JP4413599B2 - 新規化合物およびそれを含む薬学的組成物 - Google Patents

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本発明は新規化合物に関する。より詳細には、本発明は、新規フォルミルフェニル型構造をもつ化合物またはフォルミルピロール型構造をもつ化合物、およびこの化合物を有効成分として含有する薬学的組成物に関する。
近年、健康を維持する願望が増加するとともに、多くの人々が、健康食品および健康補助剤を摂取するようになっている。健康食品および健康補助剤として、副作用がほとんどなく、そして免疫賦活作用、抗癌作用などの生理活性を有する成分を含む天然素材およびそれに含まれる成分が注目され、免疫賦活効果、発癌予防効果をもつとされる健康食品が多数市販されている。これらの健康食品は、一般に、天然素材の熱水抽出エキスの形態で提供されることが多い。このような、生理活性を有する成分を含む天然素材の例として、マッシュルーム、アガリクス茸などが挙げられる。
一般にアガリクス茸と呼ばれるものは、学名を「アガリクス・ブラゼイ・ムリル garicus lazei urll」和名を「カワリハラタケ」という担子菌類ハラタケ科に属するきのこである。アガリクス茸(以後、本明細書では、一般に、カワリハラタケまたはABMと称する)は、ブラジルのサンパウロ州に位置するPiedade地方で伝統的に医薬として用いられている。カワリハラタケは、種々の免疫賦活活性、発癌予防効果、腫瘍増殖抑制効果をもつといわれ、現在、健康食品として幅広く内服されている。
マッシュルームから、抗腫瘍活性をもつ多くの多糖類が単離されている(Hamuro Jら(1978)、Cancer Res.38:3080−3085、非特許文献1;Mizuno Tら(1992)、Biosci.Biotechnol.Biochem.56:347−348、非特許文献2)。
カワリハラタケに含まれる多糖類は、ザルコーマ180に対して抗腫瘍活性を有し、そしてβ−1,6−グルコピラノシル残基を含む(Ebina Tら(1986)、Jpn.J.Cancer Res 77:1034−1042、非特許文献3)。カワリハラタケ抽出物は、(1→6)−β分岐をもつ(1→4)−α−D−グルカンを含み、ナチュラルキラー細胞活性化およびアポトーシスを経由して媒介される選択的抗腫瘍活性を有している(Fujimiya Yら(1998)、Cancer Immunol Immunother 46:147−159、非特許文献4)。二重移植腫瘍系において、カワリハラタケに含まれるペプチドグリカンは、Meth A腫瘍細胞に対して直接的な細胞傷害性作用を有し、そして腫瘍をもつマウスに対して間接的な免疫増強作用を有していた(Ebina Tら(1998)、Biotherapy 11:259−265、非特許文献5)。カワリハラタケに含まれる多糖類は、マウスにおけるT細胞サブセットにおける脾臓Thy1,2−、L3T4陽性細胞の割合を変えた(Mizuno Mら(1998)、Biosci.Biotechnol.Biochem.62:434−437、非特許文献6)。これらの報告は、カワリハラタケに含まれる多糖類が、免疫調節活性を通じて腫瘍細胞に対する細胞傷害性作用を有することを示唆している。
多糖類を除くと、生理活性を示すカワワリハラタケの成分についての報告はほとんどない。そして、一般に、天然素材由来の健康食品および健康補助剤は、素材の産地、収穫時期、抽出方法の違いなどに起因して、あるいは含有される成分が多種多様であることに起因して品質が一定の製品を提供するのは困難である。
Hamuro Jら(1978)、Cancer Res.38:3080−3085 Mizuno Tら(1992)、Biosci.Biotechnol.Biochem.56:347−348 Ebina Tら(1986)、Jpn.J.Cancer Res 77:1034−1042 Fujimiya Yら(1998)、Cancer Immunol Immunother 46:147−159 Ebina Tら(1998)、Biotherapy 11:259−265 Mizuno Mら(1998)、Biosci.Biotechnol.Biochem.62:434−437
本発明は、免疫賦活活性およびスーパーオキシドディスムターゼ様活性を含む生理活性を有する新規化合物を提供し、それによって、天然の素材を原料とし、品質が変動する傾向のある従来の製品に代え、一定品質の生理活性を有する組成物を提供するものである。
本発明者らは、ハラタケ属担子菌Agaricus blazei Murill(カワリハラタケ)由来の低分子成分を精製分離し、その化学構造を決定し、フォルミルフェニル型構造をもつ化合物が存在することを見出した。本発明者らは、その後、その化学構造に基づき、種々の誘導体を合成して検討を重ねた結果、式(I)〜(X)で表わされる、フォルミルフェニル型構造をもつ化合物またはフォルミルピロール型構造を有する化合物が、免疫賦活活性およびスーパーオキシドディスムターゼ様活性を含む種々の生理活性、特に、ヒト末梢血単球由来樹状細胞(dendric cell:DC)誘導能を有することを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明は、上記目的を達成するために、以下を提供する。
(1)以下の式I〜IVのいずれかで表される、フォルミル置換したフェニルまたはピロール化合物であって、
Figure 0004413599
ここで、Rは、H、OR、OR、NHR、NHR、SR、SR、SO、SO、(CH、(CH、(CH=CH)、(CH=CH)、C(=O)R、C(=O)R、PhR、PhR、および(CHCHRからなる群から選択される基であり、
は、上記Rで定義した基と同意義の基およびC(NHR)Rからなる群から選択される基であり、
は、置換または非置換の直鎖C〜Cアルキルであり、
は、カルボキシル基で置換された直鎖C〜Cアルキルであり、
nは、0〜6の整数である、化合物。
(2)上記式IIで表される4−フォルミルフェニル型構造をもつ、項(1)に記載の化合物であって、
ここで、上記Rは、末端カルボキシル基で置換された直鎖C〜Cアルキル、または末端ヒドラジノ基もしくは末端アミノ基で置換されたアミノ酸である、化合物。
(3)上記式IIにおいて、RはNH−NH−RまたはNH−Rを表し、ここで、Rは、α−もしくはβ−アスパルチル、またはα−、β−もしくはγ−グルタミルである、項(2)に記載の化合物。
(4)以下の式Vで表される、項(3)に記載の化合物:
Figure 0004413599
(5)項(1)に記載の化合物、および薬学的に受容可能なキャリアを含む、薬学的組成物。
(6)免疫賦活活性を有する、項(5)に記載の薬学的組成物。
(7)上記免疫賦活活性が樹状細胞誘導活性誘導能である、項(6)に記載の組成物。
(8)スーパーオキシドジスムターゼ(SOD)様活性を有する、項(5)に記載の組成物。
(9)上記式IVで表される2−フォルミルピロール型構造をもつ、項(1)に記載の化合物であって、
ここで、上記RおよびRは、独立して、OR、NHR、SR、SO、(CH、(CH、(CH=CH)、C(=O)R、PhRおよび(CHCHRからなる群から選択される基であり、
は、置換または非置換の直鎖C〜Cアルキルであり、
は、カルボキシル基で置換された直鎖C〜Cアルキルであり、
nは、0〜6の整数である、化合物。
(10)上記Rは、ヒドロキシル基で置換された直鎖のC〜Cアルキルである、(9)に記載の化合物。
(11)以下の式VIで表される、項(10)に記載の化合物:
Figure 0004413599
(12)項(9)に記載の化合物、および薬学的に受容可能なキャリアを含む、薬学的組成物。
(13)免疫賦活活性を有する、項(12)に記載の薬学的組成物。
(14)上記免疫賦活活性が樹状細胞誘導活性誘導能である、項(13)に記載の組成物。
(15)以下の式IXで表される、項(1)に記載の化合物。
Figure 0004413599
(16)以下の式Xで表される、項(1)に記載の化合物。
Figure 0004413599
免疫賦活活性およびスーパーオキシドディスムターゼ様活性を含む生理活性を有する新規化合物が提供され、それによって、天然の素材を原料とし、品質が変動する傾向のある従来の製品に代え、一定品質の生理活性を有する薬学的組成物が提供される。
本明細書において使用される用語は、特に言及しない限り、当該分野で通常用いられる定義で用いられることが理解されるべきである。
「アルキル」とは、メタン、エタン、プロパンのような脂肪族炭化水素から水素原子が1個失われて生ずる1価の基をいい、一般に、C2n+1−で表される(ここで、nは正の整数である)。アルキルは、直鎖または分枝鎖であり得る。
「置換のアルキル」とは、アルキルの1個または複数個の水素原子が、アミノ、カルボキシル、ヒドロキシル、フォルミル、およびヒドラジノからなる群から選択される基で置換されたアルキルを意味する。「非置換のアルキル」とは、いずれの水素原子も他の基で置換されていないアルキルを意味する。
「フォルミル」とは、−CHOで表される基をいう。
「カルボキシル」とは、−COOHで表される基をいう。
「ヒドラジノ」とは、−HN−NHで表される基をいう。
「アミノ」とは、−NHで表される基をいう。
「ヒドロキシル」とは、−OHで表される基をいう。
「フォルミル置換したフェニル」とは、フェニルの水素原子がCHO基で置換されたフェニルをいう。
「フォルミル置換したピロール」とは、ピロールの水素原子がCHO基で置換されたピロールをいう。
「4−フォルミルフェニル型構造」とは、フェニルの1個の水素原子がCHO基で置換され、さらにこのCHO基に対してp位に別の置換基をもつフェニルの構造をいう。
「2−フォルミルピロール型構造」とは、ピロールの2位に位置する1個の水素原子がCHO基で置換されたピロールの構造をいう。
「末端カルボキシル基」とは、ある分子の末端(もしくは先端)官能基内の水素原子と置換するためのカルボキシル基を意味する。
「末端ヒドラジノ基」とは、ある分子の末端(もしくは先端)官能基内の水素原子と置換するためのヒドラジノ基を意味する。
「末端アミノ基」とは、ある分子の末端(もしくは先端)官能基内の水素原子と置換するためのアミノ基を意味する。
「アミノ酸」とは、分子内にカルボキシル基とアミノ基とを有する化合物を意味し、アミノ基とカルボキシル基が同一炭素原子に結合するものをα−アミノ酸と称し、相対距離が遠ざかるに従い順次β−、γ−、δ−、・・・アミノ酸と称する。
「アスパルチル」とは、モノアミノジカルボン酸であるアスパラギン酸の2個のカルボキシル基のうちの1個からヒドロキシル基を除いてできる基を意味する。
「グルタミル」とは、モノアミノジカルボン酸であるグルタミン酸の2個のカルボキシル基のうちの1個からヒドロキシル基を除いてできる基を意味する。
上記式(I)〜(X)で表される化合物が、例えば、免疫賦活活性およびスーパーオキシドディスムターゼ様活性を含む生理活性を有することは知られていない。従って、本発明は、一般式(I)〜(X)で表される新規な化合物を提供するものである。特定の理論に拘束されるわけではないが、上記式(I)〜(X)で表される化合物は、フォルミル基とR基との組み合わせおよびそれらの間の距離が免疫賦活活性およびスーパーオキシドディスムターゼ様活性に関連していると考えられる。本発明はさらに、一般式(I)〜(X)で表わされる化合物を含有する新規な免疫賦活剤などの薬学的組成物を提供する。
上記式(I)〜(III)、(V)、(IX)または(X)で表される化合物は、代表的には、例えば、フェニルヒドラジンまたはアニリンを出発原料として合成され得る。フェニルヒドラジンは、アニリンを亜硝酸ナトリウム、塩酸でジアゾ化したのち亜硫酸ナトリウムと反応させて得られる、単斜結晶または微黄色の透明液体である(G.H.Coleman、Org.Syn.、Coll.Vol.、1、442(1951))。フェニルヒドラジンは、染料中間物、アンチピリン(解熱剤)用原料、糖、アルデヒド、ケトンの検出用試薬として用いられている。本発明の新規化合物は、フェニルヒドラジンまたはアニリンを出発物質として製造し得る。フェニルヒドラジンまたはアニリンは、当業者に公知の縮合反応によって種々の誘導体を生成する。本発明の新規化合物は、このような縮合反応を利用して合成され得る。
フォルミルフェニル型化学構造を特徴とする新規化合物は、フェニルヒドラジンとモノアミノジカルボン酸(例えば、グルタミン酸)とを公知の方法を用いて縮合させ、加圧されたCO下にて、HCl/AlClの存在下でフォルミル化を行うことにより、得ることができる。
また、上記式(IV)または(VI)で表される2−フォルミルピロール型化学構造を特徴とする化合物は、代表的には、市販のピロールまたはピロール型化合物を用い、通常化学反応で用いられるアルキル化反応、アリール化反応およびアシル化反応を行うことにより得ることができる。
式(IV)の式中、Rで表わされる置換基は、種々の置換基をもつか、またはもたない飽和または不飽和のアルキルであり得る。これらの化合物は、ピロール型化合物を出発物質として、これに、通常化学反応で用いられるアルキル化剤、例えば該当するアルキルを有するハロゲン化アルキルなどを添加し、適当なアルカリ、例えば、炭酸カリウム、n−ブチルリチウムのヘキサン溶液などを加え、必要に応じて、反応中に生じる酸の吸収剤(例えば、ジメチルホルムアミド)の存在下、所定の温度条件下で撹拌することによって得ることができる。
あるいは、式(IV)の式中、Rで表わされる置換基は、種々の置換基を有しまたは有しない脂肪族または芳香族のアシルであり得る。これらの化合物は、ピロール型化合物を出発物質として、これを、適切な溶媒、例えば、ピリジン、塩化メチレン、テトラヒドロフランなどに溶解し、アシル化剤、例えば、酸塩化物、または酸無水物などを加え、適切な溶媒、例えば、ピリジン、トリエチルアミン、n−ブチルリチウムのヘキサン溶液等の存在下、所定の温度条件下で撹拌することによって得られ得る。また、上記の反応を適宜組合せることにより、式(IV)または(VI)で表わされる化合物が得られ得る。
あるいは、上記式(IV)または(VI)で表される化合物は、前述の有機合成による手法のほか、担子菌の子実体または培養菌糸体から分離・精製し、単離してもよい。例えば、担子菌の子実体または培養菌糸体を加熱抽出してエキスを得、得られたエキスを、ゲル濾過、疎水性ゲルカラム、イオン交換樹脂などを用いて分離・精製することにより、1−(3−カルボキシプロピル)−2−フォルミル−5−ヒドロキシメチル−ピロールを得てもよい。さらに、この分離・精製過程にある分画エキスもまた、式(IV)または(VI)で表される化合物を含有している。
上記式(I)〜(X)で表される化合物は、本発明に係る免疫賦活活性およびスーパーオキシドディスムターゼ様活性を含む種々の生理活性を有する薬学的組成物の有効成分としてそのまま用いられ得るか、または適切なキャリアとともに本発明の組成物中に含有され得る。
本明細書で用いる用語「免疫賦活活性」は、一般に、マクロファージ、T細胞、B細胞、A細胞(付随細胞(accessory cell))、プラズマ細胞などの免疫担当細胞を介して、正常または低下している個体の免疫応答能を賦活または増強することを意味する。T細胞には、ヘルパーT細胞、サプレッサーT細胞、キラーT細胞、遅延型過敏症をひき起こすT細胞(DTHT細胞)などが含まれる。B細胞には、一般に、抗体産生細胞の前駆細胞が含まれる。A細胞には、Ia陽性マクロファージ、リンパ組織の樹状細胞、表皮のランゲルハンス細胞などが含まれる。そしてプラズマ細胞には、脾臓やリンパ節などの二次リンパ系組織、骨髄、全身の結合組織に分布する抗体産生細胞などが含まれる。
本明細書で用いる用語「スーパーオキシドジスムターゼ様活性(またはSOD様活性)」は、スーパーオキシドジスムターゼ(SOD)と同様の酵素反応を行う能力をいい、SODの存在下で、SODが、活性酸素、例えば、スーパーオキシドアニオン(O )を基質として触媒する2O +2H→H+Oの反応(スーパーオキシドの不均化反応)を阻害することで評価され得る。
一般に、生体臓器は、好気的生命活動を営むとき、活性酸素分子種、生体臓器中のとりわけ酸素フリーラジカルや過酸化水素への暴露を避けることはできない。生体臓器の細胞が、好気的生命活動によって、活性酸素分子種を生成するからである。従って、化学物質、環境汚染物質などの外界からの有害物質だけでなく、生体臓器のすべての細胞もまた同様に生体攻撃種の1つであると考えられている。生体において酸化促進物質が優勢になり、抗酸化物質とのバランスが崩れたとき、生体に障害が生じる可能性がある。
活性酸素には、ヒドロキシラジカル、ペルオキシラジカル、一酸化窒素などの種類がある。SODは、代表的には、O を基質として、2O +2H→H+Oの反応を触媒する酵素であり、O を消去することにより生体を酸素傷害から防御している。SODは、その分子中に含まれる金属によって,Cu、Zn−SOD、Mn−SOD、Fe−SOD、Extracellular(EC)−SOD、およびFe、Zn−SODの5種類に分けられている。ヒト組織および赤血球は、Cu、Zn−SOD、Mn−SOD、およびFe−SOD活性が高いことが知られている。
SOD活性の分布を生体臓器別比較してみると、代謝を盛んに行う肝臓で最も高く、次いで、副腎および腎臓で高い活性が認められている。副腎では、生理的条件下でO および過酸化脂質が生成されている。これは、種々の副腎ホルモンの生成に関与するP−450がO を生成し、その影響を防ぐためにSOD活性が上昇していると考えられている。
SOD活性を疾患別に見てみると、急性腎不全では腎臓細胞が壊されるため、その値は上昇し、糖尿病ではその値は低下する。これは、糖尿病によって増加したグルコースにより、SODがglucationされてその活性が低下しているものと考えられている。同様の現象は、老化によっても起こっている。このように、SOD様活性は、様々な疾患の1つの指標であり、そしてSOD様活性を有する組成物は、活性酸素の不均化反応を触媒することによって、三大成人病の引き金となる様々な疾患を含む疾患、例えば、肝障害、副腎障害、腎臓障害、各種の癌、高血圧、老化防止などを処置するために用いることが可能である。
本発明はまた、上記式(I)〜(X)で表される化合物を単独で、または安定化化合物、希釈剤などのキャリア、あるいは他の成分または薬剤と組み合わせて含む組成物を提供する。本発明の組成物は、上記式(I)〜(X)で表される化合物が、投与された生体において、免疫賦活活性およびスーパーオキシドディスムターゼ様活性を含む生理活性を生じるか、または増大するような形態で用いられる。
上記式(I)〜(X)で表される化合物は、一般に、無菌であって生体適合性のキャリア(生理食塩水、緩衝化生理食塩水、デキストロース、および水を含むがそれらに限定されるわけではない)を用いて被験体に投与され得る。あるいは、上記式(I)〜(X)で表される化合物は、適切な賦形剤、アジュバント、および/または薬学的に受容可能なキャリアと混合された組成物の形態で、単独で、あるいは他の薬剤と組み合わせて被験体に投与され得る。
本発明の化合物または組成物の投与は、経口または非経口により達成される。非経口送達の方法としては、局所、皮膚塗布、動脈内(例えば、腫瘍、動脈瘤に直接)、筋肉内、皮下、髄内、クモ膜下腔内、脳室内、静脈内、腹腔内、または鼻孔内の投与が挙げられる。
本発明の組成物は、薬学的に使用できる製剤を調製するために、上記式(I)〜(X)で表される化合物に加え、適切な薬学的に受容可能なキャリアを含み得る。処方および投与のための技術のさらなる詳細は、例えば、「REMINGTON’S PHARMACEUTICAL SCIENCES」 (Maack Publishing Co.、Easton、PA)の最終版に記載されている。
以下、本発明の組成物を含む免疫賦活化製剤を、投与形態別に、用いる薬学的に受容可能なキャリアを詳細に例示して説明する。なお、以下に示す本発明の組成物は、本発明の例示であって本発明を制限するものではない。
経口投与のための製剤は、投与に適した投与形態として当該分野で周知の薬学的に受容可能なキャリアを用いて処方され得る。このようなキャリアは、本発明の組成物が、患者による摂取に適した錠剤、丸剤、糖衣剤、カプセル、液体、ゲル、軟膏、シロップ、スラリー、懸濁物などに処方されることを可能とする。
経口使用のための製剤は、上記式(I)〜(X)で表される化合物をキャリアとしての固体賦形剤と組合せ、所望により得られた混合物を粉砕し、所望であれば、錠剤または糖衣剤のコアを得るために、適切なさらなる化合物を添加した後、顆粒の混合物を処理することによって得られ得る。代表的な賦形剤として、以下に例示される炭水化物、タンパク質充填剤などが用いられ得る:ラクトース、スクロース、マンニトール、またはソルビトールを含む糖;トウモロコシ、コムギ、イネ、ジャガイモ、または他の植物由来のデンプン;メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、またはカルボキシメチルセルロースナトリウムのようなセルロース;アラビアゴムおよびトラガカントゴムを含むゴム;ゼラチン;およびコラーゲンのようなタンパク質。必要に応じて、架橋ポリビニルピロリドン、寒天、アルギン酸またはその塩(例えば、アルギン酸ナトリウム)のような崩壊剤または可溶化剤を添加してもよい。
糖衣剤コアは、濃縮糖溶液のような適切なコーティングとともに提供される。これはまた、アラビアガム、タルク、ポリビニルピロリドン、カルボポルゲル、ポリエチレングリコール、および/または二酸化チタン、ラツカー溶液、および適切な有機溶媒または溶媒混合液をも含有し得る。製品同定のため、または活性化合物の量(すなわち用量)を特徴付けるために、染料または色素を錠剤または糖衣剤に添加してもよい。
経口で使用され得る製剤は、例えば、ゼラチンカプセル、ゼラチンおよびコーティング(例えば、グリセロールまたはソルビトール)よりなるソフト封着カプセルであり得る。ゼラチンカプセルは、ラクトースまたは澱粉のような充填剤またはバインダー、タルクまたはステアリン酸マグネシウムのような潤滑剤、および所望により安定化剤と混合した活性な成分を含有し得る。ソフトカプセルでは、上記式(I)〜(X)で表される化合物は、脂肪油、流動パラフィンまたは液状ポリエチレングリコールのような適切な液体に溶解または懸濁されて用いられ得る。
非経口投与用の製剤は、上記式(I)〜(X)で表される化合物の水溶液を包含する。注射のために、本発明の組成物は、水溶液、好ましくはハンクスの溶液、リンゲル溶液、または緩衝化生理食塩水のような生理学的に適合する緩衝液中で処方され得る。水性注射懸濁物は、懸濁物の粘度を増加させる物質(例えば、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、ソルビトール、またはデキストラン)を含有し得る。このような懸濁物は適切な油状注射懸濁物として調製され得る。適切な親油性溶媒またはビヒクルは、ゴマ油のような脂肪酸、オレイン酸エチルまたはトリグリセリドのような合成脂肪酸エステル、またはリポソームを包含し得る。必要に応じて、懸濁物は、高濃度溶液の製剤を可能にする安定化剤または化合物の溶解度を増加させる適切な薬剤または試薬を含有し得る。
局所または鼻孔投与のために、浸透されるべき特定のバリアに対して適切な浸透剤を製剤中に含有し得る。このような浸透剤は一般に当該分野で公知である。
本発明の製剤は、当該分野で公知の様式と同様の様式(例えば、従来的な混合、溶解、顆粒化、糖衣剤作製、水簸、乳化、カプセル化、包括、または凍結乾燥の手段によって)で製造され得る。
本発明の組成物は、上記式(I)〜(X)で表される化合物を、意図される目的を達成するに有効な量で含有する。「治療的有効量」または「薬理学的有効量」は当業者に十分に認識される用語であって、意図される薬理学的結果を生じるために有効な薬剤の量をいう。従って、治療的有効量は、処置されるべき疾患の徴候を軽減するのに十分な量である。所定の適用のための有効量(例えば、治療的有効量)を確認する1つの有用なアッセイは、標的疾患の免疫活性を測定することである。実際に投与される量は、処置が適用されるべき個体に依存し、好ましくは、所望の効果が顕著な副作用をともなうことなく達成されるように最適化された量である。有効用量の決定は十分に当業者の能力内にある。
上記式(I)〜(X)で表されるいずれの化合物についても、治療的有効用量は、最初に、細胞培養アッセイまたは任意の適切な動物モデルのいずれかにおいて、見積もられ得る。動物モデルはまた、所望の濃度範囲および投与経路を達成するために用いられる。次いで、このような情報を用いて、ヒトにおける投与に有用な用量および経路を決定することができる。
治療的有効量とは、疾患の徴候または状態を軽減する上記式(I)〜(X)で表される化合物の量をいう。このような化合物の治療効果および毒性は、細胞培養または実験動物における標準的な薬学的手順(例えば、ED50、集団の50%において治療的に有効な用量;およびLD50、集団の50%に対して致死的である用量)によって決定され得る。治療効果と毒性効果との間の用量比は治療係数であり、それは比率ED50/LD50として表され得る。大きな治療係数を呈する薬学的組成物が好ましい。細胞培養アッセイおよび動物実験から得られたデータが、ヒトでの使用のための量の範囲を公式化するのに使用される。このような化合物の用量は、好ましくは、毒性をほとんどまたは全くともなわないED50を含む循環濃度の範囲内にある。この用量は、使用される投与形態、患者の感受性、および投与経路に依存してこの範囲内で変化する。一例として、上記式(I)〜(X)で表される化合物の投与量は、年齢その他の患者の条件、疾患の種類等により適宜選択されるが、例えば、血液内投与、筋肉内投与、関節内投与、一般に、1回あたり、1μg〜100mgを1日1回から数回投与することができる。
正確な用量は、治療されるべき患者を考慮して、個々の臨床医によって選択される。用量および投与は、十分なレベルの活性部分を提供するか、または所望の効果を維持するように調整される。考慮され得るさらなる因子としては、疾患状態の重症度(例えば、腫瘍のサイズおよび位置;患者の年齢、体重、および性別;投与の食餌制限時間、および頻度、薬物組合せ、反応感受性、および治療に対する耐性/応答)が挙げられる。特定の製剤の半減期およびクリアランス速度に応じて、持続作用性薬学的組成物は、3〜4日毎に、毎週、または2週間に1回、投与され得る。特定の用量および送達の方法に関するガイダンスは当該分野で公知の文献に提供されている。
この様にして得られた上記式(I)〜(X)で表される化合物を主成分として含有する医薬品は、対となる疾患の種類などにより各種の方法で投与することができる。
本発明の上記式(I)〜(X)で表される化合物またはそれを含む組成物は、液状、ゲル状あるいは固形状の食品素材として種類を限定せずに利用できる。例えば、清涼飲料水、ジュース、茶、ゼリー、プリン、パン、クッキー、キャラメル、おかきなどに添加したり、必要に応じて、でんぷん、デキストリン、乳糖などの賦型剤、その他の食用組成物のエキス剤、色素、香料などとともに粉末、顆粒、錠剤に加工したり、ゼラチンなどの被覆剤を用いてカプセルに成形加工して健康食品や栄養補助食品などとして利用できる。なお、本発明の組成物はこれらの例に限定されないことはいうまでもない。
また、本発明の組成物は、最終製品の種類や状態などに依存して、ほぼ0.1〜100重量%の範囲で添加され得る。添加量の目安は、約0.005〜1%、好ましくは0.01〜0.5%である。
以下、実施例により本発明をより詳細に説明するが、以下の実施例は本発明の例示であり、本発明を制限するものではない。
(実施例1)化合物の合成
1.1.β−N−(γ−グルタミル)−4−フォルミルフェニルヒドラジン(式VII)の合成
フェニルヒドラジン940mgに大過剰量のグルタミン酸を加え、公知の方法を用いて縮合させ、β−N−(γ−グルタミル)−フェニルヒドラジンを形成し、この縮合反応をフェニルヒドラジンが完全に消失するまで行った。次いで、加圧CO雰囲気下にて、HCl/AlClの存在下でフォルミル化を行い、最終生成物1(150mg)を得た。
1.2.N−(3−カルボキシプロピル)−2−フォルミル−5−ヒドロキシメチルピロール(式VIII)の合成
2−フォルミル−5−ヒドロキシメチルピロール625mgに4−クロロ−酪酸674mg及び炭酸カリウム600mgを加え、18時間加熱還流した。冷却後、反応液を濾過した後、濾液を減圧下濃縮乾固し、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(シリカゲル:30g,溶離液:クロロホルム−メタノール2:1)にて精製し、最終生成物2(無色油状、60mg)を得た。
上記2つの最終生成物1および2について、以下の条件の質量分析およびNMR分析に供し、その構造を解析した結果、これら2つの成分は、それぞれ、以下の構造をもつβ−N−(γ−グルタミル)−4−フォルミルフェニルヒドラジン(以下の式VIIで表される構造をもつ)、およびN−(3−カルボキシプロピル)−2−フォルミル−5−ヒドロキシメチルピロール(以下の式VIIIで表される構造をもつ)であることが確認された。
Figure 0004413599
[質量分析]
得られた最終生成物1および2をそれぞれ、10mg/mlの濃度になるように、mili−Q水を加えて水溶液とした後に測定に供した。測定装置として、JEOL HX110/110Aタンデム型質量分析計を用い、以下のFAB、EI、CIおよびHRFABの質量分析において、それぞれ、ポジティブ(FAB、EI、CI)、ネガティブ(FAB、CI)およびネガティブ(HRFAB)の測定モードで測定した。なお、各質量分析における分解能は、FAB、EIおよびCIについて1000、そしてHRFABについて5000で行った。
1.FAB−MS
マトリックスとしてグリセロールを用いた。試料搭載台でグリセロールと試料とを1:1(v/v)で混合した直後に測定を行った。質量較正には、ポジティブモードではアルカリイオンの混合物を、ネガティブモードではヨウ化セシウム(CsI)のグリセロール溶液を使用した。
2.EI−MSおよびCI−MS
試料そのものをイオン源に導入した。CIではイオンガスとしてイソブタンを使用した。
3.HRFAB−MS
質量較正試料としてPEG−500を使用した。試料搭載台でグリセロールと試料とを1:1(v/v)で混合した後に適量のPEG−500を添加し、直後にネガティブモードで測定を行った。質量較正は、目的ピーク([M−H]=210)を挟む2本のPEG−500のピークを選択して行った。
[NMR分析]
Bruker DMX500核磁気共鳴装置(H500MHz)およびJEOL JNM−A400核磁気共鳴装置(H400MHz)を用いて行った。
質量分析後の試料を凍結乾燥後、重水(0.3ml)に溶解して測定に供した。また、溶媒を重クロロホルムに再置換した試料を用いた測定も行った。
[結果の解析]
最終生成物1:
FAB−MSにおいて、m/z 266で偽分子イオンMH+を観察し、EI−MSにおいて、トリフロオロ酢酸および酢酸誘導体については、それぞれ、m/z 649(C201112)でMイオンを、m/z 331で[M−HO]イオンを観察した。HNMRにより、アルデヒドプロトン、p−置換芳香環およびグルタミン酸残基−CO−CH−CH−CH(NH)−COOHが特徴付けられた。2個の芳香族プロトン(d7.91ppm)の脱シールド、中性溶液(313nm)およびアルカリ性溶液(385nm)でのUV吸収、m/z 136(CO)における重要なイオンの発生は、p−フォルミルフェニルヒドラジンユニットと一致した。下記H−NMRは、重水中、テトラメチルシランを内部標準として測定した。δ値はppmで、結合定数(J)はHzで表記した。データ中、は一重線、dは二重線、tは三重線、mは多重線を意味する。
UVλ120 maxnm(logε);231(3.79)、313(4.19);+NaOH 248(3.76)、385(4.30);+HCl 231(3.79)、313(4.19):FABMS m/z(相対強度):266(MH、100)、201(62)、166(16)、137(20)、136(15)、132(39)、121(16);H NMR(400 MHz、DO)9.73(1H、s、−CHO)、7.91(2H、d、J=8.5Hz)、7.03(2H、d、J=8.5Hz)、3.91(1H、t、J=6Hz、Hα)、2.67(2H、m、Hγ)、231(2H、m、Hβ)。
最終生成物2:
上記各種質量分析モードにおけるいずれのスペクトルにおいても分子量211に相当するピークが観測され、この化合物の分子量は211と決定された。次いで、ピーク感度がより良好なネガティブモードでHRFAB−MS測定を行ったところ、観測された精密質量(m/z=210.0757)がC1012N(−1.0mmu)とよい一致を示したことから、最終生成物2の分子式は、C1018Nと決定された。
次に、構造情報を得る目的で各種NMR測定を行い、HMBCスペクトルのクロスピーク情報を基に解析した結果、上記式VIで示される構造をもつと決定された。
1.3.β−N−(γ−グルタミル)−4−フォルミルアニリン(または4−(4−グルタミル)アミノベンズアルデヒド)(式V:以下、本明細書ではATO−1と称する)の合成
ATO−1の合成スキームおよび合成方法を以下に示す。
Figure 0004413599
N−Boc−1−ベンジルグルタミン酸(964mg、2.86mmol、2)をTHF30mlに溶解させて0℃に冷却し、ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)(619mg、3mmol)を加え、0℃にて30分攪拌した。次に、パラアミノベンズアルデヒド塩酸塩(630mg、4mmol、1)、ピリジン0.4mlおよびN,N’−ジメチルアミノピリジン(DMAP)(349mg、2.86mmol)を加え、水浴を外して室温で1時間攪拌した。反応液にトリエチルアミン0.3mlを加えてさらに16時間攪拌した。その後、反応液を減圧濾過し、酢酸エチル30mlを加えて1M HCl、5%NaHCOおよび水で洗浄した後、乾燥し減圧濃縮した。残渣(1.3g)をシリカゲルクロマトグラフィーで精製することによりアミド3(115.2mg)を得た。次に、アミド3(56.2mg)をMeOH(0.14ml)に溶解し、4M NaOH(0.04ml)を加えて室温で30分攪拌した。反応混合物に水4mlを加え、酢酸エチルで洗浄後水層にDowex50WX8(1ml)を加えて5分間攪拌した後、Dowex50WX8を濾別、水層を酢酸エチルで抽出した。酢酸エチルを留去した残渣を98%ギ酸(1.5ml)で処理することにより(ATO−1、18.6mg、2からの収率6.7%)を得た。
4−(4−グルタミル)アミノベンズアルデヒド(ATO−1)
MS m/z 251(M+1);IR(KBr)ν3400,1670,1590,1540cm−1H NMR(DO,500MHz)δ2.20(2H,ddd,J=6.8),2.60(2H,dd,J=6.8,7.3),3.79(1H,t,J=6.8),7.65(2H,d,J=8.3),7.88(2H,d,J=8.3),9.79(1H,s)。
1.4.N−(4−カルボキシブチル)−2−フォルミル−5−ヒドロキシメチルピロール(式VI)の合成
出発物質である4−クロロ−酪酸の代わりに5−クロロ−吉草酸を用いることを除いて、上記と同様の方法でアルキル化および精製を行い、最終生成物4(無色油状、50mg)を得た。
上記2つの最終生成物3および4について、上記と同様の条件下で質量分析およびNMR分析に供し、その構造を解析した結果、これら2つの物質は、それぞれ、以下の構造をもつβ−N−(γ−グルタミル)−4−フォルミルアニリン(以下の式Vで表される構造をもつ)、およびN−(4−カルボキシブチル)−2−フォルミル−5−ヒドロキシメチルピロール(以下の式VIで表される構造をもつ)であることが確認された。
Figure 0004413599
1.5.4−(4−フォルミルフェニルカルバモイル)ブタン酸(以下の式IXで表される構造をもつ:以下、本明細書ではATO−3と称する)の合成
p−ニトロベンズアルデヒド1.51gを無水エタノール20ml中に懸濁し、塩化スズ(II)11.28gを添加して還元反応を行った。得られた反応液を水50mlに添加し、水酸化ナトリウムを用いて中和した後、反応産物を酢酸エチルで抽出した。得られた有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムを用いて乾燥した後濾別した。得られた濾液に1N HCl/MeOH 11mlを添加して造塩し、析出した結晶を濾別、洗浄および乾燥してp−アミノベンズアルデヒド塩酸塩0.88gを得た。
得られたp−アミノベンズアルデヒド塩酸塩0.8gを塩化メチレン10ml中に懸濁し、トリエチルアミン0.53gを添加してp−アミノベンズアルデヒド溶液を得た。この溶液を、グルタル酸無水物2.9gを懸濁した塩化メチレン10mlに添加してペプチド合成を行った。合成終了後、析出した結晶を濾別し、濾液中に水を添加して晶析させた。これを濾別し、洗浄および乾燥することにより微黄結晶0.81gを得た。この微黄結晶を、NMR、IR、LC、TLCを用いて分析した結果、以下の構造式で表される4−(4−フォルミルフェニルカルバモイル)ブタン酸であることが確認された。
IR分析において、吸収ピークが帰属した結果を以下に示す。
3350cm−1(−NH)、3102〜2981cm−1(−COOH)、2842cm−1付近(−CH−)、1716cm−1(−CHO)、1664〜1525cm−1付近(−NH)、1581cm−1(−COOH)、1317cm−1付近(−CH)、1164cm−1(Ph・N)。
Figure 0004413599
MS m/z 234(M−1);IR(KBr)ν3200、1710、1680、1575、1525cm−1H NMR(CDOD、500MHz)δ1.98(2H、tt、J=7.4)、2.39(2H、t、J=7.4)、2.48(2H、t、J=7.4)、7.78(2H、d、J=8.8)、7.85(2H、d、J=8.8)、9.86(1H、s)。
1.6.4−(4−フォルミルフェニルカルバモイル)プロピルアミン(以下の式Xで表される構造をもつ:以下、本明細書ではATO−4と称する)の合成
N−Boc γアミノ酪酸(GABA)3.66gをTHF 10mlに溶解し、冷却した後、DCC4.1g/THF 5ml溶液を添加して一昼夜反応させた。析出した結晶(DCU)を濾別し、得られた濾液を塩化メチレンに溶媒置換することによりN−Boc GABA無水溶液を得た。このN−Boc GABA無水物溶液に、p−アミノベンズアルデヒド塩酸塩0.63g、およびトリエチレンアミン0.42gを添加してペプチドを形成させた。得られた反応液を濃縮し、残渣を酢酸エチルに溶解し、5%重炭酸ナトリウム水溶液、水、飽和食塩水の順で洗浄した後、硫酸ナトリウムを用いて乾燥した。これを、濾過した後濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィーを用いて精製し、濃縮することにより赤褐色のoilを得た。これを塩化メチレンに溶解し、氷冷下、TFA/塩化メチレン溶液を滴下して反応させ、Boc基を除去した。得られた反応液を濃縮し、赤褐色のoilを得た。これを、NMR、IR、LC、TLCを用いて分析した結果、以下の構造式で表される4−(4−フォルミルフェニルカルバモイル)プロピルアミンであることが確認された。
Figure 0004413599
MS m/z207(M+1);IR(KBr)ν3400、1672、1587、1526cm−1H NMR(DO、500MHz)δ2.02(2H、tt、J=7.3)、2.58(2H、t、J=7.3)、3.05(2H、t、J=7.3)、7.66(2H、d、J=8.3)、7.91(2H、d、J=8.3)、9.80(1H、s)。
(実施例2)免疫賦活活性の測定
上記実施例1で合成したN−(3−カルボキシプロピル)−2−フォルミル−5−ヒドロキシメチルピロール(最終生成物2)、およびβ−N−(γ−グルタミル)−4−フォルミルフェニルヒドラジン(最終生成物1)について、樹状細胞(dendritic cell)を用いて免疫賦活活性を測定した。
樹状細胞は、免疫の成立に関与する細胞である。樹枝状細胞、樹状白血球、D細胞とも呼ばれる。脳を除く生体内各種組織器官に分布する骨髄細胞由来の樹枝状形態をとる細胞群の総称である。この細胞群には、リンパ系樹状細胞(lymphoid dendritic cell)、ランゲルハンス細胞、ベール細胞、相互連結細胞、間質細胞(interstitial cell)などが含まれる。生体内で異物の侵入により開始される炎症応答に伴い、異物を取り込んで(pinocytosis)局所から輸入リンパ管を経て所属リンパ節または血流に乗って脾臓へと移動する。T細胞依存性領域に達した後、抗原をクラスII抗原と結合した形で提示し特異的T細胞を活性化することにより免疫応答を開始させることが知られている。いわば免疫の根幹をつかさどる細胞である。本願では、本発明の化合物の免疫賦活活性を、単球の樹状細胞への誘導能をアッセイすることにより確認した。
N−(3−カルボキシプロピル)−2−フォルミル−5−ヒドロキシメチルピロール、およびβ−N−(γ−グルタミル)−4−フォルミルフェニルヒドラジンは、フォルミル基とR基として末端カルボキシルを有しており、これらの基の組み合わせ、およびそれらの間の間隔が、免疫賦活活性に関連していると考えられる。
.材料および方法
2.1.材料
同意を得ることのできた2人の健常人の末梢血を材料として用いた。
2.2.末梢血単核細胞(peripheral blood mononuclear cell:PBMC)の分離
ヘパリン加採血された全血検体からFicoll−Paque比重遠心法によりPBMCを分離した。
2.3.被験試料
上記実施例1で合成されたN−(3−カルボキシプロピル)−2−フォルミル−5−ヒドロキシメチルピロール(最終生成物2)、およびβ−N−(γ−グルタミル)−4−フォルミルフェニルヒドラジン(最終生成物1)を被験試料とした。
各実験に使用する細胞の培養液(10%FCS加RPMI−1640、5%ヒトAB血清加RPMI−1640)に、これらの化合物をそれぞれ200mg/mlの濃度で溶解し、孔径0.22μmのフィルターを通して濾過滅菌したものを被験試料とした。
2.4.免疫賦活活性の測定
上記化合物の免疫賦活活性効果を、インビトロにおけるヒト末梢血単球由来樹状細胞(dendritic cell:DC)誘導能から検討した。
PBMCを炭酸ガスインキュベーターで1時間ディシュ処理し、単球に富む付着細胞分画を得た。得られた細胞を、GM−CSF(DIACLONE Research製)およびIL−4(BD Biosciences製)の各々500U/ml存在下で、5%ヒトAB血清加RPMI−1640(日研生物医学研究所製)中で培養した。
培養には、径3.5cmのディッシュ(NUNC社製)を用いた。培養6日目にピシバニールおよび上記2つの化合物を、それぞれ最終濃度がピシバニールについては0.1KE/ml、そして上記2つの化合物については200μg/mlとなるように加えた。なお、ピシバニール(中外製薬製)は、DC誘導能をもつポジティブコントロールとして用いた。ネガティブコントロールは、5%ヒトAB血清加RPMI−1640を用いて同様に培養した細胞である。
ディシュ内のすべてのDCを培養開始7日目に回収し、その表面抗原をモノクローナル抗体(抗−CD80;BD Bioscience社製)を用いたフローサイトメトリーで解析した。なお、有意差検定はStudent’s t−testを用いて行った。
.結果
検討を行った被験体で、DC培養開始6日目に上記化合物を添加することによって、CD80分子の著しく強い発現誘導が認められた。その代表的パターンを示した一例を図1および図2に示す。
図1は、β−N−(γ−グルタミル)−4−フォルミルフェニルヒドラジン(最終生成物1)についての試験結果を示す。図1の上に示すチャートは、被験化合物非添加の細胞のフローサイトメトリー解析結果を、図1の下に示すチャートは、β−N−(γ−グルタミル)−4−フォルミルフェニルヒドラジンを添加した後の培養細胞のフローサイトメトリー解析結果を示す。図においてチャートの横軸は、蛍光強度(10g)を、縦軸は、細胞数を、そしてM1はコントロール抗体(IgG1FITC)測定値より設定した領域をそれぞれ示す。
図1に示されるように、β−N−(γ−グルタミル)−4−フォルミルフェニルヒドラジンの添加により、約92%(測定数値は示さず)のDC上にCD80の発現の増加が認められ、新規化合物の添加によって樹状細胞の活性化が誘導されることが示された。
同様に、図2は、N−(3−カルボキシプロピル)−2−フォルミル−5−ヒドロキシメチルピロール(最終生成物2)についての試験結果を示す。図2の上に示すチャートは、被験化合物非添加の細胞のフローサイトメトリー解析結果を、図2の下に示すチャートは、N−(3−カルボキシプロピル)−2−フォルミル−5−ヒドロキシメチルピロールを添加した後の培養細胞のフローサイトメトリー解析結果を示す。示されるチャートの横軸および縦軸は図1と同じである。
図2に示されるように、新規化合物N−(3−カルボキシプロピル)−2−フォルミル−5−ヒドロキシメチルピロールにより、約20%(測定数値は示さず)のDC上にCD80の発現の増加が認められ、N−(3−カルボキシプロピル)−2−フォルミル−5−ヒドロキシメチルピロールの添加によって樹状細胞の活性化が誘導されることが示された。
その一方、図3は、同じPBMCについて、DC培養開始6日目にピシバニール(中外製薬製)を添加することによって得られた結果を示す。ピシバニールはDC誘導能をもつことが知られる物質である。図3の上はピシバニール非添加、そして図3の下はピシバニール添加により、約26%(測定数値は示さず)のDC上にCD80の発現増加が認められ、ピシバニールの添加によって樹状細胞の活性化が誘導されたことを示す。
図1、図2および図3の結果により、N−(3−カルボキシプロピル)−2−フォルミル−5−ヒドロキシメチルピロール、およびβ−N−(γ−グルタミル)−4−フォルミルフェニルヒドラジンがDC誘導能をもち、特に、β−N−(γ−グルタミル)−4−フォルミルフェニルヒドラジン(最終生成物1)は、ピシバニールよりも強いDC誘導能を有することが示された。
(実施例3)白血病細胞株の増殖抑制作用
上記実施例1で合成したN−(3−カルボキシプロピル)−2−フォルミル−5−ヒドロキシメチルピロール(最終生成物2)、およびβ−N−(γ−グルタミル)−4−フォルミルフェニルヒドラジン(最終生成物1)について、白血病細胞株の増殖抑制作用を測定した。白血病細胞株の増殖抑制作用は、TUNEL法(terminal deoxynucleotidyl transferase(TdT)−mediated deoxyuridine triphosphate(dUTP)−biotin nick end−labeling method)を用いて測定した。
TUNEL法は、1992年、Gavrieliら(Yael Gavrieliら、The Journal of Cell Biology、第119巻、No.3、1992年11月、493−501頁)によって報告された、組織切片上アポトーシスを指摘する方法である。種々の病態における個々の細胞レベルでのアポトーシスの観察、形態変化との対比を可能にする方法として知られている。TUNEL法は、Gavrieliら(前述)の方法に準じ、Apoptosis in situ Detection Kit wako(和光純薬工業株式会社)を用い、白血病細胞株HL−60に対して行った。
N−(3−カルボキシプロピル)−2−フォルミル−5−ヒドロキシメチルピロールは、2.07×10−6M〜2.07×10−4M濃度範囲で、そしておよびβ−N−(γ−グルタミル)−4−フォルミルフェニルヒドラジンは、2.7×10−6M〜2.7×10−4M濃度範囲で試験した。結果を、図4および図5に示す。
図4は、種々の濃度のN−(3−カルボキシプロピル)−2−フォルミル−5−ヒドロキシメチルピロール(最終生成物2:図4の左上ではF−Pyと略して記載している)、およびβ−N−(γ−グルタミル)−4−フォルミルフェニルヒドラジン(最終生成物1:図4の左上ではF−φと略して記載している)存在下におけるHL−60細胞株の増殖曲線である。図4中の各シンボルは、図4の左上に示した各シンボルに対応して記載された濃度の成分の存在下における細胞数測定結果を示す(個/ml)。白丸は、アポトーシス誘導能についてポジティブコントロールのアクチノマイシンD(ACD)、そして黒丸は、薬剤なしの対照試験区である。
図4に示されるように、N−(3−カルボキシプロピル)−2−フォルミル−5−ヒドロキシメチルピロール、およびβ−N−(γ−グルタミル)−4−フォルミルフェニルヒドラジンのいずれもが、ほぼ濃度依存的にHL−60細胞の増殖を抑制し、特に、N−(3−カルボキシプロピル)−2−フォルミル−5−ヒドロキシメチルピロール(F−Py)の2.07×10−4M存在下、およびβ−N−(γ−グルタミル)−4−フォルミルフェニルヒドラジン(F−φ)の2.7×10−4M存在下では、HL−60細胞の増殖が著しく抑制されることが示された。
図5は、培養2日後の、N−(3−カルボキシプロピル)−2−フォルミル−5−ヒドロキシメチルピロール(F−Py)の2.07×10−4M存在下およびβ−N−(γ−グルタミル)−4−フォルミルフェニルヒドラジン(F−φ)の2.7×10−4M存在下における、アポトーシス陽性細胞の比率を示した図である。図5の横軸は各試験区を、そして縦軸はアポトーシスを起こした細胞の割合を示す。図5に示されるように、N−(3−カルボキシプロピル)−2−フォルミル−5−ヒドロキシメチルピロール(F−Py)の2.07×10−4M存在下では、約35%の細胞において、そしてβ−N−(γ−グルタミル)−4−フォルミルフェニルヒドラジン(F−φ)の2.7×10−4M存在下では、約70%の細胞においてそれぞれアポトーシスが誘導され、N−(3−カルボキシプロピル)−2−フォルミル−5−ヒドロキシメチルピロール、およびβ−N−(γ−グルタミル)−4−フォルミルフェニルヒドラジンがアポトーシス誘導能を有していることが確認された。
(実施例4)
実施例1で合成したβ−N−(γ−グルタミル)−4−フォルミルアニリン(最終生成物3)およびN−(4−カルボキシブチル)−2−フォルミル−5−ヒドロキシメチルピロール(最終生成物4)についても、実施例2と同様に、免疫賦活活性を測定する。β−N−(γ−グルタミル)−4−フォルミルアニリンおよびN−(4−カルボキシブチル)−2−フォルミル−5−ヒドロキシメチルピロール存在下で培養した樹状細胞上の表面抗原を、モノクローナル抗体(抗−CD80;BD Bioscience社製)を用いたフローサイトメトリーで解析することによって、DC細胞誘導能をアッセイし免疫賦活活性を確認する。
(実施例5)
上記実施例1.3、1.6および1.7で合成したATO−1、ATO−3、およびATO−4のそれぞれ6mgをエッペンドルフチューブに入れ、最終濃度が100μl/mlになるようにDMSOに溶解して各被験試料の溶液を作製した。得られた被験試料の溶液の各々を、さらにDMSOで希釈して各被験試料について異なる濃度の一連の希釈系列を作製した。得られた各被験試料の一連の希釈系列を、新しく採取した精製水(miliQ)で10倍希釈して被験液としてSOD活性を測定した。
SOD活性は、市販のキット(DOJINDO MOLECULAR TECHNOLOGIES,INC.社製)を用い、製造業者の指示書に準じて測定を行った。要約すれば、被験液をマイクロプレートに入れ、反応試薬を添加した。最後に酵素(SOD)溶液を添加し、37℃に20分間インキュベートした。反応後のマイクロプレートの吸光度を測定し、SOD様活性(酵素阻害活性)を次式により求めた。
SOD活性値(阻害率%)=[(Ablank1−Ablank3)−(Asample−Ablank2)]/(Ablank1−Ablank3)×100
ここで、Ablank1は阻害無しの全発色量を、Ablank2は被験液自体のブランクを、Ablank3はSOD酵素液のブランクをそれぞれ示す。
表1に結果を示す。
Figure 0004413599
表1に示されるように、ATO−1、ATO−3、およびATO−4のいずれも、その濃度が増加するにつれて、SODの活性を阻害する割合が増加し、83.3μg/mlの濃度で、SOD活性を、それぞれ約30%、40%および21%阻害することが示された。
免疫賦活活性およびスーパーオキシドジスムターゼ様活性を有する新規化合物が提供される。従来の天然素材から調製され、品質が変動する傾向にある従来の製品に代え、一定品質の生理活性を有する製剤が提供される。これらの新規化合物は、単球細胞から樹状細胞への誘導を促進する作用、そして活性酸素分解する作用を有するので、生体内への異物の侵入により開始される炎症応答を効率的に促進し、そして活性酸素と関連する老化および発癌を防止し得る薬学的組成物を提供し得る。
本発明の化合物の免疫賦活活性を示す図である。 本発明の化合物の免疫賦活活性を示す図である。 免疫賦活剤ピシバニールの免疫賦活活性を示す図である。 N−(3−カルボキシプロピル)−2−フォルミル−5−ヒドロキシメチルピロールおよびβ−N−(γ−グルタミル)−4−フォルミルフェニルヒドラジン存在下の白血病細胞株HL−60の増殖曲線を示す図である。 N−(3−カルボキシプロピル)−2−フォルミル−5−ヒドロキシメチルピロールおよびβ−N−(γ−グルタミル)−4−フォルミルフェニルヒドラジン存在下の白血病細胞株HL−60のアポトーシスを示す図である。

Claims (6)

  1. 以下の式Vで表される、合物。
    Figure 0004413599
  2. 以下の式Xで表される、合物。
    Figure 0004413599
  3. 請求項1又は2に記載の化合物、および薬学的に受容可能なキャリアを含む、薬学的組成物。
  4. 免疫賦活活性を有する、請求項に記載の薬学的組成物。
  5. 前記免疫賦活活性が樹状細胞誘導活性である、請求項に記載の組成物。
  6. スーパーオキシドジスムターゼ(SOD)様活性を有する、請求項に記載の組成物。
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