JP4416289B2 - 記録媒体のアクセス位置特定方法及び記録媒体の管理装置 - Google Patents

記録媒体のアクセス位置特定方法及び記録媒体の管理装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、MPEGデータのような可変長符号化データを記録したディスク等の記録媒体を管理する記録媒体管理方式、すなわち記録媒体のアクセス位置特定方法及び記録媒体の管理装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年のマルチメディアの普及に伴い、動画,音楽,静止画などの様々なマルチメディアデータを、記録媒体へ記録する需要が高まってきている。記録媒体の中でも、従来はビデオテープやオーディオテープなどのテープメディアが主流であったが、近年はハードディスク,磁気ディスクなどのディスク媒体に記録することが多くなってきている。
【0003】
テープメディアの場合は、テープの先頭から順番に記録再生を行なうシーケンシャルアクセスを前提とした記録媒体であり、ランダムアクセス性には優れていない。例えば、ビデオテープで、ある特定の箇所から再生を開始したい場合には、テープをその箇所まで早送りや巻戻しをして再生する必要がある。
【0004】
目的の箇所を示すインデックス情報が予め設定されていれば、頭出し操作1つで操作は終るが、目的の箇所までテープを物理的に送らなければならない。また、インデックス情報が無い場合は、再生しながらの早送りをして、目的の箇所を探したり、見当をつけて早送りを行ない、最終的に再生を行ない目的の箇所を探す必要があった。このように、テープメディアを用いた場合、物理的なテープの移動が伴うので、ランダムアクセスに不向きである。
【0005】
一方、ディスクメディアにおいては、ランダムアクセス性に優れており、テープメディアと比較した場合、任意の箇所にアクセスするためのアクセス時間は無視できるレベルのものである。よって、ディスク上のどこにデータがあっても、瞬時にアクセスすることが可能である。
【0006】
ディスクメディアを利用したものとして、音楽用の場合はMD、映像用の場合はDVD Videoなどが一般的に知られており、ランダムアクセス性を特徴として普及している。
【0007】
ここで、MPEGでエンコードしたビデオデータをディスクに記録する場合について説明する。ビデオデータをディスクに記録したり、伝送路で伝送したりすることを考えた場合、ビデオデータをそのまま無圧縮の状態で記録したり伝送することは、データ量が膨大であるために実用的ではない。そこで、MPEG技術などを利用することによって、ビデオデータを圧縮してデータ量を少なくすることが必要になってくる。
【0008】
MPEG技術では、データ量を圧縮するにあたって、可変長符号化技術が利用されている。具体的には、その映像フレームのデータだけで独立して符号化するフレーム内符号化画像(Iピクチャ)、前方向のフレームの情報を元に符号化するフレーム間順方向予測符号化画像(Pピクチャ)、前方向と後方向のフレームを元に符号化する双方向予測符号化画像(Bピクチャ)という3種類の画像圧縮手法を使って、効率的にデータ量を削減している。
【0009】
前記符号化画像は、Iピクチャ,Pピクチャ,Bピクチャの順番に圧縮率が高くなる。従って、符号化を行なうピクチャの種類によって、映像1フレームのデータ量が異なるが、元の映像データの内容によってもデータ量が異なってくる。例えば、動きの少ない映像データであれば、PピクチャやBピクチャは、Iピクチャとの差が少ないために、非常に効率良く圧縮できることになる。
【0010】
すなわち、図64の記録順(ディスク)に示すように、映像データの各フレーム毎のデータ量は可変であり、一度エンコードされたMPEGデータの各フレームのデータ量を、実際にMPEGデータをデコードせずに、何らかの計算などの方法を用いて求めることはできない。
【0011】
可変長符号化されたMPEGデータをディスクに記録すると、各フレーム毎のデータ量が可変であるために、各フレームの対応するMPEGデータがディスクのどこに記録されているかは、記録したMPEGデータの最初からデータを読み出し、順番にデコードしていく過程でしか把握することができない。
【0012】
つまり、記録したMPEGデータ中の任意の箇所から再生を行ないたいと思っても、再生を開始したいフレームと対応するMPEGデータが記録されているディスク上の位置が分からないために、途中からの再生ができないことになってしまう。
【0013】
従って、ディスクに記録したMPEGデータを任意の箇所から再生を行なったり、任意のフレームを使った特殊再生を行なうためには、フレームのディスク上でのデータ記録位置を管理するための管理情報が必要になってくる。この管理情報を用いることにより、任意のフレームのディスク上での記録位置を参照することができるようになる。
【0014】
また、前述のように、MPEGデータは、フレーム内符号化画像(Iピクチャ),フレーム間順方向予測符号化画像(Pピクチャ),双方向予測符号化画像(Bピクチャ)という3種類の画像圧縮手法を使って、効率的にデータ量を削減している。従って、Pピクチャ及びBピクチャは、Iピクチャに基づいて生成されているため、そのデータだけではデコードすることができない。
【0015】
MPEGデータを先頭から順番にデコードして再生する場合には、問題は生じないが、MPEGデータの途中から再生したり、任意のフレームだけを拾って再生するといった特殊再生を行なう場合には、次の問題が生じる。それは、再生を開始したい対象となるフレームが、PピクチャやBピクチャの場合、実際にそのフレームをデコードするためには、レファレンスとなったIピクチャやPピクチャのデータがないと、デコードできないこととなる。
【0016】
そこで、MPEGにおいては、何枚かのフレームを集めてGOP(Group of Pictures)という構造が用意されている。このGOP構造は、GOPの中には少なくとも1枚のIピクチャがなければならないというものである。
【0017】
従って、GOP構造単位でアクセスを行なえば、そのGOPの中に含まれている各Pピクチャ及びBピクチャのレファレンスとなるIピクチャが含まれているので、目的のフレームをデコードすることが保証される。
【0018】
このように、MPEGデータを対象にランダムアクセスを行なう場合は、GOP構造単位で行なう必要がある。例えば、GOP構造の途中のフレームから再生を行ないたい場合であっても、GOP単位でデータをデコードした上で、目的のフレームから実際に表示するように制御すれば、そのフレームから再生を開始したことと等価になる。
【0019】
前述のように、MPEGデータの任意のフレームから、再生を開始するためには、各フレーム毎のディスク上での位置情報ではなく、そのフレームが含まれるGOPのディスク上での位置情報が最低でも必要になってくる。
【0020】
これは、前記したように全てのフレームの位置情報を管理情報として与えた場合、再生を開始したいデータがBピクチャやPピクチャの場合には、そのレファレンスとなったIピクチャのデータがないと、再生を開始したいフレームのデータがデコードできないため、あまり意味を持たない情報になってしまうためである。
【0021】
一方、高速再生などのように、例えばIピクチャとPピクチャのみを再生するといった特殊再生を行なう場合には、IピクチャとPピクチャのディスク上での位置情報が必要になってくる。
【0022】
MPEGデータをディスク媒体に記録する従来技術として、読み込み専用であるDVDが存在する。DVDでは1つのGOPの映像データとそれに対応するオーディオデータが多重化され、その先頭にNV(Navigation)パックと呼ばれる管理情報が付加されている。
【0023】
特殊再生を行なうための情報として、NVパックを用いることにより、現在再生している箇所に対して、その次や前のNVパックが記録されているディスク上の位置を把握することができる。
【0024】
また、特開平11-155130号公報においては、書き換え可能なメディアにMPEGデータを記録する場合のアドレス管理情報の一例が開示されている。これによると、アドレス管理情報は、MPEGにおける一管理単位であるVOBU(Video Object Unit)毎にアドレスと時間情報を持つVOBUマップと、一定の時間間隔を順においた再生時刻毎に、その再生時刻に当たるVOBUのアドレス情報と、VOBUを特定する特定情報とを持つタイムマップ情報によって構成されている。
【0025】
【発明が解決しようとする課題】
通常、書き換え可能な記録媒体においては、MPEGストリームが削除されたり、ディスク上で移動されることもあるので、管理情報などに繁雑に変更が加わる可能性もある。管理情報が繁雑に変更される場合は、管理情報を一度のアクセスで読み書きできた方が、システムのレスポンスが向上する。
【0026】
しかしながら、上述したDVDの場合は、ROM媒体を前提とした管理情報を用いているので、該管理情報はMPEGストリームとしてNVパック毎に多重され、ディスク上で散在している。従って、管理情報を更新しようとした場合、ディスク上に散在している管理情報を1つ1つアクセスしていく必要があり、現実的ではない。
【0027】
また、上述した特開平11-155130号公報に記載のものにおいて、想定されているMPEGストリームは、VOBU単位にランダムアクセスを行なうものである。このとき、1つのVOBUで管理を行なう映像フレーム数は可変である。
【0028】
つまり、1つのVOBUに対応する再生時間が可変であるので、あるフレームを特定するのに時間情報で指定した場合、その再生したいフレームが含まれているVOBUを検索するためには、単純な計算では求めることができない。例えば、先頭のVOBUから順番にそれぞれのVOBUの再生時間を見ていき、該当するVOBUを探すことになる。
【0029】
目的のVOBUが先頭からあまり離れていない場合には、検索時間に大きな問題は生じないが、先頭から離れている場合は、検索時間が大きくなってしまう。そこで、この特開平11-155130号公報に記載のものでは、各VOBUのアドレス及び時間情報を管理しているVOBUマップ情報の他に、一定時間間隔の再生時刻に対応するVOBUのアドレスと対応するVOBUを示すタイムマップ情報を用意している。
【0030】
すなわち、目的の映像フレームが含まれるVOBUを検索するにあたって、一度タイムマップ情報を参照してから、VOBU情報にアクセスすることになっている。さらに、タイムマップ情報を基に検索したVOBUマップ情報が目的映像フレームの含まれるVOBUであるとは限らないので、求めたVOBU情報の後に続くVOBU情報に関しても、順番に目的のVOBUが見つかるまで検索を行なう必要がある。
【0031】
以上のように、従来の技術においては、目的の映像フレームを探すにあたって、タイムマップ基準情報を用いて大雑把な検索を行ない、その後でVOBU情報を用いて正確な検索を行ない、ディスク上の対応するアドレスを特定しているため、処理が複雑となるという問題がある。
【0032】
さらに、上述した従来の技術においては、アフレコ音声やスーパーインポーズ映像などを追加記録(Post Recording)する場合、この追加記録情報の領域をMPEGストリーム中あるいはストリートとは別領域に確保するための、追加記録ユニット(Post Recording Unit)PRUが定義されたストリームに対応できないという問題もある。
【0033】
本発明は、上述したような点に鑑みてなされたものであって、目的の映像フレームのアドレスを簡単に求めることができ、またPRUが定義されたストリームにも対応することができる記録媒体管理方式、すなわち記録媒体のアクセス位置特定方法及び記録媒体の管理装置を提供することを目的とする。
【0034】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記の目的を達成するため、次の構成を有する。
本発明の第1の要旨は、映像データを有する第1のデータ配列中の連続記録時間分のデータを、基準データユニットとして管理するデータ記録媒体のアクセス位置特定方法であって、前記基準データユニットは、同一の基準データユニット内で再生時間を同一とする複数の小データユニットにより構成され、前記基準データユニット毎に、予め、基準データユニットの開始位置情報である基準位置情報と、該基準位置情報から該基準データユニット中の各々の小データユニットの開始位置情報までの各相対距離情報と、を記録媒体の管理情報領域に記憶しており、指定する映像データに関する提示時間情報と前記対象基準データユニットの基準位置情報に関する基準時間情報とに基づいて、前記基準時間情報から提示時間情報までの相対時間を特定するステップと、前記指定映像データに関する相対時間と前記小データユニットの再生時間とに基づく演算により、指定映像データを含む対象小データユニットを特定するステップと、前記管理情報領域に予め記憶した相対距離情報から、対象小データユニットの開始位置情報を特定するステップと、を有することを特徴とするデータアクセス位置特定方法にある。
【0035】
本発明の第1の要旨によれば、マルチメディアデータストリームにおいて、任意のフレームへでの記録媒体上での位置情報を、複雑な計算を必要とせずに、簡単に得ることができる。
【0036】
本発明の第2の要旨は、前記小データユニットは、独立して編集可能な最小単位データである第1のデータユニットであることを特徴とする要旨1に記載のデータアクセス位置特定方法にある。
本発明の第2の要旨によれば、マルチメディアデータストリームにおいて、任意のフレームにおける編集可能な最小単位である第1のデータユニットの記録媒体上での位置情報を、複雑な計算を必要とせずに、簡単に得ることができる。
【0037】
本発明の第3の要旨は、前記小データユニットは、前記同一の基準データユニット内で再生時間を同一とする複数の、独立して編集可能な最小単位データである第1のデータユニット中の、再生時間を同一とする複数の、独立して再生可能な最小単位のデータである第2のデータユニットであることを特徴とする要旨1に記載のデータアクセス位置特定方法にある。
本発明の第3の要旨によれば、マルチメディアデータストリームにおいて、任意のフレームをアクセスするために必要な第2のデータユニットの記録媒体上での位置情報を、複雑な計算を必要とせずに、簡単に得ることができる。
また、頻繁に参照する第2のデータユニットの位置情報を管理情報として持たせているので、位置情報を計算する必要がなく、効率的に管理情報を参照することができる。
【0038】
本発明の第4の要旨は、前記第2のデータユニットの開始位置情報を用いて、第1のデータユニットの開始位置情報を特定するステップと、を有することを特徴とする要旨3に記載のデータアクセス位置特定方法にある。
本発明の第4の要旨によれば、マルチメディアデータストリームにおいて、任意のフレームをアクセスするために必要な第2のデータユニットの記録媒体上での位置情報と編集可能な最小単位である第1のデータユニットの記録媒体上での位置情報を、複雑な計算を必要とせずに、簡単に得ることができる。
【0039】
本発明の第5の要旨は、前記データ記録媒体には、映像データの本来の音声データとは異なり、該映像データに同期して記録、又は再生可能な追加記録音声データを格納する追加記録音声データユニットを、前記第1のデータユニットに対応付けて設け、前記管理情報領域は、前記基準データユニット毎に、予め、各々の追加記録音声データユニットの開始位置情報である第3の相対距離情報を記憶しており、前記管理情報領域に記憶した第3の相対距離情報から、前記対象第1のデータユニットに対応する対象追加記録音声データユニットの開始位置情報を特定するステップと、を有することを特徴とする要旨2乃至4に記載のデータアクセス位置特定方法にある。
【0040】
本発明の第6の要旨は、前記第3の相対距離情報は、前記基準位置情報から追加記録音声データユニットの開始位置情報までの相対距離情報であることを特徴とする要旨5に記載のデータアクセス位置特定方法にある。
【0041】
本発明の第7の要旨は、前記第3の相対距離情報は、前記第1のデータユニットの開始位置情報から追加記録音声データユニットの開始位置情報までの相対距離情報であることを特徴とする要旨5に記載のデータアクセス位置特定方法にある。
【0042】
本発明の第5〜7の要旨によれば、更に、所定のデータに同期して再生すべき追加記録音声データの記録媒体上での位置情報を各データユニットの位置情報と共に、複雑な計算を必要とせずに、簡単に得ることができる。
【0043】
本発明の第8の要旨は、映像データを有する第1のデータ配列中の連続記録時間分のデータを、基準データユニットとして管理するデータ記録媒体のアクセス位置特定方法であって、前記基準データユニットは、同一の基準データユニット内で再生時間を同一とする、複数の独立して編集可能な最小単位データである第1のデータユニットにより構成され、前記データ記録媒体には、映像データの本来の音声データとは異なり、該映像データに同期して記録、又は再生可能な追加記録音声データを格納する追加記録音声データユニットを、前記第1のデータユニットに対応付けて設け、前記基準データユニット毎に、予め、前記各々の追加記録音声データユニットの開始位置情報である第3の相対距離情報を、記録媒体の管理情報領域に記憶しており、指定する映像データに関する提示時間情報と前記対象基準データユニットの基準位置情報に関する基準時間情報とに基づいて、前記基準時間情報から提示時間情報までの相対時間を特定するステップと、前記指定映像データに関する相対時間と前記第1のデータユニットの再生時間と、に基づく演算により、指定映像データを含む対象第1のデータユニットを特定するステップと、前記管理情報領域に予め記憶した第3の相対距離情報から、前記対象第1のデータユニットに対応する対象追加記録音声データユニットの開始位置情報を特定するステップと、を有することを特徴とするデータアクセス位置決定方法にある。
【0044】
本発明の第9の要旨は、前記第3の相対距離情報は、前記基準データユニットの開始位置情報である基準位置情報から追加記録音声データユニットの開始位置情報までの相対距離情報であることを特徴とする要旨8に記載のデータアクセス位置特定方法にある。
【0045】
本発明の第10要旨は、前記第3の相対距離情報は、前記前記第1のデータユニットの開始位置情報から追加記録音声データユニットの開始位置情報までの相対距離情報であることを特徴とする要旨8に記載のデータアクセス位置特定方法にある。
【0046】
本発明の第8〜10の要旨によれば、所定のデータに同期して再生すべき追加記録音声データの記録媒体上での位置情報を、複雑な計算を必要とせずに、簡単に得ることができる。
【0047】
本発明の第11の要旨は、前記追加記録音声データユニットは、第1のデータユニット内に設けることを特徴とする要旨5又は8に記載のデータアクセス位置決定方法にある。
本発明の第11の要旨によれば、複数の管理情報の読み書きを行なう場合でも、短時間で行なうことが可能となる。
【0048】
本発明の第12の要旨は、前記追加記録音声データユニットは、基準データユニット外に設けることを特徴とする要旨5又は8に記載のデータアクセス位置決定方法にある。
本発明の第12の要旨によれば、データ領域と管理情報領域とが明確に別れているため、データ領域に管理情報のファイルが作成されることがないので、データ領域でのデータの連続配置を実現することができる。
【0049】
本発明の第13の要旨は、前記管理情報領域は、前記データ記録媒体内に設けることを特徴とする要旨1又は8に記載のデータアクセス位置決定方法。
本発明の第13の要旨によれば、再生するデータと管理情報が近接し、処理速度を高めることができる。
【0050】
本発明の第14の要旨は、前記管理情報領域は、前記データ記録媒体外の記録媒体に設けることを特徴とする要旨1又は8に記載のデータアクセス位置決定方法にある。
本発明の第14の要旨によれば、データ記憶媒体よりもアクセス速度の速い記憶媒体に管理情報領域を設けることで、よりレスポンスがよくなる。
【0051】
本発明の第15の要旨は、映像データを有する第1のデータ配列中の連続記録時間分のデータを、基準データユニットとして管理するデータ記録媒体の管理装置であって、前記基準データユニットを、複数の、独立して編集可能な最小単位データである第1のデータユニットにより構成し、前記第1のデータユニットを、複数の、独立して再生可能な最小単位のデータである第2のユニットにより構成し、前記第1のデータユニットの再生時間である第1の再生時間を、同一基準データユニット内で同一とし、且つ、前記第2のユニットの再生時間である第2の再生時間を、同一の第1のデータユニット内で同一に制御し、かつ、基準データユニット毎に、該基準データユニットの開始位置情報である基準位置情報と、該基準位置情報から該基準データユニット内の第1のデータユニットの開始位置情報までの第1の相対距離情報を、前記データ記録媒体、或は該データ記録媒体の保持部材に設けた管理情報領域に、書込み又は読出し可能に管理する制御部を備えたことを特徴とするデータ記録媒体の管理装置にある。
【0052】
本発明の第16の要旨は、映像データを有する第1のデータ配列中の連続記録時間分のデータを、基準データユニットとして管理するデータ記録媒体の管理装置であって、前記基準データユニットを、複数の、独立して編集可能な最小単位データである第1のデータユニットにより構成し、前記第1のデータユニットを、複数の、独立して再生可能な最小単位のデータである第2のユニットにより構成し、前記第1のデータユニットの再生時間である第1の再生時間を、同一基準データユニット内で同一とし、且つ、前記第2のユニットの再生時間である第2の再生時間を、同一の第1のデータユニット内で同一に制御し、かつ、基準データユニット毎に、該基準データユニットの開始位置情報である基準位置情報と、該基準位置情報から該基準データユニット内の所定第2のデータユニットの開始位置情報までの第2の相対距離情報を、前記データ記録媒体、或は該データ記録媒体の保持部材に設けた管理情報領域に、書込み又は読出し可能に管理する制御部を備えたことを特徴とするデータ記録媒体の管理装置にある。
【0053】
本発明の第15、16の要旨によれば、前記基準データユニットを再生時間を基準に区画する前記第1のデータユニットと第2のユニットとするデータ記録媒体に対して、管理情報領域に基準位置情報と第1の相対距離情報を管理することで、データ記録媒体の管理装置は、時間情報をキー情報として、簡単な処理により位置情報に変換できるので、データユニットの任意のフレームへ簡単にアクセスできる。
また、複数の管理情報の読み書きを行なう場合でも、短時間で行なうことが可能となり、また、データ領域と管理情報領域とが明確に別れているため、データ領域に管理情報のファイルが作成されることがないので、データ領域でのデータの連続配置を実現することができる。
【0054】
本発明の第17の要旨は、前記制御部は、前記データ記録媒体に、映像データの本来の音声データとは異なり、該映像データに同期して記録、又は再生可能な追加記録音声データを格納する追加記録音声データユニットを形成し、かつ、前記管理情報領域内に、前記第1のデータユニットに対応付けて、該基準位置情報から追加記録音声データユニットの開始位置情報までの第3の相対距離情報を、書込み又は読出し可能に管理することを特徴とする要旨15又は16に記載のデータ記録媒体の管理装置にある。
【0055】
本発明の第17の要旨によれば、更に追加記録音声データを、時間情報をキー情報として、簡単な処理により位置情報を得ることができ、追加記録音声データを効率よく再現できる。
【0056】
本発明の第18の要旨は、前記追加記録音声データユニットは、第1のデータユニット内に設けることを特徴とする要旨17に記載のデータ記録媒体の管理装置にある。
本発明の第18の要旨によれば、再生するデータと管理情報が近接し、処理速度を高めることができる。
【0057】
本発明の第19の要旨は、前記追加記録音声データユニットは、基準データユニット外に設けることを特徴とする要旨17に記載のデータ記録媒体の管理装置にある。
本発明の第19の要旨によれば、ストリーム構成を複雑化することなく、その他のデータユニットのアクセスが容易となる。
【0058】
本発明の第20の要旨は、前記制御部は、位置情報に対するオフセット値を示すオフセット情報を、前記管理情報領域に書込み又は読出し可能に管理することを特徴とする要旨15又は16に記載のデータ記録媒体の管理装置にある。
本発明の第20の要旨によれば、マルチメディアデータストリームの先頭の一部を削除した場合に、削除したデータの位置情報を、オフセット値として管理情報に記録することによって、各管理情報内の位置情報を更新する必要がなくなり、編集時の処理の手間を省くことが可能となる。
【0059】
本発明の第21の要旨は、前記制御部は、前記第1の相対距離情報と第1の再生時間に基づいて、第1のデータユニットのデータの再生レートを算出可能とすることを特徴とする要旨15に記載のデータ記録媒体の管理装置にある。
本発明の第21の要旨によれば、第1のデータユニット内の映像データの再生レートを算出することが可能であるため、映像データを再生することなく、データの再生レートを予め把握することができる。
【0060】
本発明の第22の要旨は、前記制御部は、前記第2の相対距離情報と第2の再生時間とに基づいて、第2のデータユニットのデータの再生レートを算出可能することを特徴とする要旨16に記載のデータ記録媒体の管理装置にある。
本発明の第22の要旨によれば、第2のユニット内のビデオデータの再生レートを算出することが可能であるため、ビデオデータを再生することなく、データの再生レートを予め把握することができる。
【0061】
本発明の第23の要旨は、前記位置情報は、記録媒体上での分断配置を無視した相対アドレスであることを特徴とする要旨15又は16に記載のデータ記録媒体の管理装置にある。
本発明の第23の要旨によれば、開始アドレスとして、そのストリームの記録媒体上での分断配置などを無視した相対アドレスを用いているため、第1のデータユニット或いは第2のデータユニットの管理するデータのデータ量を、前後の開始アドレスとの関係から把握することが可能となる。
【0062】
本発明の第24の要旨は、前記制御部は追加記録音声データユニットに同期再生すべき追加記録音声データが格納されているか否かを示す追加記録有無情報を、前記管理情報領域に書込み又は読出し可能に管理することを特徴とする要旨17に記載のデータ記録媒体の管理装置にある。
本発明の第24の要旨によれば、データを再生するにあたって、予め追加記録音声データを読み込む必要があるかどうかを把握することが可能となり、処理の効率化が図れる。
【0063】
本発明の第25の要旨は、前記制御部は、第1のデータユニットに対応して同期再生すべき追加記録音声データを追加記録音声データユニットに格納しているか否かを示す追加記録有無情報を、前記管理情報領域に書込み又は読出し可能に管理することを特徴とする要旨17に記載のデータ記録媒体の管理装置にある。
本発明の第25の要旨によれば、データを再生するにあたって、第1のユニットの単位で予め追加記録音声データを読み込む必要があるかどうかを把握することが可能となり、処理の効率化が図れる。
【0064】
本発明の第26の要旨は、前記制御部は、第2のデータユニットに対応して同期再生すべき追加記録音声データを追加記録音声データユニットに格納しているか否かを示す追加記録有無情報を、前記管理情報領域に書込み又は読出し可能に管理することを特徴とする要旨17に記載のデータ記録媒体の管理装置にある。
本発明の第26の要旨によれば、データを再生するにあたって、第2のユニットの単位で予め追加記録音声データを読み込む必要があるかどうかを把握することが可能となり、処理の効率化が図れる。
【0065】
本発明の第27の要旨は、前記制御部は、時間的に連続する第1のデータユニットに対応するデータが、後続する第1のデータユニットに対応するデータと、記録媒体上で論理的に連続して配置されているか否かを示す連続データ情報を、前記管理情報領域に書込み又は読出し可能に管理することを特徴とする要旨15又は16に記載のデータ記録媒体の管理装置にある。
本発明の第27の要旨によれば、論理ファイルシステムの情報を参照することなく、注目している第1のユニットが、1つ前の第1のユニットと記録媒体上で論理的に連続して配置されているかどうかを把握することが可能となり、処理の効率化が図れる。
【0066】
本発明の第28の要旨は、前記制御部は、第2のデータユニットの先頭のGOPがクローズドGOPか否かを示す情報を、前記管理情報領域に書込み又は読出し可能に管理することを特徴とする要旨15又は16に記載のデータ記録媒体の管理装置にある。
本発明の第28の要旨によれば、第2のデータユニットを再生する前に、該第2のデータユニット中のGOP内のフレームを正しく再生するために、実際には1つ前の第2のユニットにアクセスすべきことを把握することが可能となる。
【0067】
本発明の第29の要旨は、前記制御部は、第2のデータユニットのMPEGデータ中の管理したい映像フレームの数を示す映像フレーム情報を、前記管理情報領域に書込み又は読出し可能に管理することを特徴とする要旨15又は16に記載のデータ記録媒体の管理装置にある。
本発明の第29の要旨によれば、第2のデータユニットの単位で、固定的なフレーム数ではなく、任意のフレーム数を管理することが可能となる。
【0068】
本発明の第30の要旨は、前記制御部は、第2のデータユニットのMPEGデータ中の管理したい映像フレームとして、レファレンスピクチャの記録媒体上での終了アドレスを示す終了位置情報を、前記管理情報領域に書込み又は読出し可能に管理することを特徴とする要旨15又は16に記載のデータ記録媒体の管理装置にある。
本発明の第30の要旨によれば、第2のデータユニットの先頭から、目的のレファレンスピクチャまでを読み込むためのデータ量を、予め把握することが可能となり、特殊再生を容易に実現することができる。
【0069】
本発明の第31の要旨は、前記制御部は、第2のデータユニットのMPEGデータ中の管理したい映像フレームのレファレンスピクチャの記録媒体上での開始アドレスを示すレファレンスピクチャ開始位置情報及び終了アドレスを示すレファレンスピクチャ終了位置情報を、前記管理情報領域に書込み又は読出し可能に管理することを特徴とする要旨15又は16に記載のデータ記録媒体の管理装置にある。
本発明の第31の要旨によれば、アクセス性能が十分高い記録媒体を用いる場合、データを読み出すべき位置情報に基づいて、目的のレファレンスピクチャを選択的に読み込むことが可能となり、特殊再生を容易に実現することができる。
【0070】
本発明の第32の要旨は、前記制御部は、第2のデータユニットのMPEGデータ中の管理したい映像フレームとして、レファレンスピクチャの記録媒体上での開始アドレスを示す開始位置情報を、前記管理情報領域に書込み又は読出し可能に管理することを特徴とする要旨15又は16に記載のデータ記録媒体の管理装置にある。
本発明の第32の要旨によれば、アクセス性能が十分高い記録媒体を用いる場合、全てのフレームの開始アドレスを管理しているため、1フレームのデータ量が次のフレームの開始アドレスとの差で容易に求めることができ、任意のフレームのデータを選択的に読み出すことが可能となり、特殊再生を容易に実現することができる。
【0071】
本発明の第33の要旨は、映像データを有する第1のデータ配列中の連続記録時間分のデータを、基準データとして管理するデータ記録媒体の管理装置であって、前記基準データユニットは、複数の小データユニットにより構成され、前記基準データユニット毎に、予め、基準データユニットの開始位置情報である基準位置情報と、該基準位置情報から該基準データユニット中の各々の小データユニットの開始位置情報までの各相対距離情報と、追加記録音声データユニットに同期再生すべき追加記録音声データが格納されている否かを示す追加記録有無情報を、前記記憶媒体、或は該データ記憶媒体の指示部材に設けた管理情報領域に、書込み又は読出し可能に管理する制御部を備えたことを特徴とするデータ記録媒体の管理装置にある。
本発明の第33の要旨によれば、データを再生するにあたって、予め追加記録音声データを読み込む必要があるかどうかを把握することが可能となり、処理の効率化が図れる。
【0072】
本発明の第34の要旨に係る記録媒体管理方式は、映像及び音声からなる第1のデータ(オリジナルデータ)中において、所定の再生時間分のデータを、第1のユニット(EU)として管理し、前記第1のユニット(EU)中において、独立して再生可能な最小単位のデータを、第2のユニット(VU)として管理し、前記第1のユニット(EU)の再生時間を同一とし、且つ、前記第2のユニット(VU)の再生時間を同一としたマルチメディアデータストリームが記録された記録媒体の管理方式であって、前記第2のユニット(VU)の記録媒体上での位置情報を、第2のユニット毎の管理情報として持ち、前記第2のユニット(VU)の記録媒体上での位置情報に基づいて、前記第1のユニット(EU)の記録媒体上での位置情報を算出するものである。
【0073】
本発明の第34の要旨によれば、マルチメディアデータストリームにおいて、任意のフレームへアクセスするために必要な第2のユニットの記録媒体上での位置情報と、破壊編集の最小単位である第1のユニットの記録媒体上での位置情報とを、複雑な計算を必要とせずに、簡単に得ることができる。
また、頻繁に参照する第2のユニットの位置情報を管理情報として持たせているので、位置情報を計算する必要がなく、効率的に管理情報を参照することができる。
【0074】
本発明の第35の要旨に係る記録媒体管理方式は、映像及び音声からなる第1のデータ(オリジナルデータ)中において、所定の再生時間分のデータ、及び該データに同期して再生される第2のデータ(追加記録データ)を、第1のユニット(EU)として管理し、前記第1のユニット(EU)中において、独立して再生可能な最小単位のデータを、第2のユニット(VU)として管理し、前記第1のユニット(EU)の再生時間を同一とし、且つ、前記第2のユニット(VU)の再生時間を同一としたマルチメディアデータストリームが記録された記録媒体の管理方式であって、前記第2のデータ(追加記録データ)の記録媒体上での位置情報を、第2のデータ毎の管理情報として持つとともに、前記第2のユニット(VU)の記録媒体上での位置情報を、第2のユニット毎の管理情報として持ち、前記第2のデータ(追加記録データ)の記録媒体上での位置情報、及び前記第2のユニット(VU)の記録媒体上での位置情報に基づいて、前記第1のユニット(EU)の記録媒体上での位置情報を算出するものである。
【0075】
本発明の第35の要旨によれば、マルチメディアデータストリームにおいて、任意のフレームへアクセスするために必要な第2のユニットの記録媒体上での位置情報と、所定のデータに同期して再生すべき第2のデータの記録媒体上での位置情報と、破壊編集の最小単位である第1のユニットの記録媒体上での位置情報とを、複雑な計算を必要とせずに、簡単に得ることができる。
また、頻繁に参照する第2のユニットの位置情報と、第2のデータの位置情報とを管理情報として持たせているので、位置情報を計算する必要がなく、効率的に管理情報を参照することができる。
【0076】
本発明の第36の要旨に係る記録媒体管理方式は、映像及び音声からなる第1のデータ(オリジナルデータ)中において、所定の再生時間分のデータを、第1のユニット(EU)として管理し、前記第1のユニット(EU)中において、独立して再生可能な最小単位のデータを、第2のユニット(VU)として管理し、前記第1のユニット(EU)の再生時間を同一とし、且つ、前記第2のユニット(VU)の再生時間を同一としたマルチメディアデータストリームが記録された記録媒体の管理方式であって、前記第1のユニット(EU)の記録媒体上での位置情報を、第1のユニット毎の管理情報として持つとともに、前記第2のユニット(VU)の記録媒体上での位置情報を、第2のユニット毎の管理情報として持つものである。
【0077】
本発明の第36の要旨によれば、マルチメディアデータストリームにおいて、任意のフレームへアクセスするために必要な第2のユニットの記録媒体上で位置情報と、破壊編集の最小単位である第1のユニットの記録媒体上での位置情報とを、複雑な計算を必要とせずに、簡単に得ることができる。
【0078】
本発明の第37の要旨に係る記録媒体管理方式は、映像及び音声からなる第1のデータ(オリジナルデータ)中において、所定の再生時間分のデータ、及び該データに同期して再生される第2のデータ(追加記録データ)を、第1のユニット(EU)として管理し、前記第1のユニット(EU)中において、独立して再生可能な最小単位のデータを、第2のユニット(VU)として管理し、前記第1のユニット(EU)の再生時間を同一とし、且つ、前記第2のユニット(VU)の再生時間を同一としたマルチメディアデータストリームが記録された記録媒体の管理方式であって、前記第1のユニット(EU)の記録媒体上での位置情報と、前記第1のユニット(EU)の記録媒体上での開始位置から前記第2のデータ(追加記録データ)の記録媒体上での開始位置までの距離情報とを、第1のユニット毎の管理情報として持つとともに、前記第2のユニット(VU)の記録媒体上での位置情報を、第2のユニット毎の管理情報として持つものである。
【0079】
本発明の第37の要旨によれば、マルチメディアデータストリームにおいて、任意のフレームへアクセスするために必要な第2のユニットの記録媒体上で位置情報と、所定のデータに同期して再生すべき第2のデータの記録媒体上での位置情報と、破壊編集の最小単位である第1のユニットの記録媒体上での位置情報とを、複雑な計算を必要とせずに、簡単に得ることができる。
【0080】
本発明の第38の要旨に係る記録媒体管理方式は、映像及び音声からなる第1のデータ(オリジナルデータ)中において、所定の再生時間分のデータ、及び該データに同期して再生される第2のデータ(追加記録データ)を、第1のユニット(EU)として管理し、前記第1のユニット(EU)中において、独立して再生可能な最小単位のデータを、第2のユニット(VU)として管理し、前記第1のユニット(EU)の再生時間を同一とし、且つ、前記第2のユニット(VU)の再生時間を同一としたマルチメディアデータストリームが記録された記録媒体の管理方式であって、前記第2のユニット(VU)の記録媒体上での位置情報と、前記第1のユニット(EU)の記録媒体上での開始位置から前記第2のデータ(追加記録データ)の記録媒体上での開始位置までの距離情報とを、第2のユニット毎の管理情報として持ち、前記第2のユニット(VU)の記録媒体上での位置情報に基づいて、前記第1のユニット(EU)の記録媒体上での位置情報を算出するものである。
【0081】
本発明の第38の要旨によれば、マルチメディアデータストリームにおいて、任意のフレームへアクセスするために必要な第2のユニットの記録媒体上で位置情報と、所定のデータに同期して再生すべき第2のデータの記録媒体上での位置情報と、破壊編集の最小単位である第1のユニットの記録媒体上での位置情報とを、複雑な計算を必要とせずに、簡単に得ることができる。
また、第2のユニットの位置情報のみを管理情報として持っているので、必要最小限の情報にて管理を行なうことが可能である。
【0082】
本発明の第39の要旨は、前記第34乃至38の要旨に記載の記録媒体管理方式において、前記管理情報は、位置情報に対するオフセット値を示す情報を有することを特徴とする。
本発明の第39の要旨によれば、マルチメディアデータストリームの先頭の一部を削除した場合に、削除したデータのブロック数を、オフセット値として管理情報に記録することによって、各管理情報内の位置情報を更新する必要がなくなり、編集時の処理の手間を省くことが可能となる。
【0083】
本発明の第40の発明は、前記第34乃至38の要旨発明に記載の記録媒体管理方式において、前記第1のユニットで管理するビデオデータの再生時間を示す管理情報を有することを特徴とする。
本願第40の発明によれば、第1のユニット内のビデオデータの再生時間を示す管理情報を用いることによって、任意のフレームのタイムスタンプ情報からそのフレームが含まれる第1のユニットを特定することが可能となる。
【0084】
本発明の第41の要旨は、前記第40の要旨に記載の記録媒体管理方式において、前記第1のユニットの記録媒体上での位置情報と、前記第1のユニットで管理するビデオデータの再生時間とに基づいて、第1のユニットのビデオデータの再生レートを算出することを特徴とする。
本発明の第41の要旨によれば、第1のユニット内のビデオデータの再生レートを算出することが可能であるため、ビデオデータを再生することなく、データの再生レートを予め把握することができる。
【0085】
本発明の第42の要旨は、前記第34乃至38の要旨に記載の記録媒体管理方式において、前記第2のユニットで管理するビデオデータの再生時間を示す管理情報を有することを特徴とする。
本発明の第42の要旨によれば、第2のユニット内のビデオデータの再生時間を示す管理情報を用いることによって、任意のフレームのタイムスタンプ情報からそのフレームが含まれる第2のユニットを特定することが可能となる。
【0086】
本発明の第43の要旨は、前記第42の要旨に記載の記録媒体管理方式において、前記第2のユニットの記録媒体上での位置情報と、前記第2のユニットで管理するビデオデータの再生時間とに基づいて、第2のユニットのビデオデータの再生レートを算出することを特徴とする。
本発明の第43の要旨によれば、第2のユニット内のビデオデータの再生レートを算出することが可能であるため、ビデオデータを再生することなく、データの再生レートを予め把握することができる。
【0087】
本発明の第44の要旨は、前記第34乃至38の要旨に記載の記録媒体管理方式において、前記管理情報は、ユニット或いはデータの位置情報として、そのユニット或いはデータの記録媒体上での開始アドレスを示す情報を有することを特徴とする。
本発明の第44の要旨によれば、位置情報として、それぞれのデータの記録媒体上での開始アドレスを用いているため、それぞれの管理情報の管理するデータへのアクセス開始位置を取得することが可能である。
【0088】
本発明の第45の要旨は、前記第44の要旨に記載の記録媒体管理方式において、前記記録媒体上での開始アドレスは、そのストリームの記録媒体上での分断配置を無視した相対アドレスであることを特徴とする。
本発明の第45の要旨によれば、開始アドレスとして、そのストリームの記録媒体上での分断配置などを無視した相対アドレスを用いているため、第1のユニット或いは第2のユニットの管理するデータのデータ量を、前後の開始アドレスとの関係から把握することが可能となる。
【0089】
本発明の第46の要旨は、前記第34乃至38の要旨に記載の記録媒体管理方式において、前記第2のユニット毎の管理情報は、その第2のユニットに対応して同期再生すべきデータが、第2のデータに含まれているか否かを示す情報を有することを特徴とする。
本発明の第46の要旨によれば、第2のユニットに対応して同期再生すべきデータが、第2のデータに含まれているか否かを示す管理情報に基づいて、データを再生するにあたって、第2のユニットの単位で予め第2のデータを読み込む必要があるかどうかを把握することが可能となる。
【0090】
本発明の第47の要旨は、前記第35乃至37の要旨に記載の記録媒体管理方式において、前記第1のユニット毎の管理情報、或いは前記第2のデータの管理情報は、その第1のユニットに対応して同期再生すべきデータが、第2のデータに含まれているか否かを示す情報を有することを特徴とする。
本発明の第47の要旨によれば、第1のユニットに対応して同期再生すべきデータが、第2のデータに含まれているか否かを示す管理情報に基づいて、データを再生するにあたって、第1のユニットの単位で予め第2のデータを読み込む必要があるかどうかを把握することが可能となる。
【0091】
本発明の第48の要旨は、前記第34乃至38の要旨に記載の記録媒体管理方式において、前記第2のユニット毎の管理情報、或いは前記第1のユニット毎の管理情報は、時間的に連続する第1のユニットに対応するデータが、記録媒体上で論理的に連続して配置されているか否かを示す情報を有することを特徴とする。
本発明の第48の要旨によれば、論理ファイルシステムの情報を参照することなく、注目している第1のユニットが、1つ前の第1のユニットと記録媒体上で論理的に連続して配置されているかどうかを把握することが可能となる。
【0092】
本発明の第49の要旨は、前記第34乃至38の発明に記載の記録媒体管理方式において、前記第2のユニット毎の管理情報は、その第2のユニットの先頭のGOPがClosed GOPか否かを示す情報を有することを特徴とする。
本発明の第49の要旨によれば、第2のユニットを再生する前に、該第2のユニット中のGOP内のフレームを正しく再生するために、実際には1つ前の第2のユニットにアクセスすべきことを把握することが可能となる。
【0093】
本発明の第50の要旨は、前記第34乃至38の要旨に記載の記録媒体管理方式において、前記第2のユニット毎の管理情報は、その第2のユニットのMPEGデータ中の管理したい映像フレームの位置情報の数を示す情報を有することを特徴とする。
本発明の第50の要旨によれば、第2のユニットの単位で、固定的なフレーム数ではなく、任意のフレーム数を管理することが可能となる。
【0094】
本発明の第51の要旨は、前記第34乃至38の要旨に記載の記録媒体管理方式において、前記第2のユニット毎の管理情報は、その第2のユニットのMPEGデータ中の管理したい映像フレームの位置情報として、レファレンスピクチャの記録媒体上での終了アドレスを示す情報を有することを特徴とする。
本発明の第51の要旨によれば、第2のユニットの先頭から、目的のレファレンスピクチャまでを読み込むためのデータ量を、予め把握することが可能となり、特殊再生を容易に実現することができる。
【0095】
本発明の第52の要旨は、前記第34乃至38の発明に記載の記録媒体管理方式において、前記第2のユニット毎の管理情報は、その第2のユニットのMPEGデータ中の管理したい映像フレームの位置情報として、レファレンスピクチャの記録媒体上での開始アドレス及び終了アドレスを示す情報を有することを特徴とする。
本発明の第52の要旨によれば、アクセス性能が十分高い記録媒体を用いる場合、データを読み出すべき位置情報に基づいて、目的のレファレンスピクチャを選択的に読み込むことが可能となり、特殊再生を容易に実現することができる。
【0096】
本発明の第53の要旨は、前記第34乃至38の発明に記載の記録媒体管理方式において、前記第2のユニット毎の管理情報は、その第2のユニットのMPEGデータ中の全ての映像フレームの位置情報として、各ピクチャの記録媒体上での開始アドレスを示す情報を有することを特徴とする。
本発明の第53の要旨によれば、アクセス性能が十分高い記録媒体を用いる場合、全てのフレームの開始アドレスを管理しているため、1フレームのデータ量が次のフレームの開始アドレスとの差で容易に求めることができ、任意のフレームのデータを選択的に読み出すことが可能となり、特殊再生を容易に実現することができる。
【0097】
本発明の第54の要旨は、前記第34乃至53の要旨に記載の記録媒体管理方式において、前記管理情報は、前記記録媒体上の所定の管理領域に記録されることを特徴とする。
本発明の第54の要旨によれば、複数の管理情報の読み書きを行なう場合でも、短時間で行なうことが可能となり、また、データ領域と管理情報領域とが明確に別れているため、データ領域に管理情報のファイルが作成されることがないので、データ領域でのデータの連続配置を実現することができる。
【0098】
【発明の実施の形態】
[第1の実施形態]
以下、本発明の記録媒体管理方式の第1の実施形態について、図1乃至図47とともに詳細に説明する。まず、本実施形態で扱うMPEGストリーム構成に関して、図1乃至図8とともに説明を行なう。
【0099】
MPEGデータのような可変長符号化データを、ディスクやメモリ等の記録媒体に記録した際に、任意の箇所から再生を開始したり、任意のフレームのみを使った特殊再生を行なうといったランダムアクセスを実現させるためには、所望のデータが記録されているディスク上での位置情報を管理する管理情報が必要になってくる。
これは、記録媒体に記録されたMPEGデータの各映像フレームのデータ量が可変であるため、任意のフレームのディスク上での記録位置が計算などでは求まらないためである。
【0100】
本実施形態では、可変長符号化の一例としてMPEG技術を想定するととともに、記録媒体としてディスクを想定して説明を行なう。尚、記録媒体として半導体メモリなどを用いたとしても、ディスクを用いた場合と同様の構成で実現することが可能である。
【0101】
まず、本実施形態で扱うMPEGストリームの構成について説明を行なう。 尚、映像データは、MPEG符号化により可変レートで符号化し、音声データはオリジナルデータ、追加記録(アフレコ)データともに固定レートで符号化するものとする。
【0102】
図1のストリーム構成において、連続編集ユニット(Editable Unit Sequence)EUS(以下、「EUS」と略記する)は、複数の編集ユニット(Editable Unit)EU(以下、「EU」と略記する)によって構成され、記録開始(REC Start)から記録停止(Rec Stop)或いは記録一時停止(Rec Pause)に対応する単位である。また、1つのEUSで管理するMPEGデータには、必ず連続的な時間管理情報であるタイムスタンプが付加されていなければならない。
尚、EUは破壊編集における最小単位である。破壊編集とは、ディスク上での移動や削除を伴う編集のことを意味し、破壊編集の最小単位とは、ディスク上での移動や削除がEU単位でしか行なうことができないことを意味する。
もし、破壊編集により1つのEUSの真中のいくつかのEUを削除した場合には、MPEGストリームのタイムスタンプに不連続が生じるので、EUSを分割する必要がある。
【0103】
EUは、ビデオユニット(Video Unit)VU(以下、「VU」と略記する)及び追加記録ユニット(Post Recording Unit)PRU(以下、「PRU」と略記する)によって構成され、ディスク上では必ず連続的に記録されなけらばならない。尚、PRUが無いストリーム構成もある。
【0104】
PRUのディスク上での開始位置及び終了位置は、エラー訂正符号ブロック、すなわちECCブロックの境界でなければならないという制限を付けてもよい。また、PRUはEU内のビデオデータと同期して再生する追加記録用のデータ領域であるので、最低でもEUのビデオデータの提示時間に相当するだけのデータが記録できる領域がなければならない。
【0105】
また、EUの構造として、先頭に後述するEUヘッダEU Header(以下、「EU Header」と略記する)が無い場合を図1(a)、先頭にEU Headerがある場合を図1(b)に示している。前記EU Headerとは、EUの先頭に付加されるEUを管理するためのヘッダ情報を格納するためのパケットである。このEU Headerを定義する場合は、EUに関するストリームの管理情報を記録しておくことが可能となる。
【0106】
VUは、VU Headerと1GOP以上の映像データ及び対応する音声データとをまとめた単位である。また、同一EUS内の各EU及びVUの提示時間は、それぞれ固定とする。VUの提示時間とは、1つのVUで管理する映像データの再生時間に相当し、EUの提示時間とは、同様に1つのEUで管理する映像データの再生時間を意味する。
【0107】
前記EUSを2048byteの固定長のブロックに分割を行なう。1つのブロックは1つの論理ブロックに格納され、1個のブロックは原則として1個のパケットで構成される。ここでのパケットは、ISO/IEC13818-1で規定されるPES Packetに準拠し、ディスクにはこのパケットを記録していくことになる。
【0108】
図2に、EUSとブロックとの関係を示す。図中において、PRUはPRUヘッダブロックPH BLK(以下、「PH BLK」と略記する)、オーディオブロックA BLK(以下、「A BLK」と略記する)、パディングブロックP BLK(以下、「P BLK」と略記する)で構成される。PH BLKは、PRUに関するヘッダ情報を格納したパケット、A BLKは、ISO/IEC13818-3で規定されるオーディオパケット、P BLKは、ISO/IEC13818-1で規定されるパディングパケットがそれぞれ格納される。
【0109】
また、VUはVUヘッダブロックVH BLK(以下、「VH BLK」と略記する)、A BLK(Audio Block)、ビデオブロックV BLK(以下、「V BLK」と略記する)によって構成される。VH BLKは、VUに関するヘッダ情報を格納したパケット、A BLKは、ISO/IEC13818-3で規定されるオーディオパケット、V BLKは、ISO/IEC13818-2で規定されるビデオデータを格納したパケットがそれぞれ格納される。
尚、EU Headerが定義されるストリームの場合は、EUの先頭はEHヘッダブロックEH BLK(以下、「EH BLK」と略記する)が格納される。
【0110】
PRUの領域は、初期状態など追加記録データが存在しない場合、前記ヘッダブロックのPH BLK以外は、パディングブロック(P BLK)でパディングされる。追加記録されると、A BLKなどのように、オーディオブロックなどが実際に記録される。このオーディオデータは、対応するVU内のビデオデータと同期して再生されるものである。
【0111】
VUはオーディオ部分が複数のA BLKによって構成され、ビデオデータ部分は複数のV BLKによって構成される。このオーディオデータは、ビデオデータと同期して再生されるものである。
【0112】
MPEGストリームが記録されたディスクを使って、任意のフレームから再生を開始したり、任意のフレームを選択して再生したりといった特殊再生を行なう場合、前述のように、ディスク上に記録されたMPEGデータの各フレーム毎のデータ量が異なるために、計算などで任意のフレームのディスク上での記録位置を求めることができない。
よって、任意のフレームにアクセスするための管理情報が必要となってくる。本実施形態では、この管理情報をアドレスルックアップテーブル(Address Look Up Table)(以下、「Address LUT」と略記する)と称し、以下に説明する。また、ここでの語句の定義に関して、以下に説明する。
【0113】
本実施形態において、追加記録は、既に記録されているオリジナルデータに対して、後から音声のみの記録を行なうアフレコを意味する。PRUは、このアフレコを行なう際に、追加記録データが記録される領域のことを意味する。
【0114】
論理ブロック番号(Logical Block Number)LBN(以下、「LBN」と略記する)は、論理ファイルシステムで提供するディスク上での最小管理単位である論理ブロック(Logical Block)に付加されたアドレスである。ディスク上には、データを書き込む領域や、書き込んだデータの誤り訂正符号を記録する領域や、何らかの理由で使用できなくなってしまった箇所の代替領域など、実際にユーザ側から見ると使えない部分がディスクには存在する。
そこで、実際にユーザの使用できる箇所に関して、昇順にアドレスを付加していく。このユーザ使用可能領域昇順アドレスのことを論理ブロック番号と呼び、この管理単位を論理ブロックと呼ぶ。また、相対論理ブロック番号(Relative Logical Block Number)RLBN(以下、「RLBN」と略記する)は、この論理ブロック番号の相対的表現を意味する。
【0115】
提示タイムスタンプ(Presentation Time Stamp)PTS(以下、「PTS」と略記する)は、MPEG規格におけるタイムスタンプの管理形式で、33bitの情報である。このPTSは主にMPEGデータの表示すべき時間を管理するための情報であり、時間情報を90KHz成分で表現したものである。
ここでは、PTS成分の最上位ビットを取り除いて、32bitの情報として扱う。これは、33bitがマイコンなどで扱うには半端な値であることと、32bitの情報で十分に管理できるためである。この32bitに変換されたPT(Presentation Time)Format(図5,7)と呼ぶ。
【0116】
RT(Real Time Stamp) Formatとは(図5,6)、管理情報が作成された日時を管理するための型である。ECC(Error Correction Code)は、エラー訂正符号のことで、ディスクに記録する時にある決まった単位毎にECCが付加されて記録される。例えば、32KB毎にECCを付加して記録する。
ディスクアクセスを考えた場合、ECCの単位が重要な意味を持つこととなる。それは、ディスクからデータを読み書きする単位がECCブロック単位になるためである。
【0117】
ユーザ側から見ると、論理ブロック単位での読み書きは行なえるわけだが、例えば、1つの論理ブロックの大きさが2KBであれば、2KB単位でアクセスを実行することは可能であるが、実際にディスクアクセスする際に、読み込みの場合は読み出そうとする2KBが含まれるECCブロックを読み出し、不要な部分を捨てていることになる。
また、記録時も、書き込む2KBに30KBのダミーデータを付加するか、既にデータがディスクに記録されている場合であれば、書き込まれているデータを一度ディスクから読み出し、変更箇所を入れ換えて再びディスクに記録することとなる。このように、高速にディスクアクセスを行なうためには、ECCブロックに関しても注意する必要がある。
【0118】
Object ID(図5〜7)は、個々の管理情報を識別するためのIDであり、String(図5,6)は、文字列を表す型で、Uint N(図5〜7)は、符号無しNbit整数を管理するための型である。
【0119】
Address LUTは、ディスクに記録されたMPEGデータ中の任意のフレームのディスク上でのアクセスすべき位置などを与える管理情報である。このとき、任意のフレームを指定するためのキー情報として、そのフレームの時間情報(タイムスタンプ)を用いる。
具体的には、任意のフレームに対応する提示時間(Presentation Time)PT(以下、「PT」と略記する)より、そのフレームが含まれるVU及びEUの先頭と(図3)、そのVU内のIピクチャ及びPピクチャのデータが記録されたディスク上の位置を与えるものである。また、PRUが存在するストリームの場合は、そのVUが含まれるEU内のPRUのディスク上での開始位置を与える。
尚、ここでのPTとは、MPEGストリーム中に付加されている、或いは相当するPTSの値から最上位Bitを取り除いた4Byteの情報である。
【0120】
図3に示すように、目的のフレームにアクセスするのに、そのフレームに対応するデータのディスク上での位置を与えるのではなく、そのフレームの含まれるVUの開始アドレスを与えるのは、MPEGの特性上、VU内の途中のフレームであっても、そのVU内に存在するIピクチャやPピクチャといったレファレンスデータがないと、目的のフレームがデコードできないためである。
【0121】
例えば、ディスク上に記録された映像データの10フレーム目からアクセスしたい場合、10フレーム目のフレームを指定するためのPTは、3003×10=30030となる。ここで、3003はNTSC映像をMPEGでエンコードした時に、1フレームの提示時間に相当するPTの値を10進表示したものである。30030がAddress LUTを使ってディスク上での記録位置を求めるためのキー情報となる。
また、例えば1つのVUに15フレームの映像がある場合、1のVUの総提示時間は、15×3003=45045となる。これで、参照したいフレームが先頭から100フレーム目の場合、このフレームの含まれるVU番号は、(100×3003)/45045+1=7.67となる。この計算によって、100フレーム目の映像は、先頭から数えて7番目のVUに含まれていることが分かり、7つ目のVUの管理情報を参照すれば良いことが分かる。
【0122】
次に、Address LUTをどのような状況において使用するかの説明を行なう。ユーザによって記録されたMPEGデータは、記録開始Rec Start〜記録停止Rec Stop或いは一時停止Pauseまでの区間を1つのEUSと定義される。
【0123】
MPEGの実データは、データのディスク上での配置情報をファイル名で管理を行なう論理ファイルシステムを使い、EUS単位でファイルとして管理するものとする。この様子を図4に示す。この例では、EUS0は、FDAV0000.EUSというファイル名で論理ファイルシステムによって管理されている。
このファイル名FDAV000.EUSは1つのEUSであるが、実際にはディスク上では図中のファイル名EUS0-1、EUS0-2のように、分断されて記録されている。同様に、EUS1はFDAV0001.EUS、EUS2はFDAV0002.EUSというファイル名で管理される。
このEUS単位でEUS実データを管理するための「EUS Information」と呼ばれる管理情報が生成される。よって、ユーザが記録開始Rec Start〜記録停止Rec Stopに対応するシーンを複数個記録したとすると、管理情報EUS Information(以下、「EUS Information」と略記する)に関しても同じ個数だけ生成されることになる。
【0124】
EUS Informationの一例を図5に示す。EUS Informationはディスクに記録されたEUSを管理するための情報で、図5のフィールドネーム欄に示すように、このEUS Informationを区別するためのID,大きさ,タイトル情報,EUSが作成された日時や更新された日時,テキスト情報,そのEUSの代表サムネイルを管理するためのサムネイル情報,論理ファイルシステムによって管理されているEUSのファイルを特定するためのData ID,EUSのデータサイズを示すData File Size,EUSやビデオ,オーディオ,カメラ,追加記録,ソース,著作権,静止画などの属性情報を持つ。
また、管理しているEUSがどのプログラムから参照されているかを示すReference情報も用意されている。そして、重要な管理情報として、フィールドネーム「Start PT」、「End PT」、「Post Recording Unit Size」、「Address LUT」で示す管理情報がある。以下、管理情報をそのフィールドネームを用いて、「」で示す。
【0125】
「Start PT」と「End PT」とには、このEUS Informationが管理するEUSのデータの最初及び最後の表示フレームのストリーム自体に付加されている、或いは対応するPTSの値をPT形式に変換した値を記録する。1つのEUSで管理するのは、必ず連続的なタイムスタンプに対応する映像データなので、例えば、「End PT」から「Start PT」を引くことによって、そのEUSの総提示時間を計算することができる。
【0126】
「Post Recording Uint Size」は、PRUの各EU内での大きさを示す情報である。尚、同一EUS内で各EU内のPRUの大きさが可変になることはない。そして、「Address LUT」は、ディスクに記録されたMPEGデータ中の任意のフレームのディスク上でのアクセスすべき位置など与える管理情報である。
【0127】
このように、EUS Informationによって、ディスク上でファイルとして記録されているEUSに関する情報を取得できることになる。
【0128】
ユーザが記録したMPEGデータを、記録順番に従って先頭から順番に再生する場合は、前記「Address LUT」がなくても再生することは可能である。しかし、例えばディスクのランダムアクセス性を活かして、記録時の状態のオリジナルデータであるEUSの任意の箇所を、任意の個数選択し、任意の順番で再生しようとすると、「Address LUT」の管理情報が必要になってくる。
【0129】
まず、オリジナルデータであるEUSの任意の箇所を、任意の個数選択して、選択した箇所を任意の順番で再生するための管理情報をプログラムとする。このプログラムでは、参照したいEUSを指定するための情報、そしてそのEUSのデータ中の選択したい任意の箇所の開始点及び終了点を管理する。
【0130】
プログラムの管理情報の一例を図6に示す。図6に示すように、プログラムにおいては、そのプログラムを識別するためのID,大きさ,タイトル,作成した日時,テキスト情報や,そのプログラムの代表サムネイルなどの情報が管理されている。
【0131】
前記「Address LUT」と関連してくる重要な情報は、「Number of EUS Stream Information」と「EUS Stream Information」情報である。「Number of EUS Stream Information」情報は、このプログラムによって管理するシーンの数を表し、この数だけEUS Stream Informationが記録されることになる。
【0132】
図7に示すように、管理情報「EUS Stream Information」には、このシーンが参照する管理情報「EUS Information」のID番号を管理する「Referenced EUS ID」、参照しているEUSの選択部分を示す「Start PT」及び「End PT」を管理している。この「Start PT」及び「End PT」は、参照するEUSに付加されている、或いは対応する絶対PT系の値で記録する。その他に、このシーン用のテキスト情報と、シーンの代表サムネイルとを管理できるようになる。
このEUSを指定するための情報と、開始点及び終了点の情報とを、複数個プログラムで管理することによって、任意の箇所を任意の個数選択して任意の順番で再生することが可能となる。
【0133】
ここで、「EUS Information」とEUS(実データ)との関係を図8に示す。図8に示すように、「Program #0」はディスク上にある全映像データと対応する特殊なプログラムでオリジナルプログラムとして扱う。つまり、記録した映像を記録した順番で全て見ることができるプログラムである。
【0134】
「Program #1」以降は、ユーザが作成する(自由に編集できる)プログラムとして扱い、これらのプログラムをユーザプログラムと呼ぶこととする。図中の例における「Program #1」では、3つのシーンを管理している。1つ目及び2つ目のシーンは、「EUS #1」の一部を選択したものであり、3つ目のシーンは、「EUS #2」の一部を選択したものである。
【0135】
ここで、ユーザプログラムを作成する際の一例を示す。
まずユーザには、ディスク上に記録された全シーンを管理するオリジナルプログラムが、例えばサムネイルなどによって示され、ユーザプログラムとして使用したいオリジナルプログラム中のシーン(素材)を選択する。シーンが選択されると、例えばユーザには対応するシーンの映像を表示させ、ユーザプログラムとして使用したい再生範囲を指定する。この再生範囲が「Start PT」及び「End PT」として管理される。再生範囲が決定すると、ディスクにユーザプログラムの管理情報である「Program Information」を記録する。この際「Program Information」には、対応するユーザプログラムが再生対象とする、シーン数および、それぞれのシーンに対応する「EUS」の管理情報である「EUS Information」のファイルを特定するための情報である「Referenced EUS ID」、参照する「EUS」の中で再生範囲とした「Start PT」および「End PT」を管理する。このようにユーザプログラムとして定義する全てのシーンに関して同様の処理を繰り返すことによって、1つのユーザプログラムで複数のユーザーシーンを管理することが可能となる。
【0136】
以上のように、ユーザプログラムにおいて、任意のEUSの任意の箇所をシーンとして選択できるようになっており、選択されたシーンを再生するにあたって、前述のとおり、「Address LUT」の管理情報が必要になってくるわけである。
【0137】
このように、実データをコピーしたりすることなく、管理情報のみでユーザプログラムを作成することを、非破壊編集と呼ぶ。オリジナルデータを素材として、任意の箇所を任意の個数選択して、任意の順番で再生するので、余分なディスク領域を使用することがなく、非常に効率が良い。
【0138】
次に、上述したMPEGストリームにおいて、PRU及びVUの先頭アドレスを求めてから、EUの先頭アドレスを計算によって求める場合を、本発明の記録媒体管理方式の第1実施例として、図9乃至図18とともに以下説明する。
【0139】
まず、PRUの配置について説明する。MPEGストリームにPRUが存在する場合は、ユーザが追加記録を行なっている可能性がある。もし、PRUが存在するなら、そのPRUが使用されているか否かを、後述する「PRU Status」或いは「VU Status」内の情報「PR Existence」を用いて確認する(図11,13,14)。
【0140】
「PRU Information」の「PRU Status」内の情報「PR Existenece」は、対応するEU内で追加記録がされているか否かを示す管理情報で、「VU Information」の「VU Status」内の情報「PR Existence」は、管理しているVUに対応する追加記録データが存在するか否かを示すための管理情報である(図11)。用途に応じて、「PRU Status」と「VU Status」の「PR Existence」のどちらかのみを使うようにしても良い。
【0141】
もし、追加記録データが存在し、追加記録データを再生する場合は、目的のVUにアクセスする前に予め追加記録データを読み込んでおき、映像データを表示する時に読み込んでおいた追加記録データを映像と同期して再生する必要がある。
【0142】
このように、「PR Existence」情報(図11)を用いることによって、追加記録されているか否かを予め把握することができ、追加記録されていない場合に、事前にPRUにアクセスする必要がなくなり、余分なディスクアクセスを減らすことが可能となる。
【0143】
PRUはディスク上での配置に応じて、図9及び図10に示すように、2種類の配置のタイプが存在する。これは、PRUがECC境界でアライメントされなければならないという制限により、たまたまEUの先頭がECC境界であれば、図9(b)のように、EUの先頭からPRUは配置される。
しかし、EUの先頭がECC境界でなければ、図9(a)のように、EUの先頭から順番に見て行き、最初に現れるECC境界がPRUの開始位置となる。EUの先頭からECCの境界まで、つまりPRUの開始位置までは、EU内の最初のVUの一部が配置される。
【0144】
また、EUの先頭に「EU Header」が定義されている場合は、PRUがECC境界でアライメントされなければならないという制限により、たまたま「EU Header」の直後がECC境界であれば、図10(b)のように、「EU Header」の直後からPRUは配置されている。
しかし、ECC境界でなければ、図10(a)のように、「EU Header」の直後から順番に見て行き、最初に現れるECC境界がPRUの開始位置となる。
【0145】
「EU Header」の直後からPRUの開始位置までは、EU内の最初のVUの一部が配置されている。PRUの記録されているディスク上の開始アドレスは「PRU Information」の情報「RLBN of PRU」によって得ることができる。
【0146】
図11に「Address LUT」(図5)の内容を示す。図11の管理情報の定義に関して、以下順番に説明を行なう。尚、図11の管理情報の詳細について、図12乃至図16に示す。
図中において、「Address Offset」は、当該「Address LUT」で管理している相対論理ブロック番号(RLBN)のオフセット値をUint32形式で格納する。EUSの最初から任意の数のEUが削除された場合、このフィールドに削除した論理ブロック数を格納する。
従って、「Address LUT」内で扱う相対論理ブロック番号(RLBN)を参照する際には、必ずその値からこの「Address Offset」を引いて、参照しなければならない。また、「Address Offset」の初期値は、必ず0でなければならない。
【0147】
「PB Time of EU」は、当該「Address LUT」の管理しているEUS内の各EUの設定提示時間を表す。設定提示時間とは、1つのEU内のビデオデータの再生時間で、同一EUS内では固定な値を取る。EUSにおける一番最後のEUにおいてはこの限りではない。
【0148】
また、「PB Time of EU」は、PT Format形式で記録しなければならない。ここでの情報PB Time of EUは、MPEGストリーム中で隣接する映像フレームのPTSの差、つまり1枚あたりの提示時間に相当するPTSをPT Formatに変換したものの倍数でなければならない。
【0149】
「PB Time of VU」は、当該「Address LUT」の管理しているEUS内の各VUの設定提示時間を表す。設定提示時間とは、1つのVU内のビデオデータの再生時間で、同一EUS内では固定な値を取る。EUSにおける一番最後のVUにおいてはこの限りではない。
【0150】
また、「PB Time of VU」は、PT Format形式で記録しなければならない。ここでの情報PB Time of VUは、MPEGストリーム中で隣接する映像フレームのPTSの差、つまり1枚あたりの提示時間に相当するPTSをPT Formatに変換したものの倍数でなければならない。
【0151】
「Number of PRU Information」は、当該「Address LUT」が管理するEUSに存在するPRUの数をUint32形式で記録する。PRUは、EUと1対1で対応しているので、このフィールドの値はEUSに存在するEUの数と同じ値を取る。もし、PRUが存在しないストリーム構成の場合は、常に0を記録しておかなければならない。
【0152】
「Number of VU Information」は、当該「Address LUT」が管理するEUSに存在するVUの数をUint32形式で記録する。
【0153】
「PRU Information」は、EUS内の各PRUに関する情報を、図13に示すように管理する。PRUが存在しない場合、前記「Number of PRU Information」に0を記録し、「PRU Information」は記録しない。
【0154】
「RLBN of PRU」(図13)は、この「PRU Information」が管理するPRUのディスク上の開始アドレスを表す。ここでのアドレスとは、EUSの先頭からの相対論理ブロック数である。「RLBN of PRU」は、Uint24形式で記録しなければならない。「PRU Status」は、この「PRU Information」が管理するPRUの状態を、図14に示すように管理する。
【0155】
「PR Existence」(Bit0)(図14)は、この「PRU Information」(図13)が管理するPRUに追加記録データが存在する場合はONE、存在しない場合はZEROを記録する。VU単位で追加記録データの存在を管理する場合は、このフィールドは無くても良い。
【0156】
「VU Information」(図12)は、EUS内の各VUに関する情報を、図15(a)又は図15(b)に示すように管理する。尚、図15(a)はこのVU内で管理する映像フレームの位置情報が開始アドレス或いは終了アドレスのみの場合を示しており、図15(b)は同様に位置情報が開始アドレス及び終了アドレスの場合を示している。
【0157】
「RLBN of VU」(図15)は、この「VU Information」(図12)が管理するVUのディスク上の開始アドレスを表す。ここでのアドレスとは、EUSの先頭からの相対論理ブロック数である。「RLBN of VU」は、Uint24形式で記録しなければならない。
【0158】
「VU Status」(図15)は、この「VU Information」(図12,15)が管理するVUの状態を、図16(a)又は図16(b)に示すように管理する。尚、図16(a)は「Non Contiguous Point」を定義する場合を示しており、図16(b)は「Non Contiguous Point」を定義しない場合を示している。
【0159】
「PR Existence」(Bit0)(図16)は、この「VU Information」(図12,15)が管理するVUに対応する追加記録データが存在する場合はONE、無い場合はZEROを記録する。EU内にPRUが存在しない場合は、常にZEROを記録しておかなければならない。追加記録(アフレコ)をEU単位でしか行なわない場合は、前述の「PRU Status」内の「PR Exsistence」を使用し、このフィールドを使わなくても良い。
【0160】
「Closed GOP」(Bit1)(図16)は、VU内の最初のGOPがClosed GOPかどうかを管理する。GOPがClosed GOPの場合はONE、そうでない場合はZEROを記録する。Closed GOPでない場合、そのGOPの最初の数フレームの映像は前のGOPの情報がなければ、デコードできない可能性がある。
【0161】
「Non Contigous Point」(Bit2)は、この「VU Information」が管理するVUが含まれるEUが、1つ前のEUとディスク上で論理的に連続的に配置されているかどうかを管理する。連続的に配置されている場合はZEROを記録し、非連続の場合はONEを記録する。
【0162】
「Number of IP Pictures」(図15)は、この「VU Information」(図12)で管理したいビデオデータ中のIピクチャ及びPピクチャの位置情報数をUint8形式で記録する。
【0163】
「End RLBN of IP Pictures」(図15(a))は、この「VU Information」が管理するVU内のIピクチャ及びPピクチャの含まれるディスク上の終了アドレスを管理する。ここでのアドレスとは、VUの先頭からの相対論理ブロック数である。
【0164】
一番最初のエントリには、VU中の最初のIピクチャに関するアドレス情報を格納しなければならない。2つ目以降に関しては、IピクチャもしくはPピクチャに関するアドレス情報をUint16形式で格納する。
但し、記録媒体としてアクセス速度の速い半導体メモリを採用したり、ディスク装置のアクセス性能が極めて高い場合は、レファレンスピクチャの位置情報として終了アドレスだけではなく、開始アドレスも併せて与えるものとする。この場合は、この項目のフィールド名を「RLBN of IP Pictures」とし、開始アドレスと終了アドレスとをそれぞれUint16形式で連続的に記録するものとする。
【0165】
また、レファレンスピクチャのみのアドレスだけではなく、全ての映像フレームの位置情報を管理しても良い。この場合の位置情報は、各映像フレームのディスク上での開始記録位置となる。各フレームのデータ量或いは終了アドレスは、単純に次のフレームの開始アドレスとの差で求めることができる。
以上が管理情報Address LUTの管理情報である。
【0166】
次に、これらの管理情報の具体的な使い方について、図17及び図18とともに説明を行なう。
まず、図17(a),(b)を参照しつつ、目的のフレームが含まれるVUの開始アドレスの算出方法について説明する。EUS内の任意のPTに対応するフレームから再生を行ないたい場合、そのフレームの含まれるVUのディスク上での開始位置を「Address LUT」によって算出する。
【0167】
その際の基本的な処理手順は、以下のようになり、その様子について、「EU Header」がない場合を図17(a)に、「EU Header」がある場合を図17(b)にそれぞれ示す。
【0168】
(1).目的のPTからEUSの中の一番最初の表示フレームに対応する「Start PT」(図5)を引き、下記式のように相対PT(Relative PT:RPT)を求める(図17)。「Start PT」とは、EUSの中の先頭表示フレームに対応するMPEGストリーム中に付加された、或いは対応するPTSをPT Formatに変換したものである。
RPT = PT − Start PT
【0169】
前述したように、各ユーザプログラムから任意の箇所を選択するために使用している開始点と終了点との情報は、ストリーム中に付加された、或いは対応する絶対PTなので、その値から「Start PT」を引くことによって、EUSの先頭からの相対的な時間情報を得ることができる。
ここで、ユーザプログラムで絶対的な時間情報を持つということは、例えば、EUSの前方が削除された場合においても、「EUS Information」(図5)内の情報「Start PT」を変更さえすれば、このEUSを参照している全てのユーザプログラムの参照情報である開始点及び終了点情報を更新する必要がなく、処理の軽減を図っていることを意味する。
【0170】
(2).相対PT(RPT)をEUS内の各VUの設定提示時間(「PB Time of VU」(図12,17))で割り、再生を開始したいフレームが含まれるVUの「VU Information Number」(図11)を得る。図17(a)ではVU♯7、(b)ではVU♯5を示している。ip(n)は、n以下の最大の整数を返す関数である。
VU Info Num = ip(RPT/PB Time of VU)
【0171】
(3).検索した「VU Information Number」(図11)より、目的のフレームの含まれるVUの先頭アドレスがEUSの先頭からの相対論理ブロック数RLBN of VU'(図11)として得られる(図17)。尚、記号RLBN of VU(n)は、n番目の「VU Information」の「RLBN of VU」(図11)の値という意味である。
RLBN of VU' = RLBN of VU(VU Info Num)
【0172】
以上のように、目的のフレームの含まれるVUの先頭アドレスは、サーチなどの処理をすることなく、「Address LUT」と単純な計算によって求めることができる。
【0173】
次に、目的のフレームが含まれるEU内のPRUの開始アドレスの算出方法について図18を参照しつつ説明する。目的のフレームが含まれるEU内のPRUの開始アドレスの基本的な算出手順は、以下のようになり、その様子を「EU Header」がない場合を図18(a)に、「EU Header」がある場合を図18(b)にそれぞれ示す。
PRUの先頭は、目的のフレームに対応する追加記録データが存在する場合にアクセスする必要のある箇所である。
【0174】
(1).目的のPTからEUSの中の一番最初の表示フレームに対応する「Start PT」(図5,18)を引き、相対PT(Relative PT RPT)を求める(図18)。
RPT = PT − Start PT
【0175】
(2).相対PT(RPT)をEUS内の各EUの設定提示時間(「PB Time of EU」図12,18))で割り、再生を開始したいフレームが含まれるEU番号を得る。図18では、EU♯1を示している。EUとPRUとは1対1で対応しているので、このEU番号♯1がそのまま「PRU Information Number」(図11)となる。尚、ip(n)は、n以下の最大の整数を返す関数である。
PRU Info Num = ip(RPT/PB Time of EU)
【0176】
(3).検索した「PRU Information Number」(図11)より、目的のフレームの含まれるEU内のPRU先頭アドレスがEUSの先頭からの相対論理ブロック数RLBN of PRU'として得られる(図11,18)。
RLBN of PRU' = RLBN of PRU(PRU Info Num)
【0177】
このように、VUの先頭アドレスを求めた時と同様に、目的のフレームの含まれるVUと同期して再生すべきPRUの先頭アドレスは、サーチなどの処理をすることなく、「Address LUT」と計算によって単純に求めることができる。
【0178】
さらに、目的のフレームが含まれるEUの先頭の算出方法について説明する。目的のフレームが含まれるEUの先頭は、PRUが存在しないストリームの場合は、EU内の一番最初のVUの先頭と等価である。また、PRUが存在するストリームの場合は、上述したように、PRUの配置に応じて以下に示す2つの場合が存在する(図9)。
【0179】
(1).EUの先頭がECC境界から始まる場合(図9(b))は、EUの先頭はPRUの先頭と等価になる。
(2).EUの先頭がECC境界から始まらない場合(図9(a))、EUの先頭はそのEUの中に含まれる最初のVUの先頭と等価になる。
【0180】
従って、EUの先頭を求める必要がある場合は、注目しているEU内のPRUの開始アドレスとEU内に含まれる最初のVUの開始アドレスとを比較して、先に記録されている方をEUの先頭と解釈することが可能である。
【0181】
ここで、EU内に含まれる最初のVUを示す「VU Information Number」(図11)は、以下のような式で求まる。尚、ip(n)は、n以下の最大の整数を返す関数である。
VU Info Num = ip(RPT/PB Time of EU)*(PB Time of EU/PB Time of VU)
但し、EUの先頭にEUを管理するためのヘッダが定義されている場合(図10)は、注目しているEU内のPRUの開始アドレスとEU内に含まれる最初のVUの開始アドレスとを比較して、先に記録されている方のアドレスからヘッダの大きさを引くことによって、EUの先頭を求めることができる。
【0182】
次に、上述したMPEGストリームにおいて、EU及びVUの先頭アドレスを求めてから、PRUの先頭アドレスを計算によって求める場合を、本発明の記録媒体管理方式の第2実施例として、図19乃至図29とともに以下説明する。
【0183】
まず、PRUの配置について説明する。MPEGストリームにPRUが存在する場合は、ユーザが追加記録を行なっている可能性がある。もし、PRUが存在するなら,そのPRUが使用されているか否かを、後述する「EU Status」或いは「VU Status」内の「PR Existence」を用いて確認する。
【0184】
「EU Information」の「EU Status」内の「PR Existenece」は、対応するEU内で追加記録がされているかを示す管理情報で、「VU Information」の「VU Status」内の「PR Existence」は、管理しているVUに対応する追加記録データが存在するか否かを示すための管理情報である。用途に応じて、「EU Status」と「VU Status」の「PR Existence」のどちらかのみを使うようにしても良い。
もし、追加記録データが存在し、追加記録データを再生する場合は、目的のVUにアクセスする前に予め追加記録データを読み込んでおかなければならない。
【0185】
このように、「PR Existence」情報を用いることによって、追加記録されているか否かを予め把握することができ、追加記録されていない場合に、事前にPRUにアクセスする必要がなくなり、余分なディスクアクセスを減らすことが可能となる。
【0186】
PRUはディスク上での配置に応じて、図19及び図20に示すように、2種類の配置のタイプが存在する。これは、PRUがECC境界でアライメントされなければならないという制限により、たまたまEUの先頭がECC境界であれば、図19(b)のように、EUの先頭からPRUは配置される。
しかし、EUの先頭がECC境界でなければ、図19(a)のように、EUの先頭から順番に見て行き、最初に現れるECC境界がPRUの開始位置となる。EUの先頭からECCの境界まで、つまりPRUの開始位置までは、EU内の最初のVUの一部が配置される。
【0187】
また、EUの先頭に「EU Header」が定義されている場合は、PRUがECC境界でアライメントされなければならないという制限により、たまたま「EU Header」の直後がECC境界であれば、図20(b)のように、「EU Header」の直後からPRUは配置されている。
しかし、ECC境界でなければ、図20(a)のように、「EU Header」の直後から順番に見て行き最初に現れるECC境界がPRUの開始位置となる。「EU Header」の直後からPRUの開始位置までは、EU内の最初のVUの一部が配置されている。
【0188】
図21に示す「EU Status」内の「PRU Position」には、EUの先頭からPRUの開始位置までの距離が記録されている。ここでの距離とは、論理ブロック数を意味し、最大15論理ブロック離れることになる。
【0189】
図21に「Address LUT」(図5)の内容を示す。図21の管理情報の定義に関して、順番に説明を行なう。尚、図21の管理情報の詳細について、図22乃至図26に示す。
図中において、「Address Offset」は、当該「Address LUT」で管理している相対論理ブロック番号(RLBN)のオフセット値をUint32形式で格納する。EUSの最初から任意の数のEUが削除された場合、このフィールドに削除した論理ブロック数を格納する。
【0190】
従って、「Address LUT」内で扱う相対論理ブロック番号(RLBN)を参照する際には、必ずその値からこの「Address Offset」を引いて、参照しなければならない。また、初期値は必ず0でなければならない。
【0191】
「PB Time of EU」は、当該「Address LUT」の管理しているEUS内の各EUの設定提示時間を表す。設定提示時間とは、1EU内のビデオデータの再生時間で、同一EUS内では固定な値を取る。EUSにおける一番最後のEUにおいてはこの限りではない。
また、「PB Time of EU」は、PT Format形式で記録しなければならない。ここでのPB Time of EUは、MPEGストリーム中で隣接する映像フレームのPTSの差、つまり1枚あたりの提示時間に相当するPTSをPT Formatに変換したものの倍数でなければならない。
【0192】
「PB Time of VU」は、当該「Address LUT」の管理しているEUS内の各VUの設定提示時間を表す。設定提示時間とは、1VU内のビデオデータの再生時間で、同一EUS内では固定な値を取る。EUSにおける一番最後のVUにおいてはこの限りではない。
また、「PB Time of VU」は、PT Format形式で記録しなければならない。ここでの「PB Time of VU」は、MPEGストリーム中で隣接する映像フレームのPTSの差、つまり1枚あたりの提示時間に相当するPTSをPT Formatに変換したものの倍数でなければならない。
【0193】
「Number of EU Information」は、当該「Address LUT」が管理するEUSに存在するEUの数をUint32形式で記録する。また、「Number of VU Information」は、当該「Address LUT」が管理するEUSに存在するVUの数をUint32形式で記録する。
【0194】
「EU Information」(図12)は、EUS内の各EUに関する情報を、図23に示すように管理する。
「RLBN of EU」は、この「EU Information」が管理するEUのディスク上の開始アドレスを表す。ここでのアドレスとは、EUSの先頭からの相対論理ブロック数である。「RLBN of EU」は、Uint24形式で記録しなければならない。
「EU Status」は、この「EU Information」が管理するEUの状態を、図24(a)又は図24(b)に示すように管理する。
【0195】
「PRU Position」(Bit0〜4)(図24)は、このEU中のPRUの位置に関する情報を「PRU Position」に記録する。「PRU Position」には、EU内のPRUの開始位置をEUの先頭からの距離(LBN数)で表す。
もし、PRUがEUの先頭から配置されている場合は0、配置されていない場合は、EUの先頭からの距離を1から16論理ブロックの範囲で記録する。EU内にPRUが存在しない場合は、常に0を記録しておかなければならない。
【0196】
「PR Existence」(Bit5)(図24)は、この「EU Information」が管理するEUに対応する追加記録データが存在する場合はONE、存在しない場合はZEROを記録する。EU内にPRUが存在しない場合は、常にZEROを記録しておかなければならない。VU単位で追加記録データの存在を管理する場合は、このフィールドは無くても良い。
【0197】
「Non Contigous Point」(Bit6)(図24(b))は、この「EU Information」が管理するEUが、1つ前のEUとディスク上で論理的に連続的に配置されているかどうかを管理する。連続的に配置されている場合はZEROを記録し、非連続の場合はONEを記録する。この情報はオプション扱いとする。
【0198】
「VU Information」(図22,22)は、EUS内の各VUに関する情報を、図25(a)又は図25(b)に示すように管理する。 図25(a)はこのVU内で管理する映像フレームの位置情報が開始アドレス或いは終了アドレスのみの場合を示しており、図25(b)は同様に位置情報が開始アドレス及び終了アドレスの場合を示している。
【0199】
「RLBN of VU」は、この「VU Information」が管理するVUのディスク上の開始アドレスを表す。ここでのアドレスとは、EUSの先頭からの相対論理ブロック数である。「RLBN of VU」は、Uint24形式で記録しなければならない。
「VU Status」は、この「VU Information」が管理するVUの状態を、図26に示すように管理する。
【0200】
「PR Existence」(Bit0)(図26)は、この「VU Information」が管理するVUに対応する追加記録データが存在する場合はONE、無い場合はZEROを記録する。EU内にPRUが存在しない場合は、常にZEROを記録しておかなければならない。追加記録をEU単位でしか行なわない場合は、前述の「EU Status」(図24)内の「PR Exsistence」を使用し、このフィールドを使わなくても良い。
【0201】
「Closed GOP」(Bit1)(図26)は、VU内の最初のGOPがクローズド(Closed) GOPかどうかを管理する。GOPがクローズド GOPの場合はONE、そうでない場合はZEROを記録する。クローズドGOPでない場合、そのGOPの最初の数フレームの映像は前のGOPの情報がなければ、デコードできない可能性がある。
【0202】
「Number of IP Pictures」(図25)は、この「VU Information」で管理したいビデオデータ中のIピクチャ及びPピクチャの位置情報数をUint8形式で記録する。
【0203】
「End RLBN of IP Pictures」(図25(a))は、この「VU Information」が管理するVU内のIピクチャ及びPピクチャの含まれるディスク上の終了アドレスを管理する。ここでのアドレスとは、VUの先頭からの相対論理ブロック数である。
【0204】
一番最初のエントリには、VU中の最初のIピクチャに関するアドレス情報を格納しなければならない。2つ目以降に関しては、IピクチャもしくはPピクチャに関するアドレス情報をUint16形式で格納する。
但し、記録媒体としてアクセス速度の速い半導体メモリを採用したり、ディスク装置のアクセス性能が極めて高い場合は、レファレンスピクチャの位置情報として終了アドレスだけではなく、開始アドレスも併せて与えるものとする。この場合は、この項目のフィールド名を「RLBN of IP Pictures」とし、開始アドレスと終了アドレスとをそれぞれUint16形式で連続的に記録するものとする。
【0205】
また、レファレンスピクチャのみのアドレスだけではなく、全ての映像フレームの位置情報を管理しても良い。この場合の位置情報は、各映像フレームのディスク上での開始記録位置となる。各フレームのデータ量或いは終了アドレスは、単純に次のフレームの開始アドレスとの差で求めることができる。
【0206】
以上が「Address LUT」(図5,21)の管理情報である。次に、これらの管理情報の具体的な使い方について、図27乃至図29とともに説明を行なう。
【0207】
まず、目的のフレームが含まれるVUの開始アドレスの算出方法について説明する。
EUS内の任意のPTに対応するフレームから再生を行ないたい場合、そのフレームの含まれるVUのディスク上での開始位置を「Address LUT」によって算出する。
その際の基本的な処理手順は、以下のようになり、その様子について、「EU Header」が無い場合を図27(a)に、「EU Header」がある場合を図27(b)にそれぞれ示す。
【0208】
(1).目的のPTからEUSの中の一番最初の表示フレームに対応する「Start PT」(図5,27)を引き、下記式に示すように相対PT(RPT)を求める。
RPT = PT − Start PT
【0209】
前述したように、各ユーザプログラムから任意の箇所を選択するために使用している開始点と終了点との情報は、ストリーム中に付加された、或いは対応する絶対PTなので、その値から「Start PT」を引くことによって、EUSの先頭からの相対的な時間情報を得ることができる。
ここで、ユーザプログラムで絶対的な時間情報を持つということは、例えば、EUSの前方が削除された場合においても、「EUS Information」(図5)内の「Start PT」を変更さえすれば、このEUSを参照している全てのユーザプログラムの参照情報である開始点及び終了点情報を更新する必要がなく、処理の軽減を計っていることを意味する。
【0210】
(2).次に、下記式に示すように求めた相対PT(RPT)をEUS内の各VUの設定提示時間(「PB Time of VU」(図20,27))で割り、再生を開始したいフレームが含まれるVUの「VU Information Number」(図21)を得る。図27(a)ではVU info ♯5を示している。尚、ip(n)は、n以下の最大の整数を返す関数である。
VU Info Num = ip(RPT/PB Time of VU)
【0211】
(3).検索した「VU Information Number」、図27では5番、より、目的のフレームの含まれるVUの先頭アドレスがEUSの先頭からの相対論理ブロック数RLBN of VU'として得られる(図21,25,27)。尚、RLBN of VU(n)は、n番目のVU InformationのRLBN of VUの値という意味である。
RLBN of VU' = RLBN of VU(VU Info Num)
【0212】
以上のように、目的のフレームの含まれるVUの先頭アドレスは、サーチなどの処理をすることなく、「Address LUT」と単純な計算によって求めることができる。
【0213】
次に、図28を参照しつつ、目的のフレームが含まれるEUの先頭アドレスの算出方法について説明する。目的のフレームが含まれるEUの先頭アドレスの基本的な算出手順は、以下のようになる。
もし、EUの先頭にEUを管理するためのヘッダ情報が定義されている場合はEUの先頭とは、「EU Header」のディスク上での開始位置を意味する。「EU Header」が無い場合を図28(a)に、「EU Header」がある場合を図28(b)にそれぞれ示す。
【0214】
(1).目的のPTからEUSの中の一番最初の表示フレームに対応する「Start PT」(図5)を引き相対PT(RPT)を求める。
RPT = PT − Start PT
【0215】
(2).(1)求めた相対PT(RPT)をEUS内の各EUの設定提示時間(「PB Time of EU」(図22,28))で割り、再生を開始したいフレームが含まれるEUの「EU Information Number」を得る。図28ではEU♯1を示している。尚、ip(n)は、n以下の最大の整数を返す関数である。
EU Info Num = ip(RPT/PB Time of EU)
【0216】
(3).(2)で検索した「EU Information Number」より、目的のフレームの含まれるEUの先頭アドレスがEUSの先頭からの相対論理ブロック数RLBN of EU'として得られる(図21)。
RLBN of EU' = RLBN of EU(EU Info Num)
【0217】
VUの先頭アドレスを求めた時と同様に、目的のフレームの含まれるEUの先頭アドレスを、サーチなどの処理をすることなく、「Address LUT」と計算によって単純に求めることができる。
【0218】
さらに、目的のフレームが含まれるEU内のPRUの開始アドレスの算出方法について説明する。目的のフレームが含まれるEU内のPRUの開始アドレスの基本的な算出手順は、以下のようになり、その様子について、「EU Header」が無い場合を図29(a)に、「EU Header」がある場合を図29(b)にそれぞれ示す。
PRUの先頭は、目的のフレームに対応する追加記録データが存在する場合にアクセスする必要のある箇所である。
【0219】
(1).目的のPTからEUSの中の一番最初の表示フレームに対応する「Start PT」(図5,29)を引き相対PT(RPT)を求める。
RPT = PT − Start PT
【0220】
(2).相対PT(RPT)をEUS内の各EUの設定提示時間(「PB Time of EU」(図21,29))で割り、再生を開始したいフレームが含まれるEUの「EU Information Number」を得る。図29ではEU♯1を示している。尚、ip(n)は、n以下の最大の整数を返す関数である。
EU Info Num = ip(RPT/PB Time of EU)
【0221】
(3).検索した「EU Information Number」より、目的のフレームの含まれるEUの先頭アドレスがEUSの先頭からの相対論理ブロック数RLBN of EU'として得られる(図21)。
RLBN of EU' = RLBN of EU(EU Info Num)
【0222】
(4).目的のEUの開始アドレスRLBN of EU'に「EU Status」(図24)内の「PRU Position」の値を足すことによって(図29)、目的のPRUのEUSの先頭からの相対論理ブロック数RLBN of PRU が得られる。
RLBN of PRU = RLBN of EU' + PRU Position
【0223】
VUの先頭アドレスを求めた時と同様に、目的のフレームの含まれるVUと同期して再生すべきPRUの先頭アドレスを、サーチなどの処理をすることなく、「Address LUT」と計算によって単純に求めることができる。
【0224】
次に、上述したMPEGストリームにおいて、VUの先頭アドレスを求めてから、EU及びPRUの先頭アドレスを計算によって求める場合を、本発明の記録媒体管理方法の第3実施例として、図30乃至図39とともに以下説明する。
【0225】
まず、PRUの配置について説明する。MPEGストリームにPRUが確保されている場合は、ユーザが追加記録を行なっている可能性がある。もし、PRUが存在するなら、そのPRUが使用されているか否かを、「VU Status」内の「PR Existence」を用いて確認する(図32)。
もし、追加記録データが存在し、追加記録データを再生する場合は、目的のVUにアクセスする前に、予め追加記録データを読み込んでおかなければならない。
このように、「PR Existence」情報を用いることによって、追加記録されているか否かを予め把握することができ、追加記録されていない場合に、事前にPRUにアクセスする必要がなくなり、余分なディスクアクセスを減らすことが可能となる。
【0226】
PRUはディスク上での配置に応じて、図30及び図31に示すように、2種類の配置のタイプが存在する。これは、PRUがECC境界でアライメントされなければならないという制限により、たまたまEUの先頭がECC境界であれば、図30(b)のように、EUの先頭からPRUは配置される。
しかし、ECC境界でなければ、図30(a)のように、EUの先頭から順番に見て行き、最初に現れるECC境界がPRUの開始位置となる。EUの先頭からECCの境界まで、つまりPRUの開始位置までは、EU内の最初のVUの一部が配置される。
【0227】
また、EUの先頭に「EU Header」が定義されている場合は、PRUがECC境界でアライメントされなければならないという制限により、たまたま「EU Header」の直後がECC境界であれば、図31(b)のように、「EU Header」の直後からPRUは配置されている。
しかし、ECC境界でなければ、図31(a)のように、「EU Header」の直後から順番に見ていき、最初に現れるECC境界がPRUの開始位置となる。「EU Header」の直後からPRUの開始位置までは、EU内の最初のVUの一部が配置されている。
【0228】
図32に示す「VU Status」内の「PRU Position」には、EUの先頭からPRUの開始位置までの距離が記録されている。ここでの距離とは、論理ブロック数を意味し、最大16論理ブロック離れることになる。
【0229】
図32に「Address LUT」(図5)の内容を示す。図32の管理情報の定義に関して、以下順番に説明を行なう。また、図32の詳細について、図33乃至図37に示す。
図中において、「Address Offset」は、当該「Address LUT」で管理している相対論理ブロック番号(RLBN)のオフセット値をUint32形式で格納する。EUSの最初から任意の数のEUが削除された場合、このフィールドに削除した論理ブロック数を格納する。
従って、「Address LUT」内で扱う相対論理ブロック番号(RLBN)を参照する際には、必ずその値からこの「Address Offset」を引いて、参照しなければならない。また、初期値は必ず0でなければならない。
【0230】
「PB Time of EU」は、当該「Address LUT」の管理しているEUS内の各EUの設定提示時間を表す。設定提示時間とは、1つのEU内のビデオデータの再生時間で、同一EUS内では固定な値を取る。EUSにおける一番最後のEUにおいてはこの限りではない。
また、「PB Time of EU」は、PT Format形式で記録しなければならない。ここでの「PB Time of EU」は、MPEGストリーム中で隣接する映像フレームのPTSの差、つまり1枚あたりの提示時間に相当するPTSをPT Formatに変換したものの倍数でなければならない。
【0231】
「PB Time of VU」は、当該「Address LUT」の管理しているEUS内の各VUの設定提示時間を表す。設定提示時間とは、1つのVU内のビデオデータの再生時間で、同一EUS内では固定な値を取る、EUSにおける一番最後のVUにおいてはこの限りではない。
また、「PB Time of VU」は、PT Format形式で記録しなければならない。ここでの「PB Time of VU」は、MPEGストリーム中で隣接する映像フレームのPTSの差、つまり1枚あたりの提示時間に相当するPTSをPT Formatに変換したものの倍数でなければならない。
【0232】
「Number of VU Information」は、当該「Address LUT」が管理するEUSに存在するVUの数をUint32形式で記録する。
【0233】
「VU Information」は、EUS内の各VUに関する情報を、図34(a)又は図34(b)に示すように管理する。尚、図34(a)はこのVU内で管理する映像フレームの位置情報が開始アドレス或いは終了アドレスのみの場合を示しており、図34(b)は同様に位置情報が開始アドレス及び終了アドレスの場合を示している。
【0234】
「RLBN of VU」(図34)は、この「VU Information」が管理するVUのディスク上の開始アドレスを表す。ここでのアドレスとは、EUSの先頭からの相対論理ブロック数である。RLBN of VUは、Uint24形式で記録しなければならない。
【0235】
「VU Status」(図34)は、この「VU Information」が管理するVUの状態を、図35(a)又は図35(b)に示すように管理する。尚、図35(a)は「Non Contiguous Point」情報を定義する場合、図35(b)は「Non Contiguous Point」情報を定義しない場合を示している。
【0236】
「PRU Position」(Bit0〜4)(図35)は、このVUが含まれるEU中のPRUの位置に関する情報を、「PRU Position」に記録する。「PRU Position」には、EU内のPRUの開始位置をEUの先頭からの距離(LBN数)で表す。
もし、PRUがEUの先頭から配置されている場合は0、配置されていない場合は、EUの先頭からの距離を1から15論理ブロックの範囲で記録する。EU内にPRUが存在しない場合は、常に0を記録しておかなければならない。
【0237】
「PR Existence」(Bit5)(図35)は、この「VU Information」が管理するVUに対応する追加記録データが存在する場合はONE、無い場合はZEROを記録する。EU内にPRUが存在しない場合は、常にZEROを記録しておかなければならない。
【0238】
「Closed GOP」(Bit6)(図35)は、VU内の最初のGOPがクローズド GOPかどうかを管理する。GOPがクローズド GOPの場合はONE、そうでない場合はZEROを記録する。クローズドGOPでない場合、そのGOPの最初の数フレームの映像は前のGOPの情報がなければ、デコードできない可能性がある。
【0239】
「Non Contigous Point」(Bit7)(図35(b))は、この「VU Information」(図32〜34)が管理するVUが含まれるEUが、1つ前のEUとディスク上で論理的に連続的に配置されているかどうかを管理する。連続的に配置されている場合はZEROを記録し、非連続の場合はONEを記録する。
【0240】
「Number of IP Pictures」(図32,34)は、この「VU Information」で管理したいビデオデータ中のIピクチャ及びPピクチャの位置情報数をUint8形式で記録する。
【0241】
「End RLBN of IP Pictures」(図34(a))は、この「VU Information」が管理するVU内のIピクチャ及びPピクチャの含まれるディスク上の終了アドレスを管理する。ここでのアドレスとは、VUの先頭からの相対論理ブロック数である。
【0242】
一番最初のエントリにはVU中の最初のIピクチャに関するアドレス情報を格納しなければならない。2つ目以降に関しては、IピクチャもしくはPピクチャに関するアドレス情報をUint16形式で格納する。
但し、記録媒体としてアクセス速度の速い半導体メモリを採用したり、ディスク装置のアクセス性能が極めて高い場合は、レファレンスピクチャの位置情報として終了アドレスだけではなく、開始アドレスも併せて与えるものとする。この場合は、この項目のフィールド名を「RLBN of IP Pictures」とし、開始アドレスと終了アドレスとをそれぞれUint16形式で連続的に記録するものとする。
【0243】
また、レファレンスピクチャのみのアドレスだけではなく、全ての映像フレームの位置情報を管理しても良い。この場合の位置情報は、各映像フレームのディスク上での開始記録位置となる。各フレームのデータ量或いは終了アドレスは、単純に次のフレームの開始アドレスとの差で求めることができる。
以上が「Address LUT」の管理情報である。
【0244】
次に、これらの管理情報の具体的な使い方について、図36乃至図39とともに説明を行なう。
まず、目的のフレームが含まれるVUの開始アドレスの算出方法について、図36を参照しつつ説明する。EUS内の任意のPTに対応するフレームから再生を行ないたい場合、そのフレームの含まれるVUのディスク上での開始位置を「Address LUT」によって算出する。
その際の基本的な処理手順は、以下のようになり、その様子について、「EU Header」が無い場合を図36(a)に、「EU Header」がある場合を図36(b)にそれぞれ示す。
【0245】
(1).目的のPTからEUSの中の一番最初の表示フレームに対応する「Start PT」(図5、36)を引き、相対PT(RPT)を求める。
RPT = PT − Start PT
【0246】
前述したように、各ユーザプログラムから任意の箇所を選択するために使用している開始点と終了点との情報は、ストリーム中に付加された、或いは対応する絶対PTなので、その値から「Start PT」を引くことによって、EUSの先頭からの相対的な時間情報を得ることができる。
ここで、ユーザプログラムで絶対的な時間情報を持つということは、例えば、EUSの前方が削除された場合においても、「EUS Information」(図5)内の「Start PT」を変更さえすれば、このEUSを参照している全てのユーザプログラムの参照情報である開始点及び終了点情報を更新する必要がなく、処理の軽減を図っていることを意味する。
【0247】
(2).相対PT(RPT)をEUS内の各VUの設定提示時間(「PB Time of VU」(図32,33))で割り、再生を開始したいフレームが含まれるVUの「VU Information」番号(図32)を得る。図36では、VU♯5を示している。尚、ip(n)は、n以下の最大の整数を返す関数である。
VU Info Num =ip(RPT/PB Time of VU)
【0248】
(3).検索した「VU Information Number」より、目的のフレームの含まれるVUの先頭アドレスがEUSの先頭からの相対論理ブロック数RLBN of VU'(図32,36)として得られる。尚、RLBN of VU(n)は、n番目の「VU Information」の「RLBN of VU」の値という意味である。
RLBN of VU' = RLBN of VU(VU Info Num)
【0249】
以上のように、目的のフレームの含まれるVUの先頭アドレスは、サーチなどの処理をすることなく、「Address LUT」と単純な計算によって求めることができる。
【0250】
次に、目的のフレームが含まれるEUの開始アドレスの算出方法について説明する。目的のフレームが含まれるEUの先頭アドレスの基本的な算出手順は、以下のようになる。EUの先頭に「EU Header」が定義されている場合、EUの先頭とは、「EU Header」のディスク上での開始位置を意味する。
【0251】
(1).目的のPTからEUSの中の一番最初の表示フレームに対応する「Start PT」を引き、相対PT(RPT)を計算する。
RPT = PT − Start PT
【0252】
(2).相対PT(RPT)をEUS内の各EUの設定提示時間(「PB Time of EU」)で割り、再生を開始したいフレームが含まれるEUのEU番号を得る。尚、ip(n)は、n以下の最大の整数を返す関数である。
EU Number = ip(RPT/PB Time of EU)
【0253】
(3).各EUの設定提示時間(「PB Time of EU」)を各VUの設定提示時間(「PB Time of VU」)で割り、1EUに含まれるVU数を求める。
VU per EU = PB Time of EU/PB Time of VU
【0254】
(4).再生を開始したいフレームが含まれるEUのEU番号に1EUに含まれるVUの数をかけることによって、EU中の先頭のVUの「VU Information Number」が得られる。
VU Info Num = EU Number * VU per EU
【0255】
(5a).目的のEU内の先頭の「VU Information」(図32,34)で管理する「VU Status」内の「PRU Position」(図35)が0以外の場合、図37(a)に示すように、その「VU Information」内のVUの先頭アドレスが目的のEUのEUSの先頭からの相対論理ブロック数RLBN of EUである。
RLBN of EU = RLBN of VU(VU Info Num)
【0256】
(5b).EUの先頭に「EU Header」が定義されており、目的のEU内の先頭の「VU Information」(図32,34)で管理する「VU Status」内の「PRU Position」(図35)が0以外の場合、図37(b)に示すように、その「VU Information」内のVUの先頭アドレス(RLBN of VU)から「EU Header」の大きさ(2KB)を引くことによって、目的のEUのEUSの先頭からの相対論理ブロック数RLBN of EUが得られる。
RLBN of EU = RLBN of VU(VU Info Num) − EU Header Size
【0257】
(5c).目的のEU内の先頭の「VU Information」で管理する「VU Status」内の「PRU Position」が0の場合、図38(a)に示すように、その「VU Information」内のVUの先頭アドレス(RLBN of VU)からPRUの大きさを引くことによって、目的のEUのEUSの先頭からの相対論理ブロック数RLBN of EUが得られる。
RLBN of EU = RLBN of VU(VU Info Num) − PRU Size
【0258】
(5d).目的のEU内の先頭の「VU Information」で管理する「VU Status」内の「PRU Position」が0の場合、図38(b)に示すように、その「VU Information」内のVUの先頭アドレス(RLBN of VU)からPRUの大きさと「EU Header」の大きさ(2KB)とを引くことによって、目的のEUのEUSの先頭からの相対論理ブロック数RLBN of EUが得られる。
RLBN of EU = RLBN of VU(VU Info Num) −PRU Size −EU Header Size
【0259】
このように、VUの先頭アドレスを求めた時と同様に、目的のフレームの含まれるEUの先頭アドレスを、サーチなどの処理をすることなく、「Address LUT」と計算によって単純に求めることができる。
【0260】
さらに、目的のフレームが含まれるEU内のPRUの開始アドレスの算出方法について説明する。目的のフレームが含まれるEU内のPRUの開始アドレスの基本的な算出手順は、以下のようになり、その様子について、「EU Header」が無い場合を図39(a)、「EU Header」がある場合を図39(b)にそれぞれ示す。
PRUの先頭は、目的のフレームに対応する追加記録データが存在する場合にアクセスする必要のある箇所である。
【0261】
(1).前記した目的のフレームが含まれるEUの開始アドレスの算出における場合と同様に、目的のEUの開始アドレスRLBN of EUを求める。
【0262】
(2).目的のEUの開始アドレスRLBN of EUにEU内の最初の「VU Information」で管理する「PRU Position」の値と「EU Header」の大きさ(2KB)とを足すことによって、目的のPRUのEUSの先頭からの相対論理ブロック数RLBN of PRUが得られる。
RLBN of PRU = RLBN of EU + EU Header Size + PRU Position
【0263】
このように、VUの先頭アドレスを求めた時と同様に、目的のフレームの含まれるVUと同期して再生すべきPRUの先頭アドレスを、サーチなどの処理をすることなく、「Address LUT」と計算によって単純に求めることができる。
【0264】
上述した本発明の第1〜第3実施例において、「Address LUT」から得られたアドレス情報は、相対アドレス系なので、ディスクアクセスを行なうためにはディスクの論理アドレス系に変換する必要がある。そこで、相対アドレスからディスク上の論理アドレスの算出方法について説明する。
【0265】
既に説明したように、論理ファイルシステムを用いてEUSはファイルとして管理される。あるEUSがディスク上で分断して記録されている場合であっても、その分断情報は全て論理ファイルシステムレベルで吸収される。よって、図40に示すように、「Address LUT」としては分断を全く意識する必要がなくなる。
【0266】
「Address LUT」内における各アドレス表現のほとんどは、EUSの先頭を基準とした相対アドレス表現になっており、ディスク上で分断されて記録されていても、「Address LUT」ではEUSが連続的に配置されているものとして管理を行なう。
【0267】
ディスクアクセスする際に指定するアクセス長(論理ブロック数)は、計算によって求まる。例えば1つのEUやVUの大きさは、単純に次のEUやVUの開始アドレスからの差で求めることができる。
【0268】
「Address LUT」内のEUSの先頭を基準として相対アドレス系は、EUSの先頭が削除された場合に変更を行なう必要がある。具体的には、「Address LUT」内のEUSの先頭を基準として、相対アドレス系の情報全てから削除した論理ブロック数を引き、「Address LUT」を更新しなければならない。
【0269】
管理情報内の全てのアドレスを更新する手間を省くために、EUSの前方の任意の数のEUが削除された場合に、削除した論理ブロック数を格納する「Address Offset」値(図11,21,38)がある。
例えば、図41に示すように、EU #0を削除した場合、この「Address Offset」を利用することにより、「Address LUT」内のRLBN of VU、「RLBN of PRU 」、RLBN of EUの値を更新する必要がなくなる(図11,21,38)。
すなわち、「Address LUT」内のアドレスから「Address Offset」の値を引くことによって、正しい値を得ることが可能となる。従って、EUSの先頭からのVUの相対アドレスは、最終的に以下のような式で求めることができる。
RLBN of VU' = RLBN of VU − Address Offset
【0270】
ディスク上の論理ブロックアドレスを取得するには、論理フォーマットからの情報も参照する必要がある。つまり、論理フォーマットの管理情報から得られるEUSの開始アドレスと分断情報とを、最終的に「Address LUT」から得られたアドレス情報に足し合わせる必要がある。
【0271】
次に、目的フレームからの再生方法について説明する。ここでは、目的のフレームを指定し、その映像フレームから再生を開始したい場合の再生方法について説明を行なう。前述のように、ユーザプログラムの各シーンによってEUSの任意の箇所の選択を行なう。
【0272】
選択は、参照を行ないたい「EUS Information」のIDと、その「EUS Information」で管理するEUS中の開始点及び終了点とを、PT形式の時間情報で指定する。開始点として指定された映像フレームのPTより、前述したように、指定したフレームが含まれるVUの先頭アドレスを求める。このアドレスがアクセスを行なうディスク上での開始点となる。
【0273】
そして、アクセスすべき全てのVUのアドレス情報と、論理ファイルシステムから得られる情報とを総合して、実際のディスクアクセスを制御する。このことを、終了PTで指定された映像フレームの含まれるVUまで繰り返すことによって、ディスクから再生を行ないたいデータを読み出すことが可能となる。
【0274】
実際には、再生を開始したい映像フレームがVUの先頭のフレームとは限らないが、前述したように、MPEGの特性上、デコーダに渡されるのはVUの先頭のレファレンスピクチャからである。
【0275】
よって、VUの先頭からデコーダに渡され、デコードされたデータの内、指定した開始PTとデコードしたフレームのPTSが一致した時点からの表示を行なう必要がある。また、終了点に関しても同様で、最後のVU内の終了PT以降の映像フレームを表示しないように制御しなければならない。
【0276】
さらに、任意のレファレンスピクチャを使った特殊再生方法について説明する。「Address LUT」ではVUの先頭アドレスの他に、VU内にあるIピクチャ及びPピクチャの含まれる終了アドレスを提供する。図42に示すように、ここでのアドレスとは、VUの先頭からの相対論理ブロック数である。
【0277】
Iピクチャ及びPピクチャの終了アドレスは、Iピクチャ及びPピクチャのみを使った特殊再生を行なうために必要な情報である。各ピクチャの開始アドレスに関する情報を与えないのは、各Pピクチャをデコードするためには、前のIピクチャ或いはPピクチャがなければならないため、任意のPピクチャから再生をしたいような場合でも、複数のレファレンスピクチャをディスクから読み込まなければデコードできないからである。
【0278】
このとき、各Iピクチャ或いはPピクチャといったレファレンスピクチャの部分のみを、選択的(選択する毎にシークが発生する)に読み込むよりは、VUの先頭からの連続的に目的のPピクチャの終りまでを読み込み、他のIピクチャやPピクチャと比較して、データ量が少ない不要なBピクチャを読み捨てた方が早いからである。
【0279】
各終了アドレスは、Iピクチャ、Pピクチャのみを使った特殊再生で、最初の数Iピクチャ、 Pフレーム分の表示を行って、次のVUに移りたい場合などに、予めディスクから連続的に読み込むデータ量を得るための情報である。
但し、記録媒体としてアクセス速度の速い半導体メモリを採用したり、ディスク装置のアクセス性能が高く、各レファレンスピクチャを選択的に読み出しても十分な性能が得られる場合は、レファレンスピクチャの位置情報として終了アドレスだけではなく、開始アドレスも併せて与えるものとする。
【0280】
位置情報として各レファレンスピクチャの開始アドレス及び終了アドレスを与えることによって、それらのレファレンスピクチャの部分のみ選択的に記録媒体から読み出すことが可能となる。また、レファレンスピクチャのみのアドレスだけではなく、全ての映像フレームの位置情報を管理しても良い。
【0281】
この場合の位置情報は、各映像フレームのディスク上での開始記録位置を管理するものとする。各フレームのデータ量或いは終了アドレスは、単純に次のフレームの開始アドレスとの差で求めることができる。
【0282】
また、実際にユーザプログラムなどでアクセスする際に参照する情報として、「VU Status」(図11,21,32)内の「Closed GOP」と「Non Contiguous Point」情報とが用意されている。
「Closed GOP」は、VU内の最初のGOPがクローズドGOPかどうかを管理している情報である。通常、GOP内の映像フレームは、そのGOP中の映像フレームのデータのみを使用して生成されるが、MPEG規格においては、1つ前のGOPに含まれる映像フレームの情報を使ってエンコードすることが許されている。
【0283】
GOPがクローズドGOPであるということは、そのGOP内の全てのフレームが、そのGOP内のデータのみを使用してエンコードされていることを意味する。逆に、クローズドGOPでないということは、注目しているGOPのいくつかのフレームが、1つ前のGOP内の情報を用いてエンコードされていることを意味する。
【0284】
これからアクセスすべきVUの最初のGOPがクローズドGOPでない場合は、そのGOPの最初の数フレームの映像はデコードできずに正しく再生されないことを意味する。予めこの情報を与えることによって、正しく再生できないことを防ぎ、例えば、クローズドGOPでない場合は、1つ前のVUからアクセスを行い、正しく映像を再生することを可能とする。
【0285】
「Non Contiguous Point」情報は、今注目しているEUが1つ前のEUとディスク上で論理的に連続配置されているかを示す情報である。ディスクはランダムアクセス性に優れているために、一連の情報であっても必ずしも連続的にデータがディスク上で配置されるとは限らない。
【0286】
EUSはEU単位でディスク上で連続的に配置されるので、注目しているEUが前のEUと連続配置されているかどうかを示す情報である「Non Contiguous Point」情報を用意する。
【0287】
前述のとおり、「Address LUT」内で扱っているアドレスは主にEUSの先頭からの相対アドレスなので、EUの開始アドレスだけでは、ディスク上で分断しているかどうかはわからない。例えば、連続的に配置されているかどうかを調べるためには、予め「Address LUT」の管理情報と論理フォーマットの管理情報とを足し合わせることによって算出することが可能となる。
【0288】
実際の処理として、論理ファイルシステムより取得できるEUSの分断情報に基づいて、EUSの先頭から相対的に見た場合の分断点を把握する。このEUSの先頭から相対的に見た分断点と、「Address LUT」で得られるEUSの先頭からの相対アドレスとを比較し、一致するEUの先頭アドレスが分断点と把握することができる。
【0289】
このように、これから再生しようとするデータがディスク上で非連続に配置されているかどうかを調べるには手間がかかる。そこで、「Non Contiguous Point」情報を用いれば、論理ファイルシステムの情報を参照することなく、容易に分断点を把握することが可能になる。
【0290】
予めこれから再生しようとするデータのディスク上の配置情報を把握することは、ただ単にアクセスするための情報だけではなく、例えば、シームレス再生を実現するためのディスクからのデータ読み込みの制御にも利用することができる。
【0291】
ディスク上でこれから読もうとするデータが分断して配置されているということは、その分断点においてシークが発生することを意味する。シークが発生するということは、そのシーク期間中データの読み込みを行なうことができないことを意味する。
【0292】
このようなシークが起こった場合であっても、再生画面が途切れないようにするために、ディスクから読み込んだデータを一時的に蓄えるショックプルーフメモリが用意されている。
ショックプルーフメモリによって、ある程度のシークが発生しても再生画面が途切れることはないが、繁雑にシークが発生してショックプルーフメモリへのデータの流入が長時間に渡って止まれば、再生画面が途切れてしまう。よって、ショックプルーフメモリへのデータ流入が止まる1つの原因であるシークの発生を予め把握することによって、シームレス再生ができるように制御することも可能になる。
例えば、分断点において予め再生画面が途切れる可能性があることが分かっている場合は、その箇所を事前にアクセス速度の高速なメモリなどに入れておくことも考えられる。
【0293】
このように、「Non Contiguous Point」情報を使うことによって、ディスク上での各EUの配置状況が論理ファイルシステムの情報を用いることなく、容易に把握することが可能となり、これからアクセスを行なおうとするデータの読み込み制御を行なう際の情報として有用なものである。
【0294】
次に、再生レートの算出に関して説明を行なう。本発明における「Address LUT」を用いることによって、ビデオデータの再生レートをビデオデータをディスクから読み出すことなく、予め算出することが可能である。
【0295】
再生レートは、EU或いはVUの提示時間間隔の精度で、算出することが可能である。まず、EU単位で再生レートを算出する方法について説明を行なう。
【0296】
「Address LUT」を参照することにより、前述の通り、EUの先頭アドレスを取得することが可能である。また、前述の通り、「Address LUT」で管理されているアドレスは、EUSの先頭から、仮に同一のEUSがディスク上で分断されて記録されていても、連続的に配置されているものとした相対的な論理ブロック数で管理されている。
よって、例えば今注目しているEUの先頭アドレスを次のEUの先頭アドレスから引くことによって、今注目しているEUの大きさが分かることになる。
【0297】
前述の通り、EUはVU及びPRU或いはVUのみで構成されている。また、VUはVU Headerとオリジナルのオーディオデータとビデオデータとが多重された管理単位である。PRUはEU内のビデオデータと同期して再生される追加記録用のオーディオデータ領域である。
ここで、オリジナルのオーディオデータと追加記録用のオーディオデータは、固定レートを採用しているために、例えば、1つのEUの提示時間より、これらの領域の大きさは一意に決まる。
【0298】
よって、注目しているEUのデータの大きさから、PRUが存在する場合はPRUのデータ量(「EUS Information」の管理情報からも取得可能)と、オリジナルオーディオデータのデータ量と、「EU Header」或いは「VU Header」などといった固定長の管理情報の大きさを引くことによって、EUに含まれるビデオデータのデータ量を把握することが可能となる。
【0299】
1つのEUに含まれるビデオデータのデータ量がわかれば、1つのEUの提示時間で割ることによって、注目しているEUのビデオデータの再生レートを算出することが可能となる。
【0300】
続いて、VU単位で再生レートを算出する方法について説明を行なう。「Address LUT」を参照することにより、前述の通り、VUの先頭アドレスを取得することが可能である。
【0301】
また、前述の通り、「Address LUT」で管理されているアドレスは、EUSの先頭から、仮に同一のEUSがディスク上で分断されて記録されていても、連続的に配置されているものとした相対的な論理ブロック数で管理されている。
【0302】
よって、例えば今注目しているVUの先頭アドレスを、次のVUの先頭アドレスから引くことによって、今注目しているVUの大きさが分かることになる。但し、EU内の先頭のVUに関しては、このVUの先頭或いは途中にPRUが配置されることになるので、単純に前後のVUの開始アドレスとの関係によって、VUのデータ量を算出することはできない。
【0303】
前述の通り、VUは「VU Header」とオリジナルのオーディオデータとビデオデータとが多重された管理単位である。オリジナルのオーディオデータは、固定レートを採用しているために、例えば、1つのVUの提示時間より、この領域の大きさは一意に決まる。
【0304】
よって、注目しているVUのデータの大きさから、オリジナルオーディオデータのデータ量と、「VU Header」などといった固定長の管理情報の大きさを引くことによって、VUに含まれるビデオデータのデータ量を把握することが可能となる。但し、EU内の先頭のVUの開始アドレスを参照する場合には、PRUのデータ量も考慮に入れる必要がある。
【0305】
1つのVUに含まれるビデオデータのデータ量が分かれば、1つのVUの提示時間で割ることによって、注目しているVUのビデオデータの再生レートを算出することが可能となる。
【0306】
このようにして算出した、EU或いはVU単位のビデオデータの再生レートは、例えばモニタなどの再生画面上にユーザのための情報として、特別なハードウエアなどを用意することなく、リアルタイムで表示することが可能となる。
また、ディスクに記録されたMPEGデータを読み出すこと無く、予めこれから再生しようとするビデオデータの再生レートを把握することができるので、例えば前述のシームレス再生の制御のために利用することも可能となる。
【0307】
VU或いはEU単位の再生レートは、VU或いはEUの提示時間のデータを再生するために、ディスクから読み出すデータ量を示す情報となる。従って、前述したショックプルーフメモリに再生時間とともにどのようにデータが読み込まれるかを事前に把握することが可能になる。
例えば、再生レートが低い場合は、同一の再生時間に対応するディスク上のデータ量が少ないため、ディスクからのデータ読み込みに余裕ができる。一方、再生レートが高い場合は同一の再生時間に対応するディスク上のデータ量が多いため、ディスクからのデータ読み込みに余裕が少なくなる。
【0308】
このように、予めこれから再生すべきデータの再生レートを把握することができれば、ショックプルーフメモリの状態を事前に把握することが可能となる。
すなわち、ショックプルーフメモリの状態と、ディスクアクセスに余裕のある区間及び余裕の無い区間とが予め把握することができるので、例えばディスクアクセスに余裕のある区間において、前述の「Non Contiguous Point」情報を利用したシームレス再生が破綻する可能性のある箇所を半導体メモリに読み込む作業に充てる等、ディスクアクセスの制御のスケジューリングに利用することが可能となる。
【0309】
次に、管理情報の生成方法について説明する。ここでは、「Address LUT」の管理情報の生成方法の一例に関して説明を行なう。図43に本実施形態におけるシステム構成の概要を示す。
図中において、MPEGエンコーダ/デコーダ1は、MPEGデータをエンコードしたり、デコードする部分であり、AVシステム部2は、記録時には、MPEGエンコーダから得られたMPEGデータとオーディオデータとを、ディスクに記録する際のストリームにするために多重を行なったり、ヘッダ情報などの付加を行ない、再生時は、逆にディスク7から読み出したストリームから、再生しようとする映像とオーディオデータとを取り出し、MPEGデコーダに渡す部分である。
【0310】
ショックプルーフメモリ3は、ストリームを一時的に格納し、ECC処理やセクタコーデックなどの処理を行なう部分である。このショックプルーフメモリ3に一時的にデータを格納することによって、ディスクドライブがシークを行なっているなどの理由で、実際にデータを読み出したり、書き込んだりすることができないときでも、支障をきたすことを防ぐ役割もある。
【0311】
ディスク制御部4は、サーボをコントロールしたり、ディスクアクセスを制御する部分である。ホストマイコン5は、本システム全体を制御する部分で、各処理部に対して制御信号を出したり、受けたりすることによって、制御を行なう。
【0312】
MPEGデータをEUSとして記録すると、新たな「Address LUT」を生成することになる。まず、記録しようとする映像データをMPEGエンコーダによってエンコードする。同様に、AudioエンコーダによってAudioデータも同時にエンコードする。
これらのエンコードしたデータをAVシステム部2に送り、前述したようなMPEGストリームの形式にデータを多重し、ヘッダ情報などを付加する。このAVシステム部2において、多重やヘッダを付加したりするので、AVシステム部2としては、VUの先頭やVUの中にあるレファレンスピクチャなどの位置情報を把握していることなる。
【0313】
これらの位置情報関係の管理情報は、AVシステム部2から全体の処理の制御を行なっているホストマイコン5へ転送され、逐次保持されていく。AVシステム部2で多重化されたストリームは、一度ショックプルーフメモリ3に格納され、信号処理部6との間でECC処理やセクタコーデックなどが行なわれて、ディスク7に記録するための下準備が行なわれる。
【0314】
記録準備ができたデータは、あるタイミングにおいて、ホストマイコン5が指定するディスク7上のアドレスに、ディスク制御部4を介して記録される。ホストマイコン5では、前述したように、VUの先頭やVU内のレファレンスピクチャやPRUの位置情報を把握しており、これらの情報を基に、「Address LUT」を構築するための情報を作成する。
【0315】
また、「Non Contiguous Point」情報に関しては、把握しているストリーム中の情報と、実際にそのストリームデータをディスクへ記録する際のアドレスとを考慮して生成する。追加記録関連の情報や、Closed GOPかどうかの情報に関しては、予めホスト側で決める情報であるので、ホストでの設定値をそのまま「Address LUT」の管理情報として記録する。
【0316】
次に、ディスク装置について説明する。前述したように、EUSを記録する毎に生成される「Address LUT」は、あるタイミングで記録媒体に記録しておかなければならない。管理情報は、記録媒体の様々な場所に記録することが可能である。
【0317】
図44に示すように、管理情報を記録媒体の所定の管理情報領域に書込みことによって、データ領域と管理情報領域とを分けることができるので、例えば複数のEUSに連続的にアクセスを行なう時に管理情報がまとまって記録されていれば、短時間に効率良くディスクからデータの読み込みを行なうことができる。
【0318】
また、このような管理情報は、繁雑に更新が起きる可能性が高く、ディスク上で散在していると、ディスクアクセスに時間がかかり、システムのレスポンスの低下に結び付くことになる。また、データ領域に管理情報のファイルが作成されることがないので、データ領域でのデータの連続配置される可能性が高くなるメリットがある。
【0319】
図45に示すように、管理情報を、記録媒体中のデータ領域中に記録されるEUSのストリームの直前に書き込むことによって、アクセスを行なうEUSの管理ファイルが実データの近くにあることになり、例えばネットワークなどによって接続された他の記録媒体にEUSをコピーする場合に、EUSの実体は論理ファイルシステムによってファイル管理されているので、単純なファイルコピーで完了する。
それに伴い、「Address LUT」などそのEUS内の任意のフレームにアクセスするための管理情報も隣接して配置されていれば、容易に管理情報もコピーすることが可能となる。また、EUS毎に管理情報がディスク上で分散されるために、一箇所に集中して管理情報を記録する場合と比較して、管理情報の消失による被害のリスクを分散することも可能となる。
【0320】
また、図46に示すように、管理情報を、記録媒体中のデータ領域中に記録されるEUSのストリームと多重して記録することによって、例えば、管理領域を持ちその管理領域にも同様の情報を持っている場合に、仮にその管理情報が何らかの事故で消失してしまった場合であっても、ストリーム中に多重されている管理情報によってその管理情報を復旧することが可能となり、安全性が高くなるというメリットがある。
【0321】
尚、図46においては、管理情報を、ストーム中に多重されるEUのヘッダの中に埋め込む場合について示している。
【0322】
さらに、図47に示すように、管理情報は、実データが記録された記録媒体自身に記録される必要はなく、例えば記録媒体を再生するためのディスク装置内に存在する不揮発半導体メモリや、実データが記録された記録媒体とは別の記録媒体に記録しても良い。
【0323】
例えば、実データはリムーバブルディスクに記録し、ディスク装置内の半導体メモリやハードディスクに管理情報を記録するといったことも考えられる。また、リムーバブルディスクにおいて、そのカートリッジに不揮発半導体メモリがディスクとは別に用意されていれば、この半導体メモリに管理情報を記録しても良い。このような場合は、繁雑に読み書きを行なう管理情報がアクセス速度の高速な半導体メモリに格納されているので、システムのレスポンスが良くなるというメリットがある。
【0324】
以上のように、管理情報は様々な箇所に記録することが可能であり、それぞれ異なった側面のメリットがある。当然、1箇所に記録するだけでなく、複数の箇所に記録することも可能である。
例えば、管理情報を所定の管理領域とストリーム自体に埋め込んでしまう手法を併用すれば、通常時は、所定の管理領域に記録されている管理情報を使用し、万が一管理情報が消失してしまった場合に、ストリームに埋め込まれている管理情報を基に、消失してしまった管理情報を再構築することも可能となる。
【0325】
[第2の実施形態]
ここまでは、アフレコ用のデータ領域であるPRUがMPEGストリームに含まれた形の実施形態について説明してきたが、ここからは、アフレコ用のデータ領域であるPRUがアフレコ対象となるMPEGストリームとは別のファイル、つまり別領域にアフレコデータが記録されている場合の「Address LUT」に関する実施形態について説明を行なう。尚、前記した略称については同様に用いる。
【0326】
まず、図48にこの実施形態でのMPEGストリームの構成について説明を行なう。図48に示すように、EUSは、1つ以上のEUによって構成され、記録開始から記録停止或いは記録一時停止に対応する単位である。また、1つのEUSで管理するMPEGデータには、必ず連続的なタイムスタンプが付加されていなければならない。
尚、EUは破壊編集における最小単位である。破壊編集とは、ディスク上での移動や削除を伴う編集のことを意味し、破壊編集の最小単位とは、ディスク上での移動や削除がEU単位でしか行なうことができないことを意味する。
破壊編集によって1つのEUSの真中のいくつかのEUを削除した場合には、MPEGストリームのタイムスタンプに不連続が生じるので、EUSを分割する必要がある。
【0327】
EUは1つ以上のVUによって構成され、ディスク上では必ず連続的に記録されなければならない。EUに含まれるVUの数は、追加記録(アフレコ)を行なう単位によって決まり、アフレコする映像データを再生しながらアフレコデータを記録するリアルタイムアフレコを実現させるための条件であるデータの再生レートやメカ性能などによって決まる。
【0328】
VUは「VU Header」と1GOP以上の映像データ及び対応する音声データとをまとめた単位である。また、同一EUS内の各EU及びVUの提示時間は、それぞれ固定とする。VUの提示時間とは、1つのVUで管理する映像データの再生時間に相当し、EUの提示時間とは、同様に1つのEUで管理する映像データの再生時間を意味する。
【0329】
前記EUSを2048byteの固定長のブロックに分割を行なう。1つのブロックはディスク上の1論理ブロックに格納され、1個のブロックは原則として1個のパケットで構成される。ここでのパケットは、ISO/IEC13818-1で規定されるPES Packetに準拠し、ディスクにはこのパケットを記録していくことになる。
【0330】
図中において、VUはVH BLK、A BLK、V BLKによって構成される。VH BLKは、VUに関するヘッダ情報を格納したパケット、A BLKは、ISO/IEC13818-3で規定されるオーディオパケット、V BLKは、ISO/IEC13818-2で規定されるビデオデータを格納したパケットがそれぞれ格納される。以上のような構成のEUSはディスク上で1つのファイルとして管理される。
【0331】
一方、図49のストリーム構成において、連続追加記録(Post Recording Sequence)PRS(以下、「PRS」と略記する)は、複数のPRUによって構成され、1つのPRUがEUSにおけるEUに対応するアフレコデータを記録する入れ物となる。PRUはPH BLK、A BLK、P BLKで構成される。PH BLKは、PRUに関するヘッダ情報を格納したパケット、A BLKは、ISO/IEC13818-3で規定されるオーディオパケット、P BLKは、ISO/IEC13818-1で規定されるパディングパケットがそれぞれ格納される。PRUはEU内のビデオデータと同期して再生する追加記録用のデータ領域であるので、最低でもEUのビデオデータの提示時間に相当するだけのデータが記録できる領域がなければならない。以上のような構成のPRSはディスク上で1つのファイルとして管理される。
【0332】
なお、初期状態のPRSファイルにはPRUが1つも記録されていない状態である。つまりEU単位でアフレコをしていく過程で、順次対応するPRUがPRSファイルに追加になっていくことになる。よって、PRSファイル内のPRUの記録順番はアフレコを行った順番であり、必ずしもEUS内のEUの順番と同一の順序に並んでいるとは限らない。
【0333】
以上のようなMPEGストリームが記録されたディスクを使って、任意のフレームから再生を開始したり、任意のフレームを選択して再生するといった特殊再生を行なう場合、前述のように、ディスク上に記録されたMPEGデータの各フレーム毎のデータ量が異なるために、計算などで任意のフレームのディスク上での記録位置を求めることができない。よって、任意のフレームにアクセスするための管理情報である「Address LUT」が必要であり、内容を以下に説明する。
【0334】
本実施形態において、追加記録は、既に記録されているオリジナルデータに対して、後から音声のみの記録を行なうアフレコを意味する。PRUは、このアフレコを行なう際に、追加記録データが記録される領域のことを意味しEUSファイルとは別のファイルであるPRSファイルに記録される。
【0335】
次に、「Address LUT」をどのような状況において使用するかの説明を行なう。ユーザによって記録されたMPEGデータは、記録開始〜記録停止或いは一時停止までの区間を1つのEUSと定義される。
【0336】
MPEGの実データは、データのディスク上での配置情報をファイル名で管理を行なう論理ファイルシステムを使い、映像およびオリジナルのオーディオであるEUS単位でファイルとして記録し、アフレコ用のオーディオデータをPRSファイルとしEUSとは別のファイルで管理するものとする。この様子を図50に示す。この例では、EUS#0は、FDAV0000.EUS、EUS#1は、FDAV0001.EUSまたEUS#0およびEUS#1に対応するPRSファイル(アフレコデータファイル)がそれぞれFDAV0000.PRSおよびFDAV0001.PRSというファイル名で論理ファイルシステムによって管理されている。
【0337】
このEUS単位でEUSデータを管理するための「EUS Information」と呼ばれる管理情報が生成される。よって、ユーザが記録開始〜記録停止に対応するシーンを複数個記録したとすると、「EUS Information」に関しても同じ個数だけ生成されることになる。
【0338】
「EUS Information」の一例を図51に示す。「EUS Information」はディスクに記録されたEUSを管理するための情報で、図51に示すように、この「EUS Information」を区別するためのID,大きさ,タイトル情報,EUSが作成された日時や更新された日時,テキスト情報,そのEUSの代表サムネイルを管理するためのサムネイル情報,論理ファイルシステムによって管理されているMPEGストリームデータであるEUSおよびアフレコデータファイルであるPRSのファイルを特定するための「Data File ID」および「PRS File ID」,EUSおよびPRSのデータサイズを示す「Data File Size」および「PRS Data Size」,EUSやビデオ,オーディオ,カメラ,追加記録,ソース,著作権,静止画などの属性情報を持つ。
【0339】
また、管理しているEUSがどのプログラムから参照されているかを示すReference情報も用意されている。そして、重要な管理情報として、「Start PT」、「End PT」、「Post Recording Unit Size」、「Address LUT」がある。
【0340】
「Start PT」と「End PT」には、この「EUS Information」が管理するEUSのデータの最初及び最後の表示フレームのストリーム自体に付加されている、或いは対応するPTSの値をPT形式に変換した値を記録する。1つのEUSで管理するのは、必ず連続的なタイムスタンプに対応する映像データなので、例えば、「End PT」から「Start PT」を引くことによって、そのEUSの総提示時間を計算することができる。
【0341】
「Post Recording Unit Size」は、PRUの大きさを示す情報である。尚、同一PRS内で各PRUの大きさは一定である。そして、「Address LUT」は、ディスクに記録されたMPEGデータ中の任意のフレームおよび対応するアフレコデータのディスク上でのアクセスすべき位置など与える管理情報である。このように、「EUS Information」によって、ディスク上でファイルとして記録されているEUSファイルおよびPRSファイルに関する情報を取得できることになる。
【0342】
ユーザが記録したMPEGデータを、記録順番に従って先頭から順番に再生する場合は、前記「Address LUT」がなくても再生することは可能である。しかし、例えばディスクのランダムアクセス性を活かして、記録時の状態のオリジナルデータであるEUSの任意の箇所を、任意の個数選択し、任意の順番で再生しようとすると、「Address LUT」の情報が必要になってくる。
【0343】
次に、上述したMPEGストリームにおいて、PRU及びVUの先頭アドレスを計算によって求める方法を、以下に説明する。
MPEGストリームを再生する場合、ユーザが追加記録(アフレコ)を行なっている可能性がある。もし、EUに対応するPRUが存在するなら、後述する「PRU Status」或いは「VU Status」内の「PR Existence」を用いて確認する。
【0344】
「PRU Information」の「PRU Status」内の「PR Existence」は、EUに対応するPRUがPRSファイルの中に存在するか否かを示す管理情報で、「VU Information」の「VU Status」内の「PR Existence」は、管理しているVUに対応する追加記録データが存在するか否かを示すための管理情報である。
【0345】
追加記録データが存在し、追加記録データを再生する場合は、目的のEUにアクセスする前に予め対応するPRU(アフレコデータ)を読み込んでおき、EU内の映像データを表示するときに読み込んでおいたPRUを映像と同期して再生する必要がある。
【0346】
このように、「PR Existence」情報を用いることによって、PRSファイルにおいて対応するPRUがあるかどうかおよび追加記録されているか否かを予め把握することができることが可能となる。
【0347】
図52に「Address LUT」の管理情報の一例を示し、各定義に関して以下順番に説明を行なう。尚、図52の管理情報の詳細について、図53乃至図57に示す。
図53において、「Address Offset」は、当該「Address LUT」で管理している相対論理ブロック番号(RLBN)のオフセット値をUint32形式で格納する。EUSの最初から任意の数のEUが削除された場合、このフィールドに削除した論理ブロック数を格納する。
【0348】
従って、「Address LUT」内で扱うVUの先頭アドレスを管理する相対論理ブロック番号(RLBN of VU)を参照する際には、必ずその値からこの「Address Offset」を引いて、参照しなければならない。また、初期値は必ず0でなければならない。
【0349】
「PB Time of EU」は、当該「Address LUT」の管理しているEUS内の各EUの設定提示時間を表す。設定提示時間とは、1EU内のビデオデータの再生時間で、同一EUS内では固定な値を取る。EUSにおける最後のEUにおいてはこの限りではない。
【0350】
また、「PB Time of EU」は、PT Format形式で記録しなければならない。ここでの「PB Time of EU」は、MPEGストリーム中で隣接する映像フレームのPTSの差、つまり1枚あたりの提示時間に相当するPTSをPT Formatに変換したものの倍数でなければならない。
【0351】
「PB Time of VU」は、当該「Address LUT」の管理しているEUS内の各VUの設定提示時間を表す。設定提示時間とは、1VU内のビデオデータの再生時間で、同一EUS内では固定な値を取る。EUSにおける最後のVUにおいてはこの限りではない。
【0352】
また、「PB Time of VU」は、PT Format形式で記録しなければならない。ここでの「PB Time of VU」は、MPEGストリーム中で隣接する映像フレームのPTSの差、つまり1枚あたりの提示時間に相当するPTSをPT Formatに変換したものの倍数でなければならない。
【0353】
「Number of PRU Information」は、当該「Address LUT」が管理するEUSに存在するEUの数をUint32形式で記録する。つまり「PRU Information」はEUと1対1で対応して存在する事になる。もし、PRUが存在しないストリーム構成の場合は、常に0を記録しておかなければならない。
【0354】
「Number of VU Information」は、当該「Address LUT」が管理するEUSに存在するVUの数をUint32形式で記録する。
【0355】
「PRU Information」は、EUS内の各EUに対応するPRUに関する情報を、図54に示すように管理する。EUSに対応するPRUが1つも存在しない場合、「Number of PRU Information」に0を記録し、「PRU Information」は記録しない。「PRU Information」は、EUS内のEUに対応するPRUが1つでも存在する場合は、必ず全てのEUと1対1で存在しなければならない。
【0356】
「RLBN of PRU 」は、この「PRU Information」が管理するPRUのディスク上の開始アドレスを表す。ここでのアドレスとは、PRSファイルの先頭からの相対論理ブロック数である。「RLBN of PRU 」は、Uint24形式で記録しなければならない。「PRU Status」は、この「PRU Information」が管理するPRUの状態を、図55に示すように管理する。
【0357】
「PR Existence」(Bit0)は、このPRU Informationに対応するPRUがPRSファイルに存在する場合はONE、存在しない場合はZEROを記録する。
【0358】
「VU Information」(図53)は、EUS内の各VUに関する情報を、図56(a)又は図56(b)に示すように管理する。尚、図56(a)はこのVU内で管理する映像フレームの位置情報が開始アドレス或いは終了アドレスのみの場合を示しており、図56(b)は同様に位置情報が開始アドレス及び終了アドレスの場合を示している。
【0359】
「RLBN of VU」は、この「VU Information」が管理するVUのディスク上の開始アドレスを表す。ここでのアドレスとは、EUSファイルの先頭からの相対論理ブロック数である。「RLBN of VU」は、Uint24形式で記録しなければならない。
【0360】
「VU Status」は、この「VU Information」が管理するVUの状態を、図57(a)又は図57(b)に示すように管理する。尚、図57(a)は「Non Contiguous Point」情報を定義する場合を示しており、図57(b)は「Non Contiguous Point」情報を定義しない場合を示している。
【0361】
「PR Existence」(Bit0)は、この「VU Information」が管理するVUに対応する追加記録データが存在する場合はONE、無い場合はZEROを記録する。このVUが含まれるEUに対応するPRUが存在しない場合は、常にZEROを記録しておかなければならない。
【0362】
「Closed GOP」(Bit1)は、VU内の最初のGOPがクローズドGOPかどうかを管理する。GOPがクローズドGOPの場合はONE、そうでない場合はZEROを記録する。クローズドGOPでない場合、そのGOPの最初の数フレームの映像は前のGOPの情報がなければ、デコードできない可能性がある。
【0363】
「Non Contiguous Point」(Bit2)(図57(b))は、この「VU Information」が管理するVUが含まれるEUが、1つ前のEUとディスク上で論理的に連続的に配置されているかどうかを管理する。連続的に配置されている場合はZEROを記録し、非連続の場合はONEを記録する。
【0364】
「Number of IP Pictures」(図56)は、この「VU Information」で管理したいビデオデータ中のIピクチャ及びPピクチャの位置情報数をUint8形式で記録する。
【0365】
「End RLBN of IP Pictures」(図56(a))は、この「VU Information」が管理するVU内のIピクチャ及びPピクチャの含まれるディスク上の終了アドレスを管理する。ここでのアドレスとは、VUの先頭からの相対論理ブロック数である。
【0366】
最初のエントリには、VU中の最初のIピクチャに関するアドレス情報を格納しなければならない。2つ目以降に関しては、IピクチャもしくはPピクチャに関するアドレス情報をUint16形式で格納する。
【0367】
但し、記録媒体としてアクセス速度の速い半導体メモリを採用したり、ディスク装置のアクセス性能が極めて高い場合は、レファレンスピクチャの位置情報として終了アドレスだけではなく、開始アドレスも併せて与えるものとする。この場合は、この項目のフィールド名を「RLBN of IP Pictures」とし、開始アドレスと終了アドレスとをそれぞれUint16形式で連続的に記録するものとする。
【0368】
また、レファレンスピクチャのみのアドレスだけではなく、全ての映像フレームの位置情報を管理しても良い。この場合の位置情報は、各映像フレームのディスク上での開始記録位置となる。各フレームのデータ量或いは終了アドレスは、単純に次のフレームの開始アドレスとの差で求めることができる。
以上が「Address LUT」の管理情報である。
【0369】
次に、これらの管理情報の具体的な使い方について、図58及び図59とともに説明を行なう。
まず、目的のフレームが含まれるVUの開始アドレスの算出方法について説明する。EUS内の任意のPTに対応するフレームから再生を行ないたい場合、そのフレームの含まれるVUのディスク上での開始位置を「Address LUT」によって算出する。
その際の基本的な処理手順は、以下のようになり、その様子について、図58に示す。
【0370】
(1).目的のPTからEUSの中の最初の表示フレームに対応する「Start PT」(図51〜58)を引き、相対PT(RPT)を求める。「Start PT」とは、EUSの中の先頭表示フレームに対応するMPEGストリーム中に付加された、或いは対応するPTSをPT Formatに変換したものである。
RPT = PT − Start PT
【0371】
前述したように、各ユーザプログラムから任意の箇所を選択するために使用している開始点と終了点との情報は、ストリーム中に付加された、或いは対応する絶対PTなので、その値から「Start PT」を引くことによって、EUSの先頭からの相対的な時間情報を得ることができる。
ここで、ユーザプログラムで絶対的な時間情報を持つということは、例えば、EUSの前方が削除された場合においても、「EUS Information」内(図51)の「Start PT」を変更さえすれば、このEUSを参照している全てのユーザプログラムの参照情報である開始点及び終了点情報を更新する必要がなく、処理の軽減を図っていることを意味する。
【0372】
(2).相対PT(RPT)をEUS内の各VUの設定提示時間(「PB Time of VU」(図52,58))で割り、再生を開始したいフレームが含まれるVUの 「VU Information Number」(図52)を得る。図58では、VU♯7を示している。尚、ip(n)は、n以下の最大の整数を返す関数である。
VU Info Num = ip(RPT/PB Time of VU)
【0373】
(3).検索した「VU Information Number」より、目的のフレームの含まれるVUの先頭アドレスがEUSの先頭からの相対論理ブロック数RLBN of VU'として得られる。尚、RLBN of VU(n)は、n番目の「VU Information」の「RLBN of VU」の値という意味である。
RLBN of VU' = RLBN of VU(VU Info Num)
【0374】
以上のように、目的のフレームの含まれるVUの先頭アドレスは、サーチなどの処理をすることなく、「Address LUT」と単純な計算によって求めることができる。
【0375】
次に、目的のフレームが含まれるEUに対応するPRUの開始アドレスの算出方法について説明する。目的のフレームが含まれるEUに対応するPRUの開始アドレスの基本的な算出手順は、以下のようになり、その様子を図59に示す。
PRUの先頭は、目的のフレームに対応する追加記録データが存在する場合にアクセスする必要のある箇所である。
【0376】
(1).目的のPTからEUS中の最初の表示フレームに対応する「Start PT」を引き、相対PT(RPT)を求める。
RPT = PT − Start PT
【0377】
(2).相対PT(RPT)をEUS内の各EUの設定提示時間(「PB Time of EU」)で割り、再生を開始したいフレームが含まれるEU番号を得る。EUと「PRU Information」とは1対1で対応しているので、このEU番号がそのまま「PRU Information Number」となる。図59では、PRU info♯1を示している。尚、ip(n)は、n以下の最大の整数を返す関数である。
PRU Info Num = ip(RPT/PB Time of EU)
【0378】
(3).検索した「PRU Information Number」より、目的のフレームの含まれるEUに対応するPRUの先頭アドレスがPRSファイルの先頭からの相対論理ブロック数RLBN of PRU'として得られる。
RLBN of PRU' = RLBN of PRU(PRU Info Num)
但し、「PRU Information」における「PR Status」が0の場合は対応するPRUがPRSファイルに存在しない事を意味する。
【0379】
このように、VUの先頭アドレスを求めた時と同様に、目的のフレームの含まれるVUと同期して再生すべきPRUの先頭アドレスは、サーチなどの処理をすることなく、「Address LUT」と計算によって単純に求めることができる。よって、例えばあるPRUをディスクから読み出す場合には、求めたPRUの開始アドレスから「EUS Information」で管理されるPRUの大きさ情報だけ読み出すことになる。
【0380】
ここでEUSファイルの任意のEUとPRSファイルのPRUとの関係について「Address LUT」を含めた形で図60を用いて説明する。この図の例では、記録開始から停止あるいは一時停止までのMPEGストリームデータに相当するEUSファイルにおいて、1つのEUが4つのVUによって構成されている。「Address LUT」内の「PRU Information」はEUと1対1で作成される。よってEUSの先頭のEUから順番に、対応する「PRU Information」がEUSファイル内のEUの数だけ存在することになる。各EUに対応する「PRU Information」には、PRSファイルに対応するPRUが存在するかどうかを示す「PRU Status」情報が存在する。図の例では、PRU Information#4および#5、つまりEU#4およびEU#5に対応するPRUがPRSファイルに無い状態を示している。また、PRU Information #1〜#3、つまりEU#1〜#3に対応するPRUはPRSファイル内でPRU#0〜#2にそれぞれ記録されている。PRU Information#0、つまりEU#0に対応するPRUはPRSファイル内でPRU#3として記録されている。このように、PRSファイル内では、PRUを記録した順番に従ってファイルに追加されるので、EUの順番と同じ並びで対応するPRUが必ずしも並ぶとは限らない。
【0381】
このような構成のEUSの映像データと同期させてアフレコ音声データを再生する場合、EUSの先頭から各EUを読み出す前に対応するPRUのデータをディスクから読み出し、つづいてEUのデータを読み出し、映像データと既に読み込んであるアフレコデータとの同期を取りながら再生して行くことになる。このようにPRUの読み込みを行った後、EUの読み込みといった具合に交互にデータを読み出して行くことになる。
【0382】
既に説明したように、論理ファイルシステムを用いてEUSおよびPRSはファイルとして管理される。あるEUSあるいはPRSがディスク上で分断して記録されている場合であっても、その分断情報は全て論理ファイルシステムレベルで吸収される。よって、図61および図62に示すように、「Address LUT」としては分断を全く意識する必要がなくなる。
【0383】
「Address LUT」内における「RLBN of VU」および「RLBN of PRU 」(図52)は、EUSあるいはPRSの先頭を基準とした相対アドレス表現になっており、ディスク上で分断されて記録されていても、「Address LUT」ではEUSあるいはPRSが連続的に配置されているものとして管理を行なう。
【0384】
ディスクアクセスする際に指定するアクセス長(論理ブロック数)は、計算によって求まる。例えば1つのEUやVUの大きさは、単純に次のEUやVUの開始アドレスからの差で求めることができる。またPRUの大きさは同一のEUS内においては固定長である。
【0385】
「Address LUT」内のEUSの先頭を基準として相対アドレス系は、EUSの先頭が削除された場合に変更を行なう必要がある。具体的には、「Address LUT」内のEUSの先頭を基準として、相対アドレス系の情報全てから削除した論理ブロック数を引き、「Address LUT」を更新しなければならない。このような管理情報内の全てのアドレスを更新する手間を省くために、EUSの前方の任意数のEUが削除された場合に、削除した論理ブロック数を格納する「Address Offset」値(図53)がある。
【0386】
例えば、図63に示すように、EU #0を削除した場合、この「Address Offset」を利用することにより、「Address LUT」内のRLBN of VUの値を更新する必要がなくなる。
すなわち、「Address LUT」内のアドレスから「Address Offset」の値を引くことによって、正しい値を得ることが可能となる。従って、EUSの先頭からのVUの相対アドレスは、最終的に以下のような式で求めることができる。
RLBN of VU' = RLBN of VU − Address Offset
【0387】
一方、「Address LUT」内のPRSファイルの先頭を基準として相対アドレス系である「RLBN of PRU 」は、PRSの先頭が削除された場合に変更を行なう必要がある。具体的には、「Address LUT」内のPRSの先頭を基準として、相対アドレス系の情報全てから削除したPRUの論理ブロック数を引き、「Address LUT」を更新しなければならない。しかしながら、PRUに記録されるのはオーディオデータであり、映像データと比較してデータサイズが少ない。よって、任意のPRUを削除したい場合であっても、実際にはPRSファイルに変更を加える事なく、PRU InformationのPRU Statusを更新する事によって削除したのと同様の効果が得られる。また、例えば既に記録されているアフレコデータを破棄して新たなアフレコをしようとした場合、PRU InformationからアフレコをしようとしているEUに対応するPRU Informationを抽出し、「RLBN of PRU 」で指し示される位置にあるPRUにアフレコデータを記録し直す事が可能である。
尚、本第2の実施形態では、アフレコ用のデータ領域であるPRUがアフレコ対象となるMPEGストリームとは別のファイル、つまり別領域にアフレコデータが記録されている場合の「Address LUT」に関する実施形態について、第1の実施形態の一部にあわせて説明したが、アフレコ用のデータ領域に関する以外は第1の実施形態に説明した構成に適宜変更できる。
【0388】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の第1の要旨によれば、マルチメディアデータストリームにおいて、任意のフレームへでの記録媒体上での位置情報を、複雑な計算を必要とせずに、簡単に得ることができる。
【0389】
本発明の第2の要旨によれば、マルチメディアデータストリームにおいて、任意のフレームにおける編集可能な最小単位である第1のデータユニットの記録媒体上での位置情報を、複雑な計算を必要とせずに、簡単に得ることができる。
【0390】
本発明の第3の要旨によれば、マルチメディアデータストリームにおいて、任意のフレームをアクセスするために必要な第2のデータユニットの記録媒体上での位置情報を、複雑な計算を必要とせずに、簡単に得ることができる。
また、頻繁に参照する第2のデータユニットの位置情報を管理情報として持たせているので、位置情報を計算する必要がなく、効率的に管理情報を参照することができる。
【0391】
本発明の第4の要旨によれば、マルチメディアデータストリームにおいて、任意のフレームをアクセスするために必要な第2のデータユニットの記録媒体上での位置情報と編集可能な最小単位である第1のデータユニットの記録媒体上での位置情報を、複雑な計算を必要とせずに、簡単に得ることができる。
【0392】
本発明の第5〜7の要旨によれば、更に、所定のデータに同期して再生すべき追加記録音声データの記録媒体上での位置情報を各データユニットの位置情報と共に、複雑な計算を必要とせずに、簡単に得ることができる。
【0393】
本発明の第8〜10の要旨によれば、所定のデータに同期して再生すべき追加記録音声データの記録媒体上での位置情報を、複雑な計算を必要とせずに、簡単に得ることができる。
【0394】
本発明の第11の要旨によれば、複数の管理情報の読み書きを行なう場合でも、短時間で行なうことが可能となる。
【0395】
本発明の第12の要旨によれば、データ領域と管理情報領域とが明確に別れているため、データ領域に管理情報のファイルが作成されることがないので、データ領域でのデータの連続配置を実現することができる。
【0396】
本発明の第13の要旨によれば、再生するデータと管理情報が近接し、処理速度を高めることができる。
本発明の第14の要旨によれば、データ記憶媒体よりもアクセス速度の速い記憶媒体に管理情報領域を設けることで、よりレスポンスがよくなる。
【0397】
本発明の第15、16の要旨によれば、前記基準データユニットを再生時間を基準に区画する前記第1のデータユニットと第2のユニットとするデータ記録媒体に対して、管理情報領域に基準位置情報と第1の相対距離情報を管理することで、データ記録媒体の管理装置は、時間情報をキー情報として、簡単な処理により位置情報に変換できるので、データユニットの任意のフレームへ簡単にアクセスできる。
また、複数の管理情報の読み書きを行なう場合でも、短時間で行なうことが可能となり、また、データ領域と管理情報領域とが明確に別れているため、データ領域に管理情報のファイルが作成されることがないので、データ領域でのデータの連続配置を実現することができる。
【0398】
本発明の第17の要旨によれば、更に追加記録音声データを、時間情報をキー情報として、簡単な処理により位置情報を得ることができ、追加記録音声データを効率よく再現できる。
【0399】
本発明の第18の要旨によれば、再生するデータと管理情報が近接し、処理速度を高めることができる。
【0400】
本発明の第19の要旨によれば、ストリーム構成を複雑化することなく、その他のデータユニットのアクセスが容易となる。
【0401】
本発明の第20の要旨によれば、マルチメディアデータストリームの先頭の一部を削除した場合に、削除したデータの位置情報を、オフセット値として管理情報に記録することによって、各管理情報内の位置情報を更新する必要がなくなり、編集時の処理の手間を省くことが可能となる。
【0402】
本発明の第21の要旨によれば、第1のデータユニット内の映像データの再生レートを算出することが可能であるため、映像データを再生することなく、データの再生レートを予め把握することができる。
【0403】
本発明の第22の要旨によれば、第2のユニット内のビデオデータの再生レートを算出することが可能であるため、ビデオデータを再生することなく、データの再生レートを予め把握することができる。
【0404】
本発明の第23の要旨によれば、開始アドレスとして、そのストリームの記録媒体上での分断配置などを無視した相対アドレスを用いているため、第1のデータユニット或いは第2のデータユニットの管理するデータのデータ量を、前後の開始アドレスとの関係から把握することが可能となる。
【0405】
本発明の第24の要旨によれば、データを再生するにあたって、予め追加記録音声データを読み込む必要があるかどうかを把握することが可能となり、処理の効率化が図れる。
【0406】
本発明の第25の要旨によれば、データを再生するにあたって、第1のユニットの単位で予め追加記録音声データを読み込む必要があるかどうかを把握することが可能となり、処理の効率化が図れる。
【0407】
本発明の第26の要旨によれば、データを再生するにあたって、第2のユニットの単位で予め追加記録音声データを読み込む必要があるかどうかを把握することが可能となり、処理の効率化が図れる。
【0408】
本発明の第27の要旨によれば、論理ファイルシステムの情報を参照することなく、注目している第1のユニットが、1つ前の第1のユニットと記録媒体上で論理的に連続して配置されているかどうかを把握することが可能となり、処理の効率化が図れる。
【0409】
本発明の第28の要旨によれば、第2のデータユニットを再生する前に、該第2のデータユニット中のGOP内のフレームを正しく再生するために、実際には1つ前の第2のユニットにアクセスすべきことを把握することが可能となる。
【0410】
本発明の第29の要旨によれば、第2のデータユニットの単位で、固定的なフレーム数ではなく、任意のフレーム数を管理することが可能となる。
【0411】
本発明の第30の要旨によれば、第2のデータユニットの先頭から、目的のレファレンスピクチャまでを読み込むためのデータ量を、予め把握することが可能となり、特殊再生を容易に実現することができる。
【0412】
本発明の第31の要旨によれば、アクセス性能が十分高い記録媒体を用いる場合、データを読み出すべき位置情報に基づいて、目的のレファレンスピクチャを選択的に読み込むことが可能となり、特殊再生を容易に実現することができる。
【0413】
本発明の第32の要旨によれば、アクセス性能が十分高い記録媒体を用いる場合、全てのフレームの開始アドレスを管理しているため、1フレームのデータ量が次のフレームの開始アドレスとの差で容易に求めることができ、任意のフレームのデータを選択的に読み出すことが可能となり、特殊再生を容易に実現することができる。
【0414】
本発明の第33の要旨によれば、データを再生するにあたって、予め追加記録音声データを読み込む必要があるかどうかを把握することが可能となり、処理の効率化が図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の記録媒体管理方式の第1の実施形態で扱うMPEGストリームの構成を示す説明図である。
【図2】本発明の記録媒体管理方式の第1の実施形態で扱うMPEGストリームとブロックとの関係を示す説明図である。
【図3】本発明の記録媒体管理方式の第1の実施形態において、目的のフレームをアクセスするために、Address LUTによって提供されるVUの先頭アドレスを示す説明図である。
【図4】本発明の記録媒体管理方式の第1の実施形態において、論理ファイルシステムによってファイルとして管理されるEUSを示す説明図である。
【図5】本発明の記録媒体管理方式の第1の実施形態におけるEUS Information管理情報の内容を示す説明図である。
【図6】本発明の記録媒体管理方式の第1の実施形態におけるProgram Information管理情報の内容を示す説明図である。
【図7】本発明の記録媒体管理方式の第1の実施形態におけるEUS Stream Information管理情報の内容を示す説明図である。
【図8】本発明の記録媒体管理方式の第1の実施形態におけるEUS InformationとEUSとの関係を示す説明図である。
【図9】本発明の記録媒体管理方式の第1実施例において、MPEGストリームにEU Headerが無い場合のPRUの配置を示す説明図である。
【図10】本発明の記録媒体管理方式の第1実施例において、MPEGストリームにEU Headerがある場合のPRUの配置を示す説明図である。
【図11】本発明の記録媒体管理方式の第1実施例におけるAddress LUTの概要を示す説明図である。
【図12】本発明の記録媒体管理方式の第1実施例におけるAddress LUTの内容を示す説明図である。
【図13】本発明の記録媒体管理方式の第1実施例におけるPRU Informationの内容を示す説明図である。
【図14】本発明の記録媒体管理方式の第1実施例におけるPRU Statusの内容を示す説明図である。
【図15】本発明の記録媒体管理方式の第1実施例におけるVU Informationの内容を示す説明図である。
【図16】本発明の記録媒体管理方式の第1実施例におけるVU Statusの内容を示す説明図である。
【図17】本発明の記録媒体管理方式の第1実施例におけるVUの先頭アドレスの算出方法を示す説明図である。
【図18】本発明の記録媒体管理方式の第1実施例におけるPRUの先頭アドレスの算出方法を示す説明図である。
【図19】本発明の記録媒体管理方式の第2実施例において、MPEGストリームにEU Headerが無い場合のPRUの配置を示す説明図である。
【図20】本発明の記録媒体管理方式の第2実施例において、MPEGストリームにEU Headerがある場合のPRUの配置を示す説明図である。
【図21】本発明の記録媒体管理方式の第2実施例におけるAddress LUTの概要を示す説明図である。
【図22】本発明の記録媒体管理方式の第2実施例におけるAddress LUTの内容を示す説明図である。
【図23】本発明の記録媒体管理方式の第2実施例におけるEU Informationの内容を示す説明図である。
【図24】本発明の記録媒体管理方式の第2実施例におけるEU Statusの内容を示す説明図である。
【図25】本発明の記録媒体管理方式の第2実施例におけるVU Informationの内容を示す説明図である。
【図26】本発明の記録媒体管理方式の第2実施例におけるVU Statusの内容を示す説明図である。
【図27】本発明の記録媒体管理方式の第2実施例におけるVUの先頭アドレスの算出方法を示す説明図である。
【図28】本発明の記録媒体管理方式の第2実施例におけるEUの先頭アドレスの算出方法を示す説明図である。
【図29】本発明の記録媒体管理方式の第2実施例におけるPRUの先頭アドレスの算出方法を示す説明図である。
【図30】本発明の記録媒体管理方式の第3実施例において、MPEGストリームにEU Headerが無い場合のPRUの配置を示す説明図である。
【図31】本発明の記録媒体管理方式の第3実施例において、MPEGストリームにEU Headerがある場合のPRUの配置を示す説明図である。
【図32】本発明の記録媒体管理方式の第3実施例におけるAddress LUTの概要を示す説明図である。
【図33】本発明の記録媒体管理方式の第3実施例におけるAddress LUTの内容を示す説明図である。
【図34】本発明の記録媒体管理方式の第3実施例におけるVU Informationの内容を示す説明図である。
【図35】本発明の記録媒体管理方式の第3実施例におけるVU Statusの内容を示す説明図である。
【図36】本発明の記録媒体管理方式の第3実施例におけるVUの先頭アドレスの算出方法を示す説明図である。
【図37】本発明の記録媒体管理方式の第3実施例におけるEUの先頭アドレスの算出方法(その1)を示す説明図である。
【図38】本発明の記録媒体管理方式の第3実施例におけるEUの先頭アドレスの算出方法(その2)を示す説メイズである。
【図39】本発明の記録媒体管理方式の第3実施例におけるPRUの先頭アドレスの算出方法を示す説明図である。
【図40】本発明の記録媒体管理方式の第1の実施形態におけるAddress LUT内での相対アドレス情報を示す説明図である。
【図41】本発明の記録媒体管理方式の第1の実施形態におけるAddress Offset情報を示す説明図である。
【図42】本発明の記録媒体管理方式の第1の実施形態におけるEnd RLBN of IP Picturesを示す説明図である。
【図43】本発明の記録媒体管理方式の第1の実施形態におけるシステム構成を示す説明図である。
【図44】本発明の記録媒体管理方式の第1の実施形態における管理情報領域を有するディスク領域を示す説明図である。
【図45】本発明の記録媒体管理方式の第1の実施形態において、管理情報を各EUSの先頭に配置する様子を示す説明図である。
【図46】本発明の記録媒体管理方式の第1の実施形態において、管理情報をEU Headerに埋め込み、ストリームに多重する様子を示す説明図である。
【図47】本発明の記録媒体管理方式の第1の実施形態において、管理情報をディスクカートリッジに搭載される半導体不揮発メモリに格納する様子を示す説明図である。
【図48】本発明の記録媒体管理方式の第2の実施形態で扱うMPEGストリームとブロックとの関係を示す説明図である。
【図49】本発明の記録媒体管理方式の第2の実施形態で扱うMPEGストリームとブロックとの関係を示す説明図である。
【図50】本発明の記録媒体管理方式の第2の実施形態において、論理ファイルシステムによってファイルとして管理されるEUSとPRSを示す説明図である。
【図51】本発明の記録媒体管理方式の第2の実施形態におけるEUS Information管理情報の内容を示す説明図である。
【図52】本発明の記録媒体管理方式の第2の実施形態におけるAddress LUTの概要を示す説明図である。
【図53】本発明の記録媒体管理方式の第2の実施形態におけるAddress LUTの内容を示す説明図である。
【図54】本発明の記録媒体管理方式の第2の実施形態におけるPRU Informationの内容を示す説明図である。
【図55】本発明の記録媒体管理方式の第2の実施形態におけるPRU Statusの内容を示す説明図である。
【図56】本発明の記録媒体管理方式の第2の実施形態におけるVU Informationの内容を示す説明図である。
【図57】本発明の記録媒体管理方式の第2の実施形態におけるVU Statusの内容を示す説明図である。
【図58】本発明の記録媒体管理方式の第2の実施形態におけるVUの先頭アドレスの算出方法を示す説明図である。
【図59】本発明の記録媒体管理方式の第2の実施形態におけるPRUの先頭アドレスの算出方法を示す説明図である。
【図60】本発明の記録媒体管理方式の第2実施形態におけるEUSファイルの任意のEUとPRUとの関係をAddress LUTを含めて示す説明図である。
【図61】本発明の記録媒体管理方式の第2の実施形態におけるAddress LUT内での相対アドレス情報を示す説明図である。
【図62】本発明の記録媒体管理方式の第2の実施形態におけるAddress LUT内での相対アドレス情報を示す説明図である。
【図63】本発明の記録媒体管理方式の第2の実施形態におけるAddress Offset情報を示す説明図である。
【図64】可変長符号化技術であるMPEGをディスクに記録した様子を示す説明図である。
【符号の説明】
1 MPEGエンコーダ/デコーダ
2 AVシステム部
3 ショックプルーフメモリ
4 ディスク制御部
5 ホストマイコン
6 信号処理部
7 ディスク

Claims (29)

  1. 映像データを有する第1のデータ配列中の連続記録時間分のデータを、基準データユニットとして管理するデータ記録媒体のアクセス位置特定方法であって、
    前記基準データユニットは、同一の基準データユニット内で再生時間を同一とする複数の小データユニットにより構成され、
    前記基準データユニット毎に、予め、基準データユニットの開始位置情報である基準位置情報と、該基準位置情報から該基準データユニット中の各々の小データユニットの開始位置情報までの各相対距離情報と、を記録媒体の管理情報領域に記憶しており、
    指定する映像データに関する提示時間情報と前記対象基準データユニットの基準位置情報に関する基準時間情報とに基づいて、前記基準時間情報から提示時間情報までの相対時間を特定するステップと、
    前記指定映像データに関する相対時間と前記小データユニットの再生時間とに基づく演算により、指定映像データを含む対象小データユニットを特定するステップと、
    前記管理情報領域に予め記憶した相対距離情報から、対象小データユニットの開始位置情報を特定するステップと、を有し、
    前記小データユニットは、前記同一の基準データユニット内で再生時間を同一とする複数の、独立して編集可能な最小単位データである第1のデータユニット中の、再生時間を同一とする複数の、独立して再生可能な最小単位のデータである第2のデータユニットであることを特徴とするアクセス位置特定方法。
  2. 前記第2のデータユニットの開始位置情報を用いて、第1のデータユニットの開始位置情報を特定するステップと、を有することを特徴とする請求項に記載のアクセス位置特定方法。
  3. 前記データ記録媒体には、映像データの本来の音声データとは異なり、該映像データに同期して記録、又は再生可能な追加記録音声データを格納する追加記録音声データユニットを、前記第1のデータユニットに対応付けて設け、
    前記管理情報領域は、前記基準データユニット毎に、予め、各々の追加記録音声データユニットの開始位置情報である第3の相対距離情報を記憶しており、
    前記管理情報領域に記憶した第3の相対距離情報から、前記対象第1のデータユニットに対応する対象追加記録音声データユニットの開始位置情報を特定するステップと、を有することを特徴とする請求項1又は2に記載のアクセス位置特定方法。
  4. 前記第3の相対距離情報は、前記基準位置情報から追加記録音声データユニットの開始位置情報までの相対距離情報であることを特徴とする請求項に記載のアクセス位置特定方法。
  5. 前記第3の相対距離情報は、前記第1のデータユニットの開始位置情報から追加記録音声データユニットの開始位置情報までの相対距離情報であることを特徴とする請求項に記載のアクセス位置特定方法。
  6. 映像データを有する第1のデータ配列中の連続記録時間分のデータを、基準データユニットとして管理するデータ記録媒体のアクセス位置特定方法であって、
    前記基準データユニットは、同一の基準データユニット内で再生時間を同一とする、複数の独立して編集可能な最小単位データである第1のデータユニットにより構成され、
    前記データ記録媒体には、映像データの本来の音声データとは異なり、該映像データに同期して記録、又は再生可能な追加記録音声データを格納する追加記録音声データユニットを、前記第1のデータユニットに対応付けて設け、
    前記基準データユニット毎に、予め、前記各々の追加記録音声データユニットの開始位置情報である第3の相対距離情報を、記録媒体の管理情報領域に記憶しており、
    指定する映像データに関する提示時間情報と前記対象基準データユニットの基準位置情報に関する基準時間情報とに基づいて、前記基準時間情報から提示時間情報までの相対時間を特定するステップと、
    前記指定映像データに関する相対時間と前記第1のデータユニットの再生時間とに基づく演算により、指定映像データを含む対象第1のデータユニットを特定するステップと、
    前記管理情報領域に予め記憶した第3の相対距離情報から、前記対象第1のデータユニットに対応する対象追加記録音声データユニットの開始位置情報を特定するステップと、を有することを特徴とするアクセス位置定方法。
  7. 前記第3の相対距離情報は、前記基準データユニットの開始位置情報である基準位置情報から追加記録音声データユニットの開始位置情報までの相対距離情報であることを特徴とする請求項に記載のアクセス位置特定方法。
  8. 前記第3の相対距離情報は、前記前記第1のデータユニットの開始位置情報から追加記録音声データユニットの開始位置情報までの相対距離情報であることを特徴とする請求項に記載のアクセス位置特定方法。
  9. 前記追加記録音声データユニットは、第1のデータユニット内に設けることを特徴とする請求項又はに記載のアクセス位置定方法。
  10. 前記追加記録音声データユニットは、基準データユニット外に設けることを特徴とする請求項又はに記載のアクセス位置定方法。
  11. 前記管理情報領域は、前記データ記録媒体内に設けることを特徴とする請求項1又はに記載のアクセス位置定方法。
  12. 前記管理情報領域は、前記データ記録媒体外の記録媒体に設けることを特徴とする請求項1又はに記載のアクセス位置定方法。
  13. 映像データを有する第1のデータ配列中の連続記録時間分のデータを、基準データユニットとして管理するデータ記録媒体の管理装置であって、
    前記基準データユニットを、複数の、独立して編集可能な最小単位データである第1のデータユニットにより構成し、
    前記第1のデータユニットを、複数の、独立して再生可能な最小単位のデータである第2のユニットにより構成し、
    前記第1のデータユニットの再生時間である第1の再生時間を、同一基準データユニット内で同一とし、且つ、前記第2のユニットの再生時間である第2の再生時間を、同一基準データユニット内で同一に制御し、かつ
    基準データユニット毎に、該基準データユニットの開始位置情報である基準位置情報と、該基準位置情報から該基準データユニット内の第1のデータユニットの開始位置情報までの第1の相対距離情報を、前記データ記録媒体、或は該データ記録媒体の保持部材に設けた管理情報領域に、書込み又は読出し可能に管理する制御部を備えたことを特徴とするデータ記録媒体の管理装置。
  14. 映像データを有する第1のデータ配列中の連続記録時間分のデータを、基準データユニットとして管理するデータ記録媒体の管理装置であって、
    前記基準データユニットを、複数の、独立して編集可能な最小単位データである第1のデータユニットにより構成し、
    前記第1のデータユニットを、複数の、独立して再生可能な最小単位のデータである第2のユニットにより構成し、
    前記第1のデータユニットの再生時間である第1の再生時間を、同一基準データユニット内で同一とし、且つ、前記第2のユニットの再生時間である第2の再生時間を、同一基準データユニット内で同一に制御し、かつ
    基準データユニット毎に、該基準データユニットの開始位置情報である基準位置情報と、該基準位置情報から該基準データユニット内の所定第2のデータユニットの開始位置情報までの第2の相対距離情報を、前記データ記録媒体、或は該データ記録媒体の保持部材に設けた管理情報領域に、書込み又は読出し可能に管理する制御部を備えたことを特徴とするデータ記録媒体の管理装置。
  15. 前記制御部は、前記データ記録媒体に、映像データの本来の音声データとは異なり、該映像データに同期して記録、又は再生可能な追加記録音声データを格納する追加記録音声データユニットを形成し、かつ
    前記管理情報領域内に、前記第1のデータユニットに対応付けて、該基準位置情報から追加記録音声データユニットの開始位置情報までの第3の相対距離情報を、書込み又は読出し可能に管理することを特徴とする請求項13又は14に記載のデータ記録媒体の管理装置。
  16. 前記追加記録音声データユニットは、第1のデータユニット内に設けることを特徴とする請求項15に記載のデータ記録媒体の管理装置。
  17. 前記追加記録音声データユニットは、基準データユニット外に設けることを特徴とする請求項15に記載のデータ記録媒体の管理装置。
  18. 前記制御部は、位置情報に対するオフセット値を示すオフセット情報を、前記管理情報領域に書込み又は読出し可能に管理することを特徴とする請求項13又は14に記載のデータ記録媒体の管理装置。
  19. 前記制御部は、前記第1の相対距離情報と第1の再生時間に基づいて、第1のデータユニットのデータの再生レートを算出可能とすることを特徴とする請求項13に記載のデータ記録媒体の管理装置。
  20. 前記制御部は、前記第2の相対距離情報と第2の再生時間とに基づいて、第2のデータユニットのデータの再生レートを算出可能することを特徴とする請求項14に記載のデータ記録媒体の管理装置。
  21. 前記位置情報は、記録媒体上での分断配置を無視した相対アドレスであることを特徴とする請求項13又は14に記載のデータ記録媒体の管理装置。
  22. 前記制御部は、追加記録音声データユニットに同期再生すべき追加記録音声データが格納されているか否かを示す追加記録有無情報を、前記管理情報領域に書込み又は読出し可能に管理することを特徴とする請求項15に記載のデータ記録媒体の管理装置。
  23. 前記制御部は、第1のデータユニットに対応して同期再生すべき追加記録音声データを追加記録音声データユニットに格納しているか否かを示す追加記録有無情報を、前記管理情報領域に書込み又は読出し可能に管理することを特徴とする請求項15に記載のデータ記録媒体の管理装置。
  24. 前記制御部は、第2のデータユニットに対応して同期再生すべき追加記録音声データを追加記録音声データユニットに格納しているか否かを示す追加記録有無情報を、前記管理情報領域に書込み又は読出し可能に管理することを特徴とする請求項15に記載のデータ記録媒体の管理装置。
  25. 前記制御部は、時間的に連続する第1のデータユニットに対応するデータが、後続する第1のデータユニットに対応するデータと記録媒体上で論理的に連続して配置されているか否かを示す連続データ情報を、前記管理情報領域に書込み又は読出し可能に管理することを特徴とする請求項13又は14に記載のデータ記録媒体の管理装置。
  26. 前記制御部は、第2のデータユニットの先頭のGOPがクローズドGOPか否かを示す情報を、前記管理情報領域に書込み又は読出し可能に管理することを特徴とする請求項13又は14に記載のデータ記録媒体の管理装置。
  27. 前記制御部は、第2のデータユニットのMPEGデータ中の管理したい映像フレームとして、レファレンスピクチャの記録媒体上での終了アドレスを示す終了位置情報を、前記管理情報領域に書込み又は読出し可能に管理することを特徴とする請求項13又は14に記載のデータ記録媒体の管理装置。
  28. 前記制御部は、第2のデータユニットのMPEGデータ中の管理したい映像フレームのレファレンスピクチャの記録媒体上での開始アドレスを示すレファレンスピクチャ開始位置情報及び終了アドレスを示すレファレンスピクチャ終了位置情報を、前記管理情報領域に書込み又は読出し可能に管理することを特徴とする請求項13又は14に記載のデータ記録媒体の管理装置。
  29. 前記制御部は、第2のデータユニットのMPEGデータ中の管理したい映像フレームとして、レファレンスピクチャの記録媒体上の開始アドレスを示す開始位置情報を、前記管理情報領域に書込み又は読出し可能に管理することを特徴とする請求項13又は14に記載のデータ記録媒体の管理装置。
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