図1は、本発明の一実施例であるカラオケシステム10を説明する概略図である。この図1に示すように、本実施例のカラオケシステム10では、カラオケボックス、スナック、旅館等の店舗12における複数の個室14a、14b、14c、・・・(以下、特に区別しない場合には単に個室14と称する)にそれぞれ1台乃至は複数台ずつ(図1では1台ずつ)のカラオケ装置16a、16b、16c、・・・(以下、特に区別しない場合には単にカラオケ装置16と称する)が設置されている。これら複数のカラオケ装置16のうち、マスターコマンダである所定のカラオケ装置16aは、公衆電話回線等による通信回線18を介してカラオケサービス提供会社のセンタ装置20に接続されており、そのセンタ装置20と上記カラオケ装置16aの相互間で情報の通信が可能とされている。このセンタ装置20は、カラオケ情報、背景映像情報、曲間情報等のデジタルコンテンツ(Digital Contents)の保管や入出力管理の基本的な制御を行うサーバであり、上記通信回線18を介してマスターコマンダであるカラオケ装置16aに定期的にコンテンツの配信を行うと共に、そのカラオケ装置16aからの要求に応じて所定の機能制御プログラムを送信するものである。また、上記カラオケシステム10は、複数の電子早見本装置22a、22b、22c、・・・(以下、特に区別しない場合には単に電子早見本装置22と称する)を備えており、上記カラオケ装置16の利用に際して、各利用者(グループ)毎に1台ずつの電子早見本装置22が貸与され、各個室14において後述するように上記カラオケ装置16の遠隔操作装置として用いられるようになっている。上記店舗12内には上記複数のカラオケ装置16を相互に接続するLAN24が敷設されており、上記電子早見本装置22からのカラオケ装置16への入力は、所定のアクセスポイント26及びLAN24を介したLAN通信や所定の手順により特定されたカラオケ装置16との間における赤外線通信等の短距離無線通信により行われる。
図2は、上記カラオケ装置16の構成を例示するブロック線図である。この図2に示すように、上記カラオケ装置16は、CRT等の映像表示装置30と、CRTコントローラ等の映像出力部32と、映像情報デコーダ34と、ビデオミキサ36と、音源であるシンセサイザ38と、音声入力装置であるマイクロフォン40と、アンプミキサ42と、スピーカ44と、操作パネル46と、その操作パネル46等からの入力信号を処理する入出力インターフェイス48と、中央演算処理装置であるCPU50と、読出専用メモリであるROM52と、随時書込読出メモリであるRAM54と、記憶装置であるハードディスク56と、モデム58と、LANポート60と、上記電子早見本装置22やリモコン装置28等の入力装置からのリモコン信号を受信するためのリモコン受信部62と、USB接続部64と、そのUSB接続部64からの入出力信号を処理するUSBインターフェイス66とを、備えて構成されている。
上記CPU50は、上記RAM54の一時記憶機能を利用しつつ上記ROM52に予め記憶された所定のプログラムに基づいて電子情報を処理・制御する所謂コンピュータであり、上記リモコン装置28や電子早見本装置22等により所定のカラオケ演奏曲が選曲された場合、その選曲されたカラオケ演奏曲を上記RAM54に設けられた予約曲リストに登録したり、その予約曲リストの演奏順に従って上記ハードディスク56から上記RAM54に選曲されたカラオケ演奏曲の演奏情報及び歌詞情報等を読み出したり、カラオケ演奏曲の演奏が進行するのに応じてそのRAM54から上記シンセサイザ38へ演奏情報を送信したり、歌詞情報に基づいて歌詞文字映像を生成して上記映像出力部32へ送ったり、選曲時には曲名文字映像を生成して上記映像出力部32へ送ったり、上記映像情報デコーダ34を制御して所定の背景映像を再生させたり、カラオケ演奏が行われていない間すなわち曲間において、新譜情報、選曲ランキング、店舗広告等の曲間情報を出力させたり、上記USB接続部64及びUSBインターフェイス66を介して所定のUSBモジュールを有する外部装置との間で情報の送受信を行ったり、前記通信回線18を介した前記センタ装置20との間の情報通信制御等の基本的な制御に加え、前記カラオケシステム10の利用者の認証に際しては、上記USB接続部64及びUSBインターフェイス66を介して読み出される音楽情報の識別情報及び付記情報を前記通信回線18を介して前記センタ装置20へ送信する。
前記操作パネル46は、前記カラオケ装置16の利用者が歌いたいカラオケ演奏曲を選択したり、演奏曲の音程を調整したり、演奏と歌との音量バランスを調整したり、その他、エコー、音量、トーン等の各種調整を行うための操作ボタン(スイッチ)或いはつまみを備えた入力装置である。また、前記カラオケ装置16には、前記操作パネル46の一部機能を遠隔で実行するための入力装置として機能するリモコン装置28が備えられており、前記リモコン受信部62は、そのリモコン装置28から送信されるリモコン信号を受信して前記CPU50へ供給する。また、前記カラオケ装置16と電子早見本装置22との対応付け(くくりつけ)処理も前記リモコン受信部62を介して行われ、そのようにして前記カラオケ装置16に対応付けられた電子早見本装置22も同様に入力装置として機能する。なお、本実施例においては、前記カラオケ装置16に対応付けられた電子早見本装置22やリモコン装置28等の入力装置をそのカラオケ装置16の一部として説明を行う。
前記映像出力部32は、前記CPU50において生成された歌詞文字映像等の文字映像(テロップ)を出力する文字映像出力装置として機能する他、前記映像表示装置30による種々の映像表示を制御する映像表示制御装置である。また、前記映像情報デコーダ34は、利用者が歌詞を参照しながら歌を歌う際に前記ハードディスク56に記憶された背景映像情報に基づいて所定の背景映像を再生(デコード)する背景映像再生装置である。この背景映像情報は、例えば、MPEG(Moving Picture Experts Group)形式のデータであり、そのMPEGデータに基づいて前記映像情報デコーダ34により再生された背景映像は、前記ビデオミキサへ送られる。また、前記ビデオミキサ36は、前記CPU50において生成され且つ前記映像出力部32から出力される文字映像と、前記映像情報デコーダ34により再生される背景映像とを合成して前記映像表示装置30に表示させる映像合成装置である。
前記シンセサイザ38は、前記ハードディスク56から読み出されて送られて来るカラオケ演奏曲の演奏情報に基づいて楽器の演奏信号等の音楽信号を生成する音源である。この演奏情報は、例えば、MIDI(Musical Instrument Digital Interface)形式のデータであり、そのMIDIデータに基づいて前記シンセサイザ38により生成された音楽信号は、アナログ信号に変換されて前記アンプミキサ42へ送られる。そのアンプミキサ42では、送られてきた音楽信号と前記マイクロフォン40を介して入力される利用者の歌声とがミキシングされ、それらの信号が電気的に増幅されて前記スピーカ44から出力される。
前記モデム58は、前記カラオケ装置16を公衆電話回線等による通信回線18に接続するための装置であり、前記CPU50から出力されるディジタル信号をアナログ信号に変換して前記通信回線18に送り出すと共に、その通信回線18を介して伝送されるアナログ信号をディジタル信号に変換して前記CPU50に供給する処理を行う。なお、このモデム58は、マスターコマンダとして機能するカラオケ装置16aには必要とされるが、前記センタ装置20との間で情報の通信を行わない他のカラオケ装置16には必ずしも設けられなくともよい。すなわち、本実施例のカラオケシステム10において、前記カラオケ装置16a以外のカラオケ装置16b、16c、・・・は、マスターコマンダであるカラオケ装置16aを介して前記センタ装置20等との間における情報の通信を行う。
前記LANポート60は、前記カラオケ装置16をLAN24を介して他のカラオケ装置16や電子早見本装置22等の他の機器に接続するための接続器であり、前記カラオケ装置16は、そのようにLAN24を介して接続されることで、他のカラオケ装置16や電子早見本装置22等の他の機器との間で情報の送受信が可能とされる。例えば、前記アクセスポイント26により受け付けられる前記電子早見本装置22からの選曲入力や効果音制御信号を受け付けたり、前記カラオケ装置16から電子早見本装置22へ所定の情報を送信したりというように、電波を介して前記カラオケ装置16と電子早見本装置22との間における相互の情報のやりとりが実行される。
前記USB接続部64は、後述するMP3プレイヤ122のようにUSBモジュールを有する外部装置を前記USBインターフェイス66を介して前記CPU50等に接続するものであり、その外部装置に備えられた接続端子(角型端子)を直接或いはUSBケーブルを介して接続するための接続端子(平型端子)である。前記カラオケ装置16では、このUSB接続部64及びUSBインターフェイス66を介して上記MP3プレイヤ122等に記憶されたMP3データの一部乃至は全部の読み出しが可能とされており、本実施例のカラオケシステム10では、そのようにして読み出されたMP3(MPEG Audio Layer 3)データの一部乃至は全部に基づいて後述するユーザ認証処理が行われるようになっている。また、前記カラオケ装置16では、後述するように上記USB接続部64及びUSBインターフェイス66を介して読み出されたMP3データに基づく選曲予約が可能とされている。
前記ハードディスク56には、カラオケ演奏曲を出力させるための多数のカラオケ情報を記憶するカラオケデータベース、背景映像を出力させるための複数の背景映像情報を記憶する背景映像データベース、曲間情報を出力させるための複数の曲間情報を記憶する曲間情報データベース等の各種データベースが設けられている。カラオケボックス等の店舗にそれぞれ備えられた複数のカラオケ装置16のうちマスターコマンダとして機能するカラオケ装置16aは、前記モデム58を介して前記通信回線18に接続されており、前記複数のカラオケ装置16によって常に新しい曲が演奏可能とされるように、或いは所定の背景映像や曲間情報が出力可能とされるように、随時新たなカラオケ情報、背景映像情報、曲間情報等が前記センタ装置20から前記通信回線18を介して配信され、前記ハードディスク56のカラオケデータベース、背景映像データベース、曲間情報データベース等に記憶される。また、そのようにして前記センタ装置20から情報を取得したカラオケ装置16aとその他のカラオケ装置16との間で前記LAN24を介した通信が行われることにより、各カラオケ装置16のハードディスク56に記憶される情報が共有され、カラオケデータベース、背景映像データベース、曲間情報データベース等の内容が等価なものとされる。
図3は、前記電子早見本装置22の外観を大まかに示す斜視図である。この図3に示すように、前記電子早見本装置22は、所定の画像(映像)を表示させると共に、利用者の接触に応じて入力を行うためのタッチパネルディスプレイ70を備えている。また、前記カラオケ装置16との間でデータの送受信や同期を実行したり、前記電子早見本装置22に内蔵されたバッテリを充電する等の動作を行うスタンド型の接続架台(ドッキングテーブル)であるクレイドル68を備えている。前記電子早見本装置22は、そのクレイドル68に取り付けられた状態又はそのクレイドル68から取り外された状態で用いられ、取り付けられた状態においては、そのクレイドル68及びLAN24を介して前記カラオケ装置16に有線接続されるようになっている。また、上記クレイドル68から取り外された状態においては、上記アクセスポイント26及びLAN24を介して前記カラオケ装置16に無線接続されるようになっている。
図4は、前記電子早見本装置22の構成を説明するブロック線図である。この図4に示すように、前記電子早見本装置22は、上記タッチパネルディスプレイ70に所定の映像を表示させる表示装置72と、その表示装置72による表示を制御する表示制御部74と、利用者の指や図示しない備え付けのペン等によるタッチパネルディスプレイ70への接触により入力を行うタッチパネル76と、そのタッチパネル76による入力を制御する入力制御部78と、中央演算処理装置であるCPU80と、読出専用メモリであるROM82と、随時書込読出メモリであるRAM84と、フラッシュROM等の記憶部86と、インターフェイス88と、リモコン送信部90と、無線LAN通信部92と、USB接続部94と、そのUSB接続部94からの入出力信号を処理するUSBインターフェイス96と、上記クレイドル68と電気的な接続を可能とするためのコネクタ98aとを、備えて構成されている。上記クレイドル68には、斯かる電子早見本装置22と電気的な接続を可能とするためのコネクタ98bが設けられており、前記電子早見本装置22は、前記クレイドル68に載置されて上記コネクタ98a及び98bが相互に接触させられることで、上記インターフェイス88を介して前記クレイドル68乃至はLAN24に接続されるようになっている。また、上記記憶部86には、前記カラオケ装置16のカラオケデータベースに記憶された多数のカラオケ情報それぞれに対応して曲名、アーティスト名、属性情報、歌詞の歌い出し部分等の選曲案内情報、及び備考等を選曲番号毎に記憶する演奏曲データベースをはじめとする各種データベースが設けられている。
前記USB接続部94は、後述するMP3プレイヤ122のようにUSBモジュールを有する外部装置を前記USBインターフェイス96を介して前記CPU80等に接続するものであり、その外部装置に備えられた接続端子(角型端子)を直接或いはUSBケーブルを介して接続するための接続端子(平型端子)である。前記電子早見本装置22では、このUSB接続部94及びUSBインターフェイス96を介して上記MP3プレイヤ122等に記憶されたMP3データの一部乃至は全部の読み出しが可能とされており、そのようにして読み出されたMP3データに基づく選曲予約が可能とされている。また、斯かるUSB接続部94及びUSBインターフェイス96を介して読み出されたMP3データの一部乃至は全部を前記カラオケ装置16に送信することで、そのカラオケ装置16により後述するユーザ認証処理が可能とされるようになっている。
図5は、前記センタ装置20の構成を例示するブロック線図である。この図5に示すように、前記センタ装置20は、中央演算処理装置であるCPU100によりRAM104の一時記憶機能を利用しつつROM102に予め記憶されたプログラムに従って信号処理を行う所謂ノイマン式コンピュータであり、CRT等の映像表示装置106と、その映像表示装置106による映像の表示を制御するためのCRTコントローラ108と、キーボード等の入力装置110と、その入力装置110による入力を処理するためのインターフェイス112と、上記CPU100等を前記通信回線18に接続するためのモデム114と、ハードディスク等の記憶装置116とを、備えて構成されている。
上記ハードディスク116には、前記カラオケ装置16に配信するための多数のカラオケ情報を記憶するカラオケデータベース118及び前記カラオケシステム10の利用者(顧客)に関する情報を記憶する顧客データベース120をはじめとする各種データベースが設けられている。上記カラオケデータベース118には、前述したカラオケ装置16のカラオケデータベースと同様に、曲名及びアーティスト名(歌手名)等を含むヘッダ情報、演奏情報であるMIDIデータ、及び歌詞情報等から成るカラオケ情報が選曲番号をインデックスとして各演奏曲毎に前記カラオケ装置16への配信可能に記憶されている。
図6は、前記ハードディスク116に設けられた顧客データベース120の内容を例示する図である。この図6に示すように、上記顧客データベース120には、前記カラオケシステム10の利用者の顧客情報(個人情報)としてその利用者の氏名又はハンドル(handle name)、性別、生年月日、及びポイント(カラオケシステムの利用ポイント)等の情報が識別番号をインデックスとして各利用者毎に記憶されている。また、各顧客を認証するための符号として所定の音楽情報の識別情報及び付記情報、例えばMP3データのTOC(Table of Contents)及びID3タグのコメントが各利用者の顧客情報に関連付けられて記憶されている。換言すれば、各利用者と所定のMP3データ(MP3ファイル)とが一対一に対応付けられて記憶されている。
上記MP3データのTOCとは、そのMP3データとして収録された各演奏曲の演奏時間を例えば100分の1秒単位で示す曲長情報等を含む目次情報であり、そのTOCを参照することで対応する演奏曲を特定することができる。すなわち、上記TOCはMP3データの識別情報として機能する。また、上記ID3タグとは、MP3データにアーティスト名、作成年月日、音楽ジャンル、タイトル、コメント等を書き込むための規格であり、そのコメントの項目には付記情報として利用者が任意の情報を書き込めるようになっている。このコメントは、一般的なパーソナルコンピュータ等により編集し得るものであるが、前記カラオケ装置16にその編集機能を付加してそのカラオケ装置16により編集可能としてもよい。また、前記カラオケ装置16等を入力端末として、後述する登録手段152による顧客データベース120への登録の過程において編集できるようにしてもよい。なお、上記コメントの内容としては、「開けゴマ!」といった所定の意味を有する全角かな、漢字、及び記号から成る文字列、「loversoul」といった所定の意味を有する半角アルファベットから成る文字列、「5yT80pB」といった意味を有しない半角アルファベットから成る文字列等、様々な態様が考えられる。
図7は、前記カラオケ装置16や電子早見本装置22等に接続し得る音楽再生装置の一例であるMP3プレイヤ122の構成を例示するブロック線図である。この図7に示すように、斯かるMP3プレイヤ122は、中央演算処理装置であるCPU124と、読出専用メモリであるROM126と、操作部128と、記憶部130と、USB接続部132と、そのUSB接続部132からの入出力信号を処理するUSBインターフェイス134と、MP3デコーダ136と、スピーカ138とを、備えて構成されている。
上記記憶部130は、記憶内容の書き換え可能なフラッシュメモリ(Flash Memory)等の記憶媒体である。また、上記USB接続部132は、前記カラオケ装置16や電子早見本装置22等のようにUSBモジュールを有する外部装置に上記USBインターフェイス134を介してMP3プレイヤ122を接続するためのものであり、その外部装置に備えられた接続端子(平型端子)に直接或いはUSBケーブルを介して接続するための接続端子(角型端子)である。上記MP3プレイヤ122は、このUSB接続部132及びUSBインターフェイス134を介して外部装置に接続され、その外部装置からMP3データをはじめとする各種情報をダウンロードして上記記憶部130に記憶すると共に、その外部装置に情報をアップロードできるようになっている。また、上記MP3デコーダ136は、MP3データ(MP3形式の音楽情報)に基づいて音楽を再生し、上記スピーカ138を介して出力する音楽再生部である。
図8は、前記カラオケシステム10に備えられた制御機能の要部を説明する機能ブロック線図である。この図8に示す選曲予約手段150は、前記カラオケ装置16のCPU50に機能的に備えられたものであり、登録手段152及び認証手段154は、前記センタ装置20のCPU100に機能的に備えられたものである。
上記選曲予約手段150は、前記操作パネル46、電子早見本装置22、リモコン装置28等の入力装置による入力操作に応じて前記RAM54に設けられた予約曲テーブル148にその入力に係る演奏曲を演奏待ち曲(出力待ち曲)として予約する。具体的には、それら入力装置により入力される選曲番号を上記予約曲テーブル148に入力順に予約(記憶)していく。前記カラオケ装置16によるカラオケ演奏は、基本的にはこの予約曲テーブル148に先に予約された演奏曲から順次行われる。また、上記選曲予約手段150は、好適には、前記MP3プレイヤ122の記憶部130に記憶されたMP3データに基づいてそのMP3データに対応する演奏曲を出力待ち曲として上記予約曲テーブル148に予約する。例えば、前記MP3プレイヤ122の記憶部130に記憶されたMP3データそれぞれのTOCを取得することによりそれらMP3データに対応する演奏曲を特定し、その特定された演奏曲を演奏待ち曲として上記予約曲テーブル148に記憶する。このために、好適には、前記カラオケ装置16のハードディスク56に設けられたカラオケデータベースには、そのカラオケデータベースに記憶された多数の演奏曲それぞれに対応して各演奏曲を特定するためのTOCが記憶されている。
前記登録手段152は、前記カラオケシステム10の利用者の顧客情報の登録を受け付ける。具体的には、前記カラオケ装置16等を入力端末として、登録対象となる利用者の氏名又はハンドル、性別、生年月日、及びポイント等の情報を受け付けると共に、前記カラオケ装置16を介して読み出された所定の音楽情報の識別情報及び付記情報、本実施例においては前記USBインターフェイス66を介して読み出されたMP3データのTOC及びID3のコメントを前記通信回線18を介して取得し、上記利用者の情報(顧客情報)とそれらTOC及びID3のコメントとを相互に関連付けて前記記憶装置116の顧客データベース120に登録(記憶)する。なお、前記USBインターフェイス66を介して読み出されたMP3データのID3のコメントが空である場合やデフォルト(初期状態)のままであると判定される場合には、その登録動作の過程において前記カラオケ装置16等を入力端末としてMP3データのコメントを入力(編集)可能としてもよい。また、前記電子早見本装置22を入力端末として前記顧客情報の入力を受け付けると共に、その電子早見本装置22のUSBインターフェイス96を介して読み出されたMP3データのTOC及びID3のコメントを前記通信回線18を介して取得し、それらを相互に関連付けて前記顧客データベース120に登録するものであってもよい。
前記認証手段154は、前記カラオケシステム10の利用者の認証を行う。この認証は、好適には、前記カラオケ装置16の映像表示装置30に図示しない所定の認証待受映像が表示されている状態において、前記MP3プレイヤ122等がそのカラオケ装置16に接続されることをトリガとして開始され、前記認証手段154は、具体的には、前記カラオケ装置16を介して読み出された所定の音楽情報の識別情報及び付記情報、本実施例においては前記USBインターフェイス66を介して読み出されたMP3データのTOC及びID3のコメントを前記通信回線18を介して取得し、それらTOC及びID3のコメントに基づき前記記憶装置116の顧客データベース120を参照して利用者の認証を行う。また、前記電子早見本装置22のUSBインターフェイス96を介して読み出されたMP3データのTOC及びID3のコメントを前記通信回線18を介して取得し、それらTOC及びID3のコメントに基づいて利用者の認証を行うものであってもよい。前述したように、前記顧客データベース120には、各利用者の顧客情報とMP3データのTOC及びID3のコメントとが相互に関連付けられて記憶されているため、それらTOC及びID3のコメントに基づいてその顧客データベース120を照会することで利用者の認証(特定)を行うことができるのである。また、斯かる認証手段154による認証が正常に行われなかった場合、すなわち前記顧客データベース120に該当する利用者のデータが存在しなかった場合には、その認証の対象となったTOC及びID3のコメントを利用して前記登録手段152によりその利用者の前記顧客データベース120への新規登録を行うようにしてもよい。このようにすれば、新規登録のためにTOC及びID3のコメントを改めて取得する必要がなく、登録に要する時間を短縮できる。
図9は、前記カラオケシステム10における利用者の認証に用いられるMP3データの作成及び転送の流れについて説明する図である。この図9に示すように、先ず、1)として、一般的な家庭用コンピュータ156において、MP3データ(MP3ファイル)の作成又は購入(ダウンロード)が行われる。次に、2)として、そのコンピュータ156において、MP3データのID3のコメント(情報欄)が編集され、そのコメントの項目に所定のパスワードが設定される。そして、3)として、以上のようにして作成されると共にID3のコメントが設定されたMP3データがUSB接続等を介して前記MP3プレイヤ122へ転送(エクスポート)される。
図10は、前記カラオケシステム10における利用者の認証の流れについて説明する図である。この図10に示すように、先ず、1)として、前記カラオケ装置16により、前記MP3プレイヤ122の記憶部130に記憶されたMP3データが前記USBインターフェイス66を介して取得される。ここで、その記憶部130に複数のMP3データが記憶されている場合には、先頭のトラックのMP3データが読み出される。次に、2)として、前記カラオケ装置16において、取得されたMP3データのTOC及びID3のコメントが読み出される。次に、3)として、そのカラオケ装置16により読み出されたTOC及びID3のコメントが前記センタ装置20へ送信される。次に、4)として、そのセンタ装置20において取得されたTOC及びID3のコメントに基づき前記顧客データベース120から利用者の顧客情報が検索される。斯かる検索により該当する利用者の顧客情報の存在が確認された場合には、6)として、その認証結果が前記通信回線18を介して前記カラオケ装置16に返信されるが、正常な認証が行われなかった場合には、5)として、その利用者の新規登録が行われる。以上のようにして、前記MP3プレイヤ122に記憶されたMP3データに基づいて前記カラオケシステム10の利用者の認証が行われる。
図11は、前記センタ装置20のCPU100によるユーザ認証/登録制御の要部について説明するフローチャートであり、所定の周期で繰り返し実行されるものである。
先ず、ステップ(以下、ステップを省略する)S1において、前記カラオケ装置16等を入力端末として利用者の認証が実行されるか否かが判断される。このS1の判断が否定される場合には、S6以下の処理が実行されるが、S1の判断が肯定される場合には、S2において、前記カラオケ装置16のUSBインターフェイス66を介して読み出されたMP3データのTOC及びID3のコメントが前記通信回線18を介して取得される。次に、前記認証手段154の動作に対応するS3において、S2にて取得されたMP3データのTOC及びID3のコメントに基づき前記記憶装置116の顧客データベース120を参照して利用者の認証が行われる。次に、S4において、認証に係る利用者の顧客情報が前記顧客データベース120に登録されていたか否かが判断される。このS4の判断が否定される場合には、S8以下の処理が実行されるが、S4の判断が肯定される場合には、S3における認証結果が前記通信回線18を介して前記カラオケ装置18に返信された後、本ルーチンが終了させられる。S6の処理では、前記カラオケ装置16等を入力端末として利用者の新規登録が実行されるか否かが判断される。このS6の判断が否定される場合には、それをもって本ルーチンが終了させられるが、S6の判断が肯定される場合には、S7において、前記カラオケ装置16のUSBインターフェイス66を介して読み出されたMP3データのTOC及びID3のコメントが前記通信回線18を介して取得される。次に、S8において、前記カラオケ装置16等を入力端末として利用者の氏名等の顧客情報が前記通信回線18を介して受け付けられる。次に、前記登録手段152の動作に対応するS9において、S2又はS7にて取得されたTOC及びID3のコメントとS8にて受け付けられた顧客情報とが相互に関連付けられて前記記憶装置116の顧客データベース120に登録(記憶)された後、本ルーチンが終了させられる。
このように、本実施例によれば、前記カラオケ装置16は、付記情報であるID3のコメントを任意に変更できる音楽情報としてのMP3データを記憶する記憶媒体から少なくともそのMP3データの識別情報であるTOC及びID3のコメントを読み出すためのUSBインターフェイス66を備えたものであり、前記カラオケシステム10の利用者とMP3データのTOC及びID3のコメントとを相互に関連付けて記憶する顧客データベース120と、前記カラオケ装置16のUSBインターフェイス66を介して読み出されたMP3データのTOC及びID3のコメントに基づき前記顧客データベース120を参照して利用者の認証を行う認証手段154(S3)とを、有することから、利用者が普段携行する記憶媒体に記憶された音楽情報に基づいて好適にその利用者の認証を行うことができる。すなわち、実用的な態様で簡単に利用者を認証し得るカラオケシステム10を提供することができる。
また、所定の通信回線18を介して前記カラオケ装置16との間で相互に情報の通信を行い得るセンタ装置20を備え、前記顧客データベース120及び認証手段154は、そのセンタ装置20に設けられたものであるため、一般的なカラオケシステム10において実用的な態様で簡単に利用者を認証できるという利点がある。
また、前記USBインターフェイス66は、MP3データを記憶する記憶媒体としての記憶部130を備えると共にそのMP3データに基づいて音楽を再生させる音楽再生装置であるMP3プレイヤ122から、そのMP3データのTOC及びID3のコメントを読み出すものであるため、利用者が普段携行する携帯型音楽再生装置であるMP3プレイヤ122を前記カラオケ装置16のUSB接続部64に接続するだけの簡単な操作により、そのMP3プレイヤ122の記憶部130に記憶されたMP3データに基づいて好適にその利用者の認証を行うことができるという利点がある。
また、前記カラオケ装置16は、前記MP3プレイヤ122の記憶部130に記憶されたMP3データに基づいてそのMP3データに対応する演奏曲を出力待ち曲として予約する選曲予約手段150を有するものであるため、前記カラオケ装置16において演奏曲の自動抽出を行い得るMP3プレイヤ122、すなわち前記カラオケ装置16における選曲入力装置として用いられ得る携帯型音楽再生装置に内蔵された記憶媒体に記憶されたMP3データに基づいて好適にその利用者の認証を行うことができるという利点がある。
以上、本発明の好適な実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、更に別の態様においても実施される。
例えば、前述の実施例において、前記認証手段154は、MP3データのTOC及びID3のコメントに基づいて利用者の認証を行うものであったが、本発明はこれに限定されるものではなく、MP3データの他に、MIDI(Musical Instrument Digital Interface)データ、WMA(Windows Media Audio:Windows MediaはMicrosoft社登録商標)データ、その他、種々の形式の音楽情報が広く本発明による認証に用いられ得ることは言うまでもない。また、付記情報としては、音楽情報において利用者により任意に書き換えが可能な項目が適宜選択される。また、音楽情報の識別情報としては、前述の実施例において例示したTOCの他に、その音楽情報のタイトル(曲名)及びアーティスト名、再生される音楽の周波数特性等、種々の態様が考えられる。
また、前述の実施例において、前記認証手段154は、携帯型音楽再生装置であるMP3プレイヤ122から読み出されるMP3データに基づいて利用者の認証を行うものであったが、例えばUSBメモリ等の記憶媒体に記憶されたMP3データに基づいて利用者の認証を行うものであってもよい。また、前記カラオケ装置16は、前述したUSB以外の規格例えばブルートゥース(Bluetooth)通信等により記憶媒体から音楽情報を読み出すものであってもよく、そのためのインターフェイスが前記USBインターフェイス66の代替として設けられたものであっても当然構わない。
その他、一々例示はしないが、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲内において種々の変更が加えられて実施されるものである。