JP4411357B2 - 画像処理方法、装置および記録媒体 - Google Patents

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本発明は、画像のヒストグラムに応じて画像補正処理を行う画像処理方法、装置および記録媒体に関する。
近年のパソコンの高速化、メモリの大容量化の加速と、とくにデジタルカメラやフォトスキャナーが普及したことに伴って、フォト画像のデジタル化が一般の人にも手軽に行えるようになり、パソコン上でデジタルデータとして写真調の画像を扱う機会が増えてきた。また、インクジェットプリンターを代表する出力機器側も高画質化、低価格化が進み一般のユーザーが自宅で写真を手軽に出力するという需要も急速に高まっている。
しかしながら、上記写真調の入力画像は以下の理由により、色かぶりなどの画像の劣化要因を付帯している場合が少なくない。例えばデジタルカメラを例に取ると、CCDカメラで撮影された画像は人間の目には感じられない赤外光などの波長も取り込んでしまう場合がある。もちろん赤外カットフィルタなどの処理もなされているが必ずしも完全ではなく、カメラ内部で行われる色バランス補正も搭載されているCPUやリアルタイム処理という制約もあり、結果的に全体の色バランスを崩してしまう場合もある。また、光源色の違いを人は補正(順応)し対象物を見ることが知られているが、カメラは光源の違いをそのままフィルムに記録するのでカメラが正確に測色再現していても色かぶりしてしまっているように見えてしまう場合もある。フォトスキャナやフラットヘッドスキャナに関しても同様の現象が生じる可能性があるため、たとえネガやリバーサルフィルムでベストな状態であったとしても、これをデジタルデータ化するときに色バランスがくるうことも起こり得る。
また、デジタルカメラに限らず一般のカメラで、例えば背景の大部分に晴れた青空が含まれているようなシーンをオート撮影するとAEが働き、露出がアンダー気味になり全体的に暗くなってしまい、肝心の被写体が必ずしもベストな状態で写らない場合がある。このような状態を出力の際に改善するべく、各種の方面とりわけ写真印刷分野において様々な色補正処理が提案されている。すなわち、銀塩カメラで撮影したフィルムをラボでプリントする際には、一般に印画紙にプリントする段において撮影画像の画像解析によりシーンの解析を行い自動補正する機能が盛り込まれている。
一方、パソコンを介して、入力機器側のRGB信号を、インクジェットプリンタを代表する出力機器でプリントする場合を考えると、例えばApple社のマッキントッシュはカラーシンク、Microsoft社のWindows(登録商標)はICMによってCIEのXYZ色空間を介した入力機器側と出力機器側のカラーマッチングが試みられている。しかしながら、これらの調整を厳密に行うことは非常に困難である。なぜなら、入力機器側と出力機器側では当然ながら色再現範囲が違い、さらに入力機器側はR,G,Bの発光信号であり、出力機器側はC,M,Y,Kの反射原稿であるという原理的な違いもあるからだ。その上、そもそも入力機器側からの画像が満足のいくものでない場合、これが印刷物として忠実再現できたとしても、ユーザーは満足しないという問題点がある。つまり、露出状態がよくない画像や、色かぶりによって画像全体の色バランスが崩れているような画像に対して、良好な出力結果を得るためには入力された画像データそのものを補正する必要があり、しかもユーザーの手を煩わせず、処理速度としても十分許容できる簡易的な方法が求められている。いずれにせよ、いまだに色バランスを合わせる一定のアルゴリズムが開発されていないことが問題となっている。
その一方で、画像によっては補正を行うべきではないものもある。例えば、LBフィルタを代表するカラーフィルタを装着して撮影するような場合、これは撮影者によって意図的に色かぶりを起こしていることに他ならない。また、最近一大ブームを巻き起こしたセピア調の画像データなども、その色味を補正することはさけなければならない。したがって、このように特殊効果をねらっているような画像に対しては色かぶりを取り除くような画像補正はかけるべきではない。
本発明は上述したような問題を解決するためになされたものであり、その目的は簡単な構成で高精度な非線形色バランス補正を行うことができるようにすることを目的とする。
また、撮影者が意図的に特殊効果をねらった画像に対しては、それを簡易的に判定し、ヒストグラムに応じた画像補正処理をかけないようにすることを目的とする。
本願発明は、輝度軸と色差信号平面からなる色空間において、原画像のハイライトポイントおよびシャドーポイントを検出し、前記ハイライトポイントと前記シャドーポイントを結ぶ前記原画像の色立体軸の前記色差信号平面への正射影が特定の色相方向に向いているか否か、および、前記色立体軸の方向ベクトルと前記輝度軸とのなす角度が所定角度以上であるか否かを判定し、前記判定した結果、前記正射影特定の色相方向に向いている、
かつ、前記色立体軸の方向ベクトルと前記輝度軸とのなす角度が所定角度以上である場合、
前記原画像に対して色かぶり補正処理を行わないか、または色かぶり補正処理の度合いをゆるめることを特徴とする。
本発明によれば、簡単な構成で高精度な非線形色バランス補正を行うことができる。
また、撮影者が意図的に特殊効果をねらった画像に対しては、それを簡易的に判定し、ヒストグラムに応じた画像補正処理をかけないようにすることができる。
(実施形態1)
本実施形態における画像処理方法では、RGBの原画像データを画素ごとに明るさを示す輝度と色味を示す色差(色度)のデータに変換する。そして輝度ヒストグラムを作成し、高輝度側、低輝度側からの累積度数値が各々規定の度数に達する輝度位置(輝度値)をハイライトポイント(白位置)、シャドーポイント(黒位置)として求める。またこのとき、ハイライトポイントとシャドーポイント検出精度を向上するために、高彩度画素を輝度ヒストグラムに含めない処理などを行ってもよい。また、原画像のデータのサイズがあらかじめ定めた規定値を超えている場合には画素を間引きながら選択し、該ヒストグラムを作成してもよい。
本実施形態における色バランスの補正は画像中の該ハイライトポイント、および該シャドーポイントに着目して行う。すなわち、色バランスが正しく合った画像はハイライトポイントにおいて色差が0で輝度は最高値、すなわち「白」であり、シャドーポイントにおいて色差が0で輝度が0、すなわち「黒」である可能性が高い。
そこで本実施形態のカラー画像処理装置の色バランス補正の概要は(1)色差信号と輝度を3軸とするような色空間中で、得られた画像中のハイライトポイントにおける色差量の平均値とシャドーポイントにおける色差量の平均値およびそれぞれの輝度を用いて、該画像の色立体軸(後述)を構成し、回転と平行移動によって該色立体軸を輝度軸に一致させるような補正を行う。
(2)その際に画像を表す色立体を拡大あるいは縮小することによって画像のコントラスト調整および彩度調整を行うものである。
以下、図面を参照して本実施形態を詳細に説明する。
本実施形態におけるシステムの概略の一例を図1に示す。ホストコンピュータ100には、例えばインクジェットプリンタなどのプリンタ105とモニタ106が接続されている。ホストコンピュータ100は、ワープロ、表計算、インターネットブラウザ等のアプリケーションソフトウエア101と、OS(Operating System)102、該アプリケーションによってOS102に発行される出力画像を示す各種描画命令群(イメージ描画命令、テキスト描画命令、グラフィックス描画命令)を処理して印刷データを作成するプリンタドライバ103、およびアプリケーションが発行する各種描画命令群を処理してモニタ106に表示を行うモニタドライバ104をソフトウエアとして持つ。
ホストコンピュータ100は、これらソフトウエアが動作可能な各種ハードウエアとして中央演算処理装置CPU108、ハードディスクドライバHD107、ランダムアクセスメモリ109、リードオンリーメモリROM110等を備える。
図1で示される実施形態として、例えば一般的に普及しているIBM ATコンパチのパーソナルコンピュータにMicrosoft社のWindows(登録商標)95をOSとして使用し、任意の印刷可能なアプリケーションをインストールし、モニタとプリンタを接続した形態が1実施形態として考えられる。
ホストコンピュータ100では、モニタに表示された表示画像に基づき、アプリケーション101で、文字などのテキストに分類されるテキストデータ、図形などのグラフィックスに分類されるグラフィックスデータ、自然画などに分類されるイメージ画像データなどを用いて出力画像データを作成する。そして、出力画像データを印刷出力するときには、アプリケーション101からOS102に印刷出力要求を行い、グラフィックスデータ部分はグラフィックス描画命令、イメージ画像データ部分はイメージ描画命令で構成される出力画像を示す描画命令群をOS102に発行する。OS102はアプリケーションの出力要求を受け、出力プリンタに対応するプリンタドライバ103に描画命令群を発行する。プリンタドライバ103はOS102から入力した印刷要求と描画命令群を処理しプリンタ105で印刷可能な印刷データを作成してプリンタ105に転送する。プリンタ105がラスタープリンタである場合は、プリンタドライバ103はOS102からの描画命令群に対して、順次画像補正処理を行い、そして順次RGB24ビットページメモリにラスタライズし、すべての描画命令をラスタライズした後にRGB24ビットページメモリ上にラスター画像を生成する。そして、各画素に対してプリンタの色再現性に依存したCMYKデータを生成し、プリンタ105に転送する。
プリンタドライバ103で行われる処理を図2を用いて説明する。
プリンタドライバ103は、OS102から入力した描画命令群に含まれる色情報に対して、画像補正処理部120で後述する画像補正処理を行う。プリンタ用補正処理部121は、まず画像補正処理された色情報によって描画命令をラスタライズし、RGB24ビットページメモリ上にラスター画像を生成する。そして、各画素に対してプリンタの色再現性に依存したCMYKデータを生成し、プリンタ105に転送する。
本実施形態の画像補正処理部で行われる処理を図3を用いて具体的に説明する。イメージ描画命令で示される原画像に対しては、以下の処理により色バランスのずれを補正する。イメージ描画命令以外の描画命令で示される原画像に対しては以下の処理は行わない。
まず、ステップS10において、原画像のヒストグラムを作成し、作成されたヒストグラムに基づきハイライトポイント、シャドーポイントを決定する。
(ハイライトポイント、シャドーポイントの決定)
画像のハイライトポイントおよびシャドーポイントを決定するために、画像に属する画素ごとに輝度Yと色差信号(C1,C2)を求める。本実施形態においては輝度と色差信号を以下の式により求める。
Y (輝度)=0.30R+0.59G+0.11B
C1(色差)=R−Y
C2(色差)=B−Y
ここで、本実施形態で扱う画素データRGBは各8ビット(256階調)データであるので輝度Yも256の深さに変換される。輝度ヒストグラムは0から255までの256の輝度値の画素がそれぞれ何度数あるかを計算することにより作成される。
また、C1、C2の計算値は後の色かぶり補正時に、ハイライトポイントとシャドーポイントそれぞれの輝度値に属する画素での平均色差量を算出するデータとして用いるので、本実施形態では次のようにデータ保持を行う。0から255の構造体配列変数の形式で、度数、C1累積値、C2累積値の3メンバーを設定し、各画素ごとの演算結果を各メンバーに反映(インクリメント)していく。
このように補正を行う画像に関して、輝度ヒストグラムを作成し、該輝度ヒストグラムからハイライトポイントとシャドーポイントを決定する。本実施形態では、たとえば35万画素数の画像データに関しては、その約1%に相当する3500をしきい値として設定し、輝度値0、輝度値255の各端から中心方向に累積輝度度数値が上記しきい値になる点をそれぞれシャドーポイント、ハイライトポイントと定める。
具体的には、輝度nの画素の度数をYnとおくとき、Y0+Y1+……と累積度数を求めていき、該累積度数が3500を越えたときの輝度値(Yk)をシャドーポイントの輝度値(k)とする。次いで該Ykの輝度の画素での平均色差量を求める。前記の通り、輝度ヒストグラム作成時に各輝度値の色差信号の累積値が計算されている(輝度nの画素の累積色差をC1ntotal,C2ntotalとする)ので、シャドーポイントの輝度値Ykでの平均色差量C1k、C2kは以下のように求められる。
C1k=C1ktotal/Yk
C2k=C2ktotal/Yk
同様にY255+Y254+……と累積度数を求めていき、該累積度数が3500を越えたときの輝度値(Yw)をハイライトポイントの輝度値(w)とし、その輝度値Ywの画素の平均色差量C1w、C2wを求める。
C1w=C1wtotal/Yw
C2w=C2wtotal/Yw
以上より、「C1,C2,Y」色空間において、ハイライトポイント(C1w,C2w,Yw)とシャドーポイント(C1k,C2k,Yk)を求めることができる。
なお、本実施形態では輝度値0と輝度値255の輝度位置から累積度数を求めたが、輝度値1と輝度値254から求めるなど所定のオフセットを有していてもよい。
ハイライトポイント、シャドーポイントの決定方法は上記方法に限られない。
例えば特開昭60−57594号公報に記載されている、入力信号の各色信号R,G,Bの重み付け加算した輝度信号について累積度数ヒストグラムを作成しその累積度数ヒストグラムにおいて、予め設定した所定の累積度数例えば、1%、99%にそれぞれ対応する輝度信号の上限値をハイライトポイント、下限値をシャドーポイントとして求める方法を用いても構わない。
また、輝度信号のかわりに他の演算を用いて明るさを示す信号を生成し、ヒストグラムを作成しても構わない。
次に、S20において、S10で決定されたハイライトポイントおよびシャドーポイントに基づいた画像補正処理を行う。本実施形態では画像補正処理として、原画像の色かぶりを補正する色かぶり補正、原画像の輝度のコントラストを調整するコントラスト補正、および画像の見栄えをよくするための彩度補正を行う。
(画像補正処理)
上記の通り原画像の「C1,C2,Y」色空間におけるハイライトポイント、シャドーポイントに基づいて色かぶり補正と輝度のコントラスト補正を行う。
もし原画像に色かぶりがなく理想的な画像であるとすれば、無彩色はR=G=Bであり、ハイライトポイント、シャドーポイントの色差量の演算値はいずれも0となる。つまり、画像を表す色立体のイメージ図で考えると、図4(a)のような状態にあるとき、該画像は理想的であるといえる。
しかし色かぶりがある場合には図4(b)の如く、かぶっている色相方向に、かぶり程度に比例して(C1w,C2w,Yw)と(C1k,C2k,Yk)を結ぶ直線(色立体軸)に傾きが生じる。色かぶり補正は該色立体軸とY軸が一致するように原画像を表す色立体を変換することで達成できる。その方法としては、色立体を回転、平行移動させることでも達成できるし、座標系を変換することでも達成できる。本実施形態では、まず原画像の色立体において、色立体軸のシャドーポイントを原点とするような座標系に移し、その座標系において、シャドーポイントすなわち原点を中心に色立体軸がY軸と平行になるように回転する。
3次元空間中で回転軸と回転角度が決まっている系で、座標系を所望の角度で回転させる回転行列を求める手法は公知の技術であるから詳細な説明は省略する。
そして、さらに、回転された色立体軸がY軸に重なるように平行移動を行う。
このように、原画像の色立体を補正することにより、原画像の色かぶりを補正することができる。
次に輝度のコントラストの調整として、本実施形態ではシャドーポイントの輝度を“0”あるいはそれに近い値(例えば“10”)、ハイライトポイントの輝度を“255”あるいはそれに近い値(例えば“245”)に調整する。これは、回転により起こされた該色立体を輝度軸方向に拡大(縮小)することに相当する。
また、彩度補正は以下のように行うことできる。そもそも彩度とは色差信号を用いれば、その距離に相当するものであるから、たとえば彩度を一律に20%上げたければ、C1、C2をそれぞれ1.20倍(ここで1.20は彩度係数)することで達成される。すなわち、該色立体ではC1,C2平面方向への拡大(縮小)に他ならない。
そこで、本実施形態では上記輝度のコントラストを調整する拡大(縮小)率を該色立体全体に適用し、輝度コントラスト補正にともなって彩度補正も自動的に行う。
このように、輝度のコントラスト調整の度合いに応じて、彩度補正の度合いを変更することにより、画像に適した輝度及び彩度補正を自動的に行うことができる。なお、輝度のコントラストを調整する拡大率は、変換前後の輝度範囲の比率により求める。
もちろん、ユーザーが特に所望の彩度調整を望めば、該彩度係数を与え輝度補正と彩度補正を別処理として行ってもよい。
以上のように、原画像の各画素を輝度と色差信号(C1,C2,Y)に変換し、3次元色空間中で該色立体を回転、平行移動および拡大(縮小)することによって、(C1’,C2’,Y’)に変換し、色かぶり補正、コントラスト補正および彩度補正を同時もしくは別々に行うことができる。
最後に、再度RGB信号に逆変換して補正を終了する。該逆変換は以下の式により行う。
R’=Y’+C1’
G’=Y’−(0.3/0.59)×C1’−(0.11/0.59)×C2’
B’=Y’+C2’
前記の如く、原画像の画素データに基づきヒストグラムを作成し、所定の画素値から累積して所定度数に相当する画素データを検出し、前記検出された画素データに基づき3次元色空間中で色バランスを補正することにより、少ない処理負荷で確実に色かぶり、コントラスト、彩度を補正することを可能とした画像処理方法を提供できる。
(実施形態2)
次に、実施形態1に比し、補正度合いを考慮した本発明に係る第2実施形態について説明する。
実施形態1で説明した原画像の色立体軸の傾きがあまりにも大きい場合、これを無理矢理に補正すると画像に不具合が生じる場合がある。これには例えばLBフィルタを代表するカラーフィルタなどを用いて故意に色かぶりを起こしているような場合、あるいは夕焼けなどの特殊なシーンを撮影した場合などが考えられる。
このような場合、原画像が特殊なケースであると判断し、補正を行わないかまたは、該回転角を適当に調整し補正度合いを弱めることで不具合をなくす。
例えばLBフィルターのような特殊効果をねらった画像については該色立体軸の色差信号平面への正射影が例えば赤の色相方向に向いている。そして、原画像においてどの色相の色がかぶっているのかの判定は、該色立体軸の方向にから容易に判定することができる。
そこで該色立体軸の方向ベクトルと輝度軸とのなす角度に着目し、例えば方向ベクトルが赤の式双方向を示した場合、また、例えば該角度が40度以上の場合は、原画像は特殊なケースであると判断し、処理を行わないかまたは処理の度合いをゆるめる。
例えば、各種のカラーフィルターの特性をあらかじめ調査し特性値(正射影の色相および角度)を記憶しておき、該特性値と原画像の特性値を比較することにより、複数のカラーフィルタの画像を検出することができる。
なお、この補正の度合いはユーザーがマニュアルで指定してもいいし、あらかじめ角度の大きさ、該色立体軸の方向に応じて設定しておいてもよい。例えば40度の場合、該画像の色立体を20度だけ回転して起こすことで処理の度合いを調整することが可能になる。
また、カラーフィルターの特性値を登録することができるようにすることにより、検出精度を向上させることができる。特性値の登録方法としては、例えば、登録モードを備え、登録モードが設定された場合は、特性値を登録するカラーフィルタを用いた複数の原画像の特性値を求め平均化し該カラーフィルタ名と対応させて登録するようにすればよい。
このように本実施形態によれば、該色立体軸の傾き、すなわち軸の方向と回転角度の大きさという2つの量から、補正角度のしきい値をすくなくとも2つ以上設定し画像を補正すべきかどうか、もしくは補正度合いを調節すべきかどうかの判定を行うことができ、非常に簡潔に特殊なケースごとの画像補正に伴う弊害だけをはじくことができる。
図3のステップS10とステップS20の間に本実施形態の特殊ケース検出処理を組み込むことにより、特殊ケースに対して実施形態1で説明した画像補正処理が行われることを防ぐことができる。
(実施形態3)
次に、上述した実施形態1および実施形態2に比し、さらに補正をすべきか否かを判定する構成を持ったかかる実施形態3について説明する。
画像を解析する上で、各画素の色差信号から図5に示すように別途各画素毎の色相に関するヒストグラムを作成し、その分散値を求める。ここでサンプリングする画素は、画像全体の傾向が分かる程度に間引くことで、処理の負荷を低減できる。例えば、サムネイル画像程度の画素数があれば、フォト画像として十分認識できるから、最低限この程度あれば十分である。なお、本実施形態では色相Hを以下の式によって求める。
H=atan(C1/C2)〔0..360゜〕
例えば、LBフィルタなどを用いて撮影した場合、そのフィルタの性質上すべての画像領域にわたって、ある程度限られた色相をもつ。さらにある特定範囲の波長のみを通すような各種のカラーフィルタなどを用いて撮影した場合は、その傾向がより顕著になる。また、最近一大ブームを巻き起こしているセピア調の写真については、ある意味意図的な色かぶりを起こしているのであるから、このような画像に対しては、色かぶり補正がなされるべきではない。
したがって、この場合当然上記分散値は小さくなるため、この値にしきい値をもうけることで、このような特殊効果をねらった写真を判別できる。これは写真に限らず、グラフィックスのように一定の色相から構成される原画像(オブジェクト)を判定し、これらの画像に対しても、実施例1に示したような補正がかかることによる不都合を回避できる。
さらに、実施形態2において色立体軸の色相平面上への正射影の角度、およびその距離によって特殊画像を判別する方法を示したが、本分散値を絡めて条件付けすると、さらにその精度を上げることができる。
すなわち、該色立体軸の正射影が特定色相に入り、かつその距離も一定以上である場合に、さらにこの分散値を見ることで、画像全体に色がかぶっているのか否かを見ることができる。
例えば、ある波長のみを通すフィルタを使って撮影した場合、画像全体にわたって一定の色相となるため、偶然ハイライト、シャドー部での色かぶりが大きいような画像と区別することができる。
本実施形態は、図3のステップS10で求められる色差の値から色相を求め、輝度ヒストグラムとは別に色相ヒストグラムを作成する。
そして、この色相ヒストグラムに基づき特殊ケースの検出処理を行う。
実施形態2と組み合わせて実施する場合は、図3のステップS10において輝度ヒストグラムに加えて色相ヒストグラムも作成するようにし、そしてステップS20とステップS10の間で色相ヒストグラムに基づく特殊ケース判定処理を行えば良い。
実施形態3によれば、画像全体の色相を見ることで、それが意図的になされた色かぶりであるのかどうかを判定し、そのような場合には画像補正をかけずに、作成者の意図した状態のままで出力することができる。
(他の実施形態)
上記実施形態では、画像補正処理において最初に色かぶり補正を行い、その後に露出のアンダーやオーバーを補正するいわゆるコントラスト調整を行ったが、その順序は問われない。また、ハイライト/シャドーポイントの決定方法や画像補正に関するアルゴリズムは上記方法にかぎられず他の多種多様の方法を用いることができる。
本発明は上述した実施形態の機能を実現するように各種のデバイスを動作させるように該各種デバイスと接続された装置あるいはシステム内のコンピュータに、前記実施形態機能を実現するためのソフトウエアのプログラムコードを供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(CPUあるいはMPU)を格納されたプログラムにしたがって前記各種デバイスを動作させることによって実施したものも本発明の範疇に含まれる。
またこの場合、前記ソフトウエアのプログラムコード自体が前述した実施形態の機能を実現することになり、そのプログラムコード自体、及びそのプログラムコードをコンピュータに供給するための手段、例えばかかるプログラムコードを格納した記憶媒体は本発明を構成する。
かかるプログラムコードを格納する記憶媒体としては例えばフロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROMなどを用いることができる。
またコンピュータが供給されたプログラムコードを実行することにより、前述の実施形態の機能が実現されるだけではなく、そのプログラムコードがコンピュータにおいて稼働しているOS(オペレーティングシステム)、あるいは他のアプリケーションソフトなどと共同して前述の実施形態の機能が実現される場合にもかかるプログラムコードは本発明の実施形態に含まれることは言うまでもない。
さらに供給されたプログラムコードが、コンピュータの機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに格納された後そのプログラムコードの指示の基づいてその機能拡張ボードや機能格納ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も本発明に含まれることは言うまでもない。
以上本発明を好ましい実施形態により説明したが、本発明は上述した実施例に限ることなく、クレームに示した範囲で種々の変形が可能である。
色かぶり補正処理を行うシステムの構成を示すプロック図。 プリンタドライバで行う画像処理の流れを示す図。 画像補正処理処理部で行われる画像処理の流れを説明する図。 実施例における色バランス補正の原理を説明する図。 原画像の各画素の色相に関するヒストグラムの例。

Claims (7)

  1. 輝度軸と色差信号平面からなる色空間において、原画像のハイライトポイントおよびシャドーポイントを検出し、
    前記ハイライトポイントと前記シャドーポイントを結ぶ前記原画像の色立体軸の前記色差信号平面への正射影が特定の色相方向に向いているか否か、および、前記色立体軸の方向ベクトルと前記輝度軸とのなす角度が所定角度以上であるか否かを判定し、
    前記判定した結果、前記正射影特定の色相方向に向いている、かつ、前記色立体軸の方向ベクトルと前記輝度軸とのなす角度が所定角度以上である場合、前記原画像に対して色かぶり補正処理を行わないか、または色かぶり補正処理の度合いをゆるめることを特徴とする画像処理方法。
  2. さらに、前記原画像の色相に関するヒストグラムを作成し、
    前記作成された色相に関するヒストグラムの分散値を求め、
    前記正射影の角度が特定色相方向に向いている、かつ前記色立体軸の方向ベクトルと前記輝度軸とのなす角度が所定角度以上であり、かつ前記分散値が所定の閾値よりも小さい場合、前記原画像に対して色かぶり補正処理を行わないか、または色かぶり補正処理の度合いをゆるめることを特徴とする請求項1記載の画像処理方法。
  3. さらに、前記原画像の輝度に関するヒストグラムを作成し、
    前記ハイライトポイントおよび前記シャドーポイントは、前記作成された輝度に関するヒストグラムから検出され、
    前記色かぶり補正処理は、前記イライトポイントおよび前記シャドーポイントに基づき行うことを特徴とする請求項1または2記載の画像処理方法。
  4. 輝度軸と色差信号平面からなる色空間において、原画像のハイライトポイントおよびシャドーポイントを検出する手段と、
    前記ハイライトポイントと前記シャドーポイントを結ぶ前記原画像の色立体軸の前記色差信号平面への正射影が特定の色相方向に向いているか否か、および、前記色立体軸の方向ベクトルと前記輝度軸とのなす角度が所定角度以上であるか否かを判定する手段と、
    前記判定した結果、前記正射影特定の色相方向に向いている、かつ、前記色立体軸の方向ベクトルと前記輝度軸とのなす角度が所定角度以上である場合、前記原画像に対して色かぶり補正処理を行わないか、または色かぶり補正処理の度合いをゆるめる手段と、
    を有することを特徴とする画像処理装置。
  5. さらに、前記原画像の色相に関するヒストグラムを作成する手段と、
    前記作成された色相に関するヒストグラムの分散値を求める手段とを有し、
    前記正射影の角度が特定色相方向に向いている、かつ前記色立体軸の方向ベクトルと
    前記輝度軸とのなす角度が所定角度以上であり、かつ前記分散値が所定の閾値よりも小さい場合、前記原画像に対して色かぶり補正処理を行わないか、または色かぶり補正処理の度合いをゆるめることを特徴とする請求項4記載の画像処理装置。
  6. さらに、前記原画像の輝度に関するヒストグラムを作成する手段と、
    前記ハイライトポイントおよび前記シャドーポイントは、前記作成された輝度に関するヒストグラムから検出され、
    前記色かぶり補正処理は、前記イライトポイントおよび前記シャドーポイントに基づき行うことを特徴とする請求項4または5記載の画像処理装置。
  7. コンピュータで読み取り可能にプログラムを記録する記録媒体であって、
    輝度軸と色差信号平面からなる色空間において、原画像のハイライトポイントおよびシャドーポイントを検出し、
    前記ハイライトポイントと前記シャドーポイントを結ぶ前記原画像の色立体軸の前記色差信号平面への正射影が特定の色相方向に向いているか否か、および、前記色立体軸の方向ベクトルと前記輝度軸とのなす角度が所定角度以上であるか否かを判定し、
    前記判定した結果、前記正射影特定の色相方向に向いている、かつ、前記色立体軸の方向ベクトルと前記輝度軸とのなす角度が所定角度以上である場合、前記原画像に対して色かぶり補正処理を行わないか、または色かぶり補正処理の度合いをゆるめるプログラム
    を記録したコンピュータが読み取り可能な記録媒体。
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