JP4415511B2 - 自動販売機 - Google Patents

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
この発明は、自動販売機に関し、さらに詳しくは、任意の商品見本やポスターパネル等を強調して照明できる等、照明したい箇所を柔軟かつ効果的に照明できるとともに、自動販売機の薄型化にも寄与できる自動販売機に関する。
【０００２】
【従来の技術】
図６は、従来の自動販売機を示す正面図である。同図に示すように、自動販売機の外扉１の前面部には、商品見本３を展示するとともに、販売商品の広告等を示すポスターパネル４を展示する展示空間２が形成されている。この展示空間２の前面には、商品見本３とポスターパネル４とを視認できるように電照板５が設けられている。
【０００３】
この電照板５の一部には、販売商品の広告・ロゴマーク等を示すロゴ表示部５ａが印刷等により表示されている。また、電照板５の前面には、商品選択用の押ボタン７が各商品見本３に対応するように設けられている。なお、外扉１には、商品取出口８のほか、図示しない硬貨投入口や紙幣挿入口、釣銭返却口・返却レバー等が設けられている。
【０００４】
展示空間２には、商品見本３やポスターパネル４、ロゴ表示部５ａを照明する蛍光灯２０が配設されている。このように商品見本３等を蛍光灯２０によって照明することで、商品情報や広告をアピールし、集客力を高めようとしている。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の自動販売機は、線光源または面光源としての単色の蛍光灯（蛍光管）２０によって商品見本３等を照明しているので、これら全体を均一に照明することには適しているものの、売れ筋商品やお勧め商品、新発売商品というように、特定の商品見本３等のみを強調するために、色彩や明るさを変えて照明することは不得手であり、アピール性に欠けるという課題があった。
【０００６】
また、蛍光灯２０の光は発散するので、自動販売機の設置場所によっては、周囲を必要以上に明るく照らしてしまい、景観を損ねたり、虫が電照板５に集まってしまうという課題もあった。
【０００７】
また、蛍光灯２０自体の外径が大きいため照明装置が大型化し、外扉１の厚みが増え、自動販売機の奥行き寸法が大きくなってしまうという課題があった。
【０００８】
さらに、蛍光灯２０は発光効率が悪く発熱量も大きいため、蛍光灯２０の周囲の部材を難燃性部材にて形成し、放熱スペースを確保した構造にする必要があるなど、設計の自由度が制約されるとともに、外扉１の厚みが増え、自動販売機の奥行き寸法が大きくなってしまうという課題もあった。
【０００９】
また、蛍光灯２０の寿命は、１日１２時間の点灯で約１年と短く、新しい蛍光灯２０との交換作業を要し、メンテナンスフリーとできる照明手段の提供が望まれていた。
【００１０】
この発明は、上記に鑑みてなされたものであって、任意の商品見本やポスターパネル等を強調して照明できる等、照明したい箇所を柔軟かつ効果的に照明できるとともに、自動販売機の省エネルギー化および薄型化にも寄与でき、さらに照明手段のメンテナンスが容易な自動販売機を提供することを目的とする。
【００１１】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するために、この発明の請求項１にかかる自動販売機は、外扉前面に設けられ、商品見本を展示するとともに商品の情報または広告を示すポスターパネルを展示する展示空間と、前記展示空間の前面を覆い、前記商品見本および前記ポスターパネルとを視認可能に形成された電照板と、前記展示空間の背面を構成する半透明板を有し、前記半透明板の全周囲に配置された発光ダイオードからの射出光を該半透明板内を通過させて面発光させることにより、前記商品見本および前記ポスターパネルを背後から照明する面発光装置とを備え、前記面発光装置を少なくとも商品見本の区画とポスターパネルの区画ごとに複数配置し、当該区画ごとに発光制御するようにしたことを特徴とする。
【００１２】
面発光装置の光量や発光タイミング（点灯、半点灯、点滅等）等を、あらかじめ設定されたプログラムに基づいて制御する。たとえば、３原色の発光ダイオード素子を各色ごとに独立して明滅させることにより、面発光装置全体の色彩が変化し、商品見本およびポスターパネル等の照明を柔軟かつ効果的に演出でき、購買意欲をそそるディスプレイ効果を演出できる。
【００１３】
また、発光ダイオードの寸法がきわめて小さく、また発熱量も小さいので、蛍光灯を備えた従来の自動販売機のように広い設置スペースや放熱スペースを必要とせず、自動販売機の薄型化にも寄与できる。
【００１４】
さらに、発光ダイオードは、消費電力が小さいため省エネルギー化にも寄与でき、また素子の寿命も長く、光源交換等につきメンテナンスフリーを期待できる。
【００１５】
また、各段の商品見本のブロックと、ポスターパネル部分のブロックとに、それぞれ独立した面発光装置を配し、各々独立の形態で発光すれば、たとえば、売れ筋商品やお勧め商品、新発売商品等を強調して照明でき、さらにきめ細かくディスプレイ効果を演出できる。
【００１６】
また、この発明の請求項２にかかる自動販売機は、面発光装置は、少なくとも、赤色を発光する赤色発光ダイオード素子と、緑色を発光する緑色発光ダイオード素子と、青色を発光する青色発光ダイオード素子とを備えたものである。
【００１７】
したがって、前記各色の発光ダイオード素子を任意に組み合わせて点灯することにより、種々の色彩の光を照射でき、演出の幅が広がり、さらに集客力を高めることができる。
【００１８】
【発明の実施の形態】
以下、この発明にかかる自動販売機の実施の形態につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
【００１９】
実施の形態１．
図１は、この発明の実施の形態１にかかる自動販売機の要部を示す側断面図、図２は、自動販売機を示す正面図、図３は、面発光装置を示す正面図、図４は、面発光装置を示す側断面図である。なお、以下の説明において、すでに説明した部材と同一もしくは相当する部材には、同一の符号を付して重複説明を省略または簡略化する。
【００２０】
図１〜図４に示すように、商品見本３は、たとえば３段に形成された展示台９上に設けられている。また、電照板５前面の各商品見本３に対応する位置には、押ボタン７が固定されている。ポスターパネル４は、展示空間２の下部に傾斜させて立設されている。
【００２１】
展示空間２内であって商品見本３とポスターパネル４の背後には、これらを照明する面発光装置６が設けられている。この面発光装置６は、図２に示すように、電照板５の外形にほぼ合致した形状となっており、全周囲に配された発光ダイオード素子（以下、ＬＥＤ素子と記す）６ａによって面発光し、商品見本３、ポスターパネル４および電照板５のロゴ表示部（図示せず）を背後から照明できるように構成されている。
【００２２】
すなわち、面発光装置６は、図１、図３および図４に示すように、半透明樹脂等により形成された半透明板６ｃと、この半透明板６ｃの全周縁部を支持するとともにＬＥＤ素子６ａを支持する取付枠６ｂと、半透明板６ｃの裏面に配され、半透明板６ｃ内に導入された光を前面に反射する反射材６ｄとから構成されている。
【００２３】
ＬＥＤ素子６ａは、少なくとも３原色（赤色、緑色、青色）を適宜数配してなり、任意の色彩を演出して照明できるように構成されている。なお、電照板５やロゴ表示部が着色され、白色光によっても十分に演出可能な場合には、白色のＬＥＤ素子６ａによって照明してもよく、照明対象の条件によって適宜の色に決定すればよい。
【００２４】
また、ＬＥＤ素子６ａとして、たとえば発光スペクトルのピーク波長が３８０ｎｍ程度のものを設けることにより、電照板５への虫除けの効果を期待できる。なお、ＬＥＤ素子６ａやその他の必須構成機器は、図示しない公知のドライバ手段や制御装置によって動作するように構成されている。
【００２５】
つぎに制御動作について説明する。面発光装置６の光量や発光タイミング（点灯、半点灯、点滅等）等を、あらかじめ設定されたプログラムに基づいて制御する。たとえば、各色のＬＥＤ素子６ａを各色ごとに独立して明滅させることにより、面発光装置６全体の色彩が変化し、商品見本３およびポスターパネル４等の照明を柔軟かつ効果的に演出し、購買意欲をそそるディスプレイ効果を演出する。
【００２６】
以上のように、この実施の形態１にかかる自動販売機によれば、制御の容易なＬＥＤ素子６ａを備えたことにより、種々の色彩、照度、発光タイミングにて面発光装置６の照明を柔軟かつ効果的に演出でき、購買意欲をそそるディスプレイ効果を演出できる。
【００２７】
また、ＬＥＤ素子６ａの寸法がきわめて小さく、また発熱量も小さいので、蛍光灯２０を備えた従来の自動販売機のように広い設置スペースや放熱スペースを必要とせず、自動販売機の薄型化にも寄与できる。
【００２８】
さらに、ＬＥＤ素子６ａは、消費電力が小さいため省エネルギー化にも寄与でき、また素子の寿命も長く、光源交換等につきメンテナンスフリーを期待できる。
【００２９】
実施の形態２．
図５は、この発明の実施の形態２にかかる自動販売機を示す正面図である。本実施の形態２は、面発光装置６を、各段の商品見本３のブロックと、ポスターパネル４部分のブロックとに、それぞれ面発光装置６Ａ，６Ｂ，６Ｃ，６Ｄとして配置したものであり、これらを各々独立の形態で発光できるように形成したものである。
【００３０】
また、部分的強調部１０は、たとえば、売れ筋商品やお勧め商品、新発売商品等を強調して照明した例である。その他の基本構成および基本制御動作は、上記実施の形態１の場合と同様であるので、重複説明を省略する。
【００３１】
以上のように、この実施の形態２にかかる自動販売機によれば、面発光装置６Ａ，６Ｂ，６Ｃ，６Ｄによって商品見本３およびポスターパネル４をブロックごとに照明し、さらにきめ細かくディスプレイ効果を演出できる。
【００３２】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明にかかる自動販売機（請求項１）によれば、外扉前面に設けられ、商品見本を展示するとともに商品の情報または広告を示すポスターパネルを展示する展示空間と、前記展示空間の前面を覆い、前記商品見本および前記ポスターパネルとを視認可能に形成された電照板と、前記展示空間の奥側に配置され、発光ダイオードを光源として面発光することにより、前記商品見本および前記ポスターパネルを背後から照明する面発光装置とを備えたので、面発光装置の光量や発光タイミング（点灯、半点灯、点滅等）等を、あらかじめ設定されたプログラムに基づいて制御することで、商品見本およびポスターパネル等の照明を柔軟かつ効果的に演出でき、購買意欲をそそるディスプレイ効果を演出できる。
【００３３】
また、発光ダイオードの寸法がきわめて小さく、また発熱量も小さいので、蛍光灯を備えた従来の自動販売機のように広い設置スペースや放熱スペースを必要とせず、自動販売機の薄型化にも寄与できる。
【００３４】
さらに、発光ダイオードは、消費電力が小さいため省エネルギー化にも寄与でき、また素子の寿命も長く、光源交換等につきメンテナンスフリーを期待できる。
【００３５】
また、面発光装置を任意の区画ごとに複数配置し、当該区画ごとに発光制御するようにしたので、たとえば、各段の商品見本のブロックと、ポスターパネル部分のブロックとに、それぞれ独立した面発光装置を配し、各々独立の形態で発光すれば、売れ筋商品やお勧め商品、新発売商品等を強調して照明でき、さらにきめ細かくディスプレイ効果を演出できる。
【００３６】
また、この発明にかかる自動販売機（請求項２）によれば、面発光装置は、少なくとも、赤色を発光する赤色発光ダイオード素子と、緑色を発光する緑色発光ダイオード素子と、青色を発光する青色発光ダイオード素子とを備えたので、前記各色の発光ダイオード素子を任意に組み合わせて点灯することにより、種々の色彩の光を照射でき、演出の幅が広がり、さらに集客力を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】この発明の実施の形態１にかかる自動販売機の要部を示す側断面図である。
【図２】自動販売機を示す正面図である。
【図３】面発光装置を示す正面図である。
【図４】面発光装置を示す側断面図である。
【図５】この発明の実施の形態２にかかる自動販売機を示す正面図である。
【図６】従来の自動販売機を示す正面図である。
【符号の説明】
１ 外扉
２ 展示空間
３ 商品見本
４ ポスターパネル
５ 電照板
６、６Ａ、６Ｂ、６Ｃ、６Ｄ 面発光装置
６ａ ＬＥＤ素子
６ｂ 取付枠
６ｃ 半透明板
６ｄ 反射板
７ 押ボタン
８ 商品取出口
９ 展示台
１０ 部分的強調部

Claims (2)

1. 外扉前面に設けられ、商品見本を展示するとともに商品の情報または広告を示すポスターパネルを展示する展示空間と、
   前記展示空間の前面を覆い、前記商品見本および前記ポスターパネルとを視認可能に形成された電照板と、
   前記展示空間の背面を構成する半透明板を有し、前記半透明板の全周囲に配置された発光ダイオードからの射出光を該半透明板内を通過させて面発光させることにより、前記商品見本および前記ポスターパネルを背後から照明する面発光装置と
   を備え、
   前記面発光装置を少なくとも商品見本の区画とポスターパネルの区画ごとに複数配置し、当該区画ごとに発光制御するようにしたことを特徴とする自動販売機。
2. 面発光装置は、少なくとも、赤色を発光する赤色発光ダイオード素子と、
   緑色を発光する緑色発光ダイオード素子と、
   青色を発光する青色発光ダイオード素子と
   を備えたことを特徴とする請求項１に記載の自動販売機。

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