JP4410374B2 - 多項目生物試料検査方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、生物試料に含まれる被検物質を検出するための検査方法に関する。また、本発明は、血液検査方法と前記方法のための血液検査用試薬とに関する。詳しくは、ABO式血液型判定検査類、Rh式血液型判定検査類、または各種抗体のスクリーニング検査類から選択される複数の検査項目を1つの反応系で測定することが可能な血液検査方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
現在の医療現場において、血液検査は最も基本的な検査の1つである。また、その中でも、血液型判定試験、並びにウイルスおよび細菌等の病原体に対する抗体のスクリーニングは、重要な血液検査項目とされている。
【0003】
他個体間で同種輸血を実施する際には、血液型不適合による副作用を防ぐために、幾つかの血液型判定試験が行われる。そのような試験には、赤血球型を検査するための、ABO式血液型判定検査、Rh式血液型判定検査、および交差適合試験等が含まれ、また、種々の不規則抗体に関するスクリーニング検査や、赤血球以外の血球、例えばリンパ球、血小板、単球および顆粒球等の多形性に関する検査等、また更に、例えば、ウイルス、細菌等の病原体に対する抗体のスクリーニングまたは同定試験等も含まれる。
【0004】
また、一般的に行われているこれらの試験は、例えば、「技術教範」(Technical Manual<日本語版>,American Association of Blood Banks編1985年)に記載される。
【0005】
ABO式血液型判定法では、信頼性のある判定結果を得るために、試験従事者は2つの検査、即ち、おもて検査とうら検査を行わなくてはならない。おもて検査では、被検赤血球の型抗原の有無を検査する。うら検査では、血清(または血漿)中の抗Aおよび抗B凝集素の有無を検査する。これらの2つの検査成績が一致した場合にのみに血液型の判定が下される。
【0006】
また、特開昭62−278457は、通常、2つの反応系を用いて行われていたABO血液型のおもて試験を、1つの反応系で同時に行える方法を開示する。即ち、この試験方法は、血球試料と各自標識された抗A抗体、抗B抗体を用いることにより、血球試料に結合した標識物質の有無により血液型を判定する方法である。
【0007】
Rh式血液型判定法は、一般的に、スライド法または迅速試験管遠心法により実施される。この方法は、血球試料とRh陽性血球と特異的に反応する抗D抗体試薬との凝集反応の有無を判定するものである。
【0008】
また、他の抗血液型抗体の検査法、または該抗体の同定方法は、一般的に、食塩法、アルブミン法、LISS法、抗グロブリン試験法、または酸素法等により実施される。抗体スクリーニング検査を行う場合には、血清試料に対し、複数の抗体スクリーニング用血球試薬の夫々が添加され、各反応系における凝集反応の有無が確認される。また更に、抗体の同定を行う場合は、血清試料に対し、11種類程度の抗体同定用血球試薬のそれぞれが添加され、各反応系における凝集反応の有無が判定される。
【0009】
多くの血球は夫々に種々の血球特異抗原を有しており、また、血清中には多くの種類の凝集素が存在している。しかしながら、従来の方法によりこれらの血液検査を充分に行うためには、実施しなくてはならない検査が余りにも多くありすぎて不便である。従って実際に、同種輸血の前に行われる試験は、ABO式血液型とRh式血液型の検査のみであることも多く、このため、患者によっては不規則抗体を産生することが問題となっている。このような問題を解決するために、多項目の血液検査について、簡便に行える方法が必要とされている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
以上の点に鑑み、本発明の目的は、生物試料に含まれる特異的結合物質、例えば、抗原および抗体等を簡単に検出するできる検査方法を提供することである。また、本発明の目的は、血液検査方法を簡素化することであり、詳しくは、簡便に行える血液検査方法を提供することである。
【0011】
更にまた、本発明の目的は、ABO式血液型判定法のおもておよびうら検査を1つの反応系で同時に行うことが可能であり、更にその上、他の血中抗原および抗体類のスクリーニングも合わせて、1つの反応系で同時に行うことが可能な検査方法と、前記方法を行うための血液検査試薬を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
従来の当該分野では、抗原を検出する反応と、抗体を検出する反応は、夫々異なる別の反応系で行う、という既成概念があった。何故ならば、従来の方法では、抗体を検出するための反応と、抗体を検出するための反応とを、1つの反応系で行った場合、不必要な交差反応をも生じ、それにより検出結果に混乱が生じてしまうためである。
【0013】
しかしながら、本発明は、鋭意研究の結果、前記の既成概念を覆すユニークな方法を開発するに至った。即ち;
本発明の第1側面によると、おもて検査とうら検査を同時に行うことが可能なABO式血液型検査方法であって、(a)A型抗原を有する標準A型赤血球およびB型抗原を有する標準B型赤血球を含む抗原試薬を準備する工程と、(b)相互に識別可能な標識でそれぞれ標識された、抗A抗体、抗B抗体および抗グロブリン抗体を含む抗体試薬を準備する工程と、(c)予め採取した血液試料に前記抗原試薬を添加して、特異的な抗原抗体反応により、凝集反応を伴うことなく、前記血液試料中の被検規則抗体と前記標準A型赤血球および/または標準B型赤血球とを結合させる工程と、(d)前記(c)の工程で得られた反応液に前記抗体試薬を添加して、特異的な抗原抗体反応により、凝集反応を伴うことなく、抗原抗体複合体および抗原−抗体−抗Ig抗体複合体を形成する工程と、(e)前記(d)の工程で得られた複合体に含まれる前記識別可能な標識を検出し、検出された標識に基づいて、該複合体を形成した抗体および抗原を特定することにより、前記血液試料の血液型を決定する工程とを具備する方法が提供される。
本発明の第2側面によると、赤血球に対する不規則抗体をスクリーニングする方法であって、(a)被検不規則抗体と特異的に反応する不規則抗原を有し、標識物質で標識された赤血球と、前記不規則抗原以外の不規則抗原を有し、標識されていない赤血球とを含む抗原試薬を準備する工程と、(b)標識物質で標識された抗グロブリン抗体を含む抗体試薬を準備する工程と、(c)予め採取した血漿試料に前記抗原試薬を添加して、特異的な抗原抗体反応により、凝集反応を伴うことなく、前記血漿試料中の被検不規則抗体と前記(a)の工程で準備した赤血球とを結合させる工程と、(d)前記(c)の工程で得られた反応液に前記抗体試薬を添加して、特異的な抗原抗体反応により、凝集反応を伴うことなく、抗原−抗体−抗Ig抗体複合体を形成する工程と、(e)前記(d)の工程で得られた複合体に含まれる標識を検出し、検出された標識に基づいて、前記血漿試料中における被検不規則抗体の有無を判定する工程とを具備する方法が提供される。
本発明の第3側面によると、赤血球に対する不規則抗体のスクリーニングとABO式血液型検査を同時に行う方法であって、(a)それぞれ標識物質で標識された、A型抗原を有する標準A型赤血球、B型抗原を有する標準B型赤血球、および被検不規則抗体と特異的に反応する不規則抗原を有する赤血球を含む抗原試薬を準備する工程と、(b)相互に識別可能な標識でそれぞれ標識された、抗A抗体、抗B抗体、抗不規則抗原抗体および抗グロブリン抗体を含む抗体試薬を準備する工程と、(c)予め採取した血液試料に前記抗原試薬を添加して、特異的な抗原抗体反応により、凝集反応を伴うことなく、前記血液試料中の被検規則抗体と前記標準A型赤血球および/または標準B型赤血球とを結合させ、被検不規則抗体と対応する不規則抗原を有する赤血球とを結合させる工程と、(d)前記(c)の工程で得られた反応液に前記抗体試薬を添加して、特異的な抗原抗体反応により、凝集反応を伴うことなく、抗原抗体複合体および抗原−抗体−抗Ig抗体複合体を形成する工程と、(e)前記(d)の工程で得られた複合体に含まれる標識を検出し、検出された標識に基づいて、前記血液試料の血液型および被検不規則抗体の有無を判定する工程とを具備する方法が提供される。
【0014】
本発明の方法により得られる、多項目を同時に行うという効果、即ち、ABO式血液型判定検査のおもて検査およびうら検査、並びに各種抗体のスクリーニング類を同一の反応容器で同時に行うという効果の着想は、当業者にとっては非常に驚くべき発想である。従って、その発想から得られた本発明は、非常に画期的な発明である。
【0015】
【発明の実施の形態】
[血液検査方法]
本発明の生物試料検査方法および血液検査方法の特徴は、多項目の検査を1つの反応系で同時に行うことが可能なことである。
【0016】
また、本発明は、抗原抗体反応に基く血液検査方法である。従って、本方法は、目的の抗原を検出するための反応と、目的とする抗体を検出するための反応とを1つの反応系において同時に進行することに基づく。
【0017】
具体的には、本発明は、生物試料に含まれる3以上の被検物質を検出する生物試料検査方法であって、
(a)前記複数の被検物質の夫々に対応し、且つ相互に識別可能な標識で別々にラベルされた3以上の特異的結合試薬(これら試薬は、対応する前記夫々の被検物質との間で特異的な複合体を形成する結合を生じるものである)を、前記試料に添加して、前記3以上の被検物質の夫々と、これに対応する各特異的結合試薬との間で、特異的な結合反応を起し、複数の複合体を形成する工程と;
(b)夫々の複合体に含まれる前記識別可能な標識を検出し、検出された標識に基づいて、該複合体を形成した前記被検物質を特定する工程とを具備する方法である。
【0018】
更に具体的には、抗原を検出するための方法は、検出すべき被検抗原に、予め標識した前記被検抗原に特異的な抗体を反応させることと、その結果形成された標識された抗原抗体複合体を検出することとからなる。
【0019】
一方、抗体を検出するための反応は、検出すべき被検抗体に、予め標識した前記被検抗体に特異的な抗原を反応させることと、その結果形成された標識された抗原抗体物質を検出することとからなる。また、同一の抗原に対して特異性を有する抗体のクラスまたはサブクラスを判別するためには、結合した前記抗原抗体物質の抗体に対して、標識された抗体、即ち、抗Ig抗体類を結合することにより行うことが可能である。
【0020】
前記標識された抗原抗体複合体または抗原抗体抗体複合体を検出する手段は、それに含まれる標識物質を検出することにより実施される。具体的な検出方法は、使用された標識物質に依存して決定される。
【0021】
前記抗原抗体複合体の検出に先駆けて、B−F分離を行い、未反応の抗原および/または抗体を除去してもよい。
【0022】
[検査試薬]
本発明の方法を達成するために使用する検査試薬には、予め標識された抗原および/または抗体が含まれる。
【0023】
本方法で標識化抗原として使用することが可能な抗原は、表1に示す通り、赤血球の規則抗原および不規則抗原、血球特異抗原類、ウイルスおよび細菌等の病原体抗原等であるが、これに限られるものではない。更に、前記の抗原を、本来的にそれらが有していた抗原体から切り出し、別の粒子に固着させることにより製造した人口抗原体を標識化抗原として使用することも可能である。
【0024】
本方法で検出することが可能な抗体は、表1に示す通り、赤血球の規則抗体および不規則抗体、血球特異抗体類、ウイルスおよび細菌等の抗病原体抗体等、または目的とする抗原と複合体を形成する能力を維持したその一部分であるが、これに限られるものではない。また、これらの抗体は、モノクローナル抗体であっても、ポリクローナル抗体であってもよい。
【0025】
【表1】
Figure 0004410374
【0026】
[標識物質]
前記標識物質を、目的とする抗原または抗体毎に変更することにより、2以上の物質の検出を1つの反応系で同時に行うことが可能になる。本方法で使用できる標識物質は、一般的に標識物質として使用されるものであれば何れのものでもよく、例えば、FITCおよびPE等の蛍光物質、アクリジンオレンジ等の色素、発光物質および放射性物質等であるが、これに限られるものではない。また、前記標識物質を抗原または抗体に結合する技術は、それ自身公知の方法で行うことが可能である。
【0027】
[凝集の抑制]
本発明の血液検査方法の特徴は、従来使用されている血球の凝集を指標として用いないことにある。従って、本方法は、反応系に存在する血球が凝集しないことが必要である。血球の凝集の抑制は、例えば、検査に用いる試料を希釈することにより、反応用溶液中の抗体および/または血球の濃度を低レベルに抑えること、或いは、標識化抗体として使用する抗体を予め消化等により切断し、Fabからなる抗体に調製することにより達成することが可能である。
【0028】
本発明の方法は、複数の異なる標識物質により標識された抗原と抗体を使用することにより、且つそれらの反応を凝集を行わずに進行することにより、多項目を同時に検出することが可能である。従って、検査の簡素化が達成できる。
【0029】
[標識物質の検出方法]
前記標識された抗原抗体複合体または抗原抗体抗体複合体を検出する方法は、それに含まれる標識物質を検出することにより実施される。検出は、使用された標識物質に依存して決定される。
【0030】
例えば、使用する標識物質が蛍光標識である場合には、蛍光顕微鏡、蛍光強度測定装置およびレーザ・スキャニング・サイトメータ(以下、LSCと略す)等の使用であるが、これに限られるものではない。
【0031】
また、LSCを使用した場合、ここの細胞毎に夫々の標識物質を検出することが可能であるため、B−F分離を行わなくとも所望に応じた標識物質の検出が実施できる。また、LSCを使用して解析する場合では、標識物質による標識パターンは、使用する全ての抗原または抗体毎に、互いに異なる標識物質を使用する方法と、若しくは標識物質は同一の物質を用い、1細胞または1抗体当たりの標識物質量を調整することにより、各標識化細胞または標識化抗体を識別する方法と、或いはそれらを組み合わせる方法とが可能になる。
【0032】
[検出対象]
(1)抗原
本方法で検出することが可能な抗原は、表1に示す通り、赤血球の規則抗原および不規則抗原、血球特異抗原類、ウイルスおよび細菌等の病原体抗原等である。また、一次抗体としての目的とする抗原に結合した免疫グロブリン(以下、Igと示す)類、即ち、IgGおよびそのサブクラス、IgM、IgE、IgA並びにIgDも、二次抗体を用いて検出することが可能である。
【0033】
(2)抗体
本方法で検出することが可能な抗体は、表1に示す通り、赤血球の規則抗体および不規則抗体、血球特異抗体類、ウイルスおよび細菌等の抗病原体抗体等であるが、これに限られるものではない。
【0034】
また、本発明の方法において、標識物質は、必ずしも初めから標識されている必要はなく、抗体等の特異的な反応性を持つ物質を介して、各ステップの途中やステップの終了後に目的とする抗体または抗原に結合されてもよい。
【0035】
(3)コントロール群
また、任意に選択した既知の抗体または抗原等を、予め吸着させた血球や粒子等を用いて、被検試料と同時または別途、検査することによって、陰性反応および陽性反応のコントロール群として結果を得ることが可能である。従って、得られた判定の信頼性を検査することも可能である。
【0036】
[標識例]
例えば、ABO式血液型検査のおもて検査とうら検査、並びに不規則抗体である抗Rh(D)抗体の検出を同時に行う場合は、表2に示すような組み合わせで標識を行うことが可能である。このように標識することにより、標識に用いる標識物質の数を減らすことが可能である。このように標識した各標準血球および抗体を用いて試験を行った後、得られた標識物質の組み合わせにより、結果を判定することが可能である
【表2】
Figure 0004410374
【0037】
[検出試料]
本発明の方法で検査を実施できる試料は、ヒト、イヌ、ネコ、ウマ、ウシ、ヒツジ、齧歯類等の哺乳動物から得た全血液、血漿、血清、リンパ液、血球および腹水、並びに種々の動物細胞を培養した後の培養上清を含む。また、本発明の検出対象である生物試料には、上述の試料、例えば、血液および尿等の体液が含まれる。
【0038】
[検査項目]
本方法で、同時に行い得る検査項目の例は、ABO式血液型判定検査のおもて検査およびうら検査;Rh式血液型判定検査;赤血球の不規則抗体検査;細胞抗原、例えば、血小板抗原、白血球抗原、リンパ球抗原、顆粒球抗原、好中球抗原等のスクリーニング検査;血中に存在するウイルスまたは細菌等に対する抗体のスクリーニング検査である。しかし、これに限られるものではなく、抗原抗体反応が可能な検査であれば、本検査方法の項目に加えることが可能である。
【0039】
[反応容器]
本方法の反応容器は、その中で反応を行うことが可能な容器であればよく、例えば、試験管、ビーカー、スライドグラス、培養皿、マイクロプレート等が使用できる。
【0040】
[例]
以下に、本発明の方法の例を示すが、これらは例示の目的でここに示されており、従って本発明をこれらの例に限定する意図はない。また、該方法を修飾および置換した方法も本願の範囲に含まれることは当業者には明白であろう。
【0041】
1.ABO式血液型判定検査
(1)検査方法
本発明の方法を使用して、ABO式血液型判定するためのおもて検査およびうら検査を1つの反応系において同時に行う。血液試料は全血を使用する。また、以下の検査方法は、標識物質検出にLSCを使用しない場合の例を示す。従って、B−F分離を行っている。
【0042】
ABO式血液型判定検査用の試薬を予め調製する。おもて検査のための抗体試薬として、抗A抗体に標識物質であるCy3を、および抗B抗体にCy5をそれ自身公知の方法により付着する。得られた2種類の標識化抗体を抗体試薬とする。また、うら検査のための血球試薬は、標識をしていないA型抗原を有した標準A型赤血球と、同様に標識をしていないB型抗原を有した赤血球を使用する。これら2種類の標準抗原血球を抗原試薬とする。また、被検抗体を標識するための抗体、即ち、抗グロブリン抗体(以下、抗Ig抗体と称する)にFITCを付着する。ここで使用した標識物質はこれに限られるものではなく、他の標識物質を好ましく使用することが可能である。
【0043】
ABO式血液型判定検査の手順を図1に示す。以下、図1に従い説明する。先ず、試験管を用いた反応容器1−1に、前述の通りに調製した抗原試薬2を添加する。そこに、血液試料3を添加して混合する。
【0044】
このとき、前記反応容器1−1では、標準抗原5および/または7と被検抗体11との反応が進行している。仮に、血液試料の血液型がA型であるとすると、前記抗原試薬2に含まれる標準B型血球7の血球表面に、被検血液試料3に含まれる抗B抗体11が結合することになる。
【0045】
次に、反応容器1−1中の反応液を、B−F分離する。それにより、未結合の抗体が除去される。
【0046】
続いて、前記B−F分離により得られた血球試料に対して、抗体試薬4および抗Ig抗体15を添加する。
【0047】
ここで、反応容器1−2において、被検血球上の抗原と標準抗体との反応が進行する。上述の通り、仮に、血液試料の血液型がA型であるとすると、被検赤血球10の未知抗原9に、抗A抗体13が結合する。一方、抗Ig抗体15は、標準B赤血球7に結合した被検規則抗体11に結合する。従って、該反応系には、被検赤血球−標識化抗A抗複合体と、標準A型赤血球−標識化抗A抗体複合体と、標識化抗B抗体を結合した標準B型赤血球−被検規則抗体−標識化抗Ig抗体複合体とが含まれる。
【0048】
次に、再度、B−F分離を行う。それにより未結合の各抗体を除去する。得られた血球について、各血球毎に標識物質の認識および測定を行なう。
【0049】
(2)標識物質の検出
上述の3種類の蛍光標識物質、即ちCy3、Cy5およびFITCを検出する。上記の通り、仮に、血液試料がA型である場合には、図2の(a)に示す結果が得られる。図2(a)のグラフ中のx軸は、Cy5の蛍光強度を示し、これは、Cy5標識抗B抗体との反応の強度に合わせて右方に移動する。y軸は、Cy3の蛍光強度を示し、これはCy3標識抗A抗体との反応の強度に合わせて上方に移動する。z軸は、FITCの蛍光強度を示し、FITC標識抗Ig抗体との反応の強度に合わせて前方に移動する。グラフから分かるように、グラフの成分IはCy3の蛍光強度が増加していることを示し、抗原試薬2のうらの標準A型赤血球5と血液試料3の赤血球10がそれぞれCy3標識抗A抗体と反応し結合している状態が示される。また、グラフの成分IIは、Cy5およびFITC蛍光強度が増加していることを示し、これによりCy5およびFITCは、共に1つの細胞に結合していることが分かる。即ち、成分Iは、蛍光パターンから、従来のおもて試験の結果を示すことが分かる。且つ、成分IIは、蛍光パターンから、従来のうら試験の結果を示すことが分かる。これらの成分は、共に、被験試料である血液がA型であることを示している。また同時に、成分IIによって、試料の被検血球と結合しなかった抗B抗体14は、うら試験用標準B型血球7に結合したことも確認できる。
【0050】
同様の方法により、血液試料がB型である場合では、グラフに示される成分は、図2の(b)に示すパターンとなる。また、血液試料がAB型である場合では、図2の(c)に示すパターンとなり、血液試料がO型である場合は、図2の(d)に示すパターンとなる。
【0051】
以上、LSCを使用しない場合のABO式血液型判定検査方法を示した。測定時にLSCを用いる場合には、未反応の抗体を分離除去する必要はないので、B−F分離を行わずに複数の反応を継続して行うことが可能である。
【0052】
2.赤血球に対する不規則抗体のスクリーニング
(1)スクリーニング方法
本発明の方法を使用して、赤血球に対する不規則抗体をスクリーニングする。本例は、不規則抗体陽性(抗Rh抗体)の試料について説明する。検査に供する試料は、血漿試料を使用する。また、以下の検査方法は、標識物質の検出にLSCを使用しない場合の例を示す。従って、B−F分離を行っている。
【0053】
不規則抗体のスクリーニング用の試薬を予め調製する。先ず、所望する不規則抗体を有した不規則抗体検出用血球を標識物質で標識する。具体的には、Rh(D)抗原を有した赤血球(以下、標準 Rh(+)赤血球と称する)をFITCで標識する。この標識化RH(+)赤血球と、標識をしていないRH(D)抗原を持たないが他の不規則抗原を有する赤血球(以下、標準 Rh(-)赤血球と称する)とを混合し、これを抗原試薬とする。また、被検抗体を標識するための抗体、即ち、抗グロブリン抗体(以下、抗Ig抗体と称する)にFITCを付着する。これを抗体試薬とする。ここでは、標準 Rh(+)赤血球の標識と抗Ig抗体とに対して使用する標識物資に、FITCを使用したが、これに限られるものではなく、2種類の異なる標識物質を用いて夫々に標識することも可能である。また、他の標識物質を好ましく使用することも可能である。
【0054】
不規則抗体のスクリーニングの手順を図3に示す。以下、図3に従い説明する。先ず、試験管を用いた反応容器22に、前述の通りに調製した抗原試薬20を添加する。そこに、血漿試料21を添加して混合する。
【0055】
ここで、仮に、被検血漿が抗Rh(D)抗体を有している場合、前記反応容器22において、標識物質27を結合した標識化標準Rh(+)赤血球24に対して前記抗Rh(D)抗体28が結合する。また、前記他の不規則抗原に結合する不規則抗体が存在している場合は、前記不規則抗体が標準赤血球或は未標識赤血球または両赤血球に結合する。
【0056】
次に、遠心等によるB−F分離等によって未反応の抗体を除去する。分取された血球に、前述で調製した抗体試薬14を添加する。
【0057】
ここで、反応容器22−2中では、標識化Rh(+)赤血球に結合した被検抗体に、標識物質30を付した標識化抗Ig抗体29が反応している。従って、標識化Rh(+)赤血球−被検抗体−標識化抗Ig抗体複合体が形成される。また、前記他の不規則抗原に結合する不規則抗体が存在している場合は、何れかの赤血球、または両方の赤血球で被検抗体−標識化抗Ig抗体複合体が形成される。
【0058】
続いて、再度B−F分離を行い、結合しなかった抗グロブリン抗体(抗Ig抗体)を除去する。次に、分取された血球を各血球毎に標識物質の認識および測定を行なう。
【0059】
(2)標識物質の検出
次に、上述の蛍光標識物質、即ち、FITCを検出する。上記の通り、仮に、血漿試料中に不規則抗体抗Rh(D)抗体が存在している場合には、図4に(a)に示す結果が得られる。図4(a)のグラフ中の横軸はFITCの蛍光強度を示し、これはFITCの結合量に応じて右に移動する。縦軸は細胞数を示す。図4(a)のグラフの成分IIは、弱い蛍光強度の血球を示し、成分Iは強い蛍光強度の血球を示す。
【0060】
今回のように、不規則抗体が抗D抗体である場合には、標識化Rh(+)赤血球に選択的に抗D抗体が結合し、そこに更に標識化抗Ig抗体が結合した場合には、図4の(a)のようにFITCの結合量に応じて、強い蛍光を発する血球と弱い蛍光を発する血球の2つのパターンが共存するという結果が得られてくる。また、この場合、不規則抗体の存在(陽性)を示す成分Iと、抗体の特異性が抗Rh(D)抗体であることを示す成分IIとが得られる。
【0061】
同様に不規則抗体によって未標識Rh(−)赤血球上の抗原に、被検抗体が選択的に結合し、そこに、更に標識化抗Ig抗体が結合した場合、図4の(b)のように、初めに血球に標識されたFITCと異なる標識血球にFITC標識抗体が結合された場合の、各々のFITCの光に由来する中程度の中程度の蛍光強度を発する血球のみのパターンの結果が得られる。また、標識化RH(+)赤血球と未標識標準Rh(−)赤血球に対して、被検不規則抗体が結合し、そこに更に標識化抗Ig抗体が結合して標識物質が結合した場合には、図4の(c)のように強い蛍光を発する血球と中程度の蛍光を発する血球の2つのパターンが共存する結果が得られる。これらの図4の(a)から(c)は、図5に示すコントロールとして行った陰性のパターンの例とは異なるパターンを示すことから、何れも被検血漿中に何れかの不規則抗体が存在していることが示唆される。
【0062】
また、血漿試料中に不規則抗体が存在していない場合、図5のように中程度の蛍光を発する血球と、弱い蛍光を発する血球の2つのパターンが共存する結果が得られる。ここで、弱い蛍光は、自然蛍光またはバックグラウンドに由来し、中程度の蛍光は初めに血球に標識されたFITCに由来するものである。従って、検出すべき不規則抗体は、被検血漿中には存在していないことが示唆される。このように、不規則抗体の有無や特異性を判定することが出来る。
【0063】
上記例では、2種類の不規則抗体のスクリーニングを行ったが、複数の標識物質を用いて、3種類以上の不規則抗体検出用血球を使用し、3種類以上の抗体をスクリーニングすることも可能である。
【0064】
また、本例では、抗体に付する標識物質、即ち、成分Iで検出される標識物質と成分IIIで検出される標識物質とにFITCを用いたが、当然、他の標識物質を使用することも可能であり、また、成分Iと成分IIIで検出されるべき標識物質が異なってもよい。
【0065】
以上、LSCを使用しない場合のABO式血液型判定検査方法を示した。測定時にLSCを用いる場合には、未反応の抗体を分離除去する必要はないので、B−F分離を行わずに複数の反応を継続して行う。
【0066】
以上の方法は、本発明の方法の1例を示すものであり、この方法を修飾、または置換した方法も本発明の範囲内である。
【0067】
3.赤血球に対する不規則抗体スクリーニングとABO式血液型検査の同時測定
本発明の方法を使用して、赤血球に対する不規則抗体のスクリーニングと、ABO式血液型判定検査のおもて検査およびうら検査とを同時に行う。検査に供する試料は、全血の血液試料である。また、以下の検査方法は、標識物質の検出にLSCを使用しない場合の例を示す。従って、B−F分離を行っている。
【0068】
目的の検査を行うための検査試薬を予め調製する。ABO式血液型うら検査と不規則抗体をスクリーニングするための抗原試薬は以下のように調製する。A型抗原を有する標準A型赤血球39に、FITCを、B型抗原を有する標準B型赤血球39に、FITCをそれ自身公知の方法により付着する(図6)。また更に、不規則抗原であるRh(D)抗原とK抗原とを有した第1の標準O型赤血球(図6中では「I」で示す)にCy3、Cy5およびFITCを有する(図6中ではこれらの標識物質を夫々1,2,4で示す)を結合する(図6)。不規則抗原であるRh(D)抗原およびK抗原を有する第2の標準O型赤血球39(図6中では「II」で示す)にFITC(図6中では「4」で示す)を結合する(図6)。および不規則抗原であるK抗原を有した第3の標準O型赤血球39(図6中では「III」で示す)には、FITC(図6中では「4」で示す)を結合する(図6)。得られた5種類の標識化抗原血球を合わせて抗原試薬とする。
【0069】
ここで、第1から第3の標準O型赤血球は、夫々、血球表面の不規則抗原の種類が既知である由来の異なるものであり、これら3種の血球上の不規則抗原の組み合わせは、従来より用いられている不規則抗体検出用の3種の組み合わせからなるものとする。また、この3種の組み合わせによって、不規則応対の有無が決定できるように選択される。
【0070】
更に、ABO式血液型おもて検査と不規則抗原のスクリーニングのための抗体試薬として以下を調製する。抗A抗体に標識物質であるCy3(図6中では「1」で示す)を結合し、抗B抗体にはCy5(図6中では「2」で示す)を結合する(図6)。また更に、抗Rh(D)抗体にはAMCA(図6中では「3」で示す)を結合し、抗グロブリン抗体にはFITC(図6中では「4」で示す)を結合する(図6)。また、A型、B型血球と抗体検出用血球並びに標識抗体の標識例を表2に示すので参照されたい(表2)。
【0071】
本測定方法の手順を図6に示し、それに従って説明する。先ず、試験管を用いた反応容器33−1に、前述の通り調製した抗原試薬31を添加する。そこに、血液試料32を添加して混合する。
【0072】
このとき、前記反応容器33では、標準抗原と被検抗体との反応が進行している。仮に、血液試料の血液型がA型、Rh(D)陽性であり、且つ抗K抗体である不規則抗体陽性であるとする。この場合、反応容器33では、各抗原抗体反応の結果、図6に示される反応容器33−2に含まれるような抗原抗体複合体類、血球類および抗体類が得られる。
【0073】
次に、反応容器33−2中の反応液をB−F分離する。それによって未結合の抗体が除去される。
【0074】
続いて、前記B−F分離により得られた血球試料に対して、抗体試薬34を添加し混合する。これにより、反応容器33−3では抗原抗体反応が進行する。
【0075】
ここでは、上述の通り、血液試料の血液型がA型、Rh(D)陽性であり、且つ抗K抗体である不規則抗体陽性であるとする。この場合、反応容器33では各抗原抗体反応が生じ、その結果、図6に示される反応容器33−3に含まれるような抗原抗体複合体類、血球類および抗体類が得られる。
【0076】
続いて、反応容器33−3の反応液について再度B−F分離を行って結合しなかった抗体類を除去する。次に、分取された血球について各血球毎に標識物質の認識および測定を行なう。
【0077】
(2)標識物質の検出
上述の9種類の蛍光標識物質を検出する。上記の通り、血液試料がA型、Rh(D)陽性、抗K抗体の不規則抗体陽性であるとすると、以下のような組み合わせの蛍光パターンを有する血球が得られる(下記の数字は、便宜上、図6において使用した標識物質に対応する数字を用いる);
(i)標識物質1および3
(ii)標識物質1、3および4
(iii)標識物質2、3、および4
(iv)標識物質1、2、3、および4
(v)標識物質3および4
(vi)標識物質4
[ここで使用した「+」印は、より多量の標識物質が結合による強い蛍光を意味する]
即ち、標識物質1および3の蛍光を発する血球パターンから、血液試料は、おもて検査のA型、且つRh(D)陽性という結果が得られる。標識物質2、3、および4の蛍光を発する血球パターンからは、血液試料は、うら検査のA型であるという結果が得られる。従って、以上の両方の結果から、被検試料がA型であることと、Rh(D)陽性であることが示唆される。また、標識物質1、2、3および4の蛍光から、不規則抗体陽性であり、且つ血球Iに特異的な抗K抗体を有していることが示唆される。
【0078】
表3は、上記の方法で得られた結果をABO式血液型判定のおもて検査に対応するように纏めたものである。また、表4は、同じくうら検査に対応するように纏めたものである。従って、本方法を実施することにより得た結果を、表3および表4に照らし合わせることにより、ABO型のおもて検査およびうら検査、並びにRh(D)型の判定を行うことが可能である。
【0079】
【表3】
Figure 0004410374
【0080】
【表4】
Figure 0004410374
【0081】
また、同様に反応パターンから任意の不規則抗体についての特異性を求めることも可能である。例えば、標識物質1、2、3および4、標識物質3および4、標識物質4の蛍光を発する血球について判定する場合、それらの内の1つ以上に標識物質4の強い蛍光(即ち、より多量の標識物質が結合して強い蛍光を発している)が存在していれば、不規則抗体があることが判定できる。
【0082】
また、図7には、3種類の標識物質を用いた場合の4種類の血液型のタイピングした場合に、その検出反応により得られる複合体の例を示した。図から明らかであるように3種類の標識物質を用いることで4種類の血液型を容易にタイピングすることが可能である。
【0083】
以上、LSCを使用しない場合のABO式血液型判定検査方法を示した。測定時にLSCを用いる場合には、未反応の抗体を分離除去する必要はないので、B−F分離を行わずに複数の反応を継続して行うことが可能である。
【0084】
以上の方法は、本発明の方法の1例を示すものであり、この方法を修飾、または置換した方法も本発明の範囲内である。
【0085】
【発明の効果】
本発明は、各々の異なる標識物質より血球試薬や抗体試薬を認識し、各反応を血球に結合した標識物質を測定することで評価し、多項目を同時に行うことを可能とすることで、煩雑な分注操作等の検査の簡素化が行える。また更に、本発明は、検査の迅速化、高い検体検査処理数、試薬のボトル数の削減や反応容器の削減、それらによる検査の自動化および自動機の小型化や環境への影響を削減することのできる血液型の判定方法を提供することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】ABO式血液型検査の手順を示す略図。
【図2】ABO式血液型検査結果を示す図。
【図3】血液検査の手順を示す略図。
【図4】陽性パターンと反応後の複合体パターンを示す図。
【図5】陰性パターンをと反応後の複合体パターンを示す図。
【図6】血液検査の手順を示す略図。
【図7】3種類の標識物質を用いた場合の血液型タイピングの例を示す図。
【符号の説明】
1.反応容器 2.抗原試薬 3.血液試料 4.抗体試薬
5.標準A型赤血球 6.A型抗原 7.標準B型赤血球 8.B型抗原
9.未知抗原 10.被検赤血球 11.被検規則抗体
12.分離後の反応系 13.抗A抗体 14.抗B抗体
15.抗グロブリン抗体 16.標識物質 20.抗原試薬
21.血漿試料 22.反応容器 23.抗体試薬
24.標準赤血球(Rh+) 25.Rh(D)抗原 26.標準赤血球(Rh-)
27.標識物質 28.被検不規則抗体 29.抗Ig抗体
30.標識物質 31.抗原試薬 32.血液試料 33.反応容器
34.抗体試薬 35.標準A型赤血球 36.A型抗原
37.B型抗原 38.標準B型赤血球 39.標識物質
40.被検赤血球

Claims (5)

  1. おもて検査とうら検査を同時に行うことが可能なABO式血液型検査方法であって、
    (a)A型抗原を有する標準A型赤血球およびB型抗原を有する標準B型赤血球を含む抗原試薬を準備する工程と、
    (b)相互に識別可能な標識でそれぞれ標識された、抗A抗体、抗B抗体および抗グロブリン抗体を含む抗体試薬を準備する工程と、
    (c)予め採取した血液試料に前記抗原試薬を添加して、特異的な抗原抗体反応により、凝集反応を伴うことなく、前記血液試料中の被検規則抗体と前記標準A型赤血球および/または標準B型赤血球とを結合させる工程と、
    (d)前記(c)の工程で得られた反応液に前記抗体試薬を添加して、特異的な抗原抗体反応により、凝集反応を伴うことなく、抗原抗体複合体および抗原−抗体−抗Ig抗体複合体を形成する工程と、
    (e)前記(d)の工程で得られた複合体に含まれる前記識別可能な標識を検出し、検出された標識に基づいて、該複合体を形成した抗体および抗原を特定することにより、前記血液試料の血液型を決定する工程
    を具備する方法。
  2. 使用する前記標識物質の種類が被検物質の種類よりも少ないことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  3. 赤血球に対する不規則抗体をスクリーニングする方法であって、
    (a)被検不規則抗体と特異的に反応する不規則抗原を有し、標識物質で標識された赤血球と、前記不規則抗原以外の不規則抗原を有し、標識されていない赤血球とを含む抗原試薬を準備する工程と、
    (b)標識物質で標識された抗グロブリン抗体を含む抗体試薬を準備する工程と、
    (c)予め採取した血漿試料に前記抗原試薬を添加して、特異的な抗原抗体反応により、凝集反応を伴うことなく、前記血漿試料中の被検不規則抗体と前記(a)の工程で準備した赤血球とを結合させる工程と、
    (d)前記(c)の工程で得られた反応液に前記抗体試薬を添加して、特異的な抗原抗体反応により、凝集反応を伴うことなく、抗原−抗体−抗Ig抗体複合体を形成する工程と、
    (e)前記(d)の工程で得られた複合体に含まれる標識を検出し、検出された標識に基づいて、前記血漿試料中における被検不規則抗体の有無を判定する工程と
    を具備する方法。
  4. 赤血球に対する不規則抗体のスクリーニングとABO式血液型検査を同時に行う方法であって、
    (a)それぞれ標識物質で標識された、A型抗原を有する標準A型赤血球、B型抗原を有する標準B型赤血球、および被検不規則抗体と特異的に反応する不規則抗原を有する赤血球を含む抗原試薬を準備する工程と、
    (b)相互に識別可能な標識でそれぞれ標識された、抗A抗体、抗B抗体、抗不規則抗原抗体および抗グロブリン抗体を含む抗体試薬を準備する工程と、
    (c)予め採取した血液試料に前記抗原試薬を添加して、特異的な抗原抗体反応により、凝集反応を伴うことなく、前記血液試料中の被検規則抗体と前記標準A型赤血球および/または標準B型赤血球とを結合させ、被検不規則抗体と対応する不規則抗原を有する赤血球とを結合させる工程と、
    (d)前記(c)の工程で得られた反応液に前記抗体試薬を添加して、特異的な抗原抗体反応により、凝集反応を伴うことなく、抗原抗体複合体および抗原−抗体−抗Ig抗体複合体を形成する工程と、
    (e)前記(d)の工程で得られた複合体に含まれる標識を検出し、検出された標識に基づいて、前記血液試料の血液型および被検不規則抗体の有無を判定する工程と
    を具備する方法。
  5. 前記不規則抗原は、RH(D)抗原であることを特徴とする請求項3または4に記載の方法。
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