JP4412608B2 - 接合方法および接合体 - Google Patents

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Description

本発明は、突合せ接合を摩擦攪拌によって行なう接合方法およびこれにより接合された接合体に関する。
金属基複合材料(MMC)は、ブレーキディスクやステージとして使用されている。一方、固相接合である摩擦攪拌接合(FSW)によりアルミMMC同士の接合が可能であることを示す文献が存在する(たとえば、特許文献1および特許文献2参照)。
特許文献1等に記載される摩擦攪拌接合用工具は、非鉄合金と同じように、MMCs、鉄合金、非鉄合金および超合金を摩擦攪拌接合する工具である。この工具は、軸部、肩部および肩部を経て軸部に配置されたピンを含み、ピンおよび肩部は少なくとも高耐磨耗性材料により被覆され、ストレスライザーを減ずるように設計されている。また、摩擦攪拌接合用工具肩部は、軸部に対する運動を防ぐように肩部および軸部の一部分の周りにカラーを配置し、肩部と軸部との間およびカラーと工具との間に熱流障壁を設けて熱管理をする。このようにして、耐摩耗特性を向上させた摩擦攪拌接合用の工具を提供している。
特表2003−532542号公報 特表2003−532543号公報
金属基複合材料(MMC)は、ブレーキディスクやステージとして使用されている。しかし、MMCはその組成の著しい変化のため溶融溶接が困難である。主に、ろう付けや鋳ぐるみ接合などで接合するか、バルク素材から切り出して利用することしかできなかった。固相接合である摩擦攪拌接合(FSW)によりアルミMMC同士接合が可能であることが示されている(特表2003−532542号公報、特表2003−532543号公報)が、接合ツールの損傷が激しく、また接合ツール材の接合部位への混入などの問題がある。このため、まだ実用化されている事例はない。
金属基複合材料(MMC)は、溶融溶接での接合が困難である。非溶融の摩擦攪拌接合により固相接合が可能であるが、金属基複合材料同士の接合界面に接合ツールの中心を挿入して回転させるため、特殊なツールを必要とするうえ、接合ツールの損傷が大きく、接合部への混入が見られるなど問題がある。
このように、MMCによる精密部品は近年、大型化が進んでいる。大型化に対応する方法として、製品を分割製造して接合する技術が必要となっている。MMCは、溶接が困難な材料であり、非溶融の固相接合である摩擦攪拌接合の適用が模索されているが、工具の磨耗が激しいなど問題が多い。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、材料の無駄を削減し、切削時の損傷に起因する工具コストを削減することができる接合方法および接合体を提供することを目的とする。
(1)上記の目的を達成するため、本発明に係る接合方法は、金属基複合材料と金属とを接合する方法において、軟質金属を摩擦攪拌することにより生じた塑性流動により、金属基複合材料と軟質金属とを接合する。
このように、本発明の接合方法では、金属基複合材料(MMC)と軟質金属を接合するときは、金属側に接合ツールのピンを挿入し軟質金属を摩擦攪拌することにより、界面で塑性流動を引き起こし接合する。これにより、構造物の作製を容易にし、バルク材から切り出し成形する必要がなくなる。その結果、大型の鋳型が不要となり、材料の無駄を削減することができる。また、切削時の損傷に起因する工具コストを削減することができる。
(2)また、本発明に係る接合方法は、金属基複合材料同士を連結する方法において、金属基複合材料の突合せ面間に軟質金属を中間材として介在させ、軟質金属を摩擦攪拌することにより、接合界面部分における塑性流動により接合することで金属基複合材料同士を連結することを特徴としている。
このように、溶融溶接が困難な金属基複合材料を、軟質金属を介して接合することから、これまで、バルク素材から切り出さなければ作製できなかった製品に応用でき、材料コスト、製造コストを大きく削減できる。
(3)また、本発明に係る接合方法は、前記金属基複合材料がアルミ基複合材料であり、前記軟質金属がアルミニウムであることを特徴としている。
このように、アルミ基複合材料にアルミニウムを接合するため、酸化物層を除去する等の前処理を必要とせず、接合界面を残さず良好な接合を実現することができる。
(4)また、本発明に係る接合体は、金属母材および前記金属母材中に分散された強化材により形成される金属基複合材料部材と、軟質金属により形成され、前記金属基複合材料部材に接合される金属部材と、を備え、両部材の接合部では、塑性流動により前記強化材が金属部材側に拡散していることを特徴としている。
これにより、バルク材から切り出し成形した構造物に代えて、本発明の接合体を種々の構造物に用いることができる。その結果、大型の鋳型が不要となり、材料の無駄を削減し、切削時の損傷に起因する工具コストを削減することができる。また、溶接により接合されている接合体とは異なり、本発明の接合体は塑性流動により接合され、強化材が金属部材側に分散して接合を良好にしているため、接合部の強度が必要な部材に利用することができる。
(5)また、本発明に係る接合体は、前記強化材が拡散する領域は、両部材の接合面から100μm以上にわたることを特徴としている。
このように、本発明の接合体は塑性流動により接合され、強化材が金属部材側に100μm以上にわたって分散しているため、接合部の強度が必要な部材に利用することができる。
(6)また、本発明に係る接合体は、前記金属部材は、前記金属基複合材料部材の金属母材と同種の金属材料であることを特徴としている。
このように、金属基複合材料部材の金属母材と同種の材料の金属部材を用いて、金属基複合材料部材と金属部材とを接合するため、酸化物層を除去する等の前処理を必要とせず、接合界面を残さず良好な接合を実現することができる。
(7)また、本発明に係る接合体は、金属母材および前記金属母材中に分散された強化材により形成される複数の金属基複合材料部材と、軟質金属により形成され、前記複数の金属基複合材料部材に接合されることにより、前記複数の金属基複合材料部材を連結する金属部材と、を備え、各接合部では、塑性流動により前記強化材が金属部材側に拡散していることを特徴としている。
このように、溶融溶接が困難な金属基複合材料部材を、軟質金属を接合することにより、連結しているため、これまで、バルク素材から切り出さなければ作製できなかった製品に応用でき、材料コスト、製造コストを大きく削減できる。
(8)また、本発明に係る接合方法は、2つの部材を、ピン部を有する回転ツールを用いて摩擦攪拌接合する接合方法において、金属母材および前記金属母材中に分散された強化材により形成される金属基複合材料部材と、軟質金属により形成される金属部材とを突き合わせる突合せ工程と、前記金属部材側に前記ピン部の中心軸を合わせ、両部材の突合せ面から前記前記ピン部までのオフセットが±1mm以下となるように、前記ピン部を挿入するピン挿入工程と、前記オフセットを維持しながら、前記ピン部を回転移動させて摩擦攪拌を行なう摩擦攪拌工程と、を含むことを特徴としている。
このように、本発明の接合方法では、金属基複合材料と軟質金属を接合するときは、この金属側に接合ツールのピンを挿入し摩擦攪拌することにより、界面で塑性流動を引き起こし接合する。ほとんどピン部を金属基複合材料部材に挿入しないため、回転ツールの回転方向に依らず接合することができる。その結果、金属部材の両側で同時に金属基複合材料部材を接合することができ、金属基複合材料部材同士の連結が可能となる。
上記のように、軟質金属に接合ツールのピンを挿入し摩擦攪拌することにより、金属基複合材料との接合界面で塑性流動を起こすことにより、接合を可能にする。接合ツールのピンを金属基複合材に挿入しない、もしくはわずかに挿入することにより、接合界面で塑性流動を引き起せるため、接合ツールの損傷を抑えることができる。MMCの摩擦攪拌接合では、超鋼やPCBNといった特殊な接合ツールが用いられるが、本法によればピンのオフセット量を調整すれば、通常の工具鋼でも実施が可能である。ただし、金属基複合材料側にオフセットして軟質金属への粒子分散を行う場合には、ツールの損傷が少なからずあるため、超鋼のような高い硬度を持つ材料を接合ツールとする必要がある。
本発明の接合方法によれば、構造物の作製を容易にし、バルク材から切り出し成形する必要がなくなる。その結果、大型の鋳型が不要となり、材料の無駄を削減することができる。また、切削時の損傷に起因する工具コストを削減することができる。
また、本発明の接合方法によれば、溶融溶接が困難な金属基複合材料を、軟質金属を介して接合することから、これまで、バルク素材から切り出さなければ作製できなかった製品に応用でき、材料コスト、製造コストを大きく削減できる。
また、本発明の接合体によれば、バルク材から切り出し成形した構造物に代えて、本発明の接合体を種々の構造物に用いることができる。その結果、大型の鋳型が不要となり、材料の無駄を削減し、切削時の損傷に起因する工具コストを削減することができる。また、溶接により接合されている接合体とは異なり、本発明の接合体は塑性流動により接合され、強化材が金属部材側に分散して接合を良好にしているため、接合部の強度が必要な部材に利用することができる。
また、本発明の接合方法によれば、金属基複合材料と軟質金属を接合するときは、この金属側に接合ツールのピンを挿入し摩擦攪拌することにより、界面で塑性流動を引き起こし接合する。ほとんどピン部を金属基複合材料部材に挿入しないため、回転ツールの回転方向に依らず接合することができる。その結果、金属部材の両側で同時に金属基複合材料部材を接合することができ、金属基複合材料部材同士の連結が可能となる。
上記のように、金属基複合材料は、溶融溶接が困難なため、構造物を作製する場合は、バルク材から切り出し成形することが多い。このため、大型の鋳型を必要とする上、材料の無駄が多く、また切削時に工具に損傷があるため工具コストかかるなどなど問題が多い。本発明は、アルミ材を介して、金属基複合材料同士の接合を可能にするため、それらの欠点を解消する。汎用の工作機械でも行えることから、波及効果は大きいものと考えられる。また、強化材を摩擦攪拌作用により軟質金属の攪拌領域に分散させることができることから、これまでにない新しい粒子分散法としても重要である。
本発明方法では、金属基複合材料(MMC)と軟質金属を接合するときは、この金属側に接合ツールのピンを挿入し摩擦攪拌することにより、界面で塑性流動を引き起こし接合する。金属基複合材料にピンをわずかもしくはほとんど入れないため、ピンの損傷はほとんどない。複合材料同士を接合する場合は、両者の突合せ側の面間に軟質金属を介在させておき、この金属に接合ツールのピンを挿入し摩擦攪拌することにより、界面で塑性流動を引き起こし、金属基複合材料と接合をする。ピンを金属基複合材料側へオフセットし、接合速度、回転数を調整することにより、塑性流動状態を変化させ、金属基複合材料内の強化材を軟質金属内に塑性流動で分散させることが可能である。
溶融溶接が困難な金属基複合材料(MMC)を軟質金属を介して接合できることから、これまで、バルク素材から切り出してしか作製できなかった製品に応用でき、材料コスト、製造コストを大きく削減できるため、産業上大きな利用価値がある。
以下に、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。また、説明の理解を容易にするため、各図面において同一の構成要素に対しては同一の参照番号を付し、重複する説明は省略する。
(実施形態1)
図1は、アルミニウム基MMC部材とアルミニウム部材とを摩擦攪拌接合により接合した接合体1の斜視図である。図1に示すように、接合体1は、MMC部材10(金属基複合材料部材)およびアルミニウム部材20(金属部材)が、接合部25において接合されることで構成されている。MMC部材10は、板形状であり、アルミニウムの母材および母材中に分散されたSiCセラミックスの強化材により形成されている。母材中の強化材の割合は30vf%である。MMC部材10は、強化材にSiCに代えてアルミナを用いたものであってもよい。その場合には、たとえば母材中の強化材の割合を37vf%とする。
なお、母材および強化材の材料は、特に上記のものに限定されない。母材中の強化材の割合は、30vf%〜70vf%であることが好ましい。例えば30vf%〜50vf%のMMC部材10を用いれば、接合しやすさが求められる部材に応用できる。55vf%〜70vf%のMMC部材10を用いれば、強度が高い部材に応用できる。アルミニウム部材20は、アルミニウムにより板形状に形成されている。金属部材には、アルミニウム等の軟性金属を用いることが好ましい。軟性金属を用いて摩擦攪拌接合することで、塑性流動により接合が良好となる。軟性金属にはマグネシウムや銅も含まれ、特にアルミニウムに限定されない。
金属基複合材料部材の母材および金属部材を共に塑性流動させる必要があるため、母材および金属部材は同じ素材であることが望ましい。異種の材料を接合すると接合界面残りやすく、場合によっては表面の酸化物層を除去する必要がある。接合面30は、両部材が接合されることで形成された界面である。少なくとも、接合面30近傍で母材の塑性流動が発生すれば、材料に依らず接合は可能である。ただし、強化材の分散領域によって硬度分布は変わると考えられる。また、接合強度は、攪拌されたアルミ部の強度やツールによる攪拌領域の変化に依存する。
図2は、接合部25付近を接合面30に垂直に切断した断面の電子顕微鏡(SEM)写真である。図2は、接合面30を界面として、MMC部材10とアルミニウム部材20とが接合されている様子を示している。アルミニウム部材20側に見える粒子は、MMC部材10から拡散した強化材31である。接合部25付近では、摩擦攪拌時の塑性流動によりアルミニウム部材20側へ100μmを超えて強化材31が拡散している。
次に、上記の接合体1の製造方法を説明する。接合体1は、ピン部を有する回転ツールを用いて摩擦攪拌接合する接合方法により製造されている。図3は、回転ツールのピン部を部材に挿入する様子を示す断面図である。また、図4は、ピン部を回転移動させて摩擦攪拌を行なう工程を示す平面図である。回転ツール40には、超鋼などの高硬度材料製のものを使う必要はなく、アルミの摩擦撹拌が可能な通常の工具鋼を用いればよい。金属基複合材料部材の母材と金属部材の材料が塑性流動すれば十分であるため、回転ツール40のピン部42の形状は、ストレートまたはねじきりのいずれも使用可能である。ピン部42の形状は、上下方向の塑性流動を促進するためストレートピンの中央部に窪みをつけた形状であってもよい。
まず、MMC部材10の側面と、アルミニウム部材20の側面とを突き合わせる。次に、図3(a)に示すように、アルミニウム部材20側にピン部42の中心軸が入るように設定し、両部材の突合せ面35からピン部42までのオフセットDが±1mm以下となるようにA方向へ、ピン部42を挿入する。オフセットとは、突合せ面35からピン部42の外周面までの間隔をいい、突合せ面35からMMC部材10側へピン部42が入っているときには、プラス、アルミニウム部材20内にピン部42が収まっているときにはマイナスとなる。オフセットDは、±1mm以内であることが好ましい。
本発明の製造方法では、回転ツール40のピン部42は部材の片側にしか挿入しない状態(−オフセット)でも、その片側での塑性流動により相手材の塑性流動を引き起こし、接合を可能にしている。+オフセット量が大きいとMMC部材10側での発熱量が大きくなり、大きな欠陥が発生しうる。このため、+オフセット量をなるべく小さくする、もしくは−オフセットとすることが好ましい。なお、金属部材の材料が金属基複合材料部材の母材の材料と異なる場合には、金属基複合材料部材側にオフセットした方が、接合が良好となる。図3(b)に示すように、ピン部42の挿入は、回転ツール40のショルダー部43がアルミニウム部材20に0.5mm以下の間隙を残すか、または接触するまで行なう。
ピン部42を挿入したら、図4に示すように、挿入したときのオフセットを維持し、ピン部42をB方向に回転させながらC方向に移動させて摩擦攪拌を行なう。摩擦攪拌された接合部25付近では塑性流動が生じ、両部材が接合される。なお、回転方向はMMC部材10側でC方向と同じになる向き(B方向)であることが好ましいが、逆向きであってもよい。
(実施形態2)
上記の実施形態では、接合体1は、MMC部材10とアルミニウム部材20との接合により形成されているが、アルミニウム部材を中間材として複数のMMC部材に接合し、MMC部材同士を連結してもよい。
図5は、アルミニウム部材を中間材として2つのMMC部材を連結した接合体51の斜視図である。図5に示すように、2つの板状のMMC部材61および62は、アルミニウム部材70と、それぞれ接合面81、接合面82で接合されている。
次に、上記の接合体51の製造方法を説明する。接合体51は、ピン部を有する回転ツールを用いて摩擦攪拌接合する接合方法により製造されている。図6は、回転ツールのピン部を部材に挿入している様子を示す断面図である。また、図7は、ピン部を回転移動させて摩擦攪拌を行なう工程を示す平面図である。
まず、アルミニウム部材70を挟んで、アルミニウム部材70の両側からそれぞれのMMC部材61および62の側面と、アルミニウム部材70の側面とを突き合わせる。次に、アルミニウム部材70にピン部42の中心軸が入るように設定し、両部材の突合せ面91および92からピン部42までのオフセットD1およびD2がそれぞれ±1mm以下となるように、ピン部42を挿入する。オフセットは、±1mm以内であることが好ましい。ピン部42の挿入は、回転ツール40のショルダー部43がアルミニウム部材70に0.5mm以下の間隙を残すか、または接触するまで行なう。
ピン部42を挿入したら、図7に示すように、挿入したときのオフセットを維持し、ピン部42をE方向に回転させながらF方向に移動させて摩擦攪拌を行なう。摩擦攪拌された接合部75付近では塑性流動が生じ、MMC部材とアルミニウム部材とが接合される。なお、回転方向はE方向でもその逆向きであってもよい。本発明の製造方法では、回転ツール40のピン部42はアルミニウム部材70にしか挿入しない状態(−オフセット)でも、その片側での塑性流動により相手材の塑性流動を引き起こし、接合を可能にしている。このため、回転ツール40の回転方向に依存しないで接合できる。従来の異材接合では、ピン部42を高硬度材側に挿入する(+オフセット)必要があったため、回転方向によっては接合できない場合があった。しかし、本発明の接合方法では、回転方向に依存せず、攪拌をしているアルミニウム部材70の両側で接合がなされる。これにより、アルミニウム部材70を挟んでMMC部材61および62の接合が可能となる。
なお、上記の実施形態では、部材に板形状のものを用いているが、その他の形状にも応用が可能である。
マシニングセンタにアルミ(A6063)とアルミMMC(30%SiC+Al−10Si)の板材(ともに190×20×t5mm)を長尺方向をつき合わせた状態で設置し、その接合界面よりアルミ材側に接合ツール(ショルダー径20mm、ピン径4mm長さ4.5mm)を回転させながら挿入し、その接合界面に沿って移動させる(図8参照)。回転数3000rpm、接合速度500mm/min、アルミ側に0.1mmオフセットし(MMC内にピンを挿入しない状態)、正転および逆転の2種類を行った結果、両条件で接合していることが確認された。この結果、アルミを中間材として介在させてアルミMMC同士を接合できることが明らかになった。また、MMC側に0、0.1mmオフセットとした場合でも接合が確認され、その時アルミMMC内の強化材がアルミ内に分散することが確認された。
また、オフセットを−0.1mm〜+0.1mmの範囲に設定して接合した(+はMMC側にピンを挿入した場合)。正回転(MMC側でツールの回転方向と接合方向が一致する)では、どのオフセットでも接合可能であったが、逆回転(MMC側でツールの回転方向と接合方向が反対となる)では+オフセット時に接合界面で欠陥が発生し、良好な接合が得られなかった。オフセット−0.1mmでは、正転・逆転とも(1)回転数3000rpm,接合速度500mm/min、(2)回転数3000rpm,接合速度200mm/min、(3)回転数4000rpm,接合速度500mm/minの条件で接合が確認された。図9は、接合が確認されたときの接合部付近の断面を示す電子顕微鏡写真である。
図10のように、MMC部材同士の接合において、バイスによってMMC部材でアルミニウム部材を挟み込んで固定(MMC−Al−MMC)した実験では、接合中にアルミニウム部材がMMCの間を滑ることから、アルミニウム部材を治具で固定する必要があった。
両方のMMC部材に対し、オフセットは−1.0mm以下で(1)回転数3000rpm,接合速度200mm/min(2)回転数4000rpm,接合速度500mm/minの条件で接合実験を行い、接合が確認された。
本発明に係る接合体の斜視図である。(実施形態1) 接合部付近を切断した断面の電子顕微鏡(SEM)写真である。 ピン部を部材に挿入する工程を示す断面図である。(実施形態1) ピン部を回転移動させて摩擦攪拌を行なう工程を示す平面図である。(実施形態1) 本発明に係る接合体の斜視図である。(実施形態2) ピン部を部材に挿入している工程を示す断面図である。(実施形態2) ピン部を回転移動させて摩擦攪拌を行なう工程を示す平面図である。(実施形態2) 実施例1を示す図である。 実施例1を示す図である。 実施例2を示す図である。
符号の説明
1、51 接合体
10、61、62 MMC部材(金属基複合材料部材)
20、70 アルミニウム部材(金属部材)
25、75 接合部
30、81、82 接合面
31 強化材
35、91、92 突合せ面
40 回転ツール
42 ピン部
43 ショルダー部
D、D1、D2 オフセット

Claims (8)

  1. 金属母材および該金属母材中に分散された強化材により形成される金属基複合材料部材
    と、
    軟質金属により形成され、該金属基複合材料部材に接合される金属部材と、を備え、
    両部材の接合部では、該両部材の突合せ面からオフセットが1mm以下となるように該金属部材側に中心軸を合わせて挿入したピン部の回転で生じた該金属部材の塑性流動により該強化材が金属部材側に拡散しており、
    該強化材が拡散する領域は、両部材の接合面から100μm以上にわたることを特徴と
    する接合体。
  2. 前記金属部材は、前記金属基複合材料部材の金属母材と同種の金属材料であることを特
    徴とする請求項1記載の接合体。
  3. 前記金属基複合材料部材がアルミ基複合材料であり、前記金属部材がアルミニウムであ
    ることを特徴とする請求項2記載の接合体。
  4. 前記金属部材を中間材として、複数の前記金属基複合材料部材が接合されていることを
    特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の接合体。
  5. 請求項1から請求項4記載の接合体を製造する製造方法であって、
    前記金属部材を摩擦攪拌することにより生じた塑性流動により、前記両部材の接合面か
    ら100μm以上にわたり前記強化材を拡散させることを特徴とする接合体の製造方法。
  6. 前記金属基複合材料部材と前記金属部材とを、ピン部を有する回転ツールを用いて摩擦
    攪拌接合することを特徴とする請求項5記載の接合体の製造方法。
  7. 前記金属基複合材料部材と前記金属部材とを突き合わせる突合せ工程と、
    前記金属部材側に該ピン部の中心軸を合わせ、両部材の突合せ面から該ピン部までのオ
    フセットが1mm以下となるように、該ピン部を挿入するピン挿入工程と、を含むこと
    を特徴とする請求項6記載の接合体の製造方法。
  8. 前記オフセットを維持しながら、前記ピン部を回転移動させて摩擦攪拌を行なう摩擦攪
    拌工程を更に含むことを特徴とする請求項7記載の接合体の製造方法。
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