JP4411306B2 - 還元ブリケットの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、鋼溶製時に発生する集塵ダスト、特にステンレス鋼溶製時に発生する集塵ダストと、さらに酸洗廃液処理時に発生する中和スラッジを用いた還元ブリケットの製造方法に関するものである。
製鉄所の製銑、製鋼工程で発生する集塵ダストは、金属酸化物、特に鉄酸化物を多く含有しており、集塵ダストを回収して還元鉄を製造し、リサイクルすることができれば資源の有効活用につながる。
特許文献1には、溶解炉および精錬炉より発生する集塵ダストを用い、成型性に優れ、かつ高還元性をもつブリケットの製造方法が記載されている。即ち、集塵ダストに、プラスチックを1〜10質量%、石灰成分を5〜30質量%、および炭材を5〜20質量%混合、成型するブリケットの製造方法であり、このようにして成型したブリケットを1200〜1350℃で15分以上60分以下保持することにより、70%以上のFe還元率が得られるとしている。石灰分として生石灰、消石灰を用いることができる。石灰分が5%未満であると、ブリケット成型した後の成型後5mm以上塊の歩留りが低下するとし、石灰分が5%以上で成型したブリケットのみを還元処理に供している。
還元プロセスのひとつとして、回転炉床炉が知られている。酸化金属粉と固体還元剤とを混合・成型して塊成物とし、水平方向に回転する炉床にこの塊成物を積み上げ、上部より輻射伝熱によって加熱し、酸化金属を還元して還元金属を製造する方法である。
ステンレス鋼を製造する電気炉および精錬炉から発生する集塵ダストは、有価な金属酸化物を含有するものの、粒度が細かくかつ重金属成分も含むことから、多くは産業廃棄物として委託廃棄されており、集塵ダストの処分や処理に多額の費用を要している。
また、酸洗廃液処理時に発生するフッ化カルシウム(CaF2)を多く含む中和スラッジも、産業廃棄物として委託廃棄されており、処理費用が多大となっている。
特開2005−248235号公報
特許文献1に記載の方法で集塵ダスト、プラスチック、石灰成分、炭材を混合、成型してブリケットとし、このブリケットを用いて還元焼成炉で還元処理を行った。ブリケット成型においては粉化の少ない良好なブリケットが形成できるものの、還元焼成を行った後のブリケットの強度が十分ではなく、焼成後の粉化によってブリケットの歩留りが悪化するという問題を有することが判明した。
本発明は、鋼溶製時に発生する集塵ダストを原料として、還元焼成炉で還元処理を行って還元ブリケットを製造するに際し、焼成後の強度を十分に確保することのできる還元ブリケットの製造方法を提供することを目的とする。
本発明はまた、ステンレス鋼の溶製時に発生する集塵ダスト、特に電気炉集塵ダストや精錬炉集塵ダストを回収して還元ブリケットとし、さらにCaF2を含有する中和スラッジを有効活用する還元ブリケットの製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、鋼溶製時に発生する集塵ダストに、酸洗廃液処理時に発生するCaF2成分を含有する中和スラッジを2〜15質量%、炭材を10〜15質量%配合し、有機バインダーを外掛けで5〜10質量%加え、原料配合中の塩基度(CaO/SiO2)が0.3〜1.0の範囲になるように石灰源を配合し、この原料配合混合物を混練、成型してブリケットとし、このブリケットを還元焼成炉で雰囲気温度1250℃以上焼成時間25分以上で還元焼成することを特徴とする還元ブリケットの製造方法である。鋼溶製がステンレス鋼溶製であり、集塵ダストがステンレス鋼溶製時に発生する電気炉集塵ダストと精錬炉集塵ダストの一方又は両方であると好ましい。集塵ダストの最大粒径が150μm以下、中和スラッジの最大粒径が350μm以下であると好ましい。
本発明は石灰源として、生石灰あるいは消石灰を用いることができる。配合原料中の塩基度を計算するに際しては、石灰源中に含まれるCa分をCaOに換算して計算する。
有機バインダー添加量は外掛けであるから、有機バインダー以外の原料を所要の含有量で配合し、配合した配合材の合計を100%とし、これに対して有機バインダーを所要の添加量(%)で添加する。
本発明は、集塵ダスト、CaF2成分を含有する中和スラッジ、炭材、有機バインダー、石灰源を配合してブリケットとし、このブリケットを還元焼成して還元ブリケットを製造するに際し、石灰源の配合量を少なくして最適化することにより、還元後の強度を向上して良質の還元ブリケットを得ることができる。また、ステンレス鋼溶製時に発生する集塵ダストを原料として還元ブリケットを製造し、さらにフッ化カルシウムを多く含む中和スラッジを有効活用することができるので、産業廃棄物として委託廃棄されていた資源を有効活用することを可能とした。
鋼溶製時に発生する集塵ダストには、主成分として鉄酸化物が含まれている。ステンレス鋼溶製時に発生する集塵ダストには、主成分として鉄酸化物の他、クロム酸化物、ニッケル酸化物も多く含まれている。このような集塵ダストに、CaF2成分を含有する中和スラッジ、炭材、有機バインダー、石灰源を配合して混練、成型しブリケットにする。
中和スラッジと有機バインダーは、主に還元焼成炉に装入する前にブリケット成型する際及び還元焼成炉での低温段階におけるブリケット強度を確保するためのバインダーとして機能する。石灰源は、還元焼成炉の高温段階においてブリケットの強度を維持するために必要となる。
特許文献1に記載のブリケットは、成型して還元焼成炉に装入前の塊状化については好適に製造できるものの、還元焼成を行った後のブリケットの強度が十分ではなく、焼成後の粉化によってブリケットの歩留りが悪化するという問題があった。
本発明者らが検討した結果、還元焼成に供するブリケットについては、ブリケット中に含有するCaOとSiO2の含有量の比率を示す塩基度(CaO/SiO2)に好適な範囲が存在することが明らかになった。塩基度が好適な範囲よりも高すぎても低すぎても、還元焼成時におけるブリケットの強度を十分に確保することができない。ブリケット中のSiO2源としては、集塵ダストなどの原料中に含まれるSiO2源が充てられ、これに石灰源を添加することによって塩基度が決定する。追加でSiO2源を添加することがないので、石灰源添加量が多すぎると、塩基度が好適な範囲を高めに外れて還元後の強度が確保できないこととなる。特許文献1に記載のものは、石灰成分を5〜30質量%混合することとしており、その結果としてブリケット成分の塩基度が高くなりすぎたのである。
本発明において、ブリケット成分の塩基度を0.3〜1.0の範囲とすることにより、還元後のブリケットの強度を高い値とすることができる。CaO−SiO2系酸化物では、塩基度が1の付近において融点が低く、塩基度が低くなっても高くなっても酸化物の融点は高くなる。融点が高すぎると、還元焼成の温度域において酸化物を焼結することが困難となる。ブリケット成分の塩基度を0.3〜1.0の範囲とすると、酸化物の融点が適度な値となり、還元焼成の温度域においてCaO−SiO2系酸化物の焼結によってブリケットの強度を確保することができるのである。また、ブリケット成分の塩基度を好適な範囲に保持するため、ブリケット中における石灰源(CaO換算)の含有量を1質量%以上5質量%未満とすると良い。
なお、投入する石灰源としては、生石灰あるいは消石灰を用いることができる。また、ブリケット成分の塩基度の計算にあたっては、配合原料の各銘柄のCaO%、SiO2%を予め分析で求めておき、投入した石灰源のCaをCaOに換算し、他の原料に含有されるCaO分、SiO2分を考慮し、算出することができる。石灰源の添加量を求めるに際しては、好適塩基度の範囲内で目標塩基度を定め、目標塩基度及び配合原料中の合計SiO2含有量とから配合CaO量を算出し、その値から石灰源を除く原料中のCaO量を減ずることにより、新たに添加が必要なCaO量を得ることができる。
本発明の還元ブリケット原料配合中に、酸洗廃液処理時に発生するCaF2成分を含有する中和スラッジを加える。中和スラッジは、ステンレス鋼をフッ硝酸で酸洗した廃液をCaO成分で中和した工程で発生するスラッジであり、CaF2成分を45%程度含有する。また、鉄、クロム、ニッケルを酸化物の形で含有している。CaF2を含有する中和スラッジを加えることにより、含有成分中のCaO、SiO2、CaF2がCaO−SiO2−CaF2複合酸化物を形成し、CaF2を含むことによって複合酸化物の融点が低下するという効果を発揮する。その結果、ブリケットの還元焼成時に焼結が進み、還元焼成後のブリケット圧潰強度を増大するという効果を得ることができる。また中和スラッジは、常温及び低温でのバインダーとしての効果を有し、有機バインダーとの相乗効果により、還元前のブリケット成型を容易にする。
中和スラッジ中に含有するCaF2含有量が40%以上であれば上記効果を確実に発揮することができる。また、CaF2含有量が40%以上の中和スラッジを原料配合中に2%以上加えることにより、還元前のブリケット成型効果、還元焼成後ブリケットの圧潰強度増大効果を確実に発揮することができる。一方、中和スラッジの添加量が多すぎると、中和スラッジを用いた還元ブリケットを電気炉装入原料として使用した際に、電気炉での排出ガス中のHF濃度が増加し、消費電力量も増加するために好ましくない。ブリケットの原料配合中における中和スラッジの配合量が15質量%以下であれば、このような問題の発生を防止することができる。
本発明のブリケットは、ブリケット成型時及び還元焼成炉の低温段階における塊成化を中和スラッジと有機バインダーの相乗効果によって確保している。
有機バインダーとは、常温または常温よりやや高い温度において結合力を有する結合材のうち、有機系のものを指す。フェノール、エポキシ、フランなどの樹脂、アラビアゴム、澱粉などの天然樹脂がこれに該当する。有機バインダーを外掛けで5質量%以上含有することにより、中和スラッジとの相乗作用でブリケット成型時に塊成化がなされる。一方、有機バインダー含有量が外掛けで10質量%を超えると、バインダー効果は増加しないことから、上限を10質量%とする。
本発明は有機バインダーとして、コピー機、プリンター等に使用されるトナー、またはこれらから回収された廃トナーを用いることができる。トナーは、フェノール樹脂の微粉に鉄粉を混合したものであるから、有機バインダーとして機能することができる。
本発明は、有機バインダーとともに中和スラッジを混合することとしたので、石灰源含有量の多寡にかかわらず、ブリケット成型において5mmスクリーンで篩い分けしたときの5mm以上比率が80%程度以上であり、塊成化が十分になされる。
炭材は、ブリケットを還元焼成炉で還元する際の還元剤として機能する。本発明では、炭材含有量を10〜15質量%とする。炭材含有量が10質量%以上であれば、還元焼成の結果として酸化金属の還元率70%以上を確保することができる。一方、炭材含有量が15質量%を超えると、還元後の残留炭素が多くなって圧潰強度が低下することが考えられるため、上限を15質量%とする。
集塵ダスト、CaF2成分を含有する中和スラッジ、炭材、有機バインダー、石灰源を本発明範囲内として混練し、成型してブリケットとする。ブリケット成型方法としては通常の回転ロール式成型機を用いることができる。ブリケットはアーモンド形状で、その大きさは、幅19〜23mm、長さ33〜41mm、厚さ16〜20mm程度、成型時のプレス圧は60〜80kN/cm程度とすればよい。これにより、粉化の少ない良好なブリケットを形成することができる。
成型したブリケットを還元焼成炉で還元焼成する。還元焼成炉としては、例えば回転炉床炉やロータリーキルン炉を用いることができる。焼成条件としては、雰囲気温度1250℃以上焼成時間25分以上とする。この条件を採用することにより、焼成後のブリケット圧潰強度を500N/個以上に保持することが可能となる。ただし、雰囲気温度が1300℃を超えると、ブリケット中の低融点物質のCaO−FeOが液体になりブリケット表面に沁みだして還元焼成炉炉床耐火物のSiO2、Al23成分と反応して耐火物を損傷する場合があるため、焼成雰囲気温度は1250〜1300℃とすると好ましい。
本発明の還元ブリケットは、鋼溶製時に発生する集塵ダストを原料とした場合には、原料中の鉄酸化物の70%以上が還元鉄となった還元ブリケットとすることができる。また、ステンレス鋼溶製時に発生する集塵ダストを原料とした場合には、原料中の鉄酸化物、ニッケル酸化物の70%以上がそれぞれ還元鉄、還元ニッケルとなった還元ブリケットとすることができる。
本発明の還元ブリケットで使用する集塵ダストとして、ステンレス鋼溶製時に発生する集塵ダストを用いると好ましい。有価金属として、鉄以外にクロム、ニッケルをも含有しており、資源の有効活用を図ることができるからである。
集塵ダストがステンレス鋼溶製時に発生する電気炉集塵ダストと精錬炉集塵ダストの一方又は両方であると好ましい。
還元ブリケットの圧潰強度を確保するためには、原料となる集塵ダスト、中和スラッジの最大粒径を所定の値よりも細かい粒径とすると好ましい。集塵ダストの最大粒径が150μm以下、中和スラッジの最大粒径が350μm以下であれば、還元ブリケットの圧潰強度を十分に高い値とすることができる。
本発明の還元ブリケットを製造する適正条件について、石灰源としての生石灰配合割合及び中和スラッジ配合割合、さらに焼成炉の焼成条件を種々変更した試験を実施した。以下にその試験結果について説明する。
試験に使用した原料の成分分析値及び粒度を表1に示す。集塵ダストは、ステンレス鋼溶製時に発生する電気炉集塵ダストと精錬炉集塵ダストを発生量に応じて混合したものである。中和スラッジは、ステンレス鋼をフッ硝酸で酸洗した廃液をCaO成分で中和した工程で発生するスラッジで、表1に示すようにCaF2成分を45%含有している。中和スラッジは、発生段階では多量の水分を含むため、乾燥機で脱水したものを使用する。炭材は、コークス冷却時に発生するCDQの集塵粉コークスである。有機バインダーとして、コピー機、画像処理装置に使用されるトナーから回収された廃トナーを使用した。CaO成分として生石灰を使用した。
Figure 0004411306
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試験配合は、まず生石灰含有量の影響を調査するため、炭材(13%)、廃トナー(外掛けで6%)、中和スラッジ(15%)含有量を一定として生石灰配合を0、5、10、25%の4水準として試験を行った。
表1に示す原料を、表2の配合割合で秤量・混練し、アーモンド形状(幅20mm×長さ35mm×厚さ18mm)のブリケットをプレス圧270kPaで成型した。成型後の水分が2%以下となるように予め原料水分を調整した。試験−1〜4のいずれも、良好にブリケット成型を行うことができた。
ブリケットの還元焼成はチューブ炉(40φ×300mm)で行い、焼成雰囲気温度を1250℃として窒素雰囲気中で焼成した。焼成時間は8分、25分、50分の3水準で行った。焼成後のブリケットの長さ寸法を測定し、長さ方向線収縮率と生石灰配合割合との関係を図1に、長さ方向線収縮率と焼成時間との関係を図2にそれぞれ示す。
図1から明らかなように、生石灰配合を0質量%から25質量%まで順次増加した場合、収縮率はCaO含有量の増加とともに低下傾向を示している。このことは、生石灰が多くなると1250℃でスラグの融体化が阻害され、焼結が進み難くなることを示している。
焼成時間の影響については、図2に示すように、生石灰配合が0〜25質量%のいずれにおいても、焼成時間25分以上で収縮率は飽和している。このことは25分で焼結は完了していることを示しており、焼成時間は25分以上確保すれば良いことになる。
次に、中和スラッジ添加効果について、還元焼成後のブリケット圧潰強度に及ぼす影響に関して試験を行った。還元ブリケットを通常にハンドリングする場合、圧潰強度が500N/個以上であれば、ブリケットが粉化せず十分な強度を有しているといえる。
原料配合は、表1に示す原料を、炭材13質量%、生石灰4質量%、廃トナーを外掛けで6質量%の配合量でそれぞれ一定とし、中和スラッジの配合を0〜35質量%で変化させた。中和スラッジ配合量変化については、集塵ダストと中和スラッジの合計量が一定になるように調整した。焼成雰囲気温度を1250℃とし、焼成時間を8分、25分、50分と変化させた。結果を図3に示す。
焼成時間8分では圧潰強度が不足するが、25分焼成、50分焼成いずれも、中和スラッジの含有量にかかわらず圧潰強度が500N/個以上の十分な強度を示している。ただし前述のとおり、中和スラッジの添加量が多すぎると、中和スラッジを用いた還元ブリケットを電気炉装入原料として使用した際に、電気炉での排出ガス中のHF濃度が増加し、消費電力量も増加するので、ブリケットの原料配合中における中和スラッジの配合量を15質量%以下とする。
次に、炭材の含有量が集塵ダストの鉄還元率に及ぼす影響について調査した。
表1に示す原料を、生石灰配合4質量%、中和スラッジ15質量%、廃トナーを外掛けで6質量%とし、炭材配合量を0〜23質量%の範囲で変化させた。炭材配合量の変化は集塵ダスト配合量で調整した。還元焼成温度を1250℃、焼成時間25分とした。結果を図4に示す。
炭材配合量が少なすぎると鉄還元率が低下するが、炭材配合量が10〜23質量%の範囲では鉄還元率70%以上で高還元性のブリケットを得ることができる。ただし、炭材が15質量%を超えると残留炭素が多くなり、圧潰強度が低下することが考えるため、炭材配合量範囲を10〜15質量%とする。
次に、還元焼成雰囲気温度、焼成時間が還元ブリケットの圧潰強度に及ぼす影響について調査した。
表1に示す原料を、生石灰4質量%、中和スラッジ15質量%、炭材13質量%、廃トナーを外掛けで6質量%、集塵ダスト68質量%の配合とし、焼成温度を1200〜1350℃、焼成時間を8〜50分で変化させた。焼成温度と焼成時間が還元ブリケットの圧潰強度に及ぼす影響を図5に示す。
焼成時間25分であれば1250℃以上、焼成時間50分であれば1230℃以上において、還元ブリケットの圧潰強度を500N/個以上とすることができた。これより、25分以上の焼成時間では、焼成雰囲気温度は1250℃以上で良い。ただし、焼成雰囲気温度が1300℃を超えると、ブリケット中の低融点物質のCaO−FeOが液体になりブリケット表面に沁みだして還元焼成炉耐火物のSiO2、Al23成分と反応して耐火物を損傷する場合があるため、焼成雰囲気温度は1250〜1300℃が好ましい。
次に、原料配合中の塩基度(CaO/SiO2)と還元ブリケットの圧潰強度との関係について調査した。
図1に示す原料を、中和スラッジ15質量%、炭材13質量%、廃トナーを外掛けで6質量%とし、生石灰配合量を変化させた。生石灰配合量の変化は集塵ダスト配合量で調整した。還元焼成温度を1250℃、焼成時間25分とした。結果を図6に示す。
塩基度0.3〜1.0の範囲で還元ブリケットの圧潰強度が500N/個以上であり、良好な強度を得ることができた。塩基度が良好範囲より高くなり、あるいは低くなったときは、CaO−SiO2−CaF2複合酸化物の融点が上昇するので、焼結が進行し難くなり、これが圧潰強度低下の原因であると考えられる。
図7に示す設備フローを有する設備を用い、本発明の還元ブリケットを実機で製造した。
配合原料として、ステンレス鋼溶製時に発生する集塵ダスト、酸洗廃液処理時に発生するCaF2成分を含む中和スラッジ、さらに炭材としてCDQのコークス粉を用いた。有機バインダーとして廃トナーを用いた。これら原料を表3に示す配合割合で配合し、混練機で混練する。この際、配合原料中の水分が2質量%以下になるように原料中の成分を調整した。
混練した配合原料をロール径750mmの回転ロール式成型機でアーモンド形状(幅21mm×長さ37mm×厚み18mm)に線圧80kN/cmでブリケット状に塊成化し、ブリケット化後の5mm以下粉はスクリーンで除き成型機にリターンし、5mm以上の塊成化物を還元焼成炉で還元した。
還元焼成炉は回転炉床式で重油バーナで加熱されており、炉全体を4個のゾーンに区分し、ゾーン−1、ゾーン−2を加熱帯とし、ゾーン−3、ゾーン−4を還元帯にしている。焼成炉の雰囲気温度はゾーン−1で1050℃、ゾーン−2は1250℃で、ゾーン−2〜ゾーン−4までのバーナの燃焼は空燃比0.7で炉内雰囲気を還元雰囲気に保持している。焼成時間は50分で行い、1250℃での焼成時間は37.5分であった。
還元されたブリケットは系外へ排出され冷却されて5mm以下の粉をスクリーンで取り除き、残りを製品とした。
Figure 0004411306
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表3に本発明例及び比較例の原料配合割合、原料配合中塩基度(CaO/SiO2)、炭材割合を示す。表4に還元焼成後のブリケットの圧潰強度、還元焼成後の5mm以上の塊状の歩留及び還元焼成後の金属酸化物の還元率を示す。
本発明例I、IIは、表3に示すように、原料配合割合、原料配合中塩基度及び炭材割合は本発明条件を満足する。また表4に示すように、還元後ブリケットの5mm以上の塊状の歩留70%以上、還元後のブリケットの圧潰強度は500N/個以上であり、高強度の還元ブリケットを得ることができた。還元処理による金属酸化物の還元率はFeで70%以上、Niで90%以上であり、高還元率であった。クロムの還元率については10%程度であり低値であるが、クロム酸化物は難還元性のため、本実施例の還元条件では、還元温度が低いためこの程度の還元率に留まる。しかし、未還元部分についても、この還元ブリケットを電気炉装入主原料とし、電気炉で還元・溶解されるので、金属資源として有効利用することができる。
一方、比較例I、IIは、表3に示すように、原料配合割合、原料配合中塩基度(CaO/SiO2)及び炭材割合のいずれかが本発明の条件外であり、その結果、表4に示すように、還元後ブリケットの5mm以上の塊状の歩留が74〜75%と低く、還元後のブリケットの圧潰強度も260〜290N/個程度と低値であり、鉄酸化物の還元率も本発明例より低値であった。
還元時のブリケット収縮率と生石灰配合割合の関係を示す図である。 還元時のブリケット収縮率と還元焼成時間の関係を示す図である。 中和スラッジ配合率と還元ブリケット圧潰強度の関係を示す図である。 炭材配合率とブリケット内鉄分の還元率を示す図である。 焼成温度と還元ブリケット圧潰強度の関係を示す図である。 原料配合中の塩基度(CaO/SiO2)と還元ブリケット圧潰強度の関係を示す図である。 ステンレス鋼溶製集塵ダストを原料とする本発明の還元ブリケット製造設備のフロー図である。

Claims (4)

  1. 鋼溶製時に発生する集塵ダストに、酸洗廃液処理時に発生するCaF2成分を含有する中和スラッジを2〜15質量%、炭材を10〜15質量%配合し、有機バインダーを外掛けで5〜10質量%加え、原料配合中の塩基度(CaO/SiO2)が0.3〜1.0の範囲になるように石灰源を配合し、この原料配合混合物を混練、成型してブリケットとし、このブリケットを還元焼成炉で雰囲気温度1250℃以上焼成時間25分以上で還元焼成することを特徴とする還元ブリケットの製造方法。
  2. 鋼溶製がステンレス鋼溶製であることを特徴とする請求項1に記載の還元ブリケットの製造方法。
  3. 集塵ダストがステンレス鋼溶製時に発生する電気炉集塵ダストと精錬炉集塵ダストの一方又は両方であることを特徴とする請求項2に記載の還元ブリケットの製造方法。
  4. 集塵ダストの最大粒径が150μm以下、中和スラッジの最大粒径が350μm以下であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の還元ブリケットの製造方法。
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