JP4409089B2 - ホスフィンリガンドの調製 - Google Patents
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Description
(技術分野)
本発明は、エナンチオマーに富むホスフィン、特に不斉アリル基置換触媒におけるリガンドとして有用なエナンチオマーに富むホスフィンの大規模調製に適した方法に関する。
【0002】
(1)および(2)のようなキラルホスフィンリガンドおよび、その反対のエナンチオマーがパラジウム(o)-触媒性不斉アリル基置換反応において有効であることがすでに示されている。例えば、総説としては、B.M.Trost and D.L.Van Vranken, Chem Rev. (1996) 96:395を参照されたい。そのようなリガンドの特別な例としては、WO-A-9312260、B.M.Trost and X. Ariza, Angew. Chem. Int. Ed. Engl. (1997) 36:2635, およびB.M.Trost and F.D.Toste, J.Am. Chem. Soc. (1998) 120:815を参照されたい。
【0003】
【化3】
【0004】
このような触媒は、工業利用にとりわけ適しており、特にキラルな医薬的中間体を高いエナンチオマー純度で提供するのにとりわけ適している。この目的に関しておよび、風味剤および芳香剤ファインケミカルのような他の工業利用においては、製造法の進歩により今や、大量の、例えばキログラム単位またはそれ以上の(1)または(2)のようなリガンドが必要とされる。つまり、このようなリガンドの合成のための有効かつ拡大可能な方法が必要とされる。
【0005】
これらのリガンドの製造法は、B.M.Trost, D.L.Van Vranken and C.Bingel, J.Am.Chem.Soc. (1992) 114:9327に記載されている。この方法をスキーム1に記載する。
【0006】
【化4】
【0007】
このクラスのリガンドを工業上有用な規模で製造するために、記載された方法を使用するのにはいくらかの制限がある。
第一に、文献の方法を用いた2-クロロ安息香酸の2-(ジフェニルホスフィノ)安息香酸への変換では低い収率しか得られない。この方法に関しては74%の収率がDE-A-2264088に報告されているが、我々が行った場合には、この方法により1〜2kg規模での収率は48〜54%の範囲であった。典型的には、40〜50%の範囲の収率が得られる。Inorg Synth.(1982), 21:175を参照されたい。そこでは49%の収率が見積もられている。
【0008】
このクラスのホスフィンを調製する、フルオロ誘導体から出発する別の方法が開示されている。Williams et al, Synlett. (1993) 509を参照されたい。一例は次のようである。:
【0009】
【化5】
【0010】
この論文は詳細には、2-フルオロ安息香酸および対応するカルボキシレートがこれらの条件下では所望の生成物を提供しなかったことを開示する。
Hingst et al, Eur. J. Inorg. Chem. (1998) 73は、2-フルオロ安息香酸のPh2PHを用いた超塩基性媒体(superbasic medium)中での求核ホスファニル化(phosphanylation)が不充分な収率しか与えないことおよび、「相当な収率」がTHF中のPh2PKの溶液を用いて2-フルオロ安息香酸のK塩をホスファニル化する(phosphanylate)場合に得られることを報告する。
【0011】
第二に、ジアミンをその塩から単離しなければならない。酒石酸塩が一般に、エナンチオマー的に純粋なジアミンを得るのに用いられている。1,2-ジアミノシクロヘキサンに関してはE.N.Jacobsen et al, J. Org. Chem. (1994) 59:1939およびその中で引用される文献および、1,2-ジフェニル-1,2-エチレンジアミンに関してはE.J.Corey and S.Pikul, Org Synth. (1992) 71:22を参照されたい。この塩は分解されなければならず、次いで空気感応性(air-sensitive)および水溶性ジアミンを水溶液から抽出しなければならない。US-A-5399771はこれとは別の方法を記載し、その中では、酒石酸塩をメタノール性KOH中でスラリーとし、酒石酸カリウムを濾過により除去し、ジアミンを溶媒を蒸発させた後単離する。この方法においても、感応性ジアミンの単離を必要とする。
【0012】
第三に、1,3-ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)を用いたジアミンの2-(ジフェニルホスフィノ)安息香酸とのカップリングにより所望の生成物が60〜90%の範囲の収率で得られるが、これは、精製のためにシリカクロマトグラフィーを必要とする。リガンドは、80℃-120℃の広い融点を有する蝋質または結晶固体として単離される。Trost et al(1992)既出を参照されたい。
【0013】
所望のリガンドの公知の合成法は10〜100gサンプルの調製には適しているが、キログラム単位のリガンドの合成に関しては経済的でない。2-(ジフェニルホスフィノ)安息香酸の収率が乏しいことは、該方法の工業利用の可能性に直接影響を与える一要因である。ジアミンの単離、リガンドのクロマトグラフィー、および単離されたリガンドの非結晶性の性質、全ては現在の方法を非効率なものにしている。
US-A-5801263は以下の反応を開示する。
【0014】
【化6】
【0015】
(発明の概要)
本発明は、リガンド、特に式(3):
【0016】
【化7】
およびその反対のエナンチオマーにより表されるリガンドとして有用な化合物の、効果的な、拡大可能な、および経済的な合成を生む3つの発見に基づく。式中、Arは1,2-関係においてPR3R4およびCO基を有する芳香族環である。Arはまた、1またはそれ以上の非妨害基により任意に置換される。各R基はそれぞれいずれかの非妨害基であるか、またはR1とR2は結合して環を形成してもよい。
本発明の一側面は、例えばトリフェニルホスフィン、ナトリウムおよび液体アンモニアから-60℃で形成されるNaPPh2を用いた反応に2-フルオロ安息香酸を使用して、2-(ジフェニルホスフィノ)安息香酸を提供することに関する。NaPPh2の2-クロロ安息香酸との反応からの粗生成物を分析することにより、主要な副産物が3-(ジフェニルホスフィノ)安息香酸であり、これがおそらくベンザイン形成およびホスフィン付加から生じることが示された。だから、純粋な生成物を得るためには数回の再結晶化が必要とされ、低い収率となる。2-クロロ安息香酸を2-フルオロ誘導体で置きかえることにより、3-(ジフェニルホスフィノ)安息香酸で著しく汚染されることなく75〜85%の範囲の2-(ジフェニルホスフィノ)安息香酸の収率を得ることができるという驚くべき発見が導かれた。つまり、リガンド系の鍵となる成分をより効率的に製造することが可能となる。
【0017】
本発明の第二の側面は、2-(ジフェニルホスフィノ)安息香酸または式(4)により表されるその誘導体の、式(5)により表される1,2-ジアミノシクロヘキサンのようなジアミンとのカップリングに関する。本発明の重要な特徴は、カップリング反応の前に式(6)により表される酒石酸塩のような塩からジアミンを解離するとき、ジアミンを水溶液から単離する必要がないということである。従って、アミンはインサイチュで生成し、これはアミンを単離しないことを意味する。
【0018】
【化8】
【0019】
驚くべきことに、2-(ジフェニルホスフィノ)安息香酸とジフェニルクロロホスフェート(4:R3=R4=PhおよびY=PO(OPh)2)のジクロロメタン中の無水混合物は、ジアミン(5)/酒石酸カリウム塩混合物の水溶液と反応する。この混合物は酒石酸塩(6)を水中に溶解し、炭酸カリウムまたは他の同等の塩基を添加することにより得られる。これは定量的収率で粗リガンド、例えば(1)を提供する。意外な特徴は、混合無水物の酸への加水分解はこの反応でごくわずかしか観察されず、リガンドへの優れた変換が達成されるということである。
【0020】
本発明のもう一つの側面は、文献のプロトコールではリガンドがガラス状の固体として得られるのに対して、驚くべきことにリガンドが結晶形態で得られるということである。つまり、本発明の方法は、物質の取り扱いおよび輸送に関して利点を有する。例えば、カップリング反応後のリガンドの単離および精製が容易である。前記のように行われた反応は非常に純粋で、副産物はほとんど見られない。何度ものクロマトグラフィーは不要である。特に、粗リガンドをシリカゲルを通して簡単に濾過した後、リガンドを熱アセトニトリルまたはアセトニトリル/アセトン混合物から再結晶化することができ、はっきりした融点(134-136℃)を有する好ましい結晶性リガンド(1)が得られる。単離された純粋な結晶性のリガンドの収率は、65〜75%である。
これらの発見により、何度ものクロマトグラフィーを要することなく再現性をもってリガンドを大規模に製造することが可能となる。
【0021】
(発明の記載)
R1、R2、R3、R4または例えば10、20または30までのC原子のAr環上のいずれの置換基の性質も、本発明の特徴ではない。どの置換基が反応に影響を与えるか与えないかは、当業者には明らかであろう。同様に、Yが好ましくは-P(O)(OZ)2であり、Zが好ましくは炭化水素置換基、最も好ましくはフェニルであるが、Yの性質がOYが遊離基であることを必要とすることだけで決定されることが明らかであろう。
Arはアリール(ヘテロアリールを含む)環を表す。単環であってもよい。Arの例にはフラン、チオフェンおよび好ましくはベンゼン環が含まれる。Arにより表される環上の最も重要な置換基の位置は、生成物がリガンドとして作用すること、例えば生成物がパラジウム、ロジウム、プラチナまたはイリジウムのような錯体遷移金属と錯体を形成するべく作用することができることを必要とすることにより決定される。Arは最も好ましくは1,2-フェニレンである。同様に、R3およびR4のそれぞれは、最終生成物がリガンドとして作用することを可能にするいずれかの基、例えばメチルまたは他のアルキル基、フェニルまたは10または20までのC原子の他のアリール基などであってもよい。
以下の実施例は本発明を説明する。
【0022】
実施例1 (1R,2R)-(-)-1,2-ジアミノシクロヘキサンL-酒石酸塩
ラセミ体のトランス-1,2-ジアミノシクロヘキサン(625g、5.47モル、1Wt)を、L-(+)-酒石酸(821.5g、5.47モル、1.32Wt)の水溶液(3750ml、6ボリューム)に添加した。この工程は発熱性であり、内部の温度は60-70℃に上昇した。約半分のアミンを添加後、結晶が析出した。アミンを完全に添加した後、混合物を100℃に加熱し、完全な溶液を得た。
混合物を室温まで冷却し、次いで5℃まで冷却した。固体を濾過し、濾過ケーキを500mlの氷冷水で洗浄し、黄色を除去した。ケーキをメタノール(5×300ml)で洗浄し、真空オーブン中40℃で乾燥させた。これにより酒石酸塩(560g、80%Th)を得た。
ジアステレオマー過剰率が98%未満である場合、該塩は沸騰水(100℃)(10ボリューム)から再結晶化した。典型的な回収率は70%であり、白色結晶性物質であった。これによりまた、生成物の外観が改善された。
同様に、D-(-)-酒石酸を使用してラセミ体のアミンを溶解し、(1S,2S)-(+)-1,2-ジアミノシクロヘキサンD-酒石酸塩を得た。
塩のジアミン成分のエナンチオマー過剰率(ビス-トルオイル誘導体、L-ロイシンカラム、5μm、0.5ml/分、254nM、8%IPA/92%ヘプタン上でのキラルHPLCアッセイによる)は、98%eeより高かった。
【0023】
実施例2 (1S,2S)-(+)-1,2-ジアミノシクロヘキサンD-酒石酸塩
(1S,2S)-(+)-1,2-ジアミノシクロヘキサンL-酒石酸塩に富む母液(5750ml、900gの塩をほぼ含む)を20℃で攪拌し、水酸化カルシウム(252g、1当量)を滴下した。pHは6.5-10.7に変化した。混合物を1時間15-20℃で攪拌し、濾過し、濾過ケーキ(酒石酸カルシウム)を水(700ml)で洗浄した。合わせた濾液(6650ml)を50℃に加熱し、D-酒石酸(562g、1.1当量)を添加した。混合物を70℃に加熱し、完全な溶液を得た。5℃に冷却後、いくらかの結晶が形成された。結晶を濾過し、濾過ケーキをメタノール(5×300ml)で洗浄した。結晶を真空オーブン中40℃で乾燥させ、褐色の結晶として塩(430g、96%Th)を得た。メタノール性濾液を濾過水に添加し、新たな生成物をオフホワイトの粉末(175g、38%Th)として得た。この物質には酒石酸カルシウムが混入しており、それゆえ沸騰水(100℃)(10ボリューム)から再結晶化した。典型的な回収率は70%であり、白色の結晶状物質であった。
塩のジアミン成分のエナンチオマー過剰率(ビス-トルオイル誘導体、L-ロイシンカラム、5μm、0.5ml/分、254nM、8%IPA/92%ヘプタン上のキラルHPLCアッセイによる)は、各群で98%eeより高かった。
【0024】
実施例3 2-(ジフェニルホスフィノ)安息香酸
液体アンモニア(約400-500ml)を3リットルのフラスコに集め、アセトン/乾燥氷浴中で冷却する。反応フラスコにドライアイスコンデンサー、温度計および圧力を均等化した滴下漏斗を取り付けた。濾過漏斗中で石油を用いて洗浄することによりナトリウム球から鉱油を除去し、球を濾紙上で乾燥させ、33.86g(1.47モル、2当量)を5gずつ-60℃でアンモニアに添加した。混合物を30分間攪拌し、-70℃に冷却した後、トリフェニルホスフィン(193g、0.736モル、1当量)のテトラヒドロフラン溶液(250ml)を30分かけて添加した。内部の温度は-70℃〜-55℃に維持した。反応混合物を1.5時間攪拌し、血赤色のナトリウムジフェニルホスフィドの溶液を得た。次に、2-フルオロ安息香酸(100g、0.714モル、0.97当量)のテトラヒドロフラン溶液(250ml)を1時間かけて添加した。内部の温度は-70℃〜-60℃間で変化した。混合物を-60℃で2時間攪拌し、次いで室温まで12時間かけて温めた。橙色のケーキが生じた。水(1.5L)を注意深く添加し、固体を30分以内に溶解した。黄色の濁った溶液をメチル-トランス-ブチル-エーテル(300ml)で抽出し、有機抽出物を廃棄した。黄色の水相を濃塩酸(170ml)でpH1まで酸性化した。この工程は発熱性であった。酸性化した水相をジクロロメタン(2×400ml)で抽出し、合わせた有機相を水(500ml)および塩水(500ml)で洗浄した。透明の黄色の有機相を乾燥させ(MgSO4)、濾過し、減圧下で蒸発させ、粘性の黄色のケーキを得、これは置いておくと固形化した。固体を沸騰メタノール(1.2リットル)から再結晶化し、淡黄色の固体を得た。固体を冷メタノール(100ml)で洗浄し、メタノールウェットの187gの生成物を得た(87%Th)。これを真空オーブン中60℃で乾燥した。収率165.8g、77%Th。Mpt=182-184℃。
【0025】
実施例4 (+)-1,2-ビス-N-[2'-(ジフェニルホスフィノ)ベンゾイル]-1(R),2(R)-ジアミノシクロヘキサン
2-(ジフェニルホスフィノ)安息香酸(20g、65.3mmol、2当量)をジクロロメタン(150ml)中に懸濁し、氷/水浴中で0℃(内部の温度)に冷却した。トリエチルアミン(10.1ml、71.8mmol)を滴下し、透明の溶液を得た。この工程は発熱性であり、5℃までの上昇が観察された。溶液を0℃に再冷却し、ジフェニルクロロホスフェート(13.4ml、64.7mmol、1.98当量)をゆっくりと添加し、内部の温度を0-5℃に維持した。黄色溶液を1時間0℃で攪拌した。この間、沈殿が観察された(NEt3.HCl)。
(R,R)-1,2-ジアミノシクロヘキサン-L-酒石酸塩(8.63g、32.65mmol、1当量)を水(50ml、5.8ボリューム)に懸濁し、炭酸カリウム(15g、107.8mmol、3.3当量、1.74wt)を添加した。この工程は発熱性であり、約10分後に透明の溶液を得た。
30分後、透明のジアミンの水溶液を無水混合物に0℃で添加し、生じた黄色の2相の混合物を2時間0℃で攪拌し、室温まで温めた。14時間後、混合物を1リットルの分液漏斗に注ぎ、200mlのジクロロメタンと100mlの水を添加した。有機相を分離し、2NのHCl(100ml)と飽和NaHCO3(溶液)(100ml)で洗浄し、次いで硫酸マグネシウムで乾燥させた。乾燥させた有機相をシリカパッドを通して濾過し、パッドをジクロロメタン(50ml)で洗浄した。合わせた濾液を減圧下で乾燥状態まで蒸発させ、黄色の泡(22.3g、99%Th粗)を得た。
泡を沸騰アセトニトリル(390ml、17.5ボリューム)から結晶化し、白色結晶固体を得た。固体を真空下で乾燥させ、標題化合物(15g、67%Th)を得た。
Mpt=134-136℃
TLC(35%EtOAc/ヘキサン)Rf=0.25酸性モリブデンアンモニウムとUVで明視化。
1HNMR 基準サンプルと一致。[α]D 20=+88°(c=7、ジクロロメタン)
【0026】
実施例5 (-)-1,2-ビス-N-[2'-(ジフェニルホスフィノ)ベンゾイル]-1(S),2(S)-ジアミノシクロヘキサン
2-(ジフェニルホスフィノ)安息香酸(231.8g、0.756モル、2当量)をジクロロメタン(1700ml)中に懸濁し、氷/水浴中で0℃まで冷却した。トリエチルアミン(122ml、0.87モル)を滴下し、透明の溶液を得た。この工程は発熱性であり、5℃までの上昇が観察された。溶液を0℃まで再冷却し、ジフェニルクロロホスフェート(155.3ml、0.75モル、1.98当量)をゆっくりと添加し、内部の温度を0-5℃の間に維持した。黄色溶液を1時間-5から0℃で攪拌した。この間、沈殿が観察された(NEt3.HCl)。
(S,S)-1,2-ジアミノシクロヘキサン-D-酒石酸塩(100g、0.378モル、1当量)を水(600ml)に懸濁し、炭酸カリウム(172g、1.25モル)を添加した。この工程は発熱性であり、透明の溶液を約10分後に得た。
30分後、ジアミン/酒石酸塩の透明水溶液を無水混合物に0℃で添加し、生じた黄色の2相混合物を2時間0℃で攪拌し、次いで室温まで温めた。14時間後、混合物を5リットルの分液漏斗に注いだ。有機相を分離し、2NのHCl(2×1000ml)と飽和NaHCO3(溶液)(2×1000ml)で洗浄し、硫酸マグネシウムにて乾燥させた。乾燥させた有機相をシリカパッドを通して濾過し、パッドをジクロロメタン(100ml)で洗浄した。合わせた濾液を減圧下で乾燥状態まで蒸発させ、黄/褐色の泡(261.4g、98%Th粗)を生成した。泡を沸騰アセトニトリル(4.5L)から結晶化し、白色結晶固体を得た。固体を真空下で乾燥させ、標題化合物(180g、69%Th)を得た。
これとは別の再結晶法で、粗リガンド(97g)をアセトン(200ml)中に溶解し、アセトニトリル(1500ml)を添加した。混合物を加熱して還流し、完全な溶液を得、室温まで冷却し、濾過し、アセトニトリルで洗浄した。白色固体を真空下で乾燥させ、標題化合物を得た(70g、72%回収)。
Mpt=134-136℃
TLC(35%EtOAc/ヘキサン)Rf=0.25酸性モリブデンアンモニウムとUVで明視化
1HNMR 基準サンプルと一致。[α]D 20=-88°(c=7、ジクロロメタン)。
Claims (17)
- 式:R3R4P-Ar-CO-X
(式中、Arは1,2-関係においてPR3R4とCOX基を有し、所望により1またはそれ以上の非-妨害基も有していてもよいアリール基であり、R3とR4はそれぞれいずれかの非-妨害基により所望により置換されていてもよい炭化水素基であり、Xはアミン基である)を有する化合物の調製のための方法であり、OYがOHまたは離脱基であるR3R4P-Ar-COOYと、インサイチュでアミン塩に塩基を添加することにより得られるアミンXHの溶液との反応を含む方法。 - Arが1,2-フェニレンである請求項1記載の方法。
- R3とR4がそれぞれフェニルである請求項1または請求項2記載の方法。
- ジアミンがトランス-1,2-ジアミノシクロヘキサンのどちらかのエナンチオマーである請求項4記載の方法。
- ジアミンがキラルな酸との塩の形態である請求項4または請求項5記載の方法。
- 酸が酒石酸である請求項6記載の方法。
- 有機溶媒からの再結晶化後、二座リガンドを結晶固体として単離することをさらに含む請求項4〜7のいずれかに記載の方法。
- 二相の水/有機溶媒混合物中で行う請求項1〜8いずれかに記載の方法。
- Yが-P(O)(OZ)2であり、Zが炭化水素置換基である請求項1〜9いずれかに記載の方法。
- さらにNaPR 3 R 4 とF−Ar−COOHとの反応により化合物R 3 R 4 P−Ar−COOHを調製すること、および、所望により離脱基OYを導入することを先に含む請求項1〜10いずれかに記載の方法。
- 2-(ジフェニルホスフィノ)安息香酸の調製のための、2-フルオロ安息香酸のNaPPh2との反応を先に含む、請求項11記載の方法。
- PPh3、NaおよびNH3からNaPPh2を形成することを含む請求項12記載の方法。
- Zがフェニルである請求項13記載の方法。
- 結晶形態である請求項4に定義される二座リガンド。
- (+)-1,2-ビス-N-[2'-(ジフェニルホスフィノ)-ベンゾイル]-1(R),2(R)-ジアミノシクロヘキサン、m.p.134-136℃である請求項15記載のリガンド。
- (-)-1,2-ビス-N-[2'-(ジフェニルホスフィノ)-ベンゾイル]-1(S),2(S)-ジアミノシクロヘキサン、m.p.134-136℃である請求項15記載のリガンド。
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