JP4416270B2 - 箱の形成方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、箱形成用のブランクから段ボール箱を形成する箱の形成方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、商品を包装する外装用の段ボール箱の形成用素材は段ボールメーカによって製造され、その段ボールメーカから顧客に搬送されて段ボール箱が形成される。
【0003】
図2は、段ボール箱を形成する形成用素材の製造方法の一例を示し、下記の工程から成る。
【0004】
第1工程
コルゲータによって形成された両面段ボールシートあるいは複両面段ボールシートをスリッタによって所定の幅寸法に切断する。その切断後の連続段ボールシートをロータリカッタにより所定の長さに切断して、図2(I)に示すように、段ボールシートS0 を形成する。この段ボールシートS0 をコルゲータの排出部において適宜の高さに積み重ねる。
【0005】
第2工程
第1工程によって得られた段ボールシートS0 を必要に応じて印刷を施し、図2(II)で示す打抜き装置に搬送、供給して、罫入れと打抜きとを行ない、段ボール箱の形成用素材としてのブランクS1 を形成する。
【0006】
図3は、打抜き装置によって形成されたブランクS1 の詳細を示す。このブランクS1 には、一対の同形状の端面パネル1a、1bと、一対の同形状の側面パネル2a、2bとが第1縦罫線a1 乃至第3縦罫線a3 を介して一方向に交互に連設され、一端の側面パネル2bの一端に第4縦罫線a4 を介して継ぎしろとしての接続片3が設けられている。
【0007】
また、一対の端面パネル1a、1bおよび一対の側面パネル2a、2bの一側縁に横罫線b1 を介して底フラップ4a、4bが連設され、かつ、他側縁に横罫線b2 を介して蓋フラップ5が連設されている。
【0008】
ここで、一対の端面パネル1a、1bに連設された底フラップ4aは両端縁が相反する方向に傾斜する台形とされている。一方、側面パネル2a、2bに連設された底フラップ4bは矩形とされ、台形底フラップ4a側の一端部には斜め罫線6が形成されて、フラップ接続用の三角片7が一端部に設けられている。また、矩形の底フラップ4bの横罫線b1 と側縁間の幅寸法は端面パネル1bの両側の縦罫線a2 、a3 間の幅寸法の1/2よりわずかに大きくなり、矩形底フラップ4bの側縁中央部にV形の切欠部8が設けられている。
【0009】
底フラップ4bの横罫線b1 から切欠部8までの寸法は、端面パネル1bの両側の縦罫線a2 、a3 間の幅寸法の1/2とほぼ同じである。また、底フラップ4aの幅寸法は、底フラップ4bの前記幅寸法と同じである。
【0010】
なお、端面パネル1aの一端縁と第1縦罫線a1 との間の端面パネル1aの幅寸法は、第2縦罫線a2 と第3縦罫線a3 との間の端面パネル1bの幅寸法とほぼ同一であり、第1縦罫線a1 と第2縦罫線a2 との間の側面パネル2aの幅寸法は、第3縦罫線a3 と第4縦罫線a4 との間の側面パネル2bの幅寸法とほぼ同一である。
【0011】
第3工程
第2工程によって得られたブランクS1 を図2(III )に示す糊付け・折畳み装置に搬送、供給して扁平な箱体S2 を形成する。その箱体S2 の形成に際しては、まず底フラップを前側にしてブランクS1 を一方向に走行し、その走行中において、一対の台形底フラップ4aおよび一対の矩形底フラップ4bを横罫線b1 に沿ってブランクS1 の上面側にほぼ180°折曲げると共に、一対の矩形底フラップ4bの一端部に設けられた三角片7を斜め罫線6に沿って前記矩形フラップ4bの折曲げ方向と逆方向に折曲げて矩形フラップ4bの上面に重ね合わせ、その三角片7の上面に接着剤を塗布する。
【0012】
次に、走行中のブランクS1 の端面パネル1aの上面一端部に接着剤を塗布すると共に、一端の端面パネル1aと他端の接続片3とが重なるよう第1縦罫線a1 および第3縦罫線a3 に沿って180°折曲げ、互に重なり合う三角片7と台形底フラップ4a、および端面パネル1aと接続片3とを、その重なり部に予め塗布された接着剤を介して接着して、扁平な箱体S2 を形成する。
【0013】
第4工程
扁平な箱体S2 を図2(IV)に示す結束機に搬送、供給して所定枚数積み重ね、バンド9により結束する。S3 は結束された箱体を示す。
【0014】
第5工程
結束された箱体S3 を図2(V)に示すパレタイザに搬送、供給して、パレット10上に所定の高さ積み上げる。
【0015】
第1工程乃至第5工程を経てパレット10上に積み上げられた箱体S3 はトラックにより顧客の工場に運び込まれ、内容品を包装するため、図2(VI)に示すように、段ボール箱S4 に組立られる。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記箱の形成装置においては、第3工程における糊付け・折畳み装置において形成された扁平な箱体S2 は、三角片7と台形底フラップ4aの接着位置において5層の積層構造となり、蓋フラップ5の重なり位置では2層構造であるため、扁平な箱体S2 の両端の厚みが大幅に相違する。
【0017】
また、端面パネル1aと接続片3の接着位置では3層の積層構造となり、幅方向の両端では2層構造であって厚みが幅方向の中央部で厚く、両端が薄くなる。
【0018】
このため、第4工程でその箱体S2 を向きを同じにして複数枚積み重ねて結束した場合に、結束された箱体S3 は幅方向の中央部で大きく盛り上がると共に、底フラップ側の一側から蓋フラップ側の他端に向けて急な勾配をもって傾斜することになる。
【0019】
したがって、第5工程でパレット10上に結束された箱体S3 を所定の高さ積み上げた場合に、箱体S3 の安定性が悪く、顧客に輸送する際、あるいは荷受けの際に崩れが生じるおそれがあり、きわめて危険であった。
【0020】
また、パレット10上の結束された箱体S3 の安定性が悪いため、パレット10を積み重ねることができず、箱体S3 の輸送や保管に広いスペースを確保しなければならないという問題もあった。
【0021】
特に、段ボールメーカでは、打抜き装置によって形成されたブランクS1 を糊付け・折畳み装置によって扁平な箱体S2 に形成する際に、そのブランクS1 をきわめて高速度で走行させつつ横罫線b1 、斜罫線6、第1縦罫線a1 および第3縦罫線a3 に沿ってブランクS1 を折曲げるようにしているため、特に、段ボールシートの中しんの段目とほぼ平行する第1縦罫線a1 および第3縦罫線a3 の位置で精度の高い折曲げができず、端面パネル1aや側面パネル2bに傾むきが生じて、不良品の発生率がきわめて高く、約30%の確立で不良品が発生し、ロス率が高いという問題があった。
【0022】
この発明は、段ボール箱の形成用素材を顧客に対して安全に輸送し、あるいは保管することができるようにすると共に、不良品の発生率を大幅に低下させることができるようにするため、顧客がブランクの状態から段ボール箱を組立てることができるようにした箱の形成方法を提供することを技術的課題としている。
【0023】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するため、この発明においては、箱の四角筒状の胴部を形成する4枚のパネルおよび接続片が縦罫線を介して一方向に連設され、前記4枚のパネルのそれぞれ一側に、箱の底となる部分を形成する一対の台形底フラップと一端部に斜め罫線を有する一対の矩形底フラップが一方向に交互に並ぶ状態でそれぞれ横罫線を介して連設され、かつそれぞれ他側に箱の蓋となる部分を形成する矩形蓋フラップが横罫線を介して連設された箱形成用のブランクを、前記底フラップを前にして一方向に搬送し、その搬送路において、一対の矩形底フラップの台形底フラップ側の一端部に形成された斜め罫線に沿って一端部の三角片をほぼ180°折り曲げる底フラップ第1折曲げ工程と、前記一対の台形底フラップと前記一対の矩形底フラップを横罫線に沿ってほぼ180°折り曲げる底フラップ第2折曲げ工程と、胴部形成用の両端のパネルを縦罫線に沿ってほぼ180°折り曲げ、互に重なる三角片と台形底フラップおよび接続片と他端のパネルの接着により扁平な箱体を形成する箱体形成工程と、その扁平な箱体から箱の四角筒状の胴部を形成すると同時に底を形成する組立て工程とを経て一端が開口する段ボール箱を形成するようにした構成を採用したのである。
【0024】
上記のように構成すれば、顧客はブランクの状態から段ボール箱を組み立てることができるため、段ボールメーカでは扁平な箱体を複数枚積み重ねて結束する工程、および結束された箱体をパレット上に積み重ねる工程を不要とすることができる。
【0025】
このため、段ボールメーカでは、扁平なブランクを積み重ねて顧客に納入すればよいため、段ボール箱の形成用素材を安全に輸送し、あるいは保管することができる。
【0026】
また、顧客においては、形成された段ボール箱に内容品を詰め込む箱詰め時間に応じて扁平な箱体を形成すればよいため、ブランクの折曲げに時間を充分にかけることができる。
【0027】
このため、ブランクをきわめて精度よく折畳むことができ、不良品の発生率を大幅に低下させることができる。
【0028】
さらに、顧客においては、必要数量に応じて扁平な箱体を形成すればよいので、無駄な保管スペースの確保を不要とすることができる。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1(I)は顧客の工場に運び込まれたブランクS1 を示す。このブランクS1 は、先に述べた図3に示すブランクS1 と同じであるため、同一部分には同一の符号を付して説明を省略する。
【0030】
前記ブランクS1 は底フラップ4a、4bを前にして一方向に搬送され、その搬送路において、第1の底フラップ第1折曲げ工程で、一対の矩形底フラップ4bの各一端に形成された三角片7が斜め罫線6に沿ってブランクS1 の下面側にほぼ180°折曲げられる。図1(II)は三角片7が折曲げられた状態を示す。
【0031】
三角片7が折曲げられたブランクS1 は、第2の底フラップ第2折曲げ工程において、一対の台形底フラップ4aおよび一対の矩形底フラップ4bが横罫線b1 に沿ってブランクS1 の上面側にほぼ180°折曲げられ、その折曲げ後において、図1(III )に示すように、三角片7の上面およびブランクS1 の一端に位置する端面パネル1aの上面一端部に接着剤Bが塗布される。
【0032】
なお、端面パネル1aの上面に対する接着剤Bの塗布に代えて、接続片3の下面に接着剤を塗布するようにしてもよい。
【0033】
接着剤Bが塗布されたブランクS1 は、第3の箱体形成工程において、端面パネル1aと接続片3が重なるよう第1縦罫線a1 および第3縦罫線a3 に沿って両端部が上面側にほぼ180°折曲げられ、互に重なり合う三角片7と台形底フラップ4a、および端面パネル1aと接続片3が接着剤Bを介して固着される。その固着によって図1(IV)に示すような扁平な箱体S2 が形成される。
【0034】
扁平な箱体S2 は、次に移送方向が90°変換されて前方に搬送される。移送方向が変換された扁平な箱体S2 は次の第4の組立工程において、図1(V)に示すように、四角筒状となるように組立てられ、その組立てによって、一対の端面パネル1a、1bと一対の側面パネル2a、2bによって四角筒状の胴部Wが形成される。
【0035】
ここで、端面パネル1aおよび1bのそれぞれに連設された台形底フラップ4aと、側面パネル2aおよび2bのそれぞれに連設された矩形底フラップ4bは、三角片7を介して互に連設されているため、四角筒状の胴部Wが形成されるとき、台形底フラップ4aおよび矩形底フラップ4bが端面パネル1a、1bおよび側面パネル2a、2bからほぼ90°起こされて、一対の台形底フラップ4aと一対の矩形底フラップ4bとが互に係合する。また、一対の矩形底フラップ4bの切欠部8が互に係合し、一端が開口する段ボール箱S4 が形成される。
【0036】
段ボール箱S4 の形成後、第5の内容品挿入工程において、その内部に内容品Aが挿入される。内容品Aの挿入後、段ボール箱S4 はさらに同方向に搬送され、第6の蓋フラップ折曲げ工程において、各蓋フラップ5が横罫線b2 に沿ってそれぞれ内方向に90°折曲げられ、各蓋フラップ5の重なり部が予め塗布された接着剤を介して接着され、段ボール箱S4 が封緘される。
【0037】
上記のように、顧客の工場において、ブランクS1 から段ボール箱S4 を組み立てる箱の形成方法を採用することによって、段ボールメーカでは、平坦なブランクS1 をパレット上に所定の高さ積み重ねた状態でトラックにより顧客に輸送することができる。
【0038】
このため、段ボールメーカでは扁平な箱体を複数枚積み重ねて結束する工程、および結束された箱体をパレットに積み重ねる工程を不要とすることができ、箱の形成用素材としてのブランクS1 を安全に輸送することができると共に、ブランクS1 が山積みされたパレットを積み重ねた場合でもパレットの安定性は高いため、輸送や保管に広いスペースを確保する必要もない。
【0039】
また、ブランクS1 から扁平な箱体S2 を形成する工程では、段ボール箱S4 に内容品Aを挿入する箱詰め時間に合わせて箱体S2 を形成すればよいため、従来のように、段ボールメーカで箱体S2 を形成する場合に比較して高速化が要求されず、ブランクS1 を斜め罫線6、横罫線b1 、第1縦罫線a1 および第3縦罫線a3 に沿って時間をかけて折畳むことができる。このため、精度の高い折り畳みが可能であり、不良品の発生率を大幅に低下させることができる。
【0040】
さらに、内容品Aを箱詰めする必要数量に応じて箱体S2 を形成すればよいので、無駄な保管スペースを必要とせず、効率がよい。
【0041】
図1に示す実施の形態においては、三角片7を斜め罫線6に沿ってブランクS1 の下面側にほぼ180°折曲げたのち、台形底フラップ4aおよび矩形底フラップ4bをブランクS1 の上面側にほぼ180°折曲げるようにしたが、台形底フラップ4aおよび矩形底フラップ4bを折曲げつつ三角片7を矩形フラップ4bの折曲げ方向と逆方向に折曲げるようにしてもよい。すなわち、上記底フラップ第1折曲げ工程と上記底フラップ第2折曲げ工程とをほぼ同時に実施してもよい。また、台形底フラップ4aおよび矩形底フラップ4bの折曲げ方向はブランクS1 の上面側に限定されず、ブランクS1 の下面側に折曲げるようにしてもよく、その矩形底フラップ4bの折曲げ方向に応じて、ブランクS1 の両端部を第1縦罫線a1 および第3縦罫線a3 に沿って前記台形底フラップ4aおよび前記矩形底フラップ4bと同方向に折曲げるようにする。
【0042】
【発明の効果】
以上のように、この発明に係る箱の形成方法においては、平坦なブランクから段ボール箱を組み立てるようにしたので、段ボールメーカでは、扁平な箱体を複数枚積み重ねて結束する工程および結束された箱体をパレットに積み重ねる工程を不要とすることができ、箱の形成用素材であるブランクを顧客へ安価かつ安全に輸送することができる。
【0043】
また、ブランクの折曲げによって扁平な箱体を形成する工程では、段ボール箱の内部に挿入される内容品の箱詰めに合わせて箱体を形成すればよいため、ブランクを時間をかけて折曲げることができ、精度の高い折曲げを可能とし、不良品の発生率を大幅に低減することができる。
【0044】
さらに、内容品を箱詰めする必要数量に応じて箱体を形成すればよいので、無駄な保管スペースを必要とせず、効率がよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る段ボール箱形成方法を工程順に示す斜視図
【図2】従来の形成方法を示す斜視図
【図3】図2の方法によって形成されるブランクの正面図
【符号の説明】
1a、1b 端面パネル
2a、2b 側面パネル
3 接続片
4a 台形底フラップ
4b 矩形底フラップ
5 蓋フラップ
6 斜め罫線
7 三角片
8 切欠部
a1 〜a4 縦罫線
b1 、b2 横罫線
Claims (1)
- 箱の四角筒状の胴部を形成する4枚のパネルおよび接続片が縦罫線を介して一方向に連設され、前記4枚のパネルのそれぞれ一側に、箱の底となる部分を形成する一対の台形底フラップと一端部に斜め罫線を有する一対の矩形底フラップが一方向に交互に並ぶ状態でそれぞれ横罫線を介して連設され、かつそれぞれ他側に、箱の蓋となる部分を形成する矩形蓋フラップが横罫線を介して連設された箱形成用のブランクを、前記底フラップを前にして一方向に搬送し、その搬送路において、一対の矩形底フラップの台形底フラップ側の一端部に形成された前記斜め罫線に沿って一端部の三角片をほぼ180°折り曲げる底フラップ第1折曲げ工程と、前記一対の台形底フラップと前記一対の矩形底フラップを横罫線に沿ってほぼ180°折り曲げる底フラップ第2折曲げ工程と、胴部形成用の両端のパネルを縦罫線に沿ってほぼ180°折り曲げ、互に重なる三角片と台形底フラップおよび接続片と他端のパネルの接着により扁平な箱体を形成する箱体形成工程と、その扁平な箱体から箱の四角筒状の胴部を形成すると同時に底を形成する組立て工程とを経て一端が開口する段ボール箱を形成するようにした箱の形成方法。
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