JP4415444B2 - 電解装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、塩化ナトリウム水溶液を無隔膜電解槽に供給し電気分解(以下電解とする)することにより電解水を殺菌水として供給可能にした電解装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より塩化ナトリウム水溶液を無隔膜電解槽に供給し電解することにより電解水を殺菌水として供給可能にした電解装置はあった(例えば、特開平4−94785号公報)。
【0003】
この電解装置は図5に示すように1は無隔膜方式の電解槽であり、一対の陰極2と陽極3を内部に形成されている。この電解槽1の給水側には給水管4を接続するとともに電解槽1の出口側に、出水管5が接続され、連続式電解水生成装置が構成されている。
【0004】
また、給水管4には水に塩化ナトリウム(NaCl)水溶液6を添加する塩化ナトリウム添加装置7と、塩酸(HCl)水溶液8を添加する塩酸添加装置9が薬液供給管12、13を介して接続されている。
【0005】
さらに、給水管4の薬液供給管12、13の接続部上流側に原水分岐部14で分岐したバイパス管15が、混合部16で出水管5の流れと合流するよう接続されている。
【0006】
また、17は電解水の流量を調整する弁で、給水管4に設けられ、18は原水のバイパス管15の流量を調整する弁でバイパス管15に設けている。
【0007】
19は陰極2と陽極3に電気を供給する直流電源である。
【0008】
以上の構成において、給水管4より原水を供給し、塩化ナトリウム添加装置7と塩酸添加装置9を駆動した状態で通水電解すると、電解槽1内で次亜塩素酸水を多く含む電解水となって出水管5より排出される。一方バイパス管15からの原水は、混合部16で電解水と合流し、希釈混合され取水される。この混合割合は弁17、18の開度を調整することでなされる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
上記した従来の電解装置では、以下のような課題を有している。
【0010】
(1)キッチンでは手指の殺菌だけでなく、ふきんなどの漂白や排水口のぬめりの防止など高濃度の殺菌水が必要であるが、従来例では連続式電解水生成装置であり、流水しながら電解動作を行うため、電解する際の単位水量当たりの電解エネルギーが少なくなるので、高濃度の次亜塩素酸が生成できない。これを実現するためには電極面積を大きく取る必要があるとともに電解に要する電気量も増大し、電解装置の大型化、高価格化およびランニングコストの増加につながる。
【0011】
(2)電解水の次亜塩素酸濃度は、希釈混合の割合を変更すれば濃度変更は可能であるが、その濃度がどの程度かを知る術がないため、危険な高濃度になったり、また殺菌効果のない低濃度になる可能性がある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、給水手段と、少なくとも一対の電極を有し、前記給水手段から供給された水を内部に滞留し、電気分解して電解水を生成する電解槽と、前記電解槽に接続し、前記電解槽に塩素イオンを供給可能な塩素イオン供給手段と、前記電解槽の上流側に接続され、電解水と給水手段から供給された水を混合可能な混合手段と、前記混合手段で混合される混合水を取水可能な電解水供給路と、前記混合水の電解水濃度を設定する設定手段と、給水手段、電解槽、塩素イオン供給手段、混合手段の少なくともひとつの動作を制御する制御手段を有し、前記制御手段は前記設定手段の設定値と電解槽の電解水濃度とに応じて混合手段を制御するものである。
【0013】
本発明の要点は、電解槽内に水を滞留し、バッチ状態で電気分解を行い生成した電解水を混合手段により任意の濃度で供給する点にあり、制御手段により給水手段から電解槽内に水を供給し、その後、塩素イオン供給手段で電解槽内に塩素イオンを供給し、電極に通電を行い、電解槽内に電解水を生成した後、再び給水手段で水を送り込み電解槽内の電解水を排出する。排出された電解水は、混合手段により所定の比率で給水手段からの水が混ぜられ、所定濃度に希釈された水を取水することができる。従って、混合手段により高濃度から低濃度の電解水を含む水ができるので、手指の殺菌(次亜塩素酸濃度50ppm以下)から布巾などの漂白(次亜塩素酸濃度1000ppm以上)など多様な用途にあった濃度の電解水を得ることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項1にかかる電解装置は、給水手段と、少なくとも一対の電極を有し、前記給水手段から供給された水を内部に滞留し、電気分解して電解水を生成する電解槽と、前記電解槽に接続し、前記電解槽に塩素イオンを供給可能な塩素イオン供給手段と、前記電解槽の上流側に接続され、電解水と給水手段から供給された水を混合可能な混合手段と、前記混合手段で混合される混合水を取水可能な電解水供給路と、前記混合水の電解水濃度を設定する設定手段と、給水手段、電解槽、塩素イオン供給手段、混合手段の少なくともひとつの動作を制御する制御手段を有し、前記制御手段は前記設定手段の設定値と電解槽の電解水濃度を予測する、もしくは検出することで混合手段を制御するようにしている。
【0015】
そして、制御手段により給水手段から電解槽内に水を供給し、その後、塩素イオン供給手段で電解槽内に塩素イオンを供給し、電極に通電を行い、電解槽内に電解水を生成した後、再び給水手段で水を送り込み電解槽内の電解水を排出する。排出された電解水は、電解水濃度に応じて混合手段により所定の比率で給水手段からの水が混ぜられ、所定濃度に希釈された水を取水することができる。
【0016】
また、本発明の請求項2にかかる電解装置の制御手段は、電解槽の電解水濃度の変化を予測し、設定手段の設定値を目標に、前記予測濃度から混合手段の混合割合を求め、この混合割合に応じて混合手段を制御するようにしている。
【0017】
そして、常に変化する電解槽の電解水濃度を予測して、この予測値に基づいて混合割合を決めるので、正確に所定濃度に希釈された水を取水することができる。
【0018】
また、本発明の請求項3にかかる電解装置は、電解槽内に電解水センサーを設け、制御手段として、給水中に前記電解水センサーと設定手段の設定値との偏差に応じて混合手段を制御するようにしている。
【0019】
そして、常に変化する電解槽の電解水濃度を電解水センサーにより検知して、この値に基づいて混合手段を制御するので、正確に所定濃度に希釈された水を取水することができる。
【0020】
また、本発明の請求項4にかかる電解装置は、電解水供給路に電解水センサーを設け、制御手段として、給水中に前記電解水センサーと設定手段の設定値との偏差に応じて混合手段を制御するようにしている。
【0021】
そして、電解水センサーにより検知した電解水濃度が設定値になるよう混合手段をフィードバック制御するので、電解水濃度の変化や希釈する水の性質に係りなく正確に所定濃度に希釈された水を取水することができる。
【0022】
また、本発明の請求項5にかかる電解装置は、制御手段として、電解槽の電解水残量が所定値以下に減少した場合は、電気分解を開始し、電解水の供給を禁止するようにしている。
【0023】
そして、電解槽内の電解水が所定値以下にならないように電解し、電解中は電解水の供給を停止するので、電解水が不足しても電解水濃度が所定値以下にならないので、電解水は所定以上の殺菌効果を保つことができる。
【0024】
また、本発明の請求項6にかかる電解装置は、請求項2における濃度予測を、電解水生成濃度と経過時間と電解槽への給水量より定まる電解水濃度減衰特性を予め記憶させ、前記電解水濃度減衰特性から電解水濃度を予測するようにしている。
【0025】
そして、電解水の濃度減衰の主要因である経過時間と給水による減衰特性から、電解直後の電解水生成濃度を基準にして、現実の経過時間と給水量に基づき電解水濃度を予測するので、正確な濃度変化が求められる。
【0026】
また、本発明の請求項7にかかる電解装置は、請求項6における電解水生成濃度を、塩素イオン供給量と電極への通電量より定まる電解水生成濃度特性を予め記憶させ、前記電解水生成濃度特性から電解水生成濃度を求めるいる。
【0027】
そして、電解水生成濃度を、その主要因である塩素イオン量と電極への電気量とに基づき求めるので、正確な電解水の生成濃度を知ることができる。
【0028】
また、本発明の請求項8にかかる電解装置は、制御手段として、電解水生成からの経過時間が所定時間を超えた場合に電解槽の電解水を排出するようにしている。
【0029】
そして、電解水を生成してから長期間(所定時間)放置された場合に、電解水を排出するようにしているので、電解水濃度減衰による濃度低下がリセットされ、新たに電解できるので正確で高濃度の電解水を保持できる。
【0030】
また、本発明の請求項9にかかる電解装置は、電解槽内に電解水センサーを設け、制御手段として、電解中の電解水濃度の上昇速度に応じて電極への通電量を制御するものである。
【0031】
そして、電解水濃度の上昇速度は塩素イオンの供給量のバラツキにより変化する。したがって、この上昇速度に応じて電解水濃度が目標濃度に必要な電極への通電量を求め、電解することにより正確な電解水濃度が得られる。
【0032】
また、本発明の請求項10にかかる電解装置は、電解槽内に電解水センサーを設け、制御手段は、電解中の電解水濃度の上昇速度に応じて塩素イオン供給手段による塩素イオン供給量を反比例的に制御するものである。
【0033】
そして、電解水濃度の上昇速度は塩素イオンの供給量に比例関係にある。このことから電解開始直後の電解水の上昇速度から塩素イオンの供給量を推定し、上昇速度が小さければ塩素イオンを多く追加供給し、上昇速度が大きくなれば少なく追加供給し、所定の塩素イオン供給量に調整する。したがって、塩素イオンの供給を正確に行うことができる。
【0034】
また、本発明の請求項11にかかる電解装置は、設定手段として、複数の選択スイッチを有し、制御手段は、前記選択スイッチに応じて複数の電解水濃度と給水量の設定値の中から一組の設定値を呼び出し、選定された給水量に応じて給水手段を制御し、選定された電解水濃度に応じて混合手段を制御するようにしている。
【0035】
そして、選択スイッチの中から使用用途に合ったスイッチを入れると、そのスイッチに関連付けられた電解水濃度と給水量が選定され、その選定値の濃度と量の電解水が取水できる。したがって多用途の電解水がスイッチひとつで選択できる。
【0036】
【実施例】
(実施例1)
図1は本発明の実施例1を示す電解装置の模式図である。図1において、20は陽極21と陰極22の一対の電極を対向して内設した電解槽で、上部に出水口23、中央部に入水口24、下部に食塩水入口25がそれぞれ設けてある。26は給水路27に設けた給水手段であり、電解槽20の入水口24に連通して設けられており、電解槽20内に給水供給可能に構成されている。なおこの給水手段26は電動の開閉弁である。
【0037】
28は出水路で、出水口23からの電解水を混合手段29へ連通させるよう接続している。30はバイパス路で、給水路27の給水手段26下流側の水を混合手段29へ連通するよう接続している。混合手段29は、出水路28の電解水とバイパス路30の水を任意の混合割合で混合させ、この混合水を電解水供給路31に吐出するよう配管されている。なお混合手段29は電動モータ(図示せず)により混合割合を可変する混合弁より成っている。
【0038】
32は出水路28に設けた排水弁で、出水路28の流れを混合手段29側と排水路33側とに切換える。
【0039】
34は両電極21、22に電圧を印可して水を電解するための直流電源である。35は電解槽20に食塩水を供給する塩素イオン供給手段であり、固形の状態で食塩36を充填した食塩タンク37と電解槽20の上流から分岐した給水管38を介して食塩水を供給する給水ポンプ39および給塩路40を有しており、飽和食塩水(食塩濃度26%)が電解槽20内で所定量供給される。
【0040】
41は電解水センサーで、電解水供給路31の電解水濃度を検出するするよう設けられている。なおこの電解水は次亜塩素酸をいう。
【0041】
42は制御手段であり、設定手段43で設定された設定値に基づき上記の構成要素を制御する。設定手段43には3種類の用途別の選択スイッチ44が設けられている。
【0042】
上記構成において次に本実施例の作用、動作について図1および図2を用いて説明する。
【0043】
図2において50で運転を開始すると、51の排水運転を行う。この排水運転は、まず排水弁32を排水路33側に切換え、給水手段26を開成させる。すると、給水路27より水は電解槽20内に流入するとともに、電解槽20内の残留した電解水が排水路33を経て排出される。
【0044】
次に52の食塩供給運転に移る。ここでは給水ポンプ39が動作して給水管40を経て食塩タンク37内に水が供給され、内部の飽和食塩水が電解槽20内に供給されて電解槽29底部に溜まる。
【0045】
次に53の電解運転では、直流電源34を作動させ、電極21、22間に電圧が印加され、電気分解が開始される。
【0046】
電気分解の開始直後は、電極21、22の大部分が水と接触しているため、水の電気分解が優先的に起こり、電極21、22間に水素と酸素ガスを発生する。これらのガスは水道水よりも軽いので、電解槽20の上部分に浮上する。このガスの移動により、電極21、22間に上方向への水の流れが発生する。そして、電解槽20底部に滞留している食塩水は、ガスの浮上により発生した水の流れにより電極21、22間に吸い上げられ、電解槽20内の水に拡散する。一般に塩素イオン濃度が高いほど次亜塩素酸などの塩素化合物(以下、次亜塩素酸と呼ぶ)の生成効率は高くなると言われており、(化1)の反応が起こりやすくなる。
【0047】
【化1】
Figure 0004415444
【0048】
また、電気分解で次亜塩素酸を生成する場合、供給する食塩水の量が次亜塩素酸の生成効率に大きく影響を与える。すなわち、電解槽20への食塩水の供給量が多くなれば、生成効率は高まり、電解槽20での次亜塩素酸の生成濃度は高くなり、食塩水の供給量が少ないと、次亜塩素酸の生成濃度は低くなるので、飽和食塩水を給水ポンプ39で定量送るようにしている。
【0049】
さらに、電極21、22間に直流電源34から一定電流で一定時間の通電を行えば、毎回ほぼ同濃度の次亜塩素酸が生成できる。すなわち、電解水である次亜塩素酸の生成濃度は食塩の供給量と電極21、22への通電量により決定される。なお電解運転が終了したら、排水弁32は混合手段29側に切換える。
【0050】
次に54の選択スイッチ判定に移る。これは選択スイッチ44が押された場合に、用途別に電解水の設定値を切換えるもので、手洗いのスイッチが押された場合は55で電解水濃度設定Aを50ppmに設定し、給水時間Bを30秒に設定する。殺菌のスイッチが押された場合は56で電解水濃度設定Aを200ppmに設定し、給水時間Bを10秒に設定する。漂白のスイッチが押された場合には57で電解水濃度設定Aを1000ppmに設定し、給水時間Bを120秒に設定する。このように使用目的に適合した複数の電解水濃度設定値と給水時間を記憶しておき、選択スイッチ44に応じて記憶手段の中から一組の条件を呼び出すことができる。
【0051】
58では運転判定を行う。ここでは、選択スイッチ44が押されてないか、選択された給水時間Bを経過していた場合に、59で給水手段26を閉止し54の選択スイッチ判定に戻す。また、選択スイッチ44が押され、経過時間が選択された給水時間Bの範囲内であれば、60で給水手段26を開成し、電解水の供給運転を行う。さらに、前回の電解運転からの経過時間が例えば24時間等の所定時間を超えた場合に、51の排水運転に戻す。
【0052】
60で給水手段26が開成されると、電解槽20に水が供給され、電解槽20内の高濃度(例えば2000ppm)の電解水が出水路28より混合手段29に吐出される。一方バイパス路30からは水が混合手段29に供給され、ここで混合され希釈された電解水が電解水供給路31から取水される。
【0053】
61では、電解水供給路31に設けた電解水センサー41で、混合希釈された電解水の次亜塩素酸濃度を検出する。
【0054】
62で、電解水濃度設定Aと電解水センサー41の検出濃度Cとの偏差(A−C)がゼロになるように混合手段29の混合割合をフィードバック制御する。すなわち偏差が正の場合は電解水の割合を増し、負の場合は割合を減じる。
【0055】
63は、電解槽内の次亜塩素酸の濃度を予測して、濃度に余裕がある場合は、54の選択スイッチ判定に戻して運転を続行し、濃度不足になると判定した場合は、64で電解水供給を停止し、51の排水運転に戻す。
【0056】
電解槽内の次亜塩素酸の濃度予測は、電解水濃度減衰特性を予め実験的に求めておき、その特性より予測する。(式1)は特性例を示す。
【0057】
X=D−E・t−F・Σw (1)
ただし
X:次亜塩素酸濃度予測値
D:電解直後の次亜塩素酸初期濃度
E:経過時間の係数
t:電解終了時からの経過時間
F:給水量の係数
Σw:電解終了時からの給水量の積算値
そして、この予測値が所定値(例えば1000ppm)以下に減少した場合は、濃度不足と判定して給水を停止する。
【0058】
なお次亜塩素酸初期濃度Dである電解水生成濃度は、前述したように食塩の供給量sと電極21、22への通電量qにより決定される。したがって、(式2)より求まる。
【0059】
D=G・s・q (2)
ただし
G:食塩供給量と通電量の係数(非線型 食塩供給量sの関数)
以上のように本実施例によれば、使用用途別の選択スイッチ44を押すだけで所要の次亜塩素酸濃度の電解水が適量取水できる。ここでは手洗いに50ppmの次亜塩素酸濃度電解水を30秒でるようにしている。また包丁やまな板等の殺菌に使用する殺菌水として殺菌スイッチを押すと、濃度200ppmの電解水が10秒間取水できる。さらに、布巾や湯飲み等の漂白殺菌には、漂白スイッチを押すと濃度1000ppmの高濃度の電解水が120秒取水できる。
【0060】
このときの電解水は電解水センサーにより次亜塩素酸の濃度検知がされ、混合手段の混合割合をフィードバック制御するので所要の濃度の電解水が精度よく得られる。
【0061】
また、電解水を使用したり放置することにより電解槽内の次亜塩素酸濃度が減衰するために濃度不足に陥るのを、事前に判定して電解するようにしたので、電解水供給中に所要濃度が得られるなくなることがない。この次亜塩素酸濃度の減衰は食塩供給量・電極への通電量・経過時間・給水量から推定するのでセンサー等の必要がなくコストがかからない。
【0062】
さらに、電解運転を開始する前に電解槽20内の残留した電解水を排水するので、電解槽内20の次亜塩素酸の濃度が一旦水道水レベルにリセットされ、食塩供給量と電極21、22への通電量により正確な濃度の電解水が得られる。
【0063】
また、電解運転から一定の所用時間(例えば24時間)が経過したら自動的に電解槽20の残留電解水を排水して、再度電解運転を行うので、常に一定以上の濃度の電解水を保ことができる。
【0064】
(実施例2)
次に、実施例2の発明を説明する。
【0065】
実施例2と実施例1との違いは、図2の62における混合手段制御で、電解槽内の次亜塩素酸の濃度を予測して、次亜塩素酸濃度予測値Xと給水される水のが混合された場合に、混合した電解水濃度が電解水濃度設定Aになるように混合手段29の混合割合を制御する点である。すなわち混合手段29の駆動量と混合割合の関係を予め求め、所要混合割合になるよう混合しゅだん29を駆動する点である。なお、実施例1の電解装置と同一構造のものは同一符号を付与し、説明を省略する。
【0066】
次亜塩素酸濃度予測Xは実施例1で説明ど同一方法である。
【0067】
混合手段29の電解水の混合割合Yは(式3)により求められる。
【0068】
Y=(A−G)/(X−G) (3)
ただし
G:水の次亜塩素酸濃度
(Xが1000ppmレベルであればGを無視して問題無い)
この方法によれば、電解水センサーの検出遅れがないため、供給開始から所定濃度の次亜塩素酸が取水できる。
【0069】
また、電解水センサーが無くとも成り立つのでコストダウンにつながる。
【0070】
(実施例3)
次に、実施例3の発明を図2と図3を用いて説明する。
【0071】
図3は実施例3を示す電解装置の模式図である。
【0072】
実施例3と実施例1との違いは、図3の電解槽20に内部の次亜塩素酸濃度を検知する電解水センサー45を設けた点と、図2の61での電解水濃度検知が、電解水センサー45により電解槽20内の次亜塩素酸濃度を検出するようにした点、図2の62においてこの検出値に基づいて混合手段29を制御する点、そして、図2の63においてこの検出値に基づいて濃度不足を判定するようにした点である。なお、実施例1および実施例2の電解装置と同一構造のものは同一符号を付与し、詳細な説明を省略する。
【0073】
62の混合手段29の制御は、実施例2における次亜塩素酸濃度予測値Xが電解水センサー45の検出値Zに置き換わる構成となっている。すなわち混合手段29の電解水の混合割合Yは(式4)により求める。
【0074】
Y=(A−G)/(Z−G) (4)
この方法によれば、電解水センサー45により直接次亜塩素酸濃度を検出するので、より高精度の混合制御ができる。
【0075】
63の濃度不足を判定も実施例1の次亜塩素酸濃度予測値Xを電解水センサー45の検出値Zに置き換える構成としているため、精度よく判定ができる。
【0076】
(実施例4)
次に、実施例4の発明を説明する。
【0077】
図4は実施例4における食塩供給と電解運転制御のフローチャートである。
【0078】
実施例4の実施例1及び実施例3との違いは、図2の52と53の食塩供給と電解運転の制御を図4に示すようにした点にある。なお、実施例1及び実施例3の電解装置と同一構造のものは同一符号を付与し、詳細な説明を省略する。
【0079】
図4において、71では給水ポンプ39が動作して食塩タンク内部の飽和食塩水が電解槽20内に供給されて電解槽29底部に溜まる。ここでは、目標量と思われる供給量より少なめに食塩水を供給する。そして、72で電極21、22間に電圧を印加して電解を開始し、73で電解水センサー45により電解槽20内の次亜塩素酸濃度を検知する。74はこの検知した濃度の上昇速度を演算して求める。75ではこの上昇速度が所定値に達してなければ71の食塩供給に戻る。
【0080】
上昇速度が所定値を超えれば76の電解運転にすすむ。ここでの次亜塩素酸濃度の上昇速度は、71で供給される食塩水の供給量と密接な関係にあり、次亜塩素酸の生成量は塩素イオンの量に正の相関がある。したがって、電極への通電量が一定であれば、この次亜塩素酸の生成速度から塩素イオンの供給量が導きだされる。すなわち食塩の供給量が分かり、精度よい食塩の供給が行える。75において上昇速度が所定値に達してないということは食塩の供給量が不足しているということであり、上昇速度が所定値を超えるというのは食塩の供給量が所定値に達した事を意味する。
【0081】
76で通常の電解運転を行う。そして77で、次亜塩素酸濃度の上昇速度から所定濃度に達する時間が経過下かを判定し、この時間を経過するまで76の電解運転を繰り返す。所定濃度の次亜塩素酸を生成するのに次亜塩素酸濃度の上昇速度から求めることにより、電解水センサー45の絶対値のバラツキが大きくても相対値の精度さえあれば目標とする濃度の次亜塩素酸が得られる。
【0082】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明の請求項1に係る電解装置によれば、制御手段により給水手段から電解槽内に水を供給し、その後、塩素イオン供給手段で電解槽内に塩素イオンを供給し、電極に通電を行い、電解槽内に電解水を生成した後、再び給水手段で水を送り込み電解槽内の電解水を排出する。排出された電解水は、電解水濃度に応じて混合手段により所定の比率で給水手段からの水が混ぜられるため、任意の所定濃度に希釈された水を取水することができる。
【0083】
本発明の請求項2に係る電解装置によれば、電解槽の電解水濃度の変化を予測し、設定手段の設定値を目標に、この予測濃度から混合手段の混合割合を求め、この混合割合に応じて混合手段を制御するようにしているので、電解槽の電解水濃度が変化してもその変化が予測でき、正確に所定濃度に希釈された水を取水することができる。
【0084】
本発明の請求項3に係る電解装置によれば、給水手段から送り込まれた水と電解水を均一化槽に送り込むことで、電解水と給水手段から送り込まれた水が攪拌されるので、比重差が大きい場合でも電解水供給路から取水する際には一定の濃度に保つことができる。
【0085】
本発明の請求項4に係る電解装置によれば、電解水供給路に設けた電解水センサーにより検知した電解水濃度が設定値になるよう混合手段をフィードバック制御するので、電解水濃度の変化や希釈する水の性質に係りなく常に安定で正確に所定濃度に希釈された水を取水することができる。
【0086】
本発明の請求項5に係る電解装置によれば、電解槽の電解水残量が所定値以下に減少した場合は、電気分解を開始し、電解水の供給を禁止するので、電解水が不足しても電解水濃度が所定値以下にならない。したがって、電解水は所定以上の殺菌効果を保つことができる。
【0087】
本発明の請求項6に係る電解装置によれば、電解水の濃度減衰の主要因である経過時間と給水による減衰特性から、電解直後の電解水生成濃度を基準にして、現実の経過時間と給水量に基づき電解水濃度を予測するので、正確な濃度変化が求められる。
【0088】
本発明の請求項7に係る電解装置によれば、電解水生成濃度を、その主要因である塩素イオン量と電極への電気量とに基づき求めるので、正確な電解水の生成濃度を知ることができる。
【0089】
本発明の請求項8に係る電解装置によれば、電解水を生成してから長期間(所定時間)放置された場合に、電解水を排出するようにしているので、電解水濃度減衰による濃度低下がリセットされ、新たに電解できるので正確で高濃度の電解水を保持できる。
【0090】
本発明の請求項9に係る電解装置によれば、電解水濃度の上昇速度は塩素イオンの供給量のバラツキにより変化する。したがって、この上昇速度に応じて電解水濃度が目標濃度に必要な電極への通電量を求め、電解することにより正確な電解水濃度が得られる。
【0091】
本発明の請求項10に係る電解装置によれば、電解水濃度の上昇速度は塩素イオンの供給量に比例関係にある。このことから電解開始直後の電解水の上昇速度から塩素イオンの供給量を推定し、上昇速度が小さければ塩素イオンを多く追加供給し、上昇速度が大きくなれば少なく追加供給し、所定の塩素イオン供給量に調整する。したがって、塩素イオンの供給を正確に行うことができる。
【0092】
本発明の請求項11に係る電解装置によれば、選択スイッチの中から使用用途に合ったスイッチを入れると、そのスイッチに関連付けられた電解水濃度と給水量が選定され、その選定値の濃度と量の電解水が取水できる。したがって多用途の電解水がスイッチひとつで選択できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1を示す電解装置の模式図
【図2】同電解装置のフローチャート
【図3】本発明の実施例3、4を示す電解装置の模式図
【図4】本発明の実施例4を示す電解装置のフローチャート
【図5】従来例を示す電解装置の模式図
【符号の説明】
20 電解槽
21、22 電極
26 給水手段
29 混合手段
31 電解水供給路
35 塩素イオン供給手段
41 電解水センサー
42 制御手段
43 設定手段
44 選択スイッチ

Claims (11)

  1. 給水手段と、少なくとも一対の電極を有し、前記給水手段から供給された水を内部に滞留し、電気分解して電解水を生成する電解槽と、前記電解槽に接続し、前記電解槽に塩素イオンを供給可能な塩素イオン供給手段と、前記電解槽の上流側に接続され、電解水と給水手段から供給された水を混合可能な混合手段と、前記混合手段で混合される混合水を取水可能な電解水供給路と、前記混合水の電解水濃度を設定する設定手段と、給水手段、電解槽、塩素イオン供給手段、混合手段の少なくともひとつの動作を制御する制御手段を有し、前記制御手段は前記設定手段の設定値と電解槽の電解水濃度を予測する、もしくは検出することで混合手段を制御する電解装置。
  2. 制御手段は、電解槽の電解水濃度の変化を予測し、設定手段の設定値を目標に、前記予測濃度から混合手段の混合割合を求め、この混合割合に応じて混合手段を制御する請求項1記載の電解装置。
  3. 電解槽内に電解水センサーを設け、制御手段は、設定手段の設定値を目標に、前記電解水センサーの検知濃度から混合手段の混合割合を求め、この混合割合に応じて混合手段を制御する請求項1記載の電解装置。
  4. 電解水供給路に電解水センサーを設け、制御手段は、給水中に前記電解水センサーと設定手段の設定値との偏差に応じて混合手段を制御する請求項1記載の電解装置。
  5. 制御手段は、電解槽の電解水残量が所定値以下に減少した場合は、電気分解を開始し、電解水の供給を禁止する請求項1ないし4のいずれか1項記載の電解装置。
  6. 濃度予測手段は、電解水生成濃度と経過時間と電解槽への給水量より定まる電解水濃度減衰特性を予め記憶させ、前記電解水濃度減衰特性から電解水濃度を予測する請求項2記載の電解装置。
  7. 電解水生成濃度は、塩素イオン供給量と電極への通電量より定まる電解水生成濃度特性を予め記憶させ、前記電解水生成濃度特性から電解水生成濃度を求める請求項6記載の電解装置。
  8. 制御手段は、電解水生成からの経過時間が所定時間を超えた場合に電解槽の電解水を排出する請求項1ないし7のいずれか1項記載の電解装置。
  9. 電解槽内に電解水センサーを設け、制御手段は、電解中の電解水濃度の上昇速度に応じて電極への通電量を制御する請求項1ないし8のいずれか1項記載の電解装置。
  10. 電解槽内に電解水センサーを設け、制御手段は、電解中の電解水濃度の上昇速度に応じて塩素イオン供給手段による塩素イオン供給量を反比例的に制御する請求項1ないし9のいずれか1項記載の電解装置。
  11. 設定手段は、複数の選択スイッチを有し、制御手段は、前記選択スイッチに応じて複数の電解水濃度と給水量の設定値の中から一組の設定値を呼び出し、選定された給水量に応じて給水手段を制御し、選定された電解水濃度に応じて混合手段を制御する請求項1ないし10のいずれか1項記載の電解装置。
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