JP4410010B2 - ナノカーボン材料の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ナノカーボン材料の製造方法に関する。
ナノカーボン材料は、「炭素で構成され、分子1個が10-9〜10-7(1〜100nm)程度のサイズを持つ材料」とされている。
ナノカーボン材料は、次世代材料として注目されており、例えば電子部品、ガス吸蔵材料、医薬品、触媒、構造材料等への応用が期待されている。
ナノカーボン材料の製造法としては、アーク放電法、レーザ蒸発法、CVD反応(chemical vapor deposition)法の3種に大別される。その中CVD反応法は、大量製造に適した方法として主流になりつつある。
CVD反応法は、通常アセチレン、ベンゼン等の原料を外部ヒータにより加熱分解し、これにより生じた炭素蒸気を触媒層上に析出成長させて、ナノカーボン材料を製造する(特許文献1)。
また、上記CVD反応法においては、バーナ火炎中に触媒を投入し、火炎中で原料を熱分解させると共にナノカーボン材料を上記触媒の表面に析出成長させる燃焼式のCVD反応法もある(特許文献2)。
ところで、上記加熱反応器内に触媒を投入する方法としては、ロータリーフィーダーを用いて加熱反応器に固体状の触媒粒子を直接に投入する方法、或いは触媒粒子に液体を混合したスラリー状物を直接に加熱反応器内に送り込む方法等が挙げられる。
しかしながら、これらの触媒粒子送入方法は、触媒粒子を直接に加熱反応器内に送入する方法であるため、加熱反応器内における触媒粒子の流動性、分散性、触媒粒子の投入量等のコントロールが困難であり、大型の加熱反応器を準備しなければならないという問題がある。
特開2001−220674号公報 特開2003−300715号公報
本発明は、かかる問題点に鑑み、加熱反応器内への触媒粒子の送入が容易であると共に加熱反応器内における触媒粒子の流動性、分散性に優れ、小型の加熱反応器を用いることができるナノカーボン材料の製造方法を提供しようとするものである。
本発明は、炭素化合物を含有する原料ガスと触媒粒子とを酸素含有ガスと共に加熱反応器内に送入し、該加熱反応器内において上記炭素化合物を部分燃焼させて、CVD反応によって触媒粒子の表面にナノカーボン材料を析出成長させる方法において、
上記触媒粒子は、該触媒粒子よりも密度が小さいと共に上記部分燃焼時の温度によって熱分解する性質を有する担体によって被覆された担持粉末の状態で、上記加熱反応器内に供給され、
上記担持粉末は、流動層タンク内において上記原料ガスの導入によって流動化されていると共に、その一部が上記原料ガスと共に上記加熱反応器内に送入され、
上記加熱反応器においては、上記原料ガスを上記酸素含有ガスによって部分燃焼させると共に該部分燃焼の火炎中に上記担持粉末を投入して、該担持粉末中の上記担体を熱分解させて触媒粒子の表面を露出させ、
CVD反応により上記触媒粒子の表面にナノカーボン材料を析出成長させることを特徴とするナノカーボン材料の製造方法にある(請求項1)。
本発明において、最も注目すべきことは、加熱反応器へ送入する触媒粒子が、上記担体によって被覆された担持粉末の状態であること、該担持粉末は加熱反応器よりも上流側に設けた流動層タンク内において上記原料ガスによって流動化され、その一部の担持粉末が順次加熱反応器へ送入され、加熱反応器内においては上記担持粉末の表面部の担体が熱分解により離散し、露出した触媒粒子の表面にナノカーボン材料が析出成長するようにしたことである。
本発明においては、触媒粒子を上記のごとく担体によって被覆して担持粉末としている。そして、上記担体は触媒粒子よりも密度が小さい。そのため、担持粉末は触媒粒子自体よりも密度が小さくなり、上記流動層タンク内において上記原料ガスの導入により流動化し易い。
それ故、原料ガスの導入速度等を調整することにより、所望量の担持粉末を加熱反応器に容易に送入することができ、そのコントロールが容易となる。
また、流動層タンクにある担持粉末を加熱反応器に送入するので、加熱反応器内における触媒粒子の流動性、分散性にも優れている。
そのため、加熱反応器を小型化することができる。
もしも、担持粉末の状態でなく、触媒粒子のみを流動層タンク内で流動化させようとすると、触媒粒子はニッケル、鉄等の金属粒子であるために比重が大きく、多量の原料ガスを流動層タンク内に送入して流動化しなければならず、原料ガスの使用量が大きくなり、原料ガスが無駄になると共にコスト高となる。
また、触媒粒子は、流動層タンク内において担持粉末の状態で流動化しているので、触媒粒子自体は何らの損傷もない状態で加熱反応器内に送られ、触媒粒子本来の触媒活性を発揮できる。
また、触媒粒子を被覆している担体は、加熱反応器内の部分燃焼時の温度によって熱分解し離散するので、加熱反応器内に送入された担持粉末は早急に触媒粒子のみとなる。そのため、部分燃焼によって発生した炭素は直ちに触媒粒子の表面に析出成長することができ、ナノカーボン構造に優れたナノカーボン材料を得ることができる。
また、火炎温度は高温度(約1200〜2200℃)であるため、反応性の低いメタンを炭素化合物として用いた場合でも炭素蒸気が形成され易く、ナノカーボン材料が析出成長し易いという利点がある。
そのため、本発明においては、特に炭素化合物として、メタンを用いる場合にその効果が発揮される。
上記のごとく、本発明によれば加熱反応器内への触媒粒子の送入が容易であると共に加熱反応器内における触媒粒子の流動性、分散性に優れ、小型の加熱反応器を用いることができるナノカーボン材料の製造方法を提供することができる。
次に、本発明において、炭素化合物を含有する原料ガスとしては、後述するメタン等の炭素化合物を含有しているガスであり、このガス中には炭素化合物の含有割合を調整するために、アルゴン、ヘリウム、水素、窒素などの調整用ガスを混入させることもできる。
上記酸素含有ガスは、部分燃焼の酸素源として用いるものであり、酸素ガスの他空気を用いることもできる。
上記原料ガスに対する酸素含有ガスの割合は、上記炭素化合物を部分燃焼させてナノカーボン材料を触媒粒子表面に析出成長させるに適度な割合であり、通常は炭素化合物を完全燃焼させるために必要な酸素量の0〜75%の酸素含有量とすることが好ましい。
上記加熱反応器は、通常、反応筒とその外部に配設した電熱ヒータとからなり、上記反応筒内において、上記部分燃焼、触媒粒子へのナノカーボン材料の析出成長が行なわれる。
上記部分燃焼は、原料ガス中の炭素化合物を部分燃焼させてメタン等の炭素化合物を炭素とするための手段である。
そして、上記部分燃焼による火炎の中において、CVD反応により、上記炭素の蒸気が触媒粒子の表面にナノカーボン材料として析出成長する。
本発明において得られる上記ナノカーボン材料は、カーボンナノホーン(CNH)、フラーレン、カーボンナノチューブ(CNT)、カーボンナノファイバー(CNF)などの構造を有するが、特に本発明では、CNF状の構造のものが多く得られる。
また、上記CNF状構造には、らせん形状を持つカーボンナノコイル(CNC)、ねじれ形状を持つカーボンナノツイスト(CNTw)などのヘリカルカーボンナノファイバー(HCNF)も含まれる。
上記触媒粒子を被覆する担体は、触媒粒子を略中心部に埋め込む状態であっても、触媒粒子の一部が若干露出している状態であってもよい(図4参照)。
上記担体は、触媒粒子の密度よりも小さいものを用いる。
そして、担持粉末とした状態の密度は、通常は0.5〜5g/cm3とすることが好ましい。
0.5g/cm3未満では担持粉末の流動化が激しく、一方5g/cm3を超えると流動化が不充分となり、加熱反応器への供給調整が困難となるおそれがある。
なお、担持粉末は、流動層を形成する場合にアルキメデス数(後述)が103〜106となるよう調整しておくことが好ましい。アルキメデス数が103未満では担持粉末の流動化が激しく、一方106を超えると流動化が不充分となる。
また、上記担持粉末は、部分燃焼時の温度によって熱分解する性質を有するものを用いるが、通常は有機物を用いる。
加熱反応器内への担持粉末の送入は、通常、原料ガス1m3当り107〜108個の担持粉末とすることが好ましい。
107個/m3未満では触媒粒子量が少なく、108個/m3を越えても触媒粒子量が多すぎて担持粉末の損失を生ずるおそれがある。
加熱反応器の出口においては、ナノカーボン材料が析出成長した触媒粒子である成長粒子、及び燃焼排ガスが排出され、両者はサイクロン等により固気分離される。
また、ナノカーボン材料は触媒粒子表面に析出成長した状態で採取され、必要に応じて、熱硝酸中での煮沸処理などの手段によりナノカーボン材料のみに分離される。
次に、上記担体は、ポリビニルアルコール、ポリエチレン、樟脳、デンプンのいずれか一種以上であることが好ましい(請求項2)。
この場合には、上記熱分解が早急に行なわれ、また触媒粒子の触媒活性点を損傷するおそれがない。
次に、上記触媒粒子はニッケル、鉄、フェロセン、酢酸鉄、鉄・スズ系材料、鉄・スズ・インジウム系、ニッケル・スズ系材料のいずれか一種以上であることが好ましい(請求項3)。
この場合には、特に効率的にナノカーボン材料を析出成長させることができる。
なお、上記ニッケル、鉄、スズ、インジウムは、酸化物も含まれる。
次に、上記炭素化合物は、アルカン、アルケン、アルキン及び芳香族系のガス状炭化水素及び一酸化炭素のいずれか一種以上であることが好ましい(請求項4)。
この場合には、効率的に、触媒粒子表面にナノカーボン材料を析出成長させることができる。上記アルカン系としては、メタン、エタン、プロパン、ブタンなどが、アルケン系としてはエチレン、プロピレンなどが、アルキンとしてはアセチレン、ブチンなどが、芳香族系としてはベンゼン、トルエン、ナフタレンなどがある。
また、この中、メタンは本発明の製造法を実施する場合、通常のCVD法でメタンを原料とした場合よりもナノカーボンの生成効率が高く、その実施効果が最も高い。
次に、上記ナノカーボン材料は、上記触媒粒子の表面に析出成長した状態で上記加熱反応器より排出し、サイクロンにより燃焼ガスと分離し、採取することが好ましい(請求項5)。
この場合には、生産効率良く、ナノカーボン材料を採取することができる。
(実施例1)
本発明の実施例にかかる、ナノカーボン材料の製造方法について、図1〜図5を用いて説明する。
本例は、図1に示すごとく、炭素化合物を含有する原料ガス2と触媒粒子とを酸素含有ガスと共に加熱反応器5内に送入し、該加熱反応器5内において上記炭素化合物を部分燃焼させて、CVD反応によって触媒粒子10の表面にナノカーボン材料を析出成長させる方法において、上記触媒粒子10は、該触媒粒子10よりも密度が小さいと共に上記部分燃焼時の温度によって熱分解する性質を有する担体11によって被覆された担持粉末1の状態(図2、図4)で、上記加熱反応器5内に供給される。
上記担持粉末1は、流動層タンク3内において上記原料ガス2の導入によって流動化されていると共に、その一部が上記原料ガス2と共に上記加熱反応器5内に送入される(図1、図2)。なお、バイブレータ等により流動層タンク3に振動を与えると、効率的に担持粉末を搬送できる。
上記加熱反応器5においては、図3に示すごとく、上記原料ガス2を上記酸素含有ガスとしての酸素ガスによって部分燃焼させると共に該部分燃焼の火炎19中に上記担持粉末1を投入して、該担持粉末中の上記担体を熱分解させて触媒粒子10の表面を露出させる。
そして、CVD反応により上記触媒粒子10の表面にナノカーボン材料20を析出成長させた、成長粒子21を得る(図3、図5)。
以下、これらにつき詳しく説明する。
上記流動層タンク3は、図1及び図2に示すごとく、その内部に通気性の多孔板31を有する。多孔板31の上には担持粉末1を投入する。そして、多孔板31の下方に炭素化合物を含有する原料ガス2を導入することによって、担持粉末1を流動化させ流動層32を形成する。
また、流動層タンク3にはバイパス36を設ける。バイパス36には流動層タンク3内への原料ガス2の送入量を調整するための調整弁361を介設する。なお、符号33は、担持粉末補給口である。
次に、加熱反応器5は、図1、図3に示すごとく、反応筒51とその外部に設けた電気ヒータ55とを有する。反応筒51の上部には上記流動層タンク3に連結した送入パイプ37、及び酸素ガス導入用の酸素パイプ4を接続する。
また、反応筒51の下部には、ナノカーボン材料20を触媒粒子10の表面に析出成長させた成長粒子21及び排ガスをサイクロン6に排出するための排ガスパイプ57を接続する。サイクロン6の下部には上記成長粒子21を捕集する捕集タンク61を設け、一方、サイクロン6の上部には排ガスを放出するブロワー62を、放出パイプ58を介して接続する。
上記加熱反応器5内においては、図3に示すごとく、流動層タンク3から送られて来た担持粉末1と原料ガス2とが、反応筒51内に送入されると共に酸素パイプ4から酸素が供給され、原料ガス2中の炭素化合物が上記酸素によって部分燃焼される。この時の温度は約1200〜2200℃である。また、加熱反応器5のヒータ55は約500〜900℃に加熱されている。
そして、図3に示すごとく、部分燃焼の火炎19中においては、火炎中に送入された担持粉末1(図3のA)の表面の担体11が、火炎の熱によって熱分解し、更には火炎によって燃焼する(図3のB)。
これにより、担持粉末1の内部の触媒粒子10が露出する(図3のC)。
次いで、上記炭素化合物の部分燃焼により発生した炭素蒸気が上記触媒粒子10の表面に析出成長してナノカーボン材料20を形成し、成長粒子21となる。この状態の概念図を図5に示す。
図5は、触媒粒子10の表面にナノカーボン材料20が析出成長した成長粒子21を示している。成長粒子21は、上記のごとく、排気ガスと共にサイクロン6に送られ、捕集タンク61に捕集される。
なお、上記担持粉末1は、図4、図5に示すごとく、触媒粒子10の全表面を覆っていても(図4A)、また触媒粒子10の一部が露出した状態で覆っていてもよい(図4B)。
また、上記流動層タンク3から加熱反応器5へ送入する原料ガス及び担持粉末1の量は、炭素化合物の種類、触媒粒子10、触媒粒子10の表面の担体の種類等によって変動するが、一般的には原料ガス1m3当り、担持粉末107〜108個とすることが好ましい。
次に、本例の作用効果につき説明する。
本例においては、触媒粒子10を上記のごとく担体11によって被覆して担持粉末1としている。そして、上記担体11は触媒粒子10よりも密度が小さい。そのため、担持粉末1は触媒粒子自体よりも密度が小さくなり、上記流動層タンク3内において上記原料ガス2の導入により流動化し易い。
それ故、原料ガス2の導入速度等を調整することにより、担持粉末1を加熱反応器5に送入することができ、そのコントロールが容易となる。
また、流動層タンク3にある担持粉末1を加熱反応器5に送入するので、加熱反応器内における触媒粒子の流動性、分散性にも優れている。そのため、加熱反応器5を小型化することができる。
また、触媒粒子10は、流動層タンク3内において担持粉末1の状態で流動化しているので、触媒粒子10自体は何らの損傷もない状態で加熱反応器5内に送られ、触媒粒子本来の触媒活性を発揮できる。
また、触媒粒子10を被覆している担体11は、加熱反応器5内の部分燃焼時の温度によって熱分解し離散するので、加熱反応器内に送入された担持粉末は早急に触媒粒子10のみとなる。そのため、部分燃焼によって発生した炭素は直ちに触媒粒子10の表面に析出成長することができ、ナノカーボン構造に優れたナノカーボン材料を得ることができる。
また、本例においては、触媒粒子10が火炎の中を通過する僅かな時間(例えば0.01〜0.2秒)に、ナノカーボン材料の前駆体が生成するため、ナノカーボンの構造が維持され易い。また、火炎温度は高温度(約1200〜2200℃)であるため、反応性の低いメタンを炭素化合物として用いた場合でも炭素蒸気が形成され易く、ナノカーボン材料が析出成長し易いという利点がある。
(実施例2)
次に、本発明の具体例につき、上記図1〜図5を用いて説明する。
本例において、上記炭素化合物としてはメタンガスを、触媒粒子10としては平均粒径5〜6μmのニッケル粒子を用いた。
触媒粒子としてのニッケル粒子の表面には、担体11としてのPVA(ポリビニルアルコール)を、ボールミル混合によりコーティングし、平均粒径約50μmとした。
これにより、全体密度が1.5g/cm3の担持粉末1を形成した。
また、酸素含有ガスとしては酸素ガスを用いた。
ナノカーボン材料の製造に当っては、まず加熱反応器5の電気ヒータ55を約800℃に加熱しておいた。また、流動層タンク3の多孔板31の上には上記担持粉末1を入れ、この中に炭素化合物としてのメタンガスを含有する原料ガス2を送入し、担持粉末1を流動化させた。
そして、この流動化時において、原料ガス2の流動層タンク3内における流速を約0.01m/秒とした。これにより、担持粉末1の一部が流動化層32よりも浮遊して、気泡流動層を形成し、原料ガス2と共に加熱反応器5に送入された。
このとき担持粉末1は、原料ガス2の1m3に当り、約3g含まれていた。
そして、上記担持粉末1と原料ガス2とが加熱反応器5の反応筒51内に送入され、酸素によって原料ガス2中の炭素化合物としてのメタンガスが部分燃焼された。
この部分燃焼時において、反応筒51内の圧力は約760Torr、火炎温度は約2000℃であった。上記原料ガス2に対する酸素ガスのモル比は1倍であった。
これにより、上記のごとく、担持粉末1の担体としてのPVAは熱分解、燃焼して触媒粒子としてのニッケル粒子から離脱する。そして、露出したニッケル粒子の表面に、上記部分燃焼によって発生した炭素蒸気が析出成長してナノカーボン材料を形成した。
上記の火炎中において担持粉末1の状態から触媒粒子の露出、触媒粒子へのナノカーボン材料の析出成長までの時間は約1秒である。
上記ナノカーボン材料は、上記成長粒子21として捕集タンク61により捕集された。
上記成長粒子における触媒粒子表面のナノカーボン材料をピンセットにより採取し、走査型顕微鏡(日立製作所(株)製、S−4500)によりナノカーボン材料の状態を観察し、写真撮影した(図6)。
図6において、左側及び下側に示す写真は倍率3,000倍の、右上は倍率10,000倍の上記顕微鏡写真である。
図6より知られるごとく、得られたナノカーボン材料はカーボンナノファイバー状の形状を示し、直径50nm前後の優れたナノカーボン材料であった。
なお、上記流動層タンク内において、担持粉末の気泡流動層を形成する方法としては、一般に流動層形成設計に用いられる、フローレジームマップを利用する。このフローレジームマップは、レイノルズ数(Rep=dpρgo/ηg)を横軸に、アルキメデス数[Ar=dp 3ρg(ρp−ρg)g/ηg 2]を縦軸に用いたグラフで示されるものである。
このグラフにおける気泡流動層形成領域において、担持粉末を加熱反応器へ送入する流動層を形成する。
上式における各記号は次のものを示す。
p:粒子直径(m)、ρs:粒子の密度(kg/m3)、ρg:流動ガスの密度(kg/m3)、g:重力加速度(m/s2)、ηg:ガス粘度(Pa・s)、uo:流動層の空塔速度(m/s)
実施例1における、ナノカーボン材料の製造方法を示す説明図。 実施例1における、流動層タンクの説明図。 実施例1における、加熱反応器内部の、担持粉末からナノカーボン材料が析出成長する過程を示す説明図。 実施例1における、担持粉末の説明図。 実施例1における、触媒粒子の表面にナノカーボン材料が析出成長した状態の成長粒子の説明図。 実施例2における、得られたナノカーボン材料の走査型顕微鏡写真(左側及び下側は倍率3,000倍、右上は倍率10,000倍)。
符号の説明
1 担持粉末
10 触媒粒子
11 担体
19 火炎
2 原料ガス
21 成長粒子
3 流動層タンク
4 酸素ガスパイプ
5 加熱反応器
51 反応筒

Claims (5)

  1. 炭素化合物を含有する原料ガスと触媒粒子とを酸素含有ガスと共に加熱反応器内に送入し、該加熱反応器内において上記炭素化合物を部分燃焼させて、CVD反応によって触媒粒子の表面にナノカーボン材料を析出成長させる方法において、
    上記触媒粒子は、該触媒粒子よりも密度が小さいと共に上記部分燃焼時の温度によって熱分解する性質を有する担体によって被覆された担持粉末の状態で、上記加熱反応器内に供給され、
    上記担持粉末は、流動層タンク内において上記原料ガスの導入によって流動化されていると共に、その一部が上記原料ガスと共に上記加熱反応器内に送入され、
    上記加熱反応器においては、上記原料ガスを上記酸素含有ガスによって部分燃焼させると共に該部分燃焼の火炎中に上記担持粉末を投入して、該担持粉末中の上記担体を熱分解させて触媒粒子の表面を露出させ、
    CVD反応により上記触媒粒子の表面にナノカーボン材料を析出成長させることを特徴とするナノカーボン材料の製造方法。
  2. 請求項1において、上記担体は、ポリビニルアルコール、ポリエチレン、樟脳、デンプンのいずれか一種以上であることを特徴とするナノカーボン材料の製造方法。
  3. 請求項1又は2において、上記触媒粒子はニッケル、鉄、フェロセン、酢酸鉄、鉄・スズ系材料、鉄・スズ・インジウム系、ニッケル・スズ系材料のいずれか一種以上であることを特徴とするナノカーボン材料の製造方法。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項において、上記炭素化合物は、アルカン、アルケン、アルキン及び芳香族系のガス状炭化水素及び一酸化炭素のいずれか一種以上であることを特徴とするナノカーボン材料の製造方法。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項において、上記ナノカーボン材料は、上記触媒粒子の表面に析出成長した状態で上記加熱反応器より排出し、サイクロンにより燃焼ガスと分離し、採取することを特徴とするナノカーボン材料の製造方法。
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