以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。先ず、図1を参照して実施形態に係る弾球遊技機(図示ではパチンコ遊技機)の遊技盤1の構成について説明する。図1は、遊技盤1を示す正面図である。図1において、遊技盤1の表面には、発射された打玉を誘導するための誘導レール2がほぼ円状に植立され、該誘導レール2で区画された領域が遊技領域3を構成している。遊技領域3のほぼ中央には、後述する各特別図柄表示部43〜45での識別情報(以下、特別図柄という)の可変表示(以下、変動ともいう)を可能にする特別可変表示装置40が配置されている。なお、特別可変表示装置40の詳細な構成については後に詳述するものである。
特別可変表示装置40の下方には、特別図柄の変動を許容する始動機能を有する普通可変入賞球装置4が配置されている。普通可変入賞球装置4は、ソレノイド5によって垂直(通常入賞口)位置と傾動(拡大入賞口)位置との間で可動制御される一対の可動翼片6a・6bを備え、いわゆるチューリップ型役物として構成され、その普通可変入賞球装置4には入賞した打玉を検出する始動玉検出器7が設けられている。なお、可動翼片6a・6bが垂直(通常入賞口)位置のときも普通可変入賞球装置4に入賞可能になっている。また、普通可変入賞球装置4への入賞に基づく特別図柄の変動は、変動中を除いて所定回数(本実施形態では、4回)記憶され、その旨が後述の特別図柄記憶表示LED53によって表示されるようになっている。
また、特別可変表示装置40の左側方には、普通可変表示装置8が配置されている。普通可変表示装置8は、その上端に玉通過口9を備えると共に該玉通過口9の内部に備えた通過玉検出器10が通過玉を検出することで、玉通過口9の下方に備えた普通図柄表示器11での識別情報(以下、普通図柄という)の変動を許容するようになっている。なお、普通図柄表示器11は、普通図柄が当り図柄となったときに、普通可変入賞球装置4の可動翼片6a・6bを所定時間が経過するまで開放制御するものであるが、後述する確率変動(大当り判定確率を通常時と異なる確率に変更した遊技状態)が生じたときには、開放時間が長くなるように設定されている。また、普通図柄の変動は、変動中を除いて所定回数(本実施形態では、4回)記憶され、その旨が普通可変表示装置8に設けられた普通図柄記憶表示LED12によって表示されるようになっている。なお、特別可変表示装置40の右側方には、普通可変表示装置8と同一の外形形状を有する玉通過口部材13が配置されており、該玉通過口部材13には、普通図柄記憶表示LED12の配設位置に対応する部位に飾りLED14が設けられている。
また、遊技領域3の下方部位には、誘導レール2に沿ったほぼ円弧状の取付基板16を介して遊技盤1に取り付けられた特別可変入賞球装置15が配置されている。特別可変入賞球装置15の中央部には、特別可変入賞口17が開設されており、該特別可変入賞口17は、ソレノイド18による開閉板19の可動によって開閉制御されるようになっている。特別可変入賞口17の内部は、左右2つに区画され、そのうちの左側が特定領域とされ、右側が通常領域とされる。特定領域には、入賞玉の検出により開閉板19を再度開成させることができる特定玉検出器20が設けられている。また、通常領域には入賞玉を検出するために入賞玉検出器21も設けられている。なお、特別可変入賞口17内の後面壁には、飾りLED22が設けられている。また、特別可変入賞口17の下方には、特定遊技状態の発生に伴う開閉板19の開閉サイクル数を表示する7セグメントタイプの回数表示器23と、入賞玉検出器21及び特定玉検出器20によって検出された入賞玉数を表示する7セグメントタイプの個数表示器24と、が設けられている。また、取付基板16における特別可変入賞口17の左右の各側方には、それぞれ入賞口25と飾りLED22とが設けられており、取付基板16の左右の両端部には、それぞれ入賞口26と飾りLED27とアタッカーランプ28とが設けられている。なお、各入賞口25・26の間には、円弧状の被覆部材29により前方が被覆された玉通路30が形成されている。
しかして、上記のように構成される特別可変入賞球装置15は、以下のように作動する。即ち、打玉が普通可変入賞球装置4に入賞して始動玉検出器7をONさせると、特別可変表示装置40が変動を開始し、一定時間が経過すると、例えば左・右・中の順で特別図柄が確定され、その確定された図柄の組み合せが大当り図柄(特定表示結果)となったときに特定遊技状態となる。そして、この特定遊技状態においては、特別可変入賞球装置15の開閉板19が所定期間(例えば、29秒)あるいは所定個数(例えば、10個)の入賞玉が発生するまで開放する(開放サイクル)ように設定され、その開放している間遊技盤1の表面を落下する打玉を受け止めるようになっている。そして、受け止められた打玉が特定領域に入賞して特定玉検出器20をONすると、開放サイクルの終了後再度上記した開放サイクルを繰り返し、特定領域に入賞玉が入賞する毎に継続権が成立して開放サイクルを最高16回繰り返すことができるようになっている。また、遊技領域3を含む遊技盤1の表面には、上記した構成以外にも、風車ランプ31を内蔵した風車32、アウト口33、バック玉防止部材34、等が設けられている。さらに、パチンコ遊技機には、特定遊技状態時あるいは特別図柄の変動時等にその旨を報知する図示しない遊技効果LED、遊技効果ランプ、及びスピーカ35(符号のみ図4参照)が設けられている。
なお、本発明の特定遊技状態は、上記に限らず以下に示す(1)〜(5)の制御のうちいずれか1つの制御又は組合せた制御を実行する状態であればよい。
(1) 打玉の入賞を容易にする第一の状態と、打玉が入賞できない又は入賞し難い第二の状態と、に変化可能な可変入賞球装置に対して所定時間連続的又は間欠的に第一の状態にする制御
(2) 特定の入賞又は通過領域での打玉の検出を介在させ、打玉の入賞を容易にする第一の状態と、打玉が入賞できない又は入賞し難い第二の状態と、に変化可能な可変入賞球装置に対して所定時間連続的又は間欠的に第一の状態にする制御
(3) 打玉の入賞に関わらず所定数の景品玉を直接排出する制御
(4) 有価価値を有する記憶媒体(カードやレシート等)に対して有価数を加算する制御
(5) 得点があることに基づいて遊技可能な弾球遊技機に対して得点を付与する制御。
次に、本実施形態の要部を構成する特別可変表示装置40の構成について説明する。特別可変表示装置40は、前記遊技盤1の表面に取り付けられる取付基板41を有し、該取付基板41には、長方形状の窓開口が左・中・右の3箇所に開設されたドラムカバー部材42aが設けられ、さらに各窓開口を後方より一体で覆う透過性のドラムレンズ42bが設けられている。また、ドラムレンズ42bの後方には、外周に特別図柄が描かれた各回転ドラム43a・44a・45aが配置されて、左・中・右の各特別図柄表示部43〜45を構成している。なお、各特別図柄表示部43〜45は、それぞれ上・中・下の3図柄を停止表示するものである。また、回転ドラム43a・44a・45aは、それぞれドラムモータ43b・44b・45b(図5参照)によって回転制御せしめられると共に、停止図柄を検出するためにドラムセンサ43c・44c・45c(図5参照)が設けられている。さらに、各回転ドラム43a・44a・45a内には、それぞれ特別図柄を照明装飾するための左ドラムランプ43d、中ドラムランプ44d、及び右ドラムランプ45d(図5参照)が取り付けられており、これらドラムランプ43d・44d・45dは、各々、後述のドラムランプ回路69に接続されることで、その点滅点灯動作が制御されるようになっている。
また、特別図柄表示部43〜45の上方には、入賞口46と、飾り図柄の可変表示を行う7セグメントタイプの飾り図柄表示器47と、センターランプ48と、各飾りLED49〜52と、が設けられている。一方、特別図柄表示部43〜45の下方には、特別可変表示装置40の変動未消化分を記憶する特別図柄記憶表示LED53と、センターランプ54と、が設けられている。なお、特別可変表示装置40の変動未消化分を記憶する最大数は、4個であり、このため、特別図柄記憶表示LED53も4個設けられている。
次に、上記特別図柄表示部43〜45の各回転ドラム43a・44a・45aによって表示される特別図柄について説明する。回転ドラム43a・44a・45aの各図柄列(左図柄・中図柄・右図柄)は、図2に示すように、それぞれ「1〜15」の15種類の図柄から構成されており、これら左・中・右の図柄には、ランダム2(0〜14)が対応して設けられている。大当り図柄の組合せは、図3に示すように、左・中・右の図柄が同一図柄にて揃った組合せであり、この組合せは、ランダム3(0〜14)の値に基づいて決定される。また、大当り図柄のうち「1・3・5・7・9」のいずれかで揃った図柄は、確変図柄を構成して確率変動(これを確変ともいう)を発生するようになっている。
以上、特別可変表示装置40を含むパチンコ遊技機の遊技盤1の構成について説明してきたが、それらの遊技装置は、図4及び図5に示す遊技制御回路によって制御される。図4及び図5は、遊技制御回路をブロック構成で示す回路図であり、MPU、ROM、RAM、入出力回路を含むメイン及びサブの各基本回路60a・60bによって制御されている。しかして、基本回路60aは、図4に示すように、スイッチ入力回路61を介して始動玉検出器7、通過玉検出器10、特定玉検出器20、及び入賞玉検出器21からの検出信号が入力され、アドレスデコード回路62から基本回路60aにチップセレクト信号が与えられる。また、電源投入時に初期リセット回路63から基本回路60aにリセット信号が与えられ、クロック用リセットパルス回路64から各基本回路60a・60bにクロック用リセット信号が与えられる。
一方、基本回路60aからは、以下の装置及び回路に制御信号が与えられる。即ち、7セグLED・LEDランプ回路65を介して回数表示器23、個数表示器24、特別図柄記憶表示LED53、飾り図柄表示器47、普通図柄表示器11、普通図柄記憶表示LED12、及び各飾りLED14・22・27・49〜52に制御信号が与えられ、ランプ・ソレノイド・情報出力回路66を介してソレノイド5・18、風車ランプ31、センターランプ48・54、及びアタッカーランプ28に制御信号が与えられ、音回路67を介してスピーカ35に音信号が与えられる。また、基本回路60aからは、図5に示すように、サブ基本回路60b及びモータドライブ回路68を介してドラムモータ43b・44b・45bに駆動信号が与えられ、サブ基本回路60b及びドラムランプ回路69を介して各ドラムランプ43d・44d・45dに制御信号が与えられる。また、各ドラムセンサ43c・44c・45cによる停止図柄の検出信号は、センサ入力回路70を介して各基本回路60a・60bに入力されるものである。また、基本回路60aには、カードリーダー入出力回路71が接続され、該カードリーダー入出力回路71を介して賞球個数信号、賞球個数信号コモン、当り信号、及び当り信号コモンが外部との間で入出力される。なお、上記ランプ・ソレノイド・情報出力回路66からは、大当り情報や有効始動情報等の情報やランプ制御データが外部に出力される。また、上記した装置や回路には、交流電源72a及びヒューズ72bが接続されてなる電源回路72から各種の電圧を有する電力が供給されている。
次に、前記特別可変表示装置40による特別図柄の変動動作について図6乃至図12に示すタイムチャート及び説明図等を参照して説明する。先ず、特別可変表示装置40の変動動作に用いられるランダム数について説明する。特別可変表示装置40では、図6(A)に示すような4種類のランダム数が使用されており、これらのランダム数は、大当り判定用のランダム1(0〜249)と、大当り以外での全図柄表示用のランダム2(左・中・右の各図柄列毎に0〜14)と、大当り図柄配列用のランダム3(0〜14)と、リーチ動作用のランダム6(0〜19)と、から構成されている。ランダム1・3は、それぞれ0.002秒毎に1ずつ加算されて変動するランダム数であり、また、ランダム2・6は、それぞれ0.002秒毎に1ずつ加算され且つ割り込み処理の余り時間に1ずつ加算されて変動するランダム数である。
そして、図6(B)に示すように、ランダム1から抽出された値が「3」のときは、大当りと判定してランダム3により大当り図柄及び配列を決定し特別可変表示装置40の各特別図柄表示部43〜45に表示する。一方、ランダム1から抽出された値が「3」以外のときは、外れと判定してランダム2での抽出値に基づく図柄を外れ図柄として特別可変表示装置40の各特別図柄表示部43〜45に表示する。また、ランダム2で抽出された値が、偶然にも大当り図柄と一致した場合には、中図柄列用のランダム2データに1を加算して外れ図柄にして表示するものである。なお、確率変動時(高確率時)には、ランダム1内の「3・7・79・103・107」の値が大当り決定用のランダム数となっている。
また、特別図柄の具体的な変動は図7乃至図9のタイムチャートに示すようになっている。なお、左・中・右の各図柄列の変動は、図10に示すパターンに基づいて行われる。変動パターンAは、加速→一定速→減速となる変動であり、変動パターンBは、1ステップ当り20mSの一定の変動であり、変動パターンCは、1ステップ当り20mS→24mS→26mSと除々に減速していき最終的に28mSの一定速となる変動であり、変動パターンDは、1ステップ当り28mSの一定の変動である。先ず、図7において、普通可変入賞球装置4に打玉が入賞して始動玉検出器7(図7中には、始動口入賞と記載)がONされ始動信号を導出すると、その始動信号の立ち上がり時に各ランダム1・3からランダム数を抽出してこれらを格納する。その後、始動信号の導出から微少時間(0.132秒)が経過したときに、格納したランダム1の値を読み出して当り外れを判定し、それと同時にランダム2の値を抽出する。なお、このとき、ランダム1の値から当りを判定した場合には、格納したランダム3の読み出しを行う。また、ランダム1・2の抽出に伴いリーチになる場合には、始動信号の導出から0.134〜0.150秒後にランダム6の値を抽出するものである。その後、始動信号の導出から0.190秒が経過すると変動パターンAで左図柄列の変動を開始させ、始動信号の導出から0.192秒が経過すると変動パターンAで中図柄列の変動を開始させ(図8参照)、また、始動信号の導出から0.194秒が経過すると変動パターンAで右図柄列の変動を開始させる。そして、左図柄列に対しては、変動開始から6.300秒が経過すると、停止図柄の1図柄手前をセットして0.160秒間変動パターンBで変動させた後、図柄を停止表示させる。右図柄列に対しては、変動開始から6.460秒が経過すると、停止図柄の5図柄手前をセットして0.800秒間変動パターンBで変動させた後、図柄を停止表示させる。また、中図柄列に対しては、図8に示すように、リーチ以外の場合では、変動開始から7.260秒が経過すると、停止図柄の5図柄手前をセットして0.800秒間変動パターンBで変動させた後、図柄を停止表示させる。なお、このような左・中・右の各図柄列の変動において、確率変動時(高確率時)には変動パターンAでの変動時間がそれぞれ2.160秒、3.120秒、2.320秒に短縮される。
次に、リーチ変動について説明する。なお、リーチ変動の種類は、上記した左・右の各停止図柄によってリーチ図柄が構成された後の中図柄列のみのリーチ変動(リーチ1・2)と、左・中・右の各図柄列を同時に停止表示するリーチ変動(リーチ3)と、に大別される。先ず、左・右の各停止図柄によってリーチ図柄が構成された後の中図柄列のみのリーチ変動(リーチ1・2)について説明する。図8において、リーチ1での中図柄列に対しては、変動パターンAでの変動後、リーチライン上に大当り図柄をセットして2.400秒間変動パターンBで変動させ、その後、0.436〜9.620秒間変動パターンCで変動させて図柄を停止表示させる。また、リーチ2での中図柄列に対しては、変動パターンAでの変動後、リーチライン上に大当り図柄をセットして2.400秒間変動パターンBで変動させ、その後、4.468秒間変動パターンCで変動させて図柄を大当り図柄の1つ手前で一旦停止させる。そして、0.480秒間一旦停止した後、変動パターンDで0.560〜4.480秒間変動させて図柄を停止表示させる。一方、左・中・右の各図柄列を同時に停止表示するリーチ変動(リーチ3)では、図9に示すように、各図柄を変動パターンAで6.460秒間変動させた時点で中央ラインに「7・7・7」をセットし、その後3.348〜7.828秒間変動パターンCで変動させて全図柄を一斉に停止表示させる。ただし、表示結果がハズレとなる場合は、最後に中図柄だけを変動させて左右の停止図柄からずらすようになっている。なお、本実施形態では、リーチ状態(変動)を最終停止図柄(中図柄)以外の図柄が確定した段階で大当りになる可能性がある状態(リーチ1・2)と、全図柄(左・中・右の図柄)が同期して変動する状態(リーチ3)と、をリーチ状態としているが、これに限定するものではない。例えば、キャラクタ図柄の表示によって大当りを決定するような構成とした場合には、そのキャラクタ図柄の表示態様の変化度合い等に応じてリーチ状態を決定してもよい。
次に、上記した各種リーチ1〜3の選択制御を図11乃至図13を参照して説明する。リーチ選択制御の処理プロセスは、図12のフローチャートに示すように、先ず、遊技状態が確率変動中のもの(特別遊技状態)であるか否かを判別する(S1)。S1で確率変動中でないと判別した場合は、次に、始動入賞に伴って導出以前に決定する表示結果が大当り図柄であるか否かを判別する(S2)。S2で表示結果を大当り図柄に決定した場合は、通常時の大当り用リーチ選択テーブルを利用してリーチ選択を行う(S3)。一方、S2で表示結果を外れ図柄に決定した場合は、次に、その外れ図柄はリーチ(特定状態)を含むか否かを判別する(S4)。S4でリーチを含まないと判別したときはそのままメインフローに復帰する一方、リーチを含むと判別したときは、その外れリーチが大当りに対する±1図柄ズレのものであるか否かを判別する(S5)。S5で±1図柄ズレであると判別したときは、通常時の±1図柄ズレのハズレ用リーチ選択テーブルを利用してリーチ選択を行う(S6)。また、S5で±1図柄ズレ以外であると判別したときは、通常時の±1図柄ズレ以外のハズレ用リーチ選択テーブルを利用してリーチ選択を行う(S7)。
また、上記したS1で確率変動中であると判別した場合は、次に、始動入賞に伴って導出以前に決定する表示結果が大当り図柄であるか否かを判別する(S8)。S8で表示結果を大当り図柄に決定した場合は、高確率時の大当り用リーチ選択テーブルを利用してリーチ選択を行う(S9)。一方、S8で表示結果を外れ図柄に決定した場合は、次に、その外れ図柄はリーチ(特定状態)を含むか否かを判別する(S10)。S10でリーチを含まないと判別したときはそのままメインフローに復帰する一方、リーチを含むと判別したときは、その外れリーチが大当りに対する±1図柄ズレのものであるか否かを判別する(S11)。S11で±1図柄ズレであると判別したときは、高確率時の±1図柄ズレのハズレ用リーチ選択テーブルを利用してリーチ選択を行う(S12)。また、S11で±1図柄ズレ以外であると判別したときは、高確率時の±1図柄ズレ以外のハズレ用リーチ選択テーブルを利用してリーチ選択を行う(S13)。
ところで、上記した通常時及び高確率時のリーチ選択テーブルは、図11(A)(B)に示すように、「大当り」「ハズレ(±1図柄)」「ハズレ(±1図柄以外)」における各種リーチ1〜3へのランダム6の振り分けによって設定されている。具体的に、図11(A)に示す通常時のリーチ選択テーブルおいて、表示結果が大当りとなる場合及び±1図柄ズレのハズレとなる場合では、各々、リーチ1はランダム6の抽出値が「18・19」(2個の乱数)のいずれかのときに選択され、リーチ2はランダム6の抽出値が「12〜17」(6個の乱数)のいずれかのときに選択され、リーチ3はランダム6の抽出値が「0〜11」(12個の乱数)のいずれかのときに選択される。また、表示結果が±1図柄ズレ以外のハズレとなる場合では、リーチ1はランダム6の抽出値が「10〜19」(10個の乱数)のいずれかのときに選択され、リーチ2はランダム6の抽出値が「3〜9」(7個の乱数)のいずれかのときに選択され、リーチ3はランダム6の抽出値が「0〜2」(3個の乱数)のいずれかのときに選択される。
一方、図11(B)に示す高確率時のリーチ選択テーブルおいて、表示結果が大当りとなる場合では、リーチ1はランダム6の抽出値が「19」(1個の乱数)のときに選択され、リーチ2はランダム6の抽出値が「14〜18」(5個の乱数)のいずれかのときに選択され、リーチ3はランダム6の抽出値が「0〜13」(14個の乱数)のいずれかのときに選択される。表示結果が±1図柄ズレのハズレとなる場合では、リーチ1はランダム6の抽出値が「18・19」(2個の乱数)のいずれかのときに選択され、リーチ2はランダム6の抽出値が「12〜17」(6個の乱数)のいずれかのときに選択され、リーチ3はランダム6の抽出値が「0〜11」(12個の乱数)のいずれかのときに選択される。また、表示結果が±1図柄ズレ以外のハズレとなる場合では、リーチ1はランダム6の抽出値が「13〜19」(7個の乱数)のいずれかのときに選択され、リーチ2はランダム6の抽出値が「6〜12」(7個の乱数)のいずれかのときに選択され、リーチ3はランダム6の抽出値が「0〜5」(6個の乱数)のいずれかのときに選択される。
次に、上記した通常時及び高確率時におけるリーチ1〜3毎の大当り信頼度について説明する。リーチ1〜3毎の大当り信頼度は、以下に示す(イ)の計算式から算出される。
大当り信頼度(%)=〔(1)/((1)+(2)+(3))〕×100 …(イ)
(1):そのリーチの出現によって大当りになる確率
=(大当り用リーチ選択テーブルでのランダム6の振り分け率)×(大当り確率)
(2):そのリーチの出現によって±1図柄ズレのハズレになる確率
=(±1図柄ズレのハズレ用リーチ選択テーブルでのランダム6の振り分け率)×(ハズレ確率)×(リーチとなる確率)×(ハズレリーチのうち±1図柄ズレとなる確率)
(3):そのリーチの出現によって±1図柄ズレ以外のハズレとなる確率
=(±1図柄ズレ以外のハズレ用リーチ選択テーブルでのランダム6の振り分け率)×(ハズレ確率)×(リーチとなる確率)×(ハズレリーチのうち±1図柄ズレ以外となる確率)
図13に示す通常時のリーチ3を例に挙げて具体的な計算を説明すると、
(1)=(12/20)×(1/250)=0.0024
(2)=(12/20)×(249/250)×(1/15)×(3/15)
=0.007968
(3)=(3/20)×(249/250)×(1/15)×(12/15)
=0.007968
となる。このため、通常時におけるリーチ3の大当り信頼度は、前記(イ)の計算式より13.1%となる。同様にして算出した通常時におけるリーチ1・2の大当り信頼度は、図11(A)に示すように、それぞれ1.4%、5.0%となる。これによって、リーチ3は、大当り信頼度の最も高いスーパーリーチとして設定されている。また、リーチ1〜3毎の出現率(%)は、以下に示す(ロ)の計算式から算出される。
出現率(%)=〔((1)+(2)+(3))/(4)〕×100 …(ロ)
(4):リーチとなる確率=(大当りリーチとなる確率)+(ハズレリーチとなる確率)
図13に示す通常時のリーチ3を例に挙げて具体的な計算を説明すると、(1)〜(3)は、前述の通りそれぞれ0.0024、0.007968、0.007968、となり、
(4)=(1/250)+〔(249/250)×(1/15)〕=0.0704
となる。このため、通常時におけるリーチ3の出現率は、前記(ロ)の計算式より26.0%となる。同様にして算出した通常時及び高確率時におけるリーチ1〜3毎の出現率は、図11(A)(B)に示す通りである。即ち、通常時におけるリーチ1〜3の出現率は、それぞれ40.2%、33.8%、26.0%となり、高確率時におけるリーチ1〜3の出現率は、それぞれ24.1%、31.9%、44.0%となる。このように、本実施形態では、リーチ3を大当り信頼度の高いスーパーリーチとして設定すると共に、確率変動(特別遊技状態)に伴う高確率時には、リーチ3の出現率を通常時に比べて高く設定している。特に、本実施形態では、リーチ3のハズレリーチの出現率を通常時に比べて高確率時(特別遊技状態中)の方が高く設定している。これをより具体的に説明すると、先ず、ハズレリーチ出現率(%)は、以下に示す(ハ)の計算式から算出される。
ハズレリーチ出現率(%)=〔((2)+(3))/(5)〕×100 …(ハ)
(5):ハズレリーチとなる確率
そして、(ハ)の計算式に基づいて通常時におけるリーチ3のハズレリーチ出現率を算出すると、
(ハ)=(0.007968+0.007968)/〔(249/250)×(1/15)〕×100=24(%)
となる。これと同様に算出した高確率時におけるリーチ3のハズレリーチ出現率は36%となる。このようにすることで、高確率時には、大当りするまでリーチ3が出現し易くなる。また、特別遊技状態中には、信頼度が最も高いスーパーリーチ(リーチ3)が出現し易くなるため、遊技者がスーパーリーチを見る機会を増やすことができ、ひいてはリーチ演出の面白さを十分に発揮させ得る構成となっている。また、リーチ3は、信頼度が最も高いスーパーリーチであると共に、±1図柄ズレの惜しいハズレになり易いリーチとなっているので、特別遊技状態が発生すると、惜しいハズレリーチが出現率し易くなっている。このため、遊技者が惜しいハズレリーチを見る機会をも増やしているので、リーチ演出の面白さをより一層発揮させ得る構成となっている。なお、本実施形態では、特別遊技状態を確率変動として、惜しいハズレリーチの出現率向上と共に大当り確率の向上を行っている。このため、遊技者が惜しいハズレリーチを見る機会を増やしても、ハズレに対する遊技者の悔しさを増長させることがない。
次に、特別可変表示装置40の変動終了後の動作について図14(A)〜(C)を参照して説明する。先ず、変動の結果、大当り図柄の組合せとなった場合では、図14(A)に示すように、中図柄の変動停止から1.500秒後に大当りの判定を行う。そして、この大当り判定から6.000秒後に特別可変入賞球装置15の特別可変入賞口17を29.500秒間開放し、特別可変入賞口17の開放終了から2.000秒が経過すると、再度特別可変入賞口17の開放動作を繰り返す。その後、特別可変入賞口17の開放動作を終了する時点で特別図柄の始動記憶がある場合には、図14(B)に示すように、特別可変入賞口17の閉鎖から10.190秒後に図柄変動が開始される。なお、この場合、特別可変入賞口17の閉鎖から10.132秒後に、格納したランダム1の値の読み出し及び判定を行うと共に、ランダム2の抽出を行う。また、このとき、大当りを判定したときには、格納したランダム3の読み出しを行う。一方、変動の結果が外れ図柄の組合せとなった後に特別図柄の始動記憶がある場合では、図14(C)に示すように、中図柄の変動が停止して1.190秒が経過すると、左・中・右の各図柄列の変動が順次開始される。なお、この場合、中図柄の変動停止から1.132秒後に、格納したランダム1の値の読み出し及び判定を行うと共に、ランダム2の抽出を行う。また、このとき、大当りを判定したときには、格納したランダム3の読み出しを行う。
次に、前記普通図柄表示器11に表示される普通図柄について説明する。普通図柄は、図15(A)に示すように、「0・1・3・5・7・9」の6種類であり、1図柄の表示時間を0.128秒とした1周期(0.768秒)で変動表示される。また、これらの普通図柄に対しては、図15(B)に示すように、0.002秒毎に1ずつ加算される当り決定用のランダム4(3〜13)と、0.002秒毎に1ずつ加算され且つ割り込み処理余り時間に1ずつ加算される普通図柄表示用のランダム5(0〜5)と、が設けられている。ランダム5(0〜5)の各ランダム数は、図16(A)に示すように、「0・1・3・5・7・9」の各普通図柄に対応して設けられている。また、ランダム4(3〜13)からのランダム数の抽出において、図15(C)に示すように、「3」の値が抽出されて当りと判定されると、普通図柄表示器11にランダム5データの「4」に対応する「7」の当り図柄を表示して普通可変入賞球装置4を所定時間開放する。一方、ランダム4で「3」以外の値が抽出されて外れと判定されると、ランダム5データを抽出し、この値に対応する外れ図柄を普通図柄表示器11に表示する。なお、ランダム4で外れと判定されたにも関わらずランダム5で抽出された値が偶然にも当り図柄となる場合、即ちランダム5データが「4」であるときには、ランダム5データの「5」に対応する「9」の外れ図柄を普通図柄表示器11に表示するものである。なお、上記ランダム4からの抽出データの判定は、当り確率が通常時の場合であり、高確率時には、ランダム4から抽出された値が「3〜12」のうち何れかの値で当りと判定する一方、それ以外の「13」の値で外れと判定するようになっている。
次に、上記した普通図柄表示器11での普通図柄の変動動作を図16(B)〜(D)及び図17(B)の各タイムチャートに基づいて説明する。先ず、図17(B)において、通過玉検出器10(同図中には、普通図柄用ゲートの通過と記載)がONすると、これと同時にランダム4の抽出及び格納を行う。その後、通過玉検出器10のONから所定時間(0.002秒)が経過すると、格納したランダム4の読み出し及び判定を行うと共にランダム5の抽出を行う。そして、通過玉検出器10のONから0.004秒後に、27.008秒間普通図柄を変動する。なお、このような普通図柄の変動時間(27.008秒)は、低確率時のものであり、高確率時には、普通図柄の変動時間は5.120秒に短縮される。
また、上記した変動において普通図柄が外れとなった後に通過玉検出器10の通過記憶がある場合には、図16(B)に示すように、普通図柄の停止より1.002秒後に格納したランダム4の読み出し及び判定を行うと共にランダム5の抽出を行う。そして、普通図柄の停止より1.004秒後に普通図柄の変動を開始する。一方、低確率時において普通図柄が当りとなる場合には、図16(C)に示すように、普通図柄の停止と同時に普通可変入賞球装置4(同図中には、普通可変入賞口と記載)を0.500秒間開放し、その後、普通可変入賞球装置4の閉鎖から0.002秒後に、格納したランダム4の読み出し及び判定を行うと共にランダム5の抽出を行う。そして、通過玉検出器10の通過記憶がある場合には、普通可変入賞球装置4の閉鎖から0.004秒後に再度普通図柄の変動を開始する。また、高確率時において普通図柄が当りとなる場合には、図16(D)に示すように、普通図柄の停止と同時に普通可変入賞球装置4(同図中には、普通可変入賞口と記載)を2.000秒間開放し、その後、4.000秒間閉鎖した後、再度普通可変入賞球装置4を2.000秒間開放する。そして、通過玉検出器10の通過記憶がある場合には、2度目の普通可変入賞球装置4の閉鎖から0.002秒後に、格納したランダム4の読み出し及び判定を行うと共にランダム5の抽出を行った後、その0.002秒後に、再度普通図柄の変動を開始する。
次に、前記特別図柄及び普通図柄の当り確率が確率変動する動作を図17(A)に基づいて説明する。図17(A)において、特別可変表示装置40(同図中には、条件装置と記載)の各特別図柄表示部43〜45に「1」「3」「5」「7」「9」のいずれかの確変図柄が揃った大当り図柄が導出されると、これに基づいて確変制御が実行される。確率変動の具体的な制御は、確変図柄による特定遊技状態(条件装置の作動)の終了を契機に当り確率を高確率に変動させ、その後、次の特定遊技状態が発生すると、これを契機に当り確率を通常確率に戻す。そして、このような特定遊技状態の終了及び発生を契機とした(特に終了時点及び発生時点に限定せず、特定遊技状態の発生又は終了に関連して)当り確率の変動を再度繰り返すことで合計2回の確変制御を行う。また、このような確変制御では、確変中に再度確変図柄で大当りしたときはその大当り以後新たに2回の確変制御が行われるものである。
以上のように、本実施形態では、リーチ3を大当り信頼度の高いスーパーリーチとすると共に、±1図柄ズレの惜しいハズレになり易いリーチとしており、特別遊技状態(高確率時)では、リーチ3の出現率を通常時に比べて高く設定している。このため、特別遊技状態中には、信頼度が最も高いスーパーリーチと惜しいハズレリーチとが出現し易くなっている。従って、遊技者がスーパーリーチ及び惜しいハズレリーチを見る機会を増やすことができ、ひいてはリーチ演出の面白さを十分に発揮させ得る構成となっている。また、惜しいハズレリーチの出現率向上と共に大当り確率の向上を行っているので、遊技者が惜しいハズレリーチを見る機会を増やしても、ハズレに対する遊技者の悔しさを増長させることがない。
なお、上記した実施形態では、ハズレリーチの種類を±1図柄ズレのリーチとそれ以外のリーチとの2種類に分けて、±1図柄ズレのリーチを惜しいハズレリーチとしているが、これに限定するものではない。±2図柄ズレ等のリーチを惜しいリーチとしたり、ハズレリーチを3種類以上に分けた構成としてもよいし、惜しいハズレリーチは、必ずしも信頼度が高いリーチでなくてもよい。また、3図柄を同期変動するリーチ3を惜しいハズレになり易いリーチとしているがこれに限らず、リーチ1・2のような3図柄を順次停止表示するリーチを惜しいハズレになり易いリーチとしてもよく、この構成では、既に他の図柄(左右の2図柄)がリーチ図柄として確定しているため、より一層惜しいハズレを強調することができる。なお、実施形態中では、大当り信頼度の高いスーパーリーチ(リーチ3)を惜しいハズレになり易いリーチと合せることで、ハズレとなったときの惜しい実感をより現実的に高めているが、必ずしもスーパーリーチと惜しいハズレリーチとを合せる必要はない。即ち、特別遊技状態でスーパーリーチあるいは惜しいハズレリーチの出現率を向上するものであればよい。また、惜しいハズレを強調する構成としては、リーチの変動時間を長く設定したり、図柄を一旦停止表示して再変動させることで惜しい実感をより一層強調することができる。
また、上記実施形態では、リーチ3をスーパーリーチとするために前記図11(A)(B)に示すリーチ選択テーブルを用いているが、このリーチ選択テーブルにおけるランダム6の振り分け設定に限定するものではなく、例えば図18あるいは図19に示すリーチ選択テーブルを用いることで、リーチ3をスーパーリーチに設定してもよい。即ち、図11(A)(B)のリーチ選択テーブルでは、リーチ3に対して大当り用の乱数(ランダム6)を多く振り分けると共に、ハズレ用の乱数を少なく振り分けることで、大当りの信頼度を高く設定しているが、図18に示すように、ハズレ用の乱数を均等に振り分ける一方でリーチ3に大当り用の乱数を多く振り分けたり、図19に示すように、大当り用の乱数を均等に振り分ける一方でリーチ3にハズレ用の乱数を少なく振り分けることで、大当りの信頼度を高く設定することも可能である。また、リーチ3の出現率について、図11(A)(B)のリーチ選択テーブルでは、高確率時、リーチ3に対して±1図柄ズレ以外用の乱数(ランダム6)を通常時に比べて多く振り分けることで出現率を高く設定しているが、これに限定するものではない。即ち、高確率時にリーチ3に対するハズレ用(一部又は全部)の乱数、乃至大当り用の乱数を多くすることで可能である。なお、本実施形態のように、「大当り」「±1図柄ズレのハズレ」「±1図柄ズレ以外のハズレ」のうち一番出現率が高い「±1図柄ズレ以外のハズレ」(ハズレ用(一部))の乱数を多くするのが、最も効果的にリーチ3の出現率を高めることができる。
なお、信頼度を計算するのに図13に示した計算式を用いたが、特にこの計算式より信頼度を求めた場合に限ったことではない。また、信頼度を高く設定する方法としては、ハズレのリーチ選択テーブル数のみを少なくする方法、大当りのリーチ選択テーブル数のみを多くする方法、ハズレのリーチ選択テーブル数を少なくし、且つ大当りのリーチテーブル数を多くする方法のうちいずれかであればよい。また、上記実施形態では、最も信頼度の高い(最も惜しいハズレになり易い)リーチ3を通常時よりも特別遊技状態中(確率変動中)の方がその出現率が高くなるように設定したが、この構成に限定するものではない。例えば、リーチが5種類あって、そのうち信頼度の高い方から2種類のリーチにおいて、通常時よりも特別遊技状態中の方がその出現率が高くなるように設定したり、信頼度が2番目に高いリーチに対してのみ、特別遊技状態中の出現率を向上させるものであってもよい。また、リーチの変動態様は、上記実施形態のものに限らず、例えば、1図柄ずつ一旦停止して変動するもの等でもよい。
また、上記した実施形態(第一実施形態)では、特別図柄の変動を行う特別可変表示装置を回転ドラムで構成しているが、特にこれに限定するものではなく、CRT、LCD、LED、VFD、EL、あるいはプラズマ等の表示器や、ルーフ式又はベルト式で構成することも可能であり、さらには確率変動にリミッターをかけることで、確率変動の継続期間に制限を設ける構成としてもよい。このように特別可変表示装置を回転ドラム以外で構成すると共に、確率変動にリミッターをかける構成を第二実施形態として図20及び図21を参照して説明する。第二実施形態に係る遊技盤81の表面には、図20に示すように、発射された打玉を誘導するための誘導レール82がほぼ円状に植立され、該誘導レール82で区画された領域が遊技領域83を構成している。遊技領域83のほぼ中央には、画像表示部130で特別図柄を可変表示する特別可変表示装置110が配置されている。この特別可変表示装置110の詳細な構成については後に詳述する。
特別可変表示装置110の下方には、普通可変入賞球装置85及び特別可変入賞球装置89等の各種構成部材を遊技盤81に取り付けるための取付基板84が設けられている。取付基板84の中央上端部には、特別図柄の変動を許容する始動機能を有する普通可変入賞球装置85が配置されている。この普通可変入賞球装置85は、ソレノイド86によって垂直(通常開放)位置と傾動(拡大開放)位置との間で可動制御される一対の可動翼片87a・87bを有しており、いわゆるチューリップ型役物として構成されている。また、普通可変入賞球装置85には、入賞した打玉を検出する始動玉検出器88が設けられている。なお、可動翼片87a・87bが垂直(通常開放)位置のときも普通可変入賞球装置85への入賞は可能であり、以下の説明では、便宜的に可動翼片87a・87bの拡大開放を「開放」といい、通常開放を「閉鎖」という。また、閉鎖時には入賞不可能としてもよい。普通可変入賞球装置85への入賞に基づく特別図柄の変動は、変動中を除いて所定回数(本実施形態では、4回)記憶され、その旨が後述の特別図柄記憶表示LED116に表示される。
前記取付基板84の中央部には、特別可変入賞球装置89が配置されており、該特別可変入賞球装置89は、入賞領域94を開閉制御する開閉板91を備えている。この開閉板91は、遊技盤81の裏面に配されたソレノイド90の駆動に基づいて傾動位置と垂直位置との間で変動自在となっており、ソレノイド90がONしたときに入賞領域94を開放する傾動状態となる一方、ソレノイド90がOFFしたときに入賞領域94を閉鎖する垂直状態となる。また、入賞領域94内には、入賞玉を検出する特定玉検出器92及び入賞玉検出器93が設けられている。なお、特定玉検出器92は、入賞玉の検出により後述する継続権の成立を許容するようになっている。
また、前記特別可変入賞球装置89の左側方には、通過玉検出器95を備えた通過口部材96が設けられている。通過口部材96には、打玉を通過玉検出器95に通過させるための通過口96aが穿設されている。そして、通過玉検出器95は、通過玉を検出すると後述の普通図柄表示器114に表示される普通図柄の変動を許容するようになっている。なお、普通図柄表示器114は、普通図柄が当り図柄となったときに、普通可変入賞球装置85の可動翼片87a・87bを所定時間が経過するまで開放制御するものであるが、確率変動(特別遊技状態)が生じたときには、開放時間が長くなるように設定されている。また、普通図柄の変動は、変動中を除いて所定回数(本実施形態では、4回)記憶され、その旨が後述する普通図柄記憶表示LED115に表示される。その変動時間は、確率変動時には通常時に比べて短縮されるようになっている。なお、このような普通図柄の変動記憶は常に一定(例えば、4回)に設定する必要はなく、例えば通常時では1回にする一方、確率変動中では4回にすることも可能である。また、前記取付基板84の左右両端部には、それぞれ飾りLED97を備えた入賞口98が設けられている。また、前記特別可変入賞球装置89の入賞領域94内壁には、V入賞表示LED99が設けられている。
しかして、上記のように構成される特別可変入賞球装置89は、以下のように作動する。即ち、打玉が普通可変入賞球装置85に入賞して始動玉検出器88をONさせると、特別可変表示装置110が変動を開始し、一定時間が経過すると、例えば左・右・中の順で特別図柄が確定され、その確定された図柄の組み合せが所定の大当り組合せ(同一図柄のゾロ目)となったときに特定遊技状態となる。そして、この特定遊技状態においては、特別可変入賞球装置89の開閉板91が所定期間(例えば、29秒)あるいは所定個数(例えば、10個)の入賞玉が発生するまで開放(開放サイクル)するように設定され、その開放している間に遊技盤81の表面を落下する打玉を受け止めるようになっている。また、受け止められた打玉が特定玉検出器92をONすると、再度上記した開放サイクルを繰り返し、特定玉検出器92がONする毎に継続権が成立して開放サイクルを最高16回繰り返すことができるようになっている。
また、遊技領域83を含む遊技盤81の表面には、上記した構成以外にも、風車ランプ100aを内蔵した風車100、飾りランプ101、袖ランプ102aを内蔵した入賞口102、サイドランプ103aを内蔵したサイドランプ飾り103、アウト口104、バック玉防止部材105、報知シール106等が設けられている。また、パチンコ遊技機には、特定遊技状態時あるいは変動時に点灯又は点滅してその旨を報知する遊技効果ランプ及び遊技効果LEDが設けられると共に、効果音を発生するスピーカ(共に図示しない)が設けられている。
次に、特別可変表示装置110の構成について説明する。特別可変表示装置110は、前記遊技盤81の表面に取り付けられる取付基板111を有し、該取付基板111には、長方形状の窓枠部112が形成されている。そして、この窓枠部112の後方には、左・中・右の特別図柄を個々に可変表示し得る画像表示部130を有するLCD表示器113が臨設されている。また、窓枠部112の上方には、普通図柄表示器114、普通図柄記憶表示LED115、特別図柄記憶表示LED116、及び飾りLED117が設けられ、窓枠部112の左右側方には、各飾りLED118・119が設けられている。一方、窓枠部112の下方には、各飾りLED120・121が設けられている。
また、上記LCD表示器113の画像表示部130に表示される左・中・右の特別図柄は、それぞれ「0〜9・F・X・G・P・R」順の15種類から構成されており、その大当り図柄の組合せは、左・中・右の図柄が同一図柄にて揃った組合せである。また、大当り図柄のうち「1・3・5・7・9」のいずれかで揃った図柄は、確変図柄を構成して確率変動を発生するようになっている。確率変動の具体的な制御は、確変図柄による特定遊技状態の終了を契機に当り確率を高確率に変動させ、その後、次の特定遊技状態が発生すると、これを契機に当り確率を通常確率に戻す。そして、このような特定遊技状態の終了及び発生を契機とした(特に終了時点及び発生時点に限定せず、特定遊技状態の発生又は終了に関連して)当り確率の変動を所定回数(本実施形態では、2回)繰り返すことで確変制御を行う。また、このような確変中に再度確変図柄で大当りしたときは、その大当り以後新たに2回の確変制御が行われることで、確率変動の更新継続を可能にしている。
ところで、第二実施形態の遊技機では、確率変動にリミッターをかけることにより、確率変動の最高継続を所定回数(実施形態中では、9回)に制限している。また、このような最高継続回数を制限する構成において、遊技盤81の表面に貼着された前記報知シール106及び前記LCD表示器113の画像表示部130の表示によって、継続回数に関する情報を遊技者に報知するようになっている。報知シール106及び画像表示部130の表示は、図21(A)に示すように「この機械の確率変動の継続回数は最高9回迄です。それ以上は確変図柄で当っても確率変動しません。」の文字であり、画像表示部130では、この表示をデモ表示期間中に行うようになっている。また、画像表示部130は、確率変動中、図21(B)に示すような「あと8回確率変動が可能です。」等の文字を特別図柄の表示と合せて行うことで、残りの継続回数を報知するようにもなっている。これにより、遊技者は、確率変動の継続回数に関する情報を視覚的に得ることができ、遊技内容を事前に把握することでホール側とのトラブルが回避できる。
なお、第二実施形態では、確変図柄で当っても確率変動しないように制御することで、確率変動にリミッターをかけているが、これに限らず強制的に確変図柄で当らないように制御することで、確率変動にリミッターをかけてもよい。また、図21(B)の表示は、確率変動中に常時表示する構成とせずに、確変図柄で大当りしたときにのみ表示してもよい。また、第二実施形態では、報知シール106及び画像表示部130の表示によって継続回数に関する情報を遊技者に報知する構成となっているが、これに限定するものではない。即ち、報知シール106あるいは画像表示部130のうちいずれか一方で報知表示を行ってもよい。また、継続回数を報知する構成においても、例えば9個の報知用ランプを設けて、この報知用ランプの点灯又は点滅個数によってその時点での継続回数を報知してもよく、さらには報知シール106に替えるか又は追加した状態で遊技盤面上などにその内容(継続回数に関する情報)を印刷するようにしてもよい。なお、シールや印刷は、遊技者から視認できるところであれば、遊技機のいずれの場所に設けたものであってもよい。
また、前記第一及び第二の各実施形態は、本発明を限定するものではなく、本発明の範囲内で種々の変更が可能である。例えば、弾球遊技機の構成として、始動玉検出器の入賞玉の検出に伴って可変表示装置での識別情報の変動を開始し、該識別情報が所定の表示結果となると特定遊技状態が発生して可変入賞球装置を開放する弾球遊技機(これを俗に第1種という)を例示しているが、特にこれに限定するものではなく、始動玉検出器の入賞玉の検出に伴って可変表示装置での識別情報の変動を開始し、該識別情報が所定の表示結果となると権利発生状態となり、この状態で特定領域に打玉が入賞すると特定遊技状態が発生する弾球遊技機(これを俗に第3種という)であっても良い。即ち、始動玉検出器の打玉の検出に伴って可変表示装置での識別情報の変動を開始し、該識別情報が所定の表示結果となると作動する可変入賞球装置を備えた弾球遊技機(例えば、俗にいう一般電役を含む)であればよい。また、弾球遊技機全体をLCD表示器等の表示装置にて構成する、即ち「打玉」「可変入賞球装置」等の構成部材を疑似的に表示器に表示することで弾球遊技機を構成することも可能である。なお、この場合では、賞球の払出しを得点等で代行しても良い。
また、第一及び第二の各実施形態では、特別遊技状態を特別図柄及び普通図柄の確率変動制御としているが、これに限定するものではなく、遊技者に有利となる遊技制御を特別遊技状態とすればよい。例えば、特別図柄乃至普通図柄に対しての時間短縮制御又は確率変動制御、電役(例えば、普通可変入賞球装置)の開放期間の延長制御、特別図柄乃至普通図柄に対しての始動通過領域の増設制御(例えば、普通入賞口を特別図柄の始動入賞口として設定変更する制御)、賞球数の増加制御(例えば、入賞に伴う賞球を通常時の13個から15個に増加する制御)、あるいは所定領域への通過率向上制御(例えば、始動入賞口の上流側に打玉規制装置を設け、該打玉規制装置の作動により始動入賞率を向上する制御)を特別遊技状態とすることができ、さらには前記第3種に本発明を適用した場合には、特定領域への入賞率向上制御を特別遊技状態としてもよい。なお、上記した遊技制御を組合せて特別遊技状態とすることもできるのは言うまでもない。また、特別遊技状態への突入(所定条件の成立)及び終了の契機については、本実施形態中に記載のものに限定しない。即ち、乱数、遊技履歴(例えば、時間、リーチ回数、所定入賞口への入賞回数又は通過回数など)、特定領域への入賞又は通過、サブゲーム(例えば、ジャンケンなどで遊技者自身が選択できるものを含む)の4つの要素のうちいずれか1つ乃至任意の組合せを突入契機乃至終了契機に設定するものであればよい。所定条件の成立を乱数とする場合、本実施形態の構成以外にも、可変表示装置以外の表示器を特別遊技状態の発生判定用の表示器として設け、その表示器の表示結果に基づいて特別遊技状態の発生の有無を決定してもよい。また、本実施形態では、リーチ動作するための条件(特定条件)の成立を、大当りとなるとき、及びハズレ時で左右の図柄が揃ったとき、としているが、これに限定するものではない。例えば、表示結果に拘らずに乱数(「0〜9」のうち「7」が抽出されたとき等)や遊技履歴(ハズレの始動回数がリーチしてから10回続いたとき等)でリーチ動作の有無を決定してもよい。また、本実施形態のように左・中・右の図柄が揃った大当り時と、図柄が揃わなかったハズレ時の一部と、でリーチ動作を行う構成とする場合、そのハズレ時の一部は、以下に示す(1)〜(5)とすることができる。
(1) 図柄が左・右・中の順で止まり、左右の図柄が同一図柄となる場合(当りラインが5ラインや8ラインも含む)。
(2) 左図柄が最初に止まった後に中右の図柄が同時に止まり、中右の図柄が同一図柄となる場合(当りラインが5ラインや8ラインも含む)。
(3) 乱数でリーチ動作ありを決定した場合(最終的に止まった図柄がまったく一致しない場合や強制的にリーチハズレに書き換える場合等も含む)。
(4) (1)(2)以外で特定のハズレ図柄となる場合(例えば、5ラインで全回転変動させる場合の揃っていない部分)。
(5) 遊技履歴でリーチ動作ありを決定した場合(例えば、10回転(図柄変動10回)連続でリーチが選択されないとき、次の回転(図柄変動)で強制的にリーチ動作を行う場合)。
なお、上記した(1)〜(5)は、そのうちのいずれか1つを設定要素としてもよいし、任意に組合せたものであってもよい。
また、本発明におけるリーチ変動態様は、実施形態中に記載のもの(リーチ1〜3)に限定せず、以下に示す定義のものであればよい。
「リーチ変動態様」… 特定表示結果の導出(大当り)に対する期待感を差別的に向上させ得る変動態様
具体的なリーチ変動態様としては、以下に示す(1)〜(5)が挙げられる。
(1) 左右の図柄は通常のハズレ時と同様に止まり、中図柄だけ変動時間が長い態様(一旦停止や変動方向が変わるものも含む)。
(2) 左図柄だけ確定し、中右の図柄でゆっくり同期回転(図柄変動)する態様。
(3) 全図柄揃った状態で同期回転(図柄変動)する態様(この場合、左右の図柄のみが揃って停止したり、全図柄が揃わずに停止する態様も含む)。
(4) 高速回転(図柄変動)を長く行い、いきなり止まる態様(この場合、左右の図柄のみが揃って停止したり、全図柄が揃わずに停止する態様も含む)。
(5) 左右の図柄が仮停止状態(例えば、停止状態で上下に揺れる)となり、その状態から大当りのとき(ハズレのときでもよい)は全図柄同期回転する態様。
また、本発明における特定状態は、実施形態中に記載のもの(左右の図柄が揃った状態)に限定せず、以下に示す定義のものであればよい。
「特定状態」… 1つの識別情報を除いて特定表示結果となる可能性がある状態 具体的な特定状態としては、以下に示す(1)〜(3)が挙げられる。
(1) 左・右・中の停止順で左右の図柄が同一図柄となる状態。
(2) 左図柄が最初に止まった後に中右の図柄が同時に止まる回転(図柄変動)で、中右の図柄が同一図柄となる状態。
(3) 2図柄で「7・7」が大当りとなる場合、いずれか一方に「7」が止まる状態。
また、本発明における特定表示結果となる識別情報とは、例えば、左・中・右の停止順で「7・7・7」で大当りの場合は右図柄の「7」となり、「7・7・A」で大当りの場合は右図柄の「A」となる。
なお、以上説明した実施形態から把握できる発明として以下のものがある。
(1) 複数の可変表示部で識別情報を可変表示すると共に、その表示結果が予め定めた特定表示結果となったときに遊技者にとって有利な特定遊技状態を発生し得る可変表示装置を備えた弾球遊技機において、前記可変表示部で前記表示結果を導出する以前に該表示結果を決定する表示結果決定手段と、特定条件が成立した場合、複数種類のリーチ変動態様の中からいずれかの変動態様を選択するリーチ変動態様選択手段と、該リーチ変動態様選択手段で選択した変動態様に基づいて前記可変表示部の変動を制御するリーチ変動制御手段と、所定条件の成立によって前記特定遊技状態とは異なり且つ遊技者にとって有利な特別遊技状態を発生する特別遊技発生手段と、前記表示結果決定手段で決定した表示結果が前記特定表示結果以外の表示結果となり且つその表示結果の一部が特定状態となる場合、前記複数の可変表示部のうち特定状態を構成しない可変表示部の識別情報を特定表示結果となる識別情報との配列における遠近関係に基づいて少なくとも特定表示結果となる識別情報に対して遠い関係と近い関係とに分類する表示結果分類手段と、を備え、前記特別遊技状態は、前記特定表示結果の導出率を向上させた遊技状態とすると共に、この特別遊技状態中では、通常時に前記表示結果分類手段が最も近い関係に分類する場合での出現率が高いリーチ変動態様の少なくとも前記特定表示結果とならない場合においての出現率を通常時に比べて高く設定したことを特徴とする。このように構成することにより、惜しいハズレリーチに対する遊技者の悔しさを増長させることなく、惜しいハズレリーチの出現率を向上させることができ、ひいてはリーチ演出の面白さを十分に発揮させ得る弾球遊技機を提供することができる。