JP4415377B2 - 光源駆動方法およびプロジェクタ - Google Patents

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Description

本発明は、プロジェクタの光源に電力を供給する光源駆動方法、およびその光源駆動方法を用いたプロジェクタに関するものである。
プロジェクタの光源は、一般に放電方式のランプを使用して高輝度の光を出射させている。しかし、ランプの電極間における電子の放電を長時間持続すると放電の軌跡が不安定となり、投写画像にチラツキを発生させる。そこで、ランプに電力を供給し点灯(駆動)する光源駆動装置の側で、定期的に通常の電流と通常の電流に比べ大きな電流とを供給する駆動を行うことで、放電の軌跡を安定させチラツキを防止する機能を備えた光源駆動装置がある(特許文献1(図4)参照)。あるいは周期の初期に比べて多くの電流を流すことも考えられている(特許文献2(図3)〜(図6)参照)。
また、プロジェクタにおいて、投写画像のオートフォーカス方法として、スクリーンに投写したテストパターンをモニタカメラで撮像し、その撮像した撮影像(画像データ)の水平信号の振幅の波高値の高いところを検出することでフォーカス位置を求める方法が提案されている(特許文献3参照)。
特表平10−501919号公報 特表2002−532867号公報 特開2000−241874号公報
ここで、特許文献1の投写画像のチラツキを防止した光源駆動装置を用いて、特許文献3のオートフォーカス調整を行った場合、モニタカメラが、光源駆動装置の出力する駆動波形の周期の中で電流を変化させることによる輝度の増加を感知するため、撮像した画像データにチラツキが発生して、各画像データの明るさが不安定となる。よって、画像データの明度差を用いるオートフォーカス方法を使用する場合には、正確な処理が行えないという課題がある。
この明るさの不安定さを回避するためには、フォーカスレンズを停止させた状態で複数枚の映像を撮影して平均値を算出する方法も考えられ実行されている。しかし、フォーカスを合せるまでに時間がかかり、手動によるフォーカス調整の方が短時間で行えることになりかねない。
また、画像データの明るさの不安定さを承知して、フォーカスレンズを移動させながら、順次、明度差の増減判定を行っても良いが、フォーカス精度は著しく低下してしまう。
画像データの明るさの不安定さを回避するために、駆動波形の周期の中で定期的に通常の電流に比べ大きな電流を供給する駆動を行わない場合は、上述したように、投写画像にチラツキが発生してしまい、投写画像を見るユーザーにとっては、見づらい画像となる。そのため、駆動波形の周期の中で定期的に通常の電流に比べ大きな電流を供給する駆動を必ず行う必要がある。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、プロジェクタの光源に電力を供給する光源駆動方法と、その光源駆動方法を用いたプロジェクタを提供することを目的とする。
上述した目的を達成するために、本発明は、画像を投写するプロジェクタの光源駆動方法であって、光源に電力を供給する駆動波形の制御と、投写した画像の調整を行うために投写した画像を受光して画像データを取得する制御とを同期させることを特徴とする。
このようなプロジェクタの光源駆動方法によれば、駆動波形の制御と画像データの取得の制御とが同期して動作するため、光源に電力を供給する様々な駆動波形に対して影響を受けないタイミングで投写画像を取得できる。
また、本発明の好ましい態様によれば、プロジェクタの光源駆動方法であって、動作基準となる信号を発生する同期信号発生工程を備えて、同期信号発生工程で発生した信号に同期して、光源を駆動するための電力を供給する光源駆動部および投写した画像の調整を行うために投写した画像を受光して画像データを取得する画像取得部が動作することを特徴とする。
このようなプロジェクタの光源駆動方法によれば、同期信号発生工程は、動作基準となる信号を発生し、その信号に同期して、光源駆動部および画像取得部が動作する。そのため、画像取得部は、光源駆動部の様々な出力電流に対して各画像データが影響されないタイミングで投写画像を取得できる。
また、本発明の好ましい態様によれば、プロジェクタの光源駆動方法であって、画像取得部は、光源に電力を供給する駆動波形の制御と同期して、同じ駆動波形の期間で画像データを取得し、光源駆動部は、画像取得部が画像データを取得した後に、光源を点灯させたまま電流を変化させることを特徴とする。
このようなプロジェクタの光源駆動方法によれば、画像取得部は、駆動波形の制御と同期することで、同じ駆動波形の期間で画像データを取得することができる。そして、光源駆動部は、画像取得部が画像データを取得した後に、光源を点灯させたまま電流を変化させることができる。それにより、例えば画像データを取得後に、画像データを取得する状態での電流に比べて高い電流に変化させることで光源を駆動することにより、光源の電極に対して放電軌跡を安定させ、投写画像のチラツキを防止できる。また、変化させる電流は、高い電流のみでなく、他の必要な電流値に設定して変化させることもできるため、光源の仕様や性能、その他光学系の性能および投写画像の投写画質などに対する電流値の影響を確認して電流を変化できる。
取得する画像データに関しては、電流が変化する前において、駆動波形の制御と同期して、同じ駆動波形の期間で画像データを取得することで、安定した明るさの画像データを得ることができる。
また、上述した目的を達成するために、本発明は、画像を投写するプロジェクタであって、光源に電力を供給する駆動波形の制御と、投写した画像の調整を行うために投写した画像を受光して画像データを取得する制御とを同期させることを特徴とする。
このようなプロジェクタによれば、駆動波形の制御と画像データの取得の制御とが同期して動作するため、光源に電力を供給する様々な駆動波形に対して影響を受けないタイミングで投写画像を取得できる。
また、本発明の好ましい態様によれば、画像を投写するプロジェクタであって、光を出射する光源と、光源を駆動するための電力を供給する光源駆動部と、投写した画像の調整を行うために投写した画像を受光して画像データを取得する画像取得部と、動作基準となる信号を発生する同期信号発生部とを備え、同期信号発生部は、光源駆動部の電流出力の動作タイミングを決める第1の動作信号と、画像取得部が投写した画像を受光して画像データを取得する動作タイミングを決める第2の動作信号とを発生し、光源駆動部および画像取得部が同期して動作することを特徴とする。
このようなプロジェクタによれば、光源により光を出射し、光源駆動部は光源を駆動するための電力を供給する。画像取得部は、投写した画像の調整を行うために投写した画像を受光して画像データを取得する。また、同期信号発生部は、動作基準となる信号を発生する。そして、同期信号発生部は、光源駆動部の電流出力の動作タイミングを決める第1の動作信号と、画像取得部が投写した画像を受光して画像データを取得する動作タイミングを決める第2の動作信号とを発生することで、光源駆動部および画像取得部が同期して動作することができる。そのため、画像取得部は、光源駆動部の様々な出力電流に対して画像データが影響されないタイミングで投写画像を取得できる。よって、画像取得部が撮像した各画像データの明るさを一定にすることができ、投写画像の正確な調整を行うことができる。
また、本発明の好ましい態様によれば、画像を投写するプロジェクタであって、画像取得部は、光源に電力を供給する駆動波形の制御と同期して、同じ駆動波形の期間で画像データを取得し、光源駆動部は、画像取得部が画像データを取得した後に、光源を点灯させたまま電流を変化させることを特徴とする。
このようなプロジェクタによれば、画像取得部は、駆動波形の制御と同期することで、同じ駆動波形の期間で画像データを取得することができる。そして、光源駆動部は、画像取得部が画像データを取得した後に、光源を点灯させたまま電流を変化させることができる。それにより、例えば画像データを取得後に、画像データを取得する状態での電流に比べて高い電流に変化させることで光源を駆動することにより、光源の電極に対して放電軌跡を安定させ、投写画像のチラツキを防止できる。また、変化させる電流は、高い電流のみでなく、他の必要な電流値に設定して変化させることもできるため、光源の仕様や性能、その他光学系の性能および投写画像の投写画質などに対する電流値の影響を確認して電流を変化できる。
取得する画像データに関しては、電流が変化する前において、駆動波形の制御と同期して、同じ駆動波形の期間で画像データを取得することで、安定した明るさの画像データを得ることができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
(実施形態)
図1は、プロジェクタに光源駆動部としてのランプ駆動電力制御部と画像取得部としての撮像部との同期を取るための同期信号発生部を用いてオートフォーカス調整を行う場合の概略構成図である。
図1を用いて、プロジェクタ1の構成を説明する。
プロジェクタ1は、光を出射する光源としてのランプ2と、ランプ2に電力を供給する光源駆動部としてのランプ駆動電力制御部3と、ランプ2の出射光を偏光変換、色分離、変調、合成を行う光学系(図示省略)と、合成光を拡大投写する投写レンズ4とを備えている。そして、壁などに設置されたスクリーン100に合成光としての画像を投写する。
また、プロジェクタ1は、同期信号発生部5を構成するクロックジェネレータを備えて、ランプ駆動電力制御部3と後述する撮像部7とがそれぞれ同期して駆動するための基準信号を、それぞれの仕様に応じて発生している。具体的には、同期信号発生部5は、ランプ駆動電力制御部3に対して電流出力の動作タイミングを決める第1の動作信号を発生し、撮像部7(後述する)に対して投写画像を受光して画像データを取得する動作タイミングを決める第2の動作信号を発生する。また、同期信号発生部5は、プロジェクタ1の動作全体を制御するCPU(Central Processing Unit)6の動作基準となる信号も発生している。
そして、オートフォーカス調整を行うための構成として、プロジェクタ1は、スクリーン100に投写された画像を撮像する撮像部7と、撮像された画像を画像データとして記憶する画像用メモリ8と、その画像データを解析する画像処理部9とを備えている。また、投写画像の焦点を合せる投写レンズ4を構成するフォーカスレンズ41と、フォーカスレンズ41を駆動するフォーカスレンズ駆動部10と、フォーカスレンズ41の位置を検出するフォーカスレンズ位置検出部11とを備えている。
本実施形態では、撮像部7としてCCD(Charge Coupled Device:電荷結合素子)カメラを採用し、プロジェクタ本体の投写側前面に設置されている。また、フォーカスレンズ位置検出部11として光電式のロータリーエンコーダを採用し、フォーカスレンズ41の位置(移動距離)を検出している。フォーカスレンズ駆動部10は、DC(直流)モータを採用して、フォーカスレンズ41を駆動している。これらの制御は、CPU6が行っている。
なお、図1の構成に基づいたオートフォーカス調整に関しての説明は、図4で詳細に説明する。
図2は、ランプ駆動電力制御部のランプ駆動電流波形と撮像部のシャッター開放タイミングに関して、従来と本実施形態とを比較した図である。図2を用いて、従来と本実施形態との違いを説明する。
図2(a)は、ランプ駆動電力制御部と撮像部とを非同期の別々の信号で駆動する従来の場合の、ランプ駆動電流と撮像部が投写画像を撮像するタイミングを示す図である。ここで、ランプ駆動電流において、横軸方向は時間、縦軸方向は出力電流を示している。また出力電流は、交流電流であり極性を反転(+/−)させ周期Tで繰返す。詳細には、ランプ2の仕様に応じた駆動電流である電流I1を時間T1だけ出力し、電流が+から−に切替る直前において、一瞬である時間T2の間、電流I1に対して加算した大きい電流(以降、高電流という)の電流I2を出力する。この出力パターンを−側においても実施し、+/−を1周期Tとして繰返し出力し、ランプ2に電流を供給することになる。
この時、撮像部7であるCCDカメラにより投写画像を撮像した場合、シャッター開放タイミングとして図示するように、ランプ駆動電流の電流I1の立上りと同時にCCDカメラのシャッターを時刻t1からt2の間、開放することになる。次のCCDカメラによる投写画像のシャッター開放タイミングは、時刻t3からt4の間となり、前回のシャッター開放タイミングでのランプ駆動電流波形に対して異なった電流波形となる。
このように、ランプ駆動電力制御部3と撮像部7とを非同期の別々の信号で駆動した場合には、撮像部7のシャッター開放タイミングに対するランプ駆動電流の波形が一定せず、高電流I2がシャッター開放期間に入ったり入らなかったりする。それにより、撮像部7で撮像した画像データの明るさが不安定となっていた。
図2(b)は、本実施形態のランプ駆動電力制御部と撮像部とを同期信号発生部を用いて同期させて駆動した場合の、ランプ駆動電流と撮像部が投写画像を撮像するタイミングを示す図である。
この時、CCDカメラにより投写画像を撮像した場合、シャッター開放タイミングとして図示するように、ランプ駆動電流の電流I1の立上りと同期してCCDカメラのシャッターを時刻t5からt6の間、開放することになる。また、時刻t6はランプ駆動電流の高電流I2の出力開始(立上り)するのと同期している。次のCCDカメラによる投写画像のシャッター開放タイミングは、時刻t7からt8の間となり、前回のシャッター開放タイミングでのランプ駆動電流波形と同様に、ランプ駆動電流の電流I1の立上りと同期し、高電流I2駆動の立上りに同期したタイミングとなる。
このように、ランプ駆動電力制御部3と撮像部7とを同期させて駆動した場合は、撮像部7のシャッター開放のタイミングに対する、ランプ駆動電流の波形が常に一定となるため、撮像部7で撮像した画像データに取込まれる光量は一定となり、各画像データの明るさを安定させることができる。
図3は、オートフォーカス調整を行う場合、投写画像を撮像部が撮像した画像データの明度差に関して、従来と本実施形態とを比較した図である。また、図3は、フォーカスレンズをスクリーン100までの距離より近距離で焦点が合う位置から遠距離で焦点が合う位置まで等速で移動させた時の、撮像部の撮像した画像データの明度差を時間軸に対して表している。
図3を用いて、図2で説明したように、ランプ駆動電力制御部3と撮像部7とを非同期の別々の信号で駆動した従来の場合(図2(a)で示す場合)と、同期信号発生部5を用いて同期させて駆動した場合(図2(b)で示す場合)とで、撮像部の撮像した画像データの明度差の変化を説明する。
図3(a)は、ランプ駆動電力制御部と撮像部とを非同期の別々の信号で駆動した従来の場合の画像データの明度差を表した図である。図3(b)は、同期信号発生部5が発生する同期した別々の信号(上述した第1及び第2の動作信号)で駆動した場合の画像データの明度差を表した図である。
図3(a)において、ランプ駆動電力制御部3と撮像部7とを非同期の別々の信号で駆動した従来の場合は、フォーカスレンズ41が移動する途中で撮像された各画像データに取込まれる受光量がほぼ一定とはならない。そのため、チラツキ防止対策でランプ2が一瞬明るくなった瞬間を含むタイミングで撮像された相対的に受光量の高い画像による明度差のピークが、図中の時刻t11,t12,t13,t14で示す部分にランダムに発生する。そのため、CPU6が、画像処理部9での解析結果を基に、明度差の総和の最大値を判断する場合、焦点が合った位置なのか否かを判断できなくなり、オートフォーカス調整の精度に影響が出てしまう。図中のt10の位置が焦点が合う位置である。
図3(b)において、同期信号発生部5を用いてランプ駆動電力制御部3と撮像部7とを同期して駆動した場合は、フォーカスレンズ41が移動する途中で撮像された各画像データに取込まれる受光量がほぼ等しくなる。そのため、画像データの明るさが安定し、図示するようにフォーカスレンズ位置(時間)に対する明度差の変化も焦点位置t10をピークとする一様な曲線となる。そのため、明度差の変化は、焦点が合い始めると徐々に明度差が上昇して、焦点が合った位置t10で最大となり、焦点がずれると徐々に明度差が低下していくことになる。
このように、オートフォーカス調整を行う場合には、同期信号発生部5を用いてランプ駆動電力制御部3と撮像部7とを同期駆動することで、図3(b)に示す一様な明度差の変化となり、正確にオートフォーカス調整が行えることになる。
図4は、本実施形態の図1の構成を用いてオートフォーカス調整を行う場合のフローチャートである。図4及び図1を用いてオートフォーカス調整を説明する。
ステップS100では、ユーザーが、プロジェクタ1に備わる入力部(図示省略)から入力操作を行い、その操作信号をCPU6が受取り、プロジェクタ1を起動する。
ステップS101では、CPU6は、ランプ2を発光させるためにランプ駆動電力制御部3を駆動するための信号を送る。その信号を受け、ランプ駆動電力制御部3は、同期信号発生部5の発生する信号(第1の動作信号)に同期して、電流I1及び高電流I2からなる駆動波形の電流出力を開始する。(図2に示すランプ駆動波形と同様)。ランプ2は、ランプ駆動電力制御部3からの出力電流の供給により発光を開始する。
ステップS102では、ユーザーが、プロジェクタ1に備わる入力部からオートフォーカス調整するための入力操作を行い、その操作信号をCPU6が受取り、オートフォーカス調整が開始される。
そして、ステップS103では、CPU6は、オートフォーカス調整用のフォーカス用パターンを投写レンズ4により、スクリーン100に投写して、オートフォーカス調整が開始される。そして、CPU6は、オートフォーカス調整用のフォーカス用パターンを投写レンズ4により、スクリーン100に投写する。
フォーカス用パターンとして、本実施形態では、白色の画像の平面上に、黒色の直線を複数本並べて縞パターンを構成した画像を用いている。
ステップS104以降のステップで本実施形態でのオートフォーカス調整方法を説明する。
ステップS104では、フォーカスレンズ駆動部10は、スクリーン100よりも近距離で焦点が合う位置から、フォーカスレンズ41の駆動を開始する。ステップS105では、フォーカスレンズ位置検出部11は、フォーカスレンズ41の位置を検出する。ステップS106では、撮像部7であるCCDカメラは、同期信号発生部5の発生する信号(第2の動作信号)に同期して、位置検出したフォーカスレンズ位置での投写画像であるフォーカス用パターンを撮像し、画像データとして取得する。ステップS107では、撮像されたフォーカス用パターンの画像データを画像用メモリ8に記憶する。
ステップS108では、画像処理部9は、画像用メモリ8に記憶した画像データに基づき、一枚の画像データの全ピクセルに対して、隣接するピクセルの明度差を検出する。ステップS109では、CPU6は、検出された明度差に基づいて明度差の絶対値の総和を計算する。ステップS110では、CPU6は、計算結果を前の画像データに対して比較し、今回の総和が前回の総和に対して小さくなったか否か(前回の総和が最大となったか否か)を判断する。ここで、小さくならない場合には、再度ステップS105に移行し、フォーカスレンズ41の位置検出から行う。そして、ステップS110で明度差の絶対値の総和が前回の総和に対して小さくなったと判断するまでステップS105からステップS110を繰返す。このようにして、明度差の絶対値の総和が最大となるフォーカスレンズ位置を探すことになる。
ステップS110で、CPU6は、今回の明度差の絶対値の総和が前回よりも小さくなった(前回の総和が最大となった)と判断した場合、前回の画像データに対するフォーカスレンズ位置を焦点が合った位置と判断することになる。その時点で、CPU6の信号によりフォーカスレンズ駆動部10は、フォーカスレンズ41の移動を止める。そして、ステップS111に移行して、CPU6は、焦点が合った前回のフォーカスレンズ位置になるように、フォーカスレンズ駆動部10を駆動してフォーカスレンズ41を移動させる。これにより、ステップS112に移行し、オートフォーカス調整が終了することになる。
この一連のフローチャートにより、オートフォーカス調整が行われる。
図4において、同期信号発生工程は、ステップS101、ステップS106の各ステップにおいて、ランプ駆動電力制御部3の駆動タイミングや、撮像部7の撮像タイミングを同期させる工程に対応する。また光源駆動工程は、ランプ駆動電力制御部3の同期した駆動タイミングに応じて電流を出力する工程に対応する。
上述した、実施形態によれば以下の効果が得られる。
(1)従来は、オートフォーカス調整を行う場合、画像データの明るさがバラツクため、明度差の絶対値の総和の最大値を比較判断する場合、フォーカスレンズ位置の測定箇所毎に複数枚の画像データが必要となり、その画像データを解析して平均値を出すことで明るさのバラツキを平滑化し、明度差の総和を計算していた。しかし、本実施形態のプロジェクタ1によれば、ランプ駆動電力制御部3と撮像部7とが、動作の基準となる信号(第1及び第2の動作信号)を発生する同期信号発生部5を用いて、それぞれが同期して駆動することができるため、撮像部7のシャッター開放時間と、それに対応するランプ駆動電流波形を同期させることができる。それにより、撮像部7で撮像される画像データの明るさを常に一定にすることができるため、画像データ間の明るさのバラツキを考慮する必要がなくなり、オートフォーカス調整を正確に行うことができる。
(2)従来は、オートフォーカス調整を行う場合、フォーカスレンズ位置の測定箇所毎に複数枚の画像データが必要であった。しかし、本実施形態のプロジェクタ1によれば、明るさが一定の画像データを得られるため、測定箇所毎に必要な画像データの枚数は1枚で良く、オートフォーカス調整を高速に行うことができる。
(3)従来は、オートフォーカス調整を行う場合、ランプ2の電極間の放電軌跡を安定させ投写画像のチラツキを防止するための高電流I2が、撮像部で撮像される画像データの明るさに影響を与えていた。しかし、本実施形態のプロジェクタ1によれば、同期信号発生部5を用いることで、撮像部7のシャッター開放時間と、ランプ駆動電力制御部3のランプ駆動電流波形との同期を取ることができる。そのため、シャッター開放時間が電流I1を出力する駆動波形の期間に同期させることができるため、画像データの明るさを常に一定にすることができる。また、シャッター開放時間が高電流I2を取込むタイミングであっても、必ずランプ駆動電流波形は同期させることができるため、画像データの明るさを常に一定にすることができる。よって、高電流I2の影響を考慮せずオートフォーカス調整を行うことができる。
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されず、上述した実施形態に種々の変更や改良など加えることが可能である。変形例を以下に述べる。
(変形例1)前記実施形態では、プロジェクタ1及びプロジェクタ1を構成する撮像部7の基準信号としてのクロックジェネレータを用いて、ランプ駆動電力制御部3の基準信号としている。しかし、ランプ駆動電力制御部3に備えられているクロックジェネレータを用いて同期信号発生部を構成し、撮像部7の基準信号としても良い。
(変形例2)前記実施形態では、ランプ2の電極間の放電軌跡を安定させ投写画像のチラツキを防止するための高電流I2を加算した駆動波形を用いて説明しているが、高電流I2を加算しない、電流I1の駆動波形のみを用いた場合にも適用できることは言うまでもない。その場合、撮像部7のシャッター開放時間と、ランプ駆動電力制御部3のランプ駆動電流波形との同期を取ることで、出力電流の極性の変化による画像データへの明るさなどの影響をも考慮したオートフォーカス調整が行える。よって、電流I1のみを用いた交番電流による駆動波形でのオートフォーカス調整に対して、更に正確な調整を行うことができる。
(変形例3)前記実施形態では、オートフォーカス調整用の画像データを取得した後に、光源を点灯させたまま、電流を一様の高電流I2に変化させている。しかし、これに限らず、一様でない電流値に変化させても良い。その場合、変化させる電流値は、光源の仕様や性能、その他光学系の性能および投写画像の投写画質などに対する電流値の影響を確認して設定することができる。
(変形例4)前記実施形態では、投写画像の調整を行う取得部としてCCDカメラを用いて撮像部7を構成し、オートフォーカス調整を行っている。しかし、これに限らず、取得部として、受光素子を用いて受光部を構成し、投写画像の投写光量を測定して、投写画像の輝度調整を行っても良い。これにより、受光量が所定値より多い場合は、投写光量が多すぎるとして、プロジェクタ1は、ランプ2の輝度を下げる制御を行い、ユーザーに見易い光量の投写画像に調整することができる。この場合も前記実施形態と同様に、ランプ駆動電力制御部3と取得部である受光素子との同期信号を発生する同期信号発生部5を備えることで、受光素子の光量を取込むタイミングとランプ駆動電流波形との同期が取れるため、受光素子の取込む光量にランプ駆動電流によるバラツキがない安定した光量を取得することができる。
(変形例5)前記実施形態では、ランプ駆動電力制御部3と撮像部7との同期信号を発生する同期信号発生部5を備えたプロジェクタ1を用いて、オートフォーカス調整を行っている。しかし、これに限らず、オートズーム調整を行うことでも良い。
オートズーム調整を行う場合は、図1で示したフォーカスレンズ41をズームレンズに変更し、フォーカスレンズ駆動部10をズームレンズ駆動部に変更し、フォーカスレンズ位置検出部11をズームレンズ位置検出部に変更した構成によりオートズーム調整を行うことができる。具体的には、投写レンズ4はズーム用パターンを投写し、その投写画像を撮像部7が撮像し、画像処理部9がその画像データに基づいて、全ピクセルに対し明度差を検出する。そして、CPU6は、その検出結果に基づいて、ズーム用パターンの範囲及びスクリーン100の外形をそれぞれ所定の閾値により判断する。そして、ズーム用パターンの中にスクリーン100の外形が入る場合、CPU6は、ズームレンズの移動量を計算して、ズームレンズ駆動部及びズームレンズ位置検出部を駆動し、ズームレンズを移動することで、オートズーム調整が行われる。
同期信号発生部5がランプ駆動電力制御部3と撮像部7との同期信号を発生するため、ズーム用パターンを撮像した画像データに明るさのバラツキがないため、安定した画像データを取込むことができ、オートズーム調整を正確に、また高速に行うことができる。
(変形例6)前記実施形態により、ランプ駆動電力制御部3と撮像部7との同期信号を発生する同期信号発生部5を備えて、オートフォーカス調整及びオートズーム調整を行えるため、投写画像の台形歪補正にも使用することができる。具体的には、台形歪が発生する場合に、オートフォーカス調整により、プロジェクタ1のスクリーン100に対しての距離及び角度が算出でき、それにオートズーム調整による補正を加えることで、台形歪補正が行える。その時、撮像部7で撮像された各画像データは明るさが安定するため、高速で正確な台形歪補正を行うことができる。
(変形例7)前記実施形態における、ランプ駆動電力制御部3と撮像部7との同期信号を発生する同期信号発生部5を備えたプロジェクタ1は、透過型液晶方式のプロジェクタである。しかし、これに限らず、DLP(登録商標)(Digital Light Processing)方式、および、反射型液晶方式であるLCOS(Liquid Crystal On Silicon)方式などを採用したプロジェクタに実施することが可能である。これにより、様々な方式を採用するプロジェクタに対して、オートフォーカス調整およびオートズーム調整など行う場合に、ランプ駆動電力制御部3のランプ駆動電流波形と撮像部7のシャッター開放タイミングの同期を取ることができ、明るさのチラツキのない画像データを得ることが可能となる。
(変形例8)前記実施形態では、ランプ駆動電力制御部3と撮像部7との同期信号を発生する同期信号発生部5を備えたたことで、オートフォーカス調整時に、撮像した画像データがチラツキのない安定した明るさにできる。しかし、オートフォーカス調整に限られることなく、例えば、各色(赤、緑、青、白、黒など)を壁などの不特定の投写対象面に投写して、その投写対象面の持つ色に対する本来の色との差を検出し、逆補正して投写するような投写対象面に対する色補正機能を実行する場合などにも用いることができる。これにより、従来は、明るさのバラツキにより、画像データが複数枚必要であったが、一枚で良くなり、投写対象面に対する色補正機能の実行スピードを向上できる。
(変形例9)前記第1の実施形態では、オートフォーカス調整方法として、画像データの全ピクセルに対して隣接する明度差の絶対値の総和を計算している。しかし、この方法に限られることなく、例えば、画像データの全ピクセルに対してではなく、特定のピクセルを設定して、そのピクセルに対してのみ隣接する明度差の絶対値の総和を計算しても良い。これにより、更に高速のオートフォーカス調整を行うことが可能になる。
また、オートフォーカス調整方法として、画像データにおいて単純に最も明るい箇所の明度が最大となるフォーカスレンズ41の位置を焦点が合った位置とする方法でも良い。または、画像データにおいて最も明るい箇所と最も暗い箇所の明度差または比が最大となるフォーカスレンズ41の位置を焦点が合った位置とする方法でも良い。または、画像データの隣接するピクセルの明度差の絶対値のべき乗の総和が最大となるフォーカスレンズ41の位置を焦点が合った位置とする方法でも良い。
以上説明したように、様々なフォーカス調整方法を用いることができる。
本発明の実施形態に係るプロジェクタの概略構成図。 ランプ駆動電流波形とシャッター開放タイミングに関して従来と本実施形態とを比較した図。 画像データの明度差に関して従来と本実施形態とを比較した図。 オートフォーカス調整を行う場合のフローチャート。
符号の説明
1…プロジェクタ、2…光源としてのランプ、3…光源駆動部としてのランプ駆動電力制御部、4…投写レンズ、5…同期信号発生部、6…CPU、7…画像取得部としての撮像部、8…画像用メモリ、9…画像処理部、10…フォーカスレンズ駆動部、11…フォーカスレンズ位置検出部、41…フォーカスレンズ。

Claims (2)

  1. 画像を投写するプロジェクタの放電方式のランプ光源駆動方法であって、
    動作基準となる信号を発生する同期信号発生工程と、
    前記同期信号発生工程で発生した前記信号に同期して、前記ランプ光源を駆動するため
    の電力を供給する工程と、
    前記投写した画像の調整を行うために、前記投写した画像を受光して画像データを取得
    する工程とを備え、
    前記ランプ光源に電力を供給する駆動波形の制御と同期して、同じ駆動波形の期間で前
    記画像データを取得し、
    前記画像データを取得した後に、前記ランプ光源を点灯させたまま電流を変化させることを特徴とするランプ光源駆動方法。
  2. 画像を投写するプロジェクタであって、
    光を出射する放電方式のランプ光源と、
    前記ランプ光源を駆動するための電力を供給する光源駆動部と、
    前記投写した画像の調整を行うために前記投写した画像を受光して画像データを取得す
    る画像取得部と、
    動作基準となる信号を発生する同期信号発生部とを備え、
    前記同期信号発生部は、前記光源駆動部の電流出力の動作タイミングを決める第1の動
    作信号と、前記画像取得部が前記投写した画像を受光して画像データを取得する動作タイ
    ミングを決める第2の動作信号とを発生し、前記光源駆動部および前記画像取得部が同期
    して動作し、
    前記画像取得部は、前記ランプ光源に電力を供給する駆動波形の制御と同期して、同じ
    駆動波形の期間で前記画像データを取得し、
    前記光源駆動部は、前記画像取得部が前記画像データを取得した後に、前記ランプ光源
    を点灯させたまま電流を変化させることを特徴とするプロジェクタ。
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