表面には、コイル用導体パターン12Cが形成される。このコイル用導体パターン12Cは、一端が誘電体層11Cのスルーホール内の導体を介してコイル用導体パターン12Bの他端に接続され、他端が誘電体層11Cの端面に引き出される。
誘電体層11Dは、保護用の誘電体層であり、誘電体層11C上に積層されることによりコイル用導体パターン12Cが保護される。
これらの積層体内には、絶縁体層間のコイル用導体パターン12A〜12Cを螺旋状に接続することによりコイルが形成される。また、この積層体のコイルの巻軸部分には、誘電体層11A〜11Dを貫通してコア13が形成される。このコア13は、疎水性の高いバインダー(例えば、有機溶剤系バインダー)を含有する磁性体ペーストを用いて形成される。また、このコア13は、コイルの巻軸と平行な方向に延在する緻密な磁性体部分と、この緻密な磁性体部分の内側に位置する粗密な磁性体部分を備える。
この積層体の端面には外部端子が形成される。この外部端子は、積層体の端面に引き出されたコイル用導体パターンと接続される。
この様な積層型電子部品は、以下のようにして形成される。
まず、図2(A)に示す様に、誘電体層とコイル用導体パターン22A〜22Cを積層し、誘電体層間のコイル用導体パターン22A〜22Cを螺旋状に接続して積層体25内にコイルが形成される。この時、積層体25は、誘電体層表面へのコイル用導体パターンの印刷と、この誘電体層表面全体に親水性の高いバインダー(例えば、水系バインダー)を含有する誘電体ペーストを印刷することによる誘電体層の形成を繰り返すことにより誘電体層とコイル用導体パターンを積層して形成される。また、この積層体25は、親水性の高いバインダー(例えば、水系バインダー)を含有する誘電体ペーストによって形成された誘電体シートを用い、この誘電体シート上にコイル用導体パターンを印刷した後、所定枚数積層して形成してもよい。
次に、図2(B)に示す様に、この積層体25のコイルの巻軸部分に貫通孔Hが形成される。この貫通孔Hは、パンチャによって積層体25のコイルの巻軸部分を打ち抜いたり、積層体25のコイルの巻軸部分にレーザを照射して積層体25の誘電体を加工することにより形成される。
続いて、図2(C)に示す様に、この積層体25の貫通孔内に疎水性の高いバインダー(例えば、有機溶剤系バインダー)を含有する低粘度の磁性体ペーストPが注入され、所定時間静置される。これにより、貫通孔内に注入された磁性体ペーストPの液体成分が貫通孔の内壁面から積層体内に浸透すると共に、磁性体ペーストが貫通孔の内壁面に沈着する。この時、積層体25は、親水性の高いバインダーを含有しているので、磁性体ペーストのバインダーによって溶解することがない。
さらに続いて、積層体25の貫通孔内の余剰磁性体ペーストを積層体25の貫通孔の下側から吸引することにより除去し、貫通孔の内壁面に沿って残った磁性体ペーストを乾燥させることにより、図2(D)に示す様に、コイルの巻軸と平行な方向に延在する磁性体23Aが形成される。この磁性体23Aは、低粘度の磁性体ペーストを用いて形成されているので、磁性体ペーストの液体成分が積層体25に吸収されやすく、積層体25の貫通孔の内壁面に緻密に形成される。
次に、この磁性体23Aが形成された貫通孔内に高粘度の磁性体ペーストが注入され、この磁性体ペーストを乾燥させることにより、図2(E)に示す様に、磁性体23Aの内側に磁性体23Aよりも粗密度の磁性体23Bが形成される。この磁性体ペーストは、磁性体23Aを形成する際に用いられたものよりも粘度が高いもので、バインダーは親水性の高いものでも疎水性の高いものでもよい。
また、この磁性体23Bは、貫通孔内に高粘度の磁性体ペーストの注入、静置、余剰磁性体ペーストの吸引除去、乾燥を複数回繰り返すことによって形成してもよい。
この様に形成された積層型電子部品は、磁束に沿って磁性体が形成されていくので、中空部分ができた場合でも中空部分が磁束の通過量の少ないコアの中心部分においてコアの長さ方向に延在することになり、しかもコアの横断面積の60%以上を磁性体で満たすことができた。
図3は、コアの横断面方向における中空部分の占める割合によってコイルのインピーダンスがどれくらい変動するかをシュミレーションしたもので、縦軸が特性変動率、横軸がコアの横断面の中空部分の占める割合を示している。図3によれば、コアの横断面方向における中空部分の占める割合が大きくなるに従って特性の変動率が大きくなり、従来の様にコアの横断面方向にクラックが入った場合(すなわち、コアの横断面方向における中空部分の占める割合が100%)、コアに中空部分がないものの特性の90%以下にまで劣化する。
本発明の積層型電子部品は、コアの横断面積の60%以上を磁性体で満たすことができるので、特性の変動を15%以内に抑制することができる。
図4は、本発明の積層型電子部品の第2の実施例を示す分解斜視図である。
図4において、41A〜41Fは誘電体層、44A、44Bは磁性体層である。
誘電体層41A〜41Dは、親水性の高いバインダー(例えば、水系バインダー)を含有する誘電体ペーストを用いて形成される。また、磁性体層44A、44Bは、フェライトで形成される。
誘電体層41Aの表面には、コイル用導体パターン42Aとコイル用導体パターン42Bが形成される。このコイル用導体パターン42Aの一端とコイル用導体パターン42Bの一端は、誘電体層41Aの同じ端面に引き出される。
誘電体層41Bの表面には、コイル用導体パターン42Aとコイル用導体パターン42Bが形成される。このコイル用導体パターン42Aとコイル用導体パターン42Bは、誘電体層41Bの表面の中心を原点に互いに点対称になる様にL字状に形成される。このコイル用導体パターン42Aの一端は、誘電体層41Aの表面に形成されたコイル用導体パターン42Aの他端に接続される。また、コイル用導体パターン42Bの一端は、誘電体層41Aの表面に形成されたコイル用導体パターン42Bの他端に接続される。
誘電体層41Cの表面には、コイル用導体パターン42Aとコイル用導体パターン42Bが形成される。このコイル用導体パターン42Aとコイル用導体パターン42Bは、誘電体層41Cの表面の中心を原点に互いに点対称になる様にコ字状に形成される。このコイル用導体パターン42Aの一端は、誘電体層41Bの表面に形成されたコイル用導体パターン42Aの他端に接続される。また、コイル用導体パターン42Bの一端は、誘電体層41Bの表面に形成されたコイル用導体パターン42Bの他端に接続される。
誘電体層41Dの表面には、コイル用導体パターン42Aとコイル用導体パターン42Bが形成される。このコイル用導体パターン42Aとコイル用導体パターン42Bは、誘電体層41Dの表面の中心を原点に互いに点対称になる様にL字状に形成される。このコイル用導体パターン42Aの一端は、誘電体層41Cの表面に形成されたコイル用導体パターン42Aの他端に接続される。また、コイル用導体パターン42Bの一端は、誘電体層41Cの表面に形成されたコイル用導体パターン42Bの他端に接続される。
誘電体層41Eの表面には、コイル用導体パターン42Aとコイル用導体パターン42Bが形成される。このコイル用導体パターン42Aの一端とコイル用導体パターン42Bの一端は、誘電体層41Eの同じ端面に引き出される。
誘電体41Fは、誘電体層41Eの表面上に積層される。
これらの積層体内には、誘電体層41A〜41Eのコイル用導体パターン41Aを螺旋状に接続することにより第1のコイルが形成され、誘電体層41A〜41Eのコイル用導体パターン41Bを螺旋状に接続することにより第2のコイルが形成される。また、この積層体の2つのコイルの共通の巻軸部分には誘電体層41A〜41Fを貫通してコア43が形成されると共に、この積層体の上下には磁性体層44A、44Bが積層される。このコア43は、疎水性の高いバインダー(例えば、有機溶剤系バインダー)を含有する磁性体ペーストを用いて各誘電体層のコイル用導体パターンに接触しない様に間隔を空けて形成される。また、このコア43は、コイルの巻軸と平行な方向に延在する緻密な磁性体部分と、この緻密な磁性体部分の内側に位置する粗密な磁性体部分を備え、コアの上端が磁性体層44Bと接触し、コアの下端が磁性体層44Aに接触する。
この積層体の端面には外部端子が形成される。この外部端子は、積層体の端面に引き出されたコイル用導体パターンと接続される。
この様な積層型電子部品は、トランスやコモンモードチョークとして用いられる。
この様な積層型電子部品は、以下のようにして形成される。
まず、図5(A)に示す様に、誘電体層とコイル用導体パターン42A、42Bを積層し、誘電体層間のコイル用導体パターン42A、42Bをそれぞれ螺旋状に接続して積層体45内に2つのコイルが形成される。この時、積層体45は、誘電体層表面へのコイル用導体パターンの印刷と、この誘電体層表面全体に親水性の高いバインダー(例えば、水系バインダー)を含有する誘電体ペーストを印刷することによる誘電体層の形成を繰り返すことにより誘電体層とコイル用導体パターンを積層して形成される。また、この積層体45は、親水性の高いバインダー(例えば、水系バインダー)を含有する誘電体ペーストによって形成された誘電体シートを用い、この誘電体シート上にコイル用導体パターンを印刷した後、所定枚数積層して形成してもよい。
次に、図5(B)に示す様に、この積層体45のコイルの巻軸部分にパンチャやレーザを用いて貫通孔Hが形成される。この貫通孔Hをレーザを用いて形成する場合は、積層体45のコイルの巻軸部分にレーザを照射して積層体45の誘電体を加工することにより形成される。
続いて、図5(C)に示す様に、この積層体45の貫通孔内に疎水性の高いバインダー(例えば、有機溶剤系バインダー)を含有する低粘度の磁性体ペーストPが注入され、所定時間静置される。この磁性体ペーストPは、液体成分が貫通孔の内壁面から積層体内に浸透すると共に、貫通孔の内壁面に沈着する。この時、積層体45は、親水性の高いバインダーを含有しているので、磁性体ペーストのバインダーによって溶解することがない。
さらに続いて、積層体45の貫通孔内の余剰磁性体ペーストを積層体45の貫通孔の下側から吸引、除去し、貫通孔の内壁面に沿って残った磁性体ペーストを乾燥させることにより、図5(D)に示す様に、コイルの巻軸と平行な方向に延在する磁性体43Aが形成される。この磁性体43Aは、積層体45の貫通孔の内壁面に緻密に形成される。
次に、この貫通孔内に高粘度の磁性体ペーストを注入し、乾燥させることにより、図5(E)に示す様に、磁性体43Aの内側に磁性体43Aよりも粗密度の磁性体43Bが形成される。
さらに、この積層体45の上面に磁性体層44Bが積層され、この積層体45の下面に磁性体層44Aが積層され、圧着・接合されて一体化される。
以上、本発明の積層型電子部品の実施例を述べたが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。例えば、実施例では単体部品の場合を説明したが、積層体内にコンデンサを内蔵させてLCフィルタ等の回路を形成してもよい。また、本発明の積層型電子部品は、DC−DCコンバータ等の他の電子部品を搭載するのに用いられる基板を構成してもよい。
本発明の積層型電子部品の第1の実施例を示す分解斜視図である。 本発明の積層型電子部品の製造方法を説明する断面図である。 積層型電子部品の特性図である。 本発明の積層型電子部品の第2の実施例を示す分解斜視図である。 本発明の積層型電子部品の製造方法を説明する断面図である。 従来の積層型電子部品の断面図である。
符号の説明
11A〜11D 誘電体層
12A〜12C コイル用導体パターン

Claims (4)

  1. 誘電体層とコイル用導体パターンを積層して積層体内にコイルが形成され、該コイルの巻軸部分にコアが形成された積層型電子部品の製造方法において、
    誘電体層とコイル用導体パターンを積層して積層体内にコイルが形成される第1の工程、該積層体の該コイルの巻軸部分に孔を形成する第2の工程、該孔内に低粘度磁性体ペーストを注入した後静置し、余剰磁性体ペーストを吸引除去し、該低粘度磁性体ペーストを乾燥させて該孔の壁面に磁性体を形成する第3の工程及び、該磁性体が形成された孔内に高粘度磁性体ペーストを注入する第4の工程によって該コイルの巻軸部分にコアが形成され、該コアがコイルの巻軸と平行な方向に延在する第1の磁性体と、該第1の磁性体の内側に位置し、該第1の磁性体よりも粗密度な第2の磁性体を備え、該第1の磁性体と該第2の磁性体とで該孔の横断面積の60%以上を磁性体で満たしたことを特徴とする積層型電子部品の製造方法
  2. 前記誘電体層に含有するバインダーと前記コアに含有するバインダーは、互いに異なる種類のバインダーが用いられた請求項1に記載の積層型電子部品の製造方法
  3. 誘電体層とコイル用導体パターンを積層して積層体内にコイルが形成され、該コイルの巻軸部分にコアが形成された積層型電子部品の製造方法において、
    親水性の高いバインダーを含有する誘電体ペーストを用いて形成された誘電体層と導体ペーストを用いて形成されたコイル用導体パターンを積層して積層体内にコイルが形成される第1の工程、該積層体の該コイルの巻軸部分に孔を形成する第2の工程、該孔内に疎水性の高いバインダーを含有する低粘度磁性体ペーストを注入した後静置し、余剰磁性体ペーストを吸引除去し、該低粘度磁性体ペーストを乾燥させて該孔の壁面に磁性体を形成する第3の工程、該磁性体が形成された孔内に高粘度磁性体ペーストを注入する第4の工程によって該コイルの巻軸部分にコアが形成され、該コアがコイルの巻軸と平行な方向に延在する第1の磁性体と、該第1の磁性体の内側に位置し、該第1の磁性体よりも粗密度な第2の磁性体を備え、該第1の磁性体と該第2の磁性体とで該孔の横断面積の60%以上を磁性体で満たしたことを特徴とする積層型電子部品の製造方法
  4. 誘電体層とコイル用導体パターンを積層して積層体内にコイルが形成され、該コイルの巻軸部分にコアが形成された積層型電子部品の製造方法において、
    疎水性の高いバインダーを含有する誘電体ペーストを用いて形成された誘電体層と導体ペーストを用いて形成されたコイル用導体パターンを積層して積層体内にコイルが形成される第1の工程、該積層体の該コイルの巻軸部分に孔を形成する第2の工程、該孔内に親水性の高いバインダーを含有する低粘度磁性体ペーストを注入した後静置し、余剰磁性体ペーストを吸引除去し、該低粘度磁性体ペーストを乾燥させて該孔の壁面に磁性体を形成する第3の工程、該磁性体が形成された孔内に高粘度磁性体ペーストを注入する第4の工程によって該コイルの巻軸部分にコアが形成され、該コアがコイルの巻軸と平行な方向に延在する第1の磁性体と、該第1の磁性体の内側に位置し、該第1の磁性体よりも粗密度な第2の磁性体を備え、該第1の磁性体と該第2の磁性体とで該孔の横断面積の60%以上を磁性体で満たしたことを特徴とする積層型電子部品の製造方法
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