JP2000101860A - 画像補正方法、画像補正装置及び記録媒体 - Google Patents

画像補正方法、画像補正装置及び記録媒体

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JP2000101860A
JP2000101860A JP10265331A JP26533198A JP2000101860A JP 2000101860 A JP2000101860 A JP 2000101860A JP 10265331 A JP10265331 A JP 10265331A JP 26533198 A JP26533198 A JP 26533198A JP 2000101860 A JP2000101860 A JP 2000101860A
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Takashi Noguchi
高史 野口
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Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 画像の主階調が変化したり、ハイライト部が
白くとんだり、画像中の白地が黒みを帯びる等の画質低
下が生ずることなく色補正や濃度補正を行う。 【解決手段】 色補正及び濃度補正のための補正値(ゲ
イン)を演算した後に、(B) に示すように、横軸に入力
値の対数値、縦軸に出力値の対数値をとった両対数チャ
ート上で、所定領域(図では真数値で略0.5 〜1、対数
値で略-0.3〜0の範囲)外における変換曲線を傾きが1
になるように設定し、設定した変換曲線を傾きが変化し
ないようにゲインに応じて平行移動させ、所定領域内の
変換曲線を、入力値のうちの最も明るい点に相当する値
が出力値のうちの最も明るい点に相当する値に変換さ
れ、かつ中間部が滑らかに変化して所定領域外の変換曲
線と繋がるように定める。そして、画像データから求め
た被写体反射率データを上記の変換曲線によって規定さ
れる画像データ変換条件に従って変換する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は画像補正方法、画像
補正装置及び記録媒体に係り、特に、画像の色及び濃度
の少なくとも一方を補正する画像補正方法、該画像補正
方法を適用可能な画像補正装置、及び前記画像補正方法
をコンピュータで実行させるためのプログラムが記録さ
れた記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】ビデオカメラによる撮像やデジタルスチ
ルカメラによる撮影によって得られた画像データに対し
ては、白バランス調整等の色補正や画像全体の濃度を適
正化する濃度補正を行う必要がある。画像の色補正及び
濃度補正は、一般に、複数チャンネル(例えばR、G、
B)毎に画像データをサンプリングし、サンプリングに
よって得られた各チャンネルのデータに基づいて、各チ
ャンネル毎に平均値を演算し、演算した平均値に基づい
て、例えば色補正については色度に関する平均値が中性
色(グレイ)になるように、濃度補正については輝度に
関する平均値が中間値(反射濃度であれば「0.7
5」、各画素の濃度を8ビットで表す画像データであれ
ば「118」等の数値が用いられる)になるように色補
正及び濃度補正の補正値を求め、該補正値に基づいて画
像データを変換している。
【0003】なお、色補正及び濃度補正に相当する画像
データの変換は、下記の変換式に従って行われることが
多い。
【0004】
【数1】 上記の(1)式及び(2)式において、(R,G,B)
は補正前の画像データ(画像の各画素のR、G、Bの値
を表す)、(R’,G’,B’)は補正後の画像デー
タ、(kr ,kg ,kb )は各チャンネルの変換係数
(色補正及び濃度補正の補正値に相当)を表す。(1)
式はゲインを、(2)式はオフセットを調整する変換式
であり、(1)式及び(2)式の何れか一方を用いる
か、或いは2つの式を組み合わせて用いる(アフィン変
換という)ことで、色補正及び濃度補正に相当する画像
データの変換を行うことができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、処理対
象の画像データが、1画素・1チャンネル当りのビット
数が少ない(例えば8ビット等)データ、すなわちダイ
ナミックレンジの小さい(狭い)画像データである場
合、(1)式や(2)式に従って色補正や濃度補正を行
うと、補正後の画像データが表す画像が、例えばハイラ
イト部が白くとんだり、画像中の本来は白として再現さ
れるべき領域(白地領域)が黒みを帯びる等のように、
好ましくない画質になるという問題がある。
【0006】これを解決するために、画像データ中の最
大値(8ビット画像データでは「255」)を最高値に
変換し、画像データ中の最小値(「0」)を最小値に変
換する条件を満足し、かつ所望の色補正や濃度補正が行
われるように中間値領域における変換特性を定めた変換
条件に従って画像データを変換することも提案されてい
るが、この方式では、画像の主要濃度域(主に中間濃度
域)の階調(以下、主階調という)が変化してしまうと
いう別の問題が生ずる。
【0007】本発明は上記事実を考慮して成されたもの
で、画像の主階調が変化したり、画像中のハイライト部
が白くとんだり、画像中の白地が黒みを帯びる等の画質
低下が生ずることなく色補正や濃度補正を行うことがで
きる画像補正方法、画像補正装置及び記録媒体を得るこ
とが目的である。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に請求項1記載の発明に係る画像補正方法は、補正対象
画像の色及び濃度の少なくとも一方を補正するための補
正量に基づいて、入力信号のうちの最も明るい点に相当
する値が出力信号のうちの最も明るい点に相当する値に
変換されると共に、入力信号値の対数値の変化に対する
出力信号値の対数値の変化の傾きが、最も明るい点に相
当する信号値近傍の所定領域を除いて略1になるように
変換条件を設定し、補正対象画像の各画素毎の光強度と
の関係が線形な物理量の値を表す画像データを、前記設
定した変換条件に従って変換する。
【0009】請求項1記載の発明では、補正対象画像の
色及び濃度の少なくとも一方を補正するための補正量に
基づいて、入力信号のうちの最も明るい点に相当する値
が出力信号のうちの最も明るい点に相当する値に変換さ
れると共に、入力信号値の対数値の変化に対する出力信
号値の対数値の変化の傾きが、最も明るい点に相当する
信号値近傍の所定領域を除いて略1になるように変換条
件を設定している。上記の変換条件は、具体的には、例
えば一方の座標軸に入力信号値の対数値をとり、他方の
座標軸に出力信号値の対数値をとった二次元の両対数チ
ャート(両対数プロット)上で、所定領域外の領域にお
ける変換曲線(直線)を傾きが略1になるように設定す
ると共に該変換曲線を傾きが変化しないように補正量に
応じた移動量だけ平行移動させ、所定領域内の変換曲線
を、所定領域外の変換曲線と滑らかに繋がり、かつ入力
信号のうちの最も明るい点に相当する値(例えば入力信
号が8ビットのデータであれば0又は255)が出力信
号のうちの最も明るい点に相当する値(例えば出力信号
が8ビットのデータであれば0又は255)に変換され
るように定めることで設定することができる。なお、補
正対象画像の色及び濃度の少なくとも一方を補正するた
めの補正量は、例えば画像データから演算によって求め
ることができる。
【0010】一般に、人間の感覚的強度は刺激の物理的
強度の対数に比例するので、上記のように、入力信号値
の対数値の変化に対する出力信号値の対数値の変化の傾
きが所定領域を除いて略1になるように変換条件を設定
することにより、該変換条件による画像データの変換
(すなわち補正対象画像の色及び濃度の少なくとも一方
の補正)を行ったとしても、変換後の画像データが表す
画像の主階調が変化したと認識されることを防止するこ
とができる。また、入力信号のうちの最も明るい点に相
当する値が出力信号のうちの最も明るい点に相当する値
に変換されるように変換条件を設定するので、変換後の
画像データが表す画像中のハイライト部が白くとんだ
り、前記画像中の白地が黒みを帯びることも回避でき
る。
【0011】そして請求項1の発明では、補正対象画像
の各画素毎の光強度との関係が線形な物理量(光強度そ
のものであってもよいし、光反射率等であってもよい)
の値を表す画像データを、上記のようにして設定した変
換条件に従って変換するので、画像の主階調が変化した
り、画像中のハイライト部が白くとんだり、画像中の白
地が黒みを帯びる等の画質低下が生ずることなく色補正
や濃度補正を行うことができる。
【0012】なお、補正対象画像の各画素毎の物理量と
して、光強度との関係が非線形な物理量の値を表す画像
データが入力される場合にも、該画像データを、本発明
に係る画像データ(補正対象画像の各画素毎の光強度と
の関係が線形な物理量の値を表す画像データ)に変換
し、変換後の画像データを、本発明に係る変換条件に従
って変換することにより、画像中のハイライト部が白く
とんだり、画像中の白地が黒みを帯びる等の画質低下が
生ずることなく色補正や濃度補正を行うことができる。
【0013】ところで本願発明者は、本発明に係る変換
条件における所定領域(入力信号値の対数値の変化に対
する出力信号値の対数値の変化の傾きを略1としない領
域)を種々の大きさに変更して複数種の変換条件を各々
設定し、各変換条件を用いて画像データの変換を各々行
い、変換後の画像データが表す画像の画質を評価する実
験を行った。その結果、入力信号値を0から1の数値範
囲内に規格化したときに、最も明るい点に相当する信号
値から、入力信号値の対数値で略0.5以内(但し常用
対数値)の範囲に相当する領域を所定領域とすれば、視
覚的に好ましい画質となるとの知見を得た。
【0014】このため、請求項2記載の発明は、請求項
1の発明において、所定領域は、入力信号値を0から1
の範囲内に規格化したときに、最も明るい点に相当する
信号値から、入力信号値の対数値で略0.5以内の範囲
に相当する領域であることを特徴としている。所定領域
の範囲を上記のように定めることにより、変換後の画像
データが表す画像の画質を、視覚的に好ましい画質にす
ることができる。
【0015】請求項3記載の発明に係る画像補正装置
は、補正対象画像の色及び濃度の少なくとも一方を補正
するための補正量に基づいて、入力信号のうちの最も明
るい点に相当する値が出力信号のうちの最も明るい点に
相当する値に変換されると共に、入力信号値の対数値の
変化に対する出力信号値の対数値の変化の傾きが、最も
明るい点に相当する信号値近傍の所定領域を除いて略1
になるように変換条件を設定する設定手段と、補正対象
画像の各画素毎の光強度との関係が線形な物理量の値を
表す画像データを、前記設定手段によって設定された変
換条件に従って変換する変換手段と、を含んで構成され
ている。
【0016】請求項3記載の発明では、設定手段によ
り、補正対象画像の色及び濃度の少なくとも一方を補正
するための補正量に基づいて、入力信号のうちの最も明
るい点に相当する値が出力信号のうちの最も明るい点に
相当する値に変換されると共に、入力信号値の対数値の
変化に対する出力信号値の対数値の変化の傾きが、最も
明るい点に相当する信号値近傍の所定領域を除いて略1
になるように変換条件が設定され、補正対象画像の各画
素毎の光強度との関係が線形な物理量の値を表す画像デ
ータが、前記設定手段によって設定された変換条件に従
って変換手段によって変換されるので、請求項1の発明
と同様に、画像の主階調が変化したり、画像中のハイラ
イト部が白くとんだり、画像中の白地が黒みを帯びる等
の画質低下が生ずることなく色補正や濃度補正を行うこ
とができる。
【0017】請求項4記載の発明に係る記録媒体は、補
正対象画像の色及び濃度の少なくとも一方を補正するた
めの補正量に基づいて、入力信号のうちの最も明るい点
に相当する値が出力信号のうちの最も明るい点に相当す
る値に変換されると共に、入力信号値の対数値の変化に
対する出力信号値の対数値の変化の傾きが、最も明るい
点に相当する信号値近傍の所定領域を除いて略1になる
ように変換条件を設定する第1のステップ、補正対象画
像の各画素毎の光強度との関係が線形な物理量の値を表
す画像データを、前記設定した変換条件に従って変換す
る第2のステップを含む処理をコンピュータに実行させ
るためのプログラムが記録されている。
【0018】請求項4記載の発明に係る記録媒体には、
上記の第1のステップ及び第2のステップを含む処理、
すなわち請求項1の発明に係る画像補正方法に係る処理
をコンピュータに実行させるためのプログラムが記録さ
れているので、コンピュータが前記記録媒体に記録され
ているプログラムを読み出して実行することにより、請
求項1の発明と同様に、画像の主階調が変化したり、画
像中のハイライト部が白くとんだり、画像中の白地が黒
みを帯びる等の画質低下が生ずることなく色補正や濃度
補正を行うことができる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施形態の一例を詳細に説明する。図1には、本実施形態
に係る画像処理システム10が示されている。画像処理
システム10は、写真フィルム(例えばネガフィルムや
リバーサルフィルム)等の写真感光材料(以下単に写真
フィルムと称する)に記録されているフィルム画像(被
写体を撮影後、現像処理されることで可視化されたネガ
画像又はポジ画像)を読み取って印画紙に記録すること
を高速で処理可能に構成されたデジタルラボシステム1
2に、画像データ交換機14及びインタフェース(I/
F)回路16を介して入力装置群18及び出力装置群2
0が接続されて構成されている。
【0020】入力装置群18は、画像データ交換機14
に画像データを入力する各種の入力装置で構成されてい
る。入力装置群18を構成する入力装置としては、例え
ばフロッピーディスク(FD)等の磁気ディスクやCD
−R等の光ディスク、光磁気ディスク(MO)、デジタ
ルスチルカメラ(DSC:以下、単に「デジタルカメ
ラ」と称する)に装填可能なPCカードやICカード
(以下、これらを「デジタルカメラカード」と総称す
る)等の各情報記憶媒体の何れかがセットされ、セット
された情報記憶媒体に記憶されている画像データを読み
出して入力する情報記憶媒体読出装置22(図2参照)
や、通信回線を介して接続された他の情報処理機器から
送信された画像データを受信して入力する通信制御装置
(図示省略)等を適用することができる。
【0021】また出力装置群20は、画像データ交換機
14から転送された出力用画像データに基づいて画像出
力処理を行う各種の出力装置で構成されている。出力装
置群20を構成する出力装置としては、例えば画像出力
処理として情報記憶媒体(例えばCD−R)への画像デ
ータの書き込みを行う情報記憶媒体書込装置(例とし
て、情報記憶媒体としてのCD−Rへの画像データの書
き込みを行うCD−R書込装置24を図2に示す)、画
像出力処理としてディスプレイ等の表示手段への画像の
表示を行う画像表示装置、画像出力処理として通信回線
を介して接続された他の情報処理機器への画像データの
送信を行う通信制御装置等を適用することができる。
【0022】ところで、入力装置群18を構成する各入
力装置から入力される画像データのファイル構造は一定
ではなく、互いに異なっていることが多い。このためI
/F回路16は、入力装置から画像データが入力される
と、入力された画像データのファイル構造を判断し、所
定のファイル構造に変換して画像データ交換機14に入
力する。また出力装置は、外部から転送される画像デー
タのファイル構造を予め規定しているが、このファイル
構造も出力装置群20を構成する各出力装置毎に異なっ
ていることが多い。このためI/F回路16は、画像デ
ータ交換機14から出力装置へ画像データが転送される
場合には、転送される画像データのファイル構造を転送
先の出力装置に対応するファイル構造に変換する。
【0023】デジタルラボシステム12は、スキャナ3
0、画像処理装置32及びプリンタ34が直列に接続さ
れて構成されている。スキャナ30はエリアCCDセン
サ等の読取センサを備えており、該読取センサにより写
真フィルムに記録されているフィルム画像の読み取りを
行う。フィルム画像の読み取りによって得られた画像デ
ータは画像処理装置32へ出力され、プリンタ34によ
る画像出力処理(印画紙への画像の記録)に用いられる
が、プリンタ34以外の出力装置による画像出力処理に
用いることも指示された画像データについては画像交換
機14へも出力される。
【0024】画像処理装置32は、入力された画像デー
タに対し、印画紙に適正な画質で画像を露光記録するた
めの画像処理として、画素密度変換、色変換、画像の超
低周波輝度成分の階調を圧縮するハイパートーン処理、
粒状を抑制しながらシャープネスを強調するハイパーシ
ャープネス処理、特殊画像処理(例えばLF(レンズ付
きフィルム)によって撮影記録されたフィルム画像に対
するLFのレンズの収差に起因する画質劣化の補正や赤
目の補正等)等の各種の画像処理を行う各種の画像処理
回路(図示省略)を備えている。画像処理装置32は各
画像処理回路で行われる画像処理の処理条件を演算す
る。各画像処理回路は、画像データに対し、演算された
処理条件に従って各種の画像処理を行い、画像処理後の
画像データは記録用画像データとしてプリンタ34へ出
力される。
【0025】プリンタ34は、R,G,Bのレーザ光源
と、該レーザ光源の作動を制御するレーザドライバを備
えており(図示省略)、レーザ光源から射出されるR,
G,Bのレーザ光を、入力された記録用画像データによ
って変調し、変調したレーザ光を印画紙上で走査させ
る。これにより、印画紙に画像が露光記録される。画像
が露光記録された印画紙は、図示しないプロセッサ部へ
送られて発色現像、漂白定着、水洗、乾燥の各処理が施
され、印画紙に露光記録された画像が可視化される。な
お、画像データ交換機14からプリンタ34に転送され
た画像データについても、上記と同様にレーザ光の変
調、すなわち印画紙への画像の露光記録に用いられる。
【0026】画像データ交換機14は、図1に示すよう
に、CPU78、ROM42、RAM44、入出力ポー
ト46A、46Bがバス48を介して互いに接続された
構成を含んだパーソナルコンピュータやワークステーシ
ョン等の情報処理装置と、大容量の情報記憶媒体(ハー
ドディスク)を内蔵しバス48に接続されたハードディ
スク装置50と、装填されたCD−ROM52からプロ
グラム等を読み出すCD−ROMドライバ54と、を備
えている。入出力ポート46Aにはデジタルラボシステ
ム12のスキャナ30及びプリンタ34が接続されてお
り、入出力ポート46BにはI/F回路16を介して入
力装置群18及び出力装置群20が接続されている。
【0027】画像データ交換機14は、スキャナ30や
入力装置群18の各入力装置から入力された画像データ
をハードディスク装置50の内蔵ハードディスクに一時
記憶させる。従って、ハードディスク装置50の内蔵ハ
ードディスクは、画像データ交換機14に入力された画
像データを蓄積記憶するスプール60(図2参照)とし
て機能する。また、画像データ交換機14は、入力され
た画像データに対し、スプール60に一時記憶する前に
画像データの属性等を表すプロパティ情報を付加した後
にスプール60に一時記憶させる。
【0028】また、ハードディスク装置50の内蔵ハー
ドディスクには、画像データに対して各種の画像処理を
行うための各種の画像処理プログラムが記憶されてお
り、画像データ交換機14のCPU40は、必要に応じ
て所定のタイミング(スプール60に画像データを一時
記憶する前、及びスプール60に一時記憶した画像デー
タを読み出した後の少なくとも一方のタイミング)でこ
れらのプログラムを選択的に実行し、画像データに対し
て各種の画像処理を行う。このように、画像データ交換
機14は各種の画像処理を行う画像処理エンジン62
(図2参照)としての機能も備えている。
【0029】本実施形態では、画像データに対する画像
処理として、図2にも示すように、画素密度(画素数)
の異なる画像データに変換する「画素密度変換」、異な
る色空間の画像データに変換する「色空間変換」、「デ
ータ圧縮(又は解凍)」、FlashPixと称する所定のフォ
ーマット(互いに異なる複数種の解像度(画素密度)の
画像データを含み、かつ各解像度の画像データが各々複
数個の小領域(タイルと称する)に分割されたフォーマ
ット)の画像データへの変換(又は逆変換)を行う「Fl
ashPixフォーマット化」、デジタルカメラによる撮像に
よって得られた画像データ用の画質向上処理である「D
SC set up 」、画像の鮮鋭度を向上させる「シャープ
ネス補正」、画像データの不正複製等を防止するために
所定の電子透かしデータを埋め込む「電子透かし」、複
数種の画像データを合成して単一の画像の画像データ
(例えば年賀状等を作成するための画像データ)を生成
する「Composite 」等の各種の画像処理が用意されてい
る。
【0030】上記の各種画像処理のうち「DSC set u
p 」は、本発明に係る画像補正方法が適用された色補正
・濃度補正処理(詳細は後述)と、画像の色彩を鮮やか
にするための色変換処理と、から構成されている。色補
正・濃度補正処理を画像データ交換機14のCPU40
で実行させるための色補正・濃度補正プログラムは、そ
の他の画像処理をCPU40で実行させるためのプログ
ラムと共に、当初は、CD−ROM52に記憶されてい
る。CD−ROM52がCD−ROMドライバ54に装
填され、CD−ROM52から画像データ交換機14へ
のプログラムの移入(インストール)が指示されると、
CD−ROMドライバ54によってCD−ROM52か
ら色補正・濃度補正プログラムやその他のプログラムが
読み出され、ハードディスク装置50の内蔵ハードディ
スクに記憶される。
【0031】そして、色補正・濃度補正処理を実行すべ
きタイミングが到来すると、ハードディスク装置50の
内蔵ハードディスクから色補正・濃度補正プログラムが
読み出されてRAM44に記憶され(画像データ交換機
14の電源投入時に各画像処理のプログラムを読み出し
てRAM44に記憶しておくようにしてもよい)、色補
正・濃度補正プログラムが画像データ交換機14のCP
U40によって実行される。これにより、画像データ交
換機14は本発明に係る画像補正装置として機能する。
なお、他の画像処理のプログラムについても上記と同様
にして読み出されて実行される。
【0032】このように、色補正・濃度補正プログラム
やその他の画像処理のプログラムを記憶しているCD−
ROM52及びハードディスク装置50の内蔵ハードデ
ィスクは本発明の記録媒体に対応している。
【0033】次に本実施形態の作用として、画像データ
交換機14に情報記憶媒体読出装置22(及びCD−R
書込装置24)が接続されている態様(図2参照)を例
に、情報記憶媒体読出装置22からデジタルラボシステ
ム12のプリンタ34への画像データの転送について説
明する。
【0034】画像処理システム10では、ユーザが所有
しているパーソナルコンピュータ等の情報処理装置で加
工された画像データを記憶したFDやMOが持ち込まれ
てプリントの作成が依頼されたり、デジタルカメラによ
る撮像によって得られた画像データを記憶したデジタル
カメラカードが持ち込まれてプリントの作成が依頼され
たり、或いはスキャナ30から画像データ交換機14、
CD−R書込装置24を経て転送された画像データが書
き込まれたCD−Rが持ち込まれてプリントの作成(焼
き増し)が依頼されることがある。
【0035】この場合、ユーザから持ち込まれた情報記
憶媒体が対応する情報記憶媒体読出装置22(FDドラ
イブ、CDドライブ、MOドライブ、カードリーダ等の
何れか)にセットされ、情報記憶媒体がセットされた情
報記憶媒体読出装置22は、セットされた情報記憶媒体
から処理対象の画像データを読み出した後に、読み出し
た画像データを、処理対象の画像データの各種の属性を
表す属性情報、及び画像データの出力先がプリンタ34
であることを表す情報と共に画像データ交換機14へ転
送する。
【0036】情報記憶媒体読出装置22から転送された
画像データは、I/F回路16で所定のファイル構造に
変換された後に画像データ交換機14に入力される。画
像データ交換機14の画像処理エンジン62は、画像デ
ータの入力元が情報記憶媒体読出装置22であり、画像
データと共に入力された画像データの出力先を表す情報
から、入力された処理対象の画像データがプリンタ34
へ出力すべき画像データであることを認識すると、処理
対象の画像データがスプール60に記憶される前に、入
力元(情報記憶媒体読出装置22の種類)に依存する処
理対象の画像データの属性と出力先(プリンタ34)と
に応じた最適な画像処理を行う。
【0037】ここで、入力元の情報記憶媒体読出装置2
2がデジタルカメラカードからの画像データの読み出し
を行う装置(カードリーダ)である場合には、画像処理
エンジン92は、入力された画像データはデジタルカメ
ラによる撮像によって生成されてデジタルカメラカード
に記憶(この場合、データ圧縮されて記憶される)され
た画像データであると判断し、圧縮された画像データの
解凍、印画紙への画像の記録に適した解像度(画素密
度)の画像データへの変換、色補正・濃度補正処理を含
む「DSC set up 」、画像の鮮鋭度を向上させる「シ
ャープネス補正」等の画像処理を行う。
【0038】以下、処理対象の画像データが、デジタル
カメラカードから読み出された画像データ(各画素毎に
R,G,B各成分色(各チャンネル)の値が所定の変換
特性に従ってコード化された画像データ(R,G,B))
である場合に、画像処理エンジン62(画像データ交換
機14のCPU40)が色補正・濃度補正プログラムを
実行することによって実施される色補正・濃度補正処理
について、図3のフローチャートを参照して説明する。
【0039】すなわち、ステップ100では画像データ
(R,G,B)をサンプリングし、次のステップ102
では、サンプリングによって得られた画像データ(R,
G,B)から色補正のための所定の画像特徴量を演算す
ると共に、濃度補正のための所定の画像特徴量を演算
し、演算した各画像特徴量に基づいて、色補正及び濃度
補正のための補正値(画像データに対するゲイン)を各
チャンネル毎に各々演算する。なお、色補正のためのサ
ンプリング及び画像特徴量の演算と、濃度補正のための
サンプリング及び画像特徴量の演算と、は以下のように
別々に行うことが好ましい。
【0040】例えば濃度補正のためのサンプリング及び
画像特徴量の演算については、画像データ(R,G,
B)から全画素のデータをサンプリングすると共に、M
0 個(例えば100個程度)の画素毎に、平均化サンプ
リング値を各チャンネルについて求める(M0 個の画素
のサンプリング値(デジタルコード値)を被写体反射率
に変換して平均値を演算してデジタルコード値に逆変換
する)ことを繰り返し、濃度補正のための画像特徴量と
して、M0 個の画素毎に求めた各チャンネル毎の平均化
サンプリング値から平均輝度値[v]を演算する。
【0041】また、例えば色補正のためのサンプリング
及び画像特徴量の演算については、画像データ(R,
G,B)からS0 個(例えば100個程度)の画素毎に
1個の画素の各チャンネルのデータをサンプリング(選
択)することを繰り返し、色補正のための画像特徴量と
して、各チャンネル毎の画像データサンプリング値(デ
ジタルコード値)の平均値[r][g][b]を演算す
る。そして、各チャンネル毎の画像データサンプリング
値の平均値[r][g][b]と、前述の平均輝度値
[v]とに基づいて、色補正及び濃度補正のための各チ
ャンネル毎の補正値(画像データに対するゲインαR
αG ,αB )を演算する。
【0042】前述した平均化サンプリング値の演算で
は、1個の平均化サンプリング値の演算に用いられるM
0 個の画素に対応する原画像上の領域の面積が大きいの
で、原画像中の高輝度点や低輝度点の存在する箇所の輝
度の変化が平均化され、中間的な濃度を表す値が平均化
サンプリング値として設定される。このような平均化サ
ンプリング値から求めた平均輝度値[v]を用いて補正
値を演算することで、高精度な濃度補正が可能な補正値
を得ることができる。
【0043】また、色補正のためのサンプリングによっ
て得られるデータは、サンプリングされた画素に対応す
る原画像上の領域の面積が微小であるので、原画像中の
面積が微小の高輝度点や低輝度点や、その他の原画像中
の中性色であるべき箇所のデータを高い割合で含んでい
る。従って、このようなサンプリング値の各チャンネル
毎の平均値[r][g][b]を用いて補正値を演算す
ることで、高精度な色補正が可能な補正値を得ることが
できる。
【0044】次のステップ104では、ステップ102
で各チャンネル毎に演算した補正値(ゲインαR
αG ,αB )に基づいて、補正対象の画像データ(詳し
くは0〜1の範囲内の値をとる被写体反射率値を表す被
写体反射率データ(r,g,b))に対して色補正及び濃
度補正を行うための画像データ変換条件を各チャンネル
毎に設定する。画像データ変換条件は、具体的には、例
えば以下のようにして変換曲線を定めることで設定する
ことができる。
【0045】すなわち、例えば図4(B)に示すよう
に、横軸に変換前の入力画像データ値(入力信号値)の
対数値をとり、縦軸に変換後の出力画像データ値(出力
信号値)の対数値をとった二次元の両対数チャート(な
お図4(B)では、変換対象の被写体反射率データが表
す被写体反射率値(真数値)を各座標軸に沿って付して
いる)上で、所定領域(図4(B)では被写体反射率値
(真数値)で略0.5 〜1の範囲(被写体反射率値の対数
値で略-0.3〜0の範囲))外の領域(すなわち、図4
(B)では被写体反射率値(真数値)で略0.5 以下の範
囲(被写体反射率値の対数値で略-0.3以下の範囲))にお
ける変換曲線(直線)を傾きが1になるように設定する
(例えば入力画像データ値=出力画像データ値の直線
(図4(B)に示すゲイン=1.0 の直線を設定する)。
【0046】次に、設定した変換曲線を、傾きが変化し
ないように、補正値(各チャンネル毎のゲインαR ,α
G ,αB )に応じて横軸と垂直な方向に沿って平行移動
させる。なお変換曲線の移動は、具体的には、ゲインα
の値が小さくなるに従って横軸と接近し、ゲインαの値
が大きくなるに従って横軸と離間するように移動させる
ことができる(図4(B)にはゲインが「1.3 」「1.0
」「0.7 」の各値のときの変換曲線を各々示す)。
【0047】上記のようにして所定領域外の変換曲線を
定めると、次に、所定領域内の変換曲線を、入力画像デ
ータのうち最も明るい点に相当する値(図4(B)では
真数値で1.0 、対数値で0)が、出力画像データのうち
最も明るい点に相当する値(図4(B)では同様に真数
値で1.0 、対数値で0)に変換され、かつ中間部が滑ら
かに変化して所定領域外の変換曲線と滑らかに繋がるよ
うに定める。
【0048】これにより、例として図4(B)にも示す
ように、入力画像データ値のうちの最も明るい点に相当
する値が出力画像データのうちの最も明るい点に相当す
る値に変換されると共に、入力画像データ値の対数値の
変化に対する出力画像データ値の対数値の変化の傾き
が、最も明るい点に相当する画像データ値近傍の所定領
域を除いて1とされ、入力画像データ値をゲインαの値
に応じて出力画像データ値に変換する変換曲線を得るこ
とができる。なお、図4(A)には、図4(B)に示し
た3本の変換曲線を、横軸に変換前の入力画像データ値
の真数値をとり、縦軸に変換後の出力画像データ値の真
数値をとった二次元の両真数チャート上でプロットした
ときの変換曲線を参考までに示している。
【0049】そして、各チャンネル毎に上記の変換曲線
の設定を行い、例えば補正対象の画像データに対する変
換(色補正及び濃度補正)をルックアップテーブル(L
UT)によって行うのであれば、各チャンネル毎の変換
曲線に基づいてLUTに設定する変換データを各々定め
ることで画像データ変換条件を設定することができ、例
えば補正対象の画像データに対する変換を関数式に基づ
き演算によって行うのであれば、各チャンネル毎に変換
曲線を近似する関数式を各々生成することで画像データ
変換条件を設定することができる。
【0050】なお、上記のように画像データ変換条件を
設定することに代えて、ゲインα(補正値)が各値のと
きの画像データ変換条件を予め各々定めて記憶してお
き、ステップ102で求めたゲインα(補正値)に応じ
て、画像データの変換に使用する画像データ変換条件を
選択的に設定するようにしてもよい。また、上記で設定
した画像データ変換条件設定のアルゴリズムは単なる一
例であり、同様の変換条件が得られる任意のアルゴリズ
ムを採用可能であることは言うまでもない。
【0051】ところで、デジタルカメラによる撮影によ
ってデジタルカメラカードに記憶される画像データは、
一般に、国際無線通信諮問委員会709勧告に従い、被
写体反射率X(0〜1の値をとる)を、以下の(3)式
に示す関数F(X)により8ビットのデジタルコード値
(0〜255の値をとる)に割り付けられている(整数
化されてコード化されている)。
【0052】
【数2】 (3)式からも明らかなように、デジタルカメラからの
画像データの各画素毎のデジタルコード値と光強度との
関係は非線形であり、デジタルカメラからの画像データ
に対して直接色補正及び濃度補正を行ったとすると、該
補正に伴って画像の階調が変化する。
【0053】このため、次のステップ106では色補正
及び濃度補正に先立ち、画像データ(R,G,B)を、
被写体反射率を表す被写体反射率データ(r,g,b)
へ変換する。この変換は、関数Fの逆変換(関数F-1
よる変換)を行うことで実現することができる(次式参
照)。
【0054】 r←F-1(R), g←F-1(G), b←F-1(B) これにより、画像データ(R,G,B)の各画素の各チ
ャンネル毎の値(デジタルコード値)は、光強度との関
係が線形な被写体反射率値に各々変換される。被写体反
射率データ(r,g,b)は本発明に係る「補正対象画
像の各画素毎の光強度との関係が線形な物理量の値を表
す画像データ」に対応している。
【0055】ステップ108では、先のステップ104
で各チャンネル毎に設定した画像データ変換条件に従っ
て、各チャンネル毎に被写体反射率データ(r,g,
b)を変換する。これにより、被写体反射率データ
(r,g,b)に対し、各チャンネル毎に、ステップ1
02で演算された補正値(ゲインαR ,αG ,αB )に
応じた色補正及び濃度補正が行われる。
【0056】画像データ変換条件は、前述のように、入
力画像データ値の対数値の変化に対する出力画像データ
値の対数値の変化の傾きが、所定領域を除いて1になる
ように設定しているので、変換後の画像データが表す画
像を、例えば記録材料への画像の記録等を行って観察し
たとしても、人間の感覚的強度が刺激の物理的強度の対
数に比例することからも明らかなように、変換後の画像
データが表す画像の主階調が変化したと視認されること
はない。
【0057】また、画像データ変換条件は、入力画像デ
ータのうちの最も明るい点に相当する値が出力画像デー
タのうちの最も明るい点に相当する値に変換されるよう
に設定しているので、変換後の画像データが表す画像中
のハイライト部が白くとんだり、前記画像中の白地が黒
みを帯びることもない。更に、本実施形態に係る画像デ
ータ変換条件は、被写体反射率値(真数値)で略0.5 〜
1の範囲(被写体反射率値の対数値で略-0.3〜0の範
囲))に相当する領域を所定領域としており、請求項2に
記載の所定領域の数値範囲内に含まれている。このた
め、後述する実験結果からも明らかなように、変換後の
画像データが表す画像を視覚的に好ましい画像とするこ
とができる。
【0058】そしてステップ110では、上記の色補正
及び濃度補正によって得られた被写体反射率データ
(r’,g’,b’)を画像データ(R’,G’,
B’)に変換する。この変換は(3)式として示した関
数Fを用いることで行うことができる(次式参照)。
【0059】R’←F(r’), G’←F(g’),
B’←F(b’) これにより、画像データが表す画像の主階調が変化した
り、前記画像中のハイライト部が白くとんだり、前記画
像中の白地が黒みを帯びたりすることなく、色補正及び
濃度補正が施された画像データ(R’,G’,B’)を
得ることができる。上述した色補正・濃度補正処理にお
ける画像データに対する各種の変換を纏めると次のよう
になる。
【0060】
【数3】 なお、上記では被写体反射率データ(r,g,b)に対
して色補正及び濃度補正を行う場合を説明したが、これ
に限定されるものではなく、被写体反射率データ(r,
g,b)をXYZ表色系における三刺激値を表す三刺激
値データ(X,Y,Z)に変換し、三刺激値データ
(X,Y,Z)に対して先のステップ110と同様に色
補正及び濃度補正を行った後に、色補正及び濃度補正後
の三刺激値データ(X’,Y’,Z’)を被写体反射率
データ(r’,g’,b’)に変換し、画像データ
(R’,G’,B’)を得るようにしてもよい。被写体
反射率データ(r,g,b)から三刺激値データ(X,
Y,Z)への変換は(4)式に示すようなマトリクス演
算によって実現でき、色補正及び濃度補正を経た三刺激
値データ(X’,Y’,Z’)から被写体反射率データ
(r’,g’,b’)への変換は次の(5)式に示すよ
うなマトリクス演算によって実現できる。
【0061】
【数4】 この場合の画像データに対する各種の変換を纏めると次
のようになる。
【0062】
【数5】 また、処理対象の画像データが、各画素毎に輝度Y、色
差Cr,Cb の各チャンネルの値が所定の変換特性に従っ
てコード化された画像データ(Y,Cr,Cb)である場合
には、画像データ(Y,Cr,Cb)から画像データ(R,
G,B)への変換を行えば、先に説明した色補正・濃度
補正処理と同様にして色補正及び濃度補正を行うことが
できる。この変換は、まず次の(6)式に示す関係式に
従って、各画素毎に、輝度データY、色差データCr,C
b からデータLuma,Chroma1,Chroma2を求める。
【0063】 Y=(255/1.402)Luma Cr =111.40 Chroma1+156 Cb =135.64Chroma2 +137 …(6) そして、次の(7)式により、各画素毎に、データLum
a,Chroma1,Chroma2からデータR,G,Bを求める。こ
れにより、画像データ(R,G,B)を得ることができ
る。なお、この変換はアフィン変換の一種である。
【0064】
【数6】 また補正済の画像データ(R’,G’,B’)から画像
データ(Y’,Cr',Cb')への変換は、まず次の
(8)式により、各画素毎に、データR’,G’,B’
からデータLuma,Chroma1,Chroma2を求める。
【0065】
【数7】 そして、データLuma,Chroma1,Chroma2から、先の(6)
式に従って、各画素毎に輝度データY’、色差データC
r', Cb'を求める。これにより、画像データが表す画像
の主階調が変化したり、前記画像中のハイライト部が白
くとんだり、前記画像中の白地が黒みを帯びたりするこ
となく、色補正及び濃度補正が施された画像データ
(Y’,Cr', Cb')を得ることができる。画像データ
(Y,Cr,Cb)が入力される場合の画像データに対する
各種の変換を纏めると次のようになる。
【0066】
【数8】 また、上記では画像データ(R,G,B)から被写体反
射率データ(r,g,b)への変換、及びその逆変換を
(3)式に基づいて行っていたが、これに限定されるも
のではなく、例えば下記の(9)式に基づいて行っても
よい。
【0067】
【数9】 更に、上記では本発明に係る記録媒体として、CD−R
OM52及びハードディスク装置50の内蔵ハードディ
スクを例に説明したが、本発明はこれに限定されるもの
ではなく、例えばフロッピーディスク等の磁気ディス
ク、CD−R等の光ディスク、MO等の光磁気ディス
ク、メモリカード、ICカード等の各種の情報記憶媒体
を、本発明に係る記録媒体として適用可能であることは
言うまでもない。
【0068】また、上記では画像データ交換機14のC
PU40が色補正・濃度補正プログラムを実行すること
によって色補正・濃度補正処理を行うようにしていた
が、これに限定されるものではなく、色補正・濃度補正
処理を行う専用のハードウェア(画像処理回路)を設
け、該画像処理回路で色補正・濃度補正処理を行うよう
にしてもよい。
【0069】また、上記では色補正値や濃度補正値を自
動的に演算する場合を説明したが、これに限定されるも
のではなく、例えばディスプレイ等の表示手段に画像を
表示している状態で、オペレータが表示画像を検定する
ことによって決定された色補正値や濃度補正値に基づい
て色補正や濃度補正を行うようにしてもよい。
【0070】また、上記ではデジタルカメラによる撮像
によって生成された画像データを処理対象としていた
が、これに限定されるものではなく、例えば写真フィル
ムに記録されているフィルム画像を読み取ることによっ
て得られた画像データ等に対する色補正や濃度補正に本
発明を適用可能である。また、上記では色補正及び濃度
補正を各々行っていたが、何れか一方のみを行ってもよ
いことは言うまでもない。
【0071】
【実施例】次に、本願発明者が実施した実験の結果につ
いて説明する。本願発明者は、本発明に係る所定領域の
適正な範囲(所定領域と所定領域外との適正な境界)を
確認するために、以下の実験を行った。
【0072】すなわち、所定の被写体をデジタルカメラ
(富士フイルム製のFinepix700(商品名))によって撮影
し、撮影によって得られた画像データ(R,G,B)
を、先に説明した関数F(X)の逆変換によって被写体
反射率データ(r,g,b)に変換した後に、変換関数
f(x)に従って変換することで濃度補正を行い、補正
後の被写体反射率データ(r’,g’,b’)を関数F
(X)によって画像データ(R’,G’,B’)に変換
し、画像データ(R’,G’,B’)を用いてプリンタ
(富士フイルム製のFrontier(商品名))によって印画紙
への画像の記録を行い、複数の評価者により記録画像を
評価することを、変換関数f(x)のパラメータの値を
変更しながら繰り返した。上記の実験における処理の流
れを纏めると次のようになる。
【0073】
【数10】 変換関数f(x)は、所定領域の適正な範囲を確認する
ために、所定範囲と所定範囲外との境界がパラメータu
によって規定された関数であり、次式によって定義され
る。
【0074】
【数11】 なお、kは先の実施形態で説明した画像データ変換条件
におけるゲインに相当するパラメータであり、本実験で
は次式で与えられる濃度補正係数を用いた(但し、Σ
Gは画像データ(R,G,B)から求めたG濃度の平均
値を表す)。
【0075】k=118/ΣG またパラメータk=0.7 とし、パラメータuとして「0.
7 」「0.5 」「0.3 」の各値を設定したときの、両真数
チャート及び両対数チャート上での変換関数f(x)の
軌跡は図5(A)及び(B)のようになる。
【0076】上記の実験により、パラメータuの値を略
0.3 よりも小さくすると記録画像の画質の劣化が明瞭に
視認され、パラメータuの値(真数値)を略0.3 以上
(対数値で略-0.5程度)とすれば、記録画像が視覚的に
好ましい画質になることが確認された。これにより、本
願発明者は、所定領域を真数値で略0.3 〜1(対数値で
略-0.5〜0)の範囲に相当する領域(すなわち、入力画
像データ値を0から1の範囲内に規格化したときに、入
力画像データのうちの最も明るい点に相当する値から、
入力画像データ値の対数値で略0.5以内の範囲に相当
する領域)とし、該所定領域外についてのみ入力画像デ
ータ値の対数値の変化に対する出力画像データ値の変化
の傾きが略1(好ましくは1)となるように画像データ
変換条件を設定すれば、該変換条件に従って変換した画
像データが表す画像が好ましい画質になるとの知見を得
た。
【0077】なお、上記では画像データに対して濃度補
正のみを行う実験について説明したが、色補正に関して
も、所定領域を上記のように規定して変換条件を設定す
ることにより、該変換条件に従って変換した画像データ
が表す画像が好ましい画質になることが、本願発明者に
よる実験によって確認された。
【0078】
【発明の効果】以上説明したように請求項1及び請求項
3記載の発明は、画像の色及び濃度の少なくとも一方を
補正するための補正量に基づいて、入力信号のうちの最
も明るい点に相当する値が出力信号のうちの最も明るい
点に相当する値に変換されると共に、入力信号値の対数
値の変化に対する出力信号値の対数値の変化の傾きが、
最も明るい点に相当する信号値近傍の所定領域を除いて
略1になるように変換条件を設定し、前記設定した変換
条件に従って画像データを変換するようにしたので、画
像の主階調が変化したり、画像中のハイライト部が白く
とんだり、画像中の白地が黒みを帯びる等の画質低下が
生ずることなく色補正や濃度補正を行うことができる、
という優れた効果を有する。
【0079】請求項2記載の発明は、請求項1の発明に
おいて、入力信号値を0から1の範囲内に規格化したと
きに、最も明るい点に相当する信号値から、入力信号値
の対数値で略0.5以内の範囲に相当する領域を所定領
域としたので、上記効果に加え、変換後の画像データが
表す画像の画質を、視覚的に好ましい画質にすることが
できる、という効果を有する。
【0080】請求項4記載の発明は、画像の色及び濃度
の少なくとも一方を補正するための補正量に基づいて、
入力信号のうちの最も明るい点に相当する値が出力信号
のうちの最も明るい点に相当する値に変換されると共
に、入力信号値の対数値の変化に対する出力信号値の対
数値の変化の傾きが、最も明るい点に相当する信号値近
傍の所定領域を除いて略1になるように変換条件を設定
する第1のステップ、前記設定した変換条件に従って画
像データを変換する第2のステップを含む処理をコンピ
ュータに実行させるためのプログラムを記録媒体に記録
したので、画像の主階調が変化したり、画像中のハイラ
イト部が白くとんだり、画像中の白地が黒みを帯びる等
の画質低下が生ずることなく色補正や濃度補正を行うこ
とができる、という優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態に係る画像処理システムの概略構成
を示すブロック図である。
【図2】図1の画像処理システムにおいて、入力装置と
して情報記憶媒体読出装置が、出力装置としてCD−R
書込装置が接続されている場合の画像データに対する処
理の流れを示す概念図である。
【図3】画像データに対する色補正・濃度補正処理の内
容を示すフローチャートである。
【図4】変換曲線の一例を、(A)は両真数チャート上
で、(B)は両対数チャート上で各々示す線図である。
【図5】本願発明者による実験で用いられた変換関数f
(x)の、(A)は両真数チャート上での軌跡の一例、
(B)は両対数チャート上での軌跡の一例を各々示す線
図である。
【符号の説明】
10 画像処理システム 14 画像データ交換機 22 情報記憶媒体読出装置 40 CPU 50 ハードディスク装置 52 CD−ROM 54 CD−ROMドライバ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5B057 AA20 CA01 CA12 CA16 CA18 CB01 CB12 CB16 CB18 CC01 CE11 CE16 CH01 CH11 CH12 DA17 DB06 DC05 5C066 AA01 AA05 BA20 CA17 DD02 EA05 EA07 EA13 EB01 EC02 EC05 EE04 GA01 HA02 KD07 KE02 KE03 KE04 KE05 KE09 KE17 KF05 5C077 LL01 MP08 PP15 PP16 PP32 PP37 PP46 PP47 PP52 PP53 PQ08 PQ12 PQ18 PQ22 PQ23 RR18 RR21 TT02 TT09 5C079 HB01 HB05 LA12 LA13 LA17 LA23 LB00 MA01 MA04 MA11 NA18 PA03

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 補正対象画像の色及び濃度の少なくとも
    一方を補正するための補正量に基づいて、入力信号のう
    ちの最も明るい点に相当する値が出力信号のうちの最も
    明るい点に相当する値に変換されると共に、入力信号値
    の対数値の変化に対する出力信号値の対数値の変化の傾
    きが、最も明るい点に相当する信号値近傍の所定領域を
    除いて略1になるように変換条件を設定し、 補正対象画像の各画素毎の光強度との関係が線形な物理
    量の値を表す画像データを、前記設定した変換条件に従
    って変換する画像補正方法。
  2. 【請求項2】 前記所定領域は、入力信号値を0から1
    の範囲内に規格化したときに、最も明るい点に相当する
    信号値から、入力信号値の対数値で略0.5以内の範囲
    に相当する領域であることを特徴とする請求項1記載の
    画像補正方法。
  3. 【請求項3】 補正対象画像の色及び濃度の少なくとも
    一方を補正するための補正量に基づいて、入力信号のう
    ちの最も明るい点に相当する値が出力信号のうちの最も
    明るい点に相当する値に変換されると共に、入力信号値
    の対数値の変化に対する出力信号値の対数値の変化の傾
    きが、最も明るい点に相当する信号値近傍の所定領域を
    除いて略1になるように変換条件を設定する設定手段
    と、 補正対象画像の各画素毎の光強度との関係が線形な物理
    量の値を表す画像データを、前記設定手段によって設定
    された変換条件に従って変換する変換手段と、 を含む画像補正装置。
  4. 【請求項4】 補正対象画像の色及び濃度の少なくとも
    一方を補正するための補正量に基づいて、入力信号のう
    ちの最も明るい点に相当する値が出力信号のうちの最も
    明るい点に相当する値に変換されると共に、入力信号値
    の対数値の変化に対する出力信号値の対数値の変化の傾
    きが、最も明るい点に相当する信号値近傍の所定領域を
    除いて略1になるように変換条件を設定する第1のステ
    ップ、 補正対象画像の各画素毎の光強度との関係が線形な物理
    量の値を表す画像データを、前記設定した変換条件に従
    って変換する第2のステップを含む処理をコンピュータ
    に実行させるためのプログラムが記録された記録媒体。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN101237517B (zh) * 2007-01-29 2010-08-25 广达电脑股份有限公司 图像处理方法及装置

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CN101237517B (zh) * 2007-01-29 2010-08-25 广达电脑股份有限公司 图像处理方法及装置

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