JP4409044B2 - 電子ビーム露光装置、及び電子ビーム偏向校正方法 - Google Patents

電子ビーム露光装置、及び電子ビーム偏向校正方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子ビームによりウェハにパターンを露光する電子ビーム露光装置、電子ビームの偏向を校正する電子ビーム偏向校正方法、及び電子ビームの偏向を校正するための基準基板に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、電子ビームによりウェハにパターンを露光する電子ビーム露光装置が知られている。この電子ビーム露光装置では、電子ビームをウェハの所定の領域に照射するために電子ビームを偏向器により偏向させる。偏向器により電子ビームをウェハの所定の領域に適切に偏向させるために、偏向器による電子ビームの偏向を校正する必要がある。
【0003】
そこで、従来の電子ビーム露光装置においては、予めウェハステージ上にマークが形成された基準基板を備えておき、当該ウェハステージを動かして当該基準基板のマークを複数の位置に動かし、偏向器により電子ビームを偏向させることにより走査させて当該マークを検出し、当該マークが示す位置を検出した際の偏向器に対する偏向制御量を当該マークの位置に電子ビームを偏向するための偏向制御量として検出する。そして、複数の位置での偏向器に対する偏向制御量に基づいて、所定の位置に電子ビームを偏向するための偏向器に対する偏向制御量を校正する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように従来の電子ビーム露光装置においては、ウェハステージにより基準マークを所定の位置に動かして偏向器の偏向を校正している。このため、ウェハステージを移動させる際にずれが発生すると適切に偏向器の校正を行えないという問題が生じる。また、露光の際にウェハの所定の位置に電子ビームを適切に偏向できないといった場合においては、原因として、ウェハステージを移動させる際のずれによって適切に校正ができていないこと、又は偏向器による偏向量がずれていることが考えられるが、いずれが原因なのかを容易に判断できないという問題が生じる。また、偏向器の偏向を校正する際に、校正に時間がかかるという問題が生じている。
そこで、本発明は、上記の課題を解決することのできる電子ビーム露光装置、電子ビーム偏向校正方法、及び基準基板を提供することを目的とする。この目的は特許請求の範囲における独立項に記載の特徴の組み合わせにより達成される。また従属項は本発明の更なる有利な具体例を規定する。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の第1の形態に係る電子ビーム露光装置は、 電子ビームによりウェハにパターンを露光する電子ビーム露光装置であって、ウェハと、複数の位置のそれぞれを示すマーク部を有する基準基板とを載置可能であり、且つウェハ及び基準基板を所定の座標系に従って移動可能であるウェハステージと、電子ビームを発生する電子銃と、所定の偏向制御量に基づいて電子ビームを偏向する偏向部と、電子ビームを基準基板に照射した際における反射電子を検出する反射電子検出部と、基準基板を所定の位置に維持させた状態で電子ビームを走査させ、反射電子検出部により検出される反射電子に基づいて、複数のマーク部を検出するマーク検出部と、検出された複数のマーク部が示す位置に偏向部により電子ビームを偏向するための偏向制御量と、マーク部が示す位置とに基づいて、所定の位置に電子ビームを偏向させる偏向部に対する偏向制御量を調整する偏向調整部と、調整された偏向制御量に基づいて、偏向部により電子ビームをウェハの所定の位置に偏向させてウェハにパターンを露光する露光制御部と
を有することを特徴とする。
【0006】
マーク部の少なくとも2つは、ウェハにパターンを露光する際に電子ビームを偏向させるべきフィールドと同一の大きさの領域における境界部分の位置を示すようにしてもよい。マーク部の1つは、領域の中心の位置を示すようにしてもよい。基準基板は、1つの基板であってもよい。
【0007】
上記目的を達成するために、本発明の第2の形態に係る電子ビーム露光装置は、電子ビームによりウェハにパターンを露光する電子ビーム露光装置であって、ウェハと、複数の位置のそれぞれを示すマーク部を有する基準基板とを載置可能であり、且つウェハ及び基準基板を所定の座標系に従って移動可能であるウェハステージと、電子ビームを発生する電子銃と、所定の偏向制御量に基づいて電子ビームを偏向する偏向部と、電子ビームを基準基板に照射した際における反射電子を検出する反射電子検出部と、偏向部により電子ビームを偏向させてウェハの所定の位置に照射してウェハのパターンを露光する露光制御部と、基準基板を所定の位置に維持させた状態で電子ビームを走査させ、反射電子検出部により検出される反射電子に基づいて、複数のマーク部を検出する第1マーク検出部と、検出された複数のマーク部が示す位置間における偏向部に対する偏向制御量に基づいて、偏向部の偏向制御量の調整を行う必要があるか否かを検出する調整要不要検出部と、調整要不要検出部により、偏向器に対する偏向制御量の調整を行う必要があると検出された場合に、所定の位置に電子ビームを偏向させるための偏向器に対する偏向制御量を調整する偏向調整部とを有することを特徴とする。
【0008】
偏向調整部は、ウェハステージにより基準基板の1のマーク部が示す位置を複数の位置に移動させ、移動させた複数の位置のそれぞれにおいて、電子ビームを走査させ、反射電子検出部により検出される反射電子に基づいて、移動させた複数の位置におけるマーク部を検出する第2マーク検出部と、検出された複数の位置のそれぞれにおけるマーク部が示す位置に偏向部により電子ビームを照射するための偏向制御量と、マーク部が示す位置を移動させた位置とに基づいて、所定の位置に電子ビームを偏向させるための偏向部に対する偏向制御量を調整する偏向調整部とを有するようにしてもよい。
【0009】
第1マーク検出部は、所定の時間を隔てて、基準基板を所定の位置に維持させた状態で電子ビームを走査させ、反射電子検出部により検出される反射電子に基づいて、複数のマーク部を更に検出し、調整要不要検出部は、所定の時間を隔てて検出された複数のマーク部が示す位置間についての偏向制御量のずれ量に基づいて、偏向部に対する偏向制御量の調整を行う必要があるか否かを検出するようにしてもよい。
【0010】
上記目的を達成するために、本発明の第3の形態に係る電子ビーム偏向校正方法は、電子ビーム露光装置における偏向部による電子ビームの偏向を基準基板を用いて調整する電子ビーム偏向校正方法であって、基準基板は、複数の位置のそれぞれを示すマーク部を有し、基準基板を所定の位置に維持させた状態で電子ビームを走査させ、基準基板により反射される反射電子に基づいて、複数のマーク部を検出するマーク検出ステップと、検出された複数のマーク部に偏向部により電子ビームを照射するための偏向制御量と、マーク部が示す位置とに基づいて、所定の位置に電子ビームを偏向させる偏向部に対する偏向制御量を調整する偏向調整ステップとを有することを特徴とする。
【0011】
上記目的を達成するために、本発明の第4の形態に係る電子ビーム偏向校正方法は、電子ビーム露光装置における偏向部による電子ビームの偏向を基準基板を用いて調整する電子ビーム偏向校正方法であって、基準基板は、複数の位置のそれぞれを示すマーク部を有し、基準基板を所定の位置に維持させた状態で電子ビームを走査させ、反射電子検出部により検出される反射電子に基づいて、複数のマーク部を検出するマーク検出ステップと、検出された複数のマーク部が示す位置間の偏向部に対する偏向制御量に基づいて、偏向部に対する偏向制御量の調整を行う必要があるか否かを検出する調整要不要検出ステップと、調整要不要検出ステップで、偏向部に対する偏向制御量の調整を行う必要があると検出された場合に、所定の位置に電子ビームを偏向させる偏向部に対する偏向制御量を調整する偏向調整ステップとを有することを特徴とする。
【0012】
上記目的を達成するために、本発明の第5の形態に係る基準基板は、電子ビーム露光装置における偏向部による電子ビームの偏向を校正するための基準基板であって、複数の位置のそれぞれを示すマーク部を有することを特徴とする。マーク部の少なくとも2つは、ウェハにパターンを露光する際に電子ビームを偏向させるべきフィールドと同一の大きさの領域における境界部分を示すようにしてもよい。
なお、上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではなく、これらの特徴群のサブコンビネーションも又発明となりうる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではなく、又実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0014】
図1は、本発明の1実施形態に係る電子ビーム露光装置100の構成図である。電子ビーム露光装置100は、電子ビームによりウェハ64に所定の露光処理を施すための露光部150と、露光部150の各構成の動作を制御する制御系140を備える。
【0015】
露光部150は、筐体10内部に、所定の電子ビームを照射する電子ビーム照射系110と、電子ビーム照射系110から照射された電子ビームを偏向するとともに、電子ビームのマスク30近傍における結像位置を調整するマスク用投影系112と、電子ビームのクロスオーバー像のフォーカスを調整する調整レンズ系114と、マスク30を通過した電子ビームをウェハステージ62に載置されたウェハ64の所定の領域に偏向するとともに、ウェハ64に転写されるパターンの像の向き及びサイズを調整するウェハ用投影系116を含む電子光学系を備える。
【0016】
また、露光部150は、ウェハ64に露光すべきパターンをそれぞれ形成された複数のブロックを有するマスク30を載置するマスクステージ72と、マスクステージ72を駆動するマスクステージ駆動部68と、パターンを露光すべきウェハ64を載置するウェハステージ62と、ウェハステージ62を駆動するウェハステージ駆動部70とを含むステージ系を備える。ウェハステージ62は、電子ビームの焦点、偏向量又はビーム形状の少なくとも一つを調整するために用いられる基準基板160を有する。本実施形態では、基準基板160は、ウェハステージ62上における、ウェハ64を載置する領域以外の場所に設けられている。さらに、露光部150は、電子光学系の調整のために、ウェハステージ62側から飛散する電子を検出して、飛散した電子量に相当する電気信号に変換する反射電子検出部の一例としての電子検出器60を有する。
【0017】
電子ビーム照射系110は、電子ビームを発生させる電子銃12による、電子ビームの焦点位置を定める第1電子レンズ14と、電子ビームを通過させる矩形形状の開口(スリット)が形成されたスリット部16とを有する。電子銃12は、安定した電子ビームを発生するのに所定の時間がかかるので、電子銃12は、露光処理期間において常に電子ビームを発生してもよい。図1において、電子ビーム照射系110から照射された電子ビームが、電子光学系により偏向されない場合の電子ビームの光軸を、一点鎖線Aで示す。
【0018】
マスク用投影系112は、電子ビームを偏向するマスク用偏向系としての第1偏向器18、第2偏向器22及び第3偏向器26と、電子ビームの焦点を調整するマスク用焦点系としての第2電子レンズ20、さらに、第1ブランキング電極24を有する。第1偏向器18及び第2偏向器22は、電子ビームをマスク30上の所定の領域に照射する偏向を行う。所定の領域は、例えば、ウェハ64に転写するパターンを有するブロックであってもよい。電子ビームがブロックを通過することにより、電子ビームの断面形状は、パターンと同一の形状になる。ここで、所定のパターンが形成されたブロックを通過した電子ビームの像をパターン像と定義する。第3偏向器26は、第1偏向器18及び第2偏向器22を通過した電子ビームの軌道を光軸Aに略平行に偏向する。第2電子レンズ20は、焦点位置を調整することにより、マスクステージ72に載置されるマスク30上における電子ビームによるスリット部16の開口の像を調整する機能を有する。
【0019】
調整レンズ系114は、第3電子レンズ28と、第4電子レンズ32とを有する。第3電子レンズ28及び第4電子レンズ32は、電子ビームのウェハ64に対する焦点を合わせる。ウェハ用投影系116は、第5電子レンズ40と、第6電子レンズ46と、第7電子レンズ50と、第8電子レンズ52と、第9電子レンズ66と、第4偏向器34と、第5偏向器38と、第6偏向器42と、偏向部の一例としての主偏向器56及び副偏向器58と、第2ブランキング電極36と、ラウンドアパーチャ部48とを有する。
【0020】
レンズ強度の設定値に依存してパターン像は回転する。第5電子レンズ40は、マスク30の所定のブロックを通過した電子ビームのパターン像の回転量を調整する。第6電子レンズ46及び第7電子レンズ50は、マスク30に形成されたパターンに対する、ウェハ64に転写されるパターン像の縮小率を調整する。第8電子レンズ52及び第9電子レンズ66は、対物レンズとして機能する。第4偏向器34及び第6偏向器42は、電子ビームの進行方向に対するマスク30の下流において、電子ビームを光軸Aの方向に偏向する。第5偏向器38は、電子ビームを光軸Aに略平行になるように偏向する。主偏向器56及び副偏向器58は、ウェハ64上の所定の領域に電子ビームが照射されるように、電子ビームを偏向する。本実施形態では、主偏向器56は、1ショットの電子ビームで照射可能な領域(ショット領域)を複数含むサブフィールド間で電子ビームを偏向するために用いられ、副偏向器58は、サブフィールドにおけるショット領域間の偏向のために用いられる。
【0021】
図2は、本発明の1実施形態に係る偏向器による電子ビームの偏向を説明する図である。ウェハステージ62を移動させずに主偏向器56及び副偏向器58を用いて電子ビームを照射可能なメインフィールド64Aは、主偏向器56により所定の偏向を行った状態で、副偏向器58のみの偏向を変えることにより電子ビームを照射可能な複数のサブフィールド64Bにより構成される。また、サブフィールド64Bは、1ショットの電子ビームで照射可能な複数のショット領域64Cで構成される。ここで、図中×印は、各ショットにおける電子ビームの中心位置を示す。主偏向器56は、電子ビームの中心をフィールド64E内において偏向する。また、副偏向器58は、電子ビームの中心をフィールド64F内において偏向する。したがって、主偏向器56及び副偏向器58は、電子ビームの中心をフィールド64D内において偏向する。
【0022】
図1に戻り、ラウンドアパーチャ部48は、円形の開口(ラウンドアパーチャ)を有する。第1ブランキング電極24および第2ブランキング電極36は、電子ビームを高速に同期してオン及びオフすることができ、具体的には、電子ビームをラウンドアパーチャの外側に当たるように偏向する機能を有する。すなわち、第1ブランキング電極24および第2ブランキング電極36は、ウェハ64上に結像されるパターン像に変位をもたらすことなく、ウェハ64上に到達する電子ビームの量を制御することができる。従って、第1ブランキング電極24および第2ブランキング電極36は、電子ビームの進行方向に対してラウンドアパーチャ部48から下流に電子ビームが進行することを防ぐことができる。電子銃12は、露光処理期間において常に電子ビームを照射するので、第1ブランキング電極24および第2ブランキング電極36は、ウェハ64に転写するパターンを変更するとき、更には、パターンを露光するウェハ64の領域を変更するときに、ラウンドアパーチャ部48から下流に電子ビームが進行しないように電子ビームを偏向することが望ましい。
【0023】
制御系140は、マーク検出部及び偏向調整部の一例としての統括制御部130と、個別制御部120と、記憶部122とを備える。個別制御部120は、マスクステージ制御部84と、ショット制御部86と、露光制御部の一例としての偏向制御部82と、電子レンズ制御部88と、反射電子処理部90と、ウェハステージ制御部92とを有する。統括制御部130は、例えばワークステーションであって、個別制御部120に含まれる各制御部を統括制御する。偏向制御部82は、第1偏向器18、第2偏向器22、第3偏向器26、第4偏向器34、第5偏向器38、第6偏向器42、主偏向器56、及び副偏向器58を制御する。マスクステージ制御部84は、マスクステージ駆動部68を制御して、マスクステージ72を移動させる。
【0024】
ショット制御部86は、第1ブランキング電極24及び第2ブランキング電極36を制御する。本実施形態では、ショット制御部36は、第1ブランキング電極24及び第2ブランキング電極36を、露光時には、電子ビームをウェハ64に照射させるように制御し、露光時以外には、電子ビームをウェハ64に到達させないように制御する。電子レンズ制御部88は、第1電子レンズ14、第2電子レンズ20、第3電子レンズ28、第4電子レンズ32、第5電子レンズ40、第6電子レンズ46、第7電子レンズ50、第8電子レンズ52および第9電子レンズ66に供給する電流を制御する。反射電子処理部90は、電子検出部60により検出された電気信号に基づいて電子量を示すデジタルデータを検出する。
【0025】
ウェハステージ制御部92は、ウェハステージ駆動部70によりウェハステージ62を所定の位置に移動させる。記憶部122は、露光すべきウェハ64のショット領域を特定するショット領域特定情報と、当該ショット領域に露光するパターンが形成されたブロックを特定する情報とを記憶する。また、記憶部122は、各偏向器に対する偏向制御量を規定する偏向制御情報を記憶する。記憶部122は、基準基板160における各マーク部が示す位置を特定する位置情報を記憶する。また、記憶部122は、基準基板160のウェハステージ62の座標系における位置を特定する位置情報を記憶する。
【0026】
図3は、本発明の1実施形態に係る基準基板の構成を示す図である。図3に示す基準基板160は、主偏向器56及び副偏向器58の偏向を校正するための基準基板160である。基準基板160は、基準基板160における所定の位置を示すマーク部160Aを複数有する。マーク部160Aは、例えば、凸状又は凹状のマーク(パターン)であってもよく、電子ビームを走査させることによりマークを検出できればよい。本実施形態では、各マーク部160Aは、矩形であり、マーク部160Aの中心が所定の位置を示しており、マーク部160Aの形状を検出することにより中心の位置を特定することができる。マーク部160Aは複数のマーク部160Aは、主偏向器56及び副偏向器58により電子ビームの中心を偏向させる図2に示すフィールド64Dと同一の大きさの領域160Bにおける境界部分の位置を示すように配置されている。また、1のマーク部160Aは、領域160Bの中心の位置を示すように配置されている。本実施形態では、主偏向器56及び副偏向器58による電子ビームの偏向の校正を高精度に行うためには、基準基板160上において各マーク部160を所定の位置に高精度に配置することが好ましい。
【0027】
本実施形態に係る電子ビーム露光装置100の動作について説明する。電子ビーム露光装置100は、露光処理を行う前に、電子光学系などの構成を予め調整する調整処理を行う。以下において、まず、露光処理前の電子光学系の調整処理について説明する。
【0028】
まず、電子ビームの焦点合わせの処理を説明する。まず、ウェハステージ制御部92が、ウェハステージ駆動部70によりウェハステージ62に設けられた焦点調整用の基準基板160を光軸A近傍に移動させる。次いで、各レンズの焦点位置を所定の位置に調整し、偏向器により電子ビームを基準基板160のマーク上を走査させるとともに、電子検出器60が、基準基板160に電子ビームが照射されることにより発生する反射電子に応じた電気信号を出力し、反射電子処理部90が反射電子量を検出し、統括制御部130に通知する。統括制御部130は、検出された電子量に基づいて、レンズ系の焦点が合っているか否かを判断する。すなわち、統括制御部130は、反射電子の検出波形の微分値が最大となるように、各電子レンズに供給する電流を制御し、当該電流値を焦点が合っている場合の電流値として、各電子レンズと対応付けて記憶部122に格納する。
【0029】
ここで、高精度に露光処理を行うためには、電子ビーム露光装置100の基準となる基準座標系と主偏向器56及び副偏向器58による電子ビームの偏向の基準となる偏向座標系とを構成する必要がある。例えば、電子ビーム露光装置100の基準座標系として、直交座標系であるステージの座標系(ステージ座標系)を用いる場合には、電子ビームの偏向座標系とステージ座標系とが厳密に校正されていることが必要である。そこで、電子ビームの焦点調整を行った後、主偏向器56及び副偏向器58の偏向量を調整(校正)する処理を行う。まず、ウェハステージ制御部92が、ウェハステージ駆動部70によりウェハステージ62に設けられた偏向量調整用の基準基板160を光軸A近傍に移動させる。本実施形態では、ウェハステージ制御部92が、ウェハステージ駆動部70により基準基板160の領域160Bの中心を示すマーク部160Aを光軸近傍に移動させる。
【0030】
次いで、偏向制御部82が主偏向器56及び副偏向器58により電子ビームを基準基板160のマーク部160Aが存在する可能性のある範囲において走査させ、電子検出器60が基準基板160から反射した反射電子の変化を検出し、統括制御部130に通知する。本実施形態では、偏向制御部82は主偏向器56及び副偏向器58により電子ビームを略直交する2方向に対して電子ビームを走査させる。また、これとともに、偏向制御部82が主偏向器56及び副偏向器58に対する偏向制御量を統括制御部130に通知する。統括制御部130が、反射電子の検出波形に基づいて、マーク部160Aのエッジを検出し、マーク部160Aが示す位置、すなわち、マーク部160Aの中心位置を求める。これとともに統括制御部130が通知された偏向制御量に基づいて、マーク部160Aが示す位置に電子ビームを照射する場合における主偏向器56及び副偏向器58に対する偏向制御量を検出する。
【0031】
次いで、基準基板160を当該位置に維持させた状態で、上記同様な処理を基準基板160の他の複数のマーク部160Aに対しても行う。その後、統括制御部130が、検出された複数のマーク部160Aが示す各位置及び当該各位置に照射する場合における各偏向制御量に基づいて、ステージ座標系の所定の位置に電子ビームを照射する場合における偏向制御量を検出する。これによって、偏向座標系とステージ座標系との校正を行うことができ、ウェハの所定の領域に副偏向器58及び主偏向器56により電子ビームを高精度に偏向して照射させることができる。また、従来のようにウェハステージ62の移動を伴わないために、主偏向器56及び副偏向器58による電子ビームの偏向の校正に対するウェハステージ62の移動等によって発生する誤差の影響を防ぐことができるとともに、迅速に偏向の校正を行うことができる。
【0032】
次に、電子ビーム露光装置100による露光処理を説明する。マスクステージ72上には、マスク30が載置され、所定の位置に固定されている。また、ウェハステージ62上には、露光処理が施されるウェハ64が載置されている。ウェハステージ制御部92は、ウェハステージ駆動部70によりウェハステージ62を移動させて、ウェハ64の露光されるべき領域が光軸A近傍に位置するようにする。また、電子銃12は、露光処理期間において常に電子ビームを照射するので、露光の開始前において、スリット部16の開口を通過した電子ビームがウェハ64に照射されないように、ショット制御部86が第1ブランキング電極24及び第2ブランキング電極36を制御する。また、偏向制御部82及び電子レンズ制御部88により、電子レンズ20及び偏向器(18、22、26)が、ウェハ64に転写するパターンを形成されたブロックに電子ビームを照射できるように調整される。調整レンズ系114において、電子レンズ(28、32)は、電子ビームのウェハ64上でのビーム電流が極大化されるような光学照明系が成り立つように調整される。また、ウェハ用投影系116において、電子レンズ(40、46、50、52、66)及び偏向器(34、38、42、56、58)は、ウェハ64の所定の領域にパターン像を転写できるように調整される。
【0033】
マスク投影系112、調整レンズ系114及びウェハ用投影系116が調整された後、ショット制御部86が、第1ブランキング電極24及び第2ブランキング電極36による電子ビームの偏向を停止する。これにより、以下に示すように、電子ビームはマスク30を介してウェハ64に照射される。すなわち、電子銃12が電子ビームを生成し、第1電子レンズ14が電子ビームの焦点位置を調整して、スリット部16に照射させる。スリット部16の開口を通過した電子ビームは、矩形の断面形状を有している。そして、偏向制御部82が記憶部122から次に転写すべきパターンを有するブロックを特定する情報を取り出し、第1偏向器18及び第2偏向器22により、スリット部16の開口を通過した電子ビームを当該情報により特定されるブロックに照射するように偏向する。第1偏向器18及び第2偏向器22により偏向された電子ビームは、第3偏向器26により光軸Aと略平行になるように偏向される。
【0034】
そして、マスク30を通過した電子ビームは、第4偏向器34及び第6偏向器42により光軸Aに近づく方向に偏向され、第5偏向器38により、光軸Aと略平行になるように偏向される。また、電子ビームは、第3電子レンズ28及び第4電子レンズ32により、マスク30に形成されたパターンの像がウェハ64の表面に焦点が合うように調整され、第5電子レンズ40によりパターン像の回転量が調整され、第6電子レンズ46及び第7電子レンズ50により、パターン像の縮小率が調整される。それから、電子ビームは、主偏向器56及び副偏向器58により、ウェハ64上の所定のショット領域にパターン像が照射されるように偏向される。この際、主偏向器56及び副偏向器58は、偏向制御部82から入力される偏向制御量に基づいて電子ビームを偏向する。
【0035】
本実施形態では、主偏向器56が、ショット領域を複数含むサブフィールド間で電子ビームを偏向し、副偏向器58が、サブフィールドにおけるショット領域間で電子ビームを偏向する。所定のショット領域にパターン像が照射されるように偏向された電子ビームは、電子レンズ52及び電子レンズ66によって調整されて、ウェハ64に照射される。これによって、ウェハ64上の所定のショット領域には、マスク30に形成されたパターン像が転写される。
【0036】
所定の露光時間が経過した後、ショット制御部86が、電子ビームがウェハ64を照射しないように、第1ブランキング電極24及び第2ブランキング電極36を制御して、電子ビームを偏向させる。以上のプロセスにより、ウェハ64上の所定のショット領域に、マスク30に形成されたパターンが露光される。
【0037】
次のショット領域にマスク30に形成されたパターンを露光するために、偏向制御部82及び電子レンズ制御部88により、上記同様に第2電子レンズ20及び偏向器(18、22、26)が、ウェハ64に転写するパターンを有するブロックに電子ビームを照射できるように調整される。調整レンズ系114において、電子レンズ(28、32)は、電子ビームのウェハ64上でのビーム電流が極大化されるような光学照明系が成り立つように調整される。また、ウェハ用投影系116において、電子レンズ(40、46、50、52、66)及び偏向器(34、38、42、56、58)は、ウェハ64の所定の領域にパターン像を転写できるように調整される。
【0038】
具体的には、副偏向器58は、マスク用投影系112により生成されたパターン像が、次のショット領域に露光されるように電界を調整する。この後、上記同様に当該ショット領域にパターンを露光させる。サブフィールド内の露光すべきショット領域のすべてにパターンを露光した後に、主偏向器56は、次のサブフィールドにパターンを露光できるように磁界を調整する。電子ビーム露光装置100は、この露光処理を、繰り返し実行することによって、所望の回路パターンを、ウェハ64に露光することができる。
【0039】
次に、本発明の第2実施形態に係る電子ビーム露光装置を説明する。本実施形態に係る電子ビーム露光装置は、図1に示す電子ビーム露光装置における統括制御部130の制御の一部、及び記憶部122の記憶する情報の一部が異なる。なお、本実施形態では、図1に示す電子ビーム露光装置の統括制御部130に対応する要素を統括制御部130とし、図1に示す電子ビーム露光装置の記憶部122に対応する要素を記憶部122とし、その他の構成と同一の機能要素については同一の符号を付す。ここで、特許請求の範囲にいう第1マーク検出部、第2マーク検出部、及び、調整要不要検出部は、主に統括制御部130によって構成される。
【0040】
図4は、本発明の第2実施形態に係る電子ビーム偏向校正方法を含む露光処理を説明するフローチャートである。まず、本電子ビーム露光装置100は、上記した第1実施形態と同様な電子ビームの焦点合わせの処理を行う。
【0041】
次いで、電子ビームの焦点合わせの処理調整を行った後、主偏向器56、及び副偏向器58の偏向量を調整(校正)する処理(偏向調整ステップ)を行う。まず、ウェハステージ制御部92が、ウェハステージ駆動部70によりウェハステージ62に設けられた偏向量調整用の基準基板160を光軸A近傍に移動させる。本実施形態では、ウェハステージ制御部92が、ウェハステージ駆動部70により基準基板160の1つのマーク部160A、例えば、領域160Bの中心を示すマーク部160Aを光軸近傍に移動させる。
【0042】
次いで、主偏向器56及び副偏向器58が電子ビームを当該マーク部160Aが存在する可能性がある範囲において走査させ、電子検出器60が基準基板160から反射した反射電子の変化を検出し、統括制御部130に通知する。また、これとともに、偏向制御部82が主偏向器56及び副偏向器58に対する偏向制御量を統括制御部130に通知する。統括制御部130が、反射電子の検出波形に基づいて、当該マーク部160Aのエッジを検出し、当該マーク部160Aが示す位置、すなわち、当該マーク部160Aの中心位置を求める。更に、統括制御部130が、通知された偏向制御量に基づいて、当該マーク部160Aが示す位置に電子ビームを照射する場合における主偏向器56及び副偏向器58に対する偏向制御量を検出する。
【0043】
次いで、ウェハステージ制御部92がウェハステージ駆動部70によりウェハステージ62を移動させて、当該マーク部160Aをステージ座標系の複数の位置にくるようにする。そして、各位置に当該マーク部160Aを位置させた状態で、統括制御部130が当該マーク部160Aが示す位置を求め、通知された偏向制御量に基づいて、当該マーク部160Aが示す位置に電子ビームを照射する場合における主偏向器56及び副偏向器58に対する偏向制御量を検出する。
その後、統括制御部130が、検出された複数のマーク部160Aが位置したステージ座標系の各位置及び当該各位置に電子ビームを照射する場合における各偏向制御量に基づいて、ステージ座標系の所定の位置に電子ビームを照射する場合における偏向制御量を検出する(ステップS100)。
【0044】
次いで、ウェハステージ制御部92が、ウェハステージ駆動部70によりウェハステージ62に設けられた偏向量調整用の基準基板160を光軸A近傍に移動させる。本実施形態では、ウェハステージ制御部92が、ウェハステージ駆動部70により基準基板160の領域160Bの中心を示すマーク部160Aを光軸近傍に移動させる。
【0045】
次いで、主偏向器56及び副偏向器58が電子ビームを基準基板160のマーク部160Aが存在する可能性がある範囲において走査させ、電子検出器60が基準基板160から反射した反射電子の変化を検出し、統括制御部130に通知する。また、これとともに、偏向制御部82が主偏向器56及び副偏向器58に対する偏向制御量を統括制御部130に通知する。統括制御部130が、反射電子の検出波形に基づいて、マーク部160Aのエッジを検出し、マーク部160Aが示す位置、すなわち、マーク部160Aの中心位置を求める(ステップS102)。これとともに統括制御部130が通知された偏向制御量に基づいて、マーク部160Aが示す位置に電子ビームを照射する場合における主偏向器56及び副偏向器58に対する偏向制御量を検出する。次いで、基準基板160を当該位置に維持させた状態で、上記同様な処理を基準基板160の他の複数のマーク部160Aに対しても行う(ステップS102)。その後、統括制御部130が、検出された複数のマーク部160Aが示す各位置間において電子ビームを偏向するために必要な偏向制御量を検出し(ステップS104)、各偏向制御量を基準となる基準偏向制御量として記憶部122に記憶する。
【0046】
その後、第1実施形態と同様な露光処理(露光ステップ)を行う(ステップS106)。そして、露光処理において所定の時間、例えば、1時間、1日等を経過したか否かを検出し(ステップS108)、所定時間を経過した場合には、ウェハステージ制御部92が、ウェハステージ駆動部70によりウェハステージ62に設けられた偏向量調整用の基準基板160を光軸A近傍に移動させる。本実施形態では、ウェハステージ制御部92が、ウェハステージ駆動部70により基準基板160の領域160Bの中心を示すマーク部160Aを光軸近傍に移動させる。
【0047】
次いで、主偏向器56及び副偏向器58が電子ビームを基準基板160のマーク部160Aが存在する可能性がある範囲において走査させ、電子検出器60が基準基板160から反射した反射電子の変化を検出し、統括制御部130に通知する。また、これとともに、偏向制御部82が主偏向器56及び副偏向器58に対する偏向制御量を統括制御部130に通知する。統括制御部130が、反射電子の検出波形に基づいて、マーク部160Aのエッジを検出し、マーク部160Aが示す位置、すなわち、マーク部160Aの中心位置を求める(ステップS110)。これとともに統括制御部130が通知された偏向制御量に基づいて、マーク部160Aが示す位置に電子ビームを照射する場合における主偏向器56及び副偏向器58に対する偏向制御量を検出する。次いで、基準基板160を当該位置に維持させた状態で、上記同様な処理を基準基板160の他の複数のマーク部160Aに対しても行う(ステップS110)。その後、統括制御部130が、検出された複数の偏向制御量に基づいて、複数のマーク部160Aが示す各位置間において電子ビームを偏向するために必要な偏向制御量を検出する。
【0048】
次いで、統括制御部130が、検出された複数の偏向制御量と、記憶部122に記憶された対応する基準偏向制御量とのずれ量を複数検出し、複数のずれ量に基づいて主偏向器56及び副偏向器58の調整が必要か否かを検出する(ステップS114)。ここで、ずれ量の少なくとも1つが所定の値を超えた場合に、主偏向器56及び副偏向器58の調整が必要であると検出するようにしてもよく、複数のずれ量が所定の値を超えた場合に主偏向器56及び副偏向器58の調整が必要であると検出するようにしてもよい。これによって、主偏向器56及び副偏向器58の調整が必要か否かを適切に検出することができる。
【0049】
この結果、主偏向器56及び副偏向器58の調整が必要であると検出した場合には、統括制御部130は、ステップS100と同様な偏向調整ステップを行う(ステップS116)。そして、露光処理において所定の時間を経過していないと検出された場合、主偏向器56及び副偏向器58の調整が必要でないと検出された場合、及び、主偏向器56及び副偏向器58の調整が必要であると検出されて偏向調整ステップを行った場合には、処理を終了するか否かを検出し(ステップS118)、処理を終了しない場合には、露光ステップ(ステップS106)以下の処理を引き続き行う。
【0050】
本実施形態に係る電子ビーム露光装置によると、主偏向器56及び副偏向器58の調整が必要であるか否かを適切に検出することができる。また、本実施形態に係る電子ビーム露光装置によると、主偏向器56及び副偏向器58の調整が必要であるか否かを、ウェハステージ64を複数回移動させることなく迅速に検出することができる。また、本実施形態に係る電子ビーム露光装置においては、基準基板160上の複数のマーク部160Aを主偏向器56及び副偏向器58による電子ビームの偏向の調整に用いていないので、基準基板160上において複数のマーク部160Aを偏向の調整を行う場合に比して高精度に構成しておかずともよい。
【0051】
本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。例えば、上記の第1実施形態では、主偏向器56及び副偏向器58により電子ビームの中心を偏向するフィールドと同一の大きさの領域における境界部分の位置を示す複数のマークを基準基板160に備えるようにしていたが、本発明はこれに限られず、例えば、主偏向器56の偏向を調整する場合には、主偏向器56により電子ビームの中心を偏向するフィールドと同一の大きさの領域の境界部分の位置を示す複数のマークを基準基板160に備えるようにしてもよく、また、副偏向器58の偏向を調整する場合には、副偏向器58により電子ビームの中心を偏向するフィールドと同一の大きさの領域における境界部分の位置を示す複数のマークを基準基板160に備えるようにしてもよく、要は、単数又は複数の偏向器により電子ビームの中心を偏向するフィールドと同一の大きさの領域の境界部分の位置を示す複数のマークを基準基板160に備えるようにしてもよい。
【0052】
また、上記した第2実施形態では、露光処理において所定の時間経過した場合に、主偏向器56及び副偏向器58による電子ビームの偏向を校正が必要か否かを検出するようにしていたが、本発明はこれに限られず、例えば、電子ビームを所定の回数以上ショットした場合に、主偏向器56及び副偏向器58による電子ビームの偏向を校正が必要か否かを検出するようにしてもよい。
また、上記した実施形態においては、マーク部160Aは、単一の矩形のパターンを用いていたが、本発明はこれに限られず、マーク部160Aは、例えば、十字上のマークであってもよく、また、マーク部160Aは、少なくとも異なる2軸についての各軸における位置を示す複数のラインパターンであってもよい。
【0053】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更又は改良を加えることができることが当業者に明らかである。その様な変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0054】
【発明の効果】
上記説明から明らかなように、本発明によれば電子ビームの偏向の校正を適切に行うことができる。また、本発明によれば、電子ビームの偏向の校正を行う必要があるか否かを適切に検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施形態に係る電子ビーム露光装置の構成図である。
【図2】 本発明の第1実施形態に係る偏向器による電子ビームの偏向を説明する図である。
【図3】 本発明の第1実施形態に係る基準基板の構成を示す図である。
【図4】 本発明の第2実施形態に係る校正方法を説明するフローチャートである。
【符号の説明】
10 筐体 12 電子銃
14 第1電子レンズ 16 スリット部
18 第1偏向器 20 第2電子レンズ
22 第2偏向器 24 第1ブランキング偏向器
26 第3偏向器 28 第3電子レンズ
30 マスク 32 第4電子レンズ
34 第4偏向器 36 第2ブランキング偏向器
38 第5偏向器 40 第5電子レンズ
42 第6偏向器 46 第6電子レンズ
48 ラウンドアパーチャ 50 第7電子レンズ
52 第8電子レンズ 56 主偏向器
58 副偏向器 60 電子検出器
62 ウェハステージ 64 ウェハ
66 第9電子レンズ 68 マスクステージ駆動部
70 ウェハステージ駆動部 72 マスクステージ
82 偏向制御部 84 マスクステージ制御部
86 ブランキング電極制御部 88 電子レンズ制御部
90 反射電子処理部 92 ウェハステージ制御部
100 電子ビーム露光装置 110 電子ビーム照射系
112 マスク用投影系 114 焦点調整レンズ系
116 ウェハ用投影系 120 個別制御部
122 記憶部 130 統括制御部
140 制御系 150 露光部
160 基準基板

Claims (9)

  1. 電子ビームによりウェハにパターンを露光する電子ビーム露光装置であって、
    前記ウェハと、複数の位置のそれぞれを示す複数のマーク部を有する基準基板とを載置可能であり、且つ前記ウェハ及び前記基準基板を所定のステージ座標系に従って移動可能であるウェハステージと、
    所定の偏向制御量に基づいて前記電子ビームを偏向する偏向部と、
    前記ウェハステージを駆動して、前記複数のマーク部のうちのいずれか1つのマーク部を、前記ステージ座標系における複数の位置に順次移動させ、前記複数の位置のそれぞれについて前記電子ビームを走査させ、前記複数の位置において当該マーク部を検出し、前記複数の位置のそれぞれにおいて前記マーク部を検出したときの、前記偏向部における前記電子ビームの前記偏向制御量に基づいて、所定の位置に電子ビームを偏向させるための前記偏向部に対する前記偏向制御量を調整する偏向調整部と、
    前記偏向調整部により前記偏向制御量が調整された後に、前記基準基板を所定の位置に維持させた状態で前記電子ビームを走査させ、前記複数のマーク部をそれぞれ検出し、前記複数のマーク部を検出したときの、前記偏向部における前記電子ビームのそれぞれの前記偏向制御量を、基準偏向制御量として記憶部に記憶する基準検出部と、
    前記記憶部が前記基準偏向制御量を記憶してから所定の期間経過後に、前記基準基板を所定の位置に維持させた状態で前記電子ビームを走査させ、前記複数のマーク部をそれぞれ検出し、前記複数のマーク部を検出したときの、前記偏向部における前記電子ビームのそれぞれの前記偏向制御量と、前記基準偏向制御量とを比較して、前記偏向制御量の調整が必要か否かを検出する調整要不要検出部と
    を備え、
    前記偏向調整部は、前記調整要不要検出部が、前記偏向制御量の調整が必要と判定した場合に、前記ウェハステージを駆動して、前記複数のマーク部のうちのいずれか1つのマーク部を、前記ステージ座標系における複数の位置に順次移動させ、前記複数の位置のそれぞれについて前記電子ビームを走査させ、前記複数の位置において当該マーク部を検出し、前記複数の位置のそれぞれにおいて前記マーク部を検出したときの、前記偏向部における前記電子ビームの前記偏向制御量に基づいて、所定の位置に電子ビームを偏向させるための前記偏向部に対する前記偏向制御量を再調整する電子ビーム露光装置。
  2. 前記マーク部の少なくとも2つは、前記ウェハに前記パターンを露光する際に前記電子ビームを偏向させるべきフィールドと同一の大きさの領域における境界部分の位置を示す
    ことを特徴とする請求項1に記載の電子ビーム露光装置。
  3. 前記マーク部の1つは、前記領域の中心の位置を示す
    ことを特徴とする請求項2に記載の電子ビーム露光装置。
  4. 前記基準基板は、1つの基板である
    ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の電子ビーム露光装置。
  5. 前記偏向部は、
    複数のサブフィールドを含む主偏向フィールド内において、いずれかのサブフィールドに電子ビームを偏向させる主偏向器と、
    前記サブフィールド内で電子ビームを偏向させる副偏向器と
    を有し、
    前記基準基板は、前記主偏向フィールドと同一の大きさの領域の境界部分の位置を示す複数の前記マーク部を有する
    請求項1から4のいずれか1項に記載の電子ビーム露光装置。
  6. 前記偏向部は、
    複数のサブフィールドを含む主偏向フィールド内において、いずれかのサブフィールドに電子ビームを偏向させる主偏向器と、
    前記サブフィールド内で電子ビームを偏向させる副偏向器と
    を有し、
    前記基準基板は、前記サブフィールドと同一の大きさの領域の境界部分の位置を示す複数の前記マーク部を有する
    請求項1から4のいずれか1項に記載の電子ビーム露光装置。
  7. 調整要不要検出部は、前記記憶部が前記基準偏向制御量を記憶してから、電子ビームのショット回数が所定回数以上となった場合に、前記偏向制御量の調整が必要か否かを検出する
    請求項1から6のいずれかに記載の電子ビーム露光装置。
  8. 電子ビームによりウェハにパターンを露光する電子ビーム露光装置における前記電子ビームの偏向を調整する電子ビーム偏向校正方法であって、
    前記電子ビーム露光装置は、
    前記ウェハと、複数の位置のそれぞれを示す複数のマーク部を有する基準基板とを載置可能であり、且つ前記ウェハ及び前記基準基板を所定のステージ座標系に従って移動可能であるウェハステージと、
    所定の偏向制御量に基づいて前記電子ビームを偏向する偏向部と
    を備え、
    前記電子ビーム偏向校正方法は、
    前記ウェハステージを駆動して、前記複数のマーク部のうちのいずれか1つのマーク部を、前記ステージ座標系における複数の位置に順次移動させ、前記複数の位置のそれぞれについて前記電子ビームを走査させ、前記複数の位置において当該マーク部を検出し、前記複数の位置のそれぞれにおいて前記マーク部を検出したときの、前記偏向部における前記電子ビームの前記偏向制御量に基づいて、所定の位置に電子ビームを偏向させるための前記偏向部に対する前記偏向制御量を調整する偏向調整段階と、
    前記偏向調整段階により前記偏向制御量を調整した後に、前記基準基板を所定の位置に維持させた状態で前記電子ビームを走査させ、前記複数のマーク部をそれぞれ検出し、前記複数のマーク部を検出したときの、前記偏向部における前記電子ビームのそれぞれの前記偏向制御量を、基準偏向制御量として記憶部に記憶する基準検出段階と、
    前記記憶部が前記基準偏向制御量を記憶してから所定の期間経過後に、前記基準基板を所定の位置に維持させた状態で前記電子ビームを走査させ、前記複数のマーク部をそれぞれ検出し、前記複数のマーク部を検出したときの、前記偏向部における前記電子ビームのそれぞれの前記偏向制御量と、前記基準偏向制御量とを比較して、前記偏向制御量の調整が必要か否かを検出する調整要不要検出段階と、
    前記調整要不要検出段階において、前記偏向制御量の調整が必要と判定した場合に、前記ウェハステージを駆動して、前記複数のマーク部のうちのいずれか1つのマーク部を、前記ステージ座標系における複数の位置に順次移動させ、前記複数の位置のそれぞれについて前記電子ビームを走査させ、前記複数の位置において当該マーク部を検出し、前記複数の位置のそれぞれにおいて前記マーク部を検出したときの、前記偏向部における前記電子ビームの前記偏向制御量に基づいて、所定の位置に電子ビームを偏向させるための前記偏向部に対する前記偏向制御量を再調整する段階と
    を備える電子ビーム偏向校正方法。
  9. 前記調整要不要検出段階では、前記記憶部が前記基準偏向制御量を記憶してから、電子ビームのショット回数が所定回数以上となった場合に、前記偏向制御量の調整が必要か否かを検出する
    請求項8に記載の電子ビーム偏向校正方法。
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