JP4409477B2 - 締結体の弛み止め機構 - Google Patents

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Description

本願発明は、ボルトとナットとから構成された締結体の弛み止め機構に関するものである。
特開昭50−48350号公報 特開昭52−34165号公報 特公昭38−12864号公報 特許第3629486号公報
従来より、ボルトとナットとから構成された締結体の弛み止め機構については種々の提案がなされている。これらには、大きく分けてボルトとナットとの間の摩擦抵抗を利用するものと、別個の部材を取り付けることにより、メカニカルな弛み止めを行なうものとが存在する。
上記後者の弛み止め機構の一例として、特許文献1または2に記載された発明が存在する。これらは、ボルトの軸部先端に、軸部よりも小断面であって、断面が多角形形状や外周部分に溝を形成した突出部を形成したものである。これらの発明においては、この突出部にキャップを被せることにより、ナットの弛みを防止することができるものとされている。
また、弛み止め機構の他の一例として、特許文献3に記載された発明が存在する。これは、ボルトに割りピンを通すための貫通穴が設けられたものであって、ボルトに取り付けられたナットに、割りピンを通すことのできる溝が設けられた金具を被せ、その状態で当該溝を貫通するようにして割りピンを取り付けることにより、金具をボルトに固定し、ナットの弛みを防止することができるものである。
ところが、特許文献1または2に記載された発明は、いずれも突出部の外周面に形成された凹凸にキャップを取り付けるものである。一方、キャップにおける、ナットに係合する部分とボルトの突出部に係合する部分との位置関係は固定されている。よって、ボルトに対するナットの締め付け位置によっては、ボルトの突出部とキャップの位置とが一致せず、キャップを変形させて無理に突出部に取り付けるか、キャップが無理なく嵌められるように、ナットを緩めてやるなどの再調整が必要となる場合があった。これにより、弛み止めの効果が充分に果たされない場合や、ナットを緩めることによる、作業性や信頼性の低下が発生することが問題となっていた。
また、特許文献3に記載された発明については、所定範囲内のナットの弛みを許容した金具をナットに取り付けるものとされているが、割りピンを通すために金具に設けられた溝を、ボルトに設けられた割りピンを通すための貫通穴に一致させるため、物理上、ナットの弛みの許容値をあまり小さくすることができないという問題があった。なお、当該文献には、上記許容値の角度を30°、15°、12°とした実施例が開示されている。
上記のように、従来の技術の有していた問題点に鑑み、本願発明者の一人は、特許文献4に記載の発明をした。これは、ねじ山を有する軸部の先端に、キャップと係合するための係合部が形成された突出部が設けられ、締結されたボルトとナットとに対し、遊びを持たせてキャップを取り付け可能としたものである。そして、このキャップの取り付けの際の遊びの範囲を±5°未満(上記特許文献3において開示された角度の表現では10°未満に相当)としたものである。
これにより、特許文献1または2に記載された発明のように、キャップを無理に嵌めたり、ナットをわざわざ緩める再調整をすることなく、キャップを取り付け可能とできたものである。また、特許文献3に記載された発明よりもナットの弛みの許容値を小さくできたため、ナットの締め付け力の管理をより高い精度で行うことができるようになった。
しかしながら、この特許文献4に記載の発明においては、ボルトの軸部と突出部とが一体に形成されたものであったため、用途により長さの異なるボルトが必要な場合、各ボルトのすべての先端に突出部を形成する必要があった。
また、弛み止めを特に必要としない用途に、この締結体を流用する場合にあっては、この突出部の存在が邪魔であった。
また、突出部のみが損傷した場合、キャップの取り付けができず、弛み止めの作用を果たす使用ができなくなるため、ボルト全体を廃棄しなければならないこともあった。
このように、特許文献4に記載の発明に係る締結体の弛み止め機構は、弛み止めの面では大変優れたものではあるものの、汎用性に欠ける場合や、使い勝手の悪い場合もあった。
上記のことに鑑み、本願発明は、軸部と突出部とが分離されたことにより、汎用性や使い勝手をより向上させたものであって、しかも優れた弛み止めの作用を有する、締結体の弛み止め機構を提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、本願の請求項1に記載の発明は、ボルト1とナット2とキャップ3とを備えた締結体10の弛み止め機構であって、ボルト1は、外周面の少なくとも一部にねじ山11aを有する軸部11と、上記軸部11の先端に着脱可能に取り付けられたチップ部12とを備えたものであり、チップ部12の外周面の少なくとも一部には、キャップ3と係合するための凹凸である係合部12aが形成されたものであり、ナット2は、ボルト1の軸部11にねじ込まれることによって締結されるものであって、ねじ山24を内面に有し、外周の少なくとも一部が、ナット2をねじ込むための工具の係合が可能なものとされたものであり、キャップ3は、ボルト1に対してナット2が締結された状態において、少なくとも上記チップ部12の係合部12aと係合が可能なボルト配位部31と、少なくともナット2の外周の一部と係合が可能なナット配位部32とを有することを特徴とする締結体の弛み止め機構を提供する。
また、本願の請求項2に記載の発明は、軸部11の先端面にチップ取付溝11bが形成されたものであり、チップ部12には、上記のチップ取付溝11bに対して嵌合可能な取付用突起12bが形成されたものであって、また、チップ部12には、軸部11に取り付けられた際に、軸部11のねじ山の谷径の位置よりも、少なくとも一部が径外方向にはみ出す抜止突起12cが形成されたものであって、この抜止突起12cは、チップ部12が取り付けられた軸部11にナット2がねじ込まれた際において、ナット2のねじ山24によって変形させられることを特徴とする、請求項1に記載の、締結体の弛み止め機構を提供する。
また、本願の請求項3に記載の発明は、軸部11にチップ部12が取り付けられた状態での、ボルト1の軸中心Zと、上記係合部12aの頂点部分12a’とを結ぶ仮想線をボルト側仮想線X1とし、ナット2の、軸中心Zと頂点部分2aとを結ぶ仮想線X2a、並びに前記仮想線X2a,X2a同士の間を所定の割合で等分した仮想線X2bからなる仮想線をナット側仮想線X2とし、キャップ3のボルト配位部31には、上記係合部12aの頂点部分12a’と係合するために、中央部31a’がボルト側仮想線X1上に一致するキャップ側ボルト係合部31aが、同ナット配位部32には、ナット2の頂点部分2aと係合するために、中央部32a’がナット側仮想線X2上に一致するキャップ側ナット係合部32aが、それぞれ形成されており、ボルト1にナット2が締結した際の、ボルト側仮想線X1とナット側仮想線X2の位置のずれのうちで最小のものよりも、ボルト1にキャップ3を係合させた状態における、チップ部12の係合部12aの頂点部分12a’とキャップ3のキャップ側ボルト係合部31aとの間の遊びF1と、ナット2にキャップ3を係合させた状態における、ナット2の頂点部分2aとキャップ3のキャップ側ナット係合部32aとの間の遊びF2とのそれぞれの和の方が大きくなるように、ボルト配位部31とナット配位部32とが形成されたものであり、上記の遊びF1、F2の和が±5°未満とされたことを特徴とする、請求項1または2に記載の締結体の弛み止め機構を提供する。
また、本願の請求項4に記載の発明は、軸部11にチップ部12が取り付けられた状態での、ボルト1の、軸中心Zと、上記係合部12aの頂点部分12a’とを結ぶ仮想線をボルト側仮想線X1とし、ナット2の、軸中心Zと頂点部分2aとを結ぶ仮想線X2a、並びに前記仮想線X2a,X2a同士の間を所定の割合で等分した仮想線X2bからなる仮想線をナット側仮想線X2とし、キャップ3のボルト配位部31には、上記突出部12の頂点部分12a’と係合するために、中央部31a’がボルト側仮想線X1上に一致するキャップ側ボルト係合部31aが、同ナット配位部32には、ナット2の頂点部分2aと係合するために、中央部32a’がナット側仮想線X2上に一致するキャップ側ナット係合部32aが、それぞれ形成されており、ボルト1にナット2が締結された際の、ボルト側仮想線X1とナット側仮想線X2の位置のずれのうちで最小のものよりも、ボルト1にキャップ3を係合させた状態における、チップ部12の係合部12aの頂点部分12a’とキャップ3のキャップ側ボルト係合部31aとの間の遊びF1と、ナット2にキャップ3を係合させた状態における、ナット2の頂点部分2aとキャップ3のキャップ側ナット係合部32aとの間の遊びF2とのそれぞれの和の方が大きくなるような、上記の各仮想線X1,X2の組み合わせが、360°の範囲内で少なくとも1組存在するように、チップ部12の係合部12aが形成されたものであり、上記の遊びF1、F2の和が±5°未満とされたことを特徴とする、請求項1または2に記載の締結体の弛み止め機構を提供する。
本願発明は、軸部11と突出部としてのチップ部12とが分離されたことにより、軸部11の長さにかかわらず、チップ部12を共通部品とできるため、在庫管理が容易となり、その結果、流通コストを低減することができたものである。
また、弛み止めを特に必要としない用途に、この締結体10を流用する場合にあっても、軸部11の先端に突出するものがないため、このように一般的なボルトの代用として用いた場合であっても、邪魔になるものがなく、汎用性の高い締結体が提供できたものである。
また、チップ部12だけを軸部11に対して取り換え可能であるため、チップ部12のみが損傷した場合であっても、軸部11は再利用が可能である。
これらにより、汎用性や使い勝手をより向上させたものであって、しかも優れた弛み止めの作用を有する、締結体の弛み止め機構を提供することができたものである。
以下、図面に基づき本願発明の実施の形態の一例をとりあげて説明する。図1は本例のボルト本体部を示し、図2は本例のチップ部を示す。図3は本例におけるボルトにナットをねじ込み、キャップを取り付けた状態を示す。図7は本例のナットを示し、図8は本例のキャップを示す。図9はボルトにナットを締結した状態におけるチップ部の係合部とナットとの位置関係を示す。
本例のボルト1は、ねじ山11aが外周部の少なくとも一部に設けられた軸部11と、軸部11の先端に取り付けられるチップ部12とを、少なくとも備えたものである。本例においては、図1に示すように、軸部11の基端側に六角柱状の頭部13が一体に設けられたボルト本体部1aと、図2に示すチップ部12とからなっている。ボルト本体部1aは、後述するチップ取付溝11bが先端に形成されている点以外は一般的な六角ボルトと同様の形態であり、頭部13にスパナやレンチなどの工具の係合が可能とされている。
軸部11のねじ山11aは、後述するナット2の内面に形成されたねじ山24と同一ピッチとされている。本例においては軸部11や頭部13の外形寸法、ねじ山11aに関するねじ径やピッチなどの主要な寸法は、JISで規定されている規格寸法にて形成しているが、特殊な寸法で形成しても良い。
なお、ボルト本体部1aの形態は本例のものに限られるものではなく、寸切ボルトとしても良いし、シャフト等と一体化したものであっても良い。また、軸部11の全てにねじ山11aを形成したものであっても良いし、JISで規定された通り、先端側の所定範囲内にのみねじ山11aを形成したものであっても良い。つまり、軸部11にナット2を締結するためのねじ山11aを形成したものであれば、多種多様な形態での実施が可能である。
本例における軸部11には、先端面(図1(B)に示した上端)に、軸方向に切り込まれるようにチップ取付溝11bが形成されている。このチップ取付溝11bは、軸部11の外周面まで突き抜けており、平面視が「+」状に形成されたものであって、ここに後述するチップ部12の取付部122(取付用突起12b)が嵌合して一体のボルト1となる。チップ取付溝11bの形状は本例のものに限られるものではなく、図6に示すように、平面視「−」状の溝であっても良い。その他、平面視が「*」状など、断面が多角形状の溝あるいは凹部、突起を有する断面形状に形成された溝あるいは凹部など、種々の形態での実施が可能である。
ここで、本願発明者の一人が以前発明した、特許文献4に記載の発明においては、軸部11の先端に一体に突出部が設けられており、弛み止めの作用を用いずに、一般的なボルトの代用として用いる場合、この突出部が邪魔になることがあって汎用性に欠けるものであった。一方、本例のボルト1では、軸部11の先端に突出するものがないため、このように一般的なボルトの代用として用いた場合であっても、邪魔になるものがなく、汎用性の高いボルト1が提供できたものである。
チップ部12は、図2に示したように、軸部11の先端に取り付けられた状態(図3参照)で露出した状態となる露出部121と、軸部11に係合する取付部122とを備える(なお、図2は、図1に比して拡大して図示したものである)。
このように軸部11と分離したチップ部12を用いることにより、軸部11の長さにかかわらず、チップ部12を共通部品とできるため、在庫管理が容易となり、その結果、流通コストを低減することができる。
露出部121は、本例においては、ボルト1の軸部11よりも断面積が小さく形成された筒状の突起である。この露出部121の外周部には、露出部121の軸方向と平行であって、周方向に10個の突起である係合部12aが等間隔(36°毎)に形成されている。本例においては、係合部12aの断面形状が、図2(B)に示すように、頂点部分12a’を有する三角形のスプライン軸として形成されているが、半円形など他の形状の突起を形成したものでも良いし、本例とは逆に外周面に溝を形成し、この溝を係合部12aとしても良い。また、係合部12aの数についても、本例のように10個に限られるものではなく、種々の数を選択して実施できる。
なお、図(A)に示すように、チップ部12の軸中心Zと係合部12aの頂点部分12a’とを結ぶ仮想線をボルト側仮想線X1とする。これについては後ほど説明する。
取付部122は、本例では、図2(C)に示すように、露出部121の下方に一体に形成された取付用突起12bからなるものである。この取付用突起12bは、チップ部12の軸中心から、等幅の板状体が4本、放射状に延びるようにして配位されたものであって、この板状体は、上記軸中心で重なり合うものとされている。よって、断面形状が、上記軸部11のチップ取付溝11bと一致する「+」状となる。この取付用突起12bの幅寸法W2は、軸部11のチップ取付溝11bの幅寸法W1(図1(A)参照)よりもやや大きく形成されたものであって、両者の嵌合の際には、取付用突起12bが幅方向に圧縮されることにより、嵌合が確実になされるものとすることが望ましい。
この取付用突起12bについては、その他、図5に示すように、断面形状を「−」状に形成しても良いし、等幅の板状体を更に多く組み合わせ、平面視が「*」とされたものとしても良い。
なお、上記のように断面形状を「−」状に形成した場合は、チップ取付溝11bとの位置合わせを容易に行うために、取付用突起12bの中央下方に、図5に示すように中心突起12dを形成し、ボルト1のチップ取付溝11bにも、図6に示すように、中心突起12dを嵌めるための中心穴11cを形成しておき、この中心突起12dと中心穴11cとの組み合わせによって、位置合わせができるようにしておくことが望ましい。
その他、図示はしないが、取付用突起12bを、外周にねじ山を備えた軸とし、これに対応するねじ山を設けたチップ取付溝11bに対してねじ込むことによって、チップ部12をボルト1の軸部11に対して取り付け可能としても良い。この場合は、取付用突起12b及びチップ取付溝11bに設けるねじ山は、ボルト1のねじ山に対して逆ねじとしておくことが、チップ部12の弛み防止の点で望ましい。
上記に示したように、ボルト1の軸部11に対し、チップ部12を回動不能に取り付けることのできる手段である限りにおいては、取付用突起12bと、これに対応するボルト1のチップ取付溝11bの形態は限定されるものではなく、種々の手段、種々の形態を採用することができる。
本例においては、図2(B)に示すように、取付用突起12bの下端から径方向に突出するようにして、抜止突起12cが設けられている。この抜止突起12cは、先端における径寸法W12cが、軸部11のねじ山11aの谷径φ11xよりも大きく形成されたものである。本例では、ねじ山11aの谷径φ11xよりも大きく、山径φ11yよりも小さく形成されているが、チップ部12を取り付けた状態の軸部11にナット2をねじ込むことが可能な範囲の寸法であれば、ねじ山11aの山径φ11yよりも大きく形成したものであっても良い。
ボルト1の軸部11にチップ部12を取り付けた際においては、両者11,12の間は嵌合されているだけの状態にある。ここで、抜止突起12cは、軸部11のねじ山11aにおける山と谷との間に突出した状態となっているが、図3に示すように、軸部11にナット2をねじ込むことによって、ナット2のねじ山24に押されて抜止突起12cが変形する。なお、チップ12の材質は、本例においては合成樹脂製とされており、上記の抜止突起12cの変形は容易になされる。そして、軸部11とナット2との間に、この変形した抜止突起12cが配位されるため、ナット2を取り外さない限りは、チップ部12がボルト1の軸部11から外れることはなく、優れた抜け止め作用を発揮することができる。
なお、従来より、ナットの弛み止めを目的として、ねじ山の表面に樹脂を塗布したボルトが公知であるが、本例は、チップ12自体が軸方向へ抜けることを防止するため、ねじ山11aに樹脂製の抜止突起12cが配位されたものであって、作用、機能が全く異なるものである。
なお本願発明において、上記の抜止突起12cの形成は必須のものではない。つまり、軸部11から軸方向へと抜けるような外力がチップ部12に対して全く作用しないか、この外力が、チップ部12とチップ取付溝11bとの間の嵌合によって両者間に発生する力よりもはるかに小さく、無視できる範囲である場合には、例えば図4及び図5に示すように、抜止突起12cを設けないものとしても良い。
上記のように、チップ12の材質は合成樹脂製とされたものであるが、金属製であっても良い。なお、金属製とする場合は、上記のように、ねじ込まれたナット2により変形する抜止突起12cを設ける場合にあっては、例えばアルミ合金など、軸部11やナット2に比べて柔らかい金属でチップ12の全体を形成するか、あるいは、抜止突起12cだけを取付用突起12bと異なる材質とし、変形可能なものとしておくことを要する。
本例のナット2は、図7に示すようなものである。本例では六角ナットの上部を、突起21及びキャップ保持溝22を形成した形態としているが、その他の部分は一般的な六角ナットと同様である。また、本例では、工具と係合する部分の外形寸法や、ねじのピッチなど主要な寸法は、JISで規定されている規格寸法にて形成しているが、ボルト1と同様、特殊な寸法で形成しても良い。また、特殊な用途の締結体においては、四角形や八角形などの多角形形状や、円筒状で、表面に工具を引掛けるための平面や穴を形成したものとしても良い。
本例においては、六角形状の頂点部分2aが、後述するキャップ3のナット配位部32の内周面32bに係合することによりナット2の弛みを防止する。なお、頂点部分2aの形状は、多角形状の頂点はもとより、突起や溝など、種々の形態での実施が可能である。本例では、図10(B)に示したように、面取りがなされている。
また、本例のナット2においては、上部に略円筒状の突起21が形成されており、この突起21の側面を一周するようにキャップ保持溝22が形成されている。このキャップ保持溝22は、図3に示すように、ナット2にキャップ3を取り付けた際において、キャップ3の内面に形成されたキャップ保持用爪33と組み合わせてキャップ保持手段として機能するものであり、キャップ保持溝22がキャップ保持用爪33に対して嵌合することにより、キャップ3が、ナット2と、ナット2が締結されたボルト1とから脱落することを防止するものである。
このキャップ保持手段は、ナット2からキャップ3が脱落することを防止できるものであれば良く、本例の形態に限定されるものではない。例えば、ナット2の側にキャップ保持用爪を設け、キャップ3の側にキャップ保持溝を設けても良いし、ポイント的に凹凸を形成しても良い。また、ピンなどの別個の部材をナット2とキャップ3を貫通するように設けても良い。更には、ナット2とキャップ3との間には直接キャップ保持手段を設けず、ボルト1とキャップ3との間に設けることによりキャップ3を保持するものとしても良く、種々の形態で実施が可能である。
また、本例においては、ナット2の上面、具体的には突起21にキャップ3との位置合わせを容易にするためのマーキング23がなされている。このマーキング23は、キャップ3の下部に形成されるナット配位部32の形状に合わせて付けられるものであり、本例においては、ナット配位部32のキャップ側ナット係合部32aが、周方向に等間隔に12箇所設けられていることに対応して、ナット2におけるマーキングは、ナット2の軸中心Zから頂点部分2aを結ぶ仮想線X2aと、これら仮想線X2a,X2a同士の間を二等分した仮想線X2bとからなる、ナット側仮想線X2上に計12本設けられている。よって、このマーキング23は、キャップ側ナット係合部32aを6箇所形成した場合は6本、18箇所形成した場合は18本というように、キャップ側ナット係合部32aを形成した数に合わせて設けられている。つまり、ナット2が六角形状の場合は6の倍数のマーキング23が形成されている。なお、本願発明においては、このマーキング23の形成は必須のものではなく、省略しても良い。
本例のキャップ3は図8に示すようなものである。本例においては合成樹脂製であり、外観は袋ナット状とされている。
このキャップ3は内部が空洞になっており、この空洞と連通するようにして下部が開放されている。また、上部にも貫通穴が形成されている。この下部の開放された部分がナット配位部32であり、上部の貫通穴がボルト配位部31となる。
ボルト配位部31の内周面にはキャップ側ボルト係合部31aが形成されている。本例においては、チップ部12の係合部12aの形状に一致する三角形状の溝が、等間隔に10個形成されている。具体的には、図10(A)に示すように、ボルト配位部31が、チップ部12の露出部121よりも一回り大きく形成されている。ここで本例においては、キャップ側ボルト係合部31aと、チップ部12の係合部12aの形状が一致しているため、後述するナット配位部32とは異なり、キャップ側ボルト係合部31aに一対一の対応で、係合部12aが配位される。
なお、図8(A)に示すように、軸中心Zとキャップ側ボルト係合部31aの溝の底部である中央部31a’とを結ぶ仮想線は、ボルト1とキャップ3との間における取付時の遊びを無視した場合、ボルト1におけるボルト側仮想線X1と一致している。
本例におけるボルト配位部31は、ボルト配位部31の内周面31bがチップ部12の係合部12aと遊びを持って係合することにより、キャップ3の上部がボルト1に取り付けられる。具体的には、図10(A)に示すように、ボルト配位部31が、チップ部12の露出部121よりも一回り大きく形成されているため、係合部12aの頂点部分12a’が、内周面31bとの間で線状に当接することにより、ボルト1に対する遊びF1が決定される。つまり、この遊びF1は、図示のように、頂点部分12a’を挟んで一方側の内周面31bに当接する位置を一端とし、他方側の内周面31bに当接する位置を他端とする円弧状の範囲となる。この遊びF1と、ナット配位部32における遊びF2の設定については後述する。
なお、ボルト配位部31に上記のような遊びを設けず、チップ部12の露出部121と回動不能に嵌合するような形状としても良い。なお、この場合は、ナット2の頂点部分2aとキャップ3のキャップ側ナット係合部32aとの間の遊び角度が所定値(本例では片側で3°以上)になるようにナット配位部32を形成することを条件とする。
一方、ナット配位部32の内周面にはキャップ側ナット係合部32aが形成されている。本例においては、キャップ側ボルト係合部31aと同様であり、ナット2の頂点部分2aの形状に一致する三角形状の溝が、等間隔に12個形成されている。具体的には、図10(B)に示すように、ナット配位部32が、ナット2よりも一回り大きく形成されている。キャップ3がナット2に取り付けられた際においては、ナット2の外形が六角形状であることより、キャップ側ナット係合部32aの1つおきに、ナット2の頂点部分2aが配位される(図10(B)参照)。
なお、図8(C)に示すように、軸中心Zとキャップ側ナット係合部32aの溝の底部である中央部32a’とを結ぶ仮想線は、ナット2とキャップ3との間における取付時の遊びを無視した場合、ナット2におけるナット側仮想線X2と一致している。
本例におけるナット配位部32は、上記のボルト配位部31とほぼ同様のものであり、ナット配位部32の内周面がナット2と遊びを持って係合することにより、キャップ3の下部がナット2に取り付けられる。具体的には、図10(B)に示すように、ナット配位部32が、ナット2よりも一回り大きく形成されており、ナット2の頂点部分2aが、内周面32bとの間で線状に当接することにより、ナット2に対する遊びF2が決定される。つまり、この遊びF2は、図示のように、ナット2の頂点部分2aを挟んで一方側の内周面32bに当接する位置を一端とし、他方側の内周面32bに当接する位置を他端とする円弧状の範囲となる。ここで、厳密には、図10(B)に示したように、ナット2の頂点部分2aは面取りされているため、遊びF2は、上記一端側における遊びF2aと上記他端側における遊びF2bとの和となる。
なお、ナット配位部32に上記のような遊びを設けず、ナット2と回動不能に嵌合するような形状としても良い。なお、この場合は、チップ部12の頂点部分12a’とキャップ3のキャップ側ボルト係合部31aとの間の遊び角度が所定値(本例では片側で3°以上)になるようにボルト配位部31を形成することを条件とする。
ここで、上記のボルト配位部31及びナット配位部32については、本例のように、チップ部12の係合部12a及びナット2の全周にそれぞれ係合するものに限られるものではなく、少なくとも一部に係合するものであれば良く、本例以外の種々の形態で実施し得る。
また、本例においては、キャップ3の内面におけるナット配位部32の上方に、ナット2のキャップ保持溝22に対して嵌合するキャップ保持用爪33が対角に2箇所形成されている。ナット2にキャップ3を取り付けた際において、ナット2のキャップ保持溝22に対してキャップ3のキャップ保持用爪33が嵌合する。この嵌合により、キャップ3に外力がかかった場合でも容易には脱落しない。
また、本例のキャップ3は合成樹脂製であるため、キャップ3に力を加え、ナット2のキャップ保持溝22とキャップ3のキャップ保持用爪33との嵌合を解除することにより、キャップ3をボルト1及びナット2から取り外すことができる。よって、キャップ3の繰り返し使用が可能であり、従来から公知である、2〜3回程度しか繰り返し使用できなかった割りピン方式よりも再使用性に優れている。
このキャップ保持溝22とキャップ保持用爪33のそれぞれの形状は、種々に変更が可能であり、例えば上下方向に非対称な形状とすることにより、取り付け時に必要な力を比較的小さくしてキャップ3を容易に取り付けできるようにし、逆に、取り外し時に必要な力を比較的大きくしてキャップ3の取り外しを困難なものとするなど、作業性の向上や、取り付け後のいたずら防止などの観点から最適なものとできる。
なお、キャップ保持溝22とキャップ3のキャップ保持用爪33のようなキャップ保持手段を一切設けないものとしても良い。
本例においては、キャップ3の側面に窓部34が対角に2箇所形成されており、キャップ3の内部の空洞と連通している。この窓部34を通して、組み付け状態を目視で確認することができる。また、図11に示すようなキャップ取り外し工具4を用いる際に、引掛爪41を窓部34に引掛けるために用いる。
このキャップ取り外し工具4の使用方法について述べる。まず、図11に示すように、キャップ3の窓部34に引掛爪41を引掛けた上で、螺合により回動可能に取り付けられたハンドル42を用いて、押込部43を下方に押込んでいく。そして、この押込部43がチップ部12の係合部12aに当接した後は、ハンドル42の回動を続けるにつれ、引掛爪41が上方に引き上げられ、それに伴い、キャップ3も上方に引っ張られる。これにより、ナット2のキャップ保持溝22とキャップ3のキャップ保持用爪33との嵌合が外れ、キャップ3を取り外すことができる。
ここで、キャップ3は、上部と下部とが一体となっているため、上部に位置するボルト配位部31と下部に位置するナット配位部32の位置関係は常に一定である。
しかし、ボルト1に対しナット2を締結した場合においては、当然ながら、ナット2とチップ部12の係合部12aの間の位置関係はランダムとなる。そのため、従来においては、特許文献1または2に記載された発明が有する問題点として既にに示したように、キャップ3に合わせるために、ナット2を締めたり緩めたりして両者の位置関係を再調整する必要があった。
ナット2のねじ込みを再調整することなくキャップ3を取り付けるためには、ボルト1にナット2を締結した際における、ナット2の頂点部分2aとチップ部12の係合部12aとの位置(角度)のずれに対して、ボルト1及びナット2にキャップ3を取り付けた際の、チップ部12の係合部12aとキャップ3のキャップ側ボルト係合部31aの遊びF1と、ナット2の頂点部分2aに対するキャップ3のキャップ側ナット係合部32aの遊びF2とのそれぞれの和の方が大きくなるように、キャップ3のボルト配位部31とナット配位部32とを、遊びを持たせた形状に形成すれば良い。
ここで、キャップ3におけるボルト配位部31のキャップ側ボルト係合部31aと、ナット配位部32のキャップ側ナット係合部32aとのそれぞれの位置関係について、図9と共に述べる。
本例におけるボルト配位部31は、既に述べたように、三角形状の溝であるキャップ側ボルト係合部31aが設けられている。このキャップ側ボルト係合部31aは周方向に10個設けられている。
ナット配位部32についても、ボルト配位部31と同様に、三角形状の溝であるキャップ側ナット係合部32aが周方向に12個設けられている。よって、ナット2にキャップ3を取り付けた場合には、キャップ側ナット係合部32aの一つおきに、外形が六角形状であるナット2の頂点部分2aが配位される。
そして、キャップ側ナット係合部32aはキャップ側ボルト係合部31aに対し、180°毎、つまり全周(360°)において2箇所で一致するように形成されている。
一方、チップ部12の係合部12aは周方向に等間隔(36°毎)に10個設けられており、これはキャップ3のキャップ側ボルト係合部31aと一致するものである。
そして、ナット2については、形状が六角形のため、頂点部分2aが60°毎に存在する。ただ、上記のように、キャップ3のキャップ側ナット係合部32aは30°毎に設けられており、キャップ側ナット係合部32aに一致させてナット2の頂点部分2aを配位可能であることを考えると、30°毎に調整可能となる。
よって、両者の調整可能な角度の差は6°となる。そして、ボルト1にナット2を締結した際においては、両者の関係は、図9(A)に示す状態から図9(C)に示す状態にかけての状態となる。
具体的に述べると、図9(A)に示す状態は、ナット2の側の位置aとボルト1の側の位置Aとが重なった状態であり、この時のずれ角は0°である。また、図9(B)に示す状態は、図9(A)に示す状態から図9(C)に示す状態までの間のちょうど中間を示すものであり、ナット2の側の位置aとボルト1の側の位置A、そしてナット2の側の位置bとボルト1の側の位置Bとがどちらも3°ずれている。また、図9(C)に示す状態は、ナット2の側の位置bとボルト1の側の位置Bとが重なった状態であり、この時のずれ角は0°である。
本例においては、半周(180°)分の範囲内において、図9(A)に示す状態から図9(C)に示す状態までの間の状態が1箇所必ず存在する。つまり、ずれ角が3°以下となるポイントが180°毎に存在する。
よって、図10に示す、チップ部12の係合部12aとキャップ3のキャップ側ボルト係合部31aとの間の遊びF1の角度と、ナット2の頂点部分2aとキャップ3のキャップ側ナット係合部32aとの間の遊びF2の角度との和が3°以上になるようにキャップ3のボルト配位部31とナット配位部32とを形成することにより、ボルト1にナット2を締結した状態のままでキャップ3を取り付けることが可能となる。
本例においては、チップ部12の係合部12a(キャップ3のキャップ側ボルト係合部31aと一致)が周方向に10個設けられている。そして、キャップ3のキャップ側ナット係合部32aが周方向に12個設けられており、この場合における、ボルト1とナット2の間でのずれ角は、既に述べた通り±3°となる。また、この場合では全周(360°)において、チップ部12の係合部12aとキャップ側ナット係合部32aとは2箇所で一致している。
ここで既に述べた通り、キャップ側ナット係合部32aの形成数(X)、係合部12a(キャップ側ボルト係合部31a)の形成数(Y)については、本例以外に種々に変更できる。その例のいくつかについての、X、Y、Z(全周(360°)における、係合部12aとキャップ側ナット係合部32aの一致箇所の数)、ボルト1とナット2の間でのずれ角を下記に示す。
(1)X=6の場合
Y=7(Z=1、ずれ角±4.3°)、Y=11(Z=1、ずれ角±2.7°)
(2)X=12の場合
Y=5(Z=1、ずれ角±3°)、Y=7(Z=1、ずれ角±2.1°)、Y=11(Z=1、ずれ角±1.3°)
(3)X=18の場合
Y=5(Z=1、ずれ角±2°)、Y=8(Z=2、ずれ角±2.5°)、Y=10(Z=2、ずれ角±2°)、Y=11(Z=1、ずれ角±0.9°)
ちなみに、上記の各数値の算出方法について述べると、Xはナット2の頂点数(六角ナットでは6)の整数倍、Yは任意の数、ZはXとYとの最大公約数、ずれ角は180をXとYの最小公倍数で割った数値である。
ずれ角については、あまり大きくなると、キャップ3がずれ角を基準とした遊び角度を有するものであるため、キャップ3の弛み止めの作用が甘くなる。よって、具体的には±5°未満とすることが望ましく、±3°以下とすることがより望ましい。
また、係合部12aとキャップ側ボルト係合部31aの形成数(Y)が多い方が、ずれ角を小さくできるために、弛み止めの作用から見て好ましいが、これに伴い係合部12aなどの加工が困難となるため、具体的にはYを12以下とすることが望ましい。
なお、上記の基準は一般的な締結体に関するものであって、特殊な締結体に関しては、用途などに応じて最も適した形態に形成すれば良い。
このように、ボルト1にナット2を締結した際における、ナット2の頂点部分2aとチップ部12の係合部12aとの位置(角度)のずれに対して、ボルト1及びナット2にキャップ3を取り付けた際の、チップ部12の係合部12aとキャップ3のキャップ側ボルト係合部31aの遊びF1と、ナット2の頂点部分2aに対するキャップ3のキャップ側ナット係合部32aの遊びF2とのそれぞれの和の方が大きくなるように、ボルト配位部31とナット配位部32とを、遊びを持たせた形状に形成したキャップ3を用いることにより、ナット2のねじ込みを再調整することなくキャップ3を取り付けることができ、従来よりもナット2の弛みを小さくすることができる。
本例のボルト本体部を示すものであって、(A)は軸部の先端を上方に配位した状態の平面図、(B)は同状態でねじ山の記載を省略した側面図である。 本例のチップ部を示すものであって、図1よりも拡大して示したものであり、(A)は平面図、(B)は側面図、(C)は底面図である。 本例におけるボルトに、ナットとキャップとを取り付けた状態を示す、一部断面視の説明図である。 本願発明のチップ部の他の例を示すものであって、(A)は平面図、(B)は側面図、(C)は底面図である。 本願発明のチップ部の更に他の例を示すものであって、(A)は平面図、(B)は側面図、(C)は底面図である。 図6に示したチップ部に対応するボルト本体部を示すものであって、(A)は軸部の先端を上方に配位した状態の平面図、(B)は同状態でねじ山の記載を省略した側面図である。 本例のナットを示し、(A)は平面図、(B)は半断面の正面図である。 本例のキャップを示し、(A)は平面図、(B)は(A)のI−I断面図、(C)は底面図である。 (A)〜(C)共、本例のボルトにナットを締結した状態におけるチップ部の係合部とナットとの位置関係を示す、平面視の説明図である。 (A)はキャップのボルト配位部とチップ部の露出部との関係を示す説明図であり、(B)はキャップのナット配位部とナットとの関係を示す説明図である。 キャップ取り外し工具4の使用方法を示す参考図である。
10 締結体
1 ボルト
11 軸部
11a ねじ山(軸部)
11b チップ取付溝
12 チップ部
12a 係合部
12a’ 係合部の頂点部分
12b 取付用突起
12c 抜止突起
2 ナット
24 ねじ山(ナット)
2a 頂点部分(ナット)
3 キャップ
31 ボルト配位部
31a キャップ側ボルト係合部
31a’ キャップ側ボルト係合部の中央部
32 ナット配位部
32a キャップ側ナット係合部
32a’ キャップ側ナット係合部の中央部
F1 ボルトとキャップとの間の遊び
F2 ナットとキャップとの間の遊び
X1 ボルト側仮想線
X2,X2a,x2b ナット側仮想線
Z 軸中心

Claims (4)

  1. ボルト(1)とナット(2)とキャップ(3)とを備えた締結体(10)の弛み止め機構であって、
    ボルト(1)は、外周面の少なくとも一部にねじ山(11a)を有する軸部(11)と、
    上記軸部(11)の先端に着脱可能に取り付けられたチップ部(12)とを備えたものであり、
    チップ部(12)の外周面の少なくとも一部には、キャップ(3)と係合するための凹凸である係合部(12a)が形成されたものであり、
    ナット(2)は、ボルト(1)の軸部(11)にねじ込まれることによって締結されるものであって、ねじ山(24)を内面に有し、外周の少なくとも一部が、ナット(2)をねじ込むための工具の係合が可能なものとされたものであり、
    キャップ(3)は、ボルト(1)に対してナット(2)が締結された状態において、少なくとも上記チップ部(12)の係合部(12a)と係合が可能なボルト配位部(31)と、
    少なくともナット(2)の外周の一部と係合が可能なナット配位部(32)とを有することを特徴とする締結体の弛み止め機構。
  2. 軸部(11)の先端面にチップ取付溝(11b)が形成されたものであり、
    チップ部(12)には、上記のチップ取付溝(11b)に対して嵌合可能な取付用突起(12b)が形成されたものであって、
    また、チップ部(12)には、軸部(11)に取り付けられた際に、軸部(11)のねじ山の谷径の位置よりも、少なくとも一部が径外方向にはみ出す抜止突起(12c)が形成されたものであって、
    この抜止突起(12c)は、チップ部(12)が取り付けられた軸部(11)にナット(2)がねじ込まれた際において、ナット(2)のねじ山(24)によって変形させられることを特徴とする、請求項1に記載の、締結体の弛み止め機構。
  3. 軸部(11)にチップ部(12)が取り付けられた状態での、ボルト(1)の軸中心(Z)と、上記係合部(12a)の頂点部分(12a’)とを結ぶ仮想線をボルト側仮想線(X1)とし、
    ナット(2)の、軸中心(Z)と頂点部分(2a)とを結ぶ仮想線(X2a)、並びに前記仮想線(X2a,X2a)同士の間を所定の割合で等分した仮想線(X2b)からなる仮想線をナット側仮想線(X2)とし、
    キャップ(3)のボルト配位部(31)には、上記係合部(12a)の頂点部分(12a’)と係合するために、中央部(31a’)がボルト側仮想線(X1)上に一致するキャップ側ボルト係合部(31a)が、
    同ナット配位部(32)には、ナット(2)の頂点部分(2a)と係合するために、中央部(32a’)がナット側仮想線(X2)上に一致するキャップ側ナット係合部(32a)が、それぞれ形成されており、
    ボルト(1)にナット(2)が締結した際の、ボルト側仮想線(X1)とナット側仮想線(X2)の位置のずれのうちで最小のものよりも、
    ボルト(1)にキャップ(3)を係合させた状態における、チップ部(12)の係合部(12a)の頂点部分(12a’)とキャップ(3)のキャップ側ボルト係合部(31a)との間の遊び(F1)と、
    ナット(2)にキャップ(3)を係合させた状態における、ナット(2)の頂点部分(2a)とキャップ(3)のキャップ側ナット係合部(32a)との間の遊び(F2)とのそれぞれの和の方が大きくなるように、
    ボルト配位部(31)とナット配位部(32)とが形成されたものであり、
    上記の遊び(F1、F2)の和が±5°未満とされたことを特徴とする、請求項1または2に記載の締結体の弛み止め機構。
  4. 軸部(11)にチップ部(12)が取り付けられた状態での、ボルト(1)の、軸中心(Z)と、上記係合部(12a)の頂点部分(12a’)とを結ぶ仮想線をボルト側仮想線(X1)とし、
    ナット(2)の、軸中心(Z)と頂点部分(2a)とを結ぶ仮想線(X2a)、並びに前記仮想線(X2a,X2a)同士の間を所定の割合で等分した仮想線(X2b)からなる仮想線をナット側仮想線(X2)とし、
    キャップ(3)のボルト配位部(31)には、上記突出部(12)の頂点部分(12a’)と係合するために、中央部(31a’)がボルト側仮想線(X1)上に一致するキャップ側ボルト係合部(31a)が、
    同ナット配位部(32)には、ナット(2)の頂点部分(2a)と係合するために、中央部(32a’)がナット側仮想線(X2)上に一致するキャップ側ナット係合部(32a)が、それぞれ形成されており、
    ボルト(1)にナット(2)が締結された際の、ボルト側仮想線(X1)とナット側仮想線(X2)の位置のずれのうちで最小のものよりも、
    ボルト(1)にキャップ(3)を係合させた状態における、チップ部(12)の係合部(12a)の頂点部分(12a’)とキャップ(3)のキャップ側ボルト係合部(31a)との間の遊び(F1)と、
    ナット(2)にキャップ(3)を係合させた状態における、ナット(2)の頂点部分(2a)とキャップ(3)のキャップ側ナット係合部(32a)との間の遊び(F2)とのそれぞれの和の方が大きくなるような、
    上記の各仮想線(X1,X2)の組み合わせが、360°の範囲内で少なくとも1組存在するように、チップ部(12)の係合部(12a)が形成されたものであり、
    上記の遊び(F1、F2)の和が±5°未満とされたことを特徴とする、請求項1または2に記載の締結体の弛み止め機構。
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