JP4417478B2 - 水中ポンプ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、水中モータの出力軸とポンプ軸とをスプライン嵌合で組合わせて構成される水中ポンプに関する。
【0002】
【従来の技術】
深井戸に据え付けられる水中ポンプは、深井戸内の限られたスペースの中で清水を揚水する目的のために、図3に示されるように下部に水中モータ1を配置し、この水中モータ1の上部に該モータ1と連続して細長く延びるポンプ部2を取り付けて、全体が上下方向に細長く延び中段(モータ1とポンプ部2の境部分)に吸込部3をもつ構造が用いられている。
【0003】
具体的には、こうした水中ポンプは、図3に示されるように出力軸1aを上向きに向けた水中モータ1をもつ。この水中モータ1の上側端部(出力軸1a側の端部)には、吸込部3を形成する円筒状の吸込ケーシング5、吸込口6aをポンプ側に向けてインペラ6が収容された円筒状の中間ケーシング7、円筒状の吐出ケーシング8、円筒状の弁ケーシング9が順に直列に結合される。そして、これらケーシング群内の軸心部には、水中モータ1の動力を各インペラ6へ伝えるポンプ軸10が配設され、ポンプ部2を構成している。すなわち、出力軸1aの周りには、出力軸1aの周囲を囲む吸込ケーシング5により、吸込部3からインペラ6(最下位)の吸込口6aへ清水を導く吸込流路11が形成されていて、水中モータ1の回転力がポンプ軸10に伝達されると、各中間ケーシング7内のインペラ6が回転して、水中ポンプの中段にある吸込部3から井戸内の清水を吸込み、この清水が出力軸1aの周りの吸込流路11を通じて、インペラ6の吸込口6aから吸込まれ、インペラ6の外周部に形成されている吐出口6bから吐出するという工程を経て、吐出ケーシング8、弁ケーシング9、配管12から井戸外へ揚水されるようにしてある。
【0004】
こうした水中ポンプには、スプライン軸で形成した出力軸1aをもつ水中モータ1を用いたポンプがある。
【0005】
この水中モータ1を採用した水中ポンプでは、通常、ポンプ軸10の下端部を出力軸1a(スプライン軸)にスプライン嵌合させて、水中モータ1の回転力をインペラ6へ伝えることが行なわれている。具体的には、図3に示されるようにポンプ軸10の下端部にスプライン嵌合部として例えばスリーブ軸継手15(スプライン軸と組み合う断面形状をもつ)を取り付け、このスリーブ軸継手15を出力軸1a、つまりスプライン軸の外周部に嵌挿させて、スプライン軸およびスリーブ軸継手15の各凹凸部分を通じて、回転力をポンプ軸10へ伝達させるようにしてある。
【0006】
ところで、スプライン嵌合は、軸方向に対して移動可能なので、インペラ6の回転で、ポンプ軸10が上方へ移動することがある。
【0007】
すなわち、インペラ6のポンプ作用は、インペラ6が回転することにより、前面の吸込口6aから吸込み、外周部の吐出口6bから吐出させる作用なので、回転中のインペラ6は吸込口6の在る前面に加わる圧力が反対側の後面に加わる圧力より低くなり、ポンプ軸10には下方向の力が作用する。しかし、開放運転時あるいはポンプ始動時には、インペラ前面、後面間に圧力差がほとんどなくなり、水が下から上へ流れる勢いが勝り、ポンプ軸10には上昇方向の力が作用する。
【0008】
ここで、インペラ6,ポンプ軸10などの可動側の自重(含むスプライン嵌合部の摺動抵抗)を超える上昇方向の力がポンプ軸10に作用すると、ポンプ軸10がインペラ6と共に上方へ移動してしまう。
【0009】
ところが、インペラ6の周囲には、ケーシングなど固定した部品が配置されているので、同部品にインペラ6が接触することがある。このような接触が生じると、各インペラ6とこれらと接触する他部品(ケーシングなど)との間で大きな摺動抵抗をもたらすので、過負荷を発生させたり、同部分が焼き付きを起したりする。
【0010】
そこで、このようなスプライン嵌合で水中モータ1の出力軸1aとポンプ軸10の下端部とを接続する水中ポンプでは、インペラ6がケーシング部分に接触しないよう、インペラ6の移動を制限することが行われている。具体的には、従来、複数段有るインペラ6のうちの一部インペラ、例えば図3に示されるように最上段に配置されたインペラ6の後面にだけに摺動材13を取り付けてポンプ軸10の移動を制限し、各インペラ6がそれぞれケーシング部分と接触するという大きな抵抗の発生を防ぐことが行なわれている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
上記構造で、各インペラ6がケーシング部分と接触しないようポンプ軸10の移動を制限するためには、摺動材13の無い他の各インペラ6が、対向するケーシング部材との間で接触しないだけの隙間が保つよう、ポンプ軸10の移動を制限することが求められる。
【0012】
ところで、各インペラ6はポンプ軸10に組み付けてあるので、摺動材13の有るインペラ6から摺動材13の無いインペラ6へ至る間は多くの部品の誤差を含む。
【0013】
ところが、インペラ6の後面とこれと対向するケーシング部分との間の離間距離は、かなり狭いので、上記のように多くの寸法誤差を含むのでは、上方に移動するポンプ軸10を制限しても、寸法誤差が多いためにそれぞれのインペラ6でケーシング部分と接触しないよう隙間を確保するのは難しく、摺動抵抗の増加を抑えるのが難しい。
【0014】
本発明は上記事情に着目してなされたもので、その目的とするところは、ケーシング部分と接触させないよう、上昇するインペラを精度よく制限させることができる水中ポンプを提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために請求項1に記載した水中ポンプは、出力軸とスプライン嵌合するポンプ軸のスプライン嵌合部の外周部に環状の係止部を形成し、ケーシングあるいは水中モータに、インペラのポンプ作用で上方へ移動する係止部を回転自在に受け止める係止受部を設けてなる制限構造を採用して、上昇するポンプ軸の端部を、係止部と係止受部とで行われる係止により回転自在に受け止めて、各インペラがケーシング部分と触れないようにした。
【0016】
このポンプ軸の端部の動きを制限する構造だと、ポンプ軸に組み付くいずれのインペラに対しても寸法誤差が最も少なくてすむ。
【0017】
これにより、いずれのインペラにおいてもケーシング部分と触れずにすむのに必要な寸法が高い精度で確保できるようになり、無用な摺動抵抗の増加を抑えることができる。
【0018】
請求項2に記載の水中ポンプは、さらに上記目的に加え、ポンプ軸の動きを制限する構造を利用して、スプライン嵌合している部分および水中モータの出力軸を軸封している軸封部への異物の侵入を防ごうとするために、請求項1の係止部を、スプライン嵌合部の外周面に周方向に沿って該外周面から張り出るように形成された環状の摺接座から形成し、請求項1の係止受部を、スプライン嵌合部のうち摺接座を境とした上側の外周面に摺動自在に嵌挿されラジアルとスラストの各方向に軸受面をもつ環状の軸受部と、出力軸の根元周囲となるモータ端側から該出力軸を囲うようにスプライン嵌合部へ突き出て軸受部を支持し出力軸の周囲を吸込流路から隔てる仕切壁とを有し構成して、インペラのポンプ作用でポンプ軸が上方へ移動すると、軸受部のスラスト方向の軸受面が摺接座を回転自在に受け止める構造を採用した。
【0019】
これにより、制限構造は、ポンプ軸が上方へ移動するのを制限するだけでなく、出力軸とポンプ軸とがスプライン嵌合している部分の周囲、さらには水中モータの出力軸を軸封する軸封部の周囲を吸込流路から仕切るので、たとえ異物が吸込流路から吸込まれることがあっても、異物がスプライン嵌合している部分や水中モータの軸封部へ侵入するのを防ぐことができる。
【0020】
しかも、この異物侵入防止構造は、ポンプ軸の上昇を制限する構造をそのまま用いているので、別途、異物の侵入を防止する構造は不要で、コスト的な負担が軽くてすむ。
【0021】
請求項3に記載の水中ポンプは、さらにスプライン嵌合部と軸受部間への異物の侵入防止を高めるため、軸受部の直上となるスプライン嵌合部の外周面に鍔状の突起を形成して、突起の回転により、ポンプ軸が上昇しない運転の際、スプライン嵌合部と軸受部間の隙間開口に、吸込通路へ吸込まれた異物を寄せつけないようにした。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図1および図2に示す一実施形態にもとづいて説明する。
【0023】
但し、図面において先の「従来の技術」、「発明が解決しようとする課題」の項で説明した図3と同じ部分には同一符号を付してその説明を省略し、この項では異なる部分(発明の要部)について説明する。
【0024】
本実施形態は、各インペラ6が上昇するのを制限する構造(制限構造)が異なっている。
【0025】
すなわち、同制限構造には、図1に示されるようにポンプ軸10のスリーブ継手15(スプライン嵌合部)の外周部に形成された係止部20と、水中モータ1の端面と重なる吸込ケーシング5の下部壁5aに設けた係止受部30とを用いて、インペラ6のポンプ作用で上方へ移動する係止部20を係止受部30で回転自在に受け止める構造が採用されている。
【0026】
具体的には、係止部20は、スリーブ継手15の本体部下端の外周面に、同外周面から外側に鍔状に張り出るように一体に形成された周方向に沿って連続する環状の摺接座21から構成してある。この摺接座21の上側には、水平方向に沿う平坦面で形成された軸受面21a(スラスト)が形成してある。なお、摺接座21は別体でもよい。
【0027】
係止受部30は、摺接座21を境としたスリーブ継手15の上側部分の外周面に摺動自在に嵌挿された環状のラジアルスラスト軸受部31と、吸込ケーシング5の下部壁5aに設けた錐状の仕切壁32とを組合わせた構造が用いられている。具体的には、ラジアルスラスト軸受部31は、内面にスリーブ継手15の外周面を受けるラジアル軸受面31aをもち、下面に水平方向に沿う平坦面で形成されたスラスト軸受面31bをもつ環状の軸受部材から構成してある。仕切壁32は、水中モータ1の軸封部1bを囲むよう吸込ケーシング5の下部壁5aの上面に設置された環状の取付座34と、この取付座34の内周部から上方へ立ち上がる周壁35とから形成してある。このうち取付座34は、固定具、例えばボルトで下部壁5の上面と密接するように取り付けられている。また周壁35の先端側は、スリーブ継手15に向かって傾斜している。そして、傾斜した傾斜部分35aの先端部は、ラジアルスラスト軸受部31と嵌まり合い、該軸受部31を支持している。この構造によって、軸封部1a、スリーブ継手15が嵌まる出力軸1aの周囲を吸込流路11から隔てて仕切っている。またラジアルスラスト軸受部31は、摺接座1から所定距離、離れた上側の地点、すなわち各インペラ6がケーシング部分と接触せずにすむ距離Aを離した地点に位置決めてある。これにより、インペラ6のポンプ作用により、ポンプ軸10が上方へ移動すると、ラジアルスラスト軸受部31が摺接座21を回転自在に受け止めて、ポンプ軸10に組み付くいずれのインペラ6もケーシング部分と接触しないようにしている。つまり、ポンプ軸10に制限を加えるようにしている。
【0028】
またラジアルスラスト軸受部31の直上となるスリーブ継手15の外周面の地点には、周方向に沿って突起、例えばゴム部材で成形された鍔状の突起部品36が嵌挿されている。突起部品36は、ラジアルスラスト軸受部31と近接した位置で支持されていて、回転する突起部品36がもたらす旋回流などにより、異物をラジアルスラスト軸受部31とスリーブ継手15間の端へ寄せつけない構造にしてある。さらに突起部品36の上部は、傾斜部35aと連続する角度で斜めに傾斜してあり、吸込流路11を流れる清水流(吸込部3からインペラ6の吸込口6aに向う流れ)に逆らわないようにしてある。
【0029】
こうした構造により、砂など異物が水中モータ1の軸封部1aやスプライン軸の摺動部へ侵入するのを防ぎつつ、各インペラ6がケーシング部分と接触せずにすむようにしてある。
【0030】
すなわち、水中ポンプは、水中モータが作動すると、水中モータ1の回転力がスプライン軸、スリーブ継手15を通じて、ポンプ軸10に伝達され、各中間ケーシング5内のインペラ6が回転する。
【0031】
このインペラ6の回転により、水中ポンプの中段にある吸込部3から井戸内の清水が吸込まれる。この清水が、出力軸1aの周りの吸込流路11を通じて、最下位のインペラ6の吸込口6aから吸込まれ、同インペラ6の外周部に形成されている吐出口6bから吐出される。そして、次段のインペラ6の吸込口6aに導かれる。この圧送が各段のインペラ6で行われ、吸込まれた清水が、順次、増圧される。そして、最終段のインペラ6で増圧を終えた清水が、吐出ケーシング8、弁ケーシング9、配管12を通じて、井戸外へ揚水される。
【0032】
この運転中において、開放運転時等は、発生する圧力がほとんどなくなり、水が下から上へ流れる勢いにより、ポンプ軸10には上昇方向の力が作用する。
【0033】
このとき、上昇方向の力が、可動側の重量、すなわちポンプ軸2、インペラ6、インペラ6以外のポンプ軸2に組み付く部品などの自重、さらにはスプライン嵌合の摺動抵抗などを超えない運転であれば、図1に示されるようにポンプ軸2は上方へ移動せずに回転を続ける。
【0034】
このとき、制限構造を構成する仕切壁32は、出力軸1a(スプライン軸)とポンプ軸10のスリーブ継手15とをスプライン嵌合している部分の周囲、水中モータ1の軸封部1bの周囲を仕切っているので、砂などの異物が吸込まれることがあっても、異物がスプライン嵌合している部分や軸封部1bへ侵入するのが防止される。しかも、このときにはラジアルスラスト軸受部31の直上で、突起部品36が、軸受部31とスリーブ継手15間の境を覆いながら回転しているので、砂などの異物は、スプライン嵌合している部分の開口には寄せつけなくなる。
【0035】
一方、上昇方向の力が、可動側の重量(ポンプ軸2、インペラ6、インペラ6以外のポンプ軸2に組み付く部品などの自重、スプライン嵌合の摺動抵抗など)を超えると、ポンプ軸2は上方へ移動する。
【0036】
ここで、摺接座21の上側には、所定のポンプ軸移動可能距離(A)をおいてラジアルスラスト軸受部31が位置決めてあるから、図2に示されるようにラジアルスラスト軸受部31のスラスト軸受面31bで、上方向に移動する摺接座21の軸受面21aを回転自在に受け止め、ポンプ軸10がそれ以上に上昇しないように制限する。
【0037】
こうしたポンプ軸10の下端部の動きを制限する構造は、ポンプ軸10に組み付くいずれのインペラ6に対しても寸法誤差は最も少なくてすむので、距離Aは寸法精度が高く、いずれのインペラ6でもケーシング部分と触れずにすむ隙間が容易に確保できる。
【0038】
それ故、上昇する各インペラ6を精度よく制限させることができ、無用な摺動抵抗の増加を抑えた高能力運転ができる。
【0039】
しかも、制限構造は、ポンプ軸10の動き制限するだけでなく、このポンプ軸10の上昇を規制している間も、仕切壁32は、出力軸1a(スプライン軸)とポンプ軸10のスリーブ継手15とをスプライン嵌合している部分の周囲、水中モータ1の軸封部1bの周囲を仕切っているから、継続してスプライン嵌合している部分や軸封部1bへの異物の侵入を防ぐことができる。
【0040】
そのうえ、この異物の侵入を防ぐ構造は、ポンプ軸10の上昇を制限する制限構造をそのまま用いているので、別途、異物の侵入を防止する構造は不要であり、コスト的な負担が軽くてすむ。さらに、この制限構造と異物の侵入を防ぐ構造との双方に用いられる仕切壁32の先端側は、傾斜させて吸込流路11の清水流に逆らわないようにしてあるので、仕切壁32の設置に伴う流通損失は少なくてすむ利点もある。
【0041】
またこの異物の侵入防止機能に、突起部品36の回転による異物の侵入防止が加わるので、より高い異物の侵入防止効果が得られ、良好なポンプ運転ができる。
【0042】
なお、上述した一実施形態では、係止受部を吸込ケーシングの下部壁に取り付けた例を挙げたが、これに限らず、水中モータの出力軸側の端面に取り付けてもよい。このようにしても同様な作用効果を奏する。
【0043】
【発明の効果】
以上説明したように請求項1に記載の発明によれば、ポンプ軸の端部の動きを制限する構造の採用により、ポンプ軸に組み付くいずれのインペラに対しても寸法誤差が最も少ないので、各インペラの上昇を制限するのに必要な寸法を容易に確保することができる。
【0044】
したがって、スプライン嵌合で水中モータの出力軸とポンプ軸の下端部を接続する水中ポンプにおいて、無用な摺動抵抗の増加を抑えたポンプの運転ができる。
【0045】
請求項2に記載の発明によれば、さらに上記効果に加え、ポンプ軸の動きを制限する構造を利用して、スプライン嵌合している部分および水中モータの出力軸を軸封している軸封部への異物の侵入を防ぐことができる。しかも、同構造はポンプ軸の上昇を制限する制限構造をそのまま用いた構造なので、別途、異物の侵入を防止する構造は不要であり、コスト的な負担は軽くてすむ。
【0046】
請求項3に記載の発明によれば、さらに上記効果に加え、スプライン嵌合部の回転を利用して、異物をスプライン嵌合している部分の開口に寄せつけないようにするので、一層、高い異物の侵入防止性能を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る水中ポンプの要部構造を示す断面図。
【図2】同水中ポンプの運転中、ポンプ軸が上方へ移動したときの制限構造の挙動を説明するための断面図。
【図3】従来のスプライン嵌合で水中モータとポンプ軸とを接続した水中ポンプの構造を説明するための半断面図。
【符号の説明】
1…水中ポンプ
5…吸込ケーシング(ケーシング)
6…インペラ
10…ポンプ軸
11…吸込流路
15…スリーブ継手(スプライン嵌合部)
20…係止部
21…摺接座
30…係止受部
31…ラジアルスラスト軸受部
31a…ラジアル軸受面
31b…スラスト軸受面
32…仕切壁
36…突起部品(突起)。

Claims (3)

  1. 出力軸が上側に向くように配置された水中モータと
    前記出力軸と摺動可能にスプライン嵌合され、且つ、前記ポンプ軸に前記出力軸の回転力を伝達可能に取り付けられるスプライン嵌合部を有するポンプ軸と、
    このポンプ軸の外周部に吸込口が前記水中ポンプ側に向くように取付けられたインペラと
    前記出力軸の周囲に設けられ該出力軸の周りを経て前記インペラの吸込口へ向かう吸込流路を形成すケーシングと
    前記スプライン嵌合部の外周部に、環状に一体に形成された係止部と、
    前記スプライン嵌合部の外周と摺動するとともに、前記係止部と前記ポンプ軸の軸心方向で当接可能、且つ、摺動可能に形成された係止受部と、を備え、
    前記係止部及び前記係止受部とは、前記軸心方向において前記インペラの上昇により前記インペラと前記ケーシングとが接触する距離よりも短い距離で離間することを特徴とする水中ポンプ。
  2. 前記係止部は、前記スプライン嵌合部の外周面に周方向に沿って該外周面から張り出るように形成された環状の摺接座から形成され、
    前記係止受部は、前記スプライン嵌合部のうち前記摺接座を境とした上側の外周面に摺動自在に嵌挿されラジアルとスラストの各方向に軸受面をもつ軸受部と、前記出力軸の根元周囲となるモータ端側から該出力軸を囲うように前記スプライン嵌合部へ突き出て前記軸受部を支持し前記出力軸の周囲を前記吸込流路から隔てる仕切壁とを有して構成され、
    前記インペラのポンプ作用で前記ポンプ軸が上方へ移動すると、前記軸受部のスラスト方向の軸受面が前記摺接座を回転自在に受け止めるようにしてあることを特徴とする請求項1に記載の水中ポンプ。
  3. 前記軸受部の直上となる前記スプライン嵌合部の外周面には、鍔状の突起が形成されることを特徴とする請求項2に記載の水中ポンプ。
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