JP4413972B2 - ファイバグレーティングの製造方法 - Google Patents

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本発明は、ファイバグレーティングの製造方法関する。
ブロードバンド時代の到来により、データ伝送量のさらなる増加が求められている。そこで、互いに異なる波長を有する複数の光を多重して伝送する波長多重伝送システム{WDM(Wavelength Division Multiplexing)伝送システム}が実用に至っている。
このWDM伝送システムにおけるキーデバイスの1つとして、上記多重化光信号を、光電変換を行うことなく一括増幅可能なEDFA等の光増幅器が開発されている。
しかし、WDM伝送システムにおいては、伝送される各波長の信号光にレベル偏差が生じていると、光信号が劣化して伝送距離や伝送帯域を低減させる恐れがある。したがって、EDFA等の光増幅器では、伝送帯域における利得特性を等化(平坦化)することが要求されている。
従って、この波長依存性を有する利得特性(利得波長依存性)を補償するために、光増幅器の利得−波長特性と相反する透過損失−波長特性を有するフィルタデバイスを光増幅器に組み合わせることにより、光増幅器の利得特性を平坦化することが実用化されている。特に、このフィルタデバイスとしては、グレーティングピッチが100μmから1000μm程度の長周期ファイバグレーティング(LPG)が、利得等化器(Gain Equalizer)として、多く利用されている。
長周期ファイバグレーティングを使用して利得等化器を実現するには、干渉縞のピッチが均一な長周期ファイバグレーティング(Uniform LPG)を組み合わせて利用する場合と、均一な長周期ファイバグレーティングと位相シフト長周期ファイバグレーティング(Phase Shift LPG)を組み合わせて利用する2通りが考えられる。
一例として、図11に示されるような透過損失−波長波形を、ターゲット特性とする利得等化器の例を説明する。ここで、図11の縦軸は、透過損失(Loss)であり、単位はdBである。横軸は波長(Wavelength)で、単位はnmである。
まず、均一な長周期ファイバグレーティングを組み合わせた利得等化器の例として、図12に示す4個の均一な長周期ファイバグレーティング(LPG1〜LPG4)を接続した利得等化器の実施例を示す。均一な長周期ファイバグレーティングは融着して結合される。4個の均一な長周期ファイバグレーティングの長さは下記のようになっている。
LPG1:89mm、LPG2:91mm、LPG3:46mm、LPG4:88mm
図13に、LPG1〜LPG4の各々の透過損失−波長波形と、これらを結合した利得等化器の透過損失−波長波形を示す。ここで、図13グラフの縦軸、横軸は、図11のターゲット特性の場合と同様である。
この図13に示された利得等化器の透過損失−波長波形は、ほぼターゲット特性に一致していることがわかる。
もうひとつの方法は、図14に示すように、均一な長周期ファイバグレーティングであるLPG1と、位相シフト長周期ファイバグレーティングであるLPG2を融着で結合した利得等化器である。LPG1とLPG2の各ファイバグレーティングの長さは下記のようになっている。
LPG1:89mm、LPG2:46.22mm
図15に、LPG1とLPG2の透過損失−波長波形と、これらを結合した利得等化器の透過損失−波長波形を示す。ここで、図15グラフの縦軸、横軸は、図11のターゲット特性の場合と同様である。
この図15に示された利得等化器の透過損失−波長波形は、図13の場合と同様に、ほぼターゲット特性に一致していることがわかる。
次に、この利得等化器を構成する長周期ファイバグレーティングの、製造方法に関して説明する。通常、光ファイバに紫外線レーザを照射することによって、光ファイバの屈折率を変化させてファイバグレーティングを形成する。この形成するグレーティングのピッチが100μmから1000μm程度のものを、通常、長周期ファイバグレーティングと称している。
この長周期ファイバグレーティングを含むファイバグレーティングを形成する光ファイバの感光性(Photosensitivity)を上げるために、紫外線レーザを照射する前に、光ファイバに水素を含浸させる水素処理を行なうことがある。
上述のように、長周期ファイバグレーティングを結合して、所定のターゲット特性を有する増幅器の利得等化器が従来から用いられてきたが、以下の問題が生じていた。
通常、利得等化器を構成する個々の長周期ファイバグレーティングに、補強部材(パッケージ)が必要になる。例えば、図12に示す利得等化器の場合には、4個の補強部材が、図14に示す利得等化器の場合には、2個の補強部材が必要となる。この補強部材自体の大きさが、数cm程度もあるので、結果的に、利得等化器の大きさがかなり大きくなものとなり、実用上の問題が発生する。
長周期ファイバグレーティングの透過損失−波長波形のピーク帯域のバンド幅とグレーティング長さは、負の相関がある。従って、短いバンド幅のターゲット特性を有する利得等化器を実現する場合には、従来型の均一な長周期ファイバグレーティングや位相シフト長周期ファイバグレーティングを使用する場合においては、利得等化器を構成する長周期ファイバグレーティングの長さが長くなる。
従って、実際に利得等化器を適用する場合には、小型であることが必要な場合が多いが、バンド幅の短いターゲット特性が必要な場合には、複数の補強部材が必要であり、また、長周期ファイバグレーティング自体の長さも長くなるので、実用上問題のない利得等化器を実現することは困難である。
また、上述したように、感光性を向上させるために、長周期ファイバグレーティングを形成する上で、光ファイバ中に水素を含侵させる水素処理を行なうことがあるが、この場合、下記の問題が発生する。
光ファイバの照射後の屈折率変化量は、光ファイバの水素処理後の水素ロスと相関関係がある。高圧水素処理を行った光ファイバに紫外線レーザ照射をして、長周期ファイバグレーティングを形成し、その後、アニールを施して水素の除去を行う。この工程の間に、長周期ファイバグレーティングの中心波長は、ファイバ中の水素の影響により短波長側に大きく変動する。つまり、紫外線レーザ照射後と、アニール後の間で、中心波長が短波長側に大きく変動する問題が発生する。また、各々のファイバグレーティングごとに、この変動値のばらつきも大きく、安定した長周期ファイバグレーティングの製造が困難となる。
低水素濃度を得るためには、低圧力で水素処理を行う方法や、短時間に水素処理を行う方法も考えられるが、温度依存性も大きいため、水素処理を行う時における温度管理も必要となり問題がある。
また、感光性ファイバを用いれば水素処理を施すことなく、所定のファイバグレーティングの形成が可能となるが、水素処理を施した場合と比較して、ファイバグレーティングの形成にはより多くの光照射が必要となり、生産性を低下させることとなる。また、屈折率変調の大きさも小さいという問題もある。
従って、本発明の目的は、従来の問題を解決して、光ファイバ中の水素ロスを制御して、アニール後のファイバグレーティングの中心波長の変動を抑制したファイバグレーティングの製造方法提供することにある。
本発明者は、上述した従来の問題点を解決すべく、鋭意研究を重ねた。その結果、以下に示すように、従来技術では解決が不可能であった問題を解決した、アニール後のファイバグレーティングの中心波長の変動を抑制したファイバグレーティングの製造方法知見した。
本発明のファイバグレーティングの製造方法の第1の態様は、光ファイバに高圧水素により水素を含侵する工程1と、前記光ファイバに含まれる水素濃度が所定の濃度まで低下する所定の時間プレアニールを行なう工程2と、前記光ファイバに紫外線レーザを照射してファイバグレーティングを形成する工程3と、前記光ファイバから前記水素を除去するためのアニールを行う工程4と、を備え、前記工程3の後と前記工程4の後における前記ファイバグレーティングの中心波長の変動量が10nm以下となるように、前記プレアニールを行う時間を制御する、ことを特徴とするファイバグレーティングの製造方法である。
本発明のファイバグレーティングの製造方法の第2の態様は、前記工程1では、略15MPaの高圧水素により前記光ファイバに水素を含侵することを特徴とする請求項1記載のファイバグレーティングの製造方法である。
本発明のファイバグレーティングの製造方法では、光ファイバに含浸された水素を除去す るためにプレアニールを行い、所定の水素ロスが得られるように、このプレアニール時間 を制御することによって、紫外線レーザ照射後とアニール後におけるファイバグレーティ ングの中心波長の変動を、十分に抑制することができるスーパーストラクチャ長周期ファ イバグレーティングを製造できる
更に、適正にプレアニール時間を制御することによって製造されたファイバグレーティン グにおいては、サブナノオーダーの波長制御が可能である。
本発明のスーパストララクチュア長周期ファイバグレーティングを利用した利得等化器で は、ファイバグレーティング長も短く、補強部材もひとつですむので、バンド幅の狭い透 過損失−波長波形を有しながらも、今までにない小型化された利得等化器を実現すること ができる。
まず、バンド幅の短いターゲット特性に対応できる小型パッケージの利得等化器の実施の形態を、図面を用いて詳細に説明する。
バンド幅の短いターゲット特性達成するためには、従来の均一な長周期ファイバグレーティングや位相シフトLPGを用いた場合には、利得等化器の長さが長くなりすぎる問題がある。
そこで、本発明では、従来型の長周期ファイバグレーティング等ではなく、スーパーストラクチャ長周期ファイバグレーティング(Super−Structure LPG)を使用する利得等化器を提案している。
図1に、スーパーストラクチャ長周期ファイバグレーティングの構造を示す。図1に示すL1は紫外線レーザの照射によってグレーティングが形成された部分の長さであり、L2はグレーティングが形成されない部分の長さである。図1においては、長さL1で同じ構成のグレーティングがN個形成されている。
長さL1のグレーティングが形成された部分の周期P1は、通常、数百μmのオーダーであり、グレーティングが形成されない部分の長さL2は、P1よりかなり長い。通常、L2の長さは、P1の10倍以上である。
また、L2の長さとしては、5mm〜150mmが適切な範囲である。
表1に、スーパーストラクチュア長周期ファイバグレーティングの一例の構造を示す。スーパーストラクチュア長周期ファイバグレーティングは、SSLPG1〜SSLPG5までの5種類あり、L1の長さは5mmで同一であり、L2の長さが異なる。SSLPG1〜SSLPG5の番号が大きくなるにつれて、L2の長さは長くなっている。長さL1のグレーティングの数Nは、6で同一である。
スーパーストラクチュア長周期ファイバグレーティングの全長Lは、図1から明らかなとおり、L=NxL1+(N−1)xL2 で表される。
ここで図2に、上述のスーパーストラクチュア長周期ファイバグレーティングSSLPG1〜SSLPG5の透過損失−波長波形を示す。グラフの縦軸は、透過損失(Loss)であり単位はdBである。横軸は波長(Wavelength)であり単位はnmである。
図2に、スーパーストラクチュア長周期ファイバグレーティングと共に特性が示された均一な長周期ファイバグレーティングは、グレーティング長Lが30mmの長周期ファイバグレーティングである。
図2のグラフに表された透過損失−波長波形から、以下のことがわかる。
(1)スーパーストラクチュア長周期ファイバグレーティングのピークの中心波長はグレーティングの周期だけでなく、グレーティングが形成された部分と部分の間の距離(L2)にも関係がある。
(2)スーパーストラクチュア長周期ファイバグレーティングの中心波長が、周期が同じ均一な長周期ファイバグレーティングの中心波長と一致した場合には、透過損失が最大となる。スーパーストラクチュア長周期ファイバグレーティングの中心波長が、周期が同じ均一な長周期ファイバグレーティングの中心波長から遠ければ遠いほど、透過損失は小さくなる。
(3)スーパーストラクチュア長周期ファイバグレーティングSSLPG1とSSLPG5の中心波長と透過損失ピーク値は、ほぼ同じであるが、SSLPG5の方がバンド幅が狭い。SSLPG1の長さは55mm、一方、SSLPG5の長さは69.5mmである。従って、このバンド幅とスーパーストラクチュア長周期ファイバグレーティングの長さを比較すると、バンド幅とグレーティング長は、負の相関があることがわかる。
次に、表2に別のスーパーストラクチュア長周期ファイバグレーティングの実施態様の構造を示す。スーパーストラクチュア長周期ファイバグレーティングであるSSLPG1〜SSLPG4は、グレーティングが形成されていない部分の長さL2は7.91mmで同一である。また、グレーティングが形成された部分の総長さ(NxL1)は、皆同一である。ただし、長さL1のグレーティングの数Nは2〜7の異なる値になっている。
ここで図3に、上述のスーパーストラクチュア長周期ファイバグレーティングの透過損失−波長波形を示す。グラフの縦軸は、透過損失(Loss)であり単位はdBであり、横軸は波長(Wavelength)であり単位はnmである。
図3に特性が示された均一な長周期ファイバグレーティングは、グレーティング長Lが30mmのグレーティングである。
図3のグラフの透過損失−波長波形より、以下のことがわかる。
(1)グレーティングを形成していない部分の長さL2を一定にすると、メインピークの中心波長も一定になる。
(2)グレーティングが形成された部分の全長(NxL1)が同じファイバグレーティングでは、Nが増えると透過損失のピークのバンド幅が狭くなる。
また、メインピークの間の距離も大きくなる。
(3)従って、スーパーストラクチュア長周期ファイバグレーティングを利用すれば、均一な長周期ファイバグレーティングと同じ照射長(NxL1)で、より狭いバンド幅の透過損失のプロファイルを実現できることがわかる。
以上のように、このスーパーストラクチュア長周期ファイバグレーティングを組み合わせることによって、狭いバンド幅に対応した小型パッケージの利得等価器を実現することができる。次に、この利得等化器の実施例を説明する。
透過損失−波長波形のターゲット特性として、図11に示すターゲット特性を実現する利得等価器を考える。
図4に、この利得等価器の構成を示す。SSLPG1は、長さL1のグレーティングの数N=2のスーパーストラクチュア長周期ファイバグレーティングであり、LPG2は、均一な長周期ファイバグレーティングであり、下記の構造を有する。SSLPG1: グレーティングが形成された部分の長さL1:16mm,
グレーティングが形成されない部分の長さL2:30.25mm
L1の数N:2
全長L:62.25mm
LPG2: 全長L:27mm
ここで、LPG2は、SSLPG1のグレーティングが形成されていない部分(L2)内に形成されている。
どちらもシングルモードファイバ(SMF)であり、SSLPG1は4次クッラドモードを利用し、LPG2は5次クッラドモードを利用する。
図5に、ターゲット透過損失−波長波形と、SSLPG1、LPG2、利得等価器の透過損失−波長波形を示す。グラフの縦軸は、透過損失(Loss)であり単位はdBである。横軸は波長(Wavelength)であり、単位はnmである。
図5に示されるように、ターゲット特性と利得等価器の透過損失−波長波形は、ほぼ一致している。従って、スーパーストラクチュア長周期ファイバグレーティングを利用することによって、従来、複数の長周期ファイバグレーティングを接続する必要があった利得等価器を、ひとつスーパーストラクチュア長周期ファイバグレーティング内に構築することができることが証明された。
従って、補強部材もひとつで済むため、従来の問題を解決した小型の利得等価器を得ることができる。
また、この実施例では、シングルモードファイバを使用したが、もしクラッド層の径が小さいファイバや、コア層の屈折率の高い等の特殊ファイバを利用すれば、ファイバグレーティングの長さをもっと短くできる可能性がある。
ここでの図4に示す本発明のスーパーストラクチュア長周期ファイバグレーティングを利用した利得等器と、従来技術である図12に示す4個の均一な長周期ファイバグレーティング(L1〜L4)を接続した利得等化器の比較を行なう。
双方の利得等化器の透過損失−波長波形は、ターゲット特性とほぼ一致している。
次に利得等化器の長さを比較する。
図4に示す本発明の場合には、LPG2はSSLPG1のL2部分に形成されるので、全長Lは、SSLPG1自体の長さの62.25mmである。
一方、図12に示す従来型では、L=LPG1+LPG2+LPG3+LPG4=314mmである。
従って、上述のスーパーストラクチュア長周期ファイバグレーティングを利用した利得等化器は、従来の均一な長周期ファイバグレーティングを利用した利得等化器の長さの約1/5の長さで、同じ特性を得ることができる。
また、図13に示した、均一な長周期ファイバグレーティングのLPG1と、位相シフト長周期ファイバグレーティングであるLPG2を結合した利得等化器の実施例の場合と比較する。この図13に示した従来型の利得等化器においても、透過損失−波長波形は、ターゲット特性とほぼ一致している。
次にこの利得等化器の全長を計算すると、L=LPG1+LPG2=135.22mmである。従って、スーパーストラクチュア長周期ファイバグレーティングを利用した場合には、半分以下の長さで同じ特性を得ることができる。
更に、従来型の利得等化器では、複数の補強部材を必要とするが、本発明のスーパーストラクチュア長周期ファイバグレーティングを利用した利得等化器の場合には、ひとつの補強部材すみ、かなり小型化できる。
以上のように、本発明のスーパーストラクチュア長周期ファイバグレーティングのグループを利用した利得等化器においては、ファイバグレーティングの総長も短く補強部材もひとつですむので、従来の長周期ファイバグレーティングや位相シフト長周期ファイバグレーティングを利用した利得等化器に比べて、非常に小型な利得等化器を提供することができることが証明された。
次に、光ファイバ中の水素ロスを制御して、ファイバグレーティングの中心波長の変動を減少させるための実施態様の説明を行なう。
光ファイバに水素を含侵させる水素処理した後、まず一定期間、水素を除去するためのプレアニール(Pre−anneal)を行う。そして、光ファイバに紫外線レーザを照射してグレーティングを形成した後に、水素を除去するためのアニール(Anneal)を行う。
図6に、80℃でプレアニールした場合の、プレアニール時間と水素ロスの関係を実線で示す。また、プレアニール時間とファイバグレーティングの中心波長の変動量の関係を破線で示す。グラフの縦軸は、左側の軸は、水素ロスを現し単位はdBであり、右側の軸は、波長シフトを表し単位はnmである。また、横軸は、プレアニール時間を表し、単位は時間(Hour)である。
この図6から、プレアニールする時間が長くなるにつれて、光ファイバの水素ロスが抑制され、ファイバグレーティングの中心波長の変動が減少していくことがわかる。
特に、波長が1244nm近傍における水素ロスを制御できるように、プレアニールを行う。図6から、1244nmにおける水素ロスを測定し、水素ロスが0.5dB/m以下のなるようにプレアニール条件を定めることによって、ファイバグレーティングの波長シフトを制御することができる。
従って、所定の水素ロスが得られるようにプレアニールする時間を制御することによって、ファイバグレーティングの波長シフトを制御することができることがわかる。
次にこの中心波長の変動量の制御方法に関して、以下のふたつの実施例を説明する。
図7に、10時間のプレアニールを行った場合の実施例を示す。この場合、光ファイバに、15MPaの圧力で1週間、水素処理を行ってから、更に80℃で10時間のプレアニールを行なう。次に、この光ファイバに、紫外線レーザを照射してファイバグレーティングを形成し、その後、水素を除去するためのアニールと、特性安定化処理を行って、ファイバグレーティングを形成する。また、紫外線レーザの照射時間は、1分間である。
ここで、特性安定化処理とは、下記に示す処理である。
紫外線レーザを照射して形成されたファイバグレーティングは、何も処理を行わない場合には、時間の経過と共に、屈折率が小さくなり、また中心波長も短波長側へシフトする経時劣化が発生する。従って、この経時劣化を防ぐために、ファイバグレーティング部を高温に加熱して、予め不安定要素を取り除く処理を行なうことが有効であり、これを特性安定化処理と称する。
図7の一点鎖線、破線、実線は、それぞれ、紫外線レーザ照射後、水素除去アニール後、特性安定化後の波形を示す。ここで、グラフの縦軸は、透過(損失)で単位はdBであり、横軸は波長で単位はnmである。
図7のファイバグレーティングの中心波長の比較から、紫外線レーザ照射後と水素除去アニール後の中心波長の変動は、30nm前後である。
また、同じ条件で10本の光ファイバに紫外線レーザを照射して行った試験では、紫外線照射後と水素除去アニール後の中心波長の変動量は、30nmプラスマイナス1.2nmであった。
次に、図8に、15時間のプレアニールを行った場合の実施例を示す。
この場合、光ファイバに、15MPaの圧力で1週間、水素処理を施してから、更に80℃で15時間のプレアニールを行なう。次に、この光ファイバに、紫外線レーザを照射してファイバグレーティングを形成し、その後、水素を除去するためのアニールと、特性安定化処理を行って、ファイバグレーティングを形成する。ここで、紫外線の照射時間は、5分間である。
図8の一点鎖線、破線、実線は、それぞれ、紫外線照射後、水素除去アニール後、特性安定化後の波形を示す。ここで、グラフの縦軸、横軸は、図7と同様である。
図8のファイバグレーティングの中心波長の比較から、紫外線レーザ照射後と水素除去アニール後の中心波長の変動量は、5nm前後であり、非常に抑制されている。
また、同じ条件で10本の光ファイバに紫外線レーザを照射して行った試験では、紫外線照射後と水素除去アニール後の中心波長の変動量は、5nmプラスマイナス0.2nmであった。
図7の場合と比較して、プレアニール時間を増加したことによって、大幅に中心波長のシフトが抑制されていることがわかる。従って、水素ロス増を0.15dB/mに制御した光ファイバを使用した場合には、サブナノオーダーの波長制御が可能になる。
次に、本発明のプレアニール時間を制御する方法と比較するため、プレアニールを行わない場合と、水素処理を行わない場合の実施例を示す。
図9は、光ファイバを、15MPaで1週間、水素処理を行い、プレアニールは行わないで、紫外線レーザを照射してファイバグレーティングを形成し、その後、水素除去アニールと特性安定化処理を施した場合である。ここで、紫外線の照射時間は、30秒である。
図9に示す一点鎖線、破線、実線は、それぞれ、紫外線照射後、水素除去アニール後、特性安定化後の波形を示す。ここで、グラフの縦軸、横軸は、図7と同様である。
図9のファイバグレーティングの中心波長の比較から、紫外線照射後と水素除去アニール後の中心波長の変動量は、90nm前後と大きな値となる。
また、同じ条件で10本の光ファイバに紫外線レーザを照射して行った試験では、紫外線照射後と水素除去アニール後の中心波長の変動量は、90nmプラスマイナス5nmであった。
このプレアニールを行わない場合では、どのような光ファイバを利用しても、波長制度でサブナノオーダーが必要な場合には、ほとんど制御不能である。
続いて、図10に、感光性光ファイバを使用し、水素処理をいっさい行わないで、紫外線レーザを照射してファイバグレーティングを形成した場合の実施例を示す。ここで、紫外線の照射時間は、30分である。
図10の一点鎖線、破線、実線は、それぞれ、紫外線レーザ照射後、アニール後、特性安定化後の波形を示す。ここで、グラフの縦軸、横軸は、図7と同様である。
図10の波形より、感光性ファイバを水素処理無しで紫外線照射をした場合、照射後の波形は安定している。しかし、最大透過損失は4dBで、これを実現するために、紫外線を30分も照射する必要があり、生産性は非常に低い。
更に、この場合、サブナノオーダーの波長制御は可能となるが、十分な透過損失特性を得ることは困難である。
以上のように、図7,8に示されるような水素除去のためのプレアニールを行った場合は、図9に示されるようなプレアニールを行わない場合や、図10に示されるような水素処理を行わない場合に比べて、中心波長の変動量が非常に抑制され、紫外線照射時間も短くてすむことがわかり、本発明の効果が証明された。
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、更に様々な実施形態が考えられる。
スーパストララクチュア長周期ファイバグレーティングの構造を示す図。 次数Nが6のスーパストララクチュア長周期ファイバグレーティングの透過損失−波長波形を示した図。 L2とL1xNを一定にしたスーパストララクチュア長周期ファイバグレーティングの透過損失−波長波形を示した図。 スーパストララクチュア長周期ファイバグレーティングを利用した利得等化器の構造を示した図。 図4に構造を示すスーパストララクチュア長周期ファイバグレーティングと利得等化器の透過損失−波長波形を示した図。 プレアニール時間と水素ロス、及び、プレアニール時間と中心波長変動の関係を示す図。 プレアニール時間10時間の場合の、紫外線レーザ照射後とアニール後の中心波長の変動を示した図。 プレアニール時間15時間の場合の、紫外線レーザ照射後とアニール後の中心波長の変動を示した図。 プレアニールを行わない場合の、紫外線レーザ照射後とアニール後の中心波長の変動を示した図。 感光性ファイバに水素処理を行わずグレーティングを形成した場合の、紫外線レーザ照射後とアニール後の中心波長の変動を示した図。 利得等化器のターゲット透過損失−波長波形の一例を示す図。 4個の均一な長周期ファイバグレーティングを利用した利得等化器の構造を示す図。 図12に示す長周期ファイバグレーティングと利得等化器の透過損失−波長波形を示した図。 均一な長周期ファイバグレーティングと位相シフト長周期ファイバグレーティングを利用した利得等化器の構造を示す図。 図14に示す長周期ファイバグレーティングと利得等化器の透過損失−波長波形を示した図。

Claims (2)

  1. 光ファイバに高圧水素により水素を含侵する工程1と、前記光ファイバに含まれる水素濃度が所定の濃度まで低下する所定の時間プレアニールを行なう工程2と、前記光ファイバに紫外線レーザを照射してファイバグレーティングを形成する工程3と、前記光ファイバから前記水素を除去するためのアニールを行う工程4と、を備え
    前記工程3の後と前記工程4の後における前記ファイバグレーティングの中心波長の変動量が10nm以下となるように、前記プレアニールを行う時間を制御する、
    ことを特徴とするファイバグレーティングの製造方法。
  2. 前記工程1では、略15MPaの高圧水素により前記光ファイバに水素を含侵することを特徴とする請求項1記載のファイバグレーティングの製造方法。
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