JP4413305B2 - Icカード - Google Patents

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JP4413305B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、コンデンサを有するたとえば非接触形態のICカードであって、特に、物理的強度を高め、製造コストを安価にすることができるICカードに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、非接触ICカードには、少なくとも電磁波を送受信するために用いられるコイルおよびICチップのみが搭載されているカードと、コイル、ICチップにさらにコンデンサが搭載されているカードがある。
コイルに直列もしくは並列にコンデンサを接続すると、共振をとることが可能となり、通信効率が高まり、通信特性、通信安定性を高めることができるという利点がある。また、コイル両端に整流ブリッジ回路を接続し、ブリッジ出力信号をICを駆動させるための電源電圧として用いる場合に、ブリッジ回路出力端をコンデンサを介して接地すると、電源電圧が安定し、コイルを通じて行われる通信が不安定になった場合も比較的安定した電源供給がICになされるという利点がある。
そこで、マイクロコンピュータなどの高機能で消費電力の大きい回路を作動させる場合には、通常、コンデンサを用いた回路構成とする場合が多い。
【0003】
このようなICカード実装用のコンデンサとしては、セラミックコンデンサが多く用いられている。
しかし、セラミックコンデンサが実装されたICカードは、コンデンサが比較的厚いため、カードとして収容した場合にコンデンサ実装部に凹凸を生じ易く、外観を損ね易い。一方、薄型のセラミックコンデンサを用いた場合、コンデンサの物理的強度が弱くなり、カードの物理的強度が弱まる。
【0004】
そこで、近年では、特開平10−135587号公報に開示されているように、シート状コンデンサを実装したICカードも開発されている。
蒸着などの技術を用いて形成されたシート状コンデンサは、セラミックコンデンサに比べ、フレキシブルであり、カードの物理的強度は、セラミックコンデンサと比較して強い。
また、シート状コンデンサをコイル形成済み基板に直接形成することにより、基板とコンデンサとの接続部を有さず、更に物理的強度の強いカードを実現することが出来る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、そのようなシート状コンデンサにもいくつかの問題点があり、改善が望まれている。
まず、そのようなシート状コンデンサは、誘電体材料、積層数などの関係から、同一の容量のセラミックコンデンサと比較し実装面積が大きくなるため、コンデンサ実装エリアを大きく取る必要があるという問題がある。
また、シート状コンデンサを形成する工程において、高温のエージングを要するためにベース基材として、ポリイミドなどの耐熱性の高い基材を用いる必要があり、基材コストがPETなどの耐熱性の低い基材と比較し高いという問題もある。
【0006】
したがって本発明の目的は、所望の容量のシート状コンデンサを狭い実装エリアに適切に収容し、高性能で物理的強度が強いICカードを提供することにある。
また、本発明の他の目的は、シート状コンデンサを用いながらより耐熱性の低い基材を多用することによりより安価なICカードを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために、本発明のICカードは、半導体集積回路とフレキシブルなシート状コンデンサとを有する電気回路が実装された基板が、基体内に収容されたICカードであって、前記基板は、前記ICカードに曲げの負荷がかかったときに一緒に曲がる基板であり、前記半導体集積回路は、その底面の全面を前記基板の一方の面に密着させて実装され、前記フレキシブルなシート状コンデンサは、前記基板の他方の面の、前記一方の面の前記半導体集積回路が実装されている領域の裏面の当該領域に対応する領域を包含する領域に直接的に密着するように形成されている。
【0008】
特定的には、前記電気回路は、電磁波の送受を行うためのコイルをさらに有し、前記コイルは、前記基板の前記一方の面または他方の面の、前記フレキシブルなシート状コンデンサが形成されている領域またはその領域の裏面の当該領域に対応する領域以外の領域に形成されている。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態について、図1〜図5を参照し説明する。
本実施の形態においては、ICカード内に収容されるコイルを介して、電磁波により非接触で外部装置と通信を行う、いわゆる非接触式ICカードを例示して本発明を説明する。
なお、以下の説明においては、ICカードのカード基材中に収容される、IC回路やコイルなどが実装されたいわゆるICカードモジュールについて説明するが、以後、これを単にICカードと言うものとする。
【0012】
第1の実施の形態
本発明の第1の実施の形態について、図1および図2を参照して説明する。
まず、第1の実施の形態のICカード100の構成について、図1を参照して説明する。
図1は、第1の実施の形態のICカード100の構成を示す図である。
図示にごとく、ICカード100には、基板101上にコンデンサ120およびコイル130が形成され、さらにIC112が実装されている。
基板101は、厚さが75μm程度のポリイミド基板であり、コイル形成領域102と、IC112を実装するIC実装領域103とに分けられる。
【0013】
コイル形成領域102には、銅箔により形成されたコイルパターン131により、コイル130が形成されている。
【0014】
IC実装領域103には、一方の面にIC112が実装されたIC実装部110が構成され、その裏面にコンデンサ120が形成されている。
IC112の実装されている面には、図示せぬ配線パターンおよび端子111が形成されており、IC112は、基板101に接着された上でこの端子111とワイヤ113により電気的に接続されている。
また、これらIC112、ワイヤ113およびその周辺配線パターンは、樹脂114により封止されている。
【0015】
コンデンサ120は、基板101のIC実装領域103のIC112の裏面に、図示のごとく、Alなどの2つの電極122,124とポリ尿素などの誘電体123をパターン蒸着することにより順に積層して形成したシート状コンデンサである。この2つの電極122,124は、スルーホール125を介してIC112側の回路と電気的に接続されている。また、コンデンサ120は、反対面のIC112の実装領域よりも大きく、その実装領域を包含するように形成されている。
【0016】
次に、このような構成のICカード100の製造方法について、図2を参照して説明する。
図2は、図1に示したICカード100の製造工程を説明するための図である。
まず、図2(A)に示すように、ポリイミド基板101の両面に銅箔を貼り、これにエッチングを施し、コイルパターン131、図示せぬIC実装領域103の配線、IC実装のための端子111、および、コンデンサ形成面の電極端子121を形成する。なお、本実施の形態では、銅箔エッチングにより配線などを形成しているが、Al箔のエッチングや導電性ペーストをパターン印刷することにより配線を形成してもよい。また、本実施の形態では、ベース基材としてポリイミドを用いているが、ガラエポ、PETなどの基材であってもよい。
そして、必要に応じ、スルーホール125の形成や、Ni、Auなどのメッキ処理を施す。
【0017】
次に、図2(B)に示すように、IC実装領域103のコンデンサ形成エリアに対し、ポリ尿素などの誘電体123およびAlなどの電極122,124を交互にパターン蒸着することにより、コンデンサ120を形成する。
その際、コンデンサ形成エリアは、対応する裏面のIC実装エリアよりも大きく、コンデンサ形成エリアとコイル形成エリアとは、重なりあわないようにレイアウトを行う。
【0018】
次に、図2(C)に示すように、IC実装面に対し、IC112を絶縁性接着剤もしくは導電性接着剤を用いて接着し、ICの各端子と基板上の各接続端子111とをワイヤーボンディングにより接続を行う。
最後に、必要に応じてIC周辺部を樹脂114により封止する。
そして、このような工程により製造されたICカード100を、PVCなどの基材で挟み込み、カード化を行う。
【0019】
このように、第1の実施の形態のICカード100においては、コンデンサ形成面とIC実装面とを異ならせているので、ベース基材面積を小さくすることが可能となり、カード内に具備される非接触ICモジュールの面積も小さくすることができる。
また、これにより、カードに対してエンボスなどの付加機能を付けることも容易となる。
【0020】
また、その際、コンデンサ形成エリアをIC実装エリアの裏面とし、コンデンサ形成エリアをIC実装エリアよりも大きくすることにより、IC実装エリアが比較的フラットとなり、ICの各接続端子と基板の端子とをワイヤーボンディングにより接続する場合に、ワイヤーボンディングの接続不良を低減することが可能となる。
また、コンデンサ形成エリアとコイル形成エリアとが重なりあわないようにレイアウトされているので、コンデンサによりコイルを通じて行われる通信の状態が悪くなる状態を回避することができる。
【0021】
その他、第1の実施の形態のICカード100においては、シート状のコンデンサを用いているので、コンデンサ部の物理的強度は高まり、ICカードに曲げなどの負荷がかかった場合の不具合が低減される。
また、そのシート状コンデンサの厚みは200μm以下なので、カード状態の外観が損なわれることがなく、物理的強度もさらに優れている。
また、コンデンサを基板に対して、蒸着重合法などの手段を用いて直接形成しているので、コンデンサと基板との接続部を設ける必要がなくなり、接続部がはずれることによる不具合の低減や、工程の削減ができる。
【0022】
第2の実施の形態
本発明の第2の実施の形態について、図3を参照して説明する。
図3は、第2の実施の形態のICカード200の構成を示す図である。
第2の実施の形態のICカード200は、基本的な構成は第1の実施の形態のICカード100と同じであるが、IC実装部210の構成がICカード100とは異なる。
すなわち、ICカード200においては、IC212の端子216と、基板201の端子211とを、異方性導電フィルム215を介して接続している。すなわち、IC212をフリップチップ実装しているものである。
その他のコイル130およびコンデンサ120の構成は、第1の実施の形態のICカード100と同じである。
【0023】
このような構成のICカード200の製造方法も、ワイヤボンディングによるIC112の実装が、異方性導電フィルム215を介した実装に変わるだけで、その他の製造手順などは、前述した第1の実施の形態のICカード100の製造方法と同じである。
【0024】
このように、第2の実施の形態のICカード200においても、第1の実施の形態のICカード100と同様に、コンデンサ形成面とIC実装面とを異ならせているので、ベース基材面積を小さくすることが可能となり、非接触ICモジュールの面積も小さくすることができ、エンボスなどの付加機能を付けることも容易となる。
【0025】
また、その際、コンデンサ形成エリアをIC実装エリアの裏面とし、コンデンサ形成エリアをIC実装エリアよりも大きくしているので、IC実装エリアが比較的フラットとなり、ICと基板とをフリップチップ接続を行う際も、ICの各接続端子に均等な圧力がかかるようになり、接続不良を低減することが可能となる。
その他、コイルを通じて行われる通信の状態を維持できる点、コンデンサ部の物理的強度は高まり、ICカードに曲げなどの負荷がかかった場合の不具合が低減される点、カード形状の外観が損なわれない点、コンデンサと基板との接続部に係わる不具合の低減や、工程の削減ができる点などは、第1の実施の形態のICカード100と同様である。
本発明のICカードは、このような構成で実施してもよい。
【0026】
第3の実施の形態
本発明の第3の実施の形態について、図4を参照して説明する。
図4は、第3の実施の形態のICカード300の構成を示す図である。
第3の実施の形態のICカード300は、ICおよびコンデンサを実装する基板と、コイル330を形成する基板とを、異なる基板により構成したものである。
図4に示すように、ICカード300は、コイル330が形成された第1の基板301と、IC312が実装されコンデンサ320が形成された第2の基板302とが電気的および物理的に接続および結合された構成である。
【0027】
第1の基板301は、厚さが50μm程度のPET基板である。
この第1の基板301の一方の面に、銅箔により形成されたコイルパターン331により、コイル330が形成されている。
また、第1の基板301のコイル330が形成さている面の裏面の一方の端部には、コイル330を、第2の基板302上に形成されるIC回路と電気的に接続するための端子333が形成されている。
【0028】
第2の基板302は、厚さが75μm程度のポリイミド基板である。
第2の基板302の一方の面には、IC312が実装されるIC実装部310が構成され、その裏面にはコンデンサ320が形成されている。
IC実装部310においては、第2の基板302上に、図示せぬ配線パターンおよび端子311が形成されており、IC312は、基板302に接着された上でこの端子311とワイヤ313により電気的に接続されている。
また、これらIC312、ワイヤ313およびその周辺配線パターンは、樹脂314により封止されている。
【0029】
コンデンサ320は、Alなどの2つの電極322,324とポリ尿素などの誘電体323をパターン蒸着することにより順に積層して形成したシート状コンデンサである。この2つの電極322,324は、スルーホール325を介してIC実装部310の回路と電気的に接続されている。また、コンデンサ320は、反対面のIC312の実装領域よりも大きく、その実装領域を包含するように形成されている。
【0030】
また、第2の基板302のIC実装部310側の面の一方の端部には、第2の基板302上の回路を第1の基板301上のコイル330と電気的に接続するための端子335が形成されている。
【0031】
そして、第1の基板301の端子333と第2の基板302の端子335とが、図示のごとく、異方性導電フィルム334を介して重ね合わせ結合されており、これにより、第1の基板301と第2の基板302、換言すれば、第1の基板301のコイル330と第2の基板302のIC実装部310の回路とが接続されている。
【0032】
次に、このような構成のICカード300の製造方法について説明する。
まず、ポリイミドに両面銅箔貼りがなされた第2の基板302に対して、両面エッチングを施し、IC実装部310の図示せぬ配線レイアウト、IC312を実装するための端子311、コンデンサ形成面の電極端子321を形成する。なお、本実施の形態では、銅箔エッチングにより配線などを形成しているが、Al箔のエッチングや導電性ペーストをパターン印刷することにより配線を形成してもよい。また、本実施の形態では、第2の基板302のベース基材としてポリイミドを用いているが、ガラエポ、PETなどの基材であってもよい。
配線を形成したら、必要に応じ、スルーホール325の形成やNi,Auなどのメッキ処理を施す。なおこの際、IC312を実装する面とコンデンサ320を形成する面とは異ならせる。
【0033】
次に、IC実装部310の裏側の第2の基板302のコンデンサ形成エリアに対し、ポリ尿素などの誘電体323およびAlなどの電極322,324を交互にパターン蒸着し、コンデンサ320を形成する。
そして、第2の基板302のIC実装面に対し、IC312を絶縁性接着剤を用いて接着し、ワイヤーボンディングを行い、IC312の各端子と基板上の各接続端子311とをワイヤ313により接続を行う。なお、IC312は、第2の実施の形態のICカード200のように、異方性導電フィルムを介してフリップチップ実装を行うようにしてもよい。
そして最後に、IC実装部310を樹脂314により樹脂封止する。
このような工程を経て、第2の基板302の作製を行う。
【0034】
また、第1の基板301については、PETに両面銅箔貼りがなされた基板に対してエッチングを施し、コイル330を形成する。なお、本実施の形態では、銅箔エッチングにより配線などを形成しているが、Al箔のエッチングや導電性ペーストをパターン印刷することにより配線を形成してもよい。また、本実施の形態では、第1の基板301のベース基材としてPETを用いているが、ポリイミド、ガラエポなどの基材であってもよい。
【0035】
次に、これら第1の基板301および第2の基板302に対して、相互に接続が可能なように、接続端子333,335を設ける。本実施の形態においては、第1の基板301については、第1の基板301の端部でコイル330形成面の反対面に、また、第2の基板302については、IC実装部310側の面の第2の基板302の端部に、各々端子333および端子335を設けている。
そして、第2の基板302の端子335周辺に異方性導電フィルム334を仮圧着し、第1の基板301を第2の基板302に、第1の基板301の端子333が第2の基板302の端子335に重なり合うように重ね合わせ、接続部に熱圧を加えることにより基板1と基板2の接続を行う。
このような工程により作製されたICカード300を、PVCなどの基材で挟み込み、カード化を行う
【0036】
なお、第1の基板301と第2の基板302の接続は、端子333,335の一方に、導電接着剤、異方性導電ペーストもしくは半田を塗布し、第1の基板301と第2の基板302とを重ね合わせ、熱や圧力を印可することにより、接続を行うようにしてもよい。
【0037】
このように、第3の実施の形態のICカード300においては、コンデンサを形成しICを実装した基板(第2の基板302)とコイルを形成した基板(第1の基板301)とが分割されているので、基板1の材質と基板2の材質とを異ならせることが可能となる。その結果、第2の基板302については、コンデンサ形成やIC実装、IC樹脂封止などの工程に有効なように耐熱性の高い基材を用い、第1の基板301については、耐熱性が比較的低い基材を用いることが可能となる。その結果、第1の基板301に関しては、比較的安価な基材を選択することも可能となる。
また、第2の基板302において、接続端子335をIC実装面に設けているので、第1の基板301と第2の基板302を接続することにより、ICカード300の厚さが厚くなることを防いで薄くすることが可能となり、0.84mm以下のカードを作ることが容易となる。
【0038】
その他、コンデンサ形成面とIC実装面とを表裏にしているので、第2の基板302のベース基材面積を小さくすることができる点、これによりエンボスなどの付加機能を付けることが容易となる点、IC実装エリアが比較的フラットとなりICに対する接続不良を低減することが可能となる点、コイルを通じて行われる通信の状態を維持できる点、コンデンサ部の物理的強度は高まり、ICカードに曲げなどの負荷がかかった場合の不具合が低減される点、カード形状の外観が損なわれない点、コンデンサと基板との接続部に係わる不具合の低減や、工程の削減ができる点などは、前述した各実施の形態と同様である。
【0039】
第4の実施の形態
本発明の第4の実施の形態について、図5を参照して説明する。
図5は、第4の実施の形態のICカード400の構成を示す図である。
第4の実施の形態のICカード400は、第3の実施の形態と同様に、ICおよびコンデンサを実装する基板とコイルを形成する基板とを異なる基板により構成したものであり、さらに、ICおよびコンデンサを1つの基板の同一面側に構成したものである。
図5に示すように、ICカード400は、コイル430が形成された第1の基板401と、IC412が実装されコンデンサ420が形成された第2の基板402とが電気的および物理的に接続および結合された構成である。
【0040】
第1の基板401は、厚さが50μm程度のPET基板である。
この第1の基板401の一方の面に、銅箔により形成されたコイルパターン431により、コイル430が形成されている。
また、第1の基板401のコイル430が形成さている面の一方の端部には、コイル430を、第2の基板402上に形成されるIC回路と電気的に接続するための端子433が形成されている。
【0041】
第2の基板402は、厚さが75μm程度のポリイミド基板である。
第2の基板402の一方の面には、IC412が実装されるIC実装部410と、コンデンサ420が形成されている。
IC実装部410においては、第2の基板402上に、図示せぬ配線パターンおよび端子411が形成されており、IC412は、基板402に接着された上でこの端子411とワイヤ413により電気的に接続されている。
【0042】
コンデンサ420は、Alなどの2つの電極422,424とポリ尿素などの誘電体423をパターン蒸着することにより順に積層して形成したシート状コンデンサである。この2つの電極422,424は、図示せぬ配線パターンを介してIC実装部410の回路と電気的に接続されている。
【0043】
また、第2の基板402のIC実装部410の裏面のIC412が接続されている位置の裏側の位置には、第2の基板402上の回路を第1の基板401上のコイル430と電気的に接続するための端子435が形成されている。
【0044】
そして、第1の基板401の端子433と第2の基板402の端子435とが、図示のごとく、異方性導電フィルム434を介して重ね合わせ結合されており、これにより、第1の基板401と第2の基板402、換言すれば、第1の基板401のコイル430と第2の基板402のIC実装部410の回路とが接続されている。
【0045】
このような構成のICカード400の製造方法は、コンデンサ420を第2の基板402のIC実装部410と同じ面に形成する点を除いて、基本的に、前述した第3の実施の形態のICカード300の製造方法と同じである。
【0046】
このように、第4の実施の形態のICカード400においては、第2の基板402の第1の基板401との接続端子435を、第2の基板402の中央部付近に設けているので、第1の基板401と絵02の接続部にかかる負荷が低減され、第1の基板401と第2の基板402との接続不具合は低減される。
【0047】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、所望の容量のシート状コンデンサを狭い実装エリアに適切に収容し、高性能で物理的強度が強いICカードを提供することができる。また、シート状コンデンサを用いながらより耐熱性の低い基材を多用することができる安価なICカードを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の第1の実施の形態のICカードの構成を示す図である。
【図2】図2は、図1に示したICカードの製造工程を説明するための図である。
【図3】図3は、本発明の第2の実施の形態のICカードの構成を示す図である。
【図4】図4は、本発明の第3の実施の形態のICカードの構成を示す図である。
【図5】図5は、本発明の第4の実施の形態のICカードの構成を示す図である。
【符号の説明】
100,200,300,400…ICカード
101,201…基板
102…コイル形成領域
103…IC実装領域
301,401…第1の基板
302,402…第2の基板
110,210,310,410…IC実装部
111,211,311,411…端子
112,212,312,412…IC
113,313,413…ワイヤ
114,314…樹脂
215…異方性導電フィルム
216…端子
120,320,420…コンデンサ
121,321,421…電極端子
122,124,322,324,422,424…電極
123,323,423…誘電体
125,325…スルーホール
130,330,430…コイル
131,331,431…コイルパターン
333,433…端子
334,434…異方性導電フィルム
335,435…端子

Claims (2)

  1. 半導体集積回路とフレキシブルなシート状コンデンサとを有する電気回路が実装された基板が、基体内に収容されたICカードであって、
    前記基板は、前記ICカードに曲げの負荷がかかったときに一緒に曲がる基板であり、
    前記半導体集積回路は、その底面の全面を前記基板の一方の面に密着させて実装され、
    前記フレキシブルなシート状コンデンサは、前記基板の他方の面の、前記一方の面の前記半導体集積回路が実装されている領域の裏面の当該領域に対応する領域を包含する領域に直接的に密着するように形成されている
    ICカード。
  2. 前記電気回路は、電磁波の送受を行うためのコイルをさらに有し、
    前記コイルは、前記基板の前記一方の面または他方の面の、前記フレキシブルなシート状コンデンサが形成されている領域またはその領域の裏面の当該領域に対応する領域以外の領域に形成されている
    請求項1に記載のICカード。
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