しかしながら、前述したような従来の呼出ランプでは、呼出ランプ本体から配線が延びているため、呼出ランプ本体を扱う際、配線が引っ掛かり誤って落としたりすることがあり、呼出ランプ本体を傷付けたりすることがあった。また、呼出ランプを取り付ける際、片手で呼出ランプ本体を支え、もう一方で呼出ランプ本体から延びている配線を穴に通す時にも、誤って落下させたり、この時落下を免れた場合でも、呼出ランプ本体を配線で支えることにより、配線を傷付けてしまうことが多いという問題があった。
また、呼出ランプ本体の故障や不具合が発生した場合には、呼出ランプ本体を着脱する際、呼出ランプ本体から外部機器に接続していた配線処理をやり直さなければならず、対処が面倒で時間がかかり、その間、遊技者や遊技店に迷惑を掛けてしまうという問題があった。また、呼出ランプの買い替えを行った場合も、やはり配線処理のやり直しが必要となり、設置工事に時間がかかってしまい工事費も嵩んで、コスト高を招くという問題があった。
また、遊技店の新装開店等により遊技機島における遊技機を移動させる場合には、前述した問題を回避したり、特に配線の取り付け取り外しを行う時間を省くために、呼出ランプは移動させずに、移動前に対応していた(移動後とは異なる)遊技機の遊技データをそのまま使用したり、移動前の遊技機データを全て消去したりしていた。このため、新装後しばらくの間は、遊技者向けに提供する遊技機データが不正確であったり、提供することができないという問題があった。
さらに、従来の呼出ランプでは、その取付構造上、取付ベース自体に呼出ランプ本体から延びている配線を通すための貫通孔があるので、遊技機島内で発生したホコリやチリ等の細かな異物が呼出ランプ本体内に入り込む虞があり、呼出ランプを制御する基板に搭載された集積回路(IC)にホコリ等の異物が付着してしまうことによって、ショート等を引き起こし誤作動や故障の原因となるという問題もあった。
本発明は、前述したような従来の技術が有する問題点に着目してなされたものであり、呼出ランプの取り付け作業が極めて容易であり、ランプ本体部のみを取り外すことで修理や保守も容易に行うことができ、コストを低減することが可能となり、また、共通ベース部の共用化により、ランプ本体部の仕様変更による交換にも容易に対応できる一方、新装時に台移動を行う際、遊技機と一緒にランプ本体部を移動することで前データを維持し移動先で前データを表示することが可能となり、さらに、異物の侵入による不具合を防止することができる呼出ランプを提供することを目的としている。
前述した目的を達成するための本発明の要旨とするところは、以下の各項の発明に存する。
[1]遊技機(10)ごとに対応して配置され、該遊技機(10)に関する各種情報および遊技者からの呼出しを表示する呼出ランプ(100)において、
遊技機(10)および外部接続機器からの外部信号を受け入れる外部接続端子(115)と、該外部接続端子(115)からの信号をランプ本体部(120)に送るためのランプ接続端子(114)とを含む共通ベース部(110)と、
各種情報を表示制御する表示部(132)と、前記共通ベース部(110)のランプ接続端子(114)を介して外部信号を取り入れるためのベース接続端子(125)とを含むランプ本体部(120)とからなり、
前記ベース接続端子(125)と前記ランプ接続端子(114)は、前記共通ベース部(110)に前記ランプ本体部(120)を装着すると相互に嵌合し合う位置にそれぞれ設けられ、前記共通ベース部(110)と前記ランプ本体部(120)を着脱自在にしたことを特徴とする呼出ランプ(110)。
[2]前記共通ベース部(110)は、呼出ランプ(100)を取り付ける配置部位に予め取り付けられ、
前記外部接続端子(115)は、遊技機(10)を含む外部接続機器別または用途別の複数の端子群からなり、
前記ランプ接続端子(114)は、前記複数の端子群からの配線を1以上の端子群に集合させ、前記外部接続端子(115)を設けた側と異なる面に設けたことを特徴とする[1]に記載の呼出ランプ(100)。
[3]前記ベース接続端子(125)は、各種情報を表示する表示内容に対応付けられた情報を入手するための端子群、または前記共通ベース部(110)のランプ接続端子(114)の端子群に対応付けられた端子群を備えたことを特徴とする[1]または[2]に記載の呼出ランプ(100)。
[4]前記ランプ本体部(120)は、各種情報を記憶保持する記憶保持手段を備えたことを特徴とする[1],[2]または[3]に記載の呼出ランプ(100)。
[5]前記共通ベース部(110)に、識別番号設定手段を設けたことを特徴とする[1],[2],[3]または[4]に記載の呼出ランプ(100)。
本発明は次のように作用する。
前記[1]に記載の呼出ランプ(100)によれば、遊技機(10)およびホール管理端末機、電源、不正信号、通信などよりなる外部接続機器(以下単に遊技機等と称す。)からなる外部信号を受け入れる共通ベース部(110)と、ランプ本体部(120)とに分けることにより、呼出ランプ(100)を設置する際には、前もって呼び出しランプ(100)の配置位置に共通ベース部(110)だけを取り付けておき、該共通ベース部(110)の外部接続端子(115)を遊技機(10)等の接続端子と接続しておくことができる。
ランプ本体部(120)からは遊技機(10)等に接続するための配線が延び出ることはないので、配線によってランプ本体部(120)の表面(レンズ)を傷付けるようなことはない。また、ランプ本体部(120)を扱う際には、従来の呼出ランプのように配線を持つ必要がなくなり、両手でランプ本体部(120)を扱う作業を行うことができ、配線を引っ掛けたりすることもない。
共通ベース部(110)に対してランプ本体部(120)は着脱自在であり、ランプ本体部(120)の取り付け作業は極めて容易となる。しかも、共通ベース部(110)にランプ本体部(120)を装着する際、共通ベース部(110)にあるランプ接続端子(114)と、ランプ本体部(120)にあるベース接続端子(125)とは相互に嵌合し合う。このようなランプ接続端子(114)とベース接続端子(125)の関係により、ランプ本体部(120)の容易な取り付けに伴って、電気的な接続も自動的に行うことができる。
また、呼出ランプ(100)の修理や保守を行う際には、共通ベース部(110)は配置位置に固定したままで、共通ベース部(110)からランプ本体部(120)を取り外すことで修理等を行うことができ、ランプ本体部(120)の着脱に伴う配線処理は不要となるから、作業効率が向上し作業時間を短縮することができる。また、呼出ランプ(100)のデザイン仕様の変更等により新規購入する時には、共通ベース部(110)の共用化により、ランプ本体部(120)の交換だけでの対応が可能となり、新たな設置に関する工数も削減される。
前記[2]に記載の呼出ランプ(100)によれば、共通ベース部(110)は、呼出ランプ(100)を取り付ける配置部位に予め取り付けられ、この共通ベース部(110)にある外部接続端子(115)は、遊技機(10)を含む外部接続機器別または用途別の複数の端子群からなる。ここで複数の端子群とは、具体的に例えば、遊技機(10)用の入力端子、呼出ランプ(100)の電源入力端子、ホール管理端末機の通信端子、不正入力端子(115b)、RS458通信接続端子(115d)等であり、それぞれがコネクタ化されている。このように、外部接続端子(115)を複数の端子群に分類して区分けすることにより、外部機器と接続する際の接続ミスを防止することができる。
また、共通ベース部(110)にあるランプ接続端子(114)は、前記外部接続端子(115)である複数の端子群からの配線を1以上の端子群に集合させ、前記外部接続端子(115)を設けた側と異なる面に設ける。ここでランプ接続端子(114)を、外部機器と接続する複数の端子群から集合する状態に配線することで、要するにINに対してOUTの数を減らすことになり、コネクタの部品点数が削減されると共に少ない嵌合関係とすることで、ランプ本体部(120)を取り付ける際の微妙な位置合わせをなくすことにもなる。
さらに、ランプ本体部(120)に接続するためのランプ接続端子(114)と、外部機器と接続するための外部接続端子(115)とを、同じ面上に設けないことから、共通ベース部(110)自体には配線を通すための穴が不要となり、呼出ランプ(100)全体を密閉状態が得られる構造とすることができる。これにより、遊技機島(1)内で発生した異物が前記配線を通すための穴から呼出ランプ(100)内部に入り込むことがなく、異物を原因とする制御系の誤作動や故障を未然に防止することができる。
前記[3]に記載の呼出ランプ(100)によれば、ランプ本体部(120)のベース接続端子(125)は、各種情報を表示する表示内容に対応付けられた情報を入手するための端子群、または共通ベース部(110)のランプ接続端子(114)の端子群に対応付けられた端子群を備える。このように分類される端子群を備えることにより、嵌合先であるランプ接続端子(114)に対して適切に対応させることができると共に、各種情報の表示に必要な信号を確実に受け渡すことが可能となる。
前記[4]に記載の呼出ランプ(100)によれば、ランプ本体部(120)が各種情報を記憶保持する記憶保持手段を備えるので、遊技店の新装時に新規遊技機(10)の交換に伴うレイアウト変更(遊技機(10)の移動を含む。)を行う場合には、遊技機(10)の移動に応じて、該遊技機(10)に関する各種情報を記憶保持しているランプ本体部(120)も移動させることにより、移動先でも以前に蓄積したデータを有効に活用することが可能となる。
前記[5]に記載の呼出ランプ(100)によれば、共通ベース部(110)に識別番号設定手段を設ける。基本的に共通ベース部(110)は、配置位置に一度設置したら移動させたり取り外すことはない。このように基本的には常に固定される共通ベース部(110)の方に、識別番号設定手段により、外部機器との通信上不可欠な識別番号(アドレス)を予め設定しておくことにより、遊技機(10)の移動等に伴いランプ本体部(120)を移動させる場合や、新たなランプ本体部(120)に交換する場合でも、予め定めたレイアウトに固定することができ制御管理を容易に行うことができる。
本発明に係る呼出ランプによれば、外部信号を受け入れる共通ベース部、この共通ベース部に着脱自在なランプ本体部とに分けることで、呼出ランプを設置する際、前もって配置位置に共通ベース部だけを取り付けておき、該共通ベース部の外部接続端子を遊技機等の接続端子と接続しておくことができ、ランプ本体部からは配線が延び出ることがなく、配線によってランプ本体部の表面(レンズ)を傷付けることがない。また、共通ベース部にランプ本体部を装着すると同時に、ランプ接続端子とベース接続端子とが相互に嵌合し合うことから、面倒な配線処理が不要となって取り付け作業が容易となり、ランプ本体部のみを取り外すことで修理や保守も容易に行うことができ、コストを低減することが可能となる。
また、共通ベース部の共用化により、ランプ本体部の仕様変更による交換にも容易に対応できる一方、ランプ本体部には遊技機データを記憶維持することができるので新装時に台移動を行う際、遊技機と一緒にランプ本体部を移動することで、移動先でも前データをそのまま表示することが可能となる。また、共通ベース部にある外部接続端子を、外部接続機器別または用途別の複数の端子群に分類して区分けすることにより、共通ベース部の設置ないし外部機器と接続する際の接続ミスを防止することができる。
さらに、共通ベース部にあるランプ接続端子を、外部接続端子である複数の端子群からの配線を1以上の端子群に集合させ、また、外部接続端子を設けた側と異なる面に設けることにより、コネクタの部品点数が削減されると共に少ない嵌合関係となり、ランプ本体部を取り付ける際の微妙な位置合わせをなくすことができ、また、共通ベース部自体には配線を通すための穴が不要となり、異物の侵入による不具合を防止することができる。
以下、図面に基づき本発明を代表する実施の形態を説明する。
図1〜図8は、本発明の一実施の形態を示している。
本実施の形態に係る呼出ランプ100は、遊技機島1を構成する複数の遊技機10ごとに個別に対応して配置され、遊技機10に関する各種情報および遊技者からの呼出し情報を表示するための装置である。以下、遊技機10としてパチンコ機を採用した場合を例に説明する。
先ず、遊技機島1および遊技機10の概要について説明する。
図7は、遊技店に設置する遊技機島1の全体を示す正面図であり、図8は、遊技機島1の一部を拡大して示す正面図である。遊技機島1は、複数のパチンコ機である遊技機10および遊技球を貸し出すカードユニット(CR球貸機)20を交互に列設してなる。遊技機島1は、遊技店内に通路を挟んで複数設置され、各遊技機10の上方に位置する幕板部分には、1台の遊技機10ごとに個別に対応する呼出ランプ100が設置されている。なお、図示省略したが遊技店内における管理室には、遊技機10や呼出ランプ100を含む関連設備を集中管理するホール管理端末機が設置されている。
図8に示すように、遊技機10は、発射した遊技球が落下しゲームを進行させる各種部品が取り付けられた遊技盤11と、遊技球を貯留する上受け皿12および下受け皿13と、遊技球の発射操作を行うためのハンドル14等が設けられている。遊技盤11の遊技領域には、遊技球の落下に変化を与えるための遊技釘や風車、遊技球を受け入れる各種入賞口、表示遊技を実行するための可変表示装置15、何れの入賞口にも入らずに落下した遊技球を排出するためのアウト口等が設けられている。
各種入賞口には、遊技球の入賞により可変表示装置15で表示遊技を実行する権利を確保する始動入賞口16、特別遊技状態として開閉動作を行う大入賞口17等がある。遊技球が各種入賞口に入賞すると、それぞれの入賞口に付設されたスイッチにより入賞球が検出され、入賞球が検出される度に、それぞれの入賞口に割り当てられた所定数の賞球が払い出されるようになっている。
可変表示装置15は、表示遊技の結果に関係する識別情報(例えば数字)や、表示遊技の演出表示に関係する各種画像(例えば背景)を変動表示させるものである。前記始動入賞口16に遊技球が入賞すると、可変表示装置15における表示遊技の権利が獲得され、表示遊技が実行される。表示遊技では、複数種類の識別情報が変動表示され、最終的に停止した識別情報の組み合わせが、予め定められた特定の組み合わせ(例えば「555」とぞろ目に揃った場合等)である特定表示態様(以下「大当たり」とも言う。)に確定すれば、特別遊技状態が発生する。
表示遊技の結果が、識別情報のうち確変図柄(例えば奇数図柄のどれか)で全て同一種類に揃う特定表示態様(確率変動大当たり)に確定した場合には、確率変動状態を伴う特別遊技状態が発生することになる。すなわち、確変図柄で揃った特定表示態様(確率変動大当たり)が確定すると、これに基づき発生した特別遊技状態が終了した後、次回の特別遊技状態が発生するまで、表示遊技の結果が特定表示態様に確定する大当たり確率が高確率に変化する。
大入賞口17は、遊技球が入賞し易い開状態と、遊技球が入賞できない通常の閉状態とに変化するように構成されている。大入賞口17は、前記表示遊技の結果が特定表示態様となった場合に、特別遊技状態を形成するように開閉制御される。特別遊技状態は、大入賞口17の扉が開いて遊技球が入賞し易い開状態となり、所定時間(例えば30秒)の経過または遊技球の所定個数(例えば10個)の入賞により扉が閉鎖されて閉状態となる動作が、所定の回数(例えば13回)を上限に繰り返す状態である。
次に、本発明の根幹をなす呼出ランプ100について説明する。
図8に示すように、呼出ランプ100は、遊技機10の上方に位置する幕板部分の配置部位に予め取り付けられる共通ベース部110と、該共通ベース部110に対して着脱自在に装着されるランプ本体部120とに分かれている。図1および図2は、呼出ランプ100を構成する共通ベース部110とランプ本体部120とを組み合わせる際の状態を示している。図3は、共通ベース部110の表面側を示す斜視図であり、図4は、共通ベース部110の裏面側を示す斜視図である。図5は、ランプ本体部120の裏面側を示す斜視図である。図6は、共通ベース部110にあるランプ接続端子114とランプ本体部120にあるベース接続端子125とが相互に嵌合する際の状態を示している。
図1〜図4に示すように、共通ベース部110は、例えば合成樹脂製で側方に長く延びる六角形の板状に形成され、その周縁に沿った四隅にそれぞれ略L字形の誘導ガイド溝111が設けられている。これらの誘導ガイド溝111に後述するランプ本体部120側の取付爪122が係合することで、ランプ本体部120は誘導ガイド溝111に着脱自在に装着できるようになっている。また、共通ベース部110における各誘導ガイド溝111のさらに側方には、共通ベース部110を幕板にネジ止めするためのネジ孔112が設けられている。
共通ベース部110の略中央には、コネクタ基板113が設けられている。コネクタ基板113は、共通ベース部110の表面側に沿うよう装着されており、その基板表面113a上にはランプ接続端子114が配設され、共通ベース部110に開設された矩形の開口部116より共通ベース部110の裏面側に露出する基板裏面113b上には、外部接続端子115が配設されている。ここでコネクタ基板113は、外部接続端子115の形態とランプ接続端子114の形態を変換して配線するための変換手段をなしている。
外部接続端子115は、遊技機10やホール管理端末機(図示せず)等から出力される外部信号を受け入れるものであり、遊技機10を含む外部接続機器別または用途別の複数の端子群からなる。本実施の形態における複数の端子群は、図4に示すように、電源入力端子115a、不正入力端子115b、遊技機信号入力端子115c、RS458通信接続端子115d、外部出力端子115eからなり、それぞれがコネクタ化されている。
ランプ接続端子114は、前記外部接続端子115からの信号をランプ本体部120に送るための端子であり、本実施の形態におけるランプ接続端子114は、外部接続端子115をなす複数の端子群からの配線を1つの端子群に集合させて、外部接続端子115を設けた側と異なる面に設けられている。ここで「異なる面」として、本実施の形態ではコネクタ基板113において外部接続端子115がある側の反対面にランプ接続端子114は設けられている。
また、呼出ランプ100においては、該呼出ランプ100と、個別に対応する遊技機10とを互いに関連付けて制御管理するために識別番号(機械番号)を設定する必要があるが、この識別番号を設定するための識別番号設定手段は共通ベース部110に設けられている。識別番号設定手段は図示省略するが、具体的には例えば、コネクタ基板113の適所に任意の数字を設定入力可能なロータリースイッチを設けて構成すると良い。あるいはコネクタ基板113の適所に、リモコンやICタグ等から発信された識別番号の受信部を設けることで、識別番号設定手段として構成することもできる。
さらに、図4に示すように、共通ベース部110の裏面側には、該裏面側にある外部接続端子115をなす複数の端子群に接続する配線を保持するための配線保持手段が設けられている。本実施の形態における配線保持手段は、外部機器から延びる複数のハーネス(配線)をコネクタ基板113の基板裏面113bに沿わせた状態に束ねて保持する合成樹脂製のバンド部材117からなる。
図1、図2、図5に示すように、ランプ本体部120は、前記共通ベース部110に対して着脱自在に装着されるものであり、ランプベース121とランプカバー130からなる。ランプベース121は、例えば合成樹脂製で前記共通ベース部110に合致する横長の略六角形に形成された底浅の箱体からなり、その表面側にランプカバー130が被さるように固定される。ランプカバー130は、基本的には透光性を有する合成樹脂製であり、ランプカバー130の内側(あるいはランプベース121の表面側)には、後述する表示部132やランプ135が設けられている。
ランプベース121の裏面側には、その周縁に沿った四隅にそれぞれ同じ一側方に突出した略L字形の取付爪122が突設されている。各取付爪122は、前記共通ベース部110にある各誘導ガイド溝111にそれぞれ対応しており、ランプベース121の内周縁を前記共通ベース部110の外周縁に合わせるようにして、各取付爪122を各誘導ガイド溝111に嵌合させることにより、ランプ本体部120を共通ベース部110に対して装着することができるようになっている。
また、ランプベース121の表面側には、表示部132やランプ135を配設する制御基板124が設けられており、ランプベース121に開設された小さな矩形の開口部123よりランプベース121の裏面側に露出する制御基板124の基板裏面上には、ベース接続端子125が配設されている。このベース接続端子125は前記ランプ接続端子114に対して、前記共通ベース部110にランプ本体部120を装着すると、相互に嵌合し合う位置に配されている(図6参照)。
ベース接続端子125は、共通ベース部110のランプ接続端子114を介して外部信号を取り入れるものである。本実施の形態におけるベース接続端子125は、共通ベース部110にあるランプ接続端子114の端子群に対応付けられた端子群から構成されている。すなわち、ベース接続端子125は、ランプ接続端子114をなすコネクタの数分だけ、同数の端子群であるコネクタを備えている。
図1に示すように、ランプカバー130の正面中央には各種情報を表示制御するための表示部132が配設されている。また、表示部132の両脇には、呼出ボタン133や表示部132の表示内容を切り換えるための操作ボタン134が配設されている。さらに、ランプカバー130の両端側の内側には、該当する部位を所定の色に点灯させるための複数のLEDからなるランプ135が配設されている。
また、ランプ本体部120は、表示部132における各種情報の表示内容を制御するための表示制御手段と、表示部132に表示する各種情報を記憶保持するための記憶保持手段を備えている。図示省略したが、表示制御手段および記憶保持手段は、それぞれ制御基板124に設けられている。表示部132やランプ135、それに呼出ボタン133および操作ボタン134も、それぞれ制御基板124に電気的に接続されている。
表示部132は、操作ボタン134の操作に応じて遊技機10に関する各種情報を遊技者向けのデータとして表示するものである。表示部132は、液晶ユニットやCRT表示器、あるいは7セグメント表示器等によって構成される。ここで「各種情報」とは、遊技機10の情報のうち遊技者向けに表示するデータである。図1に示すように、表示部132の画面は例えば上下に2分され、上側に本日分のスタート回数が表示され、下側左に本日分の大当たり回数と確変回数、下側右に前日分の大当たり回数と確変回数が表示されるようになっている。
これらの情報は、過去数日分にわたり記憶保持手段によって記憶されており、操作ボタン134の操作等に基づく表示制御手段の制御により、本日分と前日分のみならず、それより前の過去のデータも遡って表示させることができるように設定されている。スタート回数とは、前記遊技機10において、始動入賞口16への遊技球の入賞により可変表示装置15で実行される表示遊技の実行回数である。大当たり回数とは、遊技機10で発生した全ての特別遊技状態の発生回数である。また、確変回数とは、前記確率変動大当たりに基づき発生した確率変動状態の発生回数である。もちろん、これら以外のデータを記憶し表示できるように構成しても良い。
ランプ135は、呼出ボタン133の操作に応じて点灯したり、遊技機10で特別遊技状態が発生した場合に点灯し、遊技店店員を呼び出すためのものである。また、ランプ135の点灯に応じて、遊技店の営業時間内では、従業員が各遊技機10の稼働状況に関して知る必要がある事態(特別遊技状態の発生、不正行為等)が発生したことを周囲からでも確認できるようになっている。ランプ135は、例えば、赤色、青色、黄色等、それぞれ異なる色に点灯するLED等によって構成されている。
次に、呼出ランプ100に関する作用について説明する。
図8に示すように、呼出ランプ100を遊技機島1に設置するに際しては、前もって呼出ランプ100の配置位置である幕板部分に共通ベース部110だけを取り付けておく。ここで共通ベース部110は、遊技機10等の外部機器から延びる配線を通すための貫通穴2を塞ぐように幕板上に配置し、共通ベース部110にあるネジ孔112を通したネジにより幕板上に固定する。共通ベース部110を取り付けた後、幕板の貫通穴2より遊技機島1内部を覗く共通ベース部110の外部接続端子115に、それぞれ対応する遊技機10等から延ばされた配線を接続する。
図4に示すように、外部接続端子115は、電源入力端子115a、不正入力端子115b、遊技機信号入力端子115c、RS458通信接続端子115d、外部出力端子115eからなる複数の端子群に分けられ、それぞれコネクタ化されている。このように、外部接続端子115を複数の端子群に分類して区分けすることにより、外部機器と接続する際の接続ミスを防止することができる。また、外部機器から延びる複数の配線(ハーネス)は、バンド部材117によってコネクタ基板113の基板裏面113bに沿わせた状態に保持することができ、複数の配線がばらけないように束ねることができる。
図1、図2に示すように、共通ベース部110に対してランプ本体部120は着脱自在であり、共通ベース部110にランプ本体部120を装着するには、共通ベース部110の表面側にランプ本体部120の裏面側を合わせ、共通ベース部110にある各誘導ガイド溝111にランプ本体部120にある各取付爪122を嵌め込んでから、ランプ本体部120全体を図中で左方向へ移動(スライド)させる。
このようにスライドさせることにより、取付爪122のL字形が有効に作用し、取付爪122が誘導ガイド溝111に対し抜け落ちない状態で嵌合した状態となり、共通ベース部110からランプ本体部120が落下することを防止することができる。しかも、ランプ本体部120全体を図中で左方向へ移動(スライド)させると、図6に示すように、共通ベース部110にあるランプ接続端子114の被嵌合端面に対して、ランプ本体部120にあるベース接続端子125の嵌合端面が合致し、さらに力を加えると、ランプ接続端子114の被嵌合端面と、ベース接続端子125の嵌合端面とが相互に嵌合し合うことになる。
このように、共通ベース部110に対するランプ本体部120の取り付け作業はネジ止め等を削減することが可能で容易に作業を行うことができる。しかも、ランプ接続端子114とベース接続端子125の相互に嵌合し合う位置関係により、ランプ本体部120の取り付けに伴って、電気的な接続も自動的に行うことができる。また、ランプ本体部120からは配線が延び出ることはないので、配線によりランプカバー130の表面を傷付けるようなことはない。また、ランプ本体部120を扱う際、従来の呼び出しランプのように配線を持つ必要もなく、両手でランプ本体部120を扱う作業を行うことができ、配線を引っ掛けたりする虞もない
しかも、呼出ランプ100の修理や保守を行う際には、共通ベース部110は幕板の配置位置に固定したままで、この共通ベース部110からランプ本体部120を取り外すことにより修理等を行うことができる。すなわち、ランプ本体部120の着脱に伴う配線処理は不要となるから、作業効率が向上し作業時間を短縮することができる。さらに、呼出ランプ100のデザイン仕様の変更等により新規購入する時には、共通ベース部110の共用化により、ランプ本体部120の交換だけでの対応が可能となり、新たな設置に関する工数も削減される。
図3に示すように、共通ベース部110にあるランプ接続端子114は、外部接続端子115である複数の端子群からの配線を1つの端子群に集合させている。このようにランプ接続端子114を、外部機器と接続する複数の端子群から集合する状態に配線することで、INに対してOUTの数を減らすことになり、コネクタの部品点数が削減されると共に少ない嵌合関係とすることで、ランプ本体部120を共通ベース部110に対して取り付ける際の微妙な位置合わせをなくすことにもなる。
また、共通ベース部110において、ランプ接続端子114を、外部接続端子115を設けた側と反対面に設けて、ランプ接続端子114と外部接続端子115とを同じ面上に設けないことにより、共通ベース部110自体には配線を通すための穴が不要となり、呼出ランプ110全体を密閉状態が得られる構造とすることができる。これにより、遊技機島1内で発生した異物が前記配線を通すための穴から呼出ランプ100内部に入り込むことがなく、異物を原因とする制御系の誤作動や故障を未然に防止することができる。
さらに、ランプ本体部120において、ベース接続端子125は、共通ベース部110のランプ接続端子114の端子群に対応付けられた端子群を備えるから、嵌合先であるランプ接続端子114に対して適切に対応させることができると共に、各種情報の表示に必要な信号を確実に受け渡すことができる。
ところで、呼出ランプ100においては、該呼出ランプ100と、個別に対応する遊技機10とを互いに関連付けて制御管理するために識別番号を設定する必要がある。特に、ホール管理端末機とのデータ通信の場合には、号機番号(アドレス)に相当する識別番号が不可欠となる。このような識別番号は、共通ベース部110に設けてある識別番号設定手段によって任意に定めることができる。
ここで共通ベース部110は、幕板の配置位置に一度設置したら移動させたり取り外したりすることはない。このように常に固定される共通ベース部110の方に、前記識別番号設定手段によって、外部機器との通信上不可欠な識別番号を予め設定しておくことにより、遊技機10の移動等に伴いランプ本体部120を移動させる場合や、新たなランプ本体部120に交換する場合でも、予め定めたレイアウトに固定することができ制御管理がしやすくなる。
仮に、ランプ本体部120に号機番号(アドレス)に相当する識別番号を設定した場合では、基本的にはランプ本体部120を移動させたとしても、識別番号は同じものが重複しないのでホール管理端末機との通信は可能であるが、制御管理上のレイアウトが分りにくいものとなる。すなわち、例えば、遊技店の1階にある遊技機島1の呼出ランプ100を2階にある遊技機島1に移動した場合では、本来2階からのデータが制御管理上では、1階にある遊技機10からのデータと認識されてしまうから、制御管理上のレイアウトが非常に分りづらいものとなる。
また、ランプ本体部120が各種情報を記憶保持する記憶保持手段を備えるので、遊技店の新装時に新規遊技機の交換に伴うレイアウト変更(遊技機10の移動を含む。)を行う場合には、遊技機10の移動に応じて、該遊技機10に関する各種情報を記憶保持しているランプ本体部120も移動させると良い。これにより、遊技機10およびランプ本体部120の移動先においても、移動前に蓄積したデータをそのまま有効に活用することが可能となる。かかるデータに基づき遊技者は、図1に示すように、スタート回数、大当たり回数、確変回数を本日分のみならず、過去の分まで遡って表示部132に表示させることができる。
以上、本発明の実施の形態を図面によって説明してきたが、具体的な構成は前述した実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。例えば、前記実施の形態では、遊技機をパチンコ機として構成したが、遊技機をスロットマシンとして構成しても良い。この場合、前記ランプ本体部120はスロットマシン用のものとして構成する必要があるが、前記共通ベース部110は、その外部接続端子115を一部設計変更するだけで、そのまま流用することができる。
すなわち、共通ベース部110は、パチンコ機にもスロットマシンにもそれぞれ共通に対応することができるものである。また、パチンコ機にも様々な機種が存在するが、前記共通ベース部110における外部接続端子115を一部設計変更するだけで、様々な機種ごとに個別に対応させることができる。さらに、ランプ本体部120のデザインや仕様を将来的に変更した場合にも、前記共通ベース部110は一部設計変更するだけで対応することができる。
また、前記実施の形態では、前記ランプ接続端子114を1つの端子群に集合させているが、1つに限らず2以上の端子群に集合させても良い。例えば、呼出ランプ100の電源に高い電圧が使用されている場合には、受け入れる外部信号に何らかの悪影響が生じることを防ぐために、ランプ接続端子114を信号用と電源用の2つの接続端子に分けて離して配置することもできる。
また、前記ランプ接続端子114は、前記外部接続端子115を設けた側と異なる面として、それぞれコネクタ基板113の反対面に設けているが、他の構成として例えば、端子を接続する部位がプリント基板のような平面的なものではなく、立方体の構造であるような場合には、外部接続端子115を設けた面以外の面であれば、ランプ接続端子114はどの面に設けても良い。これは、同じ面に2つの端子が存在するような場合には、取り付け部の穴を塞ぐことができないからである。
また、前記実施の形態では、前記共通ベース部110と前記ランプ本体部120とを着脱自在とする構造として、共通ベース部110に誘導ガイド溝111を設ける一方、ランプ本体部120に誘導ガイド溝111に係脱する取付爪122を設けたが、共通ベース部110に取付爪122を設け、ランプ本体部120に誘導ガイド溝111を設ける逆の態様でも良く、また、他の着脱自在とする構造であっても良いことは言うまでもない。
また、前記実施の形態では、前記ランプ本体部120におけるベース接続端子125を、前記共通ベース部110にあるランプ接続端子114の端子群に対応付けられた端子群を備えるものとして構成したが、表示部132において各種情報を表示する表示内容に対応付けられた情報を入手するための端子群を備えるものとして構成しても良い。
この場合、共通ベース部110は、パチンコ機、スロットマシンの遊技機の種類に関係なく設置されるので、例えば、パチンコ機専用コネクタ、スロットマシン専用コネクタ、あるいは共通コネクタがあり、ランプ本体部120がパチンコ機用の場合にはスロットマシン専用コネクタからの信号は必要ないため、該スロットマシン専用コネクタはベース接続端子125に設けることはない。要するにベース接続端子125は、表示に必要な最小限のコネクタ数があれば足りる。
また、前記実施の形態では、ランプ本体部120が備える記憶保持手段によって記憶保持し、表示部132に表示する各種情報として、スタート回数、大当たり回数、確変回数を示したが、もちろんこれら以外のデータを記憶し表示できるように構成しても良い。例えば、遊技機がスロットマシンの場合にあっては、いわゆる小当たり回数やメダルの獲得枚数等を組み合せたものであっても良い。
さらにまた、前記実施の形態では、ベース接続端子125とランプ接続端子114とが相互に嵌合し合うための構造として、図6に示すようなコネクタを採用したが、他に例えば、接続端子がPGA(Pin Grid Array)のような構成でも良く、要するに共通ベース部110にランプ本体部120を装着するだけで、相互に嵌合して電気的に接続され、かつ着脱自在なものであれば、どのような構造を採用しても良い。